情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
【課題】情報技術を使いこなせない者が簡単な操作のみで情報技術を利用できる技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置に、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた当該第1識別子が入力される。さらにその後、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた当該第2識別子が入力される。ここで、第1識別子と第2識別子とは互い同一又は相違する。情報処理装置は、第1識別子と第2識別子とが同一であるか否かを判定する。ここで、第1識別子と第2識別子とが同一であると判定した場合には、第1制御処理が実行され、第1識別子と第2識別子とが異なると判定された場合には、第1制御処理と異なる第2制御処理が実行される。
【解決手段】情報処理装置に、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた当該第1識別子が入力される。さらにその後、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた当該第2識別子が入力される。ここで、第1識別子と第2識別子とは互い同一又は相違する。情報処理装置は、第1識別子と第2識別子とが同一であるか否かを判定する。ここで、第1識別子と第2識別子とが同一であると判定した場合には、第1制御処理が実行され、第1識別子と第2識別子とが異なると判定された場合には、第1制御処理と異なる第2制御処理が実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関し、特に、情報技術を使いこなせる者と使いこなせない者との間に生じる格差を軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話などの情報技術がますます発展を遂げる一方、それを使いこなせる者と使いこなせない者との間での格差(デジタルデバイド)が大きくなっている。例えば、通信サービスの多様化・高速化が急激にすすむ一方で、携帯電話での電子メール送信すら行うことが困難な人々も高齢者を中心に数多く存在する。このような情報技術を使いこなせる者と使いこなせない者との格差を軽減することができれば、世の中の利便性が向上する。
【0003】
例えば、独居老人とその安否を気遣う娘とがいるとする。その独居老人から娘に頻繁に電話連絡を行うのであれば、その娘はその独居老人の安否を確認できる。しかしながら、娘が手を離せないときに電話をして互いにいやな思いをすることを恐れ、そのような独居老人が娘になかなか電話連絡できない場合が多い。一方、このような独居老人が娘に電子メールを送信することができるのであれば、娘は手が空いた時間にその電子メールを確認し、返信することができる。このようなケースでは、送信可能な電子メールの機能が制限されていたとしても、情報技術を使いこなせない者が簡単に操作でき、なおかつ、自分の意思を伝えることができれば、十分有用である。
【0004】
電子メールの自動送信を行う従来技術としては、センサ等の検地に対応して注意喚起等の電子メールを送るシステムは多数存在する(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−200224号公報
【特許文献2】特開2007−226387号公報
【特許文献3】特開2007−317108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような情報技術を使いこなせない者が、簡単に操作でき、自分の意思を伝えられる電子メールのシステムは存在しない。
このようなデジタルデバイドの問題は、電子メールなどの情報伝達技術に限らず、利用者の意思に従って制御されるパーソナルコンピュータその他の情報処理機器にも存在する問題である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、情報技術を使いこなせない者が簡単な操作のみで情報技術を利用できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、情報処理装置の入力部に、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた当該第1識別子が入力され、当該第1識別子が記憶部に格納される。さらに、この入力部に、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた当該第2識別子が入力され、当該第2識別子が記憶部に格納される。次に、情報処理装置の処理部が、記憶部に格納された第1識別子と第2識別子とが同一であるか否かを判定する。ここで、第1識別子と第2識別子とが同一であると判定した場合には、第1制御処理が実行され、第1識別子と第2識別子とが異なると判定された場合には、第1制御処理と異なる第2制御処理が実行される。なお、第1制御処理と第2制御処理は、いずれも、第1処理及び第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である。
【0008】
ここで、本発明の利用者が行うことは、同一又は異なる記録媒体にそれぞれ格納された第1識別子及び第2識別子を装置に読み込ませるといった簡単な操作のみである。これに対し、情報処理装置は、第1識別子と第2識別子との組み合わせに応じて処理を分岐させ、多様な処理を実行する。すなわち、情報処理装置の処理部は、入力された第1識別子と第2識別子とが同一か否かに応じて異なる制御処理を行う。また、この制御処理の対象となる処理は、第1識別子と第2識別子とによってそれぞれ特定される処理である。つまり、本発明の利用者は、それほど多くの記録媒体を使い分けることなく、それらに格納させた識別子を装置に読み込ませるといった簡単な操作のみによって、情報処理装置に多様な処理を実行させることができる。
【0009】
なお、本発明は、3つ以上の識別子の組み合わせに応じて処理を分岐させる構成を排除するものではない。すなわち、情報処理装置の処理部が実行する第1識別子と第2識別子とが同一であるか否かの判定は、3つ以上の識別子間の同一性を判定する処理の一部であってもよい。
【0010】
また、本発明において好ましくは、情報処理装置の処理部は、第1識別子が入力部に入力された時点以降の或る基準時から或る待ち時間が経過する前に、入力部に第2識別子が入力されたか否かを判定する。そして、処理部は、当該待ち時間が経過する前に第2識別子が入力されたと判定した場合に第3制御処理を行い、当該待ち時間が経過する前に第2識別子が入力されなかったと判定した場合に第3制御処理と異なる第4制御処理を行う。なお、第3制御処理と第4制御処理は、いずれも、第1処理及び第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である。
【0011】
この場合の利用者は、使用する記録媒体の数を増加させることなく、それらの識別子を装置に読み込ませるタイミングを相違させるだけで、さらに多様な処理を情報処理装置に実行させることができる。
【0012】
また、例えば、本発明を電子メールの作成処理に適用する場合、第1記録媒体には、第1処理の内容が表示され、第2記録媒体には、第2処理の内容が表示される。また、第1処理は、第1識別子で特定される第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第1データを電子メールの添付データとする処理を含み、第2処理は、第2識別子で特定される第2メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第2データを電子メールの添付データとする処理を含む。そして、第1制御処理は、第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理を取り消す制御処理、又は、第1データを電子メールの添付データとする処理を取り消す制御処理を含み、第2制御処理は、第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、第1データを電子メールの添付データとする処理に加え、さらに、第2メッセージを電子メールの送信メッセージとして追加する処理、又は、第2データを電子メールの添付データとして追加する処理、を実行する制御処理を含む。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明では、情報技術を使いこなせない者が簡単な操作のみで情報技術を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態の情報処理システムの全体構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、図1の情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図3(A)は、プログラムテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(B)は、メッセージテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(C)は、送信先アドレステーブルのデータ構成を例示するための図である。
【図4】図4は、記録媒体としてICカードを用いた例を説明するための図である。
【図5】図5は、確認画面の一例を示した図である。
【図6】図6は、確認画面の一例を示した図である。
【図7】図7は、本実施形態の情報処理装置が実行する処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、図7のステップS120の処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図7のステップS121の処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図11】図11は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図12】図12は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図13】図13は、メール送信処理の取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
【図14】図14は、送信メッセージの取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
【図15】図15は、メール受信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図16】図16は、ステップS120の変形例であるステップS220の処理を例示するためのフローチャートである。
【図17】図17は、ステップS121の変形例であるステップS221の処理を例示するためのフローチャートである。
【図18】図18は、複数の識別子にそれぞれ対応するバーコードが1枚のシートにまとめて印刷されたバーコード表の記録媒体の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本形態は、本発明を電子メールの送受信処理に適用した例である。
<構成>
図1は、本実施形態の情報処理システム1の全体構成を説明するためのブロック図である。また、図2は、図1の情報処理装置110の構成を説明するためのブロック図である。また、図3(A)は、プログラムテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(B)は、メッセージテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(C)は、送信先アドレステーブルのデータ構成を例示するための図である。また、図4は、記録媒体130としてICカードを用いた例を説明するための図である。
【0016】
[全体構成]
図1に例示するように、本形態の情報処理システム1は、情報処理装置110と、読み取り装置120と、記録媒体130と、カメラ140と、表示装置150とを有し、インターネットなどの外部ネットワーク160を通じて、メールサーバ装置180やコンテンツサーバ装置170と通信可能に接続されている。
【0017】
[情報処理装置110]
図2に例示するように、本形態の情報処理装置110は、処理部111と、外部通信部112と、内部通信部113(「入力部」及び「出力部」に相当)と、データ記憶部114と、処理テーブル記憶部115と、送信先テーブル記憶部116とを有する。また、処理部111は、判定部111aと、実行部111bと、制御処理決定部111cと、タイマー111dとを有する。
【0018】
処理テーブル記憶部115には、識別子と当該識別子によって特定される処理とを対応付けたテーブルが格納されている。本形態では、処理テーブル記憶部115に、識別子と当該識別子によって特定されるプログラム(スクリプト等)とを対応付けたテーブルであるプログラムテーブルと(図3(A))、プログラムが電子メール送信を行うものの場合にその電子メールの送信メッセージとなるメッセージと当該識別子とを対応付けたメッセージテーブルと(図3(B))が格納されるものとする。
【0019】
図3(A)に例示するプログラムテーブルには、「電子メール送信」「電子メール送信先変更」「受信メール表示削除」「受信メール履歴表示」「カメラ画像添付」などの各処理を実行するためのプログラムと、それぞれに対応する「00000001」,....,「00000501」などの識別子とが対応付けられている。また、図3(B)に例示するメッセージテーブルには、「今日は元気です」「調子はまあまあです」「体調が悪いです」「電話してください」などの報告用や要求用のメッセージや「ありがとう」「遠慮します」「ごめんなさい」「わかりました」などの応答用のメッセージと、それぞれに対応する「00000001」,....,「00000007」などの識別子とが対応付けられている。なお、「電子メール送信」という処理は、電子メールを生成するためのプログラムとメッセージとの組み合わせで特定される。例えば、識別子「00000001」によって特定される処理は、「『元気です』というメッセージを送信メッセージに含む電子メールを作成する処理」である。一方、識別子「00000002」によって特定される処理は、「『調子はまあまあです』というメッセージを送信メッセージに含む電子メールを作成する処理」である。そのため、或る識別子に対応する「電子メール送信」という処理は、その識別子を用い、図3(A)に例示するプログラムテーブルと、図3(B)に例示するメッセージテーブルとの両方を検索することによって特定される。
【0020】
また、送信先テーブル記憶部116には、電子メールの送信先アドレスとして選択可能なアドレスと、アドレスをそれぞれ特定する識別子と、送信先アドレスに対応する表示と、選択されている送信先アドレスを示す情報とが対応付けられた送信先アドレステーブルが格納されている。図3の例の送信先アドレステーブルでは、「aaa@bbb.ccc.jp」,...,「mmm.nn@ooo.pp.jp」などの電子メールの送信先アドレスとして選択可能なアドレスと、「00000201」,...,「00000205」などのアドレスをそれぞれ特定する識別子と、「息子(一郎)」,...,「孫(太陽)」などの送信先アドレスに対応する表示と、「○」で図示された選択されている送信先アドレスを示すフラグ情報とが対応付けられている。この例では「ddd@eee.fff.com」が送信先アドレスとして選択されている。なお「電子メール送信」と同様、或る識別子に対応する「電子メール送信先変更」という処理は、その識別子を用い、図3(A)に例示するプログラムテーブルと、図3(C)に例示する送信先アドレステーブルとの両方を検索することによって特定できる。
【0021】
なお、情報処理装置110は、CPU(central processing unit)、RAM(random-access memory)、ROM(read-only memory)等を有する公知のコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて構成される装置である。すなわち、処理部111は、例えば、所定のプログラムがCPUに読み込まれて構成される処理部である。また、処理部111の少なくとも一部が電子回路によって構成されてもよい。また、データ記憶部114と、処理テーブル記憶部115と、送信先テーブル記憶部116は、例えば、補助記憶装置、RAM、レジスタ或いはキャッシュメモリ、又はそれらの少なくとも一部を結合した記憶領域である。また、外部通信部112は、例えば、外部ネットワーク160と通信可能なモデムなどの通信装置である。また、内部通信部113は、例えば、読み取り装置120、カメラ140及び表示装置150などの内部ネットワーク(家庭内ネットワーク)と通信可能なLANカードや入出力ポートなどである。また、情報処理装置110の具体例は、ホームゲートウェイ(HGW: Home Gate-Way)や、所定のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータなどである。
【0022】
[読み取り装置120]
図1に例示するように、本形態の読み取り装置120は、読み取り部121と通信部122(「出力部」に相当)を有する。本形態の読み取り装置120の例は、ICカードリーダ、RFタグリーダ、磁気カードリーダ、バーコードリーダ、QRコードリーダなどであり、使用される記録媒体130に応じて選択される。本形態では、読み取り装置120としてICカードリーダを用いる例を説明する。
【0023】
[記録媒体130]
本形態の記録媒体130の例は、ICカード、RFタグ、磁気カード、バーコードカード、QRコードカードなどである。記録媒体130には、処理を特定するための識別子が記録され、さらに、その外部には当該識別子によって特定される処理の内容が表示されている。なお、記録媒体130がICカードやRFタグや磁気カードの場合、識別子は電磁気的なデータとして記録媒体130に記録されており、記録媒体130がバーコードカードやQRコードカードの場合、識別子は記録媒体130の表面に印刷等されたバーコードやQRコードとして記録媒体130に記録されている。また、識別子は、前述の処理テーブル格納部115に格納されるテーブルの識別子に対応する。本形態では、記録媒体130としてICカードを用いる例を説明する。
【0024】
図4に示す例では、複数種類の記録媒体130が用いられる。各記録媒体130には、それぞれ1つの識別子が記録され、その外部には当該識別子によって特定される処理の内容が表示されている。
【0025】
