説明

情報処理装置およびメール送信方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】複数のメールを手間無く1つのスレッドとして関連付け、重複させずに一括送信可能にすること。
【解決手段】送信メール取得部7がメール記憶部4から複数のメールを選択し、新規ID作成部8が、前記選択された複数のメールに含まれるメール情報に基づいて、前記複数のメールがメッセージIDと追跡情報との関係により連鎖するように、前記複数のメールのメール情報を変更し、一括送信部10が、前記連鎖処理された前記複数のメールを入力される送信先に送信する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信済み又は受信済みのメールのうち関連のあるメールを一括して送信可能な情報処理装置およびメール送信方法およびプログラムおよび記録媒体。
【背景技術】
【0002】
従来の電子メールシステムには、複数の利用者間で電子メールにより行われる、ある一つの話題についての議論を、スレッドメールとしてまとめて表示することにより、議論の進行を容易に把握することのできるメーラーがある。
【0003】
なお、「スレッド」とは、メールで共通の話題についての集まりを示す。スレッドは、同じ条件のものだけではなく、あるメールの内容について関連した内容のメールをもまとめたものである。なお、「関連」とは、そのメールに対して「返信」をしたかどうかによってメッセージIDで関連付けされる。例えば、返信されたメールを再度返信するといったことを繰り返すことによりスレッドに追加することができる。
【0004】
特許文献1では、このようなスレッドメールの内容を一括表示することで、作業者が必要としているスレッドメールを簡単に短時間で検索し閲覧するための技術が提案されている。
【0005】
また、同報送信機能や、転送機能を多用すると、複数の送信元から同一内容の電子メールが送信され、これにより受信側で同一内容の電子メールを複数個受信することになる場合がある。
【0006】
特許文献2では、電子メールの重複受信を防止し、回線効率及び作業効率の向上を図る技術が提案されている。
【特許文献1】特開2001−222477号公報
【特許文献2】特開2000−92112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の技術では、以下のような問題点があった。
【0008】
特許文献1では、第三者がスレッドメールの一括表示のメールを受け取っても、スレッド表示ができないので、議論の流れを把握するのは難しい。また、受信者側でスレッド表示させるためには、やりとりした全メールを一通ずつ送らなければならず、送信者の手間がかかる。
【0009】
特許文献2では、スレッドメールを送信する際、ただ重複するメールを送らないだけの処理だと、スレッドが切れてしまう場合がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数のメールを手間無く1つのスレッドとして関連付け、重複させずに一括送信可能にする仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、送信済み又は受信済みのメールを複数記憶する記憶手段から選択される複数のメールに含まれるメール情報内に含まれるID情報、追跡情報、宛先情報のいずれか少なくとも1つを取得する取得手段と、前記ID情報と前記追跡情報との関係により連鎖させるように、前記複数のメールのメール情報を変更する連鎖処理手段と、前記連鎖処理手段により連鎖処理された前記複数のメールを、入力される送信先に送信する送信手段を、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のメールを手間無く1つのスレッドとして関連付け、重複させずに一括送信可能にすることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
〔第1実施形態〕
本実施形態では、メール端末が検索キーワードで検索されたメールを1つのスレッドとして関連付け、重複させずに一括送信可能な電子メールシステムについて説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態の一例を示す情報処理装置を適用可能な一般的な電子メールシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0016】
この電子メールシステムでは、少なくとも一台のメール端末200とメールサーバ100がLAN・WAN300を介して接続されており、互いに電子メールの送受信が可能となっている。
【0017】
なお、この図1では例として3台のメール端末200a〜200cが設けられている場合を示しているが、何台あってもよい。
【0018】
電子メールの送信者がいずれかのメール端末(ここではメール端末200a)から電子メールを送信すると、まず、この電子メールはLAN・WAN300を介してメールサーバ100に受信される。
【0019】
メールサーバ100では、受信した電子メールのヘッダに付されている宛先情報によって分類され、各宛先毎にメールボックスに格納される。
【0020】
