説明

情報処理装置、その情報処理装置におけるデータ処理方法およびプログラム

【課題】カラー2次元バーコードを印刷する際の印刷ずれを容易に防ぐことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】複数のカラーパッチで構成された2次元バーコードを表す画像データに基づき、記録材を記録媒体上に付与することにより2次元バーコードを印刷するための記録材データを生成する情報処理装置は、RGBで表された画像データを取得し、そのRGBのいずれかの色を構成する複数色の記録材を付与する領域がRGBのいずれかの色として記録されるカラーパッチの領域を覆うように、複数色の記録材を付与する領域の大きさを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー2次元バーコードを印刷するためのデータを処理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動認識技術の発達と普及には著しいものがある。従来の1次元コード(バーコード)は、1次元である為に情報量が1KB前後と小さく、取り扱い品目の増加、取扱い企業、地域、国等管理項目の増加の要求に応じることは難しい。また、1次元コードはコードの読み取りに専用の読取り機を必要とし、しかも、複数を同時に読み取ることができない。また、このコードと読み取り機とは非接触ではあるが、信頼性を高くして読み取るためには1m以内位までしか離せない。
【0003】
一方、情報量の多さから近年普及が拡大しているコードに2次元コードがある。そのような2次元コードは、1次元コードに比べて約4倍の情報量を含むといわれている。また、近年では、カラーコードも注目されるようになっている。カラーコードは、セル単位にカラー対応させ、それらのセルを2次元に配列することで、読み取りコードデータとして認識するものである。
【0004】
カラーコードは、1次元、2次元コードがBk(黒)のみの単色で表現されていたのに比べ、色の三原色(RGBまたはCMYK)を利用することで、扱える情報量が飛躍的に増大する。しかも、現在、用いられているカラーコードは、情報量の多さに加えて、読み取り距離は数100m程度と長い距離離れても認識することができる。ランニングコストについても、カラー4色で表されるカラーコードで実際に印刷に使用されるインク量は、少ないので、Bk単色で印刷される1次元バーコードに比べても僅かに高い程度ですむ。
【0005】
このような中で、カラーデジタル印刷もデジタル化が進み、カラーコードの拡大に大きく寄与すると期待されている。即ち、カラーデジタル印刷技術の代表的なものに電子写真方式。熱転写方式、インクジェット方式があり近年の普及は著しい。デジタル印刷の特徴は、オンデマンドにバリアブルにカラーコードが印刷できることにあり、勿論、多量印刷も可能である。従って、各種商品管理ラベルとして容易に印刷が可能で、しかも個々の商品毎にカラーコードを変えて印刷することも簡便にできる。他にも、商品管理システム用コード、物流管理システム用コード、セキュリティー管理システム用コード、入退場管理システム用コード等々各種の用途提案があり、カラーデジタル印刷によるカラーコード印刷の必要性は、非常に高まっている。
【0006】
しかしながら、カラーコード印刷へのカラーデジタル印刷機の適用において注意すべき課題が幾つか挙げられる。例えば、従来のカラーコードの印刷において、記録媒体である記録用紙の搬送における搬送速度のムラの発生、用紙のヨレの発生、また、各色記録ヘッドの傾きによるズレなどの影響による意図しないスキューの発生により、本来、記録したい位置から外れた場所にインクが吐出され、印刷結果において色ズレや色ヌケが発生してしまう。その結果、カラーコードとしての信頼性が低減してしまう。
【0007】
特許文献1では、色ズレ量の検出のため測定用パターンの印刷を行い、色ズレ検出で得られた色ズレ値に対して、色ズレ量を0にするような補正値を色ズレ補正制御系にフィードバックして色ズレ補正制御直後で色ズレ最小になるような色ズレ補正をする構成が記載されている。
【0008】
また、特許文献2では、色ズレの安定化のために、次の色ズレ補正制御時までの間の経時的な色ズレ値が最小となるような適当なオフセット値を補正値に付加して、主走査方向の書出し位置や走査幅、副走査方向の書出し位置等を経時的に予測し、色ズレ補正する構成が記載されている。特許文献3では、記録ヘッドの微細な傾きに対応するため、印刷解像度より細かい解像度でスキュー補正し、若しくはスキュー補正後にディザ処理をすることで、画質の劣化が少ない色ズレ補正を行う構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−154072号公報
【特許文献2】特開2003−337456号公報
