説明

情報処理装置、画像サーバ、情報処理システム、アップロード方法、画像供給方法、および、プログラム

【課題】第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施した第2の画像と第1の画像とを通信状態に応じて送信し、受信側において両者を適切に管理する。
【解決手段】識別子付与部は、第1の画像およびその第1の画像よりデータ容量が小さい少なくとも1つの第2の画像に対して共通する画像セット識別子を付与する。通信状態検出部は、サーバとの間の通信状態を検出する。画像選択部は、第1および第2の画像のデータ容量と検出された通信状態とに応じて第1および第2の画像のうちの何れか1つ以上を選択する。選択された画像はサーバに送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像サーバに画像をアップロードするための情報処理システムに関する。詳しくは、画像サーバに画像をアップロードする情報処理装置、アップロードされた画像を管理する画像サーバ、および、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能を有する携帯端末やデジタルスチルカメラなどにおいて撮像された画像がネットワークを介して他の装置に対して送信される機会が増えている。特に、ブログや画像共有サイトの普及に伴い、撮像された画像がすみやかに送信されることが多くなっている。一方、携帯端末などでは通信速度が低い場合があり、大容量の画像をそのまま送信するには通信速度が十分ではないことがある。
【0003】
このような状況において、サムネイル画像ファイルのみを転送対象とし、もとの画像を転送しないようにすることにより、通信時間を短縮するデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術では、QQVGA(160×120画素)のサムネイル画像とハイビジョン(1920×1080画素)のサムネイル画像とをまとめたサムネイル画像ファイルを転送用ディレクトリに格納することによりサムネイル画像のみを転送している。サムネイル画像ファイルが転送された後に本体の画像(3648×2736画素)を含む複合画像ファイルを転送用ディレクトリに格納しても、既に転送済であるため、転送は行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−252054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、撮像時にはサムネイル画像ファイルのみを転送することにより通信時間の短縮化を図っている。しかしながら、この従来技術では、サムネイル画像ファイルと複合画像ファイルは別個のファイルとして扱われており、そのままではウェブサービスにおいて異なる画像として認識されてしまう。また、複合画像ファイルには本体の画像に加えてQQVGAのサムネイル画像とハイビジョンサムネイル画像とが含まれており、それらを常に一体化して取り扱う必要が生じる。したがって、本体の画像およびサムネイル画像の送信を通信状態に応じて制御することは困難である。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施した第2の画像と第1の画像とを通信状態に応じて送信し、受信側において両者を適切に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、第1の画像および前記第1の画像よりデータ容量が小さい少なくとも1つの第2の画像に対して共通する画像セット識別子を付与する識別子付与部と、サーバとの間の通信状態を検出する通信状態検出部と、上記第1および第2の画像のデータ容量と上記検出された通信状態とに応じて上記第1および第2の画像のうちの何れか1つ以上を選択する画像選択部とを具備する情報処理装置、その情報処理装置における画像アップロード方法およびプログラムである。これにより、第1および第2の画像を対して共通する画像セット識別子を有するものとして送信先のサーバにおいて認識させるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記画像選択部によって選択された画像を上記サーバに送信する画像送信部をさらに具備し、上記画像選択部は、上記第1および第2の画像において上記送信された画像よりデータ容量の大きい画像が1つ以上あり、かつ、上記検出された通信状態よりも良い通信状態になった場合、上記送信された画像よりデータ容量の大きい画像のうち1つ以上を選択するようにしてもよい。これにより、通信状態が改善した際に、よりデータ容量の大きい画像をサーバに対して送信するという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記画像送信部は、上記検出された通信状態が許容する範囲内において、上記第1および第2の画像のうち最もデータ容量の大きいものを上記サーバに送信するようにしてもよい。これにより、通信状態が許容する範囲内において、最もデータ容量の大きいものを送信させるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記画像送信部は、上記第1の画像を送信するまでは、上記第2の画像を送信する際に上記第1の画像を送信していない旨を示す情報を併せて送信するようにしてもよい。これにより、未送信の第1の画像が存在する旨を知らせるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記通信状態検出部は、上記サーバとの間で使用される通信方式に基づいて上記通信状態を検出するようにしてもよい。これにより、簡易な手法により通信状態を検出して画像を選択させるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施して少なくとも1つの上記第2の画像を生成する画像生成部をさらに具備してもよい。この場合において、上記画像生成部は、上記データ容量の低減化処理として、上記第1の画像の解像度を低下させる解像度変換処理を行ってもよい。また、上記画像生成部は、上記データ容量の低減化処理として、上記第1の画像の圧縮率を低下させる圧縮率変換処理を行ってもよい。また、上記第1および第2の画像は動画であり、上記画像生成部は、上記データ容量の低減化処理として、上記第1の画像のフレームレートを低下させるフレームレート変換処理を行ってもよい。
【0013】
