説明

情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム

【課題】機器の管理を容易にする技術を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置から、検出された機器の識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得した前記識別情報を、前記機器を管理するための機器管理情報に、前記機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報として反映させる反映手段と、前記機器に対する作業の申請を、申請者端末から受け付ける申請受付手段と、前記申請に応じた作業指示を、作業者端末に対して行う作業指示手段と、前記機器管理情報のうち、前記作業に係る機器の不変情報に関連付けられた、前記機器に対する作業が行われた場合に変化し得る可変情報を、前記作業指示に基づいて行われた作業に応じて更新することで、前記機器管理情報を更新する更新手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、資産管理システムとして、例えば、IPアドレスやMACアドレスを管理対象資産の管理情報として取得し、資産の所在を確認し、管理している資産の管理情報と取得した管理情報とが一致しなかった場合は、収集した管理情報によって登録内容を更新するシステムがある(特許文献1)。
【0003】
また、オフィス機器から収集された機器管理情報を収集して、収集した機器管理情報をオフィスシステム毎に分析し、当該分析結果を出力して顧客を支援する顧客支援システムがある(特許文献2)。
【0004】
また、情報処理装置から送信される情報機器に関する種類、接続状態、保守状態を含む環境情報を登録し、該登録された環境情報と一元管理される機器概観情報に基づいて、情報機器に関する種類、接続状態、保守状態を図形化した環境図を生成する情報機器環境情報管理サーバがある(特許文献3)。
【0005】
また、イベントの処理委託要求であるコンピュータ資源情報と、該イベントの実行処理対象である資源のコンピュータ供給情報とを管理し、これらの情報に基づいて、該イベントの実行処理に伴う情報を管理者端末ないし供給者端末に送信する情報管理システムがある(特許文献4)。
【0006】
また、IT資産情報をIT機器から取得し、取得したIT資産情報がデータベースに登録されているか否か照合し、更新が必要な場合、更新が必要な情報をIT資産情報管理サーバに送信するシステムがある(特許文献5)。
【0007】
また、置換を希望する資産管理対象の機器の資産管理台帳レコードと、置換のために新たに配送する機器の資産管理台帳レコードとを関連付けて記録する資産管理支援処理システムがある(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−290937号公報
【特許文献2】特開2002−300308号公報
【特許文献3】特開2004−213262号公報
【特許文献4】特開2007−156520号公報
【特許文献5】特開2009−122984号公報
【特許文献6】特開2009−301217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
IT機器の新設、移設、増設、交換、回収等の作業を行う場合、企業内の運用ルールに従って、申請、承認、作業依頼等の手続を行うために、企業内で利用者や利用場所等の情報を書面等で伝達、連携する運用が一般的に行われている。
【0010】
しかしながら、従来の技術では、企業内の運用ルールに従ってIT機器を管理する上で
、未だ多くの場面で人手を要する。
【0011】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、機器の管理を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0013】
すなわち、本発明の情報処理装置は、所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置から、検出された機器の識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得した前記識別情報を、前記機器を管理するための機器管理情報に、前記機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報として反映させる反映手段と、前記機器に対する作業の申請を、申請者端末から受け付ける申請受付手段と、前記申請に応じた作業指示を、作業者端末に対して行う作業指示手段と、前記機器管理情報のうち、前記作業に係る機器の不変情報に関連付けられた、前記機器に対する作業が行われた場合に変化し得る可変情報を、前記作業指示に基づいて行われた作業に応じて更新することで、前記機器管理情報を更新する更新手段と、を備える。
【0014】
上記構成によれば、機器を管理するための機器管理情報には、対象の機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報と、対象の機器に対して作業が行われた場合に変化し得る可変情報とが含まれる。そして、情報処理装置は、所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置から取得される識別情報を当該不変情報に反映させる。また、情報処理装置は、対象の機器に対する作業申請を受け付け、受け付けた申請に応じた作業指示を作業者端末に行う。さらに、情報処理装置は、当該作業指示に基づいて行われた作業に応じて可変情報を更新することで、機器管理情報を更新する。これにより、作業後における機器の状態を機器管理情報に反映させることができる。
【0015】
したがって、上記構成によれば、機器の管理を容易にすることができる。
【0016】
また、本発明の別の形態として、前記検出装置は、所定のネットワークに接続された機器を検出し、機器がネットワークにおいて用いるアドレス情報を、前記識別情報として取得してもよい。
【0017】
また、本発明の別の形態として、上記情報処理装置は、前記機器に対する作業の申請を受けた場合に、前記申請に係る作業を承認する権限を有する承認者端末に対して承認依頼を行う承認依頼手段と、前記承認依頼に応じて前記承認者端末から送信された承認を受信する承認受信手段と、を更に備えてもよい。そして、前記作業指示手段は、前記承認を受信した後に、前記承認に係る作業の作業指示を、前記作業者端末に対して行ってもよい。
【0018】
また、本発明の別の形態として、前記機器に対する作業が機器の新設である場合、前記更新手段は、新設に係る機器の不変情報に、前記申請者端末から受け付けた前記新設の申請に含まれる情報を可変情報として関連付けることで、前記機器管理情報を更新してもよい。
【0019】
また、本発明の別の形態として、前記機器に対する作業が機器の移設である場合、前記更新手段は、移設に係る機器の不変情報に関連付けられた可変情報に含まれる情報によって示される機器の設置場所を移設先の場所に変更することで、前記機器管理情報を更新してもよい。
【0020】
また、本発明の別の形態として、前記機器に対する作業が機器又はソフトウェアの増設
である場合、前記更新手段は、増設に係る機器又はソフトウェアの情報を、該機器又はソフトウェアが増設される機器の可変情報に関連付けることで、前記機器管理情報を更新してもよい。
【0021】
