説明

情報処理装置、プリントサーバー、印刷制御システム、印刷制御方法およびプログラム

【課題】プリントサーバーにおいて印刷ルールを適用して印刷出力を行う構成において、印刷ジョブの送信指示を行うユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうことを防止する。
【解決手段】プリントサーバー3に印刷ジョブを送信する情報処理装置2は、印刷ジョブを生成することに伴い、プリントサーバー3において印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示し(プロセスP15)、その印刷ルール適用結果を表示している状態で、印刷ジョブに関する処理の続行可否に関する指示入力を受け付ける(プロセスP16)。印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合、情報処理装置2は、その印刷ジョブの処理を終了させる。これに対し、印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合、情報処理装置2は、その印刷ジョブの処理を続行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プリントサーバー、印刷制御システム、印刷制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドキュメントなどの印刷出力を行う際、その印刷ジョブに含まれる情報に基づいて予め登録された印刷ルールを適用し、その印刷ルールを適用した結果に基づいて印刷出力を行う技術が提案されている。例えば特許文献1には、印刷装置に対し、印刷用途ごとに印刷設定を定義した印刷ルールを予め登録しておく技術が開示されている。この従来技術では、印刷装置が印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに含まれるテンプレート情報に基づいて印刷用途を特定する。そして、その特定した印刷用途に対応する印刷ルールを適用して両面印刷や割付印刷などの印刷設定を行って印刷出力する構成である。
【0003】
従来において印刷出力時に適用される印刷ルールは、印刷コストの削減を目的としたものである。すなわち、上記特許文献1においても、印刷装置に予め登録される印刷ルールは、印刷用途に応じて、複数のページを1枚の用紙に割り付けたり、或いは両面印刷を行ったりする設定を自動で行うためのルールとなっており、印刷出力の枚数を節約することを目的としたものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−338237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、近年のオフィス環境などでは、ネットワークにプリントサーバーを設置し、そのプリントサーバーがネットワークに接続されている複数の画像形成装置のそれぞれに印刷ジョブを振り分けて出力するシステムが構築されている。このようなシステムでは、ネットワーク内で発生する印刷ジョブは一旦プリントサーバーに送信される。そしてプリントサーバーは、ネットワークを介して受信する印刷ジョブを、印刷ジョブの送信ユーザによって予め指定された画像形成装置に出力するのが一般的である。
【0006】
ところが、今後は上記のようなシステムにおいて、プリントサーバーに印刷ルールを予め登録しておくことも考えられる。この場合、プリントサーバーに登録される印刷ルールは、従来よりも多様化し、例えば複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力先となる画像形成装置を決定するためのルールや、印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物の取得可能なユーザを決定するためのルールなどを登録しておくことも考えられる。その場合、プリントサーバーは、ネットワークを介して受信する印刷ジョブに印刷ルールを適用することにより、その印刷ルールに基づいてその印刷ジョブの出力先となる画像形成装置を自動で決定したり、或いは、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザを自動で決定したりすることができるようになる。したがって、プリントサーバーは、印刷ジョブ受信後の処理を印刷ルールに基づいて自動で決定して進めていくことができるようになる。
【0007】
しかしながら、上記のように、プリントサーバーにおいて印刷ルールを適用し、その後の印刷ジョブに対する処理を自動で決定して進める場合、印刷ジョブの送信指示を行うユーザにとっては、その後の印刷ジョブの処理がどのように進められるのかを把握することができなくなるという問題がある。それ故、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが意図していない画像形成装置で印刷物が出力されてしまったり、或いは、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが意図していないユーザによってその印刷物が取得されてしまったりするケースが発生する。特に印刷物に秘密情報が含まれている場合にそのようなケースが発生すると、セキュリティ上の重大な問題を引き起こす。
【0008】
そこで本発明は、プリントサーバーにおいて印刷ルールを適用して印刷出力を行う構成において、印刷ジョブの送信指示を行うユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうことを防止できるようにした情報処理装置、プリントサーバー、印刷制御システム、印刷制御方法およびプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に該印刷ジョブを出力するプリントサーバーとネットワークを介して接続されており、前記プリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、前記プリントサーバーに送信するための印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、前記印刷ジョブ生成手段において印刷ジョブが生成されることに伴い、前記プリントサーバーにおいて印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示する表示手段と、前記表示手段に前記印刷ルール適用結果が表示されている状態で、印刷ジョブに関する処理の続行可否に関する指示入力を受け付ける操作入力手段と、前記操作入力手段に対し、印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を終了させ、印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させる印刷ジョブ制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記プリントサーバーから印刷ジョブに適用される印刷ルールを取得する印刷ルール取得手段と、前記印刷ジョブ生成手段において印刷ジョブが生成されることに伴い、当該印刷ジョブに、前記印刷ルール取得手段によって取得された印刷ルールを適用して前記印刷ルール適用結果を導出する印刷ルール適用結果予測手段と、をさらに備え、前記表示手段は、前記印刷ルール適用結果予測手段によって導出される前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記印刷ジョブ生成手段は、印刷ルールを適用するための情報を含む属性データと、画像形成装置が画像形成を行う際に使用する描画データとを含む印刷ジョブを生成し、前記印刷ルール適用結果予測手段は、前記印刷ジョブ生成手段において前記属性データが生成されたタイミングで、印刷ルールを適用することによって前記印刷ルール適用結果を導出することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記印刷ジョブ生成手段によって生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーに送信する印刷ジョブ送信手段と、前記印刷ジョブ送信手段によって印刷ジョブが送信された後、前記プリントサーバーから前記印刷ルール適用結果を取得する印刷ルール適用結果取得手段と、をさらに備え、前記表示手段は、前記印刷ルール適用結果取得手段によって取得される前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記印刷ジョブ生成手段は、印刷ルールを適用するための情報を含む属性データと、画像形成装置が画像形成を行う際に使用する描画データとを含む印刷ジョブを生成し、前記印刷ジョブ送信手段は、前記印刷ジョブ生成手段において生成される前記属性データのみを前記プリントサーバーに送信することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置において、前記表示手段は、前記プリントサーバーにおいて適用される印刷ルールによって、印刷ジョブの生成を指示するユーザと、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザとが異なる場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置において、前記表示手段は、前記プリントサーバーにおいて適用される印刷ルールによって当該情報処理装置とは異なるネットワークアドレスの画像形成装置が当該印刷ジョブの出力先として決定される場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置において、前記表示手段は、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれる場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置において、ユーザによって予め設定される、前記印刷ルール適用結果を表示するか否かに関する設定情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記表示手段は、前記設定情報において前記印刷ルール適用結果を表示することが設定されている場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置において、前記表示手段に表示される前記印刷ルール適用結果において、当該印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能な複数のユーザが決定されている場合、前記操作入力手段は、それら複数のユーザの中から少なくとも一人のユーザを選択する操作を受け付け、前記印刷ジョブ制御手段は、前記操作入力手段によって受け付けられた少なくとも一人のユーザを指定して当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項11にかかる発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置において、前記表示手段に表示される前記印刷ルール適用結果において、当該印刷ジョブの出力先として複数の画像形成装置が決定されている場合、前記操作入力手段は、それら複数の画像形成装置の中から少なくとも一つの画像形成装置を選択する操作を受け付け、前記印刷ジョブ制御手段は、前記操作入力手段によって受け付けられた少なくとも一つの画像形成装置を指定して当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12にかかる発明は、情報処理装置から入力する印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に該印刷ジョブを出力するプリントサーバーであって、前記複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定するための印刷ルールを記憶する記憶手段と、前記情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブに、前記記憶手段に記憶された印刷ルールを適用し、前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する印刷ルール適用手段と、前記印刷ルール適用手段によって決定される印刷ルール適用結果に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定する処理続行判別手段と、前記処理続行判別手段によって印刷ジョブに関する処理を続行することが決定された場合に、前記印刷ルール適用手段によって決定される画像形成装置に対して当該印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力制御手段と、を備え、前記処理続行判別手段は、前記情報処理装置に前記印刷ルール適用結果を表示させ、前記情報処理装置から当該印刷ジョブの処理の続行を拒否する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を終了させ、当該印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13にかかる発明は、請求項12に記載のプリントサーバーにおいて、前記処理続行判別手段は、前記情報処理装置からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶されている印刷ルールを前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置からの指示に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項14にかかる発明は、請求項12に記載のプリントサーバーにおいて、前記処理続行判別手段は、前記印刷ルール適用手段から前記印刷ルール適用結果を取得して前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置からの指示に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項15にかかる発明は、請求項14に記載のプリントサーバーにおいて、前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブには、印刷ルールを適用するための情報を含む属性データと、画像形成装置が画像形成を行う際に使用する描画データとが含まれており、前記印刷ルール適用手段は、前記印刷ジョブ受信手段が前記属性データを受信したタイミングで、当該属性データに基づいて前記記憶手段に記憶された印刷ルールを適用することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項16にかかる発明は、請求項12乃至15のいずれかに記載のプリントサーバーにおいて、前記記憶手段に記憶される印刷ルールには、さらに印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザが定義されていることを特徴とする構成である。