電子メールの受信者は、いずれかのメール端末(ここではメール端末200c)において自己が宛先となっている電子メール受信を指示する。すると、メールサーバ100において、この受信者を宛先とする電子メールが、メールサーバ100内のいずれかのメールボックスから読み出され、メール端末200cに送信される。これにより、電子メールの受信者は、メール端末200cにおいて自らに宛てられた電子メールを確認することができる。
【0021】
このような電子メールシステムには、一般的に、同一内容のデータを複数の宛先に送信する同報送信機能や、受信データを再利用して転送する転送機能等の各種機能が備えられている。これらの諸機能により電子メール利用の際の手間の削減が図られている。
【0022】
なお、メール端末200及びメールサーバ100は、一般的なパーソナルコンピュータで構成可能であり、図2にそのハードウェア構成例を示す。
【0023】
図2は、図1に示したメール端末200及びメールサーバ100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図2において、201は、装置の中枢となる制御装置であって、各種制御を行うものであり、具体的にはパーソナルコンピュータのCPU等がこれにあたる(以下、CPU201という)。
【0025】
202はRAM(Random Access Memory)であって、プログラムのワークエリアや一時的に保持するデータのバッファとして利用される。203はROM(Read Only Memory)であって、各プログラムの保存等を行う。
【0026】
204は外部メモリであって、各データの保持を行うものであり、具体的にはハードディスクドライブやDVDドライブ等である。
【0027】
205は入力装置であり、この装置を通じてCPU201にデータ等の入力が行われる。この入力装置205は、具体的には、キーボードやマウス等である。206は表示装置で、具体的にはディスプレイ等である。207は通信インターフェースであり、LAN・WAN300等の伝送路との接続を制御する。
【0028】
なお、メールサーバ100も同様のハードウェア構成を備えるものとする。
【0029】
図3は、電子メールの形態の一例を示す模式図である。
【0030】
図3に示すように、電子メールは、ヘッダ301と送信データとなる本文302から構成される。さらに、ヘッダ301にはメール種別情報(新規/転送/返信/同報)、サブジェクト、日付情報(DATE)、メッセージID(Message-ID)、宛先情報、送信者情報、追跡情報(In-Reply-To,References)等が含まれている。
【0031】
図4は、図3に示した電子メールヘッダ301内の追跡情報の一例を示す模式図である。
【0032】
図4において、(a)は、スレッドメールの一例を示している。また、(b)は、(a)に示したスレッドメールにおける、Message-IDとIn-Reply-To,Referencesとの関係を示している。
【0033】
スレッドメールの場合、先頭メール(Message-ID:<1>)は、Message-IDだけが設定され、各メールのIn-Reply-Toには1つ前のメールのMessage-ID、Referencesには2つ前までのMessage-IDが設定される。
【0034】
なお、メッセージID(Message-ID)は、送信するメール毎のユニークなものである。また、追跡情報において、In-Reply-Toは、メールに返信をした際の元のメールのMessage-IDを含む。また、Referencesは、参照したメールの情報を示すものであり、メールに返信をした際の元のメールのMessage-ID、及び、該元のメールのさらに元のメールのMessage-ID等を含む。
【0035】
即ち、スレッドメールの場合、日付が最新のメールのIn-Reply-Toに記載されたMessage-IDを辿っていくことにより、先頭のメールまで辿り着くことができる。
【0036】
図4に示した例では、Message-ID:<1>を先頭として、Message-ID:<2>,Message-ID:<3>,Message-ID:<4>とメールが連鎖しているスレッドメールを示している。
【0037】
図5は、本発明の第1実施形態における電子メールシステムのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図5に示すように、本実施形態の電子メールシステムは、送信部1、受信部2、メール管理部3、メール記憶部4、操作・表示部5、送信リスト記憶部6,一括送信BOX等を備えている。
【0039】
そして、送信部1は、利用者作成した電子メールをネットワークを介して送信するものである。
【0040】
受信部2は、ネットワークを介して送信されてきた電子メールを受信して、その電子メールをメール管理部3に渡すものである。また、メール管理部3は、受信部2から渡された電子メールをメール記憶部4に格納したり、メール記憶部4に記憶されている電子メールを検索したりする電子メール管理を行うものである。
【0041】
また、メール記憶部4は、外部メモリ204の一部の領域から構成され、受信した電子メール、作成中の電子メール、送信済みの(送信した)電子メールなど、各種の電子メールを記憶しておくものである。
【0042】
また、操作・表示部5は、入力処理部11および表示処理部12を備える。入力処理部11は、キーボードやマウスのようなポインティングデバイス(即ち、入力装置205)から利用者の指示を受け取り、表示のために必要な情報をメール管理部3に要求したりする。表示処理部12は、メール管理部3から電子メールに関する情報を受け取り、それを元に各種の表示処理を行い、処理された表示情報をディスプレイ等の表示装置206に表示させる。