また、本技術の第2の側面は、共通する画像セット識別子が付与された第1の画像および少なくとも1つの第2の画像を画像セットとして上記画像セット識別子に対応付けて管理する画像セット管理部と、上記画像セット識別子に基づく画像要求を受け付けると上記画像セット識別子に対応付けて管理されている上記画像セットにおける上記第1および第2の画像のうち何れか1つを選択して供給する画像供給部とを具備する画像サーバ、その画像サーバにおける画像供給方法およびプログラムである。これにより、共通する画像セット識別子が付与された第1および第2の画像のうちから何れか1つを選択して供給させるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第2の側面において、上記画像セット識別子に基づいて上記第1および第2の画像に共通するネットワークアドレスを生成するネットワークアドレス生成部をさらに具備してもよい。これにより、生成されたネットワークアドレスによって第1および第2の画像にアクセスさせるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第2の側面において、上記画像供給部は、上記画像セット識別子に対応付けて管理されている上記画像セットにおける上記第1および第2の画像のうち最もデータ容量が大きいものを選択して供給するようにしてもよい。これにより、第1および第2の画像のうち最もデータ容量が大きいものを供給させるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第2の側面において、画像供給先との間の通信状態を検出する通信状態検出部をさらに具備し、上記画像供給部は、上記検出された通信状態が許容する範囲内において、上記第1および第2の画像のうち最もデータ容量の大きいものを選択して供給するようにしてもよい。これにより、通信状態に応じて適切な画像を供給させるという作用をもたらす。
【0017】
また、本技術の第3の側面は、共通する画像セット識別子が付与された第1の画像および少なくとも1つの第2の画像を画像セットとして上記画像セット識別子に対応付けて管理する画像セット管理部と、上記画像セット識別子に基づく画像要求を受け付けると上記画像セット識別子に対応付けて管理されている上記画像セットにおける上記第1および第2の画像のうち何れか1つを選択して供給する画像供給部とを備える画像サーバと、上記第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施して少なくとも1つの上記第2の画像を生成する画像生成部と、上記第1および第2の画像に対して共通する上記画像セット識別子を付与する識別子付与部と、上記画像サーバとの間の通信状態を検出する通信状態検出部と、上記第1および第2の画像のデータ容量と上記検出された通信状態とに応じて上記第1および第2の画像のうちの何れかを上記画像サーバに送信する画像送信部とを備える情報処理装置とを具備する情報処理システム、その情報処理システムにおける処理方法およびプログラムである。これにより、第1および第2の画像を対して共通する画像セット識別子を有するものとして画像サーバにおいて管理させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0018】
本技術によれば、第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施した第2の画像と第1の画像とを通信状態に応じて送信し、受信側において両者を適切に管理することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】実施の形態における携帯機器101の構成例を示す図である。
【図3】実施の形態の携帯機器101における画像提供機能の構成例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の画像管理サーバ200における画像管理機能の構成例を示す図である。
【図5】実施の形態における画像セット保持部280の内部構成例を示す図である。
【図6】実施の形態における画像データとURLアドレスとの関係を示す図である。
【図7】JPEGファイルのデータ構造を示す図である。
【図8】JPEGファイルのAPP1の主画像IFDにおける主な項目を示す図である。
【図9】第1の実施の形態における情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【図10】第1の実施の形態における情報処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施の形態における画像管理サーバ200の画像管理動作例を示すフローチャートである。
【図12】第1の実施の形態における画像管理サーバ200の画像供給動作例を示すフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態における画像管理サーバ200の変形例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【図15】第2の実施の形態における情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(画像管理サーバとウェブサーバを独立して設けた例)
2.第2の実施の形態(ウェブサーバに画像管理機能を持たせた例)
【0021】
<1.第1の実施の形態>
[情報処理システムの全体構成]
図1は、第1の実施の形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。この情報処理システムは、情報処理装置100および400と、画像管理サーバ200と、ウェブサーバ300とを、ネットワーク500によって相互に接続することにより構成される。
【0022】
情報処理装置100は、画像提供側の情報処理装置であり、携帯端末やデジタルスチルカメラなどの携帯機器101や、据え置き型のコンピュータ102などが想定される。携帯機器101は画像を撮像する機能を有し、さらにその撮像された画像を外部の装置に送信する機能を有する。この携帯機器101は、無線を利用してネットワーク500に接続するものが一般的であるため、通信速度は比較的低くなってしまう。そこで、外出先などで携帯機器101の通信機能によって送信されなかった画像については、自宅の有線ネットワークからネットワーク500を介して送信することが考えられる。また、携帯機器101を据え置き型のコンピュータ102に接続して、画像をコンピュータ102に転送した上で、コンピュータ102から有線ネットワークを介して画像を送信することも考えられる。
【0023】
画像管理サーバ200は、情報処理装置100から送信された画像を受け取り、その画像を管理するためのサーバである。後述するように、ある原画像を圧縮する等してデータ容量を低減化した画像には原画像と共通の画像セット識別子が付与され、画像管理サーバ200は画像セット識別子に基づいて各画像を管理する。また、画像セット識別子毎にネットワーク上のURL(Uniform Resource Locator)アドレスが割り当てられ、情報処理装置400において画像を閲覧することができる。なお、ここでは、URLアドレスを利用しているが、これはURI(Uniform Resource Identifier)アドレスの一実施形態である。
【0024】
ウェブサーバ300は、ネットワーク500に接続するクライアントからの要求に応答して、画像やテキスト等を供給するサーバである。このウェブサーバ300が供給するファイルはHTML(HyperText Markup Language)形式のものが一般的である。この場合、クライアントは、ウェブブラウザによりHTMLファイルを解析して、ディスプレイ上への表示を行う。このウェブサーバ300では、ネットワーク上の掲示板サイトやソーシャルユーティリティサイト等が運営され、それらのサイトにおいて画像のURLアドレスが公開される。
【0025】
情報処理装置400は、画像閲覧側の情報処理装置であり、ここでは据え置き型のコンピュータ401および402を想定する。この情報処理装置400は、上述のクライアントとして動作し、ウェブブラウザによりウェブサーバ300と通信して、ディスプレイ上への表示を行う。