例えば、「メール送信 元気です」と表示された記録媒体130には、「『元気です』というメッセージを送信メッセージに含む電子メールを作成する処理」を特定する識別子が格納されている。なお、メッセージの例としては、「今日は元気です」の他に「調子はまあまあです」「体調が悪いです」「電話してください」などの報告用や要求用のメッセージや、「ありがとう」「遠慮します」「ごめんなさい」「わかりました」などの応答用のメッセージが想定できる。
【0026】
また、「メール送信先変更 息子(一郎)」と表示された記録媒体130には、「電子メールの送信先を『息子(一郎)』へ変更する処理」を特定する識別子が格納されている。また、「受信メール表示削除」と表示された記録媒体130には、「受信メールを削除する処理」を特定する識別子が格納され、「受信メール履歴表示」と表示された記録媒体130には、「受信メールの履歴を表示する処理」を特定する識別子が格納されている。また、「カメラ画像添付」と表示された記録媒体130には、「カメラ140画像を撮影させ、その画像データを電子メールの添付データとする処理」を特定する識別子が格納されている。なお、これらは一例であり、その他の処理の内容を表示した記録媒体130にその処理を特定する識別子が格納されていてもよい。
【0027】
[カメラ140]
カメラ140の例は、情報処理装置110からの要求に応じて画像を撮影し、その画像データを情報処理装置110に送信するネットワークカメラなどである。
[表示装置150]
表示装置150の例は、ブラウザ機能を持つデジタルフォトフレームや、パーソナルコンピュータから送信された画像情報を表示するディスプレイなどである。本形態では、表示装置150としてデジタルフォトフレームを用いる例を説明する。
【0028】
この場合、表示装置150は、周期的に情報処理装置110のデータ記憶部114のある領域(URL: Uniform Resource Locator)にアクセスし、そこから取得したデータを表示する。この機能は、例えば、表示装置150を立ち上げた際に情報処理装置110から表示装置150に送信されるHTTPファイルに含まれるプログラム(スクリプト)によって実現される。これにより、表示装置150がアクセスするデータ記憶部114の領域に所望のデータを格納しておけば、その領域にデータが存在する期間に限り、表示装置150はそのデータに対応する表示を表示する。また、表示装置150は、定期的に表示更新を行う。これにより、表示装置150は、アクセスするデータ記憶部114の領域に格納されるデータに応じ、その表示内容を変化させる。
【0029】
<処理の概要>
まず、本形態の処理の概要を説明する。
本形態の情報処理システム1の利用者が電子メールの送信を希望する場合、その利用者は、前述の「メール送信 元気です」等の「メール送信」を含む表示がなされた記録媒体130(図4)から、自らの意思にあった表示がなされているものを選択する。次に、利用者は、選択した記録媒体130を読み取り装置120に読み取らせる。これにより、その記録媒体130に格納されていた識別子が読み取り装置120に読み取られ、情報処理装置110に送られる。情報処理装置110は、送られた識別子に対応するメッセージを送信メッセージとした電子メールを作成する。その後、所定の待ち時間が経過するまでに、同一の記録媒体130の識別子が読み取られた場合、先の電子メールの作成処理等が取り消される。一方、所定の待ち時間が経過するまでに、「メール送信」を含む表示がなされた別の記録媒体130の識別子が読み取られた場合には、その新たに読み取られた識別子に対応するメッセージが電子メールの送信メッセージに追加される。また、所定の待ち時間が経過するまでに、「カメラ画像添付」と表示された記録媒体130が読み取られた場合には、カメラ140で写真撮影が行われ、その画像データが電子メールの添付データとされる。そして、所定の待ち時間が経過した場合、情報処理装置110は、生成した電子メールを送信する。なお、送信先アドレスは、「送信先変更」を含む表示がなされた記録媒体130の識別子を読み取り装置120に読み取らせることで設定又は変更することが可能である。しかし、操作の簡易性を担保するため、常に同じ送信先アドレスを用いることが望ましい。
【0030】
一方、情報処理装置110は、一定の周期で、外部ネットワーク160を通じてメールサーバ装置180にアクセスし、受信メールの有無を確認する。メールサーバ装置180に受信メールがある場合、情報処理装置110は、その受信メールを外部ネットワーク160経由で受信する。受信メールはデータ記憶部114に格納される。さらに、受信メールの内容は表示装置150が表示可能な形式の情報(例えば、HTTPファイル)に変換される。この受信メールの内容は表示装置150が表示可能な形式の情報(以下「受信メール表示情報」という)は、一定期間、データ記憶部114の或る領域(URL)に格納される。表示装置150は、定期的に当該データ記憶部114の領域にアクセスし、この領域に受信メール表示情報が存在している間、当該受信メール表示情報を取得し、それを表示する。この表示は、受信メール表示情報がデータ記憶部114に存在する限り継続し、これがデータ記憶部114の領域から削除されることで終了する。本形態の情報処理装置110は、受信メール表示情報をデータ記憶部114の或る領域に格納し、一定期間経過後、この領域から受信メール表示情報を削除する。これにより、表示装置150での受信メールの内容の表示が終了する。また、利用者が受信メールの内容の表示を急いで終了させたい場合には、利用者は「受信メール 表示削除」と表示された記録媒体130の識別子を読み取り装置120に読み取らせる。これによっても、受信メール表示情報がデータ記憶部114の領域から削除され、表示装置150での受信メールの内容の表示が終了する。
【0031】
また、情報処理装置110のデータ記憶部14には、これまで受信された受信メールが保存される。ただし、本形態では、データ記憶部14の記憶容量や利便性を勘案し、データ記憶部14には一定数以上の受信メールを保存しないこととし、それ以上の受信メールが新たに受信された場合には、古い順にデータ記憶部14から受信メールが削除される。利用者が受信された受信メールの履歴を閲覧したいと思った場合、利用者は「受信メール 履歴表示」と表示された記録媒体を読み取り装置120に読み取らせる。これにより、情報処理装置110は、データ記憶部14に保存している受信メールの履歴情報を生成し、表示装置150に表示される。
【0032】
なお、本形態では、コンテンツサーバ装置170が、ネットワーク160を通じ、情報処理装置110にコンテンツを配信している。上述した受信メールの内容の表示や履歴情報の表示等を行う必要がないタイミングでは、情報処理装置110に配信されたコンテンツが、表示装置150がアクセスするデータ記憶部114の領域に格納される。これにより、上述した受信メールの内容の表示や履歴情報の表示等の有無に応じ、表示装置150で表示される内容が切り替わる。
【0033】
<情報処理装置110が実行する処理>
次に、上述のような処理を実現するために情報処理装置110が実行する処理を例示する。なお、以下に説明する処理は一例に過ぎず、これは本発明を限定するものではない。
図7は、本実施形態の情報処理装置110が実行する処理を説明するためのフローチャートである。また、図8は、図7のステップS120の処理を説明するためのフローチャートであり、図9は、図7のステップS121の処理を説明するためのフローチャートである。
【0034】
読み取り装置120の読み取り部121で記録媒体130から読み取られた識別子は、通信部122から出力される。情報処理装置110の内部通信部113は、読み取り装置120から出力された識別子の入力を受け付け、当該識別子に従い、以下のような処理を実行する。
【0035】
まず、情報処理装置110の処理部110aの判定部111aは、処理部11aの実行部111bが後述のように電子メールの作成を開始し、現在、電子メールの作成中であるか否かを判定する(ステップS101)。この判定は、例えば、実行部111bが電子メールの作成を開始したときに、電子メールの作成中であることを示すフラグ情報をデータ記憶部114に格納し、実行部111bが電子メールの作成を終了したときに当該フラグ情報をデータ記憶部114から削除することにしておけば、このフラグ情報の有無を判定するだけで実行可能である。また、例えば、実行部111bが電子メールの作成を開始したときに、データ記憶部114に格納しておいたフラグ情報を「1」とし、実行部111bが電子メールの作成を終了したときに当該フラグ情報を「0」とすることにしておけば、このフラグ情報の値を判定するだけで、電子メールが作成中であるか否かを判定可能である。
【0036】
ステップS101で電子メールが作成中でないと判定された場合、判定部111aは、識別子102が内部通信部113に入力されたか否かを判定する(ステップS102)。
【0037】
ここで、識別子102が入力されていないと判定した場合、判定部111aは、ステップS102の判定を繰り返す。一方、識別子102が入力されたと判定された場合、判定部111aは、入力された識別子によって特定される処理が「電子メール送信」であるか否かを判定する(ステップS104)。この処理は、判定部111aが、入力された識別子を用いて処理テーブル記憶部115に格納されたプログラムテーブル(図3(A))を検索し、入力された識別子に対応付けられているプログラムが「電子メール送信」のものであるか否かを判定することで実現できる。
【0038】
ここで、入力された識別子によって特定される処理が「電子メール送信」であると判定された場合、処理部111の実行部111bは、入力された識別子を識別子ID1(「第1識別子」に相当)としてデータ記憶部114に格納する(ステップS106)。さらに、実行部111bは、プログラムテーブルにおいて識別子ID1に対応付けられている「メール送信」のプログラム(スクリプト等)を実行して電子メールの作成を開始し、前述した電子メールの作成中であることを示すフラグ情報等をデータ記憶部114に格納する。電子メールの作成処理では、まず、実行部111bが、処理テーブル115に格納されたメッセージテーブルを検索し、識別子ID1に対応付けられた「今日は元気です」などのメッセージ(「第1メッセージ」に相当)を抽出する。そして、実行部111bは、この識別子ID1で特定されるメッセージを電子メールの送信メッセージ(本文のメッセージ)及び件名として設定する処理(「第1処理」に相当)を実行する(ステップS107)。なお、実行部111bは、送信先テーブル記憶部116に格納された送信先アドレステーブルを参照し、フラグ情報(「○」で図示)が対応付けられた送信先アドレスを抽出し、これを作成中の電子メールの送信先アドレスとして設定する。また、送信先アドレスが固定である場合には、実行部111bは、その固定された送信先アドレスを作成中の電子メールの送信先アドレスとする。また、作成中の電子メールは、データ記憶部114に格納される。
【0039】
次に、実行部111bは、タイマー111dを起動し、この時点(「第1識別子が入力部に入力された時点以降の或る基準時」に相当)からの経過時間の計測又はそれに変換可能なカウント値のカウントを開始する(ステップS108)。
【0040】
その後、実行部111bは、「電子メール送信」処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS109)。図5は、この場合の形式変換された確認画面151−1の一例を示した図である。この例の確認画面151−1は、「送信メール確認」との文言に加え、あて先表示部151a、件名表示部151b、送信メッセージ表示部151c、添付データ表示部151d、操作表示部151e、及び待ち時間表示部151fを有する。あて先表示部151aには、送信先アドレステーブルで電子メールの送信先アドレスと対応付けられている「娘(ゆり)」などの表示が表示される。また、件名表示部151bには、ステップS107で電子メールの件名として設定された「今日は元気です」などのメッセージが表示され、送信メッセージ表示部151cには、ステップS107で電子メールの送信メッセージ(本文)として設定された「今日は元気です」などのメッセージが表示される。また、添付データ表示部151dには、電子メールに添付する画像データ等の添付データが表示されるが、この時点では添付データは存在しない。また、操作表示部151eには、「キャンセルする場合はもう一度同じカード、本文を追加する場合は追加する文章のカード、写真を添付するときは『写真カード』をかざしてください」とのメッセージが表示される。さらに、待ち時間表示部151fには、所定の待ち時間に達するまでの時間又はそれに変換可能なカウント値が表示される。これらの値は、タイマー111dから出力される経過時間やカウント値を用いて算出される。図5の例では、「あと24で送信します」と表示されている。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0041】
一方、ステップS104の判定で、入力された識別子によって特定される処理が「電子メール送信」でないと判定された場合、処理部111の実行部111bは、入力された識別子によって特定されるその他の処理を実行する(ステップS105)。
【0042】
[ステップS105の具体例]
以下に、ステップS105で実行されるその他の処理の具体例を説明する。
《識別子によって特定される処理が「電子メールの送信先変更」である場合》
この場合、実行部111bは、その識別子を用いて送信先テーブル記憶部116に格納された送信先アドレステーブル(図3(C))を検索する。そして、実行部111bは、その識別子に対応付けられている送信先アドレスを特定し、特定された送信先アドレス(利用者に選択された送信先アドレス)に対し「○」で図示されたフラグ情報を対応付ける。なお、このフラグ情報の例は「1」というビット情報である。この場合には、例えば、特定された送信先アドレスに対して「1」が対応付けられ、それ以外の送信先アドレスに対して「0」が対応付けられる。
【0043】
《識別子によって特定される処理が「受信メール表示削除」である場合》
この場合、実行部111bは、表示装置150での受信メールの内容の表示を終了させる。例えば、実行部111bは、データ記憶部114の領域から、受信メール表示情報を削除する。これにより、表示装置150での受信メールの内容の表示が終了する。
【0044】
《識別子によって特定される処理が「受信メール履歴表示」である場合》
この場合、実行部111bは、データ記憶部114に格納されたすべての受信メールを読み出し、それらの一覧情報(例えば、スライドショーなど)を生成する。さらに、実行部111bは、当該一覧情報を表示装置150が表示できる形式に変換し、形式変換された一覧情報を生成する。形式変換された一覧情報は、データ記憶部114の領域に一定期間格納される。これにより、表示装置150は、受信メールの一覧情報を一定期間表示する。
【0045】
《識別子によって特定される処理が「カメラ画像添付」である場合》
この識別子に対応する処理は、カメラ140に画像を撮影させ、それによって得られた画像データを電子メールの添付ファイルとする処理である。しかし、ステップS105の段階では電子メールの作成は行われていない。そのため、ステップS105の段階では、実行部111bは、この識別子に対して処理を実行しない。
【0046】
《その他》
その他、読み取られた識別子に応じ、コンテンツサーバ装置170から配信されるコンテンツを切り替えたり、表示装置150に表示させるコンテンツを切り替えたりすることも可能である([ステップS105の具体例]の説明終わり)。
【0047】
その後、実行部111bは、実行した処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS109)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に一定期間格納される(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0048】
また、ステップS101の判定で電子メールが作成中であると判定された場合、判定部111aは、タイマー111dから出力される経過時間やカウント値と、所定の閾値とを比較し、前述の基準時から或る待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS111)。
ここで、前述の基準時から或る待ち時間が経過したと判定された場合(「待ち時間が経過する前に第2識別子が入力されなかったと判定した場合」に相当)、制御処理決定部111cは、ステップS112からS116に示す処理を実行させる制御処理(第4制御処理)を行う。
【0049】
この制御処理に従い、実行部111bは、まず、電子メールの作成処理を終了し、前述した電子メールの作成中であることを示すフラグ情報を破棄するか、電子メールの作成中でないことを示すフラグ情報をデータ記憶部114に格納する(ステップS112)。
次に、実行部111bは、データ記憶部114から作成された電子メールを読み出し、外部通信部112を通じて送信する(ステップS113)。
【0050】
その後、実行部111bは、電子メールの送信を終了したことを示す確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS114)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納され(ステップS115)、一定時間経過後に削除される(ステップS116)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0051】
一方、ステップS111において、前述の基準時から或る待ち時間が経過していないと判定された場合、判定部111aは、識別子102が内部通信部113に入力されたか否かを判定する(ステップS117)。ここで、識別子102が入力されていないと判定された場合、処理をステップS111に戻す。
【0052】
一方、ステップS117で、識別子102が入力されたと判定された場合、制御処理決定部111cは、ステップS118からS121に示す処理を実行させる制御処理(第3制御処理)を行う。
この制御処理に従い、まず、処理部111の実行部111bが、入力された識別子を識別子ID2(「第2識別子」に相当)としてデータ記憶部114に格納する(ステップS118)。
次に、処理部111の判定部111aが、データ記憶部114に格納された識別子ID1(第1識別子)と識別子ID2(第2識別子)とが同一であるか否かを判定する(ステップS119)。
【0053】
