情報処理装置、およびその情報処理方法、プログラム、記憶媒体
【課題】賞味期限に応じた献立を提供しつつも、選択される食材の状況に応じた献立を提供することが可能な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材と前記第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、食材決定手段により決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段を有する。
【解決手段】献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材と前記第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、食材決定手段により決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材データに基づいて献立を作成し端末に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食材データなどを基に利用者に献立を提供することが行われており、食材の消費期限を管理することで、消費期限の近い食材から優先的に献立に使用する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−061276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、賞味期限が近い食材を優先食材として選択し、献立がリストアップされることで、優先献立リストが決定される献立提供装置が提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1の献立提供システムによれば、所定の期間を区切り、その中で献立を選択ようになっている。この方法では、食材が決定されるとその食材を使用したメニューが提供されることになってしまう。
【0006】
例えば、ある食材が多量に在庫していたとしても使用される順番にならず、順番になったときには、食材を使いきることができない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明では、賞味期限に応じた献立を提供しつつも、選択される食材の状況に応じた献立を提供することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材と第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、食材決定手段により決定された食材に基づいて献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、賞味期限に応じた献立を提供しつつも、選択される食材の状況に応じた献立を提供することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における献立提供システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明に実施形態における献立提供システムに適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における献立提供システムの機能構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における献立提供システムのメインメニューを示す図である。
【図5】本発明の実施形態における献立提供システムの献立予約処理メニューの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における献立予約メニューから予約された献立予約テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における献立提供システムのデータメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立マスタ保守画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における献立マスタテーブルの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材マスタ管理画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における食材マスタテーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態における食材テーブルの一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態における献立テーブルの一例を示す図である。
【図16】は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立表示画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態における献立提供システム全体の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態における献立提供システムの食材抽出処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態における献立提供システムの献立の引当処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【図22】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【図23】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態における献立提供システムのシステム構成を示す図である。
【0013】
献立提供装置100、利用者端末101、献立情報登録装置102および携帯端末103がネットワーク300を介して接続されている。印刷装置104を接続することも可能である。
【0014】
また、ネットワーク300は、有線でも無線でも、公衆網回線でも構わず、各装置が接続できればよいものとする。
【0015】
献立提供装置100は、利用者端末101や携帯電話103などから献立提供要求を受けて、食材情報を検索し、献立を決定し、利用者端末101や携帯電話103に送信する。
【0016】
利用者端末102は、献立情報登録装置であり、利用者が献立情報登録装置102から献立提供装置に献立情報や食材情報を登録する。登録した献立情報や食材情報のメンテナンスもこの装置から行う。
【0017】
なお、図1では、献立提供装置100と利用者端末101、献立情報登録装置102をそれぞれ別の構成で記載しているが、それぞれを合わせて一つの装置で構成しても良いし、複数の装置で構成しても良い。
【0018】
また、ネットワーク300上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0019】
次に、図1の献立提供装置100や利用者端末101、献立情報登録装置102の各種装置のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
【0020】
図2は、本発明に実施形態における献立提供システムに適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0021】
情報処理装置は、献立提供装置100、利用者端末101および献立情報登録装置102に提供可能である。
【0022】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0024】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0025】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0026】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じてユーザが使用するものである。
【0027】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0028】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0029】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0030】
本発明を実現するための各種プログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0031】
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる条件データは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0032】