【特許文献3】特開2007−30207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の印刷システムにおいては、ズレ量の監視のための測定器や測定用パターンの印刷の構成が必要であり、印刷システム構築および印刷システム運用のコストが高くなってしまう。また、特許文献1、2については、ズレ量の補正に関して、各色にズレ量の制御は可能であるが、画像全体に対して補正が実施されるため、調整範囲を画像の特定領域に限定することができない。これにともない、1回の印刷または1ページ内の印刷で多方向のズレには対応できない。また、特許文献3については、ズレ量の補正についての処理が簡便ではない。リアルタイムに制御を行う場合に、画像を補正するポイントを制御するには高い精密さが要求される。
【0011】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。上記の点に鑑み、カラー2次元バーコードを印刷する際の印刷ずれを容易に防ぐことができる情報処理装置、その情報処理装置におけるデータ処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、複数のカラーパッチで構成された2次元バーコードを表す画像データに基づき、記録材を記録媒体上に付与することにより前記2次元バーコードを印刷するための記録材データを生成する情報処理装置であって、
前記記録材を付与する領域が対応する1つのカラーパッチの領域を覆うように、前記記録材を付与する領域の大きさを補正する領域補正手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カラー2次元バーコードを印刷する際の印刷ずれを容易に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る実施例における印刷システムの概略構成を示す図である。
【図2】ホストPCと印刷装置との詳細構成を示す図である。
【図3】カラーコードにおいて、補正処理が未適用の場合と適用した場合との比較を示す図である。
【図4】記録ヘッドの位置と記録媒体の搬送速度との関係から、CMYKの各色別に設定した補正量を説明する図である。
【図5】RGBからCMYKに変換しながら、補正処理を行う様子を模式的に示す図である。
【図6】本実施例における補正処理を含む印刷処理の全体の手順を示すフローチャートである。
【図7】補正処理の他の結果の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明に係る実施例における印刷システムの概略構成を示す図である。この印刷システムは、印刷データを生成する情報処理装置であるホストPC101と、ホストPC101からの指示に従って印刷データを印刷処理する印刷装置103と、ホストPC101と印刷装置103とを接続するケーブル102を含む。印刷装置103は、印刷媒体(記録媒体)104を印刷する。また、本実施例において、印刷装置103は、インクジェット方式によるカラーデジタル印刷装置としているが、特に、インクジェット方式に限定されることなく、ドットで画像を印刷することができるカラーデジタル印刷装置であれば良い。
【0017】
図2は、ホストPC101と印刷装置103との詳細構成を示す図である。ホストPC101は、印刷データや、後述する補正処理を実行させるためのプリンタドライバ、アプリケーション等を格納するROM205と、ホストPC101全体を制御するCPU(中央演算処理装置)201と、CPU201による処理中に一時的なデータを高速に読み書きする記憶領域であるRAM202と、印刷装置103との通信で必要となるUSB、LPTなどの通信インタフェース204と、大容量記憶領域HDD203と、情報をユーザに表示するディスプレイ206と、マウス、キーボードなどの入力装置207とを有する。CPU201は、ROM205に格納されていうプリンタドライバを用いて後述する補正処理を実行する。ここで、印刷データや、プリンタドライバ、アプリケーション等は、HDD203に格納されるようにしても良い。
【0018】
印刷装置103は、ホストPC101から送信された印刷データやファームウェア等を格納するROM212と、印刷装置103全体を制御するCPU(中央演算処理装置)208と、CPU208による処理中に一時的なデータを高速に読み書きする記憶領域であるRAM209と、ホストPC101との通信で必要となるUSB、LPT等の通信インタフェース211と、大容量記憶領域HDD210と、情報をユーザに表示するディスプレイ213と、印刷データに従い、記録媒体に描画を行う記録ヘッド214を有する。
【0019】
図3は、例えばホストPC101のROM205に格納されたプログラムにより実行された、レイアウトデータ内のカラーコードに対して後述する補正処理が未適用の場合と適用した場合とのイメージの比較を示す図である。なお、本実施例において、ROM205に格納されたプログラムとしては、例えば、プリンタドライバやアプリケーションであっても良い。
【0020】