また、本発明の別の形態として、前記機器に対する作業が機器の交換である場合、前記更新手段は、交換前の機器の可変情報を取得して、取得した可変情報を交換後の機器の可変情報として関連付けた後、該交換前の可変情報を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、前記機器管理情報を更新してもよい。
【0022】
また、本発明の別の形態として、前記機器に対する作業が機器の回収である場合、前記更新手段は、回収に係る機器の可変情報を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、前記機器管理情報を更新してもよい。
【0023】
また、本発明の別の形態として、前記機器が利用中ではないことを示す情報は、機器の設置場所が保管用の場所であることを示す情報、又は、機器が廃棄されたことを示す情報であってもよい。
【0024】
また、本発明の別の形態として、上記情報処理装置は、前記更新手段が前記可変情報を更新した後に、前記機器管理情報から把握される各機器の設置場所と、前記検出装置による検出結果から把握される各機器の設置場所とを比較することで、前記申請に係る作業の対象となっていない機器について、前記機器管理情報から把握される設置場所と前記検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合しない機器を抽出する抽出手段を更に備えてもよい。
【0025】
なお、本発明の別態様としては、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、機器の管理を容易にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、実施の形態に係るサービス提供場面を例示する。
【図2】図2は、実施の形態に係る情報処理装置を例示する。
【図3】図3は、実施の形態に係る各情報の関係を例示する。
【図4】図4は、機器新設時における、実施の形態に係る情報処理装置等の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図5】図5は、機器移設時における、実施の形態に係る情報処理装置等の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図6】図6は、機器増設時における、実施の形態に係る情報処理装置等の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図7】図7は、機器交換時における、実施の形態に係る情報処理装置等の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図8】図8は、機器回収時における、実施の形態に係る情報処理装置等の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図9】図9は、検証時における、実施の形態に係る情報処理装置等の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、本実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0029】
なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメタ、マシン語等で指定される。
【0030】
§1 情報処理装置
<概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1によって実施されるライフサイクルマネジメントサービスの提供場面を例示する。本実施形態において実施されるライフサイクルマネジメントサービスでは、サービス提供者は、顧客からの申請内容に基づいて、当該申請に係る機器の新規配備(新設)、移設、増設、交換、及び、回収等の作業を行う。これらの作業を行う際、サービス提供者は、情報処理装置1を用いて、当該作業に係る機器を管理する。なお、ライフサイクルマネジメントサービスに係る機器は、例えば、PC(Personal Computer)やプリンタ等のIT機器である。
【0031】
本実施形態では、情報処理装置1は、所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置(3a、3b)から、検出された機器の識別情報を取得する。検出装置3aは、ライフサイクルマネジメントサービス提供側ネットワーク9aに接続された機器を検出する。また、検出装置3bは、顧客側ネットワーク9bに接続された機器を検出する。検出装置(3a、3b)は、例えば、iNetSec(登録商標)Smart Finderである。また、取得され
る識別情報は、例えば、検出された機器がネットワークにおいて用いるアドレス情報である。
【0032】
情報処理装置1は、取得した識別情報を、機器を管理するための機器管理情報に含まれる、当該機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報として反映させる。当該機器管理情報及び不変情報については、後述する。
【0033】
情報処理装置1は、申請者端末5から、管理対象の機器に対する作業の申請を受け付ける。機器に対する作業の申請を受け付けた場合、情報処理装置1は、申請に係る作業を承認する権限を有する承認者の端末(上司端末6)に対して承認依頼を行う。そして、情報処理装置1は、承認依頼に応じて上司端末6から送信された承認を受信する。
【0034】
上司端末6から承認を受信すると、情報処理装置1は、承認に係る作業の内容を、顧客側において機器を管理する管理者の端末(管理者端末7)に送信する。そして、管理者によって当該承認に係る作業の内容が確認された後、管理者端末7から情報処理装置1に対して、当該承認に係る作業についての作業依頼が送信される。情報処理装置1は、作業依頼を受けた、承認された作業の作業指示を、作業者の端末(サービスデスク端末2)に対して行う。
【0035】
情報処理装置1は、機器管理情報のうち、作業に係る機器の不変情報に関連付けられた、機器に対する作業が行われた場合に変化し得る可変情報を、作業指示に基づいて行われた作業に応じて更新することで、当該機器管理情報を更新する。可変情報については、後述する。当該更新により、作業後における機器の状態が機器管理情報に反映される。よって、サービス提供者は、当該機器管理情報に基づいて、顧客の機器を管理することができ
る。
【0036】
なお、サービスデスク端末2、申請者端末5、上司端末6、及び、管理者端末7は、ネットワークを介してデータの送受信を行うことが可能なコンピュータである。例えば、サービスデスク端末2、申請者端末5、上司端末6、及び、管理者端末7は、ネットワーク接続が可能なPCである。
【0037】
なお、各装置間における情報の伝達は、3G(3rd Generation)ネットワーク、インターネット、電話網、及び、専用網等のネットワーク(8、9a、9b)を介したデータ通信で実現される。各ネットワーク(8、9a、9b)の種類は、各データ通信に応じて、適宜選択される。
【0038】
<構成例>
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す。情報処理装置1は、図2に示されるとおり、そのハードウェア構成として、バス13に接続される、記憶部11、制御部12、入出力部14、及び、通信部15等を有する。
【0039】