次に、図1の献立提供システムの機能構成について図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施形態における献立提供システムの機能構成を示す図である。
なお、図3の各構成部は、図2のCPU201により実行される。
【0034】
図3において、記憶部301は、食材、献立の情報を記憶する記憶部であり、献立テーブル取得部304により適切な献立情報を引当されるデータを有する。
【0035】
食材テーブル取得部302は、利用者が利用者端末101から食材として所有する食材データに対する入力、変更、削除の要求を処理することができる。利用者は利用者端末の入力部306から要求することができる。
【0036】
引当条件取得部303は、利用者端末101から対象の献立の引当条件である献立の種別(和食や洋食など)を取得し、献立テーブル取得部304は、引当条件取得部で取得した引当条件で献立情報を利用者端末101に提供する。
【0037】
献立マスタテーブル取得部305は、利用者端末101又は献立情報登録装置102からの登録を受け、献立の基本データとなるマスタデータを取得する。
【0038】
以上の構成によって、献立情報を利用者端末101に提供する。提供を受けた利用者端末では、表示部に献立が出力表示される。
【0039】
DB308には、献立マスタテーブル400、食材マスタテーブル401、食材テーブル402、献立テーブル403および献立予約テーブル404を有する。それぞれの詳細については後述する。
【0040】
図4は、本発明の実施形態における献立提供システムのメインメニューを示す図である。
【0041】
献立作成システム400のメインメニューは、利用者端末よりアプリケーションを呼び出すことにより起動される。メニュー献立予約処理メニュー401、献立作成メニュー402、データメンテナンスメニュー403で構成されている。処理したいメニューの番号を選択し、実行することでそれぞれの処理が開始される。
【0042】
献立予約処理メニュー401が選択されると、図5に示す献立予約画面500が表示される。
【0043】
図5は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立予約処理メニューの一例を示す図である。
【0044】
献立予約画面500は、「番号」「日付」「時刻」「利用者数」「優先種別」などの入力が可能である。「番号」にはユニークな番号が設定される。システムから自動発番されるようにしてもよい。「日付」「時刻」は献立を利用する日付と時刻であり、「人数」は食事をする人数である。「優先種別」には、献立の種別が入力される。例では和食が入力されているが、他には洋食や中華などが設定されている。
【0045】
処理区分501では、「追加」「変更」「削除」が選択可能であり、「追加」が選択されると、新規に献立が予約され、「変更」が選択されると既に予約されている内容の変更が可能となっている。「削除」が選択されると予約された献立が削除される。
【0046】
図6は、本発明の実施形態における献立予約メニューから予約された献立予約テーブルの一例を示す図である。
【0047】
献立予約テーブル600には、献立予約画面500から入力された内容が記憶されている。「区分」で終了となっているものは、既に献立の提供が済んでいるものであり、次回献立の作成をする場合には、番号「4」の予約が処理されることになる。
601は、献立予約テーブルの項目に関する説明をしたものである。
図4の説明に戻る。
【0048】
献立作成メニュー402が選択されると、献立作成処理が開始される。詳細については後述する。
【0049】
データメンテナンスメニュー403が選択されると、図7に示すデータメンテナンス画面700が表示される。
【0050】
図7は、本発明の実施形態における献立提供システムのデータメンテナンス画面の一例を示す図である。
【0051】
データメンテナンス画面700は、献立マスタテーブルメニュー701、食材マスタテーブルメニュー702、食事テーブルメニュー703、献立メニュー704を選択可能となっている。メニューが選択されることにより、それぞれのマスタテーブルやテーブルのメンテナンス画面に遷移する。
【0052】
図8は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立マスタ保守画面の一例を示す図である。
【0053】
献立マスタ保守画面800は、図7において献立マスタテーブルメニュー701が選択された場合に表示される。献立の「名称」「分類」「食材」「調理方法」などを登録可能である。この画面を利用して、変更や削除を行うことができる。ユーザは献立マスタテーブルに登録された献立の提供を受けることになる。
【0054】
図9は、本発明の実施形態における献立マスタテーブルの一例を示す図である。
【0055】
献立マスタテーブル900には、献立マスタ保守画面800から入力された内容が記憶されている。901は、献立マスタテーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0056】
図10は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材マスタ管理画面の一例を示す図である。
【0057】
食材マスタ管理画面1000は、図7において食材マスタテーブルメニュー702が選択された場合に表示される。食材のマスタデータに関する項目が登録可能であり、「食材コード」「名称」「使用単位」「標準単価」「カロリー」「保存期間」「備考」などが登録可能である。
【0058】
処理区分1001において、「追加」「変更」「削除」を選択することができる。
【0059】
図11は、本発明の実施形態における食材マスタテーブルの一例を示す図である。
【0060】
食材マスタテーブル1100には、食材マスタ管理画面1000から入力された内容が記憶されている。1101は、食材マスタテーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0061】
図12は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【0062】
食材管理画面1200は、図7において食材テーブルメニュー703が選択された場合に表示される。献立提供システムで利用可能な食材として保有している食材の管理画面である。
【0063】
「分類コード」「名称」「番号」「数量」「購入単価」「賞味期限」「備考」などが登録可能である。なお「分類コード」は食材管理マスタの「食材コード」と同じものを利用している。
【0064】
図13は、本発明の実施形態における食材テーブルの一例を示す図である。
【0065】
食材テーブル1300は、食材管理画面1200から入力された内容が記憶されている。献立を作成する場合には、食材テーブルに登録されている食材を利用して献立が作成される。1301は、食材テーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0066】
図14は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【0067】
紺縦詳細表示画面1400は、図7において献立テーブルメニュー704が選択された場合に表示される。献立作成処理によって作成されたメニューを管理することができる。表示される内容は、献立マスタに登録されているデータと同じものである。
【0068】
図15は、本発明の実施形態における献立テーブルの一例を示す図である。
【0069】
献立テーブル1500は、献立作成処理により作成された献立が記憶されたテーブルである。後述の献立一覧画面で表示される内容である。1501は、献立テーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0070】
図16は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立表示画面の一例を示す図である。
【0071】
献立一覧表示画面1500は、献立作成処理により献立が作成された後、ユーザがどの献立に確定するかを選択する画面である。処理欄のチェックボックスにチェックを入れ、処理区分1601の「再引当」か「確定」を選択する。再引当が選択された場合、再度献立の作成処理を実行し、確定が選択された場合、献立が確定することになる。
【0072】
図17は、本発明の実施形態における献立提供システム全体の処理フローの一例を示すフローチャートである。(図4メインメニューから献立作成が選択されると処理が開始される)
【0073】
ステップS1701で、献立予約テーブルより献立予約データを取得する。
【0074】
ステップS1702で、献立の引当の要否について判断する。ここで献立の引当とは、予約された献立提供要求に対して献立が作成されることをいう。要否とは、献立が予約されているかどうか、即ち献立予約テーブルに未引当の予約が存在するかどうかで判断する。
【0075】
ステップS1702で引当が不要と判断された場合には、ステップS1705に進む。
【0076】
一方、引当が必要である場合、ステップS1703で食材抽出処理を行う。ここでは、本献立提供システムで提供される献立を決定するための食材が抽出される。詳細については後述する。