【0025】
請求項17にかかる発明は、情報処理装置がプリントサーバーに印刷ジョブを送信し、プリントサーバーが該印刷ジョブを複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に対して出力する印刷制御システムであって、前記プリントサーバーは、印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザと、前記複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置との少なくとも一方を決定するための印刷ルールを記憶する記憶手段と、前記情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブに、前記記憶手段に記憶された印刷ルールを適用し、前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する印刷ルール適用手段と、前記印刷ルール適用手段によって決定される画像形成装置に対して当該印刷ジョブの出力処理を行う印刷ジョブ出力制御手段と、を備え、前記情報処理装置は、前記プリントサーバーにおいて前記印刷ジョブ出力制御手段による出力処理が行われる前に、前記印刷ルール適用手段において印刷ジョブに印刷ルールが適用された結果を表示する表示手段と、前記表示手段に印刷ルールの適用結果が表示された状態で、当該印刷ジョブの処理の続行可否に関する指示入力を受け付ける操作入力手段と、を備えており、前記操作入力手段に対し、当該印刷ジョブの処理の続行を拒否する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を終了させ、当該印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする構成である。
【0026】
請求項18にかかる発明は、情報処理装置がプリントサーバーに印刷ジョブを送信し、プリントサーバーが該印刷ジョブを複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に出力する印刷制御方法であって、(a) 前記情報処理装置において印刷ジョブを生成するステップと、(b) 前記情報処理装置が前記プリントサーバーに印刷ジョブを送信するステップと、(c) 前記プリントサーバーにおいて前記情報処理装置から受信する印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定するステップと、(d) 印刷ルールを適用することによって決定される画像形成装置に対し、前記プリントサーバーが当該印刷ジョブの出力を行うステップと、を有し、前記ステップ(d)が行われる前に、前記情報処理装置において印刷ジョブに印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示し、該印刷ルール適用結果をユーザに確認させるステップをさらに有することを特徴とする構成である。
【0027】
請求項19にかかる発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に該印刷ジョブを出力するプリントサーバーとネットワークを介して接続されており、前記プリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記プリントサーバーに送信するための印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、前記印刷ジョブ生成手段において印刷ジョブが生成されることに伴い、前記プリントサーバーにおいて印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示する表示制御手段、および、前記表示制御手段によって前記印刷ルール適用結果が表示されている状態で、印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を終了させ、印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を続行させる印刷ジョブ制御手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0028】
請求項20にかかる発明は、情報処理装置から入力する印刷ジョブを複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に出力するプリントサーバーにおいて実行されるプログラムであって、前記プリントサーバーを、前記複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定するための印刷ルールを登録する登録手段、前記情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段、前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブに、前記登録手段によって登録された印刷ルールを適用し、前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する印刷ルール適用手段、前記印刷ルール適用手段によって決定される印刷ルール適用結果に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定する処理続行判別手段、および、前記処理続行判別手段によって印刷ジョブに関する処理を続行することが決定された場合に、前記印刷ルール適用手段によって決定される画像形成装置に対して当該印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力制御手段、として機能させ、前記処理続行判別手段は、前記情報処理装置に前記印刷ルール適用結果を表示させ、前記情報処理装置から当該印刷ジョブの処理の続行を拒否する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を終了させ、当該印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、プリントサーバーにおいて印刷ルール適用結果に基づく処理が行われる前に、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが事前にその印刷ルール適用結果を確認することができるようになる。そしてユーザは、その印刷ルール適用結果に基づく処理を続行させるか否かを指示することができるようになっている。そのため、プリントサーバーが印刷ルール適用結果に基づいて印刷出力のための処理を自動で進めていくとき、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうことを防止することが可能になる。そしてセキュリティの低下を抑制することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】印刷制御システムの一構成例を示す図である。
【図2】プリントサーバーに予め記憶されるルール情報の一例を示す図である。
【図3】プリントサーバーにおいて印刷ルールを適用して印刷出力の処理を自動で進めていく場合の処理概念を示す図である。
【図4】情報処理装置からプリントサーバーに送信される印刷ジョブの概念を示す図である。
【図5】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態の情報処理装置において実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】プリントサーバーのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態のプリントサーバーにおいて実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態において印刷ジョブの送信指示を行うユーザが印刷ルール適用結果を確認するプロセスを示す図である。
【図10】情報処理装置の表示部に表示される印刷ルール適用結果画面の一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態において情報処理装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】第1の実施形態においてプリントサーバーで行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態の情報処理装置において実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図14】第2の実施形態のプリントサーバーにおいて実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図15】第2の実施形態において印刷ジョブの送信指示を行うユーザが印刷ルール適用結果を確認するプロセスを示す図である。
【図16】第2の実施形態において情報処理装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施形態においてプリントサーバーで行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0032】
(印刷制御システムの概要)
図1は、本実施形態における印刷制御システム1の一構成例を示す図である。この印刷制御システム1は、複数の情報処理装置2と、プリントサーバー3と、複数の画像形成装置4とがLAN(Local Area Network)などのネットワーク5に接続された構成である。例えば企業などでは、図1に示すように、これら各装置がそれぞれ異なる事業所、フロアー又は居室などに設置されることもある。図1に示す例では、オフィスAに情報処理装置2aと画像形成装置4aとが設置されており、オフィスBに情報処理装置2bと画像形成装置4bとが設置されている。さらにオフィスCには、情報処理装置2c,2dと、画像形成装置4c,4dが設置されている。プリントサーバー3は、それらのオフィスA,B,Cのいずれかに設置されていても良いし、さらに別のオフィスに設置されていても良い。
【0033】
また各オフィスA,B,Cには、ネットワーク5の一部を構成するネットワーク5a,5b,5cが敷設されている。そして、これらのネットワーク5a,5b,5cのそれぞれには、異なるネットワークアドレスが設定されている。尚、ネットワーク5は、この他にも、インターネットなどの外部ネットワークを含むネットワークとして構成されるものであっても構わない。
【0034】
複数の情報処理装置2のそれぞれは、例えば一般的なパーソナルコンピュータによって構成される。各情報処理装置2は、オフィスA,B,Cにおいてユーザに対して個別に割り当てられており、ユーザからの指示に基づいて印刷ジョブを生成する。そして各情報処理装置2は、ユーザによる指示に基づいて印刷ジョブを生成すると、その印刷ジョブを、ネットワーク5を介してプリントサーバー3に送信する。
【0035】
プリントサーバー3は、情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを蓄積すると共に、その印刷ジョブの出力先をネットワーク5に接続されている複数の画像形成装置4の中から選択して特定する。このプリントサーバー3は、ハードディスク装置などで構成される記憶装置33を備えており、その記憶装置33に予めルール情報35が記憶されている。ルール情報35は、少なくとも1つの印刷ルールを登録しておくための情報である。プリントサーバー3は、印刷ジョブを受信すると、ルール情報35を読み出し、その受信した印刷ジョブに印刷ルールを適用する。そしてプリントサーバー3は、その印刷ルール適用結果に基づいてその印刷ジョブの処理内容を決定するように構成される。
【0036】
画像形成装置4は、プリントサーバー3から印刷ジョブを取得し、その印刷ジョブを実行することによって印刷出力を行う装置である。すなわち、画像形成装置4は、印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに基づいて印刷用紙などに画像形成を行うことによって印刷出力を行うように構成される。このような画像形成装置4は、印刷出力を行うプリント機能のみを備えた装置であっても良いし、プリント機能の他にスキャン機能やFAX機能などを備えた複合機として構成される装置であっても良い。
【0037】
図2は、プリントサーバー3に予め記憶されるルール情報35の一例を示す図である。図2に示すルール情報35には、9つの印刷ルールが登録されている。これらの印刷ルールは、例えばプリントサーバー3の管理者によって予めルール情報35に登録される。
【0038】
図2に示すように、ルール情報35に登録される印刷ルールのそれぞれには、その印刷ルールを適用する条件が定義されたルールと、その印刷ルールを適用することによって特定される印刷ジョブの処理内容が定義されたルール適用結果とが登録される。尚、図2では、各印刷ルールにおいて条件や処理内容が定義されていない項目には「−」が記録されている。
【0039】
本実施形態においてルール情報35に登録される印刷ルールには、ルール適用結果において、印刷ジョブの出力先となる画像形成装置4が定義される項目と、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザが定義される項目とが含まれており、従来には無い処理内容を定義しておくことが可能である。そのため、プリントサーバー3は、そのような印刷ルールを適用することにより、受信した印刷ジョブに対するその後の処理内容として、印刷ジョブの出力先となる画像形成装置4や、その印刷物を取得可能なユーザを自動で特定することができるようになっている。
【0040】
例えば、「No.2」の印刷ルールには、その印刷ルールを適用する条件として、ファイル名が「伝票*」であること、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザが「ユーザA」であること、および、印刷ジョブの送信元アドレスが、「192.168.10.*」であること、の3つの条件が定義されている。したがって、プリントサーバー3は、これら3つの条件に合致する印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに対して「No.2」の印刷ルールを適用する。
【0041】