図3に示すレイアウトデータ301は、カラーコード302を含んでいる。カラーコード302は、セル単位(図3の303:カラーパッチともいう)で各カラーに対応させて、これのセルを2次元に配列することでコードデータとして表示し、読み取りコードデータとして認識させるものである。1次元、2次元コードがBk(黒)のみの単色で表現されていたのに対し、色の三原色(ディスプレイではR、G、Bであり、印刷ではC、M、Y、Bk)を利用している。カラーコード302は、ユーザが任意のアプリケーションによりユニークなデータとして作成することができる。
【0021】
セル303は、レイアウトデータ301のカラーコード302の一部領域を抜粋したものであり、例えば、点線セル領域内はマゼンタインクとイエローインクとの混色でレッドに塗りつぶされ、点線セル領域外、即ち、カラーコード内のセル間の領域はブラックインクで塗りつぶされることを意図したデータを示す。
【0022】
領域304は、本実施例における補正処理が未適用である場合に、セル303を印刷した結果を示す。領域306で示されるイエローが領域304の点線セル領域からずれて印刷されている。従って、本来、レッドで塗りつぶされなければならない領域304の点線セル領域は、領域304で示されるマゼンタと領域305で示されるレッドとが混在した色ズレ状態となることが分かる。
【0023】
領域307は、本実施例における補正処理が適用された場合に、セル303を印刷した結果を示す。領域309で示されるイエロー、また、領域307で示されるマゼンタが点線領域からずれて印刷される可能性を加味した補正量が設定され、本来の塗りつぶし領域であるセル303に対応する点線セル領域よりも一回り大きく打ち出されている。これにより、領域308で示すレッドがセル303に対応する点線セル領域を全て塗りつぶすことで、セル303に対応する点線セル領域において色ズレは発生しないことを示す。ここで、本実施例における補正処理により、領域309及び領域307は、隣り合うセル領域に重ならない大きさに設定される。なお、セル303に対応する点線セル領域外のマゼンタ(領域307)、イエロー(領域309)は、上述したようにブラックで塗りつぶされるため、隣り合うセル領域に重なることがなければ、特に問題にならない。
【0024】
図4は、用紙の搬送方向に交差する交差方向に並んだ複数個のインク吐出部からなる一列のインク吐出口列を備えた記録ヘッド214の位置と、記録媒体の一例である用紙の搬送速度との関係により、CMYK各色の記録位置にバラツキが発生した場合を想定し、CMYKの各色別に設定する補正量の一例を示す図である。CMYKの記録ヘッドは、図4に示すように、搬送方向に沿って配置されている。なお、CMYKの記録ヘッドが配置される順番は図4のものに限ったものでなく、他の順番で配置されてもよい。図4に示すように、レイアウトデータ301が記録媒体に印刷されている。その記録媒体は、矢印405で示す方向に搬送される。カラーコード302の各セル303の領域に対しては、図3において説明したような補正処理が適用される。
【0025】
記録ヘッド401、402、403、404はそれぞれ、K、C、M、Yの順に構成された各色インクを吐出する記録ヘッドである。距離406は、記録ヘッド401〜404において、隣り合う記録ヘッド間の距離を示すものであり、本実施例においては、それぞれ1インチであるとする。設定415は、矢印405に示す用紙搬送方向と、各記録ヘッド401〜404の位置関係とにおいて、用紙搬送速度のムラにより生じる記録位置のバラツキ量の一例に基づいて設定する内容を示している。
【0026】
結果407、408、409、410は、本実施例における補正処理が未適用の場合に、各セル303の領域をC、M、Y、Kの各色で塗りつぶした場合の印刷結果のイメージを示す。一方、結果411、412、413、414は、結果407〜410に対して、各セル303の領域をC、M、Y、Kの各色で塗りつぶした場合に、設定415に基づいて補正処理を実施した場合の結果のイメージを示す。記録媒体の搬送速度に2.0[inch/sec]±0.5%とすると、記録ヘッド401(K)と403(M)との間は2インチであるので、記録位置のばらつきは±0.010インチ(0.254mm)となる。これは、記録ドット密度が600dpiの場合には、±6ドット分のばらつきとなる。従って、マゼンタ(M)を用いて記録する場合には、セル303の矩形領域を縦横6ドットずつ拡大した矩形領域に記録する。
【0027】
同様に、記録ヘッド401と402との間は1インチであるので、記録位置のばらつきは±0.005インチ(0.127mm)となる。これは、記録ドット密度が600dpiの場合には、±3ドット分のばらつきとなる。従って、シアン(C)を用いて記録する場合には、セル303の矩形領域を縦横3ドットずつ拡大した矩形領域に記録する。同様に、記録ヘッド401と404との間は3インチであるので、記録位置のばらつきは±0.015インチ(0.381mm)となる。これは、記録ドット密度が600dpiの場合には、±9ドット分のばらつきとなる。従って、イエロー(Y)を用いて記録する場合には、セル303の矩形領域を縦横9ドットずつ拡大した矩形領域に記録する。それらの結果、結果411〜414のように、搬送方向上流の記録ヘッドから順番にK→C→M→Yと段階的に補正量を任意に増やすことになる。