【0077】
ステップS1704では、食材抽出処理で抽出された食材に基づいて献立の引当処理を行う。詳細については、後述する。
【0078】
ステップS1705では、その時点で引き当てられている献立をクライアント端末に表示させる。(図16に示す献立一覧表示画面)
【0079】
ステップS1706では、ユーザからの選択を受付ける。選択は、「再引当」と「確定」「終了」がある。
【0080】
ステップS1707では、ステップS1706での入力結果を判断し、「再引当」が選択されている場合、ステップS1702に戻って再度処理を実行する。
【0081】
一方、「確定」が選択された場合、献立を確定して処理を終了する。「終了」が選択された場合は、献立を確定せず処理を終了するようにすればよい。
【0082】
図18は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材抽出処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
図17のステップ1703の処理に対応する。
ステップS1801で、食材テーブルより食材データを取得する。
【0083】
ステップS1802で、食材テーブル全件の処理(取得)を行い、ステップS1803で、賞味期限が短いものを抽出する。
【0084】
ステップS1804では、優先度設定があるかどうかを判断する。優先度順位とは、一度抽出された食材に対して、それよりも優先的に使用すべき食材が設定されているものである。
【0085】
具体的には「抽出された食材よりも在庫が多い食材があるか」や「抽出された食材よりも使用頻度が低い食材はあるか」などを設定可能である。なお、設定できる内容はこれに限ったものではなく、食材テーブルに記憶されている内容を利用して任意な設定が可能となっている。
【0086】
ステップS1805では、優先度の設定として「抽出された食材よりも在庫が多い食材があるか」が設定されていた場合に判断を行う。この設定がされていない場合には、ステップS1806に進む。
一方、この設定がされていた場合は、ステップS1808に進む。
【0087】
抽出された食材よりも在庫が多い食材とは、例えば、賞味期限によって抽出された食材よりも抽出されるのは後になるが、その後に抽出されたとしても多すぎて使いきれないような食材を示す。
【0088】
どちらの食材を優先的に使うかの基準は、例えば図20に示すような指数関数曲線を使って表わすことができる。詳細については後述する。
【0089】
ステップS1806では、優先度の設定として、「抽出された食材よりも使用頻度が低い食材があるか」が設定されていた場合に判断を行う。この設定がされていない場合には、ステップS1807に進む。ステップS1807では、抽出された食材よりも優先度の高い食材は存在しなので、はじめに抽出された食材を抽出食材として決定する。
【0090】
ステップS1808では、はじめに抽出された食材と優先度の高い食材を変更し、優先度の高い食材を抽出食材として決定する。
【0091】
抽出された食材よりも使用頻度が低い食材とは、例えば、賞味期限によって抽出された食材よりも抽出されるのは後になるが、使用頻度が低いために抽出される機会がなくなってしまうような食材を示す。
【0092】
どちらの食材を優先的に使うかの基準は、例えば図21に示すような指数関数を使って表わすことができる。詳細については後述する。
【0093】
図19は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立の引当処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
図17のステップS1704の処理に対応する。
【0094】
ステップS1901で献立マスタデータを抽出する。ステップS1902で、図18で抽出した食材を取得する。
【0095】
ステップS1903で、食材がS1901で抽出した献立データに引当可能かどうかを判断する。ここで、献立予約テーブルには、「和食」や「洋食」などのメニューの種類が含まれているので、これを利用することも可能である。例えば「和食」が指定されていたら和食メニューを、「洋食」が指定されていたら洋食メニューを優先的に選択するようにすればよい。
【0096】
ステップS1903で、献立データの引当が不可であった場合は、処理を終了する。
【0097】
一方、可能であった場合は、ステップS1904に進む。ステップS1904では、引当される献立に使われる食材の計算をする。
【0098】
ステップS1905では、実際に使用される分の食材データを食材テーブルから更新する。
【0099】
ステップS1906では、引当された献立を献立テーブルに設定し、処理を終了する。
【0100】
図20は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材保有量に基づく優先度算出の一例を示す図である。
【0101】
食材の保有量による優先度の計算手法であって、食材の保有量に基づいてその優先度を次のように計算することができる。
【0102】
作成した献立テーブルにあるすべての献立に使われている食材を抽出し、食材の保有量を算出する。保有量に応じて優先度を算出する。
Pn=G(m)
【0103】
ここで、G(m)について、実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Pnは次式で計算され数値化することをできる。
【0104】
図20では、優先度計算の一例として横軸を食材の保有量とし、縦軸を優先度とするグラフである。具体的にある食材の優先度については、次式のように計算したときのものである。
Pn=(e−im−1)
ただし、ここでは
m:食材の保有量、m ≧ 0 単位:人分
i:頻度低減係数、値の範囲:i > 0
【0105】
Pn:数値化された食材の保有量による優先度、値の範囲: 0〜100%
【0106】
図20において、保有量がm=10人分である場合、優先度がPn≒0.9と算出されることになる。また保有量がm=2人分である場合、優先度がPn≒0.3と算出されることになる。このようにして食材の保有量によって当該食材の優先度の調整することで、献立の引当の順番を決定することができる。
【0107】
また特に上記計算方法の事例として指数関数曲線を利用するメリットとして、食材の保有量に従い、優先度が指数的に増加することにより食材の保有量がある一定以上(図20においてm=6人分、Pn≒0.8)までは、増加率が大きく、当該食材の保有量の増加に対する引当ニーズが高く、他の要素による優先度との対比において、保有量の多い食材の使用を促す作用を働く。
【0108】
図21は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材の使用頻度に基づく優先度算出の一例を示す図である。
【0109】
食材の使用頻度による優先度の計算手法であって、食材の使用頻度に基づいてその優先度を次のように計算することができる。
【0110】
作成した献立テーブルにあるすべての献立に使われている食材を抽出し、使用の頻度を算出する。使用頻度に応じて優先度を算出する。
Ph=G(s)
【0111】
ここで、G(s)について、実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Phは次式で計算され数値化することをできる。
【0112】
具体的にある食材の優先度については、次式のように計算したときのものである。実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Phは次式で計算され数値化することをできる。
Ph=(e−gs−1)ただし、ここでは
s:食材の使用頻度、s ≧ 0 (0.0 〜 1.0)
g:頻度低減係数、値の範囲:g > 0
【0113】
Ph:数値化された食材の使用頻度による優先度、値の範囲: −100%〜0
【0114】
図21は、優先度計算の一例として横軸を食材の使用頻度とし、縦軸を優先度とするグラフである。
【0115】
上記計算方法において、食材の使用頻度が小さい場合でs=0としても、その対応する優先度がPh=0であり、大きい場合でその食材の最小優先度がPh=−1.0となる。
【0116】
そして使用される頻度の高い食材であればあるほど、優先度が小さくなり、献立に割り当てたときは、他の食材より優先順位を下げて後回しになる。使用頻度の高い食材は今後利用される可能性が高く、該当する献立の優先度を下げてもよいからである。これにより、使用頻度の低い食材が使われる可能性を高くし、食材の有効利用を図る効果を有する。
【0117】
またまた特に上記計算方法の事例として指数関数曲線を利用するメリットとして、食材の使用頻度の増大に従い、優先度が指数的に低下することによりその使用頻度がある一定以上(図21においてs=3、Ph≒0.95)までは、低下率が大きく、当該食材の使用頻度の増加に対する引当ニーズが下がり、他の要素による優先度との対比において、使用頻度の少ない食材の使用を促す作用を働く。
【0118】
図22は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材の賞味期限までの時間に基づく優先度算出の一例を示す図である。