【0043】
なお、メール管理部3は、本発明の中心的構成である送信メール取得部7および新規ID作成部8および重複検索部9を備えている。送信メール取得部7では、送信したいメールをキーワード検索により(メール記憶部4に対するキーワード検索)、キーワードを含むスレッド毎、又はメール毎に取得し、該取得した送信メールを一括送信BOX13に加える。
【0044】
また、新規ID作成部8では、一括送信BOX13内のメールをひとまとまりのメールとして関連付けを行う。重複検索部9では、メール記憶部4にある電子メールのヘッダ情報を取得し、該取得したヘッダ情報内の宛先情報から重複したメールを一括送信BOXから省くための作業を行う。
【0045】
また、送信リスト記憶部6は、一括送信を行う際に、それぞれの宛先の重複メールを回避するための情報、つまりそれぞれの電子メールのIDと宛先情報、送信せずに省くかどうかの情報を記憶しておくものである。この送信リスト記憶部6の詳細は後述する図13で示す。
【0046】
なお、送信部1では、基本的な処理と、本発明の中心的構成である一括送信部10を備え、基本的な処理として、新規、転送、返信の3つのモードのうちのいずれかに従って電子メールを作成して送信する処理を含む。なお、この送信部1が作成する電子メールは、ヘッダ301と送信データである本文302とから構成される。(図3)
そして、送信部1の一括送信部10では、一括送信BOXに、入力した宛先情報と送信リスト記憶部6にある宛先を照らし合わせ、その宛先の送信リストを用い、一括送信を行う。
【0047】
なお、上述の送信部1,受信部2,メール管理部3,操作・表示部5は、図2に示したCPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。
【0048】
また、メール記憶部4は、図2に示した外部メモリ204内に実現される。さらに、送信リスト記憶部6,一括送信BOXは、図2に示したRAM202内に実現される。
【0049】
以下、図6〜図22を参照して、本実施形態におけるスレッドメール送信処理について説明する。
【0050】
図6は、本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、スレッドメール送信処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図5に示した各部により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S501〜S503は各ステップを示す。
【0051】
図5に示した入力処理部11から、スレッドメール送信処理の開始が指示されると、メール管理部3が本フローチャートの処理を開始する。
【0052】
まず、ステップS501において、送信メール取得部7が、送信メール取得処理を行う(詳細は、後述する図7で示す)。
【0053】
次に、ステップS502において、新規ID作成部8が、新規ID作成処理を行う(詳細は、後述する図14で示す)。
【0054】
最後に、ステップS503において、一括送信部10が、一括送信処理を行う(詳細は、後述する図22で示す)。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0055】
以下、図7を用いて、図6のステップS501に示した送信メール取得処理について説明する。
【0056】
図7は、本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS501に示した送信メール取得処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図5に示した送信メール取得部7により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S601〜S606は各ステップを示す。
【0057】
まず、ステップS601において、送信メール取得部7は、図8,図10に示すキーワード検索画面1201を操作・表示部5を用いて表示し、検索キーワードの入力を受け付ける。
【0058】
ここで、キーワード検索画面1201について説明する。
【0059】
図8は、本発明におけるキーワード検索画面の一例を示す模式図であり、表示装置206上に表示される。
【0060】
図8において、1201はキーワード検索画面である。このキーワード検索画面1201は、大きく3つのフレームに分かれており、上段のフレームはメールの一覧からメールを選択するための検索キーワードを入力するための入力枠1202、またキーワードをどのように用いるかを選択するための選択枠1203から構成される。
【0061】
また、中段のフレームは、検索対象を指定する選択枠1204と検索モードを選択することができる選択枠1205から構成される。さらに、下段のフレームは、検索結果を示す表示枠1208,全メール選択チェックボックス1206,一括送信BOXに追加ボタン1209から構成される。表示枠1208内には、チェックボックス1208aが備えられ、このチェックボックス1208aにより、送信一括BOXに追加するメールを任意に選択することができる。また、下段フレームは、全メール選択チェックボックス1206により、表示枠1208内の全メールを送信一括BOXに追加するメールを選択することができる。
