情報処理装置、および価格設定方法
【課題】同種の商品間の品質の違いを価格に容易に反映させることができるようにする。
【解決手段】監視部1bは、棚4に置かれた商品5a,5b,5cを監視し、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出すると、その商品の被敬遠回数をカウントアップし、その商品の被敬遠回数を記憶部6a,6b,6cに格納する。価格変更部1cは、記憶部6a,6b,6cを参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、その商品の価格を変更する。
【解決手段】監視部1bは、棚4に置かれた商品5a,5b,5cを監視し、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出すると、その商品の被敬遠回数をカウントアップし、その商品の被敬遠回数を記憶部6a,6b,6cに格納する。価格変更部1cは、記憶部6a,6b,6cを参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、その商品の価格を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品の価格を設定する情報処理装置、および価格設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の発達により、商品の小売店において、顧客の行動などを示す情報を収集し、商品の販売促進に役立てることが可能となっている。例えば、商品に関する情報に基づいて、商品の値段を変更する技術がある。
【0003】
例えば、商品の店舗内の周回数が閾値周回数となった場合に、商品情報に対応する現価格を更新する技術が考えられている。また、顧客が購入する可能性がある購入検討商品の購入の躊躇を示す状態が検出された場合、購入検討商品の値引きが可能な場合には、購入検討商品の値引き情報を表示装置に表示する技術も考えられている。なお、商品の変更された価格の表示に係る技術としては、例えば、商品又は商品を陳列する陳列台に取り付けられ、無線通信で送られて来た、画像表示装置に表示する情報を、画像表示装置に表示する機能を有するプライスタグがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−198024号公報
【特許文献2】特開2003−256705号公報
【特許文献3】特開2005−352830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の技術では、同種の商品の間での品質の違いが考慮されていない。そのため、同種の商品間で品質が異なる場合、品質の悪い商品が売れ残ってしまう可能性が高くなる。
【0006】
1つの側面では、本発明は、同種の商品間の品質の違いを価格に容易に反映させることができる情報処理装置、および価格設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、監視部と価格変更部とを有する情報処理装置が提供される。監視部は、棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、該商品の被敬遠回数を記憶部に格納する。価格変更部は、記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する。
【0008】
また、棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、棚に戻された商品の被敬遠回数を記憶部に格納し、記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する、ことを特徴とする価格設定方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
同種の商品間の品質の違いを価格に容易に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に係る装置の機能構成例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
【図3】電子値札のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態における情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】被敬遠回数カウント処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】価格変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】被敬遠回数に応じた価格の遷移例を示す図である。
【図11】短時間に多数の顧客から敬遠された場合の価格の遷移例を示す図である。
【図12】第3の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る装置の機能構成例を示す図である。情報処理装置1は、人検知部1a、監視部1b、および価格変更部1cを有する。
【0012】
人検知部1aは、棚4の前に人8がいるか否かを検知する。例えば人検知部1aは、棚4の前の空間を検知範囲とする人検知センサ2が接続される。人検知センサ2は、検知範囲内に人8が居ることを検知すると、人8を検知したことを示す信号を出力する。人検知部1aは、人検知センサ2から、人8を検知したことを示す信号が出力されている間は、棚4の前に人8がいると判断する。
【0013】
監視部1bは、棚4に置かれた商品5a,5b,5cを監視する。そして監視部1bは、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出すると、検出された商品の被敬遠回数をカウントアップし、検出された商品の被敬遠回数を記憶装置に格納する。図1の例では、商品5a,5b,5cごとに記憶部6a,6b,6cが設けられている。記憶部6a,6b,6cは、例えばIC(Integrated Circuit)タグである。図1に示すように商品5a,5b,5cごとに記憶部6a,6b,6cが設けられた場合、例えば監視部1bは、棚4に戻された商品の記憶装置に、その商品の被敬遠回数を格納する。
【0014】
また監視部1bは、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出し、棚4に戻された商品と同種の他の商品が棚4から取り出された場合に、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップするようにすることもできる。
【0015】
さらに、監視部1bは、人検知部1aによる人8の検知結果を利用して、被敬遠回数のカウントアップを行うこともできる。例えば監視部1bは、棚4の前に人8が検知され、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出し、棚4に戻された商品と同種の他の商品が棚4から取り出されたことを判断する。そして監視部1bは、その後、棚4の前から人8が立ち去った場合に、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップする。
【0016】
また監視部1bは、例えば棚4に設置されたリーダライタ3を介して、棚4に配置された商品5a,5b,5cそれぞれに貼付された記憶部6a,6b,6cにアクセスできるかどうかを定期的に検出することで、商品5a,5b,5cを監視できる。この場合、監視部1bは、記憶部6a,6b,6cにアクセスできるかどうかの検出結果に応じて、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出する。例えば監視部1bは、記憶装置へのアクセスができていた商品に関し、その後、記憶装置へのアクセスができなくなった場合、その商品が棚4から取り出されたと判断する。また監視部1bは、棚4から取り出された商品の記憶装置へのアクセスが再度できるようになった場合、その商品が棚に戻されたと判断する。
【0017】
価格変更部1cは、記憶部6a,6b,6cを参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、その商品の価格を変更する。例えば価格変更部1cは、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げる。
【0018】
また価格変更部1cは、所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、その商品の価格を段階的に下げることもできる。例えば価格変更部1cは、商品の被敬遠回数が最初の閾値に達すると、その商品の価格を1割引きにし、2つ目の閾値に達するとその商品の価格を3割引きにする。
【0019】
なお価格変更部1cは、商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、その商品の価格を下げることもできる。また価格変更部1cは、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部7a,7b,7cに、変更後の価格を表示させることもできる。例えば価格変更部1cは、リーダライタ3を介して、表示部7a,7b,7c内の記憶媒体に新たな価格を書き込む。表示部7a,7b,7cは、書き込まれた価格を画面に表示する。
【0020】
このような情報処理装置1によれば、例えば人8が棚4の前に立つと、人検知センサ2が、人を検知したことを示す信号を出力する。出力された信号は、人検知部1aに入力される。すると、人検知部1aは、棚4の前に人8が立っていると判断し、棚4の前に人がいることを監視部1bに通知する。
【0021】
監視部1bは、棚4に配置された商品5a,5b,5cを監視する。例えば監視部1bは、棚4の前に人8がいる間、監視を行う。監視部1bは、監視により、いずれかの商品が棚4から取り出されたこと、および取り出された商品が棚4に戻されたことを検出する。例えば人8が、棚4から商品5aを取り出し、商品5aを棚4に戻し、さらに商品5aと同種の他の商品5bを棚4から取り出したものとする。このような商品5a,5bの動きが、監視部1bで検知される。
【0022】
その後、人8が棚4の前から立ち去ると、人検知センサ2から人を検知したことを示す信号の出力が停止する。これにより人検知部1aが、人が立ち去ったことを検知し、人8が立ち去ったことを監視部1bに通知する。すると、監視部1bは、人8が立ち去った時点で、商品5aが棚4から取り出された後に棚4に戻されており、且つ商品5aと同種の商品5bが棚4から取り出されたままであることを確認する。この場合、監視部1bは、商品5aの被敬遠回数をカウントアップする。例えば監視部1bは、リーダライタ3を介して商品5aに貼付された記憶部6aから現在の被敬遠回数を読み出す。次に監視部1bは、読み出した被敬遠回数の値をカウントアップし、カウントアップ後の被敬遠回数をリーダライタ3を介して商品5aの記憶部6aに書き込む。図1の例では、商品5aの被敬遠回数が、10回にカウントアップされたものとする。
【0023】
一方、価格変更部1cにより、定期的にリーダライタ3を介して、商品5a,5b,5cそれぞれの記憶部6a,6b,6cに記憶されている被敬遠回数が読み出される。そして読み出された被敬遠回数が、所定の閾値に達した商品がある場合、価格変更部1cにより、その商品の価格が下げられる。例えば、被敬遠回数の閾値が「10回」の場合、商品5aの被敬遠回数が、閾値に達したと判断される。この場合、価格変更部1cは、商品5aの価格を、例えば100円から90円に下げる。変更後の価格は、例えば、価格変更部1cにより、商品5aに貼付されている表示部7aに表示される。
【0024】
このようにして、同種の商品5a,5b,5c間での品質の違いを反映させた価格設定が可能となる。例えば、商品5a,5b,5cは同種の商品であっても、商品5aのみ外観に黒ずみがあり、品質が悪い場合がある。このような場合、顧客は、商品5aを手にとって目視で確認したときに、黒ずみを見つけ棚4に戻す。その顧客は次に、商品5aと同種の別の商品5bを取り出し、その商品5bを持って立ち去る。このような顧客の行動が、監視部1bによる商品5a,5b,5cの監視によって認識できる。そして、商品5a,5b,5cに対する顧客の行動に基づいて商品5a,5b,5c間の品質に違いが判別できる。品質の違いが判別できれば、同種の他の商品よりも品質が劣化していると判断された商品の価格を下げることができる。その結果、品質が悪い商品が、いつまでも売れ残ってしまうことを抑止できる。
【0025】
しかも、棚4に戻された商品と同種の商品が、棚から取り出された場合のみ、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることで、商品の購入意志がある顧客による慎重な判断結果として敬遠された商品のみ、価格を下げることができる。すなわち、商品の購入意志が少ない顧客の場合、手に取った商品を棚4に戻した理由は、手に取った商品の品質とは無関係である可能性が大きくなる。例えば、顧客が、手に取った商品およびその商品と同種の商品の購入を取りやめ、手に取った商品を棚4に戻す場合もある。他方、商品の購入意志がある顧客が手に取った商品を棚4に戻したのであれば、その商品の品質に問題があったと考えることができる。すなわち、商品の購入意志がある顧客であれば、手に取った商品の品質に問題のあることに気がつくと、その商品を棚4に戻した後、同種の商品を取り出すものと考えられる。従って、棚4に戻された商品と同種の商品が、棚から取り出された場合のみ、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることで、購入意志を有する顧客の慎重な判断によって敬遠された商品の被敬遠回数をカウントアップできる。その結果、同種の商品間の的確な品質判断が可能となる。そして、的確な品質判断に基づいた適切な価格設定が可能となる。
【0026】
また人検知部1aで棚4の前に人がいることを検知することで、棚4に配置された商品5a,5b,5cの取り出しなどを行ったのが、同一の人物であることを特定できる。その結果、その人が棚4の前から立ち去った時点で、棚4に戻されていない商品が、その顧客が購入する商品であると判断できる。すなわち、顧客が持ち去った商品を的確に判断することが可能となる。その結果、顧客が購入する商品と同種の商品のうち、その顧客により棚4から取り出され、棚4に戻された商品は、顧客が購入する商品よりも品質が劣るものと推測できる。すなわち顧客が購入するために持ち去った商品を的確に判断することで、残された商品の品質判断の正確性を向上させることが可能となる。
【0027】
なお、人検知部1a、監視部1b、および価格変更部1cは、例えば情報処理装置1が有するCPU(Central Processing Unit)により実現することができる。また、記憶部6a,6b,6cは、磁気または電気的に情報を記憶することができる記憶媒体により実現することができる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、商品に貼付する記憶部や表示部として、電子値札を用いた例である。電子値札は、例えば記憶部としてICタグを有し、表示部として電子ペーパを有する。
【0029】
図2は、第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。情報処理装置100には、複数の人検知センサ11〜14と、複数のICタグリーダライタ21〜30とが接続されている。
【0030】
人検知センサ11〜14は、陳列棚10の前面に、所定の間隔で配置されている。人検知センサ11〜14は、前方の所定の範囲内に人が立つと、人の存在を検知する。例えば、人検知センサ11〜14は、前方に向かって光を照射し、照射した光の反射光により人体までの距離を測る。そして人検知センサ11〜14は、人体までの距離が所定の距離以下であれば、人を検知したことを示す信号を出力する。例えば人検知センサ11〜14は、人を検知すると、情報処理装置100に接続された信号線の信号をアサートにする。そして人検知センサ11〜14は、検知した人が検知できなくなると、情報処理装置100に接続された信号線の信号をネゲートする。