【0026】
ネットワーク500は、情報処理システム内の情報処理装置100、400、画像管理サーバ200、および、ウェブサーバ300を相互に接続するネットワークである。このネットワーク500は、インターネットにより実現することができる。また、一部の通信をLAN(Local Area Network)などにより実現してもよい。
【0027】
[携帯機器の構成]
図2は、実施の形態における携帯機器101の構成例を示す図である。この携帯機器101は、カメラ部710と、信号処理回路720と、制御部730と、ディスプレイ制御部740と、媒体インターフェース750と、通信部760とを備えている。また、信号処理回路720には画像メモリ721が接続され、制御部730には操作部739が接続され、ディスプレイ制御部740にはディスプレイ749が接続されている。さらに、媒体インターフェース750には記録媒体759が着脱可能となっている。
【0028】
カメラ部710は、被写体を撮像画像として写し撮って画像データを生成するものであり、光学ブロック711と、信号変換器712と、前処理回路713と、光学ブロック用ドライバ714と、信号変換器用ドライバ715、タイミング生成回路716とを備える。
【0029】
光学ブロック711は、レンズ、フォーカス機構、シャッター機構、絞り(アイリス)機構などを備え、被写体の画像を取り込んで、これを信号変換器712に供給するものである。光学ブロック用ドライバ714は、制御部730からの制御に応じて、光学ブロック711を動作させる駆動信号を形成し、これを光学ブロック711に供給して、光学ブロック711を動作させる。
【0030】
信号変換器712は、光学ブロック711からの画像を光電変換して出力するものであり、信号変換器用ドライバ715からの駆動信号およびタイミング生成回路716からのタイミング信号に基づいて、光学ブロック711からの被写体の画像を取り込んで、電気信号として前処理回路713に供給する。このような信号変換器712として、CCD(Charge Coupled Device)を用いることができる。
【0031】
前処理回路713は、信号変換器712から供給された電気信号の画像情報に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理やAGC(Automatic Gain Control)処理を行うものである。CDS処理は信号ノイズ比(S/N比)を良好に保つための処理であり、AGC処理は利得を制御するための処理である。前処理回路713は、このようにして得られた信号に対してA/D(アナログ・デジタル)変換を行って、デジタル信号による画像データを形成する。
【0032】
信号処理回路720は、前処理回路713からの画像データに対して、AF(Auto Focus)、AE(Auto Exposure)、AWB(Auto White Balance)などのカメラ信号処理を施すものである。また、信号処理回路720は、このようにして種々の調整がされた画像データを所定の圧縮方式でデータ圧縮して、圧縮後の画像データをバス790および媒体インターフェース750を介して記録媒体759に供給する。また、信号処理回路720は、記録媒体759上の圧縮された画像データの伸張処理を行い、バス790を介して伸張後の画像データをディスプレイ制御部740に供給する。これら圧縮または伸張処理の際に必要なデータ領域として画像メモリ721が使用される。
【0033】
制御部730は、撮像装置全体を制御するものであり、処理装置731と、メモリ732と、時計回路733とをバス790により接続して構成される。ここで、メモリ732は、処理装置731において実行されるプログラムや、処理に必要になるデータを一時的に記憶するための作業領域として用いられる。前者をフラッシュROMにより構成し、後者をRAMにより構成してもよい。また、時計回路733は、現在年月日、現在曜日、現在時刻等を供給することにより、撮像日時などを画像データとともに提供する機能を有する。この時計回路733は、セルフタイマーの時間を計時するためにも用いることができる。
【0034】
操作部739は、ユーザからの操作入力を処理装置731に伝えるものであり、例えばタッチパネルやコントロールキー等を想定することができる。制御部730は、この操作部739からの操作入力に応じて、記録媒体759に対する入出力動作やディスプレイ749に対する表示動作等を制御する。
【0035】
ディスプレイ制御部740は、これに供給された画像データからディスプレイ749に対する画像信号を形成し、これをディスプレイ749に供給するものである。これにより、記録媒体759に記録されている画像データに応じた画像が、ディスプレイ749の表示画面に表示される。なお、ディスプレイ749としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等を用いることができる。
【0036】
媒体インターフェース750は、記録媒体759に対する画像データの書込みおよび記録媒体759からの画像データの読出しを行うものである。記録媒体759としては、半導体メモリを用いたいわゆるメモリカード、記録可能なDVD(Digital Versatile Disk)や記録可能なCD(Compact Disc)等の光記録媒体、磁気ディスクなどの種々のものを用いることができる。
【0037】
通信部760は、ネットワーク500を介して他の装置との間の通信を行うものである。
【0038】
図3は、実施の形態の携帯機器101における画像提供機能の構成例を示す図である。ここでは、画像提供機能として、撮像部110と、画像生成部120と、識別子付与部130と、画像保持部140と、通信状態検出部150と、画像選択部160と、画像送信部170とが示されている。
【0039】
撮像部110は、被写体を撮像画像として写し撮って原画像の画像データを生成するものである。この撮像部110は、カメラ部710として実現することができる。この撮像部110によって生成された原画像の画像データは画像生成部120に供給される。
【0040】
画像生成部120は、撮像部110から供給された原画像の画像データに対して所定の処理を施して、データ容量を低減化した新たな画像データを生成するものである。この画像生成部120は、処理装置731の一機能として実現することができる。この画像生成部120による所定の処理としては、画像の解像度を低下させる解像度変換処理や、画像の圧縮率を低下させる圧縮率変換処理が想定される。また、撮像画像が動画である場合には、動画を構成する画像(フレーム)のフレームレートを低下させるフレームレート変換処理を行ってもよい。例えば、1秒間に60フレームの動画を1秒間に30フレームになるよう時間方向に間引きすることが考えられる。
【0041】
この画像生成部120により生成される画像は1つに限られず、1つの原画像に対してデータ容量の異なる複数の画像を生成してもよい。例えば、4096×2160画素の原画像に対して、VGA(640×480画素)のサムネイルと、ハイビジョン(1920×1080画素)のサムネイルとを生成することが考えられる。この画像生成部120によって生成された画像データは、原画像とともに識別子付与部130に供給される。
【0042】