記憶部11は、制御部12で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する(不図示)。記憶部11は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置によって実現される。
【0040】
また、記憶部11は、機器管理情報20を格納する。機器管理情報20は、機器の管理に用いられる。機器管理情報20には、顧客からの申請に基づいて機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報21と、当該作業が行われた場合に変化し得る可変情報22とが含まれる。本実施形態では、一件の機器管理情報20は、1つの機器に対応する。また、本実施形態では、機器管理情報20に含まれることで、不変情報21と可変情報22とは、対応付けられている。なお、機器管理情報20の詳細については、後述する。
【0041】
制御部12は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又
は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)と、を有する。制御部12は、記憶部11に格納されている各種データ及びプログラムを実行することにより、本実施形態における情報処理装置1の処理を実現する。ROM、RAM等は、制御部12内のプロセッサが取り扱うアドレス空間に配置されているという意味で主記憶装置と呼ばれてもよい。
【0042】
図2に示されるとおり、制御部12は、識別情報取得部31、識別情報反映部32、申請受付部33、承認処理部34、作業指示部35、更新部36、及び、検証部37を含む。識別情報取得部31、識別情報反映部32、申請受付部33、承認処理部34、作業指示部35、更新部36、及び、検証部37は、例えば、記憶部11に格納されたプログラム等が制御部12の周辺回路であるRAM等に展開され、制御部12のプロセッサにより実行されることによって実現される。
【0043】
識別情報取得部31は、所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置(3a、3b)から、検出された機器の識別情報を取得する。検出装置(3a、3b)は、例えば、所定のネットワークに接続された機器を検出する。この場合、取得される識別情報は、例えば、検出された機器がネットワークにおいて用いるアドレス情報である。
【0044】
識別情報反映部32は、取得した識別情報を、機器を管理するための機器管理情報20
に、機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報21として反映させる。例えば、識別情報反映部32は、対応表に基づいて、不変情報21と識別情報とを対応付けることで、対象の識別情報を不変情報21に反映させる。
【0045】
申請受付部33は、申請者端末5から、対象の機器に対する作業の申請を受け付ける。
【0046】
機器に対する作業の申請を受け付けた場合、承認処理部34は、申請に係る作業を承認する権限を有する上司端末6に対して承認依頼を行う。承認処理部34は、承認依頼に応じて上司端末6から送信された承認を受信する。そして、上司端末6から承認を受信すると、承認処理部34は、承認に係る作業の内容を、管理者端末7に送信する。
【0047】
管理者によって当該承認に係る作業の内容が確認された後、管理者端末7から情報処理装置1に対して、当該承認に係る作業についての作業依頼が送信される。作業指示部35は、作業依頼を受けた、承認された作業の作業指示を、サービスデスク端末2に対して行う。
【0048】
更新部36は、作業指示部35が行った作業指示に基づいて行われた作業に応じて、機器管理情報20に含まれる可変情報22を更新する。これにより、更新部36は、作業後における機器の状態が反映されるように機器管理情報20を更新する。
【0049】
例えば、対象の機器に対する作業が機器の新設である場合、更新部36は、新設に係る機器の不変情報21に、申請者端末5から受け付けた当該新設の申請に含まれる情報(申請情報)を可変情報22として関連付けることで、機器管理情報20を更新する。
【0050】
また、例えば、対象の機器に対する作業が機器の移設である場合、更新部36は、移設に係る機器の不変情報21に関連付けられた可変情報22に含まれる情報によって示される当該機器の設置場所を移設先の場所に変更することで、機器管理情報20を更新する。
【0051】
また、例えば、対象の機器に対する作業が機器又はソフトウェアの増設である場合、更新部36は、増設に係る機器又はソフトウェアの情報(増設情報)を、当該機器又はソフトウェアが増設される機器の可変情報22に関連付けることで、機器管理情報20を更新する。なお、増設に係る機器は、例えば、既に設置されている機器に追加させる機器であり、具体的には、マウス、ディスプレイ、USBメモリ、又は、ハードディスク等の周辺機器である。また、増設に係るソフトウェアは、例えば、既に設置されている機器に新たにインストールするソフトウェアであり、例えば、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、及び、ウイルス対策用ソフトウェア等である。
【0052】
また、例えば、対象の機器に対する作業が機器の交換である場合、更新部36は、交換前の機器の可変情報22を取得する。そして、更新部36は、取得した可変情報22を交換後の機器の可変情報22として関連付けた後、交換前の可変情報22を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、機器管理情報20を更新する。
【0053】
また、例えば、対象の機器に対する作業が機器の回収である場合、更新部36は、回収に係る機器の可変情報22を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、機器管理情報20を更新する。
【0054】
なお、機器が利用中ではないことを示す情報は、例えば、機器の設置場所が保管用の場所であることを示す情報、又は、機器が廃棄されたことを示す情報である。
【0055】
検証部37は、機器管理情報20から把握される各機器の設置場所と、検出装置による
検出結果から把握される各機器の設置場所とを比較することで、機器管理情報20から把握される設置場所と検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合していない機器を抽出する。検証部37は、当該抽出によって、対象の機器が適正な場所に設置されたか否かを検証する。そして、検証部37は、抽出した機器の情報をサービスデスク端末2に通知することで、設置場所が適正でない機器の検証結果を報告する。
【0056】
なお、例えば、対象の機器がネットワーク9bに接続されている場合、検出装置3bによって、当該対象の機器が検出される。また、検証部37は、例えば、更新部36が機器管理情報20(可変情報22)を更新した後に、申請者端末5からの申請の内容を参照し、当該申請に係る作業の対象となっていない機器について、当該検証を実施してもよい。これにより、検証部37は、申請者端末5からの申請に係る作業の対象ではないにも関わらず、その状態が変わっている機器を抽出してもよい。そして、申請に係る作業の対象ではないにも関わらず、状態の変化した機器が抽出された場合、検証部37は、申請に係る作業が適正に行われていないと推定し、適正に行われていないと推定される作業を示す警告メッセージをサービスデスク端末2に通知してもよい。
【0057】