【0031】
複数のICタグリーダライタ21〜30は、陳列棚10の上面に所定の間隔で配置されている。ICタグリーダライタ21〜30は、例えば数十cm以内の距離にあるICタグのデータを、無線により読み取ることができると共に、数十cm以内の距離にあるICタグにデータを、無線により書き込むことができる。例えばICタグリーダライタ21〜30は、パッシブ型のICタグにアクセスするリーダライタである。
【0032】
陳列棚10には、商品41〜43、51〜55が陳列される。例えば、商品41〜43は魚であり、商品51〜55はキャベツである。
商品41には、電子値札60が取り付けられている。例えば商品41が食品ラップフィルムで包装され、その包装の外側に電子値札60が貼り付けられる。同様に商品51にも電子値札70が取り付けられている。他の商品42,43,52〜55に対しても、電子値札が取り付けられている。電子値札60,70は、ICタグを内蔵すると共に表示装置を有している。電子値札60,70の表示装置には、ICタグに記録された値段が表示される。
【0033】
情報処理装置100は、人検知センサ11〜14やICタグリーダライタ21〜30から入力される信号に基づいて、顧客80に敬遠された商品を判断する。そして、情報処理装置100は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、敬遠された商品の電子値札に表示する値段を変更する。
【0034】
次に、電子値札60,70について詳細に説明する。
図3は、電子値札のハードウェア構成の一例を示す図である。電子値札60は、ICタグ61、電子ペーパ62、およびドライバ63を有している。
【0035】
ICタグ61は、ICタグリーダライタ21〜30からの電波を受けて動作する電子回路である。ICタグ61は、RFID(Radio Frequency IDentification)とも呼ばれ、電子的にデータを記憶することができる。ICタグ61へのデータの記録は、ICタグリーダライタ21〜30からの無線通信によって行われる。またICタグ61に記録されたデータは、ICタグリーダライタ21〜30が無線通信によって読み出すことができる。
【0036】
電子ペーパ62は、電力なしで任意の画像を表示できる表示装置である。ただし、電子ペーパ62に表示する画像を書き換える場合にのみ、微量の電力が消費される。電子ペーパ62には、例えばコレステリック液晶材料を用いたものがある。
【0037】
ドライバ63は、電子ペーパ62の画像の書き換えを行う。例えばドライバ63は、ICタグ61に記憶された値段情報を読み取り、電子ペーパ62に表示させる。
なお、図3には、商品41に取り付けられた電子値札60のハードウェア構成を示したが、商品51に取り付けられた電子値札70のハードウェア構成も電子値札60と同様である。
【0038】
図4は、第2の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。ICタグ61には、データ記憶用に、ICタグID、商品コード、当初価格、被敬遠回数、現在価格、および到達日時のフィールドが設けられている。
【0039】
ICタグIDのフィールドには、ICタグ61を一意に示す識別子(ICタグID)が格納される。ICタグIDは、電子値札60を一意に示すと共に、電子値札60が貼付された商品を一意に示すことにもなる。商品コードのフィールドには、電子値札60が付けられた商品41の商品種別の識別子(商品コード)が格納される。当初価格のフィールドには、商品41を店頭に陳列した時点での、商品41の値段(当初価格)が格納される。被敬遠回数のフィールドには、商品41が顧客によって敬遠された回数が格納される。被敬遠回数のフィールドの初期値は「0」である。現在価格のフィールドには、商品41の現在の価格が格納される。現在価格のフィールドの初期値は、当初価格と同じ値である。到達日時のフィールドには、被敬遠回数が、情報処理装置100に予め設定された規定回数に達した日時が設定される。
【0040】
次に、情報処理装置100について詳細に説明する。
図5は、情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0041】
RAM102は、情報処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0042】
バス108に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
【0043】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、情報処理装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0044】
グラフィック処理装置104には、モニタ91が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ91の画面に表示させる。モニタ91としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0045】
入力インタフェース105には、キーボード92とマウス93とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード92やマウス93から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス93は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0046】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク94に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク94は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク94には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0047】
通信インタフェース107は、ネットワーク90に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク90を介して、他の情報処理装置または通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0048】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお図1に示した第1の実施の形態に係る情報処理装置1も、図5に示した情報処理装置100と同様のハードウェアにより実現できる。
【0049】
図6は、第2の実施の形態における情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部110、人検知部120、商品監視部130、および価格変更部140を有している。
【0050】
記憶部110は、商品が顧客に敬遠された場合の値引き条件が定義された商品マスタテーブルや、各商品が配置された陳列棚と、その陳列棚に設置された人検知センサとの対応関係を示す配置管理テーブルを記憶する。例えばRAM102またはHDD103の記憶領域の一部が、記憶部110として使用される。
【0051】
人検知部120は、人検知センサ11〜14に接続されている。人検知部120は、人検知センサ11〜14から人の存在を示す信号を受け取ると、検知した人検知センサのセンサIDを含む、人が検知されたことを示す人検知情報を、商品監視部130に通知する。また人検知部120は、人を検知した人検知センサから、その人を検知できなくなったことを示す信号を受け取ると、その人検知センサのセンサIDを含む、人が立ち去ったことを示す人非検知情報を、商品監視部130に通知する。
【0052】
商品監視部130は、人の存在を検知している人検知センサに対応する陳列棚に配置されている商品の移動状況を監視する。例えば商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30で検出されたICタグIDに基づいて、人が前に立っている陳列棚から商品が取り出されたこと、または、取り出された商品が陳列棚に戻されたことを判断する。そして商品監視部130は、陳列棚から取り出された後、陳列棚に戻された商品があり、その商品と同じ商品コードの他の商品が陳列棚から取り出されたままで人が立ち去った場合、陳列棚に戻された商品は、顧客に敬遠されたものと判断する。その場合、商品監視部130は、敬遠された商品に貼付された電子値札内のICタグに設定されている被敬遠回数の値をカウントアップする。被敬遠回数のカウントアップは、敬遠された商品に貼付された電子値札内のICタグを検知したICタグリーダライタを介して行われる。
【0053】
また商品監視部130は、被敬遠回数のカウントアップにより被敬遠回数が規定値に達した商品を検出する。そして商品監視部130は、検出した商品に貼付された電子値札内のICタグの到達日時のフィールドに、現在の時刻を設定する。到達日時への現在の時刻の設定は、被敬遠回数が規定の閾値値(被敬遠回数閾値)に達した商品に貼付された電子値札内のICタグを検知したICタグリーダライタを介して行われる。
【0054】
なお、商品ごとの被敬遠回数閾値は、例えば記憶部110に記憶された商品マスタテーブルを参照して判断できる。
価格変更部140は、被敬遠回数が規定値に達してからの経過時間が所定の待ち時間に達した商品の値段を変更する。例えば価格変更部140は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札内のICタグから、到達日時を読み出す。そして価格変更部140は、読み出した到達日時からの経過時間が所定の待ち時間以上となっている商品があれば、その商品の値段を下げる。価格変更部140は商品の値段を下げる場合、その商品を検出したICタグリーダライタを介して、各商品に貼付された電子値札内のICタグの現在価格のフィールドに、値引き後の値段を設定する。
【0055】
価格変更部140により設定される値引き後の値段は、例えば被敬遠回数に応じて決定される。例えば値引きを行う被敬遠回数閾値を多段階に設定しておき、価格変更部140は各段階の被敬遠回数に達した場合に、順次値下げを行うことができる。値下げ機会の1回目(例えば被敬遠回数が10回に達した場合)には、価格変更部140は、当初価格の1割引の値段を設定する。値下げ機会の2回目(例えば被敬遠回数が20回に達した場合)には、価格変更部140は当初価格の3割引の値段を設定する。
【0056】
なお、商品ごとの待ち時間や値引き率は、例えば、記憶部110に記憶された商品マスタテーブルを参照して判断できる。
図7は、第2の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造の一例を示す図である。記憶部110には、商品マスタテーブル111、配置管理テーブル112、移動前商品リスト113、および移動商品リスト114が格納されている。なお商品マスタテーブル111と配置管理テーブル112とは、予め記憶部110に格納されるデータである。移動前商品リスト113と移動商品リスト114とは、商品監視部130によって一時的に格納されるデータである。
【0057】
商品マスタテーブル111は、被敬遠回数に応じた値引き率や、敬遠到達後の待ち時間を、商品の種別ごとに定義したデータテーブルである。商品マスタテーブル111には、商品コード、値下げ機会、被敬遠回数閾値、値引き率、および待ち時間の欄が設けられている。
【0058】
商品コードの欄には、商品種別ごとの識別子(商品コード)が設定される。例えば、商品「キャベツ」に対して1つの商品コードが設定されており、キャベツの値段を、顧客の被敬遠回数に応じて変更する場合、キャベツの商品コードが商品コードの欄に設定される。なお、一般名称が同じ商品(例えば「キャベツ」)であっても、品種、産地、大きさが異なる場合、異なる商品コードを設定することができる。
【0059】
値下げ機会の欄には、何回目の値下げ機会に関する情報なのかを示す数値が設定される。1回目の値下げ機会に関する情報であれば「1」、2回目の値下げ機会に関する情報であれば「2」が設定される。
【0060】
被敬遠回数閾値の欄には、値下げ機会となるための条件である被敬遠回数閾値が設定される。値下げ機会の回数が増えるほど、被敬遠回数閾値の数は大きくなる。図7の例では、1回目の値下げ機会となるための被敬遠回数閾値は「10回」であり、2回目の値下げ機会となるための被敬遠回数閾値は「20回」である。
【0061】
値引き率の欄には、値下げ機会となったときの当初価格からの値引き率が設定される。図7の例では、値引き率がパーセントで設定されている。値下げ機会の回数が増えるほど、値引き率は大きくなる。図7の例では、1回目の値下げ機会のときの値引き率は、「10%」であり、2回目の値下げ機会のときの値引き率「30%」である。
【0062】
待ち時間の欄には、商品が顧客に敬遠された回数が、値下げ機会となるための条件である被敬遠回数閾値に達してから値下げを実行するまでの待ち時間が設定される。図7の例では、待ち時間が分単位で設定されている。図7の例では、値下げ機会の回数が1回目、2回目、3回目のいずれの場合も、待ち時間は45分であるが、値下げ機会の回数ごとに異なる待ち時間を設定することもできる。
【0063】
配置管理テーブル112は、人検知センサと、人検知センサが設置された陳列棚に配置された商品との対応関係を定義したデータテーブルである。配置管理テーブル112には、商品コード、棚番、およびセンサIDの欄が設けられている。
【0064】
商品コードの欄には、陳列棚に配置された商品の商品コードが設定される。棚番の欄には、商品コードで示される商品が配置された陳列棚の識別番号(棚番)が設定される。センサIDの欄には、対応する陳列棚に設置された人検知センサの識別番号(センサID)が設定される。
【0065】
移動前商品リスト113は、人が陳列棚の前に立ったときに、その陳列棚に配置されている商品のリストである。移動前商品リスト113には、商品コードとICタグIDとの欄が設けられている。商品コードの欄には、陳列棚に配置されている商品の商品コードが設定される。ICタグIDの欄には、人が陳列棚の前に立ったとき、その陳列棚に配置されている商品に貼付された電子値札のICタグIDが設定される。
【0066】
移動商品リスト114には、人が陳列棚の前に立った状態でその陳列棚から取り出された商品のリストである。移動商品リスト114には、商品コードとICタグIDとの欄が設けられている。商品コードの欄には、人が陳列棚の前に立った状態でその陳列棚から取り出された商品の商品コードが設定される。ICタグIDの欄には、人が陳列棚の前に立った状態でその陳列棚から取り出された商品に貼付された電子値札のICタグIDが設定される。
【0067】
次に、情報処理装置100で実行される処理について詳細に説明する。情報処理装置100で実行される処理には、被敬遠回数カウント処理と価格変更処理とがある。
図8は、被敬遠回数カウント処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0068】
[ステップS11]人検知部120は、いずれかの陳列棚の前に人を検知したか否かを判断する。例えば人検知部120は、いずれかの人検知センサから、人の検知を示す信号が入力された場合、陳列棚の前に人を検知したと判断する。
【0069】
陳列棚の前に人を検知した場合、人検知部120は、人の存在を検知した人検知センサのセンサIDと共に、人検知情報を商品監視部130に通知する。なお、人検知センサは、例えば情報処理装置100と人検知センサ11〜14それぞれとを接続する信号線で識別することができる。この場合、人検知センサ11〜14それぞれに接続される信号線を情報処理装置100で識別するための番号を、センサIDとすることができる。