識別子付与部130は、原画像の画像データおよびその画像データに基づいて画像生成部120によって生成された画像データを画像セットとして、同じ画像セットに属する画像データに対して共通する画像セット識別子を付与するものである。すなわち、同じ画像セットに属する画像データには同じ画像セット識別子が付与され、異なる画像セットに属する画像データには異なる画像セット識別子が付与される。
【0043】
この識別子付与部130は、画像データの付帯情報などから画像セットに共通する画像セット識別子を付与する。例えば、JPEGファイルの場合、Exif情報に保持される撮像日時や撮像パラメータ等を組み合わせた情報に基づいてMD5等のハッシュを算出することにより一意の画像セット識別子を生成する。Exif(Exchangeable image file format)には画像の撮像状態などの詳細情報が記録されている。これにより、単純なファイル名よりも数段一意性が保証された画像セット識別子を生成することができる。画像セット識別子の具体的な格納場所については後述する。この識別子付与部130は、処理装置731の一機能として実現することができる。この識別子付与部130によって画像セット識別子が付与された画像データは画像保持部140に保持される。
【0044】
画像保持部140は、原画像の画像データおよびその画像データに基づいて画像生成部120によって生成された画像データを保持するメモリである。この画像保持部140に保持される画像データには、上述のとおり、識別子付与部130によって画像セット毎に画像セット識別子が付与されている。この画像保持部140は、画像メモリ721またはメモリ732として実現することができる。
【0045】
通信状態検出部150は、画像管理サーバ200との間の通信状態を検出するものである。この通信状態検出部150は、画像管理サーバ200へ画像データを送信するためのネットワーク500に対する通信状態を検出する。ここでは、通信状態として通信速度(通信帯域)を検出するものと仮定する。通信速度(通信帯域)を検出するための一手法としては、過去の通信履歴を実測することが考えられる。また、簡易な手法としては、使用中の通信方式から類推することが考えられる。例えば、3G方式であれば384Kbps程度、WiMAX方式であれば40Mbps程度、WiFi方式であれば150Mbps程度であると推定することができる。なお、現在いずれの通信方式を使用しているかは、装置の設定から容易に判断することができる。この通信状態検出部150は、通信部760の一機能として実現することができる。
【0046】
画像選択部160は、共通する画像セット識別子が付与された画像データのデータ容量と、通信状態検出部150によって検出された通信状態とに応じて、共通する画像セット識別子が付与された画像データの中から何れか1つ以上を選択するものである。この画像選択部160によって選択された画像データは、画像送信部170による送信対象となる。この画像選択部160が何れの画像データを選択するかについては、いくつかのポリシーが考えられる。例えば、検出された通信状態が許容する範囲内において、共通する画像セット識別子が付与された画像データのうち最もデータ容量の大きいものを選択して送信することが考えられる。すなわち、携帯機器101と画像管理サーバ200との間の通信帯域に応じて、素早く送信できる程度のデータ容量の画像データを送信する。また、上述の例を利用した場合、通信方式が3G方式であればVGAのサムネイル、通信方式がWiMAX方式であればハイビジョンのサムネイル、通信方式がWiFi方式であれば原画像の画像データを選択することが考えられる。また、この画像選択部160は、既に画像管理サーバ200に送信された画像よりデータ容量の大きい画像が1つ以上あり、かつ、検出された通信状態よりも良い通信状態になった場合、送信された画像よりデータ容量の大きい画像のうち1つ以上を選択する。これにより、通信状態が改善された際によりデータ容量の大きい画像が画像管理サーバ200に送信されることになる。
【0047】
画像送信部170は、画像管理サーバ200に対して画像データを送信するものである。この画像送信部170は、画像選択部160によって選択された画像データを、ネットワーク500を介して画像管理サーバ200に送信する。
【0048】
このような携帯機器101において、例えば以下のストーリが考えられる。まず、ユーザが外出先で携帯機器101の撮像部110を利用して撮像を行ったとする。このとき、原画像の画像データの他に、その原画像の解像度を低下させた画像データが画像生成部120によって生成される。これら画像データには、識別子付与部130によって共通する画像セット識別子が付与される。
【0049】
外出先では3G方式が用いられていたとすると、通信帯域が狭いことから、この時点ではVGAのサムネイルの画像データが選択されて画像送信部170によって画像管理サーバ200に送信される。その際、ユーザは画像セットに対応するURLアドレスを画像管理サーバ200から通知される。ユーザはソーシャルユーティリティサイトにおける自身のページに、その画像セットに対応するURLアドレスを公開する。この時点で、他のユーザはVGAのサムネイルの画像データを閲覧することができるようになる。また、この時点では高解像度の画像データが全て送信されていない旨を示す情報を画像送信部170から画像管理サーバ200に併せて送信してもよい。このとき、例えば「速報」マークを付すことにより、この時点では高解像度の画像データが全て送信されていない旨を示すことができる。
【0050】
その後、ユーザが帰宅して通信帯域が改善した場合、既に送信済のVGAのサムネイルの画像データよりも高解像度の画像データを画像管理サーバ200に送信する。これは、携帯機器101から直接ネットワーク500に接続して送信してもよいが、他のコンピュータに一旦転送した上で送信してもよい。いずれにしても、これにより、他のユーザはより高解像度の画像データを閲覧することができるようになる。
【0051】
[画像管理サーバの構成]
図4は、第1の実施の形態の画像管理サーバ200における画像管理機能の構成例を示す図である。ここでは、画像管理機能として、画像受信部210と、URL生成部220と、URL送信部230と、画像要求受付部240と、画像供給部250と、画像セット保持部280と、画像セット管理部290とが示されている。なお、画像管理サーバ200のハードウェア構成は通常のコンピュータと同様であるため説明を省略する。
【0052】
画像受信部210は、情報処理装置100から送信された画像データを受信するものである。この画像受信部210は、ネットワーク500を介して、情報処理装置100から画像データを受信する。この画像受信部210によって受信された画像データは、画像セット管理部290に供給される。
【0053】
URL生成部220は、画像受信部210において受信された画像データの画像セット識別子が新規のものである場合、その画像セット識別子に対応するURLアドレスを画像セット識別子に基づいて生成するものである。上述のように画像セット識別子は画像セット毎に共通するため、同じ画像セットの画像データには同じURLアドレスが割り当てられることになる。このURL生成部220により生成されたURLアドレスは、URL送信部230に供給される。なお、このURL生成部220は、特許請求の範囲に記載のネットワークアドレス生成部の一例である。
【0054】