【0119】
かかる食材の賞味期限による優先度は次のように計算することができる。
【0120】
献立に使用される食材の最短賞味期間tを変数として献立の優先度を算出する。ここで、献立最短賞味期間までに残存時間tは次式で算出する。
まず、各食材の賞味期間を求める。
ti=ti2−t1
ただし、
ti:献立に利用されるi番目の食材の賞味期間、単位:時間
t1:利用者指定の献立使用時、日時
ti2:i番目の食材の賞味期限、日時
【0121】
献立最短賞味期間までの残存期間tは上記すべての食材の賞味期間の最も小さい値を選ぶ。即ち、
t=MIN(t1,t2,...、ti、...、tn)
ただし、
t1 :食材1の賞味期間、単位:時間
t2 :食材2の賞味期間、単位:時間
ti :食材iの賞味期間、単位:時間
tn :食材nの賞味期間、単位:時間
【0122】
献立最短賞味期間tを用いて、当該献立の優先度Ptをアクセス時間(t)の関数として数値化する。数式で表すと、以下のようになる。
Pt=F(t)
【0123】
ここで、F(t)について、実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Ptは次式で計算され数値化することをできる。図は、優先度計算の一例として横軸を食材の保有量とし、縦軸を優先度とするグラフである。具体的にある食材の優先度については、次式のように計算したときのものである。
Pt=e−τt
ただし、ここでは
t:献立最短賞味期間までの残存期間
τ:時定数係数、値の範囲:τ > 0
【0124】
Pt:数値化されたアクセス時間による優先度、値の範囲:0〜100%
【0125】
優先度の計算について指数関数曲線を用いるメリットとしては賞味期間までの時間が短いほど、優先順位が大きくなるため、食材の有効利用には有効である。
【0126】
また、ある食材に対し、上記指数関数を用いて賞味期限までの残存期間による優先度の算出について図22のグラフを使って表すことができる。
【0127】
図23は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【0128】
食材の単価による優先度の計算手法であって、食材の単価に基づいてその優先度を次のように計算することができる。
【0129】
献立に使われている食材の単価を計算し、下記のように当該献立の優先度を算出して献立一覧テーブルに反映する。
Pc=G(m)
【0130】
ここで、G(m)について、実施例として双曲線正接関数曲線を採用し、優先度Pcは次式で計算され数値化することをできる。
Pc=tanh(km)
ただし、ここでは
m: 1人分当たりの単価を正規化にした食材の単価、
k:単価係数、値の範囲:k > 0
【0131】
Pc:数値化された食材の単価による優先度、値の範囲:0〜100%
【0132】
図は、優先度計算の一例として横軸を正規化した食材の単価とし、縦軸を優先度とするグラフである。
【0133】
そうすることにより、単価の高い食材は優先度が高くなるため、保有食材の中で高価なものは優先的に使用されることになる。また、一定の単価以上になると、当該優先度の上昇傾向が渋り、単価要因による優先度の差が小さくなる。
【0134】
一般家庭において食材の単価は小中の低価格台のものが多く、高価なものが少ないことと一致する。これにより、利用者の生活に適した優先度の算出結果を導くことになる
【0135】
食材のコストの正規化処理は上記単価係数kを次式にて計算することができる。
k=M/C
M:食材の1人分当たりの単価
C:固定単価(例えば、100円とする)
これにより数値化をできるようにする。
【0136】
これら、図20から図23までの優先度を組合せることにより食材の優先度を次式によって計算することができる。
【0137】
P=(Pt*α+Ph*β+Pn*γ+Pc*δ)/(α+β+γ+δ)
ただし、ここでは
【0138】
α、β、γ、δ: Pt、Ph、Pn、Pcの比例を調整するための重み係数。
ただし、α+β+γ+δ=1
【0139】
Pt:数値化された賞味期限の要素による優先度、値の範囲:0〜100%
【0140】
Ph:数値化された食材の使用頻度による優先度、値の範囲: −100%〜0
【0141】
Pn:数値化された食材の保有量による優先度、値の範囲: 0〜100%
【0142】
Pc:数値化された食材の単価による優先度、値の範囲:0〜100%
P:優先度Pの算出結果、値の範囲:0〜100%
【0143】
上記のように各食材についてそれぞれ優先度を算出した後、上記重み係数を調整することにより各要素についてバランスよく考慮して総合的に算出することができる。そして、より経済的でかつ生活の実体に沿った献立を生成することが可能となる。
【0144】
前記方法によって算出された食材の優先度を用いて食材テーブルから優先度が一番高い食材データを抽出し、献立用の食材として決定することも可能である。
【0145】
以上、一実施例について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0146】
また、本発明におけるプログラムは、本発明に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体はコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0147】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0148】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0149】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0150】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0151】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0152】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0153】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0154】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0155】
100 ネットワーク
101 メールサーバ
102 ワークフローサーバ
103 ウェブメールサーバ
104 クライアント端末
105 携帯端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材データに基づいて献立を作成し端末に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食材データなどを基に利用者に献立を提供することが行われており、食材の消費期限を管理することで、消費期限の近い食材から優先的に献立に使用する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−061276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、賞味期限が近い食材を優先食材として選択し、献立がリストアップされることで、優先献立リストが決定される献立提供装置が提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1の献立提供システムによれば、所定の期間を区切り、その中で献立を選択ようになっている。この方法では、食材が決定されるとその食材を使用したメニューが提供されることになってしまう。
【0006】
例えば、ある食材が多量に在庫していたとしても使用される順番にならず、順番になったときには、食材を使いきることができない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明では、賞味期限に応じた献立を提供しつつも、選択される食材の状況に応じた献立を提供することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、第1の食材抽出手段により抽出された食材と第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、食材決定手段により決定された食材に基づいて献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、賞味期限に応じた献立を提供しつつも、選択される食材の状況に応じた献立を提供することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における献立提供システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明に実施形態における献立提供システムに適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における献立提供システムの機能構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における献立提供システムのメインメニューを示す図である。