入出力部14は、情報処理装置1の外部に存在する装置とデータの送受信を行うための1又は複数のインタフェースである。入出力部14は、例えば、入力装置及び出力装置等のユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、若しくは、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の装置とUSB接続するためのインタフェース、又は、これらのインタフェースの組合せである。入出力部14は、例えば、不図示のユーザインタフェース(タッチパネル、テンキー、キーボード、マウス、ディスプレイ等の入出力装置)と接続してもよい。
【0058】
通信部15は、ネットワーク(8、9a、9b)を介して、他の装置とデータ通信を行うための1又は複数のインタフェースである。本実施形態では、情報処理装置1は、当該通信部15により、サービスデスク端末2、検出装置(3a、3b)、申請者端末5、上司端末6、及び、管理者端末7とデータ通信を行う。
【0059】
本実施形態に係る情報処理装置1は、これらの構成を備える装置である。情報処理装置1は、例えば、PC等の汎用コンピュータや仮想環境のコンピュータである。
【0060】
<各情報の関係>
図3は、本実施形態において用いられる各情報の内容と各情報間の関係とを例示する。本実施形態では、管理対象ごとに、1件の機器管理情報20が用意される。すなわち、本実施形態では、情報処理装置1は、1台の機器を1件の機器管理情報20で管理してもよいし、複数台の機器を1件の機器管理情報20で管理してもよい。当該機器管理情報20には、不変情報21と可変情報22とが含まれる。
【0061】
不変情報21は、管理対象の機器に対してライフサイクルマネジメントサービスに係る作業が実施された場合にも変化しない情報である。本実施形態では、不変情報21には、お客様ID、管理番号、メーカ名、機種名、型名、シリアルNo、ベンダー名、平均消費電力を示す情報が含まれる。
【0062】
例えば、お客様IDの値は、顧客を識別するための識別子である。管理番号の値は、管理対象を識別するための識別子である。メーカ名の値は、管理対象に含まれる機器のメーカの名称を示す。機種名の値は、管理対象に含まれる機器の機種の名称を示す。型名の値は、管理対象に含まれる機器の型番を示す。シリアルNoの値は、管理対象に含まれる機器のシリアルナンバーを示す。ベンダー名の値は、管理対象に含まれる機器のベンダーの名称を示す。また、平均消費電力の値は、管理対象に含まれる機器の平均の消費電力を示
す。消費電力は、いかなる形式で表現されてよい。
【0063】
なお、複数台の機器が管理対象に含まれる場合、メーカ名、機種名、型名、シリアルNo、及び、ベンダー名は、それぞれ、複数個の値が保持されうる。この場合、本実施形態では、メーカ名、機種名、型名、シリアルNo、及び、ベンダー名は、それぞれ、管理対象に含まれる機器ごとに複数個の値が保持されてもよいし、選択された機器についての値が保持されてもよい。例えば、管理対象に含まれる複数台の機器が、主たる機器(例えば、PC本体)と主たる機器の周辺機器とに分けることができる場合、メーカ名、機種名、型名、シリアルNo、及び、ベンダー名として、当該主たる機器についての値が保持されてもよい。
【0064】
一方、可変情報22は、管理対象の機器に対してライフサイクルマネジメントサービスに係る作業が実施された場合に変化し得る情報である。本実施形態では、可変情報22には、お客様ID、管理番号、申請種別、申請番号、利用者所属、利用機器管理者名、利用期間(開始)、利用期間(終了)、利用場所、OS種別、IPアドレス、及び、ホスト名を示す情報が含まれる。
【0065】
例えば、申請種別の値は、管理対象の機器に対して直近に申請された作業を示す。申請番号の値は、申請者端末5からの申請を識別するための識別子である。利用者所属の値は、管理対象の機器を利用する者の所属する組織の名称や組織を識別するための識別子を示す。
【0066】
また、利用機器管理者名の値は、例えば、顧客側で機器を管理する管理者の名称を示す。利用機器管理者名の値は、管理者端末7のホスト名であってもよい。この場合、利用機器管理者名の値によって、管理者端末7が特定されてもよい。
【0067】
利用期間(開始)の値は、管理対象の機器の利用が開始された日時を示す。利用期間(終了)の値は、管理対象の機器の利用が終了した日時、または終了する予定の日時を示す。情報処理装置1は、当該利用期間(終了)の値に基づいて、サービスデスク端末2、管理者端末7、及び、管理対象の機器自身に、当該管理対象の機器の利用期間が終了したことを通知、または終了を予告してもよい。
【0068】
利用場所の値は、管理対象の機器が利用される場所を示す。OS種別の値は、管理対象の機器において利用されているOS(Operating System)を示す。なお、管理対象の機器においてOSが利用されていない場合、OS種別の値は、保持されなくてもよいし、OS種別の値として、無効を示す値が保持されてもよい。IPアドレスの値は、管理対象の機器に割り当てられているIPアドレスを示す。また、ホスト名の値は、管理対象の機器のホスト名を示す。
【0069】
このように、管理対象ごとに、1件の機器管理情報20が用意される。これに対して、検出装置により検出される機器ごとに、1件の識別情報23が取得される。1件の機器管理情報20によって複数台の機器が管理される場合、当該1件の機器管理情報20に含まれる不変情報21は、複数件の識別情報23に対応付けられる。これにより、本実施形態では、1つの筺体に含まれる複数台の機器を1つの装置として、1件の機器管理情報20で管理することができる。つまり、本実施形態によれば、1つ1つの機器単位ではなく、筺体単位で機器を管理することができる。
【0070】
本実施形態では、識別情報23には、MACアドレス(Media Access Control address)、メーカ名、機種名、ホスト名、及び、認証ステータスを示す情報が含まれる。
【0071】
MACアドレスの値は、対象の機器のMACアドレスを示す。また、認証ステータスの値は、対象の機器の認証状態を示す。検出装置(3a、3b)は、不図示の検疫サーバと連携して、対象の機器の検疫を行ってもよい。対象の機器の認証状態は、例えば、当該検疫によって決定される。
【0072】
なお、機器管理情報20に含まれる不変情報21と1件又は複数件の識別情報23との対応関係は、対応表24によって示される。対応表24は、どのような形式のデータでもよく、例えば、テーブル形式のデータで表現される。本実施形態では、対応表24の1つのレコードは、不変情報21のお客様IDの値、管理番号の値、及び、該不変情報21に対応付けられた識別情報23のMACアドレスの値を保持することで、不変情報21と識別情報23との対応関係を示す。
【0073】
対応表24は、手動で作成されてもよいし、自動で作成されてもよい。なお、情報処理装置1は、所定のルールに従って取得された複数件の識別情報23について、同一の不変情報21に対応付けられるように、対応表24のレコードを作成してもよい。例えば、情報処理装置1は、不変情報21に対応付けられていない、新規の識別情報23を1件又は複数件取得したとする。このとき、情報処理装置1は、新規の機器管理情報20を作成する際に、取得した1件又は複数件の新規の識別情報23を当該新規の機器管理情報20に含まれる不変情報21に対応付けられるように、対応表24のレコードを作成してもよい。
【0074】