【0070】
人検知部120は、陳列棚の前に人を検出した場合、処理をステップS12に進める。人検知部120は、陳列棚の前に人を検出していなければ、ステップS11の処理を繰り返す。
【0071】
[ステップS12]人検知部120により、陳列棚の前に人が検知されると、商品監視部130は、検知された人の前の陳列棚に配置された商品を監視対象とし、監視対象商品に関する移動前商品リスト113を作成する。例えば商品監視部130は、配置管理テーブル112を参照し、監視対象商品の商品コードを取得する。なお検知された人の前の陳列棚に、複数の種別の商品が配置されていれば、複数の商品コードが取得される。
【0072】
次に商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。そして商品監視部130は、電子値札から読み出した情報のうち、監視対象商品の商品コードが設定された情報を抽出し、その情報の商品コードとICタグIDとの組をリストアップし、移動前商品リスト113とする。商品監視部130は、作成した移動前商品リスト113を記憶部110に格納する。
【0073】
[ステップS13]商品監視部130は、検知された人の前の陳列棚の監視対象商品が移動したか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。次に商品監視部130は、監視対象商品の商品コードが設定された情報を抽出し、移動前商品リスト113と比較する。商品監視部130は、移動前商品リスト113に含まれながら、今回抽出した情報に含まれていないICタグIDが少なくとも1つある場合、監視対象商品が移動したと判断する。商品監視部130は、監視対象商品が移動した場合、処理をステップS14に進める。また商品監視部130は、監視対象商品の移動がなければ、処理をステップS15に進める。
【0074】
[ステップS14]商品監視部130は、移動された監視対象商品のICタグIDを記憶する。例えば商品監視部130は、移動前商品リスト113に含まれながら、ステップS13で抽出した情報に含まれていないICタグIDと、監視対象商品の商品コードとの組を、記憶部110内の移動商品リスト114に登録する。
【0075】
[ステップS15]人検知部120は、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去ったか否かを判断する。例えば人検知部120は、ステップS11において人の検知を示す信号を出力した人検知センサが、人の検知を示す信号の出力を停止した場合、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去ったと判断する。
【0076】
人検知部120は、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去った場合、人を検知していた人検知センサのセンサIDを含む、人が立ち去ったことを示す人非検知情報を、商品監視部130に通知し、処理をステップS16に進める。人検知部120は、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去っていなければ、処理をステップS13に進める。
【0077】
[ステップS16]商品監視部130は、陳列棚から取り除かれたままの監視対象商品があるか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。次に商品監視部130は、監視対象商品の商品コードが設定された情報を抽出し、移動前商品リスト113と比較する。商品監視部130は、移動前商品リスト113に含まれながら、今回抽出した情報に含まれていないICタグIDが少なくとも1つある場合、取り除かれた監視対象商品があると判断する。
【0078】
商品監視部130は、取り除かれた監視対象商品があれば、処理をステップS17に進める。また商品監視部130は、取り除かれた監視対象商品がなければ、処理をステップS11に進める。
【0079】
[ステップS17]商品監視部130は、陳列棚から取り除かれた後、陳列棚に戻された監視対象商品があるか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ステップS16で電子値札から読み出した情報のICタグIDと、移動商品リスト114に登録されているICタグIDとを比較する。移動商品リスト114に登録されているICタグIDのうち、電子値札から読み出した情報のICタグIDに含まれているものが少なくとも1つある場合、商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品があるものと判断する。
【0080】
商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品がある場合、処理をステップS18に進める。また商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品がない場合、処理をステップS11に進める。
【0081】
[ステップS18]商品監視部130は、陳列棚から取り除かれた監視対象商品と陳列棚に戻された監視対象商品との商品コードが同一か否かを判断する。商品監視部130は、商品コードが同一であれば、処理をステップS19に進める。また商品監視部130は、商品コードが同一でなければ、処理をステップS11に進める。
【0082】
[ステップS19]商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品の被敬遠回数をカウントアップする。例えば商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、そのICタグIDが記録されたICタグの情報を読み出す。次に商品監視部130は、読み出した情報における被敬遠回数のフィールドの値を、1だけカウントアップする。そして商品監視部130は、被敬遠回数カウントアップ後の情報を、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、陳列棚に戻された監視対象商品に貼付された電子値札のICタグに書き戻す。
【0083】
[ステップS20]商品監視部130は、被敬遠回数が規定回数に達したか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ステップS19でカウントアップした被敬遠回数の値と、陳列棚に戻された監視対象商品の被敬遠回数閾値とを比較する。監視対象商品の被敬遠回数閾値は、商品マスタテーブル111から取得することができる。商品監視部130は、ステップS19でカウントアップした被敬遠回数の値が1以上設定された被敬遠回数閾値のいずれかと一致した場合、被敬遠回数閾値に達したと判断する。
【0084】
商品監視部130は、被敬遠回数が被敬遠回数閾値に達した場合、処理をステップS21に進める。また商品監視部130は、被敬遠回数が被敬遠回数閾値に達していない場合、処理をステップS11に進める。
【0085】
[ステップS21]商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品の電子値札内のICタグに、到達日時が設定されているか否かを判断する。例えば商品監視部130は、商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、そのICタグIDが記録されたICタグの情報を読み出す。次に商品監視部130は、読み出した情報における到達日時のフィールドの値を確認する。該当フィールドに有効な日時が設定されていれば、商品監視部130は、到達日時が設定されていると判断する。他方、該当フィールドに有効な時刻が設定されていなければ、商品監視部130は、到達日時が設定されていないと判断する。
【0086】
商品監視部130は、到達日時が設定されていなければ、処理をステップS22に進める。また商品監視部130は、到達日時が既に設定されていれば、処理をステップS11に進める。
【0087】
[ステップS22]商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品の電子値札内のICタグに、到達日時を書き込む。例えば商品監視部130は、ステップS21で読み出した、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグの情報における到達日時のフィールドに、現在の日時を設定する。そして商品監視部130は、到達日時設定後の情報を、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、陳列棚に戻された監視対象商品に貼付された電子値札のICタグに書き戻す。
【0088】
その後、商品監視部130は、処理をステップS11に進める。
このようにして、顧客によって敬遠された商品に貼付された電子値札のICタグには、被敬遠回数が設定されると共に、所定の被敬遠回数閾値に達した場合、被敬遠回数閾値に達した日時が設定される。そして、各商品に貼付された電子値札のICタグ内の情報に基づいて、価格変更部140によって、商品の価格が適宜変更される。
【0089】
図9は、価格変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]価格変更部140は、陳列棚に配置されている商品を検出する。例えば価格変更部140は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。そして価格変更部140は、読み出した情報のうちのICタグIDを、個々の商品を識別する識別子とする。
【0090】
[ステップS32]価格変更部140は、ステップS31で検出された商品から、未選択の商品を1つ選択する。
[ステップS33]価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み出された情報に、到達日時が設定されているか否かを判断する。価格変更部140は、到達日時が設定されていれば、処理をステップS34に進める。また価格変更部140は、到達日時が設定されていなければ、処理をステップS32に進める。
【0091】
[ステップS34]価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み出された情報に設定されている到達日時からの経過時間が、所定の待ち時間以上になったか否かを判断する。例えば価格変更部140は、商品マスタテーブル111を参照して、選択した商品の商品コードに対応する待ち時間を判断する。そして、価格変更部140は、選択した商品の待ち時間と、選択した商品の到達日時からの経過時間を比較して、経過時間が待ち時間以上か否かを判断する。
【0092】
価格変更部140は、経過時間が待ち時間以上であれば、処理をステップS35に進める。また価格変更部140は、経過時間が待ち時間未満であれば、処理をステップS32に進める。
【0093】
[ステップS35]価格変更部140は、商品の価格を更新する。例えば価格変更部140は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、選択した商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。次に価格変更部140は、読み出した情報における現在価格のフィールドに、当初価格から所定の割引き率で割引を行ったときの価格を設定する。また価格変更部140は、読み出した情報における到達日時のフィールドのデータを消去(あるいは無効なデータの書き込み)する。そして価格変更部140は、新たな現在価格を設定するとともに到達日時を消去した情報を、選択した商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、商品に貼付された電子値札のICタグに書き戻す。
【0094】
なお更新後の価格は、選択した商品の当初価格と、その商品の値下げ機会の回数に応じた値引き率によって決定される。例えば価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み取られた情報に基づき、その商品の商品コードと被敬遠回数とを判断する。次に価格変更部140は、商品マスタテーブル111を参照し、選択した商品の被敬遠回数が、商品コードに対応する何回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値以上となっているかを判断する。このとき価格変更部140は、選択した複数の値下げ機会に関する被敬遠回数閾値以上となっている場合、値下げ機会の回数の値が大きい方の値下げ機会であると認識する。例えば選択した商品の被敬遠回数が、1回目の値下げ機会と2回目の値下げ機会との両方の被敬遠回数閾値以上であれば、価格変更部140は、現在は、その商品の2回目の値下げ機会であると判断する。価格変更部140は、商品マスタテーブル111を参照し、現在の値下げ機会の値引き率を判断する。そして価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み取られた情報の当初価格に設定されたフィールドから、値引き率に相当する価格の値引きを行った後の価格を、更新後の現在価格とする。例えば値引き率が30%であれば、当初価格の0.7倍の価格が、更新後の現在価格となる。
【0095】
[ステップS36]価格変更部140は、ステップS31で検出したすべての商品を選択し、ステップS33〜S35の処理を実行したか否かを判断する。価格変更部140は、すべての商品を選択した場合、処理をステップS31に進める。また価格変更部140は、未選択の商品がある場合、処理をステップS32に進める。
【0096】
このようにして、定期的期に値下げ機会となった商品が検出され、検出された商品に対して、所定の待ち時間経過後に値下げが実行される。
図10は、被敬遠回数に応じた価格の遷移例を示す図である。図10には、当初価格が360円の商品41の価格の遷移例が示されている。商品41の商品コードは「12345678」であり、図7に示した商品マスタテーブル111に従って値引きが行われる。
【0097】
商品41が陳列棚に配置された直後は、商品41に貼付された電子値札60には、当初価格である360円が表示されている。ここで10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。すなわち、商品41を一度手に取ったものの商品41を陳列棚に戻し、同じ商品コードの他の商品を購入した顧客が10人いたものとする。
【0098】
この場合、商品41が敬遠した10人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと1回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。そしてICタグに記録された到達日時から45分が経過すると、当初価格から1割引の値段(当初値段の0.9倍の値段)が、電子値札60に表示される。
【0099】
その後、さらに10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。すると商品41は、合計で20回敬遠されたこととなる。この場合、商品41が敬遠した20人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと2回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。そしてICタグに記録された到達日時から45分が経過すると、当初価格から3割引の値段(当初値段の0.7倍の値段)が、電子値札60に表示される。
【0100】