【図5】本発明の実施形態における献立提供システムの献立予約処理メニューの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における献立予約メニューから予約された献立予約テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における献立提供システムのデータメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立マスタ保守画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における献立マスタテーブルの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材マスタ管理画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における食材マスタテーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態における食材テーブルの一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態における献立テーブルの一例を示す図である。
【図16】は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立表示画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態における献立提供システム全体の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態における献立提供システムの食材抽出処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態における献立提供システムの献立の引当処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【図22】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【図23】本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態における献立提供システムのシステム構成を示す図である。
【0013】
献立提供装置100、利用者端末101、献立情報登録装置102および携帯端末103がネットワーク300を介して接続されている。印刷装置104を接続することも可能である。
【0014】
また、ネットワーク300は、有線でも無線でも、公衆網回線でも構わず、各装置が接続できればよいものとする。
【0015】
献立提供装置100は、利用者端末101や携帯電話103などから献立提供要求を受けて、食材情報を検索し、献立を決定し、利用者端末101や携帯電話103に送信する。
【0016】
利用者端末102は、献立情報登録装置であり、利用者が献立情報登録装置102から献立提供装置に献立情報や食材情報を登録する。登録した献立情報や食材情報のメンテナンスもこの装置から行う。
【0017】
なお、図1では、献立提供装置100と利用者端末101、献立情報登録装置102をそれぞれ別の構成で記載しているが、それぞれを合わせて一つの装置で構成しても良いし、複数の装置で構成しても良い。
【0018】
また、ネットワーク300上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0019】
次に、図1の献立提供装置100や利用者端末101、献立情報登録装置102の各種装置のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
【0020】
図2は、本発明に実施形態における献立提供システムに適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0021】
情報処理装置は、献立提供装置100、利用者端末101および献立情報登録装置102に提供可能である。
【0022】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0024】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0025】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0026】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じてユーザが使用するものである。
【0027】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0028】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0029】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0030】
本発明を実現するための各種プログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0031】
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる条件データは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0032】
次に、図1の献立提供システムの機能構成について図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施形態における献立提供システムの機能構成を示す図である。
なお、図3の各構成部は、図2のCPU201により実行される。
【0034】
図3において、記憶部301は、食材、献立の情報を記憶する記憶部であり、献立テーブル取得部304により適切な献立情報を引当されるデータを有する。
【0035】
食材テーブル取得部302は、利用者が利用者端末101から食材として所有する食材データに対する入力、変更、削除の要求を処理することができる。利用者は利用者端末の入力部306から要求することができる。
【0036】
引当条件取得部303は、利用者端末101から対象の献立の引当条件である献立の種別(和食や洋食など)を取得し、献立テーブル取得部304は、引当条件取得部で取得した引当条件で献立情報を利用者端末101に提供する。
【0037】
献立マスタテーブル取得部305は、利用者端末101又は献立情報登録装置102からの登録を受け、献立の基本データとなるマスタデータを取得する。
【0038】
以上の構成によって、献立情報を利用者端末101に提供する。提供を受けた利用者端末では、表示部に献立が出力表示される。
【0039】
DB308には、献立マスタテーブル400、食材マスタテーブル401、食材テーブル402、献立テーブル403および献立予約テーブル404を有する。それぞれの詳細については後述する。
【0040】
図4は、本発明の実施形態における献立提供システムのメインメニューを示す図である。
【0041】
献立作成システム400のメインメニューは、利用者端末よりアプリケーションを呼び出すことにより起動される。メニュー献立予約処理メニュー401、献立作成メニュー402、データメンテナンスメニュー403で構成されている。処理したいメニューの番号を選択し、実行することでそれぞれの処理が開始される。
【0042】
献立予約処理メニュー401が選択されると、図5に示す献立予約画面500が表示される。
【0043】
図5は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立予約処理メニューの一例を示す図である。
【0044】
献立予約画面500は、「番号」「日付」「時刻」「利用者数」「優先種別」などの入力が可能である。「番号」にはユニークな番号が設定される。システムから自動発番されるようにしてもよい。「日付」「時刻」は献立を利用する日付と時刻であり、「人数」は食事をする人数である。「優先種別」には、献立の種別が入力される。例では和食が入力されているが、他には洋食や中華などが設定されている。
【0045】
処理区分501では、「追加」「変更」「削除」が選択可能であり、「追加」が選択されると、新規に献立が予約され、「変更」が選択されると既に予約されている内容の変更が可能となっている。「削除」が選択されると予約された献立が削除される。
【0046】
図6は、本発明の実施形態における献立予約メニューから予約された献立予約テーブルの一例を示す図である。
【0047】
献立予約テーブル600には、献立予約画面500から入力された内容が記憶されている。「区分」で終了となっているものは、既に献立の提供が済んでいるものであり、次回献立の作成をする場合には、番号「4」の予約が処理されることになる。
601は、献立予約テーブルの項目に関する説明をしたものである。
図4の説明に戻る。