その「No.2」の印刷ルールには、その印刷ルールを適用することによって特定される印刷ジョブの処理内容として、その印刷ジョブの出力先となる画像形成装置4のアドレスが「192.168.12.11」であること、その印刷ジョブを出力することができるユーザが「ユーザC」であること、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザまたはその印刷ジョブを出力可能なユーザに対する出力通知が「要」であること、および、印刷出力時の出力態様が「認証出力」であること、の4つの処理内容が定義されている。したがって、プリントサーバー3は、受信した印刷ジョブに対して「No.2」の印刷ルールを適用すると、上記のような処理内容を決定する。
【0042】
図3は、プリントサーバー3において「No.2」の印刷ルールが適用される場合の処理概念を示す図である。また図4は、情報処理装置2からプリントサーバー3に送信される印刷ジョブJB1の概念を示す図である。ユーザAが情報処理装置2aを操作することによってファイル名「伝票*」のドキュメントを編集し、印刷ジョブの送信指示を行うと、図3に示すように、情報処理装置2aは、プリントサーバー3に対して印刷ジョブJB1を送信する。
【0043】
この印刷ジョブJB1には、図4に示すように、PJL(Print Job Language)で記述された属性データD1と、PDL(Print Description Language)などで記述された描画データD2とが含まれる。属性データD1は、印刷ルールを適用する条件を判別するための各種情報を含むデータであり、例えば印刷ジョブの送信指示を行ったユーザのユーザ名や、そのユーザが所属する部署名、印刷対象となるデータのファイル名、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれている場合にオンとなる秘密情報フラグなどの情報を含んでいる。また描画データD2は、画像形成装置4が画像形成を行うために用いられるデータであり、例えば印刷対象となるデータに対してRIP(Raster Image Processing)処理が施された後の描画用ビットマップ画像データである。ただし、プリントサーバー3や画像形成装置4においてRIP処理が行われる場合、この描画データD2には、印刷対象となるデータがそのままの状態で含まれていても構わない。
【0044】
図3に示すように、プリントサーバー3は、情報処理装置2aから印刷ジョブJB1を受信すると、その印刷ジョブJB1の属性データD1に基づいて印刷ルールを適用する。
例えばプリントサーバー3に図2に示したルール情報35が記憶されている場合、プリントサーバー3は、属性データD1に含まれる各情報を、ルール情報35に登録されている各印刷ルールのルールにマッチングさせていく。そして各印刷ルールに定義されている条件と一致するものを全て抽出する。この例の場合、プリントサーバー3は、「No.2」、「No.3」および「No.4」の3つの印刷ルールを抽出する。
【0045】
このように複数の印刷ルールが抽出された場合、プリントサーバー3は、印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールを1つに絞り込む。このとき、プリントサーバー3は、複数の印刷ルールのうち、各印刷ルールに定義されている条件と一致する数の最も多いものを1つ選択しても良いし、また印刷ルールに定義されている各条件に重み付けが行われている場合はその重み付けに基づいて演算を行うことにより、1つの印刷ルールを選択しても良い。例えば印刷ルールに定義されている条件と一致する数の最も多いものを選択する場合、プリントサーバー3は、「No.2」、「No.3」および「No.4」の3つの印刷ルールのうちから、印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールを、「No.2」の印刷ルールに絞り込む。
【0046】
このようにプリントサーバー3は、情報処理装置2から印刷ジョブJB1を受信すると、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールの中から、その印刷ジョブJB1に適用する1つの印刷ルールを特定する。尚、受信する印刷ジョブJB1によっては、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールのうちのいずれの条件にも一致しないこともある。そのような場合には、プリントサーバー3において印刷ジョブに対するその後の処理を印刷ルールに基づいて自動で決定することができないため、例えば印刷ジョブの送信指示を行ったユーザが予め指定しておいた処理内容に基づいてその後の処理が進められる。
【0047】
プリントサーバー3は、上記のようにして印刷ジョブJB1に適用する1つの印刷ルールを特定すると、その印刷ルールを印刷ジョブJB1に適用し、印刷ルール適用結果を導出する。すなわち、プリントサーバー3は、印刷ルールに定義されているルール適用結果を抽出することにより、印刷ジョブJB1に対するその後の処理内容を決定し、その決定結果を印刷ルール適用結果として導出する。上記のように「No.2」の印刷ルールを適用する場合、プリントサーバー3は、情報処理装置2aから受信した印刷ジョブJB1の出力先として、出力先アドレス「192.168.12.11」に対応する画像形成装置4cを決定し、その印刷ジョブJB1を実行して印刷物を取得可能なユーザとして「ユーザC」を決定する。つまり、この場合、ユーザAがオフィスAから送信した印刷ジョブJB1は、オフィスAとは異なるオフィスCに設置された画像形成装置4cでのみ印刷出力が可能となり、さらにユーザAとは異なるユーザCだけがその印刷物を取得可能であることが決定される。
【0048】
また「No.2」の印刷ルールでは出力通知が「要」となっているため、プリントサーバー3は、ユーザCに対して印刷ジョブJB1が出力可能であることを通知することを決定する。尚、出力通知が「不要」となっている場合は、そのような通知は行わない。
【0049】
さらに「No.2」の印刷ルールでは出力態様が「認証出力」となっているため、プリントサーバー3は、ユーザCが画像形成装置4cに対して認証操作を行い、画像形成装置4cにログインした状態でその印刷ジョブJB1を画像形成装置4cに出力することを決定する。尚、出力態様が「自動出力」となっている場合は、出力可能ユーザが出力先の画像形成装置4にログインしているか否かにかかわらず、その印刷ジョブを自動出力する。
【0050】
図3に示すように、プリントサーバー3は、情報処理装置2aから印刷ジョブJB1を受信することに伴い、上記のようにして印刷ジョブJB1に対する処理内容を決定すると、その決定に基づいてその後の処理を進めていく。すなわち、プリントサーバー3は、まずユーザCに対して電子メールEM1を送信することにより、ユーザCの出力可能な印刷ジョブJB1が蓄積されたことを通知する。このとき、印刷ジョブJB1を出力可能な画像形成装置4cについてもユーザCに通知する。これにより、ユーザCは、自身で印刷出力を行うべき印刷ジョブJB1がプリントサーバー3に蓄積されたことを把握することができる。
【0051】
その後、ユーザCが画像形成装置4cの設置場所まで移動して認証操作を行い、画像形成装置4cにログインする。そしてユーザCは、画像形成装置4cの操作パネルに対する操作を行うことによってプリントサーバー3に実行可能な印刷ジョブを問い合わせると、プリントサーバー3からユーザCが実行可能な印刷ジョブの一覧データが送信され、画像形成装置4cの操作パネルに表示される。ユーザCがその一覧データの中から印刷ジョブJB1を選択すると、プリントサーバー3は、情報処理装置2aから受信した印刷ジョブJB1を画像形成装置4cに送信する。その結果、画像形成装置4cは、プリントサーバー3から送信される印刷ジョブJB1を実行し、印刷出力を行う。そして画像形成装置4cから出力される印刷物はユーザCによって取得される。
【0052】
このように本実施形態の印刷制御システム1は、プリントサーバー3に予め印刷ルールが登録されており、プリントサーバー3が印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに印刷ルールを適用することにより、その印刷ジョブに対するその後の処理内容を決定するように構成されている。そしてプリントサーバー3に予め登録される印刷ルールは、従来の印刷ルールとは異なり、上述したように、印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザを自動で決定したり、複数の画像形成装置4のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置4を自動で決定したりするためのルールとなっている。ただし、本実施形態においても、従来と同様に、印刷出力時に適用する印刷設定などの情報をルール適用結果に含めた印刷ルールとしても良い。
【0053】
したがって、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが仮に出力対象となる画像形成装置4を指定していたとしても、プリントサーバー3において印刷ルールが適用されると、そのような出力対象の指定は無視され、プリントサーバー3は、その印刷ルールに定義された処理内容に基づいて印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する。そして本実施形態の印刷制御システム1は、上記構成において、印刷ジョブの送信指示を行うユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうことによるセキュリティの低下を防止するため、プリントサーバー3が印刷ルールに基づいて決定する出力先となる画像形成装置4に印刷ジョブが出力される前に、その印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに対して印刷ルールの適用結果を確認させ、そのユーザからの指示に基づいて印刷ジョブに対する処理を続行するか否かを決定するように構成される。
【0054】
この場合、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに対して印刷ルールの適用結果を確認させるための具体的な実施形態としては、次の2つの実施形態がある。
【0055】
第1の実施形態は、情報処理装置2が印刷ジョブを送信する前に、プリントサーバー3からルール情報35を取得して印刷ルール適用結果を導出し、その印刷ルール適用結果をユーザに確認させる形態である。第2の実施形態は、プリントサーバー3が受信した印刷ジョブに対して印刷ルールを適用して印刷ルール適用結果を導出した後、その印刷ルール適用結果に基づく処理を進める前に、その印刷ルール適用結果を印刷ジョブの送信元である情報処理装置2に送信して表示させることにより、ユーザに確認させる形態である。これら第1および第2の実施形態では、情報処理装置2とプリントサーバー3との機能構成が互いに若干異なるものとなる。そのため、以下においては、第1の実施形態および第2の実施形態のそれぞれについて詳しく説明する。
【0056】
(第1の実施形態)
まず第1の実施形態について説明する。図5は、情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、情報処理装置2は、CPU10と、メモリ11と、ネットワークインタフェース12と、表示部13と、操作入力部14と、記憶装置15とを備え、これらがデータバス16を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0057】
CPU10は、記憶装置15に予め記憶されているプログラム17を読み出して実行することにより、後述する各処理部として機能するものである。メモリ11は、CPU10がプログラム17に基づく処理を実行する際に一時的なデータなどを記憶するためのものである。ネットワークインタフェース12は、情報処理装置2をネットワーク5に接続するためのものである。表示部13は、情報処理装置2を操作するユーザに対して各種情報を表示するものであり、例えば液晶表示ディスプレイなどで構成される。操作入力部14は、ユーザからの指示操作の入力を受け付けるものであり、例えばキーボードやマウスなどで構成される。記憶装置15は、ハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶手段である。この記憶装置15には、例えばプリンタドライバなどとして機能するプログラム17が予め記憶されている。また記憶装置15には、情報処理装置2を使用するユーザのユーザ情報18が記憶されている。記憶装置15にはこの他にも種々のプログラムや情報が記憶されるがそれらについては図示を省略する。
【0058】
図6は、CPU10がプログラム17を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。例えば情報処理装置2においてドキュメントなどを編集作成するアプリケーションプログラムが実行されており、ユーザがその編集作業中に印刷ジョブの送信指示を行うと、CPU10がプログラム17を読み出して実行し、図6に示す各種処理部として機能する。すなわち、CPU10は、表示制御部20、データ送受信部21、データ取得部22、印刷ジョブ生成部23、印刷ルール適用結果確認処理部24、および、印刷ジョブ制御部25として機能する。また、本実施形態における印刷ルール適用結果確認処理部24は、印刷ルール取得部24aおよび印刷ルール適用結果予測処理部24bとして機能する。
【0059】
表示制御部20は、表示部13に表示する表示画面を制御するものである。この表示制御部20は、印刷ルール適用結果確認処理部24から出力される印刷ルール適用結果を表示部13に表示する。データ送受信部21は、ネットワークインタフェース12を介してプリントサーバー3との間でデータの送受信を行う処理部である。
【0060】
データ取得部22は、アプリケーションプログラムから印刷対象となるデータを取得する処理部である。印刷ジョブ生成部23は、データ取得部22によって印刷対象となるデータが取得されると、そのデータに基づいて印刷ジョブを生成する処理部である。この印刷ジョブ生成部23は、印刷ジョブを生成するとき、図4に示した属性データD1と描画データD2とを順次作成していく。属性データD1は、印刷ルールを適用する条件を判別するためのデータであるため、そのデータ量はあまり大きくない。これに対し、描画データD2は、ビットマップ画像などのデータであるため、そのデータ量は数十メガバイトを超えることもある。それ故、印刷ジョブ生成部23が印刷ジョブの生成を開始すると、まず属性データD1の作成が完了し、その後、描画データD2の作成が完了する。このようにして印刷ジョブが生成されると、印刷ジョブ生成部23は、その印刷ジョブを印刷ルール適用結果確認処理部24およびデータ送受信部21に出力する。データ送受信部21は、印刷ジョブ生成部23から印刷ジョブを入力すると、その印刷ジョブをメモリ11又は記憶装置15に対して一時的に格納保存し、印刷ジョブ制御部25からの指示を待機する状態となる。
【0061】