なお、不変情報21と識別情報23とが対応付けられた後に、不変情報21の各フィールドに、識別情報23に含まれる該当フィールドの値が格納されてもよい。本実施形態では、不変情報21に含まれるメーカ名の値及び機種名の値は、対応関係にある識別情報23から取得されてもよい。
【0075】
申請者端末5から情報処理装置1に対して作業が申請される際、申請者端末5から情報処理装置1に対して当該申請の内容を示す申請情報40が送信される。本実施形態では、申請される作業に応じて、情報処理装置1(更新部36)は、申請情報40を用いて、お客様IDの値と管理番号の値とが一致する可変情報22を更新する。なお、本実施形態では、申請される作業が機器の新設である場合、情報処理装置1(更新部36)は、申請情報40を、お客様IDの値と管理番号の値とが一致する不変情報21を含む機器管理情報20の可変情報22とすることで、機器管理情報20を更新する。
【0076】
また、対象の機器に対する作業が機器又はソフトウェアの増設が申請される際、当該申請に基づいて、申請者端末5から情報処理装置1に対して当該増設に係る機器又はソフトウェアの増設情報25が取得される。そして、当該増設情報25は、当該増設に係る機器又はソフトウェアが増設される機器(増設先の機器)の可変情報22に関連付けられる。つまり、増設される機器又はソフトウェアの数と同じ件数の増設情報25が、増設先の機器の可変情報22に関連付けられる。なお、増設情報25には、お客様ID、管理番号、及び、増設オプションを示す情報が含まれる。
【0077】
増設オプションフィールドには、例えば、増設される機器又はソフトウェアの管理番号、増設される機器又はソフトウェアの出荷を識別するための識別子、増設される機器又はソフトウェアの名称等が格納される。また、増設オプションフィールドには、例えば、増設されるソフトウェアのライセンス番号が格納される。
【0078】
なお、本実施形態では、これらの情報は記憶部11に格納される。これらの情報は、例えば、データベース形式等、いかなる形式で格納されてもよい。また、これらの情報は、例えば、NAS(Network Attached Storage)等の独立した装置に格納されてもよい。
【0079】
また、本実施形態では、お客様IDの値と管理番号の値とが各情報の検索キーとして扱われる。すなわち、本実施形態では、お客様IDの値と管理番号の値とを用いて、対象の機器管理情報20等の検索が行われる。そのため、本実施形態の各情報には、お客様IDの値と管理番号の値とが含まれている。
【0080】
§2 動作例
次に、図4〜9を用いて、本実施形態に係る情報処理装置1の動作例を説明する。図4〜9は、本実施形態に係る情報処理装置1等の各装置における処理手順の一例を示す。なお、図4〜9では、ステップを「S」と略称する。
【0081】
<新設時のワークフロー>
図4は、機器新設時における、本実施形態に係る情報処理装置1等の処理手順の一例を示す。本実施形態では、サービス提供者が、ライフサイクルマネジメントサービスの提供者側で保管されている顧客から預かった機器を、当該機器の利用者からの申請に基づいて、キッティングして指定場所に出荷する場面を想定する。なお、当該場面では、利用者からの申請によっては、サービス提供に際して、機器が出荷される指定場所にCE(Customer Engineer)が派遣されてもよい。そして、派遣されたCEによって、当該機器の設置
及び動作確認等が行われてもよい。また、当該機器の保管場所は、例えば、キッティングセンターの配備用倉庫である。
【0082】
本実施形態では、サービス提供者側で、検出装置によって保管されている機器の検出が行われ(ステップ100)、当該検出結果によって、保管されている機器の識別情報23が取得される(ステップ101)。例えば、サービス提供者は、保管されている機器をネットワーク9aに接続する。情報処理装置1の識別情報取得部31は、検出装置3aによって、ネットワーク9aに接続された当該機器の識別情報23を取得する。なお、対象の機器が顧客側に存在する場合、検出装置3bによって、当該識別情報23が取得されもよい。
【0083】
また、サービス提供者は、サービスデスク端末2を介して、対象の管理対象に係る機器管理情報20の登録依頼を情報処理装置1に対して行う(ステップ102)。当該登録依頼に際して、登録に係る機器管理情報20の不変情報21に含まれる各情報が手入力によって取得されてもよい。そして、手入力によって取得されたこれらの情報がサービスデスク端末2から情報処理装置1に送信されてもよい。
【0084】
情報処理装置1の制御部12は、サービスデスク端末2からの登録依頼に応じて、機器管理情報20を作成する(ステップ103)。これによって、機器管理情報20は登録される。このとき、識別情報反映部32は、ステップ101において取得された識別情報23を、作成した機器管理情報20の不変情報21に対応付けることで、対象の識別情報23を不変情報21に反映させる。具体的には、識別情報反映部32によって、識別情報23と不変情報21との対応関係を示す対応表24のレコードが作成される。
【0085】
対応付けに係る機器の選択は、いかなる方法で行われてもよい。例えば、サービスデスク端末2の画面に、識別情報23が不変情報21に対応付けられていない機器の一覧が表示される。サービス提供者は、ステップ102において、当該一覧から保管対象に係る機器を選択し、機器管理情報20の登録依頼を行う。これによって、対応付けに係る機器の選択が行われてもよい。このとき、ステップ103では、識別情報反映部32は、選択された機器の識別情報23が登録に係る機器管理情報20の不変情報21に対応付けられる。
【0086】
本実施形態では、このように機器管理情報20が登録された後、サービス提供者側で保管されている機器を利用したい利用者(申請者)の申請者端末5から情報処理装置1に対して、利用したい機器の新設に係る申請が行われる(ステップ201)。当該申請に際して、申請者端末5から情報処理装置1に、申請情報40が送信される。申請情報40に含まれる各情報は、手動、又は、自動で取得される。
【0087】
例えば、申請者は、申請者端末5によって、自己のお客様IDを指定して、情報処理装置1にアクセスする。当該アクセスにより、申請者端末5には、お客様IDによって特定される、新設可能な機器の一覧が表示される。このとき、サービス提供者側で管理されている新設可能な機器の識別情報23は、既に、機器管理情報20の不変情報21と対応付けられている。よって、当該一覧において新設に係る機器が指定されると、当該機器に係る管理番号が特定される。これにより、新設に係る申請情報40に含まれる管理番号の値が特定されてもよい。
【0088】
なお、本実施形態において、この時点では、新設可能な機器の識別情報23が対応付けられている不変情報21を含む機器管理情報20には、可変情報22が含まれていない。可変情報22は、後述するステップ210において、申請情報40が可変情報22として登録されることで、機器管理情報20に含まれるようになる。
【0089】
申請者端末5から機器の新設に係る申請が行われると、情報処理装置1の申請受付部33は、当該申請を受け付ける(ステップ202)。そして、承認処理部34は、上司端末6に対して当該申請に係る作業(新設)の承認依頼を行う。例えば、申請受付部33は、申請者端末5から申請情報40を受信することで、申請者端末5からの申請を受け付ける。そして、承認処理部34は、当該申請に係る作業(新設)の承認を行う上司端末6に対して、当該承認依頼に係るメッセージを通知する。当該メッセージの通知は、例えば、専用のアプリケーション内における通知で行われてもよいし、電子メールによって行われてもよい。なお、承認を行う上司端末6は、事前の設定によって指定されてもよいし、上記申請によって指定されてもよい。