2回目の値下げ機会による値下げを行った後、さらに10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。すると商品41は、合計で30回敬遠されたこととなる。この場合、商品41が敬遠した30人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと3回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。そしてICタグに記録された到達日時から45分が経過すると、当初価格から5割引の値段(当初値段の0.5倍の値段)が、電子値札60に表示される。
【0101】
このようにして、多数の顧客に敬遠された商品41の値段を、徐々に下げることができる。しかも、顧客の敬遠動作に基づいて値下げを行うことで、同種の商品間で品質のばらつきがある場合、品質の悪い商品を的確に値下げし、品質の悪い商品が売れ残ることを抑止できる。
【0102】
なお各商品をキャッシュレジスタの前に持って行くと、キャッシュレジスタに付属のICタグリーダライタにより、商品に貼付された電子値札内のICタグに記憶された価格が読み取られる。そして、顧客は、電子値札内のICタグに記憶された価格で、商品を購入することができる。
【0103】
さらに、第2の実施の形態では、値下げ機会となってから実際に値下げを実行するまで、所定の待ち時間が設けられている。待ち時間を設けたことで、特定の顧客が、価格を下げさせる目的で商品41の敬遠動作を繰り返したとしても、その顧客が値下げ後の価格で該当商品41を購入することを抑止できる。すなわち、顧客が商品41の値段を下げさせようと敬遠動作を意図的に繰り返し行っても、所定の待ち時間だけ待たなければ商品41の価格は安くならず、顧客に対して、長い無駄な時間を過ごすという負担が生じる。例えば、360円の商品41を1割に当たる36円だけ安く買うために45分の時間を無駄に過ごすのは、顧客にとって割に合わない場合が多い。その結果、意図的な敬遠動作により安く商品41を買おうとする顧客の意欲を減退させることができる。
【0104】
ところで、商品41の被敬遠回数が、1回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値に達してから待ち時間経過前に、2回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値にも達してしまう場合もあり得る。このような場合、商品41の品質が、同種の他の商品からかなり劣っているものと考えられる。第2の実施の形態では、このような場合、被敬遠回数が1回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値に達した時間から計算した経過時間が、2回目の値下げ機会の待ち時間になると、2回目の値下げ機会の割引き率が適用される。
【0105】
図11は、短時間に多数の顧客から敬遠された場合の価格の遷移例を示す図である。商品41が陳列棚に配置された直後は、商品41に貼付された電子値札60には、当初価格である360円が表示されている。ここで10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。この場合、商品41が敬遠した10人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと1回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。
【0106】
その後、到達日時から45分の待ち時間経過前に、さらに10人の顧客による商品41が敬遠されている。その結果、商品41は20回敬遠され、1回目の値下げ機会による値下げ前に、2回目の値下げ開会の被敬遠回数閾値に達したこととなる。すると商品41の被敬遠回数が、1回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値に達してから45分経過すると、2回目の値下げ機会の値引き率で、値引きが行われる。その結果、当初価格から30%引きの価格が、電子値札60に表示される。
【0107】
このようにして、顧客から敬遠される頻度が高い商品については、一度に大きな値下げを行うことで、売れ残りとなるのを抑止することができる。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、被敬遠回数や到達日時を情報処理装置で管理する場合の例である。第2の実施の形態では、被敬遠回数や到達日時が、商品に貼付された電子値札内のICタグに書き込まれている。そのため、商品の被敬遠回数のカウントアップや、到達日時からの経過時間の確認の際に、ICタグから情報を読み込んでいる。第3の実施の形態では、各商品の被敬遠回数や到達日時を情報処理装置で管理することで、ICタグへのデータ入出力の回数を減らし、処理の効率化が図られる。
【0108】
第3の実施の形態のハードウェア構成および機能構成は、図2、図3、図5、図6に示した第2の実施の形態の構成と同様である。
図12は、第3の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。第3の実施の形態では、ICタグ61には、例えばICタグID、商品コード、および現在価格のフィールドが設けられている。
【0109】
図13は、第3の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造例を示す図である。第3の実施の形態では、記憶部110に、商品マスタテーブル111、配置管理テーブル112、移動前商品リスト113、移動商品リスト114、および商品情報テーブル115が格納されている。このうち、商品マスタテーブル111、配置管理テーブル112、移動前商品リスト113、移動商品リスト114のデータ構造は、図7に示した第2の実施の形態の同名の要素のデータ構造と同じである。
【0110】
商品情報テーブル115は、ICタグID、商品コード、当初価格、被敬遠回数、および到達日時の欄が設けられている。ICタグIDの欄には、陳列棚に並べられている商品に貼付された電子値札内のICタグの識別子(ICタグID)が設定される。商品コードの欄には、陳列棚に並べられている商品の商品コードが設定される。当初価格の欄には、陳列棚に並べられている商品の値引き前の価格が設定される。被敬遠回数の欄には、陳列棚に並べられている商品に対して顧客が敬遠動作を行った回数が設定される。到達日時の欄には、陳列棚に並べられている商品の被敬遠回数が、被敬遠回数閾値に到達した日時が設定される。
【0111】
このように、被敬遠回数や到達日時を情報処理装置100内に保持しておくことで、被敬遠回数のカウントアップや到達日時の書き込みを、情報処理装置100内で行うことができる。
【0112】
〔他の実施の形態〕
第2の実施の形態では、生鮮食品における同種の商品間の品質の違いを値段に反映させた例であるが、生鮮食品以外の商品に対しても同様の値段変更処理を適用できる。例えば衣料品において、同種の複数の商品の一部に、糸のほつれが見つかることがある。商品の糸のほつれを見つけた顧客は、その商品を棚に戻し、同種の他の商品を購入するものと考えられる。従って、第2の実施の形態における販売対象商品を衣料品とした場合でも、商品間の品質の違いを的確に価格に反映させることが可能である。
【0113】
上記の各実施の形態に示した処理機能は、情報処理装置(コンピュータ)にプログラムを実行させることで実現できる。その場合、情報処理装置が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
【0114】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0115】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0116】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【0117】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0118】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) 棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、該商品の被敬遠回数を記憶部に格納する監視部と、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する価格変更部と、
を有する情報処理装置。
【0119】
(付記2) 前記監視部は、棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出された場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
【0120】
(付記3) 棚の前に人がいるか否かを検知する人検知部をさらに有し、
前記監視部は、棚の前に人を検知し、該棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出され、その後、該棚の前から人が立ち去った場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
【0121】
(付記4) 前記監視部は、棚に設置されたリーダライタを介して、該棚に配置された商品に貼付された前記記憶部にアクセスできるかどうかを定期的に検出することで、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0122】
(付記5) 前記監視部は、前記記憶部へのアクセスができていた商品について、前記記憶部へのアクセスができなくなった場合、該商品が棚から取り出されたと判断し、該商品の前記記憶部へのアクセスが再度できるようになった場合、該商品が棚に戻されたと判断することを特徴とする付記4記載の情報処理装置。
【0123】
(付記6) 前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7) 前記価格変更部は、所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、該商品の価格を段階的に下げることを特徴とする付記6記載の情報処理装置。
【0124】
(付記8) 前記価格変更部は、商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、該商品の価格を下げることを特徴とする付記6または7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0125】
(付記9) 前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部に、変更後の価格を表示させることを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0126】
(付記10) 棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、
棚に戻された商品の被敬遠回数を記憶部に格納し、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する、
ことを特徴とする価格設定方法。
【0127】
(付記11) 棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出された場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記10記載の価格設定方法。
【0128】
(付記12) 棚の前に人がいるか否かを検知し、
棚の前に人を検知し、該棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出され、その後、該棚の前から人が立ち去った場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記10記載の価格設定方法。
【0129】
(付記13) 棚に設置されたリーダライタを介して、該棚に配置された商品に貼付された前記記憶部の情報を読み取ることで、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出することを特徴とする付記10乃至12のいずれかに記載の価格設定方法。
【0130】
(付記14) 前記記憶部の情報の読み取りができていた商品から前記記憶部の情報の読み取りができなくなった場合、該商品が棚から取り出されたと判断し、該商品の前記記憶部の情報の読み取りができるようになった場合、該商品が棚に戻されたと判断することを特徴とする付記13記載の価格設定方法。
【0131】
(付記15) 被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げることを特徴とする付記10乃至14のいずれかに記載の価格設定方法。
(付記16) 所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、該商品の価格を段階的に下げることを特徴とする付記15記載の価格設定方法。
【0132】
(付記17) 商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、該商品の価格を下げることを特徴とする付記15または16のいずれかに記載の価格設定方法。
(付記18) 被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部に、変更後の価格を表示させることを特徴とする付記10乃至17のいずれかに記載の価格設定方法。
【符号の説明】
【0133】
1 情報処理装置
1a 人検知部
1b 監視部
1c 価格変更部
2 人検知センサ
3 リーダライタ
4 棚
5a,5b,5c 商品
6a,6b,6c 記憶部
7a,7b,7c 表示部
8 人
【技術分野】
【0001】
本発明は商品の価格を設定する情報処理装置、および価格設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の発達により、商品の小売店において、顧客の行動などを示す情報を収集し、商品の販売促進に役立てることが可能となっている。例えば、商品に関する情報に基づいて、商品の値段を変更する技術がある。
【0003】
例えば、商品の店舗内の周回数が閾値周回数となった場合に、商品情報に対応する現価格を更新する技術が考えられている。また、顧客が購入する可能性がある購入検討商品の購入の躊躇を示す状態が検出された場合、購入検討商品の値引きが可能な場合には、購入検討商品の値引き情報を表示装置に表示する技術も考えられている。なお、商品の変更された価格の表示に係る技術としては、例えば、商品又は商品を陳列する陳列台に取り付けられ、無線通信で送られて来た、画像表示装置に表示する情報を、画像表示装置に表示する機能を有するプライスタグがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−198024号公報
【特許文献2】特開2003−256705号公報
【特許文献3】特開2005−352830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の技術では、同種の商品の間での品質の違いが考慮されていない。そのため、同種の商品間で品質が異なる場合、品質の悪い商品が売れ残ってしまう可能性が高くなる。
【0006】
1つの側面では、本発明は、同種の商品間の品質の違いを価格に容易に反映させることができる情報処理装置、および価格設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、監視部と価格変更部とを有する情報処理装置が提供される。監視部は、棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、該商品の被敬遠回数を記憶部に格納する。価格変更部は、記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する。