印刷ルール適用結果確認処理部24は、印刷ジョブ生成部23によって生成される印刷ジョブに対して印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果をユーザに確認させる処理部である。この印刷ルール適用結果確認処理部24では、まず印刷ルール取得部24aが機能する。印刷ルール取得部24aは、データ送受信部21を介してプリントサーバー3とデータ通信を行うことにより、プリントサーバー3からルール情報35を取得する処理部である。この印刷ルール取得部24aは、プリントサーバー3に対して印刷ルール送信要求を行い、それに対する応答としてプリントサーバー3からルール情報35を取得する。
【0062】
そして次に印刷ルール適用結果予測処理部24bが機能する。印刷ルール適用結果予測処理部24bは、印刷ルール取得部24aによって取得されたルール情報35に基づき、印刷ジョブに適用すべき印刷ルールを特定し、その印刷ルールを印刷ジョブに適用して印刷ルール適用結果を導出する。そして、その導出した印刷ルール適用結果を表示制御部20に出力することによって、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示させる。
【0063】
これにより、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザは、印刷ジョブに対して印刷ルールが適用された結果を確認することができるようになり、印刷ジョブに関する処理を続行させるか否かを判断することができる。
【0064】
操作入力部14は、表示部13に印刷ルール適用結果が表示されている状態で、印刷ジョブに関する処理の続行可否に関する指示入力を受け付け、その指示入力を印刷ジョブ制御部25に出力する。印刷ジョブ制御部25は、操作入力部14を介して入力するユーザの指示に基づき、印刷ジョブの処理の続行を制御する処理部である。すなわち、印刷ジョブ制御部25は、ユーザによって印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合、その印刷ジョブについてのその後の処理をキャンセルし、印刷ジョブの処理を終了させる。また印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合には、その印刷ジョブについてのその後の処理を続行させる。
【0065】
このとき、印刷ジョブ生成部23によって生成された印刷ジョブは、データ送受信部21によってメモリ11又は記憶装置15に一時的に格納保存された状態であり、未だプリントサーバー3には送信されていない状態である。そのため、印刷ジョブ制御部25は、印刷ジョブの処理を終了させる場合、データ送受信部21に対して印刷ジョブの削除を指示する。これにより、データ送受信部21は、メモリ11又は記憶装置15へ格納した印刷ジョブを削除する。つまり、この場合は、印刷ジョブ生成部23によって生成された印刷ジョブがプリントサーバー3へ送信される前に、その印刷ジョブがキャンセルされることになる。これに対し、印刷ジョブの処理を続行させる場合、印刷ジョブ制御部25は、データ送受信部21に対して処理の続行を指示する。これにより、データ送受信部21は、メモリ11又は記憶装置15へ格納した印刷ジョブを読み出してプリントサーバー3へ送信する。そしてプリントサーバー3がその印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに印刷ルールを適用することにより、その後の処理内容を決定し、その決定に基づいて処理を進めていく。
【0066】
上記のような情報処理装置2においては、印刷ジョブ生成部23が属性データD1の作成が完了したタイミングで、印刷ルール適用結果確認処理部24がプリントサーバー3からルール情報35を取得して印刷ルール適用結果を導出する処理を開始することが好ましい。これにより、描画データD2の作成完了を待つことなく、印刷ルール適用結果を導出するための処理を進めていくことができるため、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに対して早期に印刷ルール適用結果を提示することができるようになる。
【0067】
また印刷ジョブに適用された印刷ルールが、例えば図2に示す「No.4」の印刷ルールであった場合、印刷ルール適用結果予測処理部24bによって導出される印刷ルール適用結果には、出力先として2台の画像形成装置4が含まれると共に、出力可能ユーザとして2名のユーザC,Dが含まれることになる。このように印刷ルール適用結果において、複数の画像形成装置4が出力先として決定されている場合、又は、複数のユーザが印刷物を取得可能なユーザとして決定されている場合、印刷ルール適用結果を表示する際には、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザがそれら複数の中から所望の画像形成装置又はユーザを選択できるような表示画面として表示することが好ましい。この場合、操作入力部14はユーザによる選択操作を受け付けると共に、印刷ジョブ制御部25は、ユーザによる選択操作に基づき、出力先となる画像形成装置4を1つに絞り込んだり、又は、印刷物を取得可能なユーザを一人に絞り込む。そして印刷ジョブ制御部25は、その絞り込んだ画像形成装置4又はユーザを指定して印刷ジョブの処理を続行させることが好ましい。
【0068】
これにより、印刷ジョブの処理を続行させる場合でも、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが意図しない画像形成装置4で印刷出力が行われたり、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが意図していないユーザによって印刷物の内容が見られてしまったりすることを防止することができるようになる。
【0069】
次に図7は、プリントサーバー3のハードウェア構成の一例を示す図である。図7に示すように、プリントサーバー3は、CPU30と、メモリ31と、ネットワークインタフェース32と、記憶装置33とを備え、これらがデータバス34を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。記憶装置33には、上述したルール情報35の他、CPU30によって実行されるプログラム36と、プリントサーバー3を利用するユーザに関する情報が登録されたユーザ情報37とが記憶されている。このユーザ情報37には、例えば各ユーザを識別するための識別情報や、各ユーザの電子メールアドレスなどの情報が登録されている。また記憶装置33には、ネットワーク5を介して受信する印刷ジョブを蓄積記憶しておくための印刷ジョブ記憶領域38が設けられている。尚、記憶装置33にはこの他にも種々のプログラムや情報が記憶されるが、それらについては図示を省略する。
【0070】
CPU30は、記憶装置33に予め記憶されているプログラム36を読み出して実行することにより、後述する各処理部として機能するものである。メモリ31は、CPU30がプログラム36に基づく処理を実行する際に一時的なデータなどを記憶するためのものである。ネットワークインタフェース32は、プリントサーバー3をネットワーク5に接続するためのものである。
【0071】
図8は、CPU30がプログラム36を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。例えばプリントサーバー3に電源が投入されると、CPU30はプログラム36を読み出して実行することにより、図8に示す各種処理部として機能する。すなわち、CPU30は、データ送受信部40、印刷ルール適用部41、処理続行判別部42、および、印刷ジョブ出力制御部43として機能する。また本実施形態における処理続行判別部42は、印刷ルール送信部42aとしての機能を有している。
【0072】
データ送受信部40は、ネットワークインタフェース32を介して情報処理装置2および画像形成装置4との間でデータの送受信を行う処理部である。データ送受信部40は、情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域38へと格納する。
【0073】
印刷ルール適用部41は、印刷ジョブ記憶領域38へ格納された印刷ジョブに対して印刷ルールを適用し、その印刷ジョブに対するその後の処理内容を決定する処理部である。すなわち、印刷ルール適用部41は、記憶装置33からルール情報35を読み出し、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールの中から、印刷ジョブに適用すべき1つの印刷ルールを特定する。そして印刷ジョブに対してその印刷ルールを適用することによって、印刷ルール適用結果を導出し、その印刷ジョブに対する処理内容を決定する。これにより、プリントサーバー3が受信した印刷ジョブのその後の処理内容が決定され、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザや、その印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置4などが決定される。
【0074】
処理続行判別部42は、印刷ルール適用部41によって導かれる印刷ルール適用結果に基づき、印刷ジョブの処理を続行するか否かを判別する処理部である。この処理続行判別部42に設けられた印刷ルール送信部42aは、データ送受信部40が情報処理装置2から印刷ルール送信要求を受信した場合に機能し、記憶装置33からルール情報35を読み出して情報処理装置2に送信する処理部である。したがって、処理続行判別部42は、プリントサーバー3が印刷ジョブを受信する前に、情報処理装置2において印刷ルール適用結果を表示させることができる構成となっている。そして処理続行判別部42は、印刷ルール送信部42aがルール情報35を送信した後、その情報処理装置2から送信される印刷ジョブが受信されるのを待機する状態となる。
【0075】
ルール情報35を送信した情報処理装置2から印刷ジョブを受信した場合、処理続行判別部42は、その印刷ジョブに対する処理の続行をユーザが許可したものと判断し、印刷ルール適用部41によって決定される処理内容を順次進めていくことを決定する。
【0076】
また印刷ジョブの受信に伴い、ユーザが印刷ジョブの出力先となる画像形成装置4を指定した情報又は印刷物を取得可能なユーザを指定した情報を共に受信した場合、処理続行判別部42は、そのユーザによる指定に基づいて続行する処理内容を決定する。例えば上述したように、印刷ルール適用部41において印刷ジョブに適用される印刷ルールが、図2に示す「No.4」の印刷ルールである場合、印刷ルール適用結果には、出力先として2台の画像形成装置4が含まれると共に、出力可能ユーザとして2名のユーザC,Dが含まれる。印刷ジョブの送信指示を行うユーザが情報処理装置2を操作することによって2台の画像形成装置4の中から1台の出力先を指定している場合、或いは、2名のユーザC,Dのうちから1名のユーザを指定している場合、処理続行判別部42は、印刷ジョブの出力先又は印刷物を取得可能なユーザの絞り込みを行って処理を続行させていくことを決定する。
【0077】
印刷ジョブ出力制御部43は、処理続行判別部42によって印刷ジョブの処理続行が決定された場合に機能する。そして印刷ジョブ出力制御部43は、印刷ジョブ記憶領域38から印刷ジョブを読み出し、印刷ルール適用部41によって導出される印刷ルール適用結果に基づいてその印刷ジョブに対する処理を進めていく。
【0078】
例えば、印刷物を取得可能なユーザに対する出力通知が「要」である場合、印刷ジョブ出力制御部43は、記憶装置33からユーザ情報37を読み出し、印刷物を取得可能なユーザの電子メールアドレスを特定する。そして印刷ジョブ出力制御部43は、その電子メールアドレスに対して電子メールEM1を送信することにより、そのユーザの出力可能な印刷ジョブが蓄積されていることを通知する。
【0079】
また、出力態様が「認証出力」である場合、印刷ジョブ出力制御部43は、印刷物を取得可能なユーザが出力先となる画像形成装置4にログインしたことを条件として、印刷ジョブ記憶領域38に記憶されている印刷ジョブをその画像形成装置4に出力する。
【0080】
さらに印刷ジョブ出力制御部43は、処理続行判別部42によって処理内容の絞り込みが行われている場合は、その絞り込まれた範囲内で処理を進めていく。したがって、この印刷制御システム1では、印刷ジョブの送信指示を行うユーザが印刷ルール適用結果の範囲内で処理内容の絞り込みを指定した場合には、その絞り込まれた範囲内で印刷ジョブに対するその後の処理が進められるようになる。
【0081】
図9は、第1の実施形態において印刷ジョブの送信指示を行うユーザが印刷ルール適用結果を確認するプロセスを示す図である。尚、図9ではユーザAが情報処理装置2aを操作することによって印刷ジョブの送信指示を行う場合を例示している。はじめに、例えばユーザAが情報処理装置2aを操作することによって印刷ジョブの送信指示を行う(プロセスP10)。これに伴い、情報処理装置2aは、印刷ジョブの生成を開始すると共に、プリントサーバー3に対して印刷ルール送信要求を送信する(プロセスP11)。プリントサーバー3は、この印刷ルール送信要求を受信すると、ルール情報35を読み出し(プロセスP12)、情報処理装置2aに対してそのルール情報35を送信する(プロセスP13)。
【0082】
情報処理装置2aは、プリントサーバー3からルール情報35を受信すると、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信する前に、その印刷ジョブに対して印刷ルールを適用し、プリントサーバー3で導出される印刷ルール適用結果を予測する処理を行う(プロセスP14)。そして情報処理装置2aは、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示する(プロセスP15)。
【0083】
図10は、表示部13に表示される印刷ルール適用結果画面G1の一例を示す図である。図10に示すように、この画面G1には、印刷ジョブを出力して印刷物を取得可能なユーザに関する情報として、ユーザ名やそのユーザが所属するオフィス名などが表示される。また、印刷ジョブを出力可能な画像形成装置に関する情報として、その画像形成装置の名称やその画像形成装置が設置されているオフィス名などが表示される。また、出力態様についても、認証出力と自動出力のいずれが実行されるかが表示される。さらに、この画面G1では、印刷ルールに印刷設定などが含まれている場合、印刷ジョブを実行する際に適用される印刷設定などについての情報も表示される。そしてこの画面G1には、続行ボタンB1と、中止ボタンB2が表示されており、ユーザは印刷ルール適用結果を確認した後、印刷ジョブの処理を続行させることを望む場合には続行ボタンB1を選択操作し、続行させることを望まない場合には中止ボタンB2を選択操作する。尚、図10では図示を省略しているが、上述したように印刷ルール適用結果において複数の画像形成装置4や、印刷物を取得可能な複数のユーザが特定されている場合、画面G1において出力先となる画像形成装置4や印刷物を取得可能なユーザを、ユーザA自身が選択できるような画面構成とすることが好ましい。