URL送信部230は、URL生成部220から供給されたURLアドレスを情報処理装置100に送信するものである。このURL送信部230は、ネットワーク500を介して、情報処理装置100へURLアドレスを送信する。
【0055】
画像要求受付部240は、情報処理装置400から送信された画像要求を受け付けるものである。この画像要求受付部240は、情報処理装置400上で動作するウェブブラウザからの画像要求を、ネットワーク500を介して受け付ける。この画像要求には、画像セットを特定するためのURLアドレスの少なくとも一部が含まれる。この画像要求受付部240によって受け付けられた画像要求は画像セット管理部290に供給される。
【0056】
画像供給部250は、画像要求に応答して、画像セット保持部280に保持されている画像データの1つを情報処理装置400に供給するものである。この画像供給部250は、画像データを画像セット管理部290から受け取ってネットワーク500を介して情報処理装置400に供給する。
【0057】
画像セット保持部280は、画像受信部210によって受信された画像データを画像セット毎に保持するものである。この画像セット保持部280は、図5に示すように、画像セット識別子281と、画像数282と、画像サイズ283と、格納アドレス284とを保持し、さらに画像メモリ285を備える。画像セット識別子281に対応してその画像セットに属する画像データに関する情報が保持される。ここでは、画像セットに属する画像データの数が画像数282に保持され、画像データ毎に画像サイズ283と、画像メモリにおける格納アドレス284とが保持される。画像データの実体は画像メモリ285に格納される。これにより、指定された画像セットに属する画像データの各々にアクセスすることができる。また、画像セット識別子281の何れにも保持されていない画像セット識別子を有する画像データが新たに格納される場合には、その画像セット識別子に対応するエントリが新たに確保される。既に画像セット識別子281に保持されている画像セット識別子を有する画像データが格納される場合には、その画像セット識別子に対応するエントリに、画像データに関する情報が保持される。画像データが新たに保持される度に画像数282が加算され、画像データが削除される度に画像数282が減算される。
【0058】
画像セット管理部290は、画像セット保持部280に保持される画像セットの画像データを管理するものである。この画像セット管理部290は、画像データを管理するために種々の制御を行う。まず、画像セット管理部290は、画像受信部210から画像データが供給されると、その画像データの属する画像セットの画像セット識別子が既に画像セット保持部280に保持されているか否かを判定する。画像受信部210において受信された画像データの画像セット識別子が新規のものである場合、画像セット管理部290はURL生成部220に対してURLアドレスの生成を指示する。一方、画像受信部210において受信された画像データの画像セット識別子が新規のものでない場合には、URLアドレスの生成を指示しない。
【0059】
また、この画像セット管理部290は、画像要求受付部240において画像要求が受け付けられた場合には、その画像要求に対応する画像セットに属する画像データを画像セット保持部280から読み出して画像供給部250に供給させる。画像要求には、画像セットを特定するためのURLアドレスの少なくとも一部が含まれるため、画像セットを特定することができる。また、対応する画像セットに複数の画像データが存在する場合、この画像セット管理部290は、いずれか1つの画像データを選択して読み出す。ここでは、複数の画像データのうち、最もデータ容量の大きい画像データを読み出すことを想定する。これにより、1つの原画像に対して複数の画像データが画像セット保持部280に保持されている場合であっても、その中から最も品質の高い画像データを選択して情報処理装置400に供給することができる。
【0060】
図6は、実施の形態における画像データとURLアドレスとの関係を示す図である。原画像の画像データ501は画像生成部120に供給される。画像生成部120では、原画像の画像データ501に対してデータ容量の低減化処理が施される。ここでは、データ容量の低減化処理として圧縮処理が行われた例を示している。すなわち、圧縮されていない原画像の画像データ511に加え、低圧縮の画像データ512および高圧縮の画像データ513が生成されている。
【0061】
そして、これらの画像データ511乃至513は、識別子付与部130によって画像セット識別子551乃至553が付与される。これら画像セット識別子551乃至553は、同一画像セット内では共通である。したがって、これらの画像データ511乃至513が画像管理サーバ200に送信された場合、何れの画像データであってもURL生成部220によって同じURLアドレスが生成される。
【0062】
[データファイルの構造]
図7は、JPEGファイルのデータ構造を示す図である。ここでは画像データのデータファイルの一例としてJPEGファイルを採用した例について説明するが、これに限定されるものではない。
【0063】
JPEGファイルのデータ構造は、圧縮データスタート(SOI)、アプリケーション・マーカセグメント1(APP1)、量子化テーブル(DQT)、ハフマンテーブル(DHT)を順に記録する。そして、フレームヘッダ(SOF)、スキャンヘッダ(SOS)に続いて圧縮データの本体が記録され、最後に圧縮データ終了(EOI)が記録される。なお、アプリケーション・マーカセグメント2(APP2)はFlashpix拡張データを記録する領域であり、必要に応じて、APP1の直後から複数個連続して記録される。
【0064】
APP1は、Exif付属情報を記録する領域である。このAPP1では、APP1マーカに続いてAPP1長が定義される。そして、Exif識別コードに続いて、TIFFヘッダ、主画像IFD(Image File Directory)、主画像IFD値、サムネイルIFD、サムネイルIFD値、サムネイル画像データが記録される。
【0065】
主画像IFD(0th IFD)および主画像IFD値(0th IFD Value)には、主画像に関する付属情報が記録される。サムネイルIFD(1st IFD)およびサムネイルIFD値(1st IFD Value)には、サムネイル画像に関する付属情報が記録される。IFDは、フィールド数を表すカウント、フィールドエントリ列、次IFDへのオフセットにより構成される。128バイトの各フィールドエントリは、タグ、タイプ、カウント、値へのオフセットの4つの要素により構成される。タグはフィールドを識別するための固有の番号である。タイプは符号付きなどのデータタイプを識別するものである。カウントは値の個数を示すものである。値へのオフセットは、TIFFヘッダの先頭から値本体の記録位置へのオフセットを記録するものである。ただし、値が4バイトに収まる場合には値そのものが記録される。
【0066】