【0008】
また、棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、棚に戻された商品の被敬遠回数を記憶部に格納し、記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する、ことを特徴とする価格設定方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
同種の商品間の品質の違いを価格に容易に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に係る装置の機能構成例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
【図3】電子値札のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態における情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】被敬遠回数カウント処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】価格変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】被敬遠回数に応じた価格の遷移例を示す図である。
【図11】短時間に多数の顧客から敬遠された場合の価格の遷移例を示す図である。
【図12】第3の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る装置の機能構成例を示す図である。情報処理装置1は、人検知部1a、監視部1b、および価格変更部1cを有する。
【0012】
人検知部1aは、棚4の前に人8がいるか否かを検知する。例えば人検知部1aは、棚4の前の空間を検知範囲とする人検知センサ2が接続される。人検知センサ2は、検知範囲内に人8が居ることを検知すると、人8を検知したことを示す信号を出力する。人検知部1aは、人検知センサ2から、人8を検知したことを示す信号が出力されている間は、棚4の前に人8がいると判断する。
【0013】
監視部1bは、棚4に置かれた商品5a,5b,5cを監視する。そして監視部1bは、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出すると、検出された商品の被敬遠回数をカウントアップし、検出された商品の被敬遠回数を記憶装置に格納する。図1の例では、商品5a,5b,5cごとに記憶部6a,6b,6cが設けられている。記憶部6a,6b,6cは、例えばIC(Integrated Circuit)タグである。図1に示すように商品5a,5b,5cごとに記憶部6a,6b,6cが設けられた場合、例えば監視部1bは、棚4に戻された商品の記憶装置に、その商品の被敬遠回数を格納する。
【0014】
また監視部1bは、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出し、棚4に戻された商品と同種の他の商品が棚4から取り出された場合に、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップするようにすることもできる。
【0015】
さらに、監視部1bは、人検知部1aによる人8の検知結果を利用して、被敬遠回数のカウントアップを行うこともできる。例えば監視部1bは、棚4の前に人8が検知され、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出し、棚4に戻された商品と同種の他の商品が棚4から取り出されたことを判断する。そして監視部1bは、その後、棚4の前から人8が立ち去った場合に、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップする。
【0016】
また監視部1bは、例えば棚4に設置されたリーダライタ3を介して、棚4に配置された商品5a,5b,5cそれぞれに貼付された記憶部6a,6b,6cにアクセスできるかどうかを定期的に検出することで、商品5a,5b,5cを監視できる。この場合、監視部1bは、記憶部6a,6b,6cにアクセスできるかどうかの検出結果に応じて、棚4から取り出され、棚4に戻された商品を検出する。例えば監視部1bは、記憶装置へのアクセスができていた商品に関し、その後、記憶装置へのアクセスができなくなった場合、その商品が棚4から取り出されたと判断する。また監視部1bは、棚4から取り出された商品の記憶装置へのアクセスが再度できるようになった場合、その商品が棚に戻されたと判断する。
【0017】
価格変更部1cは、記憶部6a,6b,6cを参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、その商品の価格を変更する。例えば価格変更部1cは、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げる。
【0018】
また価格変更部1cは、所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、その商品の価格を段階的に下げることもできる。例えば価格変更部1cは、商品の被敬遠回数が最初の閾値に達すると、その商品の価格を1割引きにし、2つ目の閾値に達するとその商品の価格を3割引きにする。
【0019】
なお価格変更部1cは、商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、その商品の価格を下げることもできる。また価格変更部1cは、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部7a,7b,7cに、変更後の価格を表示させることもできる。例えば価格変更部1cは、リーダライタ3を介して、表示部7a,7b,7c内の記憶媒体に新たな価格を書き込む。表示部7a,7b,7cは、書き込まれた価格を画面に表示する。
【0020】
このような情報処理装置1によれば、例えば人8が棚4の前に立つと、人検知センサ2が、人を検知したことを示す信号を出力する。出力された信号は、人検知部1aに入力される。すると、人検知部1aは、棚4の前に人8が立っていると判断し、棚4の前に人がいることを監視部1bに通知する。
【0021】
監視部1bは、棚4に配置された商品5a,5b,5cを監視する。例えば監視部1bは、棚4の前に人8がいる間、監視を行う。監視部1bは、監視により、いずれかの商品が棚4から取り出されたこと、および取り出された商品が棚4に戻されたことを検出する。例えば人8が、棚4から商品5aを取り出し、商品5aを棚4に戻し、さらに商品5aと同種の他の商品5bを棚4から取り出したものとする。このような商品5a,5bの動きが、監視部1bで検知される。
【0022】
その後、人8が棚4の前から立ち去ると、人検知センサ2から人を検知したことを示す信号の出力が停止する。これにより人検知部1aが、人が立ち去ったことを検知し、人8が立ち去ったことを監視部1bに通知する。すると、監視部1bは、人8が立ち去った時点で、商品5aが棚4から取り出された後に棚4に戻されており、且つ商品5aと同種の商品5bが棚4から取り出されたままであることを確認する。この場合、監視部1bは、商品5aの被敬遠回数をカウントアップする。例えば監視部1bは、リーダライタ3を介して商品5aに貼付された記憶部6aから現在の被敬遠回数を読み出す。次に監視部1bは、読み出した被敬遠回数の値をカウントアップし、カウントアップ後の被敬遠回数をリーダライタ3を介して商品5aの記憶部6aに書き込む。図1の例では、商品5aの被敬遠回数が、10回にカウントアップされたものとする。
【0023】
一方、価格変更部1cにより、定期的にリーダライタ3を介して、商品5a,5b,5cそれぞれの記憶部6a,6b,6cに記憶されている被敬遠回数が読み出される。そして読み出された被敬遠回数が、所定の閾値に達した商品がある場合、価格変更部1cにより、その商品の価格が下げられる。例えば、被敬遠回数の閾値が「10回」の場合、商品5aの被敬遠回数が、閾値に達したと判断される。この場合、価格変更部1cは、商品5aの価格を、例えば100円から90円に下げる。変更後の価格は、例えば、価格変更部1cにより、商品5aに貼付されている表示部7aに表示される。
【0024】
このようにして、同種の商品5a,5b,5c間での品質の違いを反映させた価格設定が可能となる。例えば、商品5a,5b,5cは同種の商品であっても、商品5aのみ外観に黒ずみがあり、品質が悪い場合がある。このような場合、顧客は、商品5aを手にとって目視で確認したときに、黒ずみを見つけ棚4に戻す。その顧客は次に、商品5aと同種の別の商品5bを取り出し、その商品5bを持って立ち去る。このような顧客の行動が、監視部1bによる商品5a,5b,5cの監視によって認識できる。そして、商品5a,5b,5cに対する顧客の行動に基づいて商品5a,5b,5c間の品質に違いが判別できる。品質の違いが判別できれば、同種の他の商品よりも品質が劣化していると判断された商品の価格を下げることができる。その結果、品質が悪い商品が、いつまでも売れ残ってしまうことを抑止できる。
【0025】
しかも、棚4に戻された商品と同種の商品が、棚から取り出された場合のみ、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることで、商品の購入意志がある顧客による慎重な判断結果として敬遠された商品のみ、価格を下げることができる。すなわち、商品の購入意志が少ない顧客の場合、手に取った商品を棚4に戻した理由は、手に取った商品の品質とは無関係である可能性が大きくなる。例えば、顧客が、手に取った商品およびその商品と同種の商品の購入を取りやめ、手に取った商品を棚4に戻す場合もある。他方、商品の購入意志がある顧客が手に取った商品を棚4に戻したのであれば、その商品の品質に問題があったと考えることができる。すなわち、商品の購入意志がある顧客であれば、手に取った商品の品質に問題のあることに気がつくと、その商品を棚4に戻した後、同種の商品を取り出すものと考えられる。従って、棚4に戻された商品と同種の商品が、棚から取り出された場合のみ、棚4に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることで、購入意志を有する顧客の慎重な判断によって敬遠された商品の被敬遠回数をカウントアップできる。その結果、同種の商品間の的確な品質判断が可能となる。そして、的確な品質判断に基づいた適切な価格設定が可能となる。
【0026】
また人検知部1aで棚4の前に人がいることを検知することで、棚4に配置された商品5a,5b,5cの取り出しなどを行ったのが、同一の人物であることを特定できる。その結果、その人が棚4の前から立ち去った時点で、棚4に戻されていない商品が、その顧客が購入する商品であると判断できる。すなわち、顧客が持ち去った商品を的確に判断することが可能となる。その結果、顧客が購入する商品と同種の商品のうち、その顧客により棚4から取り出され、棚4に戻された商品は、顧客が購入する商品よりも品質が劣るものと推測できる。すなわち顧客が購入するために持ち去った商品を的確に判断することで、残された商品の品質判断の正確性を向上させることが可能となる。
【0027】
なお、人検知部1a、監視部1b、および価格変更部1cは、例えば情報処理装置1が有するCPU(Central Processing Unit)により実現することができる。また、記憶部6a,6b,6cは、磁気または電気的に情報を記憶することができる記憶媒体により実現することができる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、商品に貼付する記憶部や表示部として、電子値札を用いた例である。電子値札は、例えば記憶部としてICタグを有し、表示部として電子ペーパを有する。
【0029】
図2は、第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。情報処理装置100には、複数の人検知センサ11〜14と、複数のICタグリーダライタ21〜30とが接続されている。
【0030】
人検知センサ11〜14は、陳列棚10の前面に、所定の間隔で配置されている。人検知センサ11〜14は、前方の所定の範囲内に人が立つと、人の存在を検知する。例えば、人検知センサ11〜14は、前方に向かって光を照射し、照射した光の反射光により人体までの距離を測る。そして人検知センサ11〜14は、人体までの距離が所定の距離以下であれば、人を検知したことを示す信号を出力する。例えば人検知センサ11〜14は、人を検知すると、情報処理装置100に接続された信号線の信号をアサートにする。そして人検知センサ11〜14は、検知した人が検知できなくなると、情報処理装置100に接続された信号線の信号をネゲートする。
【0031】
複数のICタグリーダライタ21〜30は、陳列棚10の上面に所定の間隔で配置されている。ICタグリーダライタ21〜30は、例えば数十cm以内の距離にあるICタグのデータを、無線により読み取ることができると共に、数十cm以内の距離にあるICタグにデータを、無線により書き込むことができる。例えばICタグリーダライタ21〜30は、パッシブ型のICタグにアクセスするリーダライタである。
【0032】
陳列棚10には、商品41〜43、51〜55が陳列される。例えば、商品41〜43は魚であり、商品51〜55はキャベツである。
商品41には、電子値札60が取り付けられている。例えば商品41が食品ラップフィルムで包装され、その包装の外側に電子値札60が貼り付けられる。同様に商品51にも電子値札70が取り付けられている。他の商品42,43,52〜55に対しても、電子値札が取り付けられている。電子値札60,70は、ICタグを内蔵すると共に表示装置を有している。電子値札60,70の表示装置には、ICタグに記録された値段が表示される。
【0033】
情報処理装置100は、人検知センサ11〜14やICタグリーダライタ21〜30から入力される信号に基づいて、顧客80に敬遠された商品を判断する。そして、情報処理装置100は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、敬遠された商品の電子値札に表示する値段を変更する。
【0034】
次に、電子値札60,70について詳細に説明する。
図3は、電子値札のハードウェア構成の一例を示す図である。電子値札60は、ICタグ61、電子ペーパ62、およびドライバ63を有している。
【0035】
ICタグ61は、ICタグリーダライタ21〜30からの電波を受けて動作する電子回路である。ICタグ61は、RFID(Radio Frequency IDentification)とも呼ばれ、電子的にデータを記憶することができる。ICタグ61へのデータの記録は、ICタグリーダライタ21〜30からの無線通信によって行われる。またICタグ61に記録されたデータは、ICタグリーダライタ21〜30が無線通信によって読み出すことができる。
【0036】
電子ペーパ62は、電力なしで任意の画像を表示できる表示装置である。ただし、電子ペーパ62に表示する画像を書き換える場合にのみ、微量の電力が消費される。電子ペーパ62には、例えばコレステリック液晶材料を用いたものがある。
【0037】
ドライバ63は、電子ペーパ62の画像の書き換えを行う。例えばドライバ63は、ICタグ61に記憶された値段情報を読み取り、電子ペーパ62に表示させる。
なお、図3には、商品41に取り付けられた電子値札60のハードウェア構成を示したが、商品51に取り付けられた電子値札70のハードウェア構成も電子値札60と同様である。
【0038】
図4は、第2の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。ICタグ61には、データ記憶用に、ICタグID、商品コード、当初価格、被敬遠回数、現在価格、および到達日時のフィールドが設けられている。
【0039】