ここで、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であると判定した場合、制御処理決定部111cは、識別子ID1によって特定される処理(「第1処理」に相当)を取り消すための制御処理(「第1制御処理」に相当)を実行する(ステップS120)。一方、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一でないと判定した場合、制御処理決定部111cは、前述の識別子ID1によって特定される処理(「第1処理」に相当)に加え、識別子ID2によって特定される処理(「第2処理」に相当)を追加する処理を実行させる制御処理(「第2制御処理」に相当)を実行する(ステップS121)。
【0054】
以下に、ステップS120及びS121の詳細を例示する。なお、以下で説明するステップS120及びS121の詳細は、それぞれ一例にすぎず、本発明を限定するものではない。また、以下では説明の便宜上、ステップS121の詳細を説明した後、テップS120の詳細を説明する。
【0055】
[ステップS121(第2制御処理)]
ステップS121(第2制御処理)の処理は、識別子ID1によって特定されるメッセージ(「第1メッセージ」に相当)を電子メールの送信メッセージとする処理、又は、識別子ID1にしたがって撮影された画像データ(「第1データ」に相当)を電子メールの添付データとする処理に加え、さらに、識別子ID2によって特定されるメッセージ(「第2メッセージ」に相当)を電子メールの送信メッセージとして追加する処理、又は、識別子ID1にしたがって撮影される画像データ(第2データ)を電子メールの添付データとして追加する処理、を実行する制御処理を含む。
【0056】
以下、図9を用いてステップS121の詳細を説明する。
まず、処理部111の判定部111aが、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」であるか否かを判定する(ステップS121a)。この処理は、判定部111aが、識別子ID2を用いて処理テーブル記憶部115に格納されたプログラムテーブル(図3(A))を検索し、識別子ID2に対応付けられているプログラムが「電子メール送信」のものであるか否かを判定することで実現できる。
【0057】
ここで、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」であると判定された場合、実行部111は、タイマー111dで計測やカウントされている経過時間やカウント値を初期値にリセット(基準点をリセット)し、ステップS108と同様な初期状態から経過時間やカウント値の計測やカウントを再開する(ステップS121b)。
【0058】
次に、実行部111bは、プログラムテーブルにおいて識別子ID2に対応付けられている「メール送信」のプログラム(スクリプト等)を実行し、処理テーブル115に格納されたメッセージテーブル(図3(B))を検索し、識別子ID2に対応付けられた「電話してください」などのメッセージ(「第2メッセージ」に相当)を抽出する。そして、実行部111bは、この識別子ID2で特定されるメッセージを電子メールの送信メッセージ(本文のメッセージ)として追加する(ステップS121c)。
【0059】
次に、実行部111bは、データ記憶部114に格納されている識別子ID2を新たな識別子ID1としてデータ記憶部114を更新する(ステップS121d)。なお、この更新前の識別子ID1は、後に復元が可能なようにデータ記憶部114の履歴領域に格納される。
【0060】
その後、実行部111bは、「電子メール送信」処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS121i)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS121j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0061】
一方、ステップS121aの判定で、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」でないと判定された場合、次に、判定部111aは、識別子ID2によって特定される処理が「カメラ画像添付」であるか否かを判定する(ステップS121e)。
【0062】
ここで、識別子ID2によって特定される処理が「カメラ画像添付」であると判定された場合、まず、実行部111bは、タイマー111dで計測やカウントされている経過時間やカウント値を初期値にリセット(基準点をリセット)し、ステップS108と同様な初期状態から経過時間やカウント値の計測やカウントを再開する(ステップS121g)。次に、実行部111bは、プログラムテーブルにおいて識別子ID2に対応付けられている「カメラ画像添付」のプログラム(スクリプト等)を実行し、内部通信部113からカメラ140に画像撮影命令(HTTPリクエスト等)を送る。画像撮影命令を受けたカメラ140は画像を撮影し、その画像データを送信する。この画像データは内部通信部113に入力され、データ記憶部114に格納される。実行部111bは、データ記憶部114からこの画像データを読み出し、それを電子メールの添付データとして追加する(ステップS121h)。
【0063】
その後、実行部111bは、「電子メール送信」処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS121i)。
【0064】
図6は、電子メール作成処理が開始された後、1回目のステップS121の処理でステップS121b〜S121dの処理が実行されて送信メッセージが追加され、2回目のステップS121の処理でステップS121e〜S121hの処理が実行されて画像データが添付データとして電子メールに添付された場合の確認画面151−2の一例を示した図である。図6の例では、送信メッセージ表示部151cには、ステップS121cで電子メールの送信メッセージとして追加された「電話してください」のメッセージが追加されている。また、添付データ表示部151dには、ステップS121hで取得された画像データが表示される。
【0065】
形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0066】
一方、ステップS121eの判定で、識別子ID2によって特定される処理が「カメラ画像添付」でないと判定された場合、実行部111bは、入力された識別子によって特定されるその他の処理を実行する(ステップS121f)。なお、ステップS121fの詳細は、前述したステップS105の詳細と同様である。
【0067】
その後、実行部111bは、実行した処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS121i)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に一定期間格納される(ステップS121j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0068】
[ステップS120(第1制御処理)の詳細]
ステップS120(第1制御処理)の処理は、識別子ID1によって特定されるメッセージ(「第1メッセージ」に相当)を電子メールの送信メッセージとする処理を取り消す制御処理を含む。以下、図8を用いてステップS120の詳細を説明する。
【0069】
《ステップS120の詳細例1》
ステップS120の詳細例1は、電子メール作成が開始されてからステップS121の処理が実行されることなくステップS120の処理が実行される場合、及び、電子メール作成が開始されてから1回以上のステップS121の処理が実行された後にステップS120の処理が実行される場合、の両方の場合に適用可能な処理である。
【0070】
ステップS120の詳細例1では、処理部111の実行部111bが、作成中の電子メールを破棄し、データ記憶部114から削除して、電子メール作成処理を終了する。これに伴い、実行部111bは、前述した電子メールの作成中であることを示すフラグ情報を破棄するか、電子メールの作成中でないことを示すフラグ情報をデータ記憶部114に格納する(ステップS120d)。
【0071】
その後、実行部111bは、電子メール作成処理を終了したことを示す確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS120h)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納され(ステップS120i)、一定時間経過後に削除される(ステップS120j)。表示装置150は、表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0072】
《ステップS120の詳細例2》
ステップS120の詳細例2は、電子メール作成が開始されてから1回以上のステップS121の処理が実行された後にステップS120の処理が実行される場合に適用可能な処理である。
【0073】
まず、実行部111bは、データ記憶部114に格納されている作成中の電子メールから、識別子ID2(この場合はID1=ID2)によって特定されるメッセージを削除し、その電子メールをデータ記憶部114に格納する(ステップS120b)。次に、判定部111aが、ステップS120bで識別子ID2によって特定されるメッセージが削除された電子メールに送信メッセージが残存するか否かを判定する(ステップS120c)。
【0074】
ここで、電子メールに送信メッセージが残存しない判定された場合には、《ステップS120の詳細例1》の処理が実行され、処理がステップS101に戻される。
一方、電子メールに送信メッセージが残存すると判定された場合には、実行部120fは、ステップS121dでの更新前の識別子ID1を復元する。なお、ステップS121dでの識別子ID1の更新が複数回実行されていた場合には、最新の更新前の識別子ID1に復元される(ステップS120f)。復元された識別子ID1は、データ記憶部114に格納される。
【0075】
次に、実行部111は、タイマー111dで計測やカウントされている経過時間やカウント値を初期値にリセット(基準点をリセット)し、ステップS108と同様な初期状態から経過時間やカウント値の計測やカウントを再開する(ステップS120g)。
【0076】
その後、実行部111bは、ステップS120bで識別子ID2によって特定されるメッセージが削除された電子メールに対応する確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS120k)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS120m)。表示装置150は、表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0077】
<処理の具体例>
次に、これまで図7から図9を用いて説明した各ステップを引用しつつ、情報処理システム1が実行する各処理の具体例を説明する。
【0078】
[メール送信処理]
図10から図12は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。なお、以下の処理において、図7から図9を用いて説明したステップに対応するステップについては、図7から図9で用いたステップの番号を用いる。
【0079】
まず、図10に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール送信 今日は元気です」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中ではない情報処理装置110の内部通信部113に入力される(ステップS102)。入力された識別子によって特定される処理は「電子メール送信」であるため、この識別子が識別子ID1としてデータ記憶部114に格納される(ステップS106)。次に、実行部111bが、識別子ID1で特定されるメッセージ「今日は元気です」を電子メールの送信メッセージ及び件名として設定する(ステップS107)。
【0080】
次に、実行部111bは、タイマー起動を行い(ステップS108)、「今日は元気です」を送信メッセージとする電子メールに応じた確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS109)、これをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0081】
引き続いて、図11に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール送信 電話してください」と表示された記録媒体130に記録された識別子が、読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0082】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定するが(ステップS119)、これらは同一ではなく、なおかつ、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」であるため(図9のステップS121a参照)、実行部111bが、タイマー111dのリセットを行う(ステップS121b)。次に、実行部111bは、識別子ID2で特定されるメッセージ「電話してください」を電子メールの送信メッセージとして追加し(ステップS121c)、さらに、データ記憶部114に格納されている識別子ID2を新たな識別子ID1としてデータ記憶部114を更新する(ステップS121d)。
【0083】
次に、実行部111bは、「今日は元気です」「電話してください」を送信メッセージとした電子メールに応じた確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS109)、これをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0084】
引き続いて、図12に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「カメラ画像添付」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0085】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定するが(ステップS119)、これらは同一ではなく、なおかつ、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」ではなく(図9のステップS121a参照)、「カメラ画像添付」であるため(図9のステップS121e参照)、実行部111bが、タイマー111dのリセットを行う(ステップS121g)。
【0086】
次に、実行部111bは、「カメラ画像添付」のプログラム(スクリプト等)を実行し、内部通信部113からカメラ140に画像撮影命令を送る。画像撮影命令を受けたカメラ140は画像を撮影し、その画像データを送信する(ステップS19)。この画像データは内部通信部113に入力され、実行部111bは、この画像データを電子メールの添付データとして追加する(ステップS121h)。
【0087】
次に、実行部111bは、「今日は元気です」「電話してください」を送信メッセージとし、画像データが添付された電子メールに応じたHTTPファイル等の確認画面を生成し(ステップS109)、これをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0088】
その後、新たな記録媒体130からの識別子の読み取りは行われず、所定の待ち時間が経過したとする。この場合、実行部111bは、「今日は元気です」「電話してください」を送信メッセージとし、上述の画像データが添付された電子メールを送信する(ステップS113)。
【0089】
その後、実行部111bは、電子メールの送信を終了したことを示す確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS114)、データ記憶部114の領域に格納し(ステップS115)、一定時間経過後に削除する(ステップS117)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS15)、それを表示する(ステップS16)。
【0090】
[メール送信処理の取り消し処理]
図13は、メール送信処理の取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
図13に示す処理は、図10を用いて説明した処理に引き続いて実行される。
図10の処理が終了した後、読み取り装置120の読み取り部121によって、図13に示すように「メール送信 今日は元気です」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。図13の記録媒体130は図10の記録媒体130と同一であり、それらに格納された識別子も同一である。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0091】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定する(ステップS119)。この例ではこれらが同一であるため、実行部111bは、作成中の電子メールを破棄し、電子メール作成処理を終了する(ステップS12d)。
【0092】
その後、実行部111bは、電子メール作成処理を終了したことを示す確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS120h)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納され(ステップS120i)、一定時間経過後に削除される(ステップS120j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS15)、それを表示する(ステップS16)。また、処理がステップS101に戻される。
【0093】
次に、実行部111bは、電子メール作成処理を終了したことを示す確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS120h)、これをデータ記憶部114の領域に格納し(ステップS120i)、一定時間後に削除する(ステップS120j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS15)、それを表示する(ステップS16)。
【0094】
[送信メッセージの取り消し処理]
図14は、送信メッセージの取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
図14に示す処理は、図10及び図11の処理に引き続いて実行される。また、ステップS120の処理には、ステップS120の詳細例2が用いられるものとする。
【0095】