【0048】
献立作成メニュー402が選択されると、献立作成処理が開始される。詳細については後述する。
【0049】
データメンテナンスメニュー403が選択されると、図7に示すデータメンテナンス画面700が表示される。
【0050】
図7は、本発明の実施形態における献立提供システムのデータメンテナンス画面の一例を示す図である。
【0051】
データメンテナンス画面700は、献立マスタテーブルメニュー701、食材マスタテーブルメニュー702、食事テーブルメニュー703、献立メニュー704を選択可能となっている。メニューが選択されることにより、それぞれのマスタテーブルやテーブルのメンテナンス画面に遷移する。
【0052】
図8は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立マスタ保守画面の一例を示す図である。
【0053】
献立マスタ保守画面800は、図7において献立マスタテーブルメニュー701が選択された場合に表示される。献立の「名称」「分類」「食材」「調理方法」などを登録可能である。この画面を利用して、変更や削除を行うことができる。ユーザは献立マスタテーブルに登録された献立の提供を受けることになる。
【0054】
図9は、本発明の実施形態における献立マスタテーブルの一例を示す図である。
【0055】
献立マスタテーブル900には、献立マスタ保守画面800から入力された内容が記憶されている。901は、献立マスタテーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0056】
図10は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材マスタ管理画面の一例を示す図である。
【0057】
食材マスタ管理画面1000は、図7において食材マスタテーブルメニュー702が選択された場合に表示される。食材のマスタデータに関する項目が登録可能であり、「食材コード」「名称」「使用単位」「標準単価」「カロリー」「保存期間」「備考」などが登録可能である。
【0058】
処理区分1001において、「追加」「変更」「削除」を選択することができる。
【0059】
図11は、本発明の実施形態における食材マスタテーブルの一例を示す図である。
【0060】
食材マスタテーブル1100には、食材マスタ管理画面1000から入力された内容が記憶されている。1101は、食材マスタテーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0061】
図12は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの食材テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【0062】
食材管理画面1200は、図7において食材テーブルメニュー703が選択された場合に表示される。献立提供システムで利用可能な食材として保有している食材の管理画面である。
【0063】
「分類コード」「名称」「番号」「数量」「購入単価」「賞味期限」「備考」などが登録可能である。なお「分類コード」は食材管理マスタの「食材コード」と同じものを利用している。
【0064】
図13は、本発明の実施形態における食材テーブルの一例を示す図である。
【0065】
食材テーブル1300は、食材管理画面1200から入力された内容が記憶されている。献立を作成する場合には、食材テーブルに登録されている食材を利用して献立が作成される。1301は、食材テーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0066】
図14は、本発明の実施形態におけるデータメンテナンスの献立テーブルのメンテナンス画面の一例を示す図である。
【0067】
紺縦詳細表示画面1400は、図7において献立テーブルメニュー704が選択された場合に表示される。献立作成処理によって作成されたメニューを管理することができる。表示される内容は、献立マスタに登録されているデータと同じものである。
【0068】
図15は、本発明の実施形態における献立テーブルの一例を示す図である。
【0069】
献立テーブル1500は、献立作成処理により作成された献立が記憶されたテーブルである。後述の献立一覧画面で表示される内容である。1501は、献立テーブルの項目に関する説明をしたものである。
【0070】
図16は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立表示画面の一例を示す図である。
【0071】
献立一覧表示画面1500は、献立作成処理により献立が作成された後、ユーザがどの献立に確定するかを選択する画面である。処理欄のチェックボックスにチェックを入れ、処理区分1601の「再引当」か「確定」を選択する。再引当が選択された場合、再度献立の作成処理を実行し、確定が選択された場合、献立が確定することになる。
【0072】
図17は、本発明の実施形態における献立提供システム全体の処理フローの一例を示すフローチャートである。(図4メインメニューから献立作成が選択されると処理が開始される)
【0073】
ステップS1701で、献立予約テーブルより献立予約データを取得する。
【0074】
ステップS1702で、献立の引当の要否について判断する。ここで献立の引当とは、予約された献立提供要求に対して献立が作成されることをいう。要否とは、献立が予約されているかどうか、即ち献立予約テーブルに未引当の予約が存在するかどうかで判断する。
【0075】
ステップS1702で引当が不要と判断された場合には、ステップS1705に進む。
【0076】
一方、引当が必要である場合、ステップS1703で食材抽出処理を行う。ここでは、本献立提供システムで提供される献立を決定するための食材が抽出される。詳細については後述する。
【0077】
ステップS1704では、食材抽出処理で抽出された食材に基づいて献立の引当処理を行う。詳細については、後述する。
【0078】
ステップS1705では、その時点で引き当てられている献立をクライアント端末に表示させる。(図16に示す献立一覧表示画面)
【0079】
ステップS1706では、ユーザからの選択を受付ける。選択は、「再引当」と「確定」「終了」がある。
【0080】
ステップS1707では、ステップS1706での入力結果を判断し、「再引当」が選択されている場合、ステップS1702に戻って再度処理を実行する。
【0081】
一方、「確定」が選択された場合、献立を確定して処理を終了する。「終了」が選択された場合は、献立を確定せず処理を終了するようにすればよい。
【0082】
図18は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材抽出処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
図17のステップ1703の処理に対応する。
ステップS1801で、食材テーブルより食材データを取得する。
【0083】
ステップS1802で、食材テーブル全件の処理(取得)を行い、ステップS1803で、賞味期限が短いものを抽出する。
【0084】
ステップS1804では、優先度設定があるかどうかを判断する。優先度順位とは、一度抽出された食材に対して、それよりも優先的に使用すべき食材が設定されているものである。
【0085】
具体的には「抽出された食材よりも在庫が多い食材があるか」や「抽出された食材よりも使用頻度が低い食材はあるか」などを設定可能である。なお、設定できる内容はこれに限ったものではなく、食材テーブルに記憶されている内容を利用して任意な設定が可能となっている。
【0086】
ステップS1805では、優先度の設定として「抽出された食材よりも在庫が多い食材があるか」が設定されていた場合に判断を行う。この設定がされていない場合には、ステップS1806に進む。
一方、この設定がされていた場合は、ステップS1808に進む。
【0087】
抽出された食材よりも在庫が多い食材とは、例えば、賞味期限によって抽出された食材よりも抽出されるのは後になるが、その後に抽出されたとしても多すぎて使いきれないような食材を示す。
【0088】
どちらの食材を優先的に使うかの基準は、例えば図20に示すような指数関数曲線を使って表わすことができる。詳細については後述する。
【0089】
ステップS1806では、優先度の設定として、「抽出された食材よりも使用頻度が低い食材があるか」が設定されていた場合に判断を行う。この設定がされていない場合には、ステップS1807に進む。ステップS1807では、抽出された食材よりも優先度の高い食材は存在しなので、はじめに抽出された食材を抽出食材として決定する。
【0090】
ステップS1808では、はじめに抽出された食材と優先度の高い食材を変更し、優先度の高い食材を抽出食材として決定する。
【0091】
抽出された食材よりも使用頻度が低い食材とは、例えば、賞味期限によって抽出された食材よりも抽出されるのは後になるが、使用頻度が低いために抽出される機会がなくなってしまうような食材を示す。
【0092】