ICタグIDのフィールドには、ICタグ61を一意に示す識別子(ICタグID)が格納される。ICタグIDは、電子値札60を一意に示すと共に、電子値札60が貼付された商品を一意に示すことにもなる。商品コードのフィールドには、電子値札60が付けられた商品41の商品種別の識別子(商品コード)が格納される。当初価格のフィールドには、商品41を店頭に陳列した時点での、商品41の値段(当初価格)が格納される。被敬遠回数のフィールドには、商品41が顧客によって敬遠された回数が格納される。被敬遠回数のフィールドの初期値は「0」である。現在価格のフィールドには、商品41の現在の価格が格納される。現在価格のフィールドの初期値は、当初価格と同じ値である。到達日時のフィールドには、被敬遠回数が、情報処理装置100に予め設定された規定回数に達した日時が設定される。
【0040】
次に、情報処理装置100について詳細に説明する。
図5は、情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0041】
RAM102は、情報処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0042】
バス108に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
【0043】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、情報処理装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0044】
グラフィック処理装置104には、モニタ91が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ91の画面に表示させる。モニタ91としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0045】
入力インタフェース105には、キーボード92とマウス93とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード92やマウス93から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス93は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0046】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク94に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク94は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク94には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0047】
通信インタフェース107は、ネットワーク90に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク90を介して、他の情報処理装置または通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0048】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお図1に示した第1の実施の形態に係る情報処理装置1も、図5に示した情報処理装置100と同様のハードウェアにより実現できる。
【0049】
図6は、第2の実施の形態における情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部110、人検知部120、商品監視部130、および価格変更部140を有している。
【0050】
記憶部110は、商品が顧客に敬遠された場合の値引き条件が定義された商品マスタテーブルや、各商品が配置された陳列棚と、その陳列棚に設置された人検知センサとの対応関係を示す配置管理テーブルを記憶する。例えばRAM102またはHDD103の記憶領域の一部が、記憶部110として使用される。
【0051】
人検知部120は、人検知センサ11〜14に接続されている。人検知部120は、人検知センサ11〜14から人の存在を示す信号を受け取ると、検知した人検知センサのセンサIDを含む、人が検知されたことを示す人検知情報を、商品監視部130に通知する。また人検知部120は、人を検知した人検知センサから、その人を検知できなくなったことを示す信号を受け取ると、その人検知センサのセンサIDを含む、人が立ち去ったことを示す人非検知情報を、商品監視部130に通知する。
【0052】
商品監視部130は、人の存在を検知している人検知センサに対応する陳列棚に配置されている商品の移動状況を監視する。例えば商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30で検出されたICタグIDに基づいて、人が前に立っている陳列棚から商品が取り出されたこと、または、取り出された商品が陳列棚に戻されたことを判断する。そして商品監視部130は、陳列棚から取り出された後、陳列棚に戻された商品があり、その商品と同じ商品コードの他の商品が陳列棚から取り出されたままで人が立ち去った場合、陳列棚に戻された商品は、顧客に敬遠されたものと判断する。その場合、商品監視部130は、敬遠された商品に貼付された電子値札内のICタグに設定されている被敬遠回数の値をカウントアップする。被敬遠回数のカウントアップは、敬遠された商品に貼付された電子値札内のICタグを検知したICタグリーダライタを介して行われる。
【0053】
また商品監視部130は、被敬遠回数のカウントアップにより被敬遠回数が規定値に達した商品を検出する。そして商品監視部130は、検出した商品に貼付された電子値札内のICタグの到達日時のフィールドに、現在の時刻を設定する。到達日時への現在の時刻の設定は、被敬遠回数が規定の閾値値(被敬遠回数閾値)に達した商品に貼付された電子値札内のICタグを検知したICタグリーダライタを介して行われる。
【0054】
なお、商品ごとの被敬遠回数閾値は、例えば記憶部110に記憶された商品マスタテーブルを参照して判断できる。
価格変更部140は、被敬遠回数が規定値に達してからの経過時間が所定の待ち時間に達した商品の値段を変更する。例えば価格変更部140は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札内のICタグから、到達日時を読み出す。そして価格変更部140は、読み出した到達日時からの経過時間が所定の待ち時間以上となっている商品があれば、その商品の値段を下げる。価格変更部140は商品の値段を下げる場合、その商品を検出したICタグリーダライタを介して、各商品に貼付された電子値札内のICタグの現在価格のフィールドに、値引き後の値段を設定する。
【0055】
価格変更部140により設定される値引き後の値段は、例えば被敬遠回数に応じて決定される。例えば値引きを行う被敬遠回数閾値を多段階に設定しておき、価格変更部140は各段階の被敬遠回数に達した場合に、順次値下げを行うことができる。値下げ機会の1回目(例えば被敬遠回数が10回に達した場合)には、価格変更部140は、当初価格の1割引の値段を設定する。値下げ機会の2回目(例えば被敬遠回数が20回に達した場合)には、価格変更部140は当初価格の3割引の値段を設定する。
【0056】
なお、商品ごとの待ち時間や値引き率は、例えば、記憶部110に記憶された商品マスタテーブルを参照して判断できる。
図7は、第2の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造の一例を示す図である。記憶部110には、商品マスタテーブル111、配置管理テーブル112、移動前商品リスト113、および移動商品リスト114が格納されている。なお商品マスタテーブル111と配置管理テーブル112とは、予め記憶部110に格納されるデータである。移動前商品リスト113と移動商品リスト114とは、商品監視部130によって一時的に格納されるデータである。
【0057】
商品マスタテーブル111は、被敬遠回数に応じた値引き率や、敬遠到達後の待ち時間を、商品の種別ごとに定義したデータテーブルである。商品マスタテーブル111には、商品コード、値下げ機会、被敬遠回数閾値、値引き率、および待ち時間の欄が設けられている。
【0058】
商品コードの欄には、商品種別ごとの識別子(商品コード)が設定される。例えば、商品「キャベツ」に対して1つの商品コードが設定されており、キャベツの値段を、顧客の被敬遠回数に応じて変更する場合、キャベツの商品コードが商品コードの欄に設定される。なお、一般名称が同じ商品(例えば「キャベツ」)であっても、品種、産地、大きさが異なる場合、異なる商品コードを設定することができる。
【0059】
値下げ機会の欄には、何回目の値下げ機会に関する情報なのかを示す数値が設定される。1回目の値下げ機会に関する情報であれば「1」、2回目の値下げ機会に関する情報であれば「2」が設定される。
【0060】
被敬遠回数閾値の欄には、値下げ機会となるための条件である被敬遠回数閾値が設定される。値下げ機会の回数が増えるほど、被敬遠回数閾値の数は大きくなる。図7の例では、1回目の値下げ機会となるための被敬遠回数閾値は「10回」であり、2回目の値下げ機会となるための被敬遠回数閾値は「20回」である。
【0061】
値引き率の欄には、値下げ機会となったときの当初価格からの値引き率が設定される。図7の例では、値引き率がパーセントで設定されている。値下げ機会の回数が増えるほど、値引き率は大きくなる。図7の例では、1回目の値下げ機会のときの値引き率は、「10%」であり、2回目の値下げ機会のときの値引き率「30%」である。
【0062】
待ち時間の欄には、商品が顧客に敬遠された回数が、値下げ機会となるための条件である被敬遠回数閾値に達してから値下げを実行するまでの待ち時間が設定される。図7の例では、待ち時間が分単位で設定されている。図7の例では、値下げ機会の回数が1回目、2回目、3回目のいずれの場合も、待ち時間は45分であるが、値下げ機会の回数ごとに異なる待ち時間を設定することもできる。
【0063】
配置管理テーブル112は、人検知センサと、人検知センサが設置された陳列棚に配置された商品との対応関係を定義したデータテーブルである。配置管理テーブル112には、商品コード、棚番、およびセンサIDの欄が設けられている。
【0064】
商品コードの欄には、陳列棚に配置された商品の商品コードが設定される。棚番の欄には、商品コードで示される商品が配置された陳列棚の識別番号(棚番)が設定される。センサIDの欄には、対応する陳列棚に設置された人検知センサの識別番号(センサID)が設定される。
【0065】
移動前商品リスト113は、人が陳列棚の前に立ったときに、その陳列棚に配置されている商品のリストである。移動前商品リスト113には、商品コードとICタグIDとの欄が設けられている。商品コードの欄には、陳列棚に配置されている商品の商品コードが設定される。ICタグIDの欄には、人が陳列棚の前に立ったとき、その陳列棚に配置されている商品に貼付された電子値札のICタグIDが設定される。
【0066】
移動商品リスト114には、人が陳列棚の前に立った状態でその陳列棚から取り出された商品のリストである。移動商品リスト114には、商品コードとICタグIDとの欄が設けられている。商品コードの欄には、人が陳列棚の前に立った状態でその陳列棚から取り出された商品の商品コードが設定される。ICタグIDの欄には、人が陳列棚の前に立った状態でその陳列棚から取り出された商品に貼付された電子値札のICタグIDが設定される。
【0067】
次に、情報処理装置100で実行される処理について詳細に説明する。情報処理装置100で実行される処理には、被敬遠回数カウント処理と価格変更処理とがある。
図8は、被敬遠回数カウント処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0068】
[ステップS11]人検知部120は、いずれかの陳列棚の前に人を検知したか否かを判断する。例えば人検知部120は、いずれかの人検知センサから、人の検知を示す信号が入力された場合、陳列棚の前に人を検知したと判断する。
【0069】
陳列棚の前に人を検知した場合、人検知部120は、人の存在を検知した人検知センサのセンサIDと共に、人検知情報を商品監視部130に通知する。なお、人検知センサは、例えば情報処理装置100と人検知センサ11〜14それぞれとを接続する信号線で識別することができる。この場合、人検知センサ11〜14それぞれに接続される信号線を情報処理装置100で識別するための番号を、センサIDとすることができる。
【0070】
人検知部120は、陳列棚の前に人を検出した場合、処理をステップS12に進める。人検知部120は、陳列棚の前に人を検出していなければ、ステップS11の処理を繰り返す。
【0071】
[ステップS12]人検知部120により、陳列棚の前に人が検知されると、商品監視部130は、検知された人の前の陳列棚に配置された商品を監視対象とし、監視対象商品に関する移動前商品リスト113を作成する。例えば商品監視部130は、配置管理テーブル112を参照し、監視対象商品の商品コードを取得する。なお検知された人の前の陳列棚に、複数の種別の商品が配置されていれば、複数の商品コードが取得される。
【0072】
次に商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。そして商品監視部130は、電子値札から読み出した情報のうち、監視対象商品の商品コードが設定された情報を抽出し、その情報の商品コードとICタグIDとの組をリストアップし、移動前商品リスト113とする。商品監視部130は、作成した移動前商品リスト113を記憶部110に格納する。
【0073】
[ステップS13]商品監視部130は、検知された人の前の陳列棚の監視対象商品が移動したか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。次に商品監視部130は、監視対象商品の商品コードが設定された情報を抽出し、移動前商品リスト113と比較する。商品監視部130は、移動前商品リスト113に含まれながら、今回抽出した情報に含まれていないICタグIDが少なくとも1つある場合、監視対象商品が移動したと判断する。商品監視部130は、監視対象商品が移動した場合、処理をステップS14に進める。また商品監視部130は、監視対象商品の移動がなければ、処理をステップS15に進める。
【0074】
[ステップS14]商品監視部130は、移動された監視対象商品のICタグIDを記憶する。例えば商品監視部130は、移動前商品リスト113に含まれながら、ステップS13で抽出した情報に含まれていないICタグIDと、監視対象商品の商品コードとの組を、記憶部110内の移動商品リスト114に登録する。
【0075】
[ステップS15]人検知部120は、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去ったか否かを判断する。例えば人検知部120は、ステップS11において人の検知を示す信号を出力した人検知センサが、人の検知を示す信号の出力を停止した場合、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去ったと判断する。
【0076】
人検知部120は、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去った場合、人を検知していた人検知センサのセンサIDを含む、人が立ち去ったことを示す人非検知情報を、商品監視部130に通知し、処理をステップS16に進める。人検知部120は、監視対象商品が配置された陳列棚の前から人が立ち去っていなければ、処理をステップS13に進める。
【0077】