図11の処理が終了した後、図14に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール送信 電話してください」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。なお、図14の記録媒体130は図12の記録媒体130と同一であり、それらに格納された識別子も同一である。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0096】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定する(ステップS119)。この例ではこれらが同一である。よって、実行部111bは、作成中の電子メールから、識別子ID2(この場合はID1=ID2)によって特定されるメッセージ「電話してください」を削除する(ステップS120b)。
【0097】
この時点の電子メールには、まだ「今日は元気です」という送信メッセージが残存しているため、実行部120fは、現在の識別子ID1をステップS121dでの更新前の識別子ID1に復元し(ステップS120f)、タイマー111dをリセットし(ステップS120g)する。その後、実行部111bは、電子メールから「電話してください」という送信メッセージが削除されたことを示す確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS120k)、データ記憶部114の領域に格納する(ステップS120m)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0098】
[メール受信処理]
図15は、メール受信処理を例示するためのシーケンス図である。
情報処理装置110は、一定の周期で、外部ネットワーク160を通じてメールサーバ装置180にアクセスし、受信メールの有無を確認する。メールサーバ装置180に受信メールがある場合、情報処理装置110は、その受信メールを外部ネットワーク160経由で取得する(ステップS151)。受信メールはデータ記憶部114に格納される。
【0099】
次に、実行部111bは、受信メールの内容をHTTPファイル等の受信メール表示情報に変換し、この受信メール表示情報を、一定期間、データ記憶部114の或る領域に格納する(ステップS153)。表示装置150は、定期的にこのデータ記憶部114の領域にアクセスし、そこに格納された受信メール表示情報を取得する(ステップS154)。そして、表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に受信メール表示情報が格納されている期間、それによって特定される受信メールの内容を表示する(ステップS155)。
【0100】
次に、図15に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「受信メール 表示削除」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中ではない情報処理装置110の内部通信部113に入力される(ステップS102)。入力された識別子によって特定される処理は「電子メール送信」ではなく「受信メール 表示削除」であり、実行部111bは、データ記憶部114の領域から、受信メール表示情報を削除する(ステップS105)。代わりに、実行部111bは、コンテンツサーバ装置170から送信されたコンテンツをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS156)。これにより、表示装置150の表示内容が、受信メールからコンテンツへと切り替わる。
【0101】
次に、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール履歴表示」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中ではない情報処理装置110の内部通信部113に入力される(ステップS102)。
【0102】
入力された識別子によって特定される処理は「電子メール送信」ではなく「メール履歴表示」である。実行部111bは、データ記憶部114に格納されたすべての受信メールを読み出し、それらのスライドショーを生成し、それを表示装置150が表示できる形式に変換し、データ記憶部114の領域に一定期間格納する(ステップS105)。これにより、表示装置150は、当該スライドショーのデータがデータ記憶部114の領域に格納されている期間、このスライドショーを表示する(ステップS158)。また、データ記憶部114の領域から当該スライドショーのデータが削除された後、実行部111bは、コンテンツサーバ装置170から送信されたコンテンツをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS156)。これにより、表示装置150の表示内容が、受信メールのスライドショーからコンテンツへと切り替わる。
【0103】
<第1実施形態の変形例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態のステップS120では、電子メールの送信を特定する同一の識別子が2回連続して情報処理装置110に入力された場合、電子メールの作成をキャンセルするか、メッセージをキャンセルする手順を示した。しかし、画像データを取得して電子メールに添付する処理を特定する識別子が2回連続して情報処理装置110に入力された場合、1回目に入力された識別子に従って電子メールに添付された画像データを、電子メールから削除することにしてもよい。
【0104】
図16は、このようなステップS120の変形例であるステップS220の処理を例示するためのフローチャートである。また、図17は、その前提として必要となるステップS121の変形例であるステップS221の処理を例示するためのフローチャートである。以下では、ステップS221の詳細を説明した後、テップS220の詳細を説明する。
【0105】
[ステップS221の詳細]
ステップS221の処理はステップS121の代わりに実行される。
図9と図17とを比較すればわかるように、図9に示したステップS121では、識別子ID2によって特定される処理が電子メールの作成である場合にのみ、ステップS121dで識別子ID2を新たな識別子ID1としていた。これに対し、図17に示したステップS121では、識別子ID2によって特定される処理が電子メールの作成である場合及び画像データを取得して添付する処理である場合に、ステップS121dで識別子ID2を新たな識別子ID1する。
【0106】
[ステップS220の詳細]
ステップS220の処理はステップS120の代わりに実行される。
まず、判定部111aが、処理テーブル記憶部115に格納されたプログラムテーブルを用い、データ記憶部114から読み出した識別子ID1によって特定される処理が電子メールの作成であるか否かを判定する(ステップS220a)。
ここで、識別子ID1によって特定される処理が電子メールの作成であると判定された場合には、図9を用いて説明した《ステップS120の詳細例1》又は 《ステップS120の詳細例2》を実行する。
【0107】
一方、識別子ID1によって特定される処理が電子メールの作成でないと判定された場合、識別子ID1によって特定される処理は、必ず画像データを取得して添付する処理になる(図17のステップS121d及びステップS119参照)。この場合、実行部111bは、識別子ID1によって特定される処理によって電子メールに添付された画像データを電子メールから削除する(ステップS220e)。その後、上記の実施形態で説明したステップS120fからS120mと同様な処理が実行される。
【0108】
また、上記の実施形態では、電子メールに添付する添付データとして画像データを例示した。しかし、ビデオカメラやマイクロホンなどを用いて動画データや音声データを取得し、これによって取得したデータを電子メールに添付する処理を特定する識別子を定め、それを格納した記録媒体を利用する形態でもよい。また、データ記憶部114に予め格納されている画像データ等を電子メールに添付する処理を特定する識別子を定め、それを格納した記録媒体を利用する形態でもよい。
【0109】
また、電子メールの送信アドレスを固定とする場合には、送信先テーブル記憶部116や送信先を変更する処理を特定する識別子を設けなくてもかまわない。
【0110】
また、上述した識別子が特定する各処理の内容(プログラムやメッセージ)は一例であり、必要に応じて適宜変更可能であることはいうまでもない。例えば、作成中の電子メールの破棄は、前回と同じ記録媒体130が読み取られた場合だけではなく、「メール送信キャンセル」と表示され、電子メールの破棄処理を特定するための識別子が格納された記録媒体130が読み取られた場合にも実行されてもよい。また、生成した電子メールの送信の実行は、所定の待ち時間が経過した場合以外に、「直ちにメール送信」と表示され、直ちに電子メールを送信する処理を特定するための識別子が格納された記録媒体130が読み取られた場合にも実行されてもよい。
【0111】
また、識別子をバーコードやQRコードによって表示する場合には、複数の識別子を1枚のシートにまとめて配置してもよい。
【0112】
図18は、複数の識別子にそれぞれ対応するバーコードが1枚のシートにまとめて印刷されたバーコード表の記録媒体の例である。1枚のシートであれば、カードの場合よりも記録媒体を紛失してしまうリスクを低減できる。また、情報処理装置で管理されている識別子と処理との対応関係を変更した場合であっても、バーコード表の記録媒体に表示された処理内容とバーコードとの対応関係を変更して印刷し直すだけで対応できる。
【0113】
また、上記では、本発明を電子メールの送受信処理に適用した例を説明した。しかし、本発明の思想は、利用者の意思に従って処理が複数に分岐する情報処理装置及びそれを含むシステム一般に適用可能である。例えば、上述のように2つの識別子の組み合わせに応じて処理を分岐させる構成だけではなく、3つ以上の識別子の組み合わせに応じて処理を分岐させる構成であってもよい。
【0114】
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0115】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0116】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【符号の説明】
【0117】
1 情報処理システム
110 情報処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関し、特に、情報技術を使いこなせる者と使いこなせない者との間に生じる格差を軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話などの情報技術がますます発展を遂げる一方、それを使いこなせる者と使いこなせない者との間での格差(デジタルデバイド)が大きくなっている。例えば、通信サービスの多様化・高速化が急激にすすむ一方で、携帯電話での電子メール送信すら行うことが困難な人々も高齢者を中心に数多く存在する。このような情報技術を使いこなせる者と使いこなせない者との格差を軽減することができれば、世の中の利便性が向上する。
【0003】
例えば、独居老人とその安否を気遣う娘とがいるとする。その独居老人から娘に頻繁に電話連絡を行うのであれば、その娘はその独居老人の安否を確認できる。しかしながら、娘が手を離せないときに電話をして互いにいやな思いをすることを恐れ、そのような独居老人が娘になかなか電話連絡できない場合が多い。一方、このような独居老人が娘に電子メールを送信することができるのであれば、娘は手が空いた時間にその電子メールを確認し、返信することができる。このようなケースでは、送信可能な電子メールの機能が制限されていたとしても、情報技術を使いこなせない者が簡単に操作でき、なおかつ、自分の意思を伝えることができれば、十分有用である。
【0004】
電子メールの自動送信を行う従来技術としては、センサ等の検地に対応して注意喚起等の電子メールを送るシステムは多数存在する(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−200224号公報
【特許文献2】特開2007−226387号公報
【特許文献3】特開2007−317108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような情報技術を使いこなせない者が、簡単に操作でき、自分の意思を伝えられる電子メールのシステムは存在しない。
このようなデジタルデバイドの問題は、電子メールなどの情報伝達技術に限らず、利用者の意思に従って制御されるパーソナルコンピュータその他の情報処理機器にも存在する問題である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、情報技術を使いこなせない者が簡単な操作のみで情報技術を利用できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、情報処理装置の入力部に、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた当該第1識別子が入力され、当該第1識別子が記憶部に格納される。さらに、この入力部に、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた当該第2識別子が入力され、当該第2識別子が記憶部に格納される。次に、情報処理装置の処理部が、記憶部に格納された第1識別子と第2識別子とが同一であるか否かを判定する。ここで、第1識別子と第2識別子とが同一であると判定した場合には、第1制御処理が実行され、第1識別子と第2識別子とが異なると判定された場合には、第1制御処理と異なる第2制御処理が実行される。なお、第1制御処理と第2制御処理は、いずれも、第1処理及び第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である。
【0008】
ここで、本発明の利用者が行うことは、同一又は異なる記録媒体にそれぞれ格納された第1識別子及び第2識別子を装置に読み込ませるといった簡単な操作のみである。これに対し、情報処理装置は、第1識別子と第2識別子との組み合わせに応じて処理を分岐させ、多様な処理を実行する。すなわち、情報処理装置の処理部は、入力された第1識別子と第2識別子とが同一か否かに応じて異なる制御処理を行う。また、この制御処理の対象となる処理は、第1識別子と第2識別子とによってそれぞれ特定される処理である。つまり、本発明の利用者は、それほど多くの記録媒体を使い分けることなく、それらに格納させた識別子を装置に読み込ませるといった簡単な操作のみによって、情報処理装置に多様な処理を実行させることができる。
【0009】
なお、本発明は、3つ以上の識別子の組み合わせに応じて処理を分岐させる構成を排除するものではない。すなわち、情報処理装置の処理部が実行する第1識別子と第2識別子とが同一であるか否かの判定は、3つ以上の識別子間の同一性を判定する処理の一部であってもよい。
【0010】
また、本発明において好ましくは、情報処理装置の処理部は、第1識別子が入力部に入力された時点以降の或る基準時から或る待ち時間が経過する前に、入力部に第2識別子が入力されたか否かを判定する。そして、処理部は、当該待ち時間が経過する前に第2識別子が入力されたと判定した場合に第3制御処理を行い、当該待ち時間が経過する前に第2識別子が入力されなかったと判定した場合に第3制御処理と異なる第4制御処理を行う。なお、第3制御処理と第4制御処理は、いずれも、第1処理及び第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である。
【0011】
この場合の利用者は、使用する記録媒体の数を増加させることなく、それらの識別子を装置に読み込ませるタイミングを相違させるだけで、さらに多様な処理を情報処理装置に実行させることができる。
【0012】
また、例えば、本発明を電子メールの作成処理に適用する場合、第1記録媒体には、第1処理の内容が表示され、第2記録媒体には、第2処理の内容が表示される。また、第1処理は、第1識別子で特定される第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第1データを電子メールの添付データとする処理を含み、第2処理は、第2識別子で特定される第2メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第2データを電子メールの添付データとする処理を含む。そして、第1制御処理は、第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理を取り消す制御処理、又は、第1データを電子メールの添付データとする処理を取り消す制御処理を含み、第2制御処理は、第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、第1データを電子メールの添付データとする処理に加え、さらに、第2メッセージを電子メールの送信メッセージとして追加する処理、又は、第2データを電子メールの添付データとして追加する処理、を実行する制御処理を含む。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明では、情報技術を使いこなせない者が簡単な操作のみで情報技術を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態の情報処理システムの全体構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、図1の情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図3(A)は、プログラムテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(B)は、メッセージテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(C)は、送信先アドレステーブルのデータ構成を例示するための図である。
【図4】図4は、記録媒体としてICカードを用いた例を説明するための図である。
【図5】図5は、確認画面の一例を示した図である。
【図6】図6は、確認画面の一例を示した図である。
【図7】図7は、本実施形態の情報処理装置が実行する処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、図7のステップS120の処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図7のステップS121の処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図11】図11は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図12】図12は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図13】図13は、メール送信処理の取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