【0090】
上司端末6では、上記承認依頼に対して、申請に係る作業(新設)の承認が行われる(ステップ203)。当該承認は、例えば、情報処理装置1から通知されるメッセージに対して応答することで行われる。上司端末6において新設に係る作業(新設)の承認が行われると、情報処理装置1の承認処理部34は、上司端末6から送信された承認に係るメッセージを受信する(ステップ204)。そして、承認処理部34は、上司端末6から承認に係るメッセージを受信すると、承認に係る作業(新設)の内容を管理者端末7に送信する。当該メッセージの送信は、例えば、専用のアプリケーション内における通知で行われてもよいし、電子メールによって行われてもよい。
【0091】
管理者端末7では、承認された作業(新設)の内容が確認される。そして、作業(新設)の内容が確認された後、承認処理部34からの送信に対する応答として、管理者端末7は、当該承認に係る作業(新設)についての作業依頼に係るメッセージを情報処理装置1に送信する(ステップ205)。
【0092】
情報処理装置1の承認処理部34が、管理者端末7から送信される作業依頼に係るメッセージを受信すると、作業指示部35は、当該作業依頼を受けた作業(新設)の作業指示を、サービスデスク端末2に対して行う(ステップ206)。当該作業指示に際して、作業指示部35は、作業指示を受けた作業(新設)の内容を示す情報をサービスデスク端末2に送信する。
【0093】
サービスデスク端末2では、作業指示に係る作業(新設)の内容が確認され、当該確認
したことの応答がなされる(ステップ207)。サービスデスク端末2において作業内容を確認したことの応答がなされると、情報処理装置1は、当該応答メッセージを受信する(ステップ208)。
【0094】
また、サービスデスク端末2では、作業指示に係る作業(新設)に係る機器が、申請情報40に含まれる利用場所の値によって示される場所に出荷された後、情報処理装置1に対して、作業(新設)が完了したことを示すメッセージが送信される(ステップ209)。
【0095】
当該メッセージを受信すると、情報処理装置1の更新部36は、新設に係る機器の不変情報21に、申請情報40を可変情報22として関連付けることで、機器管理情報20を更新する(ステップ210)。これにより、可変情報22は、機器管理情報20に含まれるようになる。
【0096】
<移設時のワークフロー>
図5は、機器移設時における、本実施形態に係る情報処理装置1等の処理手順の一例を示す。本実施形態では、顧客側で利用されている機器を、当該機器の利用者からの申請に基づいて、移設元から移設先へ運搬する場面を想定する。当該場面では、利用者からの申請によっては、サービス提供に際して、移設元へCEが派遣されてもよい。そして、派遣されたCEによって、移設元での機器の解体、移設先での機器の設置、設定変更、及び、動作確認等が行われてもよい。
【0097】
なお、上記新設時のワークフローのステップ201からステップ209とほぼ同様に説明可能であるため、ステップ301からステップ309については説明を省略する。ただし、ステップ301では、移設の申請において、少なくとも、当該移設に係る機器と当該機器の移設先とが指定される。
【0098】
例えば、申請者端末5によって申請者が移設の申請を行おうとする際、申請者端末5は、申請者のお客様IDの値と利用場所の値とを指定して、情報処理装置1にアクセスする。当該アクセスにより、申請者端末5には、お客様ID及び利用場所によって特定される、移設可能な機器の一覧が表示される。当該一覧において移設に係る機器が指定されると、指定された機器の機器管理情報20に含まれる可変情報22によって、当該機器の状態が特定される。
【0099】
ただし、可変情報22に含まれる利用場所の値は、移設前の場所を示す。よって、申請者端末5は、移設先の場所の入力を受け付けることで、対象の機器の移設先の指定を促す。そして、当該受付によって、対象の機器の移設先が指定される。ステップ301では、このように取得された可変情報22、及び、機器の移設先に基づいて、申請情報40が作成される。そして、作成された申請情報40は、移設の申請に際して、申請者端末5から情報処理装置1に送信される。
【0100】
ステップ310では、更新部36によって、移設に係る機器の不変情報21に関連付けられた可変情報22に含まれる利用場所の値が、ステップ301において指定された移設先の場所に変更されることで、機器管理情報20が更新される。例えば、更新部36は、対象の機器の不変情報21に関連付けられた可変情報22に含まれる利用場所の値を対象の機器の移設先を示す申請情報40の利用場所の値に変更する。これによって、移設に係る機器の可変情報22に含まれる利用場所の値は、移設先の場所を示すようになる。
【0101】
<増設時のワークフロー>
図6は、機器増設時における、本実施形態に係る情報処理装置1等の処理手順の一例を
示す。本実施形態では、キッティングセンターの配備用倉庫等に保管されている機器又はソフトウェアを、利用者からの申請に基づいて、顧客側で利用されている機器に増設する場面を想定する。本場面では、増設に係る機器又はソフトウェアが、増設先の機器の設置場所に出荷される。当該場面では、利用者からの申請によっては、サービス提供に際して、増設先の機器が設置されている設置場所へCEが派遣されてもよい。そして、派遣されたCEによって、当該設置場所での機器の接続、ソフトウェアのインストール、動作確認等が行われてもよい。
【0102】
なお、上記新設時のワークフローのステップ201からステップ209とほぼ同様に説明可能であるため、ステップ401からステップ409については説明を省略する。ただし、ステップ401では、増設の申請において、増設に係る機器又はソフトウェアと増設先の機器とが指定される。増設情報25は、増設の申請に含まれてもよい。また、増設情報25は、増設に係る機器又はソフトウェアについて、情報処理装置1に予め登録されている情報から特定されてもよい。
【0103】
ステップ410では、更新部36によって、増設に係る機器又はソフトウェアの増設情報25が、増設先の機器の可変情報22に関連付けられる。これによって、機器管理情報20が更新される。
【0104】
<交換時のワークフロー>
図7は、機器交換時における、本実施形態に係る情報処理装置1等の処理手順の一例を示す。本実施形態では、顧客側に既に設置されている機器(交換前の機器)を、利用者からの申請に基づいて、キッティングセンターの配備用倉庫に保管されている新規の機器(交換後の機器)と交換する場面を想定する。当該場面では、新規の機器(交換後の機器)が交換前の機器の設置場所に出荷され、交換前の機器は回収される。回収された交換前の機器は、キッティングセンターの引上用倉庫で一時保管される。当該交換に係る機器は、上記増設に係る機器であってもよい。また、利用者からの申請によっては、サービス提供に際して、交換前の機器の設置場所にCEが派遣されてもよい。そして、派遣されたCEによって、交換前の機器の解体及び回収、交換後の機器の設置及び動作確認等が行われてもよい。
【0105】
なお、上記新設時のワークフローのステップ201からステップ209とほぼ同様に説明可能であるため、ステップ501からステップ509については説明を省略する。ただし、ステップ501では、交換の申請において、交換前の機器と、交換後の機器とが指定される。交換前の機器の指定は、移設に係る機器の指定と同様に説明可能である。また、交換後の機器の指定は、新設に係る機器の指定と同様に説明可能である。ステップ501では、それぞれの指定によって、交換前の機器に係る機器管理情報20と、交換後の機器に係る機器管理情報20とが特定される。