どちらの食材を優先的に使うかの基準は、例えば図21に示すような指数関数を使って表わすことができる。詳細については後述する。
【0093】
図19は、本発明の実施形態における献立提供システムの献立の引当処理の詳細処理フローの一例を示す図である。
図17のステップS1704の処理に対応する。
【0094】
ステップS1901で献立マスタデータを抽出する。ステップS1902で、図18で抽出した食材を取得する。
【0095】
ステップS1903で、食材がS1901で抽出した献立データに引当可能かどうかを判断する。ここで、献立予約テーブルには、「和食」や「洋食」などのメニューの種類が含まれているので、これを利用することも可能である。例えば「和食」が指定されていたら和食メニューを、「洋食」が指定されていたら洋食メニューを優先的に選択するようにすればよい。
【0096】
ステップS1903で、献立データの引当が不可であった場合は、処理を終了する。
【0097】
一方、可能であった場合は、ステップS1904に進む。ステップS1904では、引当される献立に使われる食材の計算をする。
【0098】
ステップS1905では、実際に使用される分の食材データを食材テーブルから更新する。
【0099】
ステップS1906では、引当された献立を献立テーブルに設定し、処理を終了する。
【0100】
図20は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材保有量に基づく優先度算出の一例を示す図である。
【0101】
食材の保有量による優先度の計算手法であって、食材の保有量に基づいてその優先度を次のように計算することができる。
【0102】
作成した献立テーブルにあるすべての献立に使われている食材を抽出し、食材の保有量を算出する。保有量に応じて優先度を算出する。
Pn=G(m)
【0103】
ここで、G(m)について、実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Pnは次式で計算され数値化することをできる。
【0104】
図20では、優先度計算の一例として横軸を食材の保有量とし、縦軸を優先度とするグラフである。具体的にある食材の優先度については、次式のように計算したときのものである。
Pn=(e−im−1)
ただし、ここでは
m:食材の保有量、m ≧ 0 単位:人分
i:頻度低減係数、値の範囲:i > 0
【0105】
Pn:数値化された食材の保有量による優先度、値の範囲: 0〜100%
【0106】
図20において、保有量がm=10人分である場合、優先度がPn≒0.9と算出されることになる。また保有量がm=2人分である場合、優先度がPn≒0.3と算出されることになる。このようにして食材の保有量によって当該食材の優先度の調整することで、献立の引当の順番を決定することができる。
【0107】
また特に上記計算方法の事例として指数関数曲線を利用するメリットとして、食材の保有量に従い、優先度が指数的に増加することにより食材の保有量がある一定以上(図20においてm=6人分、Pn≒0.8)までは、増加率が大きく、当該食材の保有量の増加に対する引当ニーズが高く、他の要素による優先度との対比において、保有量の多い食材の使用を促す作用を働く。
【0108】
図21は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材の使用頻度に基づく優先度算出の一例を示す図である。
【0109】
食材の使用頻度による優先度の計算手法であって、食材の使用頻度に基づいてその優先度を次のように計算することができる。
【0110】
作成した献立テーブルにあるすべての献立に使われている食材を抽出し、使用の頻度を算出する。使用頻度に応じて優先度を算出する。
Ph=G(s)
【0111】
ここで、G(s)について、実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Phは次式で計算され数値化することをできる。
【0112】
具体的にある食材の優先度については、次式のように計算したときのものである。実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Phは次式で計算され数値化することをできる。
Ph=(e−gs−1)ただし、ここでは
s:食材の使用頻度、s ≧ 0 (0.0 〜 1.0)
g:頻度低減係数、値の範囲:g > 0
【0113】
Ph:数値化された食材の使用頻度による優先度、値の範囲: −100%〜0
【0114】
図21は、優先度計算の一例として横軸を食材の使用頻度とし、縦軸を優先度とするグラフである。
【0115】
上記計算方法において、食材の使用頻度が小さい場合でs=0としても、その対応する優先度がPh=0であり、大きい場合でその食材の最小優先度がPh=−1.0となる。
【0116】
そして使用される頻度の高い食材であればあるほど、優先度が小さくなり、献立に割り当てたときは、他の食材より優先順位を下げて後回しになる。使用頻度の高い食材は今後利用される可能性が高く、該当する献立の優先度を下げてもよいからである。これにより、使用頻度の低い食材が使われる可能性を高くし、食材の有効利用を図る効果を有する。
【0117】
またまた特に上記計算方法の事例として指数関数曲線を利用するメリットとして、食材の使用頻度の増大に従い、優先度が指数的に低下することによりその使用頻度がある一定以上(図21においてs=3、Ph≒0.95)までは、低下率が大きく、当該食材の使用頻度の増加に対する引当ニーズが下がり、他の要素による優先度との対比において、使用頻度の少ない食材の使用を促す作用を働く。
【0118】
図22は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材の賞味期限までの時間に基づく優先度算出の一例を示す図である。
【0119】
かかる食材の賞味期限による優先度は次のように計算することができる。
【0120】
献立に使用される食材の最短賞味期間tを変数として献立の優先度を算出する。ここで、献立最短賞味期間までに残存時間tは次式で算出する。
まず、各食材の賞味期間を求める。
ti=ti2−t1
ただし、
ti:献立に利用されるi番目の食材の賞味期間、単位:時間
t1:利用者指定の献立使用時、日時
ti2:i番目の食材の賞味期限、日時
【0121】
献立最短賞味期間までの残存期間tは上記すべての食材の賞味期間の最も小さい値を選ぶ。即ち、
t=MIN(t1,t2,...、ti、...、tn)
ただし、
t1 :食材1の賞味期間、単位:時間
t2 :食材2の賞味期間、単位:時間
ti :食材iの賞味期間、単位:時間
tn :食材nの賞味期間、単位:時間
【0122】
献立最短賞味期間tを用いて、当該献立の優先度Ptをアクセス時間(t)の関数として数値化する。数式で表すと、以下のようになる。
Pt=F(t)
【0123】
ここで、F(t)について、実施例として指数関数曲線を採用し、優先度Ptは次式で計算され数値化することをできる。図は、優先度計算の一例として横軸を食材の保有量とし、縦軸を優先度とするグラフである。具体的にある食材の優先度については、次式のように計算したときのものである。
Pt=e−τt
ただし、ここでは
t:献立最短賞味期間までの残存期間
τ:時定数係数、値の範囲:τ > 0
【0124】
Pt:数値化されたアクセス時間による優先度、値の範囲:0〜100%
【0125】
優先度の計算について指数関数曲線を用いるメリットとしては賞味期間までの時間が短いほど、優先順位が大きくなるため、食材の有効利用には有効である。
【0126】
また、ある食材に対し、上記指数関数を用いて賞味期限までの残存期間による優先度の算出について図22のグラフを使って表すことができる。
【0127】
図23は、本発明の実施形態における献立提供システムの食材の優先度算出の一例を示す図である。
【0128】
食材の単価による優先度の計算手法であって、食材の単価に基づいてその優先度を次のように計算することができる。
【0129】
献立に使われている食材の単価を計算し、下記のように当該献立の優先度を算出して献立一覧テーブルに反映する。
Pc=G(m)
【0130】
ここで、G(m)について、実施例として双曲線正接関数曲線を採用し、優先度Pcは次式で計算され数値化することをできる。
Pc=tanh(km)
ただし、ここでは
m: 1人分当たりの単価を正規化にした食材の単価、
k:単価係数、値の範囲:k > 0
【0131】
Pc:数値化された食材の単価による優先度、値の範囲:0〜100%
【0132】
図は、優先度計算の一例として横軸を正規化した食材の単価とし、縦軸を優先度とするグラフである。
【0133】
そうすることにより、単価の高い食材は優先度が高くなるため、保有食材の中で高価なものは優先的に使用されることになる。また、一定の単価以上になると、当該優先度の上昇傾向が渋り、単価要因による優先度の差が小さくなる。
【0134】
一般家庭において食材の単価は小中の低価格台のものが多く、高価なものが少ないことと一致する。これにより、利用者の生活に適した優先度の算出結果を導くことになる
【0135】
食材のコストの正規化処理は上記単価係数kを次式にて計算することができる。
k=M/C