図8は、JPEGファイルのAPP1の主画像IFDにおける主な項目を示す図である。露出時間(タグ番号=33434)は、撮像画像の露出時間を示すものである。F値(タグ番号=33437)は、撮像画像のF値を示すものである。ISOスピードレート(タグ番号=34855)は、撮像画像のISOスピードレートを示すものである。Exifバージョン(タグ番号=36864)は、撮像画像のExifバージョンを示すものである。原画像データの生成日時(タグ番号=36867)は、原画像データの生成日時を示すものである。ディジタルデータの作成日時(タグ番号=36868)は、撮像画像のディジタルデータの作成日時を示すものである。シャッタースピード(タグ番号=37377)は、撮像画像のシャッタースピードを示すものである。絞り値(タグ番号=37378)は、撮像画像の絞り値を示すものである。被写体距離(タグ番号=37382)は、撮像画像の被写体距離を示すものである。フラッシュ(タグ番号=37385)は、撮像画像のフラッシュを示すものである。レンズ焦点距離(タグ番号=37386)は、撮像画像のレンズ焦点距離を示すものである。メーカノート(タグ番号=37500)は、撮像画像のメーカノートを示すものである。ユーザコメント(タグ番号=37510)は、撮像画像のユーザコメントを示すものである。対応フラッシュピックスバージョン(タグ番号=40960)は、撮像画像の対応フラッシュピックスバージョンを示すものである。色空間情報(タグ番号=40961)は、撮像画像の色空間情報を示すものである。露出モード(タグ番号=41986)は、撮像画像の露出モードを示すものである。撮影シーンタイプ(タグ番号=41990)は、撮像画像の撮影シーンタイプを示すものである。
【0067】
メーカノートはメーカ側が独自に定めた固有領域である。また、ユーザコメントはユーザ側が利用可能な領域である。画像セット識別子を格納する領域としては、これらメーカノートまたはユーザコメントを利用することが適切である。
【0068】
[情報処理システムの動作]
図9は、第1の実施の形態における情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【0069】
画像提供側の情報処理装置100の撮像部110において撮像が行われると(811)、画像生成部120において原画像からデータ容量を低減化した新たな画像データが生成される(812)。また、画像データの各々には識別子付与部130によって画像セット識別子が付与される。情報処理装置100では、通信状態検出部150において検出された通信状態に応じて、共通する画像セット識別子が付与された画像データの中から何れかの画像データが画像管理サーバ200に送信される(813)。例えば、外出先で撮像が行われたことを想定すると、最も小さい容量のサムネイル画像の画像データが送信される。
【0070】
画像管理サーバ200では、情報処理装置100から画像データを受信すると(821)、その画像データの画像セット識別子が新規のものであれば、その画像セット識別子に対応するURLアドレスがURL生成部220によって生成される(822)。生成されたURLアドレスはURL送信部230によって情報処理装置100に送信される(823)。
【0071】
情報処理装置100では、URLアドレスを受信すると(814)、そのURLアドレスを必要に応じてウェブサーバ300に登録する(815)。この登録動作としては、例えば、掲示板やソーシャルユーティリティサイトにURLアドレスを書き込む作業が想定される。
【0072】
ウェブサーバ300では、URLアドレスを受け付けると(831)、そのURLアドレスを公開する(832)。この公開動作としては、例えば、掲示板やソーシャルユーティリティサイトを更新して、情報処理装置400上のウェブブラウザからの画像要求に応じてURLアドレスを表示できるようにする作業が想定される。
【0073】
情報処理装置400では、画像データを要求する画像要求が行われ(841)、その結果、その画像データが受信される(842)。画像要求としては、例えば、ウェブブラウザにおいてその画像のURLアドレスが指定されることが想定される。
【0074】
ウェブサーバ300では、情報処理装置400上のウェブブラウザから画像要求を受け付けると(824)、その画像要求に係る画像セットの画像データの中から1つの画像データが情報処理装置400に供給される(825)。この時点では最も小さい容量のサムネイル画像の画像データだけが画像管理サーバ200に保持されていると想定すると、そのサムネイル画像の画像データが情報処理装置400に供給される。
【0075】
その後、ユーザが帰宅して情報処理装置100が高速回線に接続されたことを想定すると、より大容量の画像データが画像管理サーバ200に送信される(816)。その画像データを受信(826)した画像管理サーバ200は、その画像データを保持する。
【0076】
その後、情報処理装置400において、画像データを要求する画像要求が行われると(843)、ウェブサーバ300では、その画像要求を受け付けられ(827)、その画像要求に係る画像セットの画像データの中から1つの画像データが供給される(828)。ここでは、情報処理装置400が高速回線で接続されていることを想定して、画像要求に係る画像セットの画像データの中から最も容量の大きい画像データが供給され、情報処理装置400において受信される(844)。
【0077】
図10は、第1の実施の形態における情報処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0078】
撮像部110において撮像が行われると(S911)、画像生成部120において原画像からデータ容量を低減化した新たな画像データが生成される(S912)。また、画像データの各々には識別子付与部130によって画像セット識別子が付与される(S913)。
【0079】
通信状態検出部150において通信状態が検出されており(S915)、検出された通信状態に応じて、共通する画像セット識別子が付与された画像データの中から何れかの画像データが選択され(S916)、画像管理サーバ200に送信される(S917)。
【0080】
例えば、外出先で撮像が行われたことを想定すると、最も小さい容量のサムネイル画像の画像データが画像管理サーバ200に送信される。また、その後、ユーザが帰宅して情報処理装置100が高速回線に接続されたことを想定すると、より大容量の画像データが画像管理サーバ200に送信される。
【0081】
共通する画像セット識別子が付与された画像データが全て画像管理サーバ200に送信されると(S918)、送信動作を終了する。
【0082】
図11は、第1の実施の形態における画像管理サーバ200の画像管理動作例を示すフローチャートである。
【0083】
画像受信部210が情報処理装置100から画像データを受信すると(S921)、その画像データの画像セット識別子が新規のものであれば(S922)、画像セット管理部290において画像セットが生成される(S923)。そして、その画像セット識別子に対応するURLアドレスがURL生成部220によって生成される(S924)。生成されたURLアドレスはURL送信部230によって情報処理装置100に送信される(S925)。
【0084】
画像セット識別子が新規であるか既存のものであるかにかかわらず、受信された画像データは画像セット管理部290によって、画像セット保持部280の対応する画像セットに追加される(S926)。
【0085】
図12は、第1の実施の形態における画像管理サーバ200の画像供給動作例を示すフローチャートである。
【0086】