【図14】図14は、送信メッセージの取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
【図15】図15は、メール受信処理を例示するためのシーケンス図である。
【図16】図16は、ステップS120の変形例であるステップS220の処理を例示するためのフローチャートである。
【図17】図17は、ステップS121の変形例であるステップS221の処理を例示するためのフローチャートである。
【図18】図18は、複数の識別子にそれぞれ対応するバーコードが1枚のシートにまとめて印刷されたバーコード表の記録媒体の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本形態は、本発明を電子メールの送受信処理に適用した例である。
<構成>
図1は、本実施形態の情報処理システム1の全体構成を説明するためのブロック図である。また、図2は、図1の情報処理装置110の構成を説明するためのブロック図である。また、図3(A)は、プログラムテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(B)は、メッセージテーブルのデータ構成を例示するための図であり、図3(C)は、送信先アドレステーブルのデータ構成を例示するための図である。また、図4は、記録媒体130としてICカードを用いた例を説明するための図である。
【0016】
[全体構成]
図1に例示するように、本形態の情報処理システム1は、情報処理装置110と、読み取り装置120と、記録媒体130と、カメラ140と、表示装置150とを有し、インターネットなどの外部ネットワーク160を通じて、メールサーバ装置180やコンテンツサーバ装置170と通信可能に接続されている。
【0017】
[情報処理装置110]
図2に例示するように、本形態の情報処理装置110は、処理部111と、外部通信部112と、内部通信部113(「入力部」及び「出力部」に相当)と、データ記憶部114と、処理テーブル記憶部115と、送信先テーブル記憶部116とを有する。また、処理部111は、判定部111aと、実行部111bと、制御処理決定部111cと、タイマー111dとを有する。
【0018】
処理テーブル記憶部115には、識別子と当該識別子によって特定される処理とを対応付けたテーブルが格納されている。本形態では、処理テーブル記憶部115に、識別子と当該識別子によって特定されるプログラム(スクリプト等)とを対応付けたテーブルであるプログラムテーブルと(図3(A))、プログラムが電子メール送信を行うものの場合にその電子メールの送信メッセージとなるメッセージと当該識別子とを対応付けたメッセージテーブルと(図3(B))が格納されるものとする。
【0019】
図3(A)に例示するプログラムテーブルには、「電子メール送信」「電子メール送信先変更」「受信メール表示削除」「受信メール履歴表示」「カメラ画像添付」などの各処理を実行するためのプログラムと、それぞれに対応する「00000001」,....,「00000501」などの識別子とが対応付けられている。また、図3(B)に例示するメッセージテーブルには、「今日は元気です」「調子はまあまあです」「体調が悪いです」「電話してください」などの報告用や要求用のメッセージや「ありがとう」「遠慮します」「ごめんなさい」「わかりました」などの応答用のメッセージと、それぞれに対応する「00000001」,....,「00000007」などの識別子とが対応付けられている。なお、「電子メール送信」という処理は、電子メールを生成するためのプログラムとメッセージとの組み合わせで特定される。例えば、識別子「00000001」によって特定される処理は、「『元気です』というメッセージを送信メッセージに含む電子メールを作成する処理」である。一方、識別子「00000002」によって特定される処理は、「『調子はまあまあです』というメッセージを送信メッセージに含む電子メールを作成する処理」である。そのため、或る識別子に対応する「電子メール送信」という処理は、その識別子を用い、図3(A)に例示するプログラムテーブルと、図3(B)に例示するメッセージテーブルとの両方を検索することによって特定される。
【0020】
また、送信先テーブル記憶部116には、電子メールの送信先アドレスとして選択可能なアドレスと、アドレスをそれぞれ特定する識別子と、送信先アドレスに対応する表示と、選択されている送信先アドレスを示す情報とが対応付けられた送信先アドレステーブルが格納されている。図3の例の送信先アドレステーブルでは、「aaa@bbb.ccc.jp」,...,「mmm.nn@ooo.pp.jp」などの電子メールの送信先アドレスとして選択可能なアドレスと、「00000201」,...,「00000205」などのアドレスをそれぞれ特定する識別子と、「息子(一郎)」,...,「孫(太陽)」などの送信先アドレスに対応する表示と、「○」で図示された選択されている送信先アドレスを示すフラグ情報とが対応付けられている。この例では「ddd@eee.fff.com」が送信先アドレスとして選択されている。なお「電子メール送信」と同様、或る識別子に対応する「電子メール送信先変更」という処理は、その識別子を用い、図3(A)に例示するプログラムテーブルと、図3(C)に例示する送信先アドレステーブルとの両方を検索することによって特定できる。
【0021】
なお、情報処理装置110は、CPU(central processing unit)、RAM(random-access memory)、ROM(read-only memory)等を有する公知のコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて構成される装置である。すなわち、処理部111は、例えば、所定のプログラムがCPUに読み込まれて構成される処理部である。また、処理部111の少なくとも一部が電子回路によって構成されてもよい。また、データ記憶部114と、処理テーブル記憶部115と、送信先テーブル記憶部116は、例えば、補助記憶装置、RAM、レジスタ或いはキャッシュメモリ、又はそれらの少なくとも一部を結合した記憶領域である。また、外部通信部112は、例えば、外部ネットワーク160と通信可能なモデムなどの通信装置である。また、内部通信部113は、例えば、読み取り装置120、カメラ140及び表示装置150などの内部ネットワーク(家庭内ネットワーク)と通信可能なLANカードや入出力ポートなどである。また、情報処理装置110の具体例は、ホームゲートウェイ(HGW: Home Gate-Way)や、所定のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータなどである。
【0022】
[読み取り装置120]
図1に例示するように、本形態の読み取り装置120は、読み取り部121と通信部122(「出力部」に相当)を有する。本形態の読み取り装置120の例は、ICカードリーダ、RFタグリーダ、磁気カードリーダ、バーコードリーダ、QRコードリーダなどであり、使用される記録媒体130に応じて選択される。本形態では、読み取り装置120としてICカードリーダを用いる例を説明する。
【0023】
[記録媒体130]
本形態の記録媒体130の例は、ICカード、RFタグ、磁気カード、バーコードカード、QRコードカードなどである。記録媒体130には、処理を特定するための識別子が記録され、さらに、その外部には当該識別子によって特定される処理の内容が表示されている。なお、記録媒体130がICカードやRFタグや磁気カードの場合、識別子は電磁気的なデータとして記録媒体130に記録されており、記録媒体130がバーコードカードやQRコードカードの場合、識別子は記録媒体130の表面に印刷等されたバーコードやQRコードとして記録媒体130に記録されている。また、識別子は、前述の処理テーブル格納部115に格納されるテーブルの識別子に対応する。本形態では、記録媒体130としてICカードを用いる例を説明する。
【0024】
図4に示す例では、複数種類の記録媒体130が用いられる。各記録媒体130には、それぞれ1つの識別子が記録され、その外部には当該識別子によって特定される処理の内容が表示されている。
【0025】
例えば、「メール送信 元気です」と表示された記録媒体130には、「『元気です』というメッセージを送信メッセージに含む電子メールを作成する処理」を特定する識別子が格納されている。なお、メッセージの例としては、「今日は元気です」の他に「調子はまあまあです」「体調が悪いです」「電話してください」などの報告用や要求用のメッセージや、「ありがとう」「遠慮します」「ごめんなさい」「わかりました」などの応答用のメッセージが想定できる。
【0026】
また、「メール送信先変更 息子(一郎)」と表示された記録媒体130には、「電子メールの送信先を『息子(一郎)』へ変更する処理」を特定する識別子が格納されている。また、「受信メール表示削除」と表示された記録媒体130には、「受信メールを削除する処理」を特定する識別子が格納され、「受信メール履歴表示」と表示された記録媒体130には、「受信メールの履歴を表示する処理」を特定する識別子が格納されている。また、「カメラ画像添付」と表示された記録媒体130には、「カメラ140画像を撮影させ、その画像データを電子メールの添付データとする処理」を特定する識別子が格納されている。なお、これらは一例であり、その他の処理の内容を表示した記録媒体130にその処理を特定する識別子が格納されていてもよい。
【0027】
[カメラ140]
カメラ140の例は、情報処理装置110からの要求に応じて画像を撮影し、その画像データを情報処理装置110に送信するネットワークカメラなどである。
[表示装置150]
表示装置150の例は、ブラウザ機能を持つデジタルフォトフレームや、パーソナルコンピュータから送信された画像情報を表示するディスプレイなどである。本形態では、表示装置150としてデジタルフォトフレームを用いる例を説明する。
【0028】
この場合、表示装置150は、周期的に情報処理装置110のデータ記憶部114のある領域(URL: Uniform Resource Locator)にアクセスし、そこから取得したデータを表示する。この機能は、例えば、表示装置150を立ち上げた際に情報処理装置110から表示装置150に送信されるHTTPファイルに含まれるプログラム(スクリプト)によって実現される。これにより、表示装置150がアクセスするデータ記憶部114の領域に所望のデータを格納しておけば、その領域にデータが存在する期間に限り、表示装置150はそのデータに対応する表示を表示する。また、表示装置150は、定期的に表示更新を行う。これにより、表示装置150は、アクセスするデータ記憶部114の領域に格納されるデータに応じ、その表示内容を変化させる。
【0029】
<処理の概要>
まず、本形態の処理の概要を説明する。
本形態の情報処理システム1の利用者が電子メールの送信を希望する場合、その利用者は、前述の「メール送信 元気です」等の「メール送信」を含む表示がなされた記録媒体130(図4)から、自らの意思にあった表示がなされているものを選択する。次に、利用者は、選択した記録媒体130を読み取り装置120に読み取らせる。これにより、その記録媒体130に格納されていた識別子が読み取り装置120に読み取られ、情報処理装置110に送られる。情報処理装置110は、送られた識別子に対応するメッセージを送信メッセージとした電子メールを作成する。その後、所定の待ち時間が経過するまでに、同一の記録媒体130の識別子が読み取られた場合、先の電子メールの作成処理等が取り消される。一方、所定の待ち時間が経過するまでに、「メール送信」を含む表示がなされた別の記録媒体130の識別子が読み取られた場合には、その新たに読み取られた識別子に対応するメッセージが電子メールの送信メッセージに追加される。また、所定の待ち時間が経過するまでに、「カメラ画像添付」と表示された記録媒体130が読み取られた場合には、カメラ140で写真撮影が行われ、その画像データが電子メールの添付データとされる。そして、所定の待ち時間が経過した場合、情報処理装置110は、生成した電子メールを送信する。なお、送信先アドレスは、「送信先変更」を含む表示がなされた記録媒体130の識別子を読み取り装置120に読み取らせることで設定又は変更することが可能である。しかし、操作の簡易性を担保するため、常に同じ送信先アドレスを用いることが望ましい。
【0030】
一方、情報処理装置110は、一定の周期で、外部ネットワーク160を通じてメールサーバ装置180にアクセスし、受信メールの有無を確認する。メールサーバ装置180に受信メールがある場合、情報処理装置110は、その受信メールを外部ネットワーク160経由で受信する。受信メールはデータ記憶部114に格納される。さらに、受信メールの内容は表示装置150が表示可能な形式の情報(例えば、HTTPファイル)に変換される。この受信メールの内容は表示装置150が表示可能な形式の情報(以下「受信メール表示情報」という)は、一定期間、データ記憶部114の或る領域(URL)に格納される。表示装置150は、定期的に当該データ記憶部114の領域にアクセスし、この領域に受信メール表示情報が存在している間、当該受信メール表示情報を取得し、それを表示する。この表示は、受信メール表示情報がデータ記憶部114に存在する限り継続し、これがデータ記憶部114の領域から削除されることで終了する。本形態の情報処理装置110は、受信メール表示情報をデータ記憶部114の或る領域に格納し、一定期間経過後、この領域から受信メール表示情報を削除する。これにより、表示装置150での受信メールの内容の表示が終了する。また、利用者が受信メールの内容の表示を急いで終了させたい場合には、利用者は「受信メール 表示削除」と表示された記録媒体130の識別子を読み取り装置120に読み取らせる。これによっても、受信メール表示情報がデータ記憶部114の領域から削除され、表示装置150での受信メールの内容の表示が終了する。
【0031】
また、情報処理装置110のデータ記憶部14には、これまで受信された受信メールが保存される。ただし、本形態では、データ記憶部14の記憶容量や利便性を勘案し、データ記憶部14には一定数以上の受信メールを保存しないこととし、それ以上の受信メールが新たに受信された場合には、古い順にデータ記憶部14から受信メールが削除される。利用者が受信された受信メールの履歴を閲覧したいと思った場合、利用者は「受信メール 履歴表示」と表示された記録媒体を読み取り装置120に読み取らせる。これにより、情報処理装置110は、データ記憶部14に保存している受信メールの履歴情報を生成し、表示装置150に表示される。
【0032】
なお、本形態では、コンテンツサーバ装置170が、ネットワーク160を通じ、情報処理装置110にコンテンツを配信している。上述した受信メールの内容の表示や履歴情報の表示等を行う必要がないタイミングでは、情報処理装置110に配信されたコンテンツが、表示装置150がアクセスするデータ記憶部114の領域に格納される。これにより、上述した受信メールの内容の表示や履歴情報の表示等の有無に応じ、表示装置150で表示される内容が切り替わる。
【0033】
<情報処理装置110が実行する処理>
次に、上述のような処理を実現するために情報処理装置110が実行する処理を例示する。なお、以下に説明する処理は一例に過ぎず、これは本発明を限定するものではない。
図7は、本実施形態の情報処理装置110が実行する処理を説明するためのフローチャートである。また、図8は、図7のステップS120の処理を説明するためのフローチャートであり、図9は、図7のステップS121の処理を説明するためのフローチャートである。
【0034】
読み取り装置120の読み取り部121で記録媒体130から読み取られた識別子は、通信部122から出力される。情報処理装置110の内部通信部113は、読み取り装置120から出力された識別子の入力を受け付け、当該識別子に従い、以下のような処理を実行する。
【0035】
まず、情報処理装置110の処理部110aの判定部111aは、処理部11aの実行部111bが後述のように電子メールの作成を開始し、現在、電子メールの作成中であるか否かを判定する(ステップS101)。この判定は、例えば、実行部111bが電子メールの作成を開始したときに、電子メールの作成中であることを示すフラグ情報をデータ記憶部114に格納し、実行部111bが電子メールの作成を終了したときに当該フラグ情報をデータ記憶部114から削除することにしておけば、このフラグ情報の有無を判定するだけで実行可能である。また、例えば、実行部111bが電子メールの作成を開始したときに、データ記憶部114に格納しておいたフラグ情報を「1」とし、実行部111bが電子メールの作成を終了したときに当該フラグ情報を「0」とすることにしておけば、このフラグ情報の値を判定するだけで、電子メールが作成中であるか否かを判定可能である。
【0036】
ステップS101で電子メールが作成中でないと判定された場合、判定部111aは、識別子102が内部通信部113に入力されたか否かを判定する(ステップS102)。
【0037】
ここで、識別子102が入力されていないと判定した場合、判定部111aは、ステップS102の判定を繰り返す。一方、識別子102が入力されたと判定された場合、判定部111aは、入力された識別子によって特定される処理が「電子メール送信」であるか否かを判定する(ステップS104)。この処理は、判定部111aが、入力された識別子を用いて処理テーブル記憶部115に格納されたプログラムテーブル(図3(A))を検索し、入力された識別子に対応付けられているプログラムが「電子メール送信」のものであるか否かを判定することで実現できる。
【0038】
ここで、入力された識別子によって特定される処理が「電子メール送信」であると判定された場合、処理部111の実行部111bは、入力された識別子を識別子ID1(「第1識別子」に相当)としてデータ記憶部114に格納する(ステップS106)。さらに、実行部111bは、プログラムテーブルにおいて識別子ID1に対応付けられている「メール送信」のプログラム(スクリプト等)を実行して電子メールの作成を開始し、前述した電子メールの作成中であることを示すフラグ情報等をデータ記憶部114に格納する。電子メールの作成処理では、まず、実行部111bが、処理テーブル115に格納されたメッセージテーブルを検索し、識別子ID1に対応付けられた「今日は元気です」などのメッセージ(「第1メッセージ」に相当)を抽出する。そして、実行部111bは、この識別子ID1で特定されるメッセージを電子メールの送信メッセージ(本文のメッセージ)及び件名として設定する処理(「第1処理」に相当)を実行する(ステップS107)。なお、実行部111bは、送信先テーブル記憶部116に格納された送信先アドレステーブルを参照し、フラグ情報(「○」で図示)が対応付けられた送信先アドレスを抽出し、これを作成中の電子メールの送信先アドレスとして設定する。また、送信先アドレスが固定である場合には、実行部111bは、その固定された送信先アドレスを作成中の電子メールの送信先アドレスとする。また、作成中の電子メールは、データ記憶部114に格納される。