【0106】
ステップ510では、更新部36によって、交換前の機器の可変情報22が取得される。そして、更新部36は、取得した可変情報22を交換後の機器の可変情報22として関連付けた後、交換前の可変情報22を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、機器管理情報20を更新する。なお、更新部36は、交換前の機器に係る機器管理情報20に含まれる可変情報22の利用者属性の値、及び、利用場所の値を変更することで、交換前の可変情報22を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更する。例えば、更新部36は、交換前の可変情報22の利用者属性の値、及び、利用場所の値が、保管用の場所(キッティングセンター)、又は、廃棄されたことを示すように変更する。このように、本実施形態では、交換に係る作業において、2件分の機器管理情報20が更新される。
【0107】
なお、交換に係る機器が上記増設に係る機器である場合、ステップ510では、更新部36は、交換に係る機器が増設されている機器の可変情報22において、交換前の機器に係る増設情報25を削除し、交換後の機器に係る増設情報25を関連付けることで、機器管理情報20を更新する。本実施形態では、交換前の機器に係る増設情報25は、可変情報22からは削除されるが、記憶部11には格納され続ける。そして、当該増設情報25の増設オプションフィールドには、機器が利用中ではないことを示す情報が格納される。
【0108】
<回収時のワークフロー>
図8は、機器回収時における、本実施形態に係る情報処理装置1等の処理手順の一例を示す。本実施形態では、利用者からの申請に基づいて、顧客側に設置されている機器を回収する場面を想定する。回収された機器は、キッティングセンターの引上用倉庫で一時保管される。当該回収に係る機器は、上記増設に係る機器であってもよい。また、利用者からの申請によって、サービス提供に際して、機器の回収先にCEが派遣されてもよい。そして、派遣されたCEによって、回収に係る機器の解体が行われてもよい。
【0109】
なお、上記新設時のワークフローのステップ201からステップ209とほぼ同様に説明可能であるため、ステップ601からステップ609については説明を省略する。ただし、ステップ601では、回収の申請において、回収に係る機器が指定される。当該回収の作業は、上記移設の作業と同様に説明することができる。よって、ステップ601は、ステップ301とほぼ同様に説明することができる。
【0110】
ステップ610では、更新部36によって、回収に係る機器の可変情報22が、当該回収に係る機器が利用中ではないことを示すように変更される。これによって、機器管理情報20が更新される。本実施形態では、更新部36は、回収に係る機器の可変情報22の利用者属性の値、及び、利用場所の値を変更することで、回収に係る機器の可変情報22を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更する。例えば、更新部36は、回収に係る機器の可変情報22の利用者属性の値、及び、利用場所の値が、保管用の場所(キッティングセンター)、又は、廃棄されたことを示すように変更する。変更される値が異なる点を除き、ステップ610についても、移設に係るステップ310とほぼ同様に説明することができる。
【0111】
なお、回収に係る機器が上記増設に係る機器である場合、ステップ610では、更新部36は、回収に係る機器が増設されている機器の可変情報22において、回収に係る機器の増設情報25を削除することで、機器管理情報20を更新する。本実施形態では、交換の場合と同様、回収に係る機器の増設情報25は、可変情報22からは削除されるが、記憶部11には格納され続ける。そして、当該増設情報25の増設オプションフィールドには、機器が利用中ではないことを示す情報が格納される。
【0112】
なお、上記交換後、又は、回収後にキッティングセンターで一時保管されている機器を再度利用したい場合、利用者は、新設の申請をすればよい。
【0113】
<検証時のワークフロー>
図9は、検証時における、本実施形態に係る情報処理装置1等の処理手順の一例を示す。当該検証は、顧客側に設置されている機器が適正な場所に設置されているか否かを確認するために行われる。なお、当該検証は、サービスデスク端末2からの要求に応じて実施されてもよい。また、当該検証は、上記各作業に係る処理後に実施されてもよい。本実施形態では、上記各作業に係る処理の後、当該検証が実施される。これにより、検証部37は、申請者端末5からの作業に係る作業の対象ではないにも関わらず、その状態が変わっている機器を抽出することができる。
【0114】
まず、検出装置によって、顧客側に設置された機器が検出される(ステップ701)。図1により示される例では、顧客側に設置された機器は、検出装置3bによって検出される。当該検出の結果(検出結果)は、情報処理装置1に送信される。情報処理装置1は、送信された検出結果を受信する(ステップ702)。
【0115】
情報処理装置1が検出結果を受信すると、情報処理装置1の検証部37は、機器管理情報20から把握される各機器の設置場所と、検出装置による検出結果から把握される各機器の設置場所とを比較する(ステップ703)。検出装置による検出結果から把握される各機器の設置場所は、例えば、各機器を検出した検出装置の設置されている場所から特定される。この場合、例えば、検証部37は、対象の機器の機器管理情報20に含まれる可変情報22の利用場所の値によって示される場所と、対象の機器を検出した検出装置が設置されている場所とを比較する。
【0116】
そして、比較の結果、検証部37は、機器管理情報20から把握される設置場所と検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合していない機器を抽出する(ステップ704)。機器管理情報20から把握される設置場所と検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合していない機器が存在しない場合、処理は終了する。他方、機器管理情報20から把握される設置場所と検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合していない機器が存在する場合、抽出された機器の情報がサービスデスク端末2に通知される。これにより、設置場所が適正でない機器の検証結果が報告される(ステップ705)。
【0117】
例えば、検証部37は、各作業に係る申請に際して送信される申請情報40のお客様IDと一致するお客様IDを含み、申請情報40の管理番号と一致しない管理番号を含む機器管理情報20(可変情報22)を特定する。そして、検証部37は、ステップ703において、特定した機器管理情報20から把握される各機器の設置場所と、検出装置による検出結果から把握される各機器の設置場所とを比較する。
【0118】
機器管理情報20から把握される設置場所と検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合していない機器は、申請者端末5からの申請に係る作業の対象ではないにも関わらず、その状態が変わっている機器である。よって、機器管理情報20から把握される設置場所と検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合していない機器が存在する場合、検証部37は、申請情報40による申請に係る作業が適正に行われていないと推定してもよい。そして、検証部37は、当該申請情報40に基づいて、適正に行われていないと推定される作業を示す警告メッセージをサービスデスク端末2に通知してもよい。