画像要求受付部240が情報処理装置400上のウェブブラウザから画像要求を受け付けると(S931)、その画像要求に係る画像セットの画像データの中から1つの画像データが画像セット管理部290において選択される(S932)。この選択された画像データは、画像供給部250によって情報処理装置400に供給される(S933)。
【0087】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、共通する画像セット識別子を付与することにより、情報処理装置100の通信状態に応じたデータ容量の画像データを適時に画像管理サーバ200に送信し、情報処理装置400において閲覧することができる。画像管理サーバ200では新たな画像データを受信するたびに、画像セット毎に管理を行う。同じ画像セットに対しては同じURLアドレスが生成されるため、情報処理装置400からはデータ容量を意識することなく、任意のタイミングでシームレスにアクセスすることができる。
【0088】
[画像管理サーバの変形例]
図13は、第1の実施の形態における画像管理サーバ200の変形例を示す図である。この画像管理サーバ200の変形例は、図4に示した構成例と比べて、通信状態検出部260をさらに備える点で異なる。
【0089】
通信状態検出部260は、情報処理装置400との間の通信状態を検出するものである。この通信状態検出部260は、情報処理装置400へ画像データを送信するためのネットワーク500に対する通信状態を検出する。ここでは、通信状態検出部150と同様に、通信状態として通信速度(通信帯域)を検出するものと仮定する。また、通信状態検出部150と同様に、簡易な手法を用いてもよい。したがって、この通信状態検出部260は、通信状態検出部150と同様の構成により実現することができる。
【0090】
この変形例において、画像セット管理部290は、通信状態検出部260によって検出された通信状態に応じて、共通する画像セット識別子が付与された画像データの中から何れかの画像データを選択して送信する。すなわち、共通する画像セット識別子が付与された画像データのデータ容量と、通信状態検出部260によって検出された通信状態とを比較して、適切な画像データを選択する。これにより、情報処理装置400に対して常に最も大きい容量の画像データを送信するのではなく、通信状態に合致した画像データを情報処理装置400に供給することができる。
【0091】
<2.第2の実施の形態>
[情報処理システムの全体構成]
図14は、第2の実施の形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。この情報処理システムは、情報処理装置100および400と、ウェブサーバ600とを、ネットワーク500によって相互に接続することにより構成される。この第2の実施の形態における情報処理システムは、第1の実施の形態の情報処理システムにおける画像管理サーバ200の機能をウェブサーバ600に持たせるようにしたものである。したがって、このウェブサーバ600は、単独で画像を管理することができる。それ以外の構成については第1の実施の形態と同様である。
【0092】
[情報処理システムの動作]
図15は、第2の実施の形態における情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【0093】
この第2の実施の形態では、ウェブサーバ600において情報処理装置100から画像データを受信すると(821)、その画像データの画像セット識別子が新規のものであれば、その画像セット識別子に対応するURLアドレスがURL生成部によって生成される(822)。ウェブサーバ600においてURL生成部がURLアドレスを生成すると(822)、URL送信部がそのURLアドレスを公開する(829)。すなわち、第1の実施の形態のウェブサーバ300と同様に、例えば、掲示板やソーシャルユーティリティサイトを更新して、情報処理装置400上のウェブブラウザからの画像要求に応じてURLアドレスを表示できるようにする作業が想定される。
【0094】
これ以降の動作の流れについては第1の実施の形態におけるウェブサーバ300と同様である。
【0095】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、ウェブサーバ600に画像管理機能を持たせることにより、ウェブサーバ600単独で画像データの管理および供給を行うことができる。この第2の実施の形態においても、同じ画像セットに対しては同じURLアドレスが生成されるため、情報処理装置400からはデータ容量を意識することなく、任意のタイミングでシームレスにアクセスすることができる。
【0096】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0097】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0098】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)第1の画像および前記第1の画像よりデータ容量が小さい少なくとも1つの第2の画像に対して共通する画像セット識別子を付与する識別子付与部と、
サーバとの間の通信状態を検出する通信状態検出部と、
前記第1および第2の画像のデータ容量と前記検出された通信状態とに応じて前記第1および第2の画像のうちの何れか1つ以上を選択する画像選択部と
を具備する情報処理装置。
(2)前記画像選択部によって選択された画像を前記サーバに送信する画像送信部をさらに具備し、
前記画像選択部は、前記第1および第2の画像において前記送信された画像よりデータ容量の大きい画像が1つ以上あり、かつ、前記検出された通信状態よりも良い通信状態になった場合、前記送信された画像よりデータ容量の大きい画像のうち1つ以上を選択する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記画像送信部は、前記検出された通信状態が許容する範囲内において、前記第1および第2の画像のうち最もデータ容量の大きいものを前記サーバに送信する前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記画像送信部は、前記第1の画像を送信するまでは、前記第2の画像を送信する際に前記第1の画像を送信していない旨を示す情報を併せて送信する前記(1)から(3)に記載の情報処理装置。
(5)前記通信状態検出部は、前記サーバとの間で使用される通信方式に基づいて前記通信状態を検出する前記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)前記第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施して少なくとも1つの前記第2の画像を生成する画像生成部をさらに具備する前記(1)に記載の情報処理装置。
(7)前記画像生成部は、前記データ容量の低減化処理として、前記第1の画像の解像度を低下させる解像度変換処理である前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)前記画像生成部は、前記データ容量の低減化処理として、前記第1の画像の圧縮率を低下させる圧縮率変換処理である前記(6)に記載の情報処理装置。
(9)前記第1および第2の画像は動画であり、
前記画像生成部は、前記データ容量の低減化処理として、前記第1の画像のフレームレートを低下させるフレームレート変換処理である