[ステップS16]商品監視部130は、陳列棚から取り除かれたままの監視対象商品があるか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。次に商品監視部130は、監視対象商品の商品コードが設定された情報を抽出し、移動前商品リスト113と比較する。商品監視部130は、移動前商品リスト113に含まれながら、今回抽出した情報に含まれていないICタグIDが少なくとも1つある場合、取り除かれた監視対象商品があると判断する。
【0078】
商品監視部130は、取り除かれた監視対象商品があれば、処理をステップS17に進める。また商品監視部130は、取り除かれた監視対象商品がなければ、処理をステップS11に進める。
【0079】
[ステップS17]商品監視部130は、陳列棚から取り除かれた後、陳列棚に戻された監視対象商品があるか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ステップS16で電子値札から読み出した情報のICタグIDと、移動商品リスト114に登録されているICタグIDとを比較する。移動商品リスト114に登録されているICタグIDのうち、電子値札から読み出した情報のICタグIDに含まれているものが少なくとも1つある場合、商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品があるものと判断する。
【0080】
商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品がある場合、処理をステップS18に進める。また商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品がない場合、処理をステップS11に進める。
【0081】
[ステップS18]商品監視部130は、陳列棚から取り除かれた監視対象商品と陳列棚に戻された監視対象商品との商品コードが同一か否かを判断する。商品監視部130は、商品コードが同一であれば、処理をステップS19に進める。また商品監視部130は、商品コードが同一でなければ、処理をステップS11に進める。
【0082】
[ステップS19]商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品の被敬遠回数をカウントアップする。例えば商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、そのICタグIDが記録されたICタグの情報を読み出す。次に商品監視部130は、読み出した情報における被敬遠回数のフィールドの値を、1だけカウントアップする。そして商品監視部130は、被敬遠回数カウントアップ後の情報を、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、陳列棚に戻された監視対象商品に貼付された電子値札のICタグに書き戻す。
【0083】
[ステップS20]商品監視部130は、被敬遠回数が規定回数に達したか否かを判断する。例えば商品監視部130は、ステップS19でカウントアップした被敬遠回数の値と、陳列棚に戻された監視対象商品の被敬遠回数閾値とを比較する。監視対象商品の被敬遠回数閾値は、商品マスタテーブル111から取得することができる。商品監視部130は、ステップS19でカウントアップした被敬遠回数の値が1以上設定された被敬遠回数閾値のいずれかと一致した場合、被敬遠回数閾値に達したと判断する。
【0084】
商品監視部130は、被敬遠回数が被敬遠回数閾値に達した場合、処理をステップS21に進める。また商品監視部130は、被敬遠回数が被敬遠回数閾値に達していない場合、処理をステップS11に進める。
【0085】
[ステップS21]商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品の電子値札内のICタグに、到達日時が設定されているか否かを判断する。例えば商品監視部130は、商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、そのICタグIDが記録されたICタグの情報を読み出す。次に商品監視部130は、読み出した情報における到達日時のフィールドの値を確認する。該当フィールドに有効な日時が設定されていれば、商品監視部130は、到達日時が設定されていると判断する。他方、該当フィールドに有効な時刻が設定されていなければ、商品監視部130は、到達日時が設定されていないと判断する。
【0086】
商品監視部130は、到達日時が設定されていなければ、処理をステップS22に進める。また商品監視部130は、到達日時が既に設定されていれば、処理をステップS11に進める。
【0087】
[ステップS22]商品監視部130は、陳列棚に戻された監視対象商品の電子値札内のICタグに、到達日時を書き込む。例えば商品監視部130は、ステップS21で読み出した、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグの情報における到達日時のフィールドに、現在の日時を設定する。そして商品監視部130は、到達日時設定後の情報を、陳列棚に戻された監視対象商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、陳列棚に戻された監視対象商品に貼付された電子値札のICタグに書き戻す。
【0088】
その後、商品監視部130は、処理をステップS11に進める。
このようにして、顧客によって敬遠された商品に貼付された電子値札のICタグには、被敬遠回数が設定されると共に、所定の被敬遠回数閾値に達した場合、被敬遠回数閾値に達した日時が設定される。そして、各商品に貼付された電子値札のICタグ内の情報に基づいて、価格変更部140によって、商品の価格が適宜変更される。
【0089】
図9は、価格変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]価格変更部140は、陳列棚に配置されている商品を検出する。例えば価格変更部140は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、各商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。そして価格変更部140は、読み出した情報のうちのICタグIDを、個々の商品を識別する識別子とする。
【0090】
[ステップS32]価格変更部140は、ステップS31で検出された商品から、未選択の商品を1つ選択する。
[ステップS33]価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み出された情報に、到達日時が設定されているか否かを判断する。価格変更部140は、到達日時が設定されていれば、処理をステップS34に進める。また価格変更部140は、到達日時が設定されていなければ、処理をステップS32に進める。
【0091】
[ステップS34]価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み出された情報に設定されている到達日時からの経過時間が、所定の待ち時間以上になったか否かを判断する。例えば価格変更部140は、商品マスタテーブル111を参照して、選択した商品の商品コードに対応する待ち時間を判断する。そして、価格変更部140は、選択した商品の待ち時間と、選択した商品の到達日時からの経過時間を比較して、経過時間が待ち時間以上か否かを判断する。
【0092】
価格変更部140は、経過時間が待ち時間以上であれば、処理をステップS35に進める。また価格変更部140は、経過時間が待ち時間未満であれば、処理をステップS32に進める。
【0093】
[ステップS35]価格変更部140は、商品の価格を更新する。例えば価格変更部140は、ICタグリーダライタ21〜30を介して、選択した商品に貼付された電子値札のICタグに格納された情報を読み出す。次に価格変更部140は、読み出した情報における現在価格のフィールドに、当初価格から所定の割引き率で割引を行ったときの価格を設定する。また価格変更部140は、読み出した情報における到達日時のフィールドのデータを消去(あるいは無効なデータの書き込み)する。そして価格変更部140は、新たな現在価格を設定するとともに到達日時を消去した情報を、選択した商品のICタグIDを読み取ったICタグリーダライタを介して、商品に貼付された電子値札のICタグに書き戻す。
【0094】
なお更新後の価格は、選択した商品の当初価格と、その商品の値下げ機会の回数に応じた値引き率によって決定される。例えば価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み取られた情報に基づき、その商品の商品コードと被敬遠回数とを判断する。次に価格変更部140は、商品マスタテーブル111を参照し、選択した商品の被敬遠回数が、商品コードに対応する何回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値以上となっているかを判断する。このとき価格変更部140は、選択した複数の値下げ機会に関する被敬遠回数閾値以上となっている場合、値下げ機会の回数の値が大きい方の値下げ機会であると認識する。例えば選択した商品の被敬遠回数が、1回目の値下げ機会と2回目の値下げ機会との両方の被敬遠回数閾値以上であれば、価格変更部140は、現在は、その商品の2回目の値下げ機会であると判断する。価格変更部140は、商品マスタテーブル111を参照し、現在の値下げ機会の値引き率を判断する。そして価格変更部140は、選択した商品に貼付された電子値札のICタグから読み取られた情報の当初価格に設定されたフィールドから、値引き率に相当する価格の値引きを行った後の価格を、更新後の現在価格とする。例えば値引き率が30%であれば、当初価格の0.7倍の価格が、更新後の現在価格となる。
【0095】
[ステップS36]価格変更部140は、ステップS31で検出したすべての商品を選択し、ステップS33〜S35の処理を実行したか否かを判断する。価格変更部140は、すべての商品を選択した場合、処理をステップS31に進める。また価格変更部140は、未選択の商品がある場合、処理をステップS32に進める。
【0096】
このようにして、定期的期に値下げ機会となった商品が検出され、検出された商品に対して、所定の待ち時間経過後に値下げが実行される。
図10は、被敬遠回数に応じた価格の遷移例を示す図である。図10には、当初価格が360円の商品41の価格の遷移例が示されている。商品41の商品コードは「12345678」であり、図7に示した商品マスタテーブル111に従って値引きが行われる。
【0097】
商品41が陳列棚に配置された直後は、商品41に貼付された電子値札60には、当初価格である360円が表示されている。ここで10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。すなわち、商品41を一度手に取ったものの商品41を陳列棚に戻し、同じ商品コードの他の商品を購入した顧客が10人いたものとする。
【0098】
この場合、商品41が敬遠した10人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと1回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。そしてICタグに記録された到達日時から45分が経過すると、当初価格から1割引の値段(当初値段の0.9倍の値段)が、電子値札60に表示される。
【0099】
その後、さらに10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。すると商品41は、合計で20回敬遠されたこととなる。この場合、商品41が敬遠した20人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと2回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。そしてICタグに記録された到達日時から45分が経過すると、当初価格から3割引の値段(当初値段の0.7倍の値段)が、電子値札60に表示される。
【0100】
2回目の値下げ機会による値下げを行った後、さらに10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。すると商品41は、合計で30回敬遠されたこととなる。この場合、商品41が敬遠した30人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと3回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。そしてICタグに記録された到達日時から45分が経過すると、当初価格から5割引の値段(当初値段の0.5倍の値段)が、電子値札60に表示される。
【0101】
このようにして、多数の顧客に敬遠された商品41の値段を、徐々に下げることができる。しかも、顧客の敬遠動作に基づいて値下げを行うことで、同種の商品間で品質のばらつきがある場合、品質の悪い商品を的確に値下げし、品質の悪い商品が売れ残ることを抑止できる。
【0102】
なお各商品をキャッシュレジスタの前に持って行くと、キャッシュレジスタに付属のICタグリーダライタにより、商品に貼付された電子値札内のICタグに記憶された価格が読み取られる。そして、顧客は、電子値札内のICタグに記憶された価格で、商品を購入することができる。
【0103】
さらに、第2の実施の形態では、値下げ機会となってから実際に値下げを実行するまで、所定の待ち時間が設けられている。待ち時間を設けたことで、特定の顧客が、価格を下げさせる目的で商品41の敬遠動作を繰り返したとしても、その顧客が値下げ後の価格で該当商品41を購入することを抑止できる。すなわち、顧客が商品41の値段を下げさせようと敬遠動作を意図的に繰り返し行っても、所定の待ち時間だけ待たなければ商品41の価格は安くならず、顧客に対して、長い無駄な時間を過ごすという負担が生じる。例えば、360円の商品41を1割に当たる36円だけ安く買うために45分の時間を無駄に過ごすのは、顧客にとって割に合わない場合が多い。その結果、意図的な敬遠動作により安く商品41を買おうとする顧客の意欲を減退させることができる。
【0104】
ところで、商品41の被敬遠回数が、1回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値に達してから待ち時間経過前に、2回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値にも達してしまう場合もあり得る。このような場合、商品41の品質が、同種の他の商品からかなり劣っているものと考えられる。第2の実施の形態では、このような場合、被敬遠回数が1回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値に達した時間から計算した経過時間が、2回目の値下げ機会の待ち時間になると、2回目の値下げ機会の割引き率が適用される。
【0105】
図11は、短時間に多数の顧客から敬遠された場合の価格の遷移例を示す図である。商品41が陳列棚に配置された直後は、商品41に貼付された電子値札60には、当初価格である360円が表示されている。ここで10人の顧客から商品41が敬遠されたものとする。この場合、商品41が敬遠した10人目の顧客が、商品41が配置された陳列棚の前から立ち退くと1回目の値下げ機会となり、その日時が到達日時として電子値札60内のICタグに記録される。
【0106】
その後、到達日時から45分の待ち時間経過前に、さらに10人の顧客による商品41が敬遠されている。その結果、商品41は20回敬遠され、1回目の値下げ機会による値下げ前に、2回目の値下げ開会の被敬遠回数閾値に達したこととなる。すると商品41の被敬遠回数が、1回目の値下げ機会の被敬遠回数閾値に達してから45分経過すると、2回目の値下げ機会の値引き率で、値引きが行われる。その結果、当初価格から30%引きの価格が、電子値札60に表示される。
【0107】