【0039】
次に、実行部111bは、タイマー111dを起動し、この時点(「第1識別子が入力部に入力された時点以降の或る基準時」に相当)からの経過時間の計測又はそれに変換可能なカウント値のカウントを開始する(ステップS108)。
【0040】
その後、実行部111bは、「電子メール送信」処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS109)。図5は、この場合の形式変換された確認画面151−1の一例を示した図である。この例の確認画面151−1は、「送信メール確認」との文言に加え、あて先表示部151a、件名表示部151b、送信メッセージ表示部151c、添付データ表示部151d、操作表示部151e、及び待ち時間表示部151fを有する。あて先表示部151aには、送信先アドレステーブルで電子メールの送信先アドレスと対応付けられている「娘(ゆり)」などの表示が表示される。また、件名表示部151bには、ステップS107で電子メールの件名として設定された「今日は元気です」などのメッセージが表示され、送信メッセージ表示部151cには、ステップS107で電子メールの送信メッセージ(本文)として設定された「今日は元気です」などのメッセージが表示される。また、添付データ表示部151dには、電子メールに添付する画像データ等の添付データが表示されるが、この時点では添付データは存在しない。また、操作表示部151eには、「キャンセルする場合はもう一度同じカード、本文を追加する場合は追加する文章のカード、写真を添付するときは『写真カード』をかざしてください」とのメッセージが表示される。さらに、待ち時間表示部151fには、所定の待ち時間に達するまでの時間又はそれに変換可能なカウント値が表示される。これらの値は、タイマー111dから出力される経過時間やカウント値を用いて算出される。図5の例では、「あと24で送信します」と表示されている。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0041】
一方、ステップS104の判定で、入力された識別子によって特定される処理が「電子メール送信」でないと判定された場合、処理部111の実行部111bは、入力された識別子によって特定されるその他の処理を実行する(ステップS105)。
【0042】
[ステップS105の具体例]
以下に、ステップS105で実行されるその他の処理の具体例を説明する。
《識別子によって特定される処理が「電子メールの送信先変更」である場合》
この場合、実行部111bは、その識別子を用いて送信先テーブル記憶部116に格納された送信先アドレステーブル(図3(C))を検索する。そして、実行部111bは、その識別子に対応付けられている送信先アドレスを特定し、特定された送信先アドレス(利用者に選択された送信先アドレス)に対し「○」で図示されたフラグ情報を対応付ける。なお、このフラグ情報の例は「1」というビット情報である。この場合には、例えば、特定された送信先アドレスに対して「1」が対応付けられ、それ以外の送信先アドレスに対して「0」が対応付けられる。
【0043】
《識別子によって特定される処理が「受信メール表示削除」である場合》
この場合、実行部111bは、表示装置150での受信メールの内容の表示を終了させる。例えば、実行部111bは、データ記憶部114の領域から、受信メール表示情報を削除する。これにより、表示装置150での受信メールの内容の表示が終了する。
【0044】
《識別子によって特定される処理が「受信メール履歴表示」である場合》
この場合、実行部111bは、データ記憶部114に格納されたすべての受信メールを読み出し、それらの一覧情報(例えば、スライドショーなど)を生成する。さらに、実行部111bは、当該一覧情報を表示装置150が表示できる形式に変換し、形式変換された一覧情報を生成する。形式変換された一覧情報は、データ記憶部114の領域に一定期間格納される。これにより、表示装置150は、受信メールの一覧情報を一定期間表示する。
【0045】
《識別子によって特定される処理が「カメラ画像添付」である場合》
この識別子に対応する処理は、カメラ140に画像を撮影させ、それによって得られた画像データを電子メールの添付ファイルとする処理である。しかし、ステップS105の段階では電子メールの作成は行われていない。そのため、ステップS105の段階では、実行部111bは、この識別子に対して処理を実行しない。
【0046】
《その他》
その他、読み取られた識別子に応じ、コンテンツサーバ装置170から配信されるコンテンツを切り替えたり、表示装置150に表示させるコンテンツを切り替えたりすることも可能である([ステップS105の具体例]の説明終わり)。
【0047】
その後、実行部111bは、実行した処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS109)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に一定期間格納される(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0048】
また、ステップS101の判定で電子メールが作成中であると判定された場合、判定部111aは、タイマー111dから出力される経過時間やカウント値と、所定の閾値とを比較し、前述の基準時から或る待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS111)。
ここで、前述の基準時から或る待ち時間が経過したと判定された場合(「待ち時間が経過する前に第2識別子が入力されなかったと判定した場合」に相当)、制御処理決定部111cは、ステップS112からS116に示す処理を実行させる制御処理(第4制御処理)を行う。
【0049】
この制御処理に従い、実行部111bは、まず、電子メールの作成処理を終了し、前述した電子メールの作成中であることを示すフラグ情報を破棄するか、電子メールの作成中でないことを示すフラグ情報をデータ記憶部114に格納する(ステップS112)。
次に、実行部111bは、データ記憶部114から作成された電子メールを読み出し、外部通信部112を通じて送信する(ステップS113)。
【0050】
その後、実行部111bは、電子メールの送信を終了したことを示す確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS114)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納され(ステップS115)、一定時間経過後に削除される(ステップS116)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0051】
一方、ステップS111において、前述の基準時から或る待ち時間が経過していないと判定された場合、判定部111aは、識別子102が内部通信部113に入力されたか否かを判定する(ステップS117)。ここで、識別子102が入力されていないと判定された場合、処理をステップS111に戻す。
【0052】
一方、ステップS117で、識別子102が入力されたと判定された場合、制御処理決定部111cは、ステップS118からS121に示す処理を実行させる制御処理(第3制御処理)を行う。
この制御処理に従い、まず、処理部111の実行部111bが、入力された識別子を識別子ID2(「第2識別子」に相当)としてデータ記憶部114に格納する(ステップS118)。
次に、処理部111の判定部111aが、データ記憶部114に格納された識別子ID1(第1識別子)と識別子ID2(第2識別子)とが同一であるか否かを判定する(ステップS119)。
【0053】
ここで、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であると判定した場合、制御処理決定部111cは、識別子ID1によって特定される処理(「第1処理」に相当)を取り消すための制御処理(「第1制御処理」に相当)を実行する(ステップS120)。一方、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一でないと判定した場合、制御処理決定部111cは、前述の識別子ID1によって特定される処理(「第1処理」に相当)に加え、識別子ID2によって特定される処理(「第2処理」に相当)を追加する処理を実行させる制御処理(「第2制御処理」に相当)を実行する(ステップS121)。
【0054】
以下に、ステップS120及びS121の詳細を例示する。なお、以下で説明するステップS120及びS121の詳細は、それぞれ一例にすぎず、本発明を限定するものではない。また、以下では説明の便宜上、ステップS121の詳細を説明した後、テップS120の詳細を説明する。
【0055】
[ステップS121(第2制御処理)]
ステップS121(第2制御処理)の処理は、識別子ID1によって特定されるメッセージ(「第1メッセージ」に相当)を電子メールの送信メッセージとする処理、又は、識別子ID1にしたがって撮影された画像データ(「第1データ」に相当)を電子メールの添付データとする処理に加え、さらに、識別子ID2によって特定されるメッセージ(「第2メッセージ」に相当)を電子メールの送信メッセージとして追加する処理、又は、識別子ID1にしたがって撮影される画像データ(第2データ)を電子メールの添付データとして追加する処理、を実行する制御処理を含む。
【0056】
以下、図9を用いてステップS121の詳細を説明する。
まず、処理部111の判定部111aが、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」であるか否かを判定する(ステップS121a)。この処理は、判定部111aが、識別子ID2を用いて処理テーブル記憶部115に格納されたプログラムテーブル(図3(A))を検索し、識別子ID2に対応付けられているプログラムが「電子メール送信」のものであるか否かを判定することで実現できる。
【0057】
ここで、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」であると判定された場合、実行部111は、タイマー111dで計測やカウントされている経過時間やカウント値を初期値にリセット(基準点をリセット)し、ステップS108と同様な初期状態から経過時間やカウント値の計測やカウントを再開する(ステップS121b)。
【0058】
次に、実行部111bは、プログラムテーブルにおいて識別子ID2に対応付けられている「メール送信」のプログラム(スクリプト等)を実行し、処理テーブル115に格納されたメッセージテーブル(図3(B))を検索し、識別子ID2に対応付けられた「電話してください」などのメッセージ(「第2メッセージ」に相当)を抽出する。そして、実行部111bは、この識別子ID2で特定されるメッセージを電子メールの送信メッセージ(本文のメッセージ)として追加する(ステップS121c)。
【0059】
次に、実行部111bは、データ記憶部114に格納されている識別子ID2を新たな識別子ID1としてデータ記憶部114を更新する(ステップS121d)。なお、この更新前の識別子ID1は、後に復元が可能なようにデータ記憶部114の履歴領域に格納される。
【0060】
その後、実行部111bは、「電子メール送信」処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS121i)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS121j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0061】
一方、ステップS121aの判定で、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」でないと判定された場合、次に、判定部111aは、識別子ID2によって特定される処理が「カメラ画像添付」であるか否かを判定する(ステップS121e)。
【0062】
ここで、識別子ID2によって特定される処理が「カメラ画像添付」であると判定された場合、まず、実行部111bは、タイマー111dで計測やカウントされている経過時間やカウント値を初期値にリセット(基準点をリセット)し、ステップS108と同様な初期状態から経過時間やカウント値の計測やカウントを再開する(ステップS121g)。次に、実行部111bは、プログラムテーブルにおいて識別子ID2に対応付けられている「カメラ画像添付」のプログラム(スクリプト等)を実行し、内部通信部113からカメラ140に画像撮影命令(HTTPリクエスト等)を送る。画像撮影命令を受けたカメラ140は画像を撮影し、その画像データを送信する。この画像データは内部通信部113に入力され、データ記憶部114に格納される。実行部111bは、データ記憶部114からこの画像データを読み出し、それを電子メールの添付データとして追加する(ステップS121h)。
【0063】
その後、実行部111bは、「電子メール送信」処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS121i)。
【0064】
図6は、電子メール作成処理が開始された後、1回目のステップS121の処理でステップS121b〜S121dの処理が実行されて送信メッセージが追加され、2回目のステップS121の処理でステップS121e〜S121hの処理が実行されて画像データが添付データとして電子メールに添付された場合の確認画面151−2の一例を示した図である。図6の例では、送信メッセージ表示部151cには、ステップS121cで電子メールの送信メッセージとして追加された「電話してください」のメッセージが追加されている。また、添付データ表示部151dには、ステップS121hで取得された画像データが表示される。
【0065】
形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0066】
一方、ステップS121eの判定で、識別子ID2によって特定される処理が「カメラ画像添付」でないと判定された場合、実行部111bは、入力された識別子によって特定されるその他の処理を実行する(ステップS121f)。なお、ステップS121fの詳細は、前述したステップS105の詳細と同様である。
【0067】
その後、実行部111bは、実行した処理に応じた確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS121i)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に一定期間格納される(ステップS121j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0068】
[ステップS120(第1制御処理)の詳細]
ステップS120(第1制御処理)の処理は、識別子ID1によって特定されるメッセージ(「第1メッセージ」に相当)を電子メールの送信メッセージとする処理を取り消す制御処理を含む。以下、図8を用いてステップS120の詳細を説明する。
【0069】
《ステップS120の詳細例1》
ステップS120の詳細例1は、電子メール作成が開始されてからステップS121の処理が実行されることなくステップS120の処理が実行される場合、及び、電子メール作成が開始されてから1回以上のステップS121の処理が実行された後にステップS120の処理が実行される場合、の両方の場合に適用可能な処理である。
【0070】
ステップS120の詳細例1では、処理部111の実行部111bが、作成中の電子メールを破棄し、データ記憶部114から削除して、電子メール作成処理を終了する。これに伴い、実行部111bは、前述した電子メールの作成中であることを示すフラグ情報を破棄するか、電子メールの作成中でないことを示すフラグ情報をデータ記憶部114に格納する(ステップS120d)。
【0071】
その後、実行部111bは、電子メール作成処理を終了したことを示す確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS120h)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納され(ステップS120i)、一定時間経過後に削除される(ステップS120j)。表示装置150は、表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0072】
《ステップS120の詳細例2》
ステップS120の詳細例2は、電子メール作成が開始されてから1回以上のステップS121の処理が実行された後にステップS120の処理が実行される場合に適用可能な処理である。
【0073】
まず、実行部111bは、データ記憶部114に格納されている作成中の電子メールから、識別子ID2(この場合はID1=ID2)によって特定されるメッセージを削除し、その電子メールをデータ記憶部114に格納する(ステップS120b)。次に、判定部111aが、ステップS120bで識別子ID2によって特定されるメッセージが削除された電子メールに送信メッセージが残存するか否かを判定する(ステップS120c)。
【0074】
ここで、電子メールに送信メッセージが残存しない判定された場合には、《ステップS120の詳細例1》の処理が実行され、処理がステップS101に戻される。
一方、電子メールに送信メッセージが残存すると判定された場合には、実行部120fは、ステップS121dでの更新前の識別子ID1を復元する。なお、ステップS121dでの識別子ID1の更新が複数回実行されていた場合には、最新の更新前の識別子ID1に復元される(ステップS120f)。復元された識別子ID1は、データ記憶部114に格納される。
【0075】
次に、実行部111は、タイマー111dで計測やカウントされている経過時間やカウント値を初期値にリセット(基準点をリセット)し、ステップS108と同様な初期状態から経過時間やカウント値の計測やカウントを再開する(ステップS120g)。
【0076】
その後、実行部111bは、ステップS120bで識別子ID2によって特定されるメッセージが削除された電子メールに対応する確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS120k)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納される(ステップS120m)。表示装置150は、表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し、それを表示する。また、処理がステップS101に戻される。