前記(6)に記載の情報処理装置。
(10)共通する画像セット識別子が付与された第1の画像および少なくとも1つの第2の画像を画像セットとして前記画像セット識別子に対応付けて管理する画像セット管理部と、
前記画像セット識別子に基づく画像要求を受け付けると前記画像セット識別子に対応付けて管理されている前記画像セットにおける前記第1および第2の画像のうち何れか1つを選択して供給する画像供給部と
を具備する画像サーバ。
(11)前記画像セット識別子に基づいて前記第1および第2の画像に共通するネットワークアドレスを生成するネットワークアドレス生成部をさらに具備する前記(10)に記載の画像サーバ。
(12)前記画像供給部は、前記画像セット識別子に対応付けて管理されている前記画像セットにおける前記第1および第2の画像のうち最もデータ容量が大きいものを選択して供給する前記(10)または(11)に記載の画像サーバ。
(13)画像供給先との間の通信状態を検出する通信状態検出部をさらに具備し、
前記画像供給部は、前記検出された通信状態が許容する範囲内において、前記第1および第2の画像のうち最もデータ容量の大きいものを選択して供給する前記(10)から(12)のいずれかに記載の画像サーバ。
(14)第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施して少なくとも1つの第2の画像を生成する画像生成手順と、
前記第1および第2の画像に対して共通する画像セット識別子を付与する識別子付与手順と、
サーバとの間の通信状態を検出する通信状態検出手順と、
前記第1および第2の画像のデータ容量と前記検出された通信状態とに応じて前記第1および第2の画像のうちの何れかを前記サーバに送信する画像送信手順と
を具備する画像アップロード方法。
【符号の説明】
【0099】
100 画像提供側の情報処理装置
101 携帯機器
102 コンピュータ
110 撮像部
120 画像生成部
130 識別子付与部
140 画像保持部
150 通信状態検出部
160 画像選択部
170 画像送信部
200 画像管理サーバ
210 画像受信部
220 URL生成部
230 URL送信部
240 画像要求受付部
250 画像供給部
260 通信状態検出部
280 画像セット保持部
290 画像セット管理部
300、600 ウェブサーバ
400 画像閲覧側の情報処理装置
401、402 コンピュータ
500 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像および前記第1の画像よりデータ容量が小さい少なくとも1つの第2の画像に対して共通する画像セット識別子を付与する識別子付与部と、
サーバとの間の通信状態を検出する通信状態検出部と、
前記第1および第2の画像のデータ容量と前記検出された通信状態とに応じて前記第1および第2の画像のうちの何れか1つ以上を選択する画像選択部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記画像選択部によって選択された画像を前記サーバに送信する画像送信部をさらに具備し、
前記画像選択部は、前記第1および第2の画像において前記送信された画像よりデータ容量の大きい画像が1つ以上あり、かつ、前記検出された通信状態よりも良い通信状態になった場合、前記送信された画像よりデータ容量の大きい画像のうち1つ以上を選択する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像送信部は、前記検出された通信状態が許容する範囲内において、前記第1および第2の画像のうち最もデータ容量の大きいものを前記サーバに送信する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像送信部は、前記第1の画像を送信するまでは、前記第2の画像を送信する際に前記第1の画像を送信していない旨を示す情報を併せて送信する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通信状態検出部は、前記サーバとの間で使用される通信方式に基づいて前記通信状態を検出する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施して少なくとも1つの前記第2の画像を生成する画像生成部をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像生成部は、前記データ容量の低減化処理として、前記第1の画像の解像度を低下させる解像度変換処理である請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像生成部は、前記データ容量の低減化処理として、前記第1の画像の圧縮率を低下させる圧縮率変換処理である請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1および第2の画像は動画であり、
前記画像生成部は、前記データ容量の低減化処理として、前記第1の画像のフレームレートを低下させるフレームレート変換処理である
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項10】
共通する画像セット識別子が付与された第1の画像および少なくとも1つの第2の画像を画像セットとして前記画像セット識別子に対応付けて管理する画像セット管理部と、
前記画像セット識別子に基づく画像要求を受け付けると前記画像セット識別子に対応付けて管理されている前記画像セットにおける前記第1および第2の画像のうち何れか1つを選択して供給する画像供給部と
を具備する画像サーバ。
【請求項11】
前記画像セット識別子に基づいて前記第1および第2の画像に共通するネットワークアドレスを生成するネットワークアドレス生成部をさらに具備する請求項10記載の画像サーバ。
【請求項12】
前記画像供給部は、前記画像セット識別子に対応付けて管理されている前記画像セットにおける前記第1および第2の画像のうち最もデータ容量が大きいものを選択して供給する請求項10記載の画像サーバ。
【請求項13】
画像供給先との間の通信状態を検出する通信状態検出部をさらに具備し、
前記画像供給部は、前記検出された通信状態が許容する範囲内において、前記第1および第2の画像のうち最もデータ容量の大きいものを選択して供給する請求項10記載の画像サーバ。
【請求項14】
第1の画像に対してデータ容量の低減化処理を施して少なくとも1つの第2の画像を生成する画像生成手順と、
前記第1および第2の画像に対して共通する画像セット識別子を付与する識別子付与手順と、
サーバとの間の通信状態を検出する通信状態検出手順と、
前記第1および第2の画像のデータ容量と前記検出された通信状態とに応じて前記第1および第2の画像のうちの何れかを前記サーバに送信する画像送信手順と
を具備する画像アップロード方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−253596(P2012−253596A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125117(P2011−125117)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】