【0028】
図5は、補正領域が存在する入力画像データがRGB(256値)の場合に、補正セル領域を含む1ラスタに対して、X方向の補正処理を行いながら、CMYK(2値)に変換する処理を模式的に示す図である。データ501は、RGのセル領域を含む画像データの1ラスタ(X方向)を示し、R、G、Bの各セル領域が補正対象領域となっている。データ502は、データ501に含まれるR、G、Bの各補正対象領域に対して、任意の補正量に従い、X方向に拡張したイメージを示す。データ503は、データ501をCMYKの各色に分離変換したデータを示す。データ504は、データ502をCMYKの各色に分離変換したデータを示す。
【0029】
データ505は、データ503から取得したラスタデータK1と、データ504から取得したラスタデータC2、M2、Y2とを組み合わせる(重ね合わせる)ことで、図3において説明した補正処理が施されたCMYK(2値)のラスタが完成する、これを記録ヘッド214により用紙に記録すると、セル領域の印刷を保証することが可能となる。
【0030】
なお、図5では、1ラスタのX方向に関して具体例を述べたが、Y方向に関しても同様の手順を踏むことができる。また、2次元であれば、形状は矩形によらずユニークな図形に対しても適用可能であり、処理方法もラスタ単位の処理ではなく、セルを含むブロック単位での処理など適宜応用が可能である。
【0031】
図6は、ホストPC101のROM205に格納されたプログラムにより、指定されたレイアウトデータ内に存在するカラーコードの指定セル領域に対して実行される補正処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えば、ホストPC101のCPU201によりプリンタドライバを実行することにより実現される。
【0032】
印刷処理が開始されると、ホストPC101のディスプレイ206と入力装置207を用い、ユーザがROM205に格納されたプログラムで任意に作成、または選択したレイアウトデータの印刷指示を受けて印刷処理が開始される。S601において、ディスプレイ206等を介して指定されたレイアウトデータが解析される。本実施例では、レイアウトデータには、入力画像、画像がカラーコードか否かを示す属性情報、カラーコード位置情報、カラーコードの内のセルの位置情報、また、各色の補正拡大量を示す設定情報が含まれている。S602において、S601での解析結果から、レイアウトデータ内のカラーコードの位置情報を取得し、RAM202やHDD203等の記憶領域に保存する。S603において、S601での解析結果から、カラーコード内のセルの領域情報を取得する。S604において、S601での解析結果から、カラーコード内のセルに対する各色の補正拡大量の設定情報を取得する。
【0033】
本実施例においては、入力画像をバンド単位で処理することを前提としている。従って、S605において、最終バンドまでの処理対象バンドを示すカウント値Nを記憶領域内に確保し、そのカウント値Nをゼロで初期化する。S606において、処理対象バンドが最終バンドに到達するまで、カウント値Nに対して1ずつインクリメントする。
【0034】
S608において、カウント値Nが示す処理対象バンドに、補正対象となるセル領域(即ち、カラーパッチ)が存在するか否かが判定される。この判定は、画像がカラーコードか否かを示す属性情報により行われる。S603において取得した情報を参照することにより判定が行われる。ここで、補正領域が存在すると判定された場合には、S608に進み、それ以降で補正処理が実行される。一方、補正領域が存在しないと判定された場合には、S610に進み、補正処理は行われずに、バンドデータのコマンド化が実行される。
【0035】
S608において、セル領域のRGB(256値)に対する補正拡大量を設定する。補正拡大量の設定においては、S604で取得した各色の補正拡大量の設定情報が用いられる。S609において、S608の補正拡大量の設定情報に従って、補正対象セル領域に対して補正処理を実施する。処理方法に関しては、図5に示すような処理対象バンド内の各ラスタに対して逐次、補正処理を行う。なお、補正方法の処理単位に関しては、ラスタ単位、ブロック単位等、プログラムによって任意に決定されても良い。
【0036】
S610において、カウント値Nで示される処理対象バンドの画像データをコマンド化する。ここで、コマンドは、印刷装置103のCPU208が解釈可能であれば、特に限定されるものではない。S611において、S610で生成されたコマンドを印刷装置103に対して送信する。
【0037】
S612において、処理対象バンドを示すカウント値Nが最終バンドを示しているか否かが判定される。ここで、最終バンドを示していないと判定された場合には、S606に戻り、次のバンドを処理対象バンドとする。一方、最終バンドを示していると判定された場合には、本印刷処理を終了する。本印刷処理を終了すると、S602〜S604の処理で記憶領域に一時的に保存した情報をクリアするなどの処理を行い、印刷装置103に対して印刷終了のコマンドを送信する。