【0084】
図9に戻り、情報処理装置2aは、上記のような画面G1を表示した状態でユーザAによる操作入力を受け付ける(プロセスP16)。そしてユーザAが印刷ジョブの処理を続行させる続行ボタンB1を選択操作した場合、情報処理装置2aは、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信する(プロセスP17)。尚、ユーザAが印刷ジョブの処理を続行させない中止ボタンB2を選択操作した場合には、プロセスP17以降の処理は行われなくなる。
【0085】
プリントサーバー3は、情報処理装置2aから送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに対して印刷ルールを適用し、印刷ルール適用結果を導出する処理を行う(プロセスP18)。そしてプリントサーバー3は、その印刷ルール適用結果に基づき、印刷ジョブの出力先を決定する(プロセスP19)。またプリントサーバー3は、印刷ルール適用結果に基づき、印刷ジョブを出力可能なユーザを決定する(プロセスP20)。
【0086】
図11は、第1の実施形態において情報処理装置2で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理は、例えば情報処理装置2のユーザが印刷ジョブの送信指示を行うことに伴って開始される。情報処理装置2は、この処理を開始すると、印刷対象となるデータを取得し(ステップS10)、印刷ジョブの生成を開始する(ステップS11)。そして情報処理装置2は、プリントサーバー3に対し、印刷ルール送信要求を送信する(ステップS12)。その後、プリントサーバー3からルール情報35を取得すると(ステップS13)、情報処理装置2は、印刷ジョブに含まれる属性データD1の作成が完了したか否かを判断し、属性データD1の作成が完了するまで待機する(ステップS14)。
【0087】
属性データD1の作成が完了すると(ステップS14でYES)、情報処理装置2は、その属性データD1に基づき、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールの中から、印刷ジョブに適用する印刷ルールを特定する。そして情報処理装置2は、その特定した印刷ルールを印刷ジョブに適用し、印刷ルール適用結果を導出する(ステップS15)。この印刷ルール適用結果は、プリントサーバー3で導出される結果を予測したものとなる。そして情報処理装置2は、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示し(ステップS16)、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに確認させる。そしてユーザからの操作入力を受け付け(ステップS17)、印刷ジョブについての処理を続行するか否かを判断する(ステップS18)。
【0088】
ユーザが印刷ジョブの処理続行を許可する指示を行っている場合(ステップS18でYES)、情報処理装置2は、さらに、ユーザが印刷ルール適用結果の範囲内で処理内容を絞り込む指定操作を行っているか否かを判断する(ステップS19)。その結果、ユーザが処理内容の絞り込みを指定している場合は、その指定された内容に基づいて指定情報を生成する(ステップS20)。この指定情報は、印刷ジョブの送信時に、印刷ジョブと共にプリントサーバー3へ送信される。尚、ユーザが絞り込み操作を行っていない場合はステップS20の処理はスキップするため、指定情報は生成されない。
【0089】
その後、情報処理装置2は、描画データD2の作成が完了して印刷ジョブが生成されるまで待機し(ステップS21)、印刷ジョブが生成されると、その印刷ジョブをプリントサーバー3へ送信する(ステップS22)。
【0090】
一方、印刷ルール適用結果を確認したユーザが印刷ジョブの処理続行を拒否する指示を行った場合(ステップS18でNO)、情報処理装置2は、その印刷ジョブに対する処理を全てキャンセルし、処理を終了させる。したがって、この場合は、プリントサーバー3に印刷ジョブは送信されない。
【0091】
図12は、第1の実施形態においてプリントサーバー3で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、例えばプリントサーバー3に電源が投入されることに伴って開始される処理であり、プリントサーバー3が起動している間、繰り返し実行される処理となっている。
【0092】
プリントサーバー3は、この処理を開始すると、情報処理装置2から印刷ルール送信要求を受信したか否かを判断する(ステップS30)。そして印刷ルール送信要求を受信している場合(ステップS30でYES)には、記憶装置33からルール情報35を読み出し(ステップS31)、そのルール情報35を情報処理装置2に送信する(ステップS32)。尚、印刷ルール送信要求を受信していない場合(ステップS30でNO)は、ステップS31,S32の処理を行うことなく、ステップS33に進む。
【0093】
次にプリントサーバー3は、情報処理装置2から印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS33)。印刷ジョブを受信している場合(ステップS33でYES)、プリントサーバー3は、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域38へ格納すると共に、記憶装置33からルール情報35を読み出す(ステップS34)。そしてプリントサーバー3は、その受信した印刷ジョブに基づき、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールの中から、印刷ジョブに適用する印刷ルールを特定し、その特定した印刷ルールを印刷ジョブに適用する(ステップS35)。その結果、印刷ルール適用結果が導出される。そしてプリントサーバー3は、その印刷ルール適用結果に基づいて、印刷ジョブの出力先を特定し(ステップS36)、さらに印刷物を取得可能なユーザを特定する(ステップS37)。
【0094】
そしてプリントサーバー3は、印刷ジョブと共に、指定情報を受信しているか否かを判断する(ステップS38)。その結果、指定情報を受信している場合(ステップS38でYES)、プリントサーバー3は、その指定情報に基づいてステップS36で特定した印刷ジョブの出力先、又は、ステップS37で特定した印刷物を取得可能なユーザの絞り込みを行う(ステップS39)。尚、指定情報を受信していない場合(ステップS38でNO)は、このような絞り込みは行われず、印刷ルール適用結果に基づいて特定された印刷ジョブの処理内容が確定する。
【0095】
そしてプリントサーバー3は、印刷ルール適用結果に基づき、印刷物を取得可能なユーザに対し、印刷ジョブが蓄積されたことを示す電子メールを送信する(ステップS40)。ただし、この処理は、印刷ジョブに適用された印刷ルールにおいて、出力通知が「不要」となっている場合は行われない。
【0096】
その後、プリントサーバー3は、印刷ジョブ記憶領域38に格納した印刷ジョブを、出力先として特定されている画像形成装置4に対して出力する処理を行う(ステップS41)。このときもまた、印刷ジョブに適用された印刷ルールで定義されている出力態様での印刷出力が行われる。すなわち、出力態様が「自動出力」である場合、プリントサーバー3は、印刷物を取得可能なユーザが出力先の画像形成装置4にログインするのを待機することなく、印刷ジョブ記憶領域38から印刷ジョブを読み出して出力先である画像形成装置4にその印刷ジョブを送信する。これに対し、出力態様が「認証出力」である場合、プリントサーバー3は、印刷物を取得可能なユーザが出力先の画像形成装置4にログインするのを待機する。そして印刷物を取得可能なユーザが出力先の画像形成装置4にログインすると、そのユーザからの指示に基づいて印刷ジョブ記憶領域38から印刷ジョブを読み出して送信する。
【0097】
また印刷ジョブを受信していない場合(ステップS33でNO)、上述したステップS34〜S41の処理は行われない。
【0098】
このように本実施形態の印刷制御システム1は、プリントサーバー3が情報処理装置2から受信する印刷ジョブに対して印刷ルールに基づく処理を行う前に、情報処理装置2がプリントサーバー3からルール情報35を取得して印刷ルール適用結果を導出し、その印刷ルール適用結果を、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに確認させる構成となっている。それ故、印刷ジョブの送信指示を行うユーザは、その印刷ジョブがどのようにして印刷出力されるのかを事前に確認することができる。そして印刷ジョブの送信指示を行ったユーザは、印刷ルール適用結果を事前に確認することによって印刷ジョブに関する処理を続行させるか、中止させるかを指示することができる構成であるため、ユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうことを未然に防止することができるようになり、セキュリティが向上する。
【0099】
またこの第1の実施形態の情報処理装置2は、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信することなく、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに印刷ルール適用結果を確認させることができるため、仮にユーザが処理の続行を拒否した場合には印刷ジョブを送信することなく処理を終了させることができる。この場合、描画データD2を含むデータ量の大きな印刷ジョブがネットワーク5に出力されないため、ネットワーク5の負荷増大を抑制することができる。またプリントサーバー3においては印刷ルールを適用する処理を行わずに済むため、プリントサーバー3の処理負荷を軽減することも可能である。
【0100】
また、この第1の実施形態においては、情報処理装置2において印刷ジョブが生成されると、それに伴い、印刷ルール適用結果を表示部13に表示してユーザに確認作業を行わせるようになっている。しかし、情報処理装置2において印刷ジョブが生成される都度、ユーザが毎回その印刷ルール適用結果を確認しなければならない構成とすると、ユーザにとってその確認作業が煩わしくなることもある。そこで、ユーザによる確認作業の負担を軽減するため、例えば印刷ジョブに適用される印刷ルールに応じて、或いは、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれているか否かに応じて、印刷ルールを適用した場合の印刷ルール適用結果を表示部13に表示するか否かを決定するようにしても良い。
【0101】
例えば、情報処理装置2は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷ルール適用結果を導出すると、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザとが同一ユーザであるか否かを判別する。その結果、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと、印刷物を取得可能なユーザとが異なるユーザである場合、情報処理装置2は、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示するようにしても良い。この場合、同一ユーザであれば、印刷ルール適用結果を確認する作業を行わなくてもよくなるので、ユーザの作業負担が軽減される。また、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと印刷物を取得可能なユーザとが同一ユーザである場合には、印刷ルール適用結果の確認作業を省略したとしても、セキュリティの低下は抑制することができる。
【0102】
また情報処理装置2は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷ルール適用結果を導出すると、出力先となる画像形成装置4のネットワークアドレスが、その情報処理装置2が接続されているネットワーク5のネットワークアドレスと異なるアドレスであるか否かを判別するようにしても良い。例えば、ネットワークアドレスが同じであれば、ユーザが居るオフィス内で印刷物が出力されるため、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザはその印刷物の行方を把握することができる。しかし、ネットワークアドレスが異なる場合、ユーザが居るオフィスとは異なるオフィスに印刷物が出力されるため、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザはその印刷物の行方を把握することができなくなる。そこで、情報処理装置2は、上記のような判別を行い、印刷ルール適用結果において印刷ジョブの出力先が異なるネットワークアドレスの画像形成装置4となる場合に、印刷ルール適用結果を表示部13に表示するようにしても良い。この場合、ネットワークアドレスが同じであれば、印刷ルール適用結果を確認する作業を行わなくてもよくなるので、ユーザの作業負担が軽減される。また、ネットワークアドレスが同じであれば、印刷ルール適用結果の確認作業を省略したとしても、セキュリティの低下は抑制することができる。
【0103】
さらに情報処理装置2は、印刷対象として指定されたドキュメントなどのデータに秘密情報が含まれるか否かを判別するようにしても良い。そして印刷対象となるデータに秘密情報が含まれている場合に、情報処理装置2は、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示するようにしても良い。この場合、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれていなければ印刷ルール適用結果を確認する作業を行わなくてもよくなるので、ユーザの作業負担が軽減される。また、秘密情報が含まれていない場合には、印刷ルール適用結果の確認作業を省略したとしても、セキュリティの低下は抑制することができる。
【0104】
尚、上記においては、印刷ルール適用結果の確認作業を省略できる3つのパターンを例示したが、その他のパターンにおいても確認作業を省略するようにしても良い。例えば、情報処理装置2のユーザが、予め情報処理装置2に対し、印刷ルール適用結果の表示を行わせるか否かを設定しておくようにしても良い。この場合、情報処理装置2は、ユーザによって印刷ルール適用結果を表示しない設定が行われていれば、原則として印刷ルール適用結果をユーザに確認させることなく、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信する。
【0105】