【0077】
<処理の具体例>
次に、これまで図7から図9を用いて説明した各ステップを引用しつつ、情報処理システム1が実行する各処理の具体例を説明する。
【0078】
[メール送信処理]
図10から図12は、メール送信処理を例示するためのシーケンス図である。なお、以下の処理において、図7から図9を用いて説明したステップに対応するステップについては、図7から図9で用いたステップの番号を用いる。
【0079】
まず、図10に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール送信 今日は元気です」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中ではない情報処理装置110の内部通信部113に入力される(ステップS102)。入力された識別子によって特定される処理は「電子メール送信」であるため、この識別子が識別子ID1としてデータ記憶部114に格納される(ステップS106)。次に、実行部111bが、識別子ID1で特定されるメッセージ「今日は元気です」を電子メールの送信メッセージ及び件名として設定する(ステップS107)。
【0080】
次に、実行部111bは、タイマー起動を行い(ステップS108)、「今日は元気です」を送信メッセージとする電子メールに応じた確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS109)、これをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0081】
引き続いて、図11に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール送信 電話してください」と表示された記録媒体130に記録された識別子が、読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0082】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定するが(ステップS119)、これらは同一ではなく、なおかつ、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」であるため(図9のステップS121a参照)、実行部111bが、タイマー111dのリセットを行う(ステップS121b)。次に、実行部111bは、識別子ID2で特定されるメッセージ「電話してください」を電子メールの送信メッセージとして追加し(ステップS121c)、さらに、データ記憶部114に格納されている識別子ID2を新たな識別子ID1としてデータ記憶部114を更新する(ステップS121d)。
【0083】
次に、実行部111bは、「今日は元気です」「電話してください」を送信メッセージとした電子メールに応じた確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS109)、これをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0084】
引き続いて、図12に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「カメラ画像添付」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0085】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定するが(ステップS119)、これらは同一ではなく、なおかつ、識別子ID2によって特定される処理が「電子メール送信」ではなく(図9のステップS121a参照)、「カメラ画像添付」であるため(図9のステップS121e参照)、実行部111bが、タイマー111dのリセットを行う(ステップS121g)。
【0086】
次に、実行部111bは、「カメラ画像添付」のプログラム(スクリプト等)を実行し、内部通信部113からカメラ140に画像撮影命令を送る。画像撮影命令を受けたカメラ140は画像を撮影し、その画像データを送信する(ステップS19)。この画像データは内部通信部113に入力され、実行部111bは、この画像データを電子メールの添付データとして追加する(ステップS121h)。
【0087】
次に、実行部111bは、「今日は元気です」「電話してください」を送信メッセージとし、画像データが添付された電子メールに応じたHTTPファイル等の確認画面を生成し(ステップS109)、これをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS110)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0088】
その後、新たな記録媒体130からの識別子の読み取りは行われず、所定の待ち時間が経過したとする。この場合、実行部111bは、「今日は元気です」「電話してください」を送信メッセージとし、上述の画像データが添付された電子メールを送信する(ステップS113)。
【0089】
その後、実行部111bは、電子メールの送信を終了したことを示す確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS114)、データ記憶部114の領域に格納し(ステップS115)、一定時間経過後に削除する(ステップS117)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS15)、それを表示する(ステップS16)。
【0090】
[メール送信処理の取り消し処理]
図13は、メール送信処理の取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
図13に示す処理は、図10を用いて説明した処理に引き続いて実行される。
図10の処理が終了した後、読み取り装置120の読み取り部121によって、図13に示すように「メール送信 今日は元気です」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。図13の記録媒体130は図10の記録媒体130と同一であり、それらに格納された識別子も同一である。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0091】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定する(ステップS119)。この例ではこれらが同一であるため、実行部111bは、作成中の電子メールを破棄し、電子メール作成処理を終了する(ステップS12d)。
【0092】
その後、実行部111bは、電子メール作成処理を終了したことを示す確認画面を作成し、それを表示装置150が表示可能な形式に変換し、形式変換された確認画面を生成する(ステップS120h)。形式変換された確認画面は、データ記憶部114の領域に格納され(ステップS120i)、一定時間経過後に削除される(ステップS120j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS15)、それを表示する(ステップS16)。また、処理がステップS101に戻される。
【0093】
次に、実行部111bは、電子メール作成処理を終了したことを示す確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS120h)、これをデータ記憶部114の領域に格納し(ステップS120i)、一定時間後に削除する(ステップS120j)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS15)、それを表示する(ステップS16)。
【0094】
[送信メッセージの取り消し処理]
図14は、送信メッセージの取り消し処理を例示するためのシーケンス図である。
図14に示す処理は、図10及び図11の処理に引き続いて実行される。また、ステップS120の処理には、ステップS120の詳細例2が用いられるものとする。
【0095】
図11の処理が終了した後、図14に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール送信 電話してください」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。なお、図14の記録媒体130は図12の記録媒体130と同一であり、それらに格納された識別子も同一である。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中の情報処理装置110の内部通信部113に入力され(ステップS117)、識別子ID2としてデータ記憶部114に格納される(ステップS118)。
【0096】
次に、判定部111aが識別子ID1と識別子ID2とが同一であるか否かを判定する(ステップS119)。この例ではこれらが同一である。よって、実行部111bは、作成中の電子メールから、識別子ID2(この場合はID1=ID2)によって特定されるメッセージ「電話してください」を削除する(ステップS120b)。
【0097】
この時点の電子メールには、まだ「今日は元気です」という送信メッセージが残存しているため、実行部120fは、現在の識別子ID1をステップS121dでの更新前の識別子ID1に復元し(ステップS120f)、タイマー111dをリセットし(ステップS120g)する。その後、実行部111bは、電子メールから「電話してください」という送信メッセージが削除されたことを示す確認画面(HTTPファイル等)を生成し(ステップS120k)、データ記憶部114の領域に格納する(ステップS120m)。表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に定期的にアクセスし、そこに形式変換された確認画面が格納されている間、当該形式変換された確認画面を取得し(ステップS13)、それを表示する(ステップS14)。
【0098】
[メール受信処理]
図15は、メール受信処理を例示するためのシーケンス図である。
情報処理装置110は、一定の周期で、外部ネットワーク160を通じてメールサーバ装置180にアクセスし、受信メールの有無を確認する。メールサーバ装置180に受信メールがある場合、情報処理装置110は、その受信メールを外部ネットワーク160経由で取得する(ステップS151)。受信メールはデータ記憶部114に格納される。
【0099】
次に、実行部111bは、受信メールの内容をHTTPファイル等の受信メール表示情報に変換し、この受信メール表示情報を、一定期間、データ記憶部114の或る領域に格納する(ステップS153)。表示装置150は、定期的にこのデータ記憶部114の領域にアクセスし、そこに格納された受信メール表示情報を取得する(ステップS154)。そして、表示装置150は、このデータ記憶部114の領域に受信メール表示情報が格納されている期間、それによって特定される受信メールの内容を表示する(ステップS155)。
【0100】
次に、図15に示すように、読み取り装置120の読み取り部121によって、「受信メール 表示削除」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中ではない情報処理装置110の内部通信部113に入力される(ステップS102)。入力された識別子によって特定される処理は「電子メール送信」ではなく「受信メール 表示削除」であり、実行部111bは、データ記憶部114の領域から、受信メール表示情報を削除する(ステップS105)。代わりに、実行部111bは、コンテンツサーバ装置170から送信されたコンテンツをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS156)。これにより、表示装置150の表示内容が、受信メールからコンテンツへと切り替わる。
【0101】
次に、読み取り装置120の読み取り部121によって、「メール履歴表示」と表示された記録媒体130に記録された識別子が読み取られたとする(ステップS11)。読み取られた識別子は通信部122から出力され(ステップS12)、電子メール作成中ではない情報処理装置110の内部通信部113に入力される(ステップS102)。
【0102】
入力された識別子によって特定される処理は「電子メール送信」ではなく「メール履歴表示」である。実行部111bは、データ記憶部114に格納されたすべての受信メールを読み出し、それらのスライドショーを生成し、それを表示装置150が表示できる形式に変換し、データ記憶部114の領域に一定期間格納する(ステップS105)。これにより、表示装置150は、当該スライドショーのデータがデータ記憶部114の領域に格納されている期間、このスライドショーを表示する(ステップS158)。また、データ記憶部114の領域から当該スライドショーのデータが削除された後、実行部111bは、コンテンツサーバ装置170から送信されたコンテンツをデータ記憶部114の領域に格納する(ステップS156)。これにより、表示装置150の表示内容が、受信メールのスライドショーからコンテンツへと切り替わる。
【0103】
<第1実施形態の変形例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態のステップS120では、電子メールの送信を特定する同一の識別子が2回連続して情報処理装置110に入力された場合、電子メールの作成をキャンセルするか、メッセージをキャンセルする手順を示した。しかし、画像データを取得して電子メールに添付する処理を特定する識別子が2回連続して情報処理装置110に入力された場合、1回目に入力された識別子に従って電子メールに添付された画像データを、電子メールから削除することにしてもよい。
【0104】
図16は、このようなステップS120の変形例であるステップS220の処理を例示するためのフローチャートである。また、図17は、その前提として必要となるステップS121の変形例であるステップS221の処理を例示するためのフローチャートである。以下では、ステップS221の詳細を説明した後、テップS220の詳細を説明する。
【0105】
[ステップS221の詳細]
ステップS221の処理はステップS121の代わりに実行される。
図9と図17とを比較すればわかるように、図9に示したステップS121では、識別子ID2によって特定される処理が電子メールの作成である場合にのみ、ステップS121dで識別子ID2を新たな識別子ID1としていた。これに対し、図17に示したステップS121では、識別子ID2によって特定される処理が電子メールの作成である場合及び画像データを取得して添付する処理である場合に、ステップS121dで識別子ID2を新たな識別子ID1する。
【0106】
[ステップS220の詳細]
ステップS220の処理はステップS120の代わりに実行される。
まず、判定部111aが、処理テーブル記憶部115に格納されたプログラムテーブルを用い、データ記憶部114から読み出した識別子ID1によって特定される処理が電子メールの作成であるか否かを判定する(ステップS220a)。
ここで、識別子ID1によって特定される処理が電子メールの作成であると判定された場合には、図9を用いて説明した《ステップS120の詳細例1》又は 《ステップS120の詳細例2》を実行する。
【0107】
一方、識別子ID1によって特定される処理が電子メールの作成でないと判定された場合、識別子ID1によって特定される処理は、必ず画像データを取得して添付する処理になる(図17のステップS121d及びステップS119参照)。この場合、実行部111bは、識別子ID1によって特定される処理によって電子メールに添付された画像データを電子メールから削除する(ステップS220e)。その後、上記の実施形態で説明したステップS120fからS120mと同様な処理が実行される。
【0108】
また、上記の実施形態では、電子メールに添付する添付データとして画像データを例示した。しかし、ビデオカメラやマイクロホンなどを用いて動画データや音声データを取得し、これによって取得したデータを電子メールに添付する処理を特定する識別子を定め、それを格納した記録媒体を利用する形態でもよい。また、データ記憶部114に予め格納されている画像データ等を電子メールに添付する処理を特定する識別子を定め、それを格納した記録媒体を利用する形態でもよい。
【0109】
また、電子メールの送信アドレスを固定とする場合には、送信先テーブル記憶部116や送信先を変更する処理を特定する識別子を設けなくてもかまわない。
【0110】
また、上述した識別子が特定する各処理の内容(プログラムやメッセージ)は一例であり、必要に応じて適宜変更可能であることはいうまでもない。例えば、作成中の電子メールの破棄は、前回と同じ記録媒体130が読み取られた場合だけではなく、「メール送信キャンセル」と表示され、電子メールの破棄処理を特定するための識別子が格納された記録媒体130が読み取られた場合にも実行されてもよい。また、生成した電子メールの送信の実行は、所定の待ち時間が経過した場合以外に、「直ちにメール送信」と表示され、直ちに電子メールを送信する処理を特定するための識別子が格納された記録媒体130が読み取られた場合にも実行されてもよい。
【0111】
また、識別子をバーコードやQRコードによって表示する場合には、複数の識別子を1枚のシートにまとめて配置してもよい。
【0112】
図18は、複数の識別子にそれぞれ対応するバーコードが1枚のシートにまとめて印刷されたバーコード表の記録媒体の例である。1枚のシートであれば、カードの場合よりも記録媒体を紛失してしまうリスクを低減できる。また、情報処理装置で管理されている識別子と処理との対応関係を変更した場合であっても、バーコード表の記録媒体に表示された処理内容とバーコードとの対応関係を変更して印刷し直すだけで対応できる。
【0113】
また、上記では、本発明を電子メールの送受信処理に適用した例を説明した。しかし、本発明の思想は、利用者の意思に従って処理が複数に分岐する情報処理装置及びそれを含むシステム一般に適用可能である。例えば、上述のように2つの識別子の組み合わせに応じて処理を分岐させる構成だけではなく、3つ以上の識別子の組み合わせに応じて処理を分岐させる構成であってもよい。
【0114】
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0115】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0116】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【符号の説明】