M:食材の1人分当たりの単価
C:固定単価(例えば、100円とする)
これにより数値化をできるようにする。
【0136】
これら、図20から図23までの優先度を組合せることにより食材の優先度を次式によって計算することができる。
【0137】
P=(Pt*α+Ph*β+Pn*γ+Pc*δ)/(α+β+γ+δ)
ただし、ここでは
【0138】
α、β、γ、δ: Pt、Ph、Pn、Pcの比例を調整するための重み係数。
ただし、α+β+γ+δ=1
【0139】
Pt:数値化された賞味期限の要素による優先度、値の範囲:0〜100%
【0140】
Ph:数値化された食材の使用頻度による優先度、値の範囲: −100%〜0
【0141】
Pn:数値化された食材の保有量による優先度、値の範囲: 0〜100%
【0142】
Pc:数値化された食材の単価による優先度、値の範囲:0〜100%
P:優先度Pの算出結果、値の範囲:0〜100%
【0143】
上記のように各食材についてそれぞれ優先度を算出した後、上記重み係数を調整することにより各要素についてバランスよく考慮して総合的に算出することができる。そして、より経済的でかつ生活の実体に沿った献立を生成することが可能となる。
【0144】
前記方法によって算出された食材の優先度を用いて食材テーブルから優先度が一番高い食材データを抽出し、献立用の食材として決定することも可能である。
【0145】
以上、一実施例について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0146】
また、本発明におけるプログラムは、本発明に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体はコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0147】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0148】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0149】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0150】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0151】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0152】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0153】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0154】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0155】
100 ネットワーク
101 メールサーバ
102 ワークフローサーバ
103 ウェブメールサーバ
104 クライアント端末
105 携帯端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、
食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、
前記食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材と前記第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、
前記食材決定手段により決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の食材抽出手段は、前記第1の食材よりも在庫が多い食材を抽出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の食材抽出手段は、前記第1の食材よりも使用頻度の少ない食材を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
所望の献立を受付ける献立受付け手段と、
前記献立受付け手段により受付けた献立に対応した食材の在庫を抽出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、を有する情報処理装置の制御方法であって、
前記食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出ステップと、
前記第1の食材抽出ステップにより抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出ステップと、
前記第1の食材抽出ステップにより抽出された食材と前記第2の食材抽出ステップにより抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定ステップと、
前記食材決定ステップにより決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
情報処理装置を、
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、
食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、
前記食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材と前記第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、
前記食材決定手段により決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項1】
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、
食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、
前記食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材と前記第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、
前記食材決定手段により決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の食材抽出手段は、前記第1の食材よりも在庫が多い食材を抽出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の食材抽出手段は、前記第1の食材よりも使用頻度の少ない食材を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
所望の献立を受付ける献立受付け手段と、
前記献立受付け手段により受付けた献立に対応した食材の在庫を抽出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、を有する情報処理装置の制御方法であって、
前記食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出ステップと、
前記第1の食材抽出ステップにより抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出ステップと、
前記第1の食材抽出ステップにより抽出された食材と前記第2の食材抽出ステップにより抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定ステップと、
前記食材決定ステップにより決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
情報処理装置を、
献立ごとにそれに必要な食材およびその分量を保持する献立テーブルを記憶する献立記憶手段と、
食材とその賞味期限とその在庫されている分量とを関連付ける食材テーブルを記憶する食材記憶手段と、
前記食材テーブルから賞味期限に基づいて使用する食材を抽出する第1の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材に対応した食材を抽出する第2の食材抽出手段と、
前記第1の食材抽出手段により抽出された食材と前記第2の食材抽出手段により抽出された食材とのどちらを利用するのかを所定の優先度により決定する食材決定手段と、
前記食材決定手段により決定された食材に基づいて前記献立テーブルから献立を抽出して献立を決定する献立決定手段と、
して機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−123763(P2012−123763A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276378(P2010−276378)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
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