ただし、この場合でも、セキュリティを低下させないことが望まれるため、情報処理装置2において印刷ルール適用結果を導出し、印刷ジョブの出力先が情報処理装置2と同じネットワークアドレスの画像形成装置4である場合、印刷ジョブを取得するユーザが印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと同じユーザである場合、或いは、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれない場合には、印刷ルール適用結果を表示することなく、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信する構成とすることが好ましい。すなわち、印刷ジョブの出力先が情報処理装置2と異なるネットワークアドレスの画像形成装置4である場合、印刷ジョブを取得するユーザが印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと異なるユーザである場合、或いは、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれている場合には、情報処理装置2のユーザが予め印刷ルール適用結果の表示を行わない設定を行っていたとしても、情報処理装置2は、印刷ルール適用結果を表示してユーザに確認させる構成とすることが好ましい。
【0106】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理装置2およびプリントサーバー3のハードウェア構成は上述した第1の実施形態と同様である。
【0107】
図13は、この第2の実施形態の情報処理装置2においてCPU10がプログラム17を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。また図14は、この第2の実施形態のプリントサーバー3においてCPU30がプログラム36を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【0108】
まず図13に示すように、情報処理装置2は、データ取得部22が印刷対象となるデータを取得すると、印刷ジョブ生成部23を機能させる。そして印刷ジョブ生成部23は、データ取得部22によって取得された印刷対象となるデータに基づいて印刷ジョブの生成を開始する。この印刷ジョブ生成部23は、印刷ジョブの生成過程において、属性データD1の作成が完了すると、まずその属性データD1をデータ送受信部21に出力し、その後、描画データD2の作成が完了すると、その描画データD2をデータ送受信部21に出力する。データ送受信部21は、印刷ジョブ生成部23から属性データD1を入力すると、ネットワークインタフェース12を介してその属性データD1をまずプリントサーバー3に送信する。その後、印刷ジョブ生成部23から描画データD2を入力すると、データ送受信部21は、その描画データD2を含む印刷ジョブをプリントサーバー3に送信する。つまり、本実施形態では、印刷ジョブ生成部23において印刷ジョブが生成されることに伴い、データ送受信部21がその印刷ジョブを直ちにプリントサーバー3に送信する。
【0109】
プリントサーバー3は、上記のようにして情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信する。図14に示すように、データ送受信部40は、情報処理装置2から送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域38へと格納する。また本実施形態のプリントサーバー3は、印刷ジョブの全体を受信する前に、属性データD1をまず単独で受信する。そのため、印刷ルール適用部41は、印刷ジョブの全体よりも先に受信される属性データD1に基づき、印刷ルールの適用処理を開始することが可能である。
【0110】
すなわち、印刷ルール適用部41は、属性データD1が受信されることに伴い、記憶装置33からルール情報35を読み出し、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールの中から、その印刷ジョブに適用すべき1つの印刷ルールを特定する。そして印刷ジョブに対してその印刷ルールを適用することによって、印刷ルール適用結果を導出する。
【0111】
また図14に示すように、処理続行判別部42は、印刷ルール適用結果送信部42cを備えている。この印刷ルール適用結果送信部42cは、印刷ルール適用部41で印刷ルール適用結果が導出されることに伴って機能し、その導出された印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信する。そして処理続行判別部42は、印刷ルール適用結果が送信された後、その情報処理装置2から印刷ジョブの処理の続行可否についての情報を取得するまで待機する。つまり、本実施形態のプリントサーバー3は、情報処理装置2から印刷ジョブを受信することに伴って印刷ルール適用結果を導出すると、その印刷ルール適用結果を情報処理装置2に対して一旦送信し、情報処理装置2からの指示を待機する状態となる。この待機状態では、印刷ジョブに対する処理は進められない。
【0112】
一方、情報処理装置2は、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信すると、図13に示す印刷ルール適用結果確認処理部24を機能させる。この印刷ルール適用結果確認処理部24は、印刷ルール適用結果取得部24cを備えている。印刷ルール適用結果取得部24cは、プリントサーバー3から送信される印刷ルール適用結果を取得し、その印刷ルール適用結果を表示制御部20に出力する。これにより、プリントサーバー3において導出された印刷ルール適用結果が表示部13に表示される。したがって、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザは、印刷ジョブに対して印刷ルールが適用された結果を確認することができるようになり、印刷ジョブに関する処理を続行させるか否かを判断することができる。
【0113】
その後、情報処理装置2は、第1の実施形態と同様に、印刷ジョブに関する処理の続行可否に関する指示入力を受け付け、その指示入力を印刷ジョブ制御部25に出力する。そして印刷ジョブ制御部25は、操作入力部14を介して入力するユーザの指示に基づき、プリントサーバー3に対して印刷ジョブの処理の続行可否についての情報を送信する。すなわち、印刷ジョブ制御部25は、ユーザによって印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合、その印刷ジョブについてのその後の処理をキャンセルする指示をプリントサーバー3に送信し、印刷ジョブの処理を終了させる。また印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合には、その印刷ジョブについてのその後の処理の続行を許可する指示をプリントサーバー3に送信する。
【0114】
プリントサーバー3において待機状態となっている処理続行判別部42は、情報処理装置2から処理の続行可否に関する指示を受信すると、その指示内容を判別し、印刷ジョブに対する処理を続行するか否かを決定する。そして印刷ジョブに対する処理を続行する場合、印刷ジョブ出力制御部43を機能させる。印刷ジョブ出力制御部43は、印刷ジョブ記憶領域38に記憶されている印刷ジョブを読み出し、印刷ルール適用結果に基づいてその印刷ジョブを画像形成装置4に出力する。ただし、第1の実施形態で説明したように、ユーザが印刷ルール適用結果の範囲内で処理内容の絞り込みを行っていることもある。その場合、印刷ジョブ出力制御部43は、ユーザによる指定に基づいて印刷ジョブの処理を進行させていく。一方、印刷ジョブ対する処理を終了する場合、処理続行判別部42は、印刷ジョブ記憶領域38に格納した印刷ジョブを削除する。
【0115】
図15は、第2の実施形態において印刷ジョブの送信指示を行うユーザが印刷ルール適用結果を確認するプロセスを示す図である。尚、図15ではユーザAが情報処理装置2aを操作することによって印刷ジョブの送信指示を行う場合を例示している。はじめに、例えばユーザAが情報処理装置2aを操作することによって印刷ジョブの送信指示を行う(プロセスP30)。これに伴い、情報処理装置2aは、印刷ジョブの生成を開始し、プリントサーバー3に対して印刷ジョブを送信する(プロセスP31)。プリントサーバー3は、この印刷ジョブを受信すると、ルール情報35を読み出す(プロセスP32)。プリントサーバー3は、そのルール情報35に基づいて印刷ジョブに印刷ルールを適用し、印刷ルール適用結果を導出する(プロセスP33)。そしてプリントサーバー3は、情報処理装置2aに対してその印刷ルール適用結果を送信する(プロセスP34)。
【0116】
情報処理装置2aは、プリントサーバー3から印刷ルール適用結果を受信すると、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示する(プロセスP35)。このとき、表示される画面は、図10に示したものと同様である。情報処理装置2aは、印刷ルール適用結果を表示した状態でユーザによる操作入力を受け付ける(プロセスP36)。そして情報処理装置2aは、ユーザAの指示に基づき、印刷ジョブの処理の続行可否に関する指示をプリントサーバー3に送信する(プロセスP37)。
【0117】
そしてプリントサーバー3は、情報処理装置2aからの指示を受信すると、その指示を判別することによって印刷ジョブの処理を続行するか否かを決定する(プロセスP38)。例えば、図10に示す画面G1が表示されている状態のとき、ユーザAによって印刷ジョブの処理を続行させる続行ボタンB1が選択操作された場合、プリントサーバー3は、印刷ジョブ記憶領域38に格納した印刷ジョブの処理を続行させることを決定する。これに対し、ユーザAによって印刷ジョブの処理を続行させない中止ボタンB2が選択操作された場合、プリントサーバー3は、印刷ジョブ記憶領域38に格納した印刷ジョブを削除し、処理を終了させる。
【0118】
図16は、第2の実施形態において情報処理装置2で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示す処理は、例えば情報処理装置2のユーザが印刷ジョブの送信指示を行うことに伴って開始される。情報処理装置2は、この処理を開始すると、印刷対象となるデータを取得し(ステップS50)、印刷ジョブの生成を開始する(ステップS51)。そして情報処理装置2は、属性データD1の作成が完了するまで待機し(ステップS52)、属性データD1が生成されたタイミングでその属性データD1をプリントサーバー3に送信する(ステップS53)。その後、情報処理装置2は、プリントサーバー3から送信される印刷ルール適用結果の受信を待機する状態となり(ステップS54)、印刷ルール適用結果を受信すると(ステップS54でYES)、その印刷ルール適用結果を表示部13に表示する(ステップS55)。これにより、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに印刷ルール適用結果を確認させることができる。そしてユーザからの操作入力を受け付け(ステップS56)、印刷ジョブについての処理を続行するか否かを判断する(ステップS57)。
【0119】
ユーザが印刷ジョブの処理続行を許可する指示を行っている場合(ステップS57でYES)、情報処理装置2は、さらに、ユーザが印刷ルール適用結果の範囲内で処理内容を絞り込む指定操作を行っているか否かを判断する(ステップS58)。その結果、ユーザが処理内容の絞り込みを指定している場合は、その指定された内容に基づいて指定情報を生成する(ステップS59)。尚、ユーザが絞り込み操作を行っていない場合はステップS59の処理はスキップするため、指定情報は生成されない。
【0120】
その後、情報処理装置2は、描画データD2の作成が完了して印刷ジョブが生成されるまで待機し(ステップS60)、印刷ジョブが生成されると、その印刷ジョブをプリントサーバー3へ送信する(ステップS61)。このとき、既に印刷ジョブの送信が完了している場合には、その印刷ジョブの処理を続行させる指示を送信する。またステップS59で指定情報が生成されている場合には、その指定情報をプリントサーバー3に送信する。
【0121】
一方、印刷ルール適用結果を確認したユーザが印刷ジョブの処理続行を拒否する指示を行った場合(ステップS57でNO)、情報処理装置2は、その印刷ジョブに対する処理を全てキャンセルし、処理を終了させる。このとき、既に印刷ジョブの送信が完了している場合には、その印刷ジョブに対する処理を中断して終了させる指示をプリントサーバー3へ送信する。
【0122】
図17は、第2の実施形態においてプリントサーバー3で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。図17に示す処理は、例えばプリントサーバー3に電源が投入されることに伴って開始される処理であり、プリントサーバー3が起動している間、繰り返し実行される処理となっている。
【0123】
プリントサーバー3は、この処理を開始すると、情報処理装置2から印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS70)。そして印刷ジョブを受信している場合(ステップS70でYES)には、さらに属性データD1の受信かどうかを判断する(ステップS71)。
【0124】
その結果、属性データD1の受信である場合(ステップS71でYES)、プリントサーバー3は、記憶装置33からルール情報35を読み出す(ステップS72)。そして受信した属性データD1に基づき、ルール情報35に登録されている複数の印刷ルールの中から、印刷ジョブに適用する印刷ルールを特定する。そしてプリントサーバー3は、その特定した印刷ルールを印刷ジョブに適用し、印刷ルール適用結果を導出する(ステップS73)。そして印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信する(ステップS74)。そしてプリントサーバー3は、受信した印刷ジョブに描画データD2が含まれるか否かを判断し(ステップS75)、描画データD2が含まれている場合にはその印刷ジョブを印刷ジョブ記憶領域38へ保存する(ステップS76)。
【0125】
次にプリントサーバー3は、情報処理装置2から印刷ジョブの処理続行可否に関する指示を受信したか否かを判断する(ステップS77)。そして印刷ジョブの処理続行可否に関する指示を受信した場合(ステップS77でYES)、プリントサーバー3は、その指示に対応する印刷ジョブを特定し(ステップS78)、さらに処理を続行させるか否かを判断する(ステップS79)。
【0126】
処理を続行させる場合(ステップS79でYES)、プリントサーバー3は、処理続行可否に関する指示と共に、指定情報を受信しているか否かを判断する(ステップS80)。指定情報を受信している場合(ステップS80でYES)、プリントサーバー3は、その指定情報に基づき、ステップS73で導出した印刷ルール適用結果における印刷ジョブの出力先、又は、印刷物を取得可能なユーザの絞り込みを行う(ステップS81)。尚、指定情報を受信していない場合(ステップS80でNO)は、そのような絞り込みは行われず、ステップS73で導出された印刷ルール適用結果に基づいて印刷ジョブに対する処理内容を確定させる。そしてプリントサーバー3は、ステップS73で導出した刷ルール適用結果に基づき、印刷物を取得可能なユーザに対し、印刷ジョブが蓄積されたことを示す電子メールを送信する(ステップS82)。ただし、この処理は、印刷ジョブに適用された印刷ルールにおいて、出力通知が「不要」となっている場合は行われない。