【0038】
本実施例において、処理対象バンドデータのコマンド化には、色処理、ピクセルデータの格納方法、線順次から面順次へ変換処理、データフォーマットをRGB(256値) からCMYK(2値)への変換する二値化処理などが含まれる。以上のようなバンド処理においてのデータフォーマットや処理手順は、特に限定されるものではない。
【0039】
図7は、本実施例において説明した補正処理の結果の他の例を示す図である。以上説明したように、本実施例においては、RGBデータをCMYKデータに変換する処理の際に、図5に示すようにCMYKの印刷領域を拡大する補正処理を行い、図3で示すような効果を得ることができる。
そのような拡大処理の際には、図3で示すような例に限られない。例えば、図7に示すように、CMYKが印刷される領域を、RGBのセル領域(カラーパッチ)を覆うのであれば、どのような形で拡大されても良い。図3は、セル領域が矩形で、CMYKの印刷領域が矩形である場合を示している。一方、図7は、セル領域が矩形でない場合を示している。その場合に、図7の(a)〜(d)に示すように、セル領域の形と相似形になるように、CMYKの印刷領域を拡大しても良いし、または、セル領域の形と相似形にならなくとも、対象となるセル領域を覆うように拡大しても良い。相似形となるように拡大する場合には、補正された領域の外郭とセル領域との外郭との間隔が図4で説明した例えば3ドットとなるように拡大しても良い。また、非相似形に拡大する場合には、例えば、セル領域の外接矩形を求め、その外接矩形の外郭と補正された領域の外郭との間隔が図4で説明した例えば3ドットとなるように拡大しても良い。また、本実施例においては、記録媒体に対して、CMYKの記録ヘッドにより印刷する構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。つまり、CMKの記録ヘッド、MYKの記録ヘッド、CYKの記録ヘッドにより印刷するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
101 ホストPC
102 ケーブル
103 印刷装置
104 記録媒体
201、208 CPU
202、209 RAM
203、210 HDD
204、211 I/F
205、212 ROM
206、213 ディスプレイ
207 入力装置
214 記録ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラーパッチで構成された2次元バーコードを表す画像データに基づき、記録材を記録媒体上に付与することにより前記2次元バーコードを印刷するための記録材データを生成する情報処理装置であって、
前記記録材を付与する領域が対応する1つのカラーパッチの領域を覆うように、前記記録材を付与する領域の大きさを補正する領域補正手段
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記記録材を付与する領域を、前記対応する1つのカラーパッチの領域と相似形となるように拡大することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記記録材を付与する領域を、前記対応する1つのカラーパッチの領域の外形と異なるようにして拡大することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記記録材を付与する領域を、カラーパッチの領域を1つ含むようにして拡大することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記録材は、シアンとマゼンタとイエローとのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記録材データは、前記2次元バーコード内の前記複数のカラーパッチ間をブラックで印刷するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数のカラーパッチで構成された2次元バーコードを表す画像データに基づき、記録材を記録媒体上に付与することにより前記2次元バーコードを印刷するための記録材データを生成する情報処理装置において実行されるデータ処理方法であって、
前記情報処理装置の領域補正手段が、前記記録材を付与する領域が対応する1つのカラーパッチの領域を覆うように、前記記録材を付与する領域の大きさを補正する領域補正工程
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ処理方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118846(P2012−118846A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269137(P2010−269137)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)