【0117】
1 情報処理システム
110 情報処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と記憶部と処理部とを有し、
前記入力部は、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた前記第1識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第1識別子を格納し、
前記入力部は、さらに、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた前記第2識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第2識別子を格納し、
前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1識別子と前記第2識別子とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記処理部は、前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定し、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に第1制御処理を行い、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第1制御処理と異なる第2制御処理を行い、
前記第1制御処理と前記第2制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1の情報処理装置であって、
前記第1制御処理は、前記第1処理を取り消す処理を含み、
前記第2制御処理は、前記第1処理に加え、さらに、前記第2処理を追加して実行する処理を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2の情報処理装置であって、
前記処理部は、前記第1識別子が前記入力部に入力された時点以降の或る基準時から或る待ち時間が経過する前に、前記入力部に前記第2識別子が入力されたか否かを判定し、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されたと判定した場合に第3制御処理を行い、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されなかったと判定した場合に前記第3制御処理と異なる第4制御処理を行い、
前記第3制御処理と前記第4制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3の情報処理装置であって、
前記第3制御処理は、前前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定し、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に前記第1制御処理を行い、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第2制御処理を行う処理を含む、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4の情報処理装置であって、
前記第1記録媒体には、前記第1処理の内容が表示され、
前記第2記録媒体には、前記第2処理の内容が表示され、
前記第1処理は、前記第1識別子で特定される第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第1データを電子メールの添付データとする処理を含み、
前記第2処理は、前記第2識別子で特定される第2メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第2データを電子メールの添付データとする処理を含み、
前記第1制御処理は、
前記第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理を取り消す制御処理、又は、前記第1データを電子メールの添付データとする処理を取り消す制御処理を含み、
前記第2制御処理は、
前記第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、前記第1データを電子メールの添付データとする処理に加え、さらに、前記第2メッセージを電子メールの送信メッセージとして追加する処理、又は、前記第2データを電子メールの添付データとして追加する処理、を実行する制御処理を含む、情報処理装置。
【請求項6】
処理を特定する識別子が記録された記録媒体と、
読み取り部と出力部とを含む読み取り装置と、
入力部と記憶部と処理部とを含む情報処理装置と、を有し、
前記読み取り部は、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から当該第1識別子を読み取り、前記出力部は、前記読み取り部で読み取られた前記第1識別子を出力し、前記入力部は、出力された前記第1識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第1識別子を格納し、
前記読み取り部は、さらに、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から当該第2識別子を読み取り、前記出力部は、前記読み取り部で読み取られた前記第2識別子を出力し、前記入力部は、出力された前記第2識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第2識別子を格納し、
前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1識別子と前記第2識別子とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記処理部は、前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定し、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に第1制御処理を行い、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第1制御処理と異なる第2制御処理を行い、
前記第1制御処理と前記第2制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理システム。
【請求項7】
請求項6の情報処理システムであって、
前記処理部は、前記第1識別子が前記入力部に入力された時点以降の或る基準時から或る待ち時間が経過する前に、前記入力部に前記第2識別子が入力されたか否かを判定し、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されたと判定した場合に第3制御処理を行い、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されなかったと判定した場合に前記第3制御処理と異なる第4制御処理を行い、
前記第3制御処理と前記第4制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理システム。
【請求項8】
入力部と記憶部と処理部とを有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記入力部において、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた当該第1識別子の入力を受け付けるステップと、
前記第1識別子を前記記憶部に格納するステップと、
前記入力部において、さらに、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた当該第2識別子の入力を受け付けるステップと、
前記第2識別子を前記記憶部に格納するステップと、
前記処理部が、前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定するステップと、
前記処理部が、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に第1制御処理を行うステップと、
前記処理部が、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第1制御処理と異なる第2制御処理を行うステップと、を有し、
前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1識別子と前記第2識別子とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1制御処理と前記第2制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理方法。
【請求項9】
請求項8の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
入力部と記憶部と処理部とを有し、
前記入力部は、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた前記第1識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第1識別子を格納し、
前記入力部は、さらに、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた前記第2識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第2識別子を格納し、
前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1識別子と前記第2識別子とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記処理部は、前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定し、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に第1制御処理を行い、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第1制御処理と異なる第2制御処理を行い、
前記第1制御処理と前記第2制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1の情報処理装置であって、
前記第1制御処理は、前記第1処理を取り消す処理を含み、
前記第2制御処理は、前記第1処理に加え、さらに、前記第2処理を追加して実行する処理を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2の情報処理装置であって、
前記処理部は、前記第1識別子が前記入力部に入力された時点以降の或る基準時から或る待ち時間が経過する前に、前記入力部に前記第2識別子が入力されたか否かを判定し、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されたと判定した場合に第3制御処理を行い、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されなかったと判定した場合に前記第3制御処理と異なる第4制御処理を行い、
前記第3制御処理と前記第4制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3の情報処理装置であって、
前記第3制御処理は、前前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定し、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に前記第1制御処理を行い、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第2制御処理を行う処理を含む、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4の情報処理装置であって、
前記第1記録媒体には、前記第1処理の内容が表示され、
前記第2記録媒体には、前記第2処理の内容が表示され、
前記第1処理は、前記第1識別子で特定される第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第1データを電子メールの添付データとする処理を含み、
前記第2処理は、前記第2識別子で特定される第2メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、取得した第2データを電子メールの添付データとする処理を含み、
前記第1制御処理は、
前記第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理を取り消す制御処理、又は、前記第1データを電子メールの添付データとする処理を取り消す制御処理を含み、
前記第2制御処理は、
前記第1メッセージを電子メールの送信メッセージとする処理、又は、前記第1データを電子メールの添付データとする処理に加え、さらに、前記第2メッセージを電子メールの送信メッセージとして追加する処理、又は、前記第2データを電子メールの添付データとして追加する処理、を実行する制御処理を含む、情報処理装置。
【請求項6】
処理を特定する識別子が記録された記録媒体と、
読み取り部と出力部とを含む読み取り装置と、
入力部と記憶部と処理部とを含む情報処理装置と、を有し、
前記読み取り部は、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から当該第1識別子を読み取り、前記出力部は、前記読み取り部で読み取られた前記第1識別子を出力し、前記入力部は、出力された前記第1識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第1識別子を格納し、
前記読み取り部は、さらに、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から当該第2識別子を読み取り、前記出力部は、前記読み取り部で読み取られた前記第2識別子を出力し、前記入力部は、出力された前記第2識別子の入力を受け付け、前記記憶部は、前記入力部に入力された当該第2識別子を格納し、
前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1識別子と前記第2識別子とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記処理部は、前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定し、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に第1制御処理を行い、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第1制御処理と異なる第2制御処理を行い、
前記第1制御処理と前記第2制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理システム。
【請求項7】
請求項6の情報処理システムであって、
前記処理部は、前記第1識別子が前記入力部に入力された時点以降の或る基準時から或る待ち時間が経過する前に、前記入力部に前記第2識別子が入力されたか否かを判定し、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されたと判定した場合に第3制御処理を行い、当該待ち時間が経過する前に前記第2識別子が入力されなかったと判定した場合に前記第3制御処理と異なる第4制御処理を行い、
前記第3制御処理と前記第4制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理システム。
【請求項8】
入力部と記憶部と処理部とを有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記入力部において、第1処理を特定する第1識別子が記録された第1記録媒体から読み取られた当該第1識別子の入力を受け付けるステップと、
前記第1識別子を前記記憶部に格納するステップと、
前記入力部において、さらに、第2処理を特定する第2識別子が記録された第2記録媒体から読み取られた当該第2識別子の入力を受け付けるステップと、
前記第2識別子を前記記憶部に格納するステップと、
前記処理部が、前記記憶部に格納された前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であるか否かを判定するステップと、
前記処理部が、前記第1識別子と前記第2識別子とが同一であると判定した場合に第1制御処理を行うステップと、
前記処理部が、前記第1識別子と前記第2識別子とが異なると判定した場合に前記第1制御処理と異なる第2制御処理を行うステップと、を有し、
前記第1記録媒体と前記第2記録媒体とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1識別子と前記第2識別子とは、互いに同一であるか又は互いに異なり、
前記第1制御処理と前記第2制御処理は、いずれも、前記第1処理及び前記第2処理の少なくとも一方に対する制御処理である、情報処理方法。
【請求項9】
請求項8の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−212983(P2010−212983A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56796(P2009−56796)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、総務省「情報家電の高度利活用技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(399035766)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 (321)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、総務省「情報家電の高度利活用技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(399035766)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 (321)
【Fターム(参考)】
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