【0127】
その後、プリントサーバー3は、印刷ジョブ記憶領域38に格納した印刷ジョブを、出力先として特定されている画像形成装置4に対して出力する処理を行う(ステップS83)。このときもまた、印刷ジョブに適用された印刷ルールで定義されている出力態様での印刷出力が行われる。すなわち、出力態様が「自動出力」である場合、プリントサーバー3は、印刷物を取得可能なユーザが出力先の画像形成装置4にログインするのを待機することなく、印刷ジョブ記憶領域38から印刷ジョブを読み出して出力先である画像形成装置4にその印刷ジョブを送信する。これに対し、出力態様が「認証出力」である場合、プリントサーバー3は、印刷物を取得可能なユーザが出力先の画像形成装置4にログインするまで待機し、出力先となる画像形成装置4へのログイン後に、そのユーザからの指示に基づいて印刷ジョブ記憶領域38から印刷ジョブを読み出して送信する。
【0128】
一方、処理を続行させない場合(ステップS79でNO)、プリントサーバー3は、印刷ジョブ記憶領域38に記憶している印刷ジョブを削除し、印刷ルール適用結果に基づいて特定されているその処理をキャンセルする(ステップS84)。したがって、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザが印刷ルール適用結果に基づく処理の続行を拒否した場合、プリントサーバー3は、その印刷ジョブをキャンセルする。
【0129】
尚、情報処理装置2から印刷ジョブの処理続行可否に関する指示を受信していない場合(ステップS77でNO)、上記ステップS78〜S84の処理はスキップし、再びステップS70からの処理を繰り返す。
【0130】
このように第2の施形態においても印刷制御システム1は、第1の実施形態と同様、プリントサーバー3が情報処理装置2から受信する印刷ジョブに対して印刷ルールに基づく処理を開始する前に、情報処理装置2が印刷ジョブに対する印刷ルール適用結果を表示して、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに確認させることができる構成となっている。それ故、印刷ジョブの送信指示を行うユーザは、その印刷ジョブがどのようにして印刷出力されるのかを事前に確認することができる。そして印刷ジョブの送信指示を行ったユーザは、印刷ルール適用結果を事前に確認することによって印刷ジョブに関する処理を続行させるか、中止させるかを指示することができる構成であるため、ユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうことを未然に防止することができるようになり、セキュリティが向上する。
【0131】
またこの第2の実施形態の情報処理装置2は、印刷ジョブをプリントサーバー3に送信した後、そのプリントサーバー3において実際に印刷ルールを適用する処理が実行されることによって導出された印刷ルール適用結果を取得し、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザにその印刷ルール適用結果を確認させる構成となっている。したがって、本実施形態では、プリントサーバー3において印刷ジョブに印刷ルールが適用された結果を確認させることができる。すなわち、上記第1の実施形態では、情報処理装置2がプリントサーバー3からルール情報35を取得し、プリントサーバー3で導出される印刷ルール適用結果を予測するようになっているため、例えば、情報処理装置2がプリントサーバー3からルール情報35を取得した後、プリントサーバー3において新たな印刷ルールが登録されてルール情報35が更新されることもある。この場合、上記第1の実施形態では、最新の印刷ルールを反映させた印刷ルール適用結果を導出することができない。しかし、この第2の実施形態では、情報処理装置2がプリントサーバー3において実際に印刷ジョブに基づいて導出された印刷ルール適用結果を取得して表示するため、最新の印刷ルールが反映された印刷ルール適用結果を表示してユーザに確認させることができるという利点がある。
【0132】
またこの第2の実施形態では、情報処理装置2が印刷ジョブを生成すると、属性データD1の作成が完了したタイミングでその属性データD1だけを先にプリントサーバー3に送信する。そしてプリントサーバー3は、印刷ジョブの全体を受信する前に、先に属性データD1を受信すると、そのタイミングでルール情報35を読み出して印刷ルール適用結果を導出する処理を開始する。そのため、プリントサーバー3は、速やかに印刷ルール適用結果を導出して情報処理装置2に送出することができるようになる。そして情報処理装置2においても早期に印刷ルール適用結果をユーザに確認させることができるようになる。
【0133】
また、この第2の実施形態においては、上述したように、情報処理装置2において印刷ジョブが生成されると、プリントサーバー3が印刷ルール適用結果を導出し、その印刷ルール適用結果を情報処理装置2に一旦送信することにより、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに確認作業を行わせるようになっている。ところが、情報処理装置2において印刷ジョブが生成される都度、ユーザが毎回その印刷ルール適用結果を確認しなければならない構成とすると、ユーザにとってその確認作業が煩わしくなることもある。そのため、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ユーザによる確認作業の負担を軽減するため、例えば印刷ジョブに適用される印刷ルールに応じて、或いは、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれているか否かに応じて、印刷ルールを適用した場合の印刷ルール適用結果を情報処理装置2において表示させるか否かをプリントサーバー3が決定するように構成しても良い。
【0134】
例えば、プリントサーバー3は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷ルール適用結果を導出すると、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザとが同一ユーザであるか否かを判別する。その結果、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと、印刷物を取得可能なユーザとが異なるユーザである場合に、プリントサーバー3がその印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信するようにしても良い。この場合、同一ユーザであれば、印刷ルール適用結果を確認する作業を行わなくてもよくなるので、ユーザの作業負担が軽減される。また、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと印刷物を取得可能なユーザとが同一ユーザである場合には、印刷ルール適用結果の確認作業を省略したとしても、セキュリティの低下は抑制することができる。
【0135】
またプリントサーバー3は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷ルール適用結果を導出したとき、印刷ジョブの出力先となる画像形成装置4のネットワークアドレスが、印刷ジョブの送信元である情報処理装置2のネットワークアドレスと異なるアドレスであるか否かを判別するようにしても良い。例えば、ネットワークアドレスが同じであれば、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザが居るオフィス内で印刷物が出力されるため、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザはその印刷物の行方を把握することができる。しかし、ネットワークアドレスが異なる場合、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザが居るオフィスとは異なるオフィスに印刷物が出力されるため、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザはその印刷物の行方を把握することができなくなる。そこで、プリントサーバー3は、上記のような判別を行い、印刷ルール適用結果において印刷ジョブの出力先が異なるネットワークアドレスの画像形成装置4となる場合に、その印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信し、印刷ジョブの送信指示を行ったユーザに確認させる構成としても良い。この場合、ネットワークアドレスが同じであれば、印刷ルール適用結果を確認する作業を行わなくてもよくなるので、ユーザの作業負担が軽減される。また、ネットワークアドレスが同じであれば、印刷ルール適用結果の確認作業を省略したとしても、セキュリティの低下は抑制することができる。
【0136】
さらにプリントサーバー3は、印刷対象として指定されたドキュメントなどのデータに秘密情報が含まれるか否かを属性データD1に基づいて判別するようにしても良い。そして印刷対象となるデータに秘密情報が含まれている場合に、プリントサーバー3は、その印刷ジョブに印刷ルールを適用した印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信し、ユーザに確認させるようにしても良い。この場合、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれていなければ印刷ルール適用結果を確認する作業を行わなくてもよくなるので、ユーザの作業負担が軽減される。また、秘密情報が含まれていない場合には、印刷ルール適用結果の確認作業を省略したとしても、セキュリティの低下は抑制することができる。
【0137】
尚、上記においては、印刷ルール適用結果の確認作業を省略できる3つのパターンを例示したが、その他のパターンにおいても確認作業を省略するようにしても良い。例えば、プリントサーバー3において記憶されるユーザ情報37に、各ユーザが印刷ルール適用結果を確認するか否かの情報を予め登録しておくようにしても良い。この場合、プリントサーバー3は、印刷ジョブを送信したユーザに対応するユーザ情報37に、印刷ルール適用結果を確認しない設定が行われていれば、原則として印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信することなく、印刷ルール適用結果に基づいて印刷ジョブに対する処理を開始する。
【0138】
ただし、この場合でも、セキュリティを低下させないことが望まれる。そのため、プリントサーバー3は、印刷ジョブを受信して印刷ルール適用結果を導出し、印刷ジョブの出力先が情報処理装置2と同じネットワークアドレスの画像形成装置4である場合、印刷ジョブを取得するユーザが印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと同じユーザである場合、および、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれない場合に、その印刷ルール適用結果に基づく処理を続行する。これに対し、印刷ジョブの出力先が情報処理装置2と異なるネットワークアドレスの画像形成装置4である場合、印刷ジョブを取得するユーザが印刷ジョブの送信指示を行ったユーザと異なるユーザである場合、又は、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれている場合、プリントサーバー3は、その印刷ジョブを送信したユーザに対応するユーザ情報37において印刷ルール適用結果を確認しない設定が行われているとしても、その印刷ルール適用結果を情報処理装置2に送信してユーザに確認作業を行わせる構成とすることが好ましい。
【0139】
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0140】
例えば、上記実施形態においては、ルール情報35に登録される印刷ルールの一例を、図2を参照して説明した。しかし、各印刷ルールにおいて、その印刷ルールを適用する条件が定義されたルールの項目や、その印刷ルールを適用することによって特定される印刷ジョブの処理内容が定義されたルール適用結果の項目は、必ずしも図2に示したものに限られるものではなく、その他の項目が設けられた印刷ルールであっても構わない。そして、印刷ルールに含まれる項目は、従来のように印刷コストの削減を目的とした条件や処理内容などが定義されたものであっても良いし、上記実施形態のように印刷ジョブの送信指示を行うユーザにとって意図しない印刷出力が行われてしまうとセキュリティを低下させる可能性のある条件や処理内容などが定義されたものであっても構わない。
【符号の説明】
【0141】
1 印刷制御処理システム
2(2a,2b,2c,2d) 情報処理装置
3 プリントサーバー
4(4a,4b,4c,4d) 画像形成装置
13 表示部(表示手段)
14 操作入力部(操作入力手段)
17 プログラム
21 データ送受信部(印刷ジョブ送信手段)
23 印刷ジョブ生成部(印刷ジョブ生成手段)
24 印刷ルール適用結果確認処理部
24a 印刷ルール取得部(印刷ルール取得手段)
24b 印刷ルール適用結果予測処理部(印刷ルール適用結果予測手段)
24c 印刷ルール適用結果取得部(印刷ルール適用結果取得手段)
25 印刷ジョブ制御部(印刷ジョブ制御手段)
33 記憶装置(記憶手段)
35 ルール情報
36 プログラム
40 データ送受信部(印刷ジョブ受信手段)
41 印刷ルール適用部(印刷ルール適用手段)
42 処理続行判別部(処理続行判別手段)
42a 印刷ルール送信部
42c 印刷ルール適用結果送信部
43 印刷ジョブ出力制御部(印刷ジョブ出力制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に該印刷ジョブを出力するプリントサーバーとネットワークを介して接続されており、前記プリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、
前記プリントサーバーに送信するための印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、
前記印刷ジョブ生成手段において印刷ジョブが生成されることに伴い、前記プリントサーバーにおいて印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示する表示手段と、
前記表示手段に前記印刷ルール適用結果が表示されている状態で、印刷ジョブに関する処理の続行可否に関する指示入力を受け付ける操作入力手段と、