このようにして、顧客から敬遠される頻度が高い商品については、一度に大きな値下げを行うことで、売れ残りとなるのを抑止することができる。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、被敬遠回数や到達日時を情報処理装置で管理する場合の例である。第2の実施の形態では、被敬遠回数や到達日時が、商品に貼付された電子値札内のICタグに書き込まれている。そのため、商品の被敬遠回数のカウントアップや、到達日時からの経過時間の確認の際に、ICタグから情報を読み込んでいる。第3の実施の形態では、各商品の被敬遠回数や到達日時を情報処理装置で管理することで、ICタグへのデータ入出力の回数を減らし、処理の効率化が図られる。
【0108】
第3の実施の形態のハードウェア構成および機能構成は、図2、図3、図5、図6に示した第2の実施の形態の構成と同様である。
図12は、第3の実施の形態におけるICタグに記憶される情報の一例を示す図である。第3の実施の形態では、ICタグ61には、例えばICタグID、商品コード、および現在価格のフィールドが設けられている。
【0109】
図13は、第3の実施の形態における記憶部に格納される情報のデータ構造例を示す図である。第3の実施の形態では、記憶部110に、商品マスタテーブル111、配置管理テーブル112、移動前商品リスト113、移動商品リスト114、および商品情報テーブル115が格納されている。このうち、商品マスタテーブル111、配置管理テーブル112、移動前商品リスト113、移動商品リスト114のデータ構造は、図7に示した第2の実施の形態の同名の要素のデータ構造と同じである。
【0110】
商品情報テーブル115は、ICタグID、商品コード、当初価格、被敬遠回数、および到達日時の欄が設けられている。ICタグIDの欄には、陳列棚に並べられている商品に貼付された電子値札内のICタグの識別子(ICタグID)が設定される。商品コードの欄には、陳列棚に並べられている商品の商品コードが設定される。当初価格の欄には、陳列棚に並べられている商品の値引き前の価格が設定される。被敬遠回数の欄には、陳列棚に並べられている商品に対して顧客が敬遠動作を行った回数が設定される。到達日時の欄には、陳列棚に並べられている商品の被敬遠回数が、被敬遠回数閾値に到達した日時が設定される。
【0111】
このように、被敬遠回数や到達日時を情報処理装置100内に保持しておくことで、被敬遠回数のカウントアップや到達日時の書き込みを、情報処理装置100内で行うことができる。
【0112】
〔他の実施の形態〕
第2の実施の形態では、生鮮食品における同種の商品間の品質の違いを値段に反映させた例であるが、生鮮食品以外の商品に対しても同様の値段変更処理を適用できる。例えば衣料品において、同種の複数の商品の一部に、糸のほつれが見つかることがある。商品の糸のほつれを見つけた顧客は、その商品を棚に戻し、同種の他の商品を購入するものと考えられる。従って、第2の実施の形態における販売対象商品を衣料品とした場合でも、商品間の品質の違いを的確に価格に反映させることが可能である。
【0113】
上記の各実施の形態に示した処理機能は、情報処理装置(コンピュータ)にプログラムを実行させることで実現できる。その場合、情報処理装置が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
【0114】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0115】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0116】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【0117】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0118】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) 棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、該商品の被敬遠回数を記憶部に格納する監視部と、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する価格変更部と、
を有する情報処理装置。
【0119】
(付記2) 前記監視部は、棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出された場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
【0120】
(付記3) 棚の前に人がいるか否かを検知する人検知部をさらに有し、
前記監視部は、棚の前に人を検知し、該棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出され、その後、該棚の前から人が立ち去った場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
【0121】
(付記4) 前記監視部は、棚に設置されたリーダライタを介して、該棚に配置された商品に貼付された前記記憶部にアクセスできるかどうかを定期的に検出することで、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0122】
(付記5) 前記監視部は、前記記憶部へのアクセスができていた商品について、前記記憶部へのアクセスができなくなった場合、該商品が棚から取り出されたと判断し、該商品の前記記憶部へのアクセスが再度できるようになった場合、該商品が棚に戻されたと判断することを特徴とする付記4記載の情報処理装置。
【0123】
(付記6) 前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7) 前記価格変更部は、所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、該商品の価格を段階的に下げることを特徴とする付記6記載の情報処理装置。
【0124】
(付記8) 前記価格変更部は、商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、該商品の価格を下げることを特徴とする付記6または7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0125】
(付記9) 前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部に、変更後の価格を表示させることを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0126】
(付記10) 棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、
棚に戻された商品の被敬遠回数を記憶部に格納し、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する、
ことを特徴とする価格設定方法。
【0127】
(付記11) 棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出された場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記10記載の価格設定方法。
【0128】
(付記12) 棚の前に人がいるか否かを検知し、
棚の前に人を検知し、該棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出され、その後、該棚の前から人が立ち去った場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする付記10記載の価格設定方法。
【0129】
(付記13) 棚に設置されたリーダライタを介して、該棚に配置された商品に貼付された前記記憶部の情報を読み取ることで、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出することを特徴とする付記10乃至12のいずれかに記載の価格設定方法。
【0130】
(付記14) 前記記憶部の情報の読み取りができていた商品から前記記憶部の情報の読み取りができなくなった場合、該商品が棚から取り出されたと判断し、該商品の前記記憶部の情報の読み取りができるようになった場合、該商品が棚に戻されたと判断することを特徴とする付記13記載の価格設定方法。
【0131】
(付記15) 被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げることを特徴とする付記10乃至14のいずれかに記載の価格設定方法。
(付記16) 所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、該商品の価格を段階的に下げることを特徴とする付記15記載の価格設定方法。
【0132】
(付記17) 商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、該商品の価格を下げることを特徴とする付記15または16のいずれかに記載の価格設定方法。
(付記18) 被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部に、変更後の価格を表示させることを特徴とする付記10乃至17のいずれかに記載の価格設定方法。
【符号の説明】
【0133】
1 情報処理装置
1a 人検知部
1b 監視部
1c 価格変更部
2 人検知センサ
3 リーダライタ
4 棚
5a,5b,5c 商品
6a,6b,6c 記憶部
7a,7b,7c 表示部
8 人
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、該商品の被敬遠回数を記憶部に格納する監視部と、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する価格変更部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記監視部は、棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出された場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
棚の前に人がいるか否かを検知する人検知部をさらに有し、
前記監視部は、棚の前に人を検知し、該棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出され、その後、該棚の前から人が立ち去った場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記監視部は、棚に設置されたリーダライタを介して、該棚に配置された商品に貼付された前記記憶部にアクセスできるかどうかを定期的に検出することで、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記監視部は、前記記憶部へのアクセスができていた商品について、前記記憶部へのアクセスができなくなった場合、該商品が棚から取り出されたと判断し、該商品の前記記憶部へのアクセスが再度できるようになった場合、該商品が棚に戻されたと判断することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記価格変更部は、所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、該商品の価格を段階的に下げることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記価格変更部は、商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、該商品の価格を下げることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部に、変更後の価格を表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、
棚に戻された商品の被敬遠回数を記憶部に格納し、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する、
ことを特徴とする価格設定方法。
【請求項1】
棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、該商品の被敬遠回数を記憶部に格納する監視部と、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する価格変更部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記監視部は、棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出された場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
棚の前に人がいるか否かを検知する人検知部をさらに有し、
前記監視部は、棚の前に人を検知し、該棚から取り出され、該棚に戻された商品を検出し、該棚に戻された商品と同種の他の商品が該棚から取り出され、その後、該棚の前から人が立ち去った場合、該棚に戻された商品の被敬遠回数をカウントアップすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記監視部は、棚に設置されたリーダライタを介して、該棚に配置された商品に貼付された前記記憶部にアクセスできるかどうかを定期的に検出することで、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記監視部は、前記記憶部へのアクセスができていた商品について、前記記憶部へのアクセスができなくなった場合、該商品が棚から取り出されたと判断し、該商品の前記記憶部へのアクセスが再度できるようになった場合、該商品が棚に戻されたと判断することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品の価格を下げることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記価格変更部は、所定の閾値が多段階で設定されており、商品の被敬遠回数が閾値に達するごとに、該商品の価格を段階的に下げることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記価格変更部は、商品の被敬遠回数が閾値に達した日時から所定の時間経過後、該商品の価格を下げることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記価格変更部は、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品に貼付された表示部に、変更後の価格を表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
棚に置かれた商品を監視し、棚から取り出され、棚に戻された商品を検出すると、該商品の被敬遠回数をカウントアップし、
棚に戻された商品の被敬遠回数を記憶部に格納し、
前記記憶部を参照し、被敬遠回数が所定の閾値に達した商品がある場合、該商品の価格を変更する、
ことを特徴とする価格設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−113661(P2012−113661A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264347(P2010−264347)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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