【0119】
§3 補足
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0120】
1 情報処理装置
2 サービスデスク端末
3a、3b 検出装置
5 申請者端末
6 上司端末
7 管理者端末
8 ネットワーク
11 記憶部
12 制御部
20 機器管理情報
21 不変情報
22 可変情報
23 識別情報
24 対応表
25 増設情報
31 識別情報取得部
32 識別情報反映部
33 申請受付部
34 承認処理部
35 作業指示部
36 更新部
37 検証部
40 申請情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置から、検出された機器の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得した前記識別情報を、前記機器を管理するための機器管理情報に、前記機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報として反映させる反映手段と、
前記機器に対する作業の申請を、申請者端末から受け付ける申請受付手段と、
前記申請に応じた作業指示を、作業者端末に対して行う作業指示手段と、
前記機器管理情報のうち、前記作業に係る機器の不変情報に関連付けられた、前記機器に対する作業が行われた場合に変化し得る可変情報を、前記作業指示に基づいて行われた作業に応じて更新することで、前記機器管理情報を更新する更新手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記検出装置は、所定のネットワークに接続された機器を検出し、機器がネットワークにおいて用いるアドレス情報を、前記識別情報として取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機器に対する作業の申請を受けた場合に、前記申請に係る作業を承認する権限を有する承認者端末に対して承認依頼を行う承認依頼手段と、
前記承認依頼に応じて前記承認者端末から送信された承認を受信する承認受信手段と、を更に備え、
前記作業指示手段は、前記承認を受信した後に、前記承認に係る作業の作業指示を、前記作業者端末に対して行う
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機器に対する作業が機器の新設である場合、前記更新手段は、新設に係る機器の不変情報に、前記申請者端末から受け付けた前記新設の申請に含まれる情報を可変情報として関連付けることで、前記機器管理情報を更新する
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記機器に対する作業が機器の移設である場合、前記更新手段は、移設に係る機器の不変情報に関連付けられた可変情報に含まれる情報によって示される機器の設置場所を移設先の場所に変更することで、前記機器管理情報を更新する
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記機器に対する作業が機器又はソフトウェアの増設である場合、前記更新手段は、増設に係る機器又はソフトウェアの情報を、該機器又はソフトウェアが増設される機器の可変情報に関連付けることで、前記機器管理情報を更新する
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記機器に対する作業が機器の交換である場合、前記更新手段は、交換前の機器の可変情報を取得して、取得した可変情報を交換後の機器の可変情報として関連付けた後、該交換前の可変情報を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、前記機器管理情報を更新する
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記機器に対する作業が機器の回収である場合、前記更新手段は、回収に係る機器の可変情報を、機器が利用中ではないことを示す情報に変更することで、前記機器管理情報を更新する
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記機器が利用中ではないことを示す情報は、機器の設置場所が保管用の場所であることを示す情報、又は、機器が廃棄されたことを示す情報である
請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記更新手段が前記可変情報を更新した後に、前記機器管理情報から把握される各機器の設置場所と、前記検出装置による検出結果から把握される各機器の設置場所とを比較することで、前記申請に係る作業の対象となっていない機器について、前記機器管理情報から把握される設置場所と前記検出装置による検出結果から把握される設置場所とが適合しない機器を抽出する抽出手段を更に備える
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが、
所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置から、検出された機器の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報を、前記機器を管理するための機器管理情報に、前記機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報として反映させるステップと、
前記機器に対する作業の申請を、申請者端末から受け付けるステップと、
前記申請に応じた作業指示を、作業者端末に対して行うステップと、
前記機器管理情報のうち、前記作業に係る機器の不変情報に関連付けられた、前記機器に対する作業が行われた場合に変化し得る可変情報を、前記作業指示に基づいて行われた作業に応じて更新することで、前記機器管理情報を更新するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
所定の設置場所に設置された機器を検出する検出装置から、検出された機器の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報を、前記機器を管理するための機器管理情報に、前記機器に対して作業が行われた場合にも変化しない不変情報として反映させるステップと、
前記機器に対する作業の申請を、申請者端末から受け付けるステップと、
前記申請に応じた作業指示を、作業者端末に対して行うステップと、
前記機器管理情報のうち、前記作業に係る機器の不変情報に関連付けられた、前記機器に対する作業が行われた場合に変化し得る可変情報を、前記作業指示に基づいて行われた作業に応じて更新することで、前記機器管理情報を更新するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−97716(P2013−97716A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242423(P2011−242423)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)