前記操作入力手段に対し、印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を終了させ、印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させる印刷ジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プリントサーバーから印刷ジョブに適用される印刷ルールを取得する印刷ルール取得手段と、
前記印刷ジョブ生成手段において印刷ジョブが生成されることに伴い、当該印刷ジョブに、前記印刷ルール取得手段によって取得された印刷ルールを適用して前記印刷ルール適用結果を導出する印刷ルール適用結果予測手段と、
をさらに備え、
前記表示手段は、前記印刷ルール適用結果予測手段によって導出される前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブ生成手段は、印刷ルールを適用するための情報を含む属性データと、画像形成装置が画像形成を行う際に使用する描画データとを含む印刷ジョブを生成し、
前記印刷ルール適用結果予測手段は、前記印刷ジョブ生成手段において前記属性データが生成されたタイミングで、印刷ルールを適用することによって前記印刷ルール適用結果を導出することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブ生成手段によって生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーに送信する印刷ジョブ送信手段と、
前記印刷ジョブ送信手段によって印刷ジョブが送信された後、前記プリントサーバーから前記印刷ルール適用結果を取得する印刷ルール適用結果取得手段と、
をさらに備え、
前記表示手段は、前記印刷ルール適用結果取得手段によって取得される前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記印刷ジョブ生成手段は、印刷ルールを適用するための情報を含む属性データと、画像形成装置が画像形成を行う際に使用する描画データとを含む印刷ジョブを生成し、
前記印刷ジョブ送信手段は、前記印刷ジョブ生成手段において生成される前記属性データのみを前記プリントサーバーに送信することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記プリントサーバーにおいて適用される印刷ルールによって、印刷ジョブの生成を指示するユーザと、その印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザとが異なる場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記プリントサーバーにおいて適用される印刷ルールによって当該情報処理装置とは異なるネットワークアドレスの画像形成装置が当該印刷ジョブの出力先として決定される場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示手段は、印刷対象となるデータに秘密情報が含まれる場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザによって予め設定される、前記印刷ルール適用結果を表示するか否かに関する設定情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記設定情報において前記印刷ルール適用結果を表示することが設定されている場合に、前記印刷ルール適用結果を表示することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示手段に表示される前記印刷ルール適用結果において、当該印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能な複数のユーザが決定されている場合、前記操作入力手段は、それら複数のユーザの中から少なくとも一人のユーザを選択する操作を受け付け、前記印刷ジョブ制御手段は、前記操作入力手段によって受け付けられた少なくとも一人のユーザを指定して当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示手段に表示される前記印刷ルール適用結果において、当該印刷ジョブの出力先として複数の画像形成装置が決定されている場合、前記操作入力手段は、それら複数の画像形成装置の中から少なくとも一つの画像形成装置を選択する操作を受け付け、前記印刷ジョブ制御手段は、前記操作入力手段によって受け付けられた少なくとも一つの画像形成装置を指定して当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置から入力する印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に該印刷ジョブを出力するプリントサーバーであって、
前記複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定するための印刷ルールを記憶する記憶手段と、
前記情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、
前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブに、前記記憶手段に記憶された印刷ルールを適用し、前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する印刷ルール適用手段と、
前記印刷ルール適用手段によって決定される印刷ルール適用結果に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定する処理続行判別手段と、
前記処理続行判別手段によって印刷ジョブに関する処理を続行することが決定された場合に、前記印刷ルール適用手段によって決定される画像形成装置に対して当該印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力制御手段と、
を備え、
前記処理続行判別手段は、前記情報処理装置に前記印刷ルール適用結果を表示させ、前記情報処理装置から当該印刷ジョブの処理の続行を拒否する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を終了させ、当該印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とするプリントサーバー。
【請求項13】
前記処理続行判別手段は、前記情報処理装置からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶されている印刷ルールを前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置からの指示に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定することを特徴とする請求項12に記載のプリントサーバー。
【請求項14】
前記処理続行判別手段は、前記印刷ルール適用手段から前記印刷ルール適用結果を取得して前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置からの指示に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定することを特徴とする請求項12に記載のプリントサーバー。
【請求項15】
前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブには、印刷ルールを適用するための情報を含む属性データと、画像形成装置が画像形成を行う際に使用する描画データとが含まれており、
前記印刷ルール適用手段は、前記印刷ジョブ受信手段が前記属性データを受信したタイミングで、当該属性データに基づいて前記記憶手段に記憶された印刷ルールを適用することを特徴とする請求項14に記載のプリントサーバー。
【請求項16】
前記記憶手段に記憶される印刷ルールには、さらに印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザが定義されていることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載のプリントサーバー。
【請求項17】
情報処理装置がプリントサーバーに印刷ジョブを送信し、プリントサーバーが該印刷ジョブを複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に対して出力する印刷制御システムであって、
前記プリントサーバーは、
印刷ジョブを実行することによって出力される印刷物を取得可能なユーザと、前記複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置との少なくとも一方を決定するための印刷ルールを記憶する記憶手段と、
前記情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、
前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブに、前記記憶手段に記憶された印刷ルールを適用し、前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する印刷ルール適用手段と、
前記印刷ルール適用手段によって決定される画像形成装置に対して当該印刷ジョブの出力処理を行う印刷ジョブ出力制御手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記プリントサーバーにおいて前記印刷ジョブ出力制御手段による出力処理が行われる前に、前記印刷ルール適用手段において印刷ジョブに印刷ルールが適用された結果を表示する表示手段と、
前記表示手段に印刷ルールの適用結果が表示された状態で、当該印刷ジョブの処理の続行可否に関する指示入力を受け付ける操作入力手段と、
を備え、
前記操作入力手段に対し、当該印刷ジョブの処理の続行を拒否する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を終了させ、当該印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とする印刷制御システム。
【請求項18】
情報処理装置がプリントサーバーに印刷ジョブを送信し、プリントサーバーが該印刷ジョブを複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に出力する印刷制御方法であって、
(a) 前記情報処理装置において印刷ジョブを生成するステップと、
(b) 前記情報処理装置が前記プリントサーバーに印刷ジョブを送信するステップと、
(c) 前記プリントサーバーにおいて前記情報処理装置から受信する印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定するステップと、
(d) 印刷ルールを適用することによって決定される画像形成装置に対し、前記プリントサーバーが当該印刷ジョブの出力を行うステップと、
を有し、
前記ステップ(d)が行われる前に、前記情報処理装置において印刷ジョブに印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示し、該印刷ルール適用結果をユーザに確認させるステップをさらに有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項19】
印刷ジョブに印刷ルールを適用することによって複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に該印刷ジョブを出力するプリントサーバーとネットワークを介して接続されており、前記プリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
前記プリントサーバーに送信するための印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、
前記印刷ジョブ生成手段において印刷ジョブが生成されることに伴い、前記プリントサーバーにおいて印刷ルールが適用された場合の印刷ルール適用結果を表示する表示制御手段、および、
前記表示制御手段によって前記印刷ルール適用結果が表示されている状態で、印刷ジョブに関する処理の続行を拒否する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を終了させ、印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を続行させる印刷ジョブ制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
情報処理装置から入力する印刷ジョブを複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置に出力するプリントサーバーにおいて実行されるプログラムであって、前記プリントサーバーを、
前記複数の画像形成装置のうちから印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定するための印刷ルールを登録する登録手段、
前記情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段、
前記印刷ジョブ受信手段によって受信される印刷ジョブに、前記登録手段によって登録された印刷ルールを適用し、前記複数の画像形成装置のうちから当該印刷ジョブの出力対象となる画像形成装置を決定する印刷ルール適用手段、
前記印刷ルール適用手段によって決定される印刷ルール適用結果に基づいて当該印刷ジョブに関する処理を続行するか否かを決定する処理続行判別手段、および、
前記処理続行判別手段によって印刷ジョブに関する処理を続行することが決定された場合に、前記印刷ルール適用手段によって決定される画像形成装置に対して当該印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力制御手段、
として機能させ、
前記処理続行判別手段は、前記情報処理装置に前記印刷ルール適用結果を表示させ、前記情報処理装置から当該印刷ジョブの処理の続行を拒否する指示が入力された場合には当該印刷ジョブの処理を終了させ、当該印刷ジョブの処理の続行を許可する指示が入力された場合に当該印刷ジョブの処理を続行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−114288(P2013−114288A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257080(P2011−257080)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)