【0062】
また、右上段のフレーム1207は、検索開始ボタン、絞込みボタン、閉じるボタンから構成される。
【0063】
この図は、中段の検索モードを選択する選択枠1205において、スレッドメールを選択した場合に対応する。この場合、検索結果としてはキーワードを件名もしくは本文に含むスレッドメール及び、キーワードを件名もしくは本文に含むその他のメールが検索されて、表示枠1208に表示される。
【0064】
なお、選択枠1205のスレッドメールチェックボックス1205aにおいて、スレッドメールを選択しない場合を図10に示す。図10は、本発明におけるキーワード検索画面の他の例(スレッドメールを検索対象として選択しない場合)を示す模式図であり、図10の場合、検索結果としてはキーワードを件名もしくは本文に含むメールが検索されて表示枠1208に表示される。
【0065】
一括送信BOXに追加ボタン1209は、表示枠1208に表示され、チェックボックス1208aがチェックされているメールを一括送信BOX13に追加するためのものである。
【0066】
以下、図7のフローチャートの説明に戻る。
【0067】
ステップS601で、図8、図10の1202のように利用者により検索キーワードが入力され、検索開始ボタンが押下指示されると、送信メール取得部7は、ステップS602に処理を進める。
【0068】
ステップS602では、送信メール取得部7は、スレッドメールチェックボックス1205aにチェックが入っているか否かを判定する。
【0069】
そして、図8に示すようにスレッドメールチェックボックス1205aにチェックが入っていると判定した場合には、送信メール取得部7は、ステップS603に処理を進め、検索キーワードを件名、本文に含む全てのメール、及び、それらのメールを含むスレッドメールの検索処理をメール記憶部4に対して行い、該検索結果を操作・表示部5を用いて表示枠1208に表示する(図8)。そして、送信メール取得部7は、一括送信BOXに追加ボタン1209が押下指示されると、ステップS604に処理を進める。
【0070】
ステップS604では、送信メール取得部7は、チェックボックス1208aにチェックが付されたメール,スレッドメールを一括送信BOX13に格納し、また、それらメールのメッセージIDを、送信リスト記憶部6(図12)に格納し、一括送信BOX13の内容を、操作・表示部5を用いて、図9に示すように一括送信BOX画面に表示し、送信メール取得処理を終了して、次の処理に移行させる。
【0071】
ステップS602では、送信メール取得部7は、スレッドメールチェックボックス1205aにチェックが入っているか否かを判定する。
【0072】
一方、図10に示すようにスレッドメールチェックボックス1205aにチェックが入っていないと判定した場合には、送信メール取得部7は、ステップS605に処理を進め、検索キーワードを件名、本文に含む全てのメールの検索処理をメール記憶部4に対して行い、該検索結果を操作・表示部5を用いて表示枠1208に表示する(図10)。そして、送信メール取得部7は、一括送信BOXに追加ボタン1209が押下指示されると、ステップS606に処理を進める。
【0073】
ステップS606では、送信メール取得部7は、チェックボックス1208aにチェックが付されたメールを一括送信BOX13に格納し、また、それらメールのメッセージIDを、送信リスト記憶部6(図12)に格納し、一括送信BOX13の内容を、操作・表示部5を用いて、図11に示すように一括送信BOX画面に表示し、送信メール取得処理を終了して、次の処理に移行させる。
【0074】
図9,図11は、本実施形態における一括送信BOX画面の一例を示す模式図である。
【0075】
図9,図11に示すように、一括送信BOX表示画面1301は、大きく2つのフレームに分かれており、上段のフレームは一括送信するメールを表示する表示枠1302、下段はメールを送信する宛先アドレスを入力する入力枠1303と一括送信を開始する開始ボタン1304から構成されている。
【0076】
図9では、図8に示したチェック1208aにチェックの入ったメールが一括送信BOXに追加され、送信先として2つのアドレス(C<c@cxnon-soft.co.jp>,D<d@cxnon-soft.co.jp>)が、アドレス入力枠1303に入力された状態を示している。
【0077】
図11では、図10に示したチェック1208aにチェックの入ったメールが一括送信BOXに追加され、送信先として2つのアドレス(C<c@cxnon-soft.co.jp>,D<d@cxnon-soft.co.jp>)が、アドレス入力枠1303に入力された状態を示している。
【0078】
図12は、送信リスト記憶部6に格納される送信リストのデータの構成の一例を示す図である。
【0079】
図12に示すように、送信リストは、メッセージID1101,省くメール1102から構成されるものとする。
【0080】
メッセージID1101には、具体的には送信メール取得部7で取得した複数の送信メールのメッセージIDが格納される。
【0081】
そして、省くメール1102には、省くメールと判断された宛先のフラグに「1」、省くメールと判断されなかった宛先のフラグに「0」が格納される。
【0082】
この省くメール1102へのフラグの設定は、後述する図14のS703(後述する図21)に示す重複検索部9の重複処理において行われる。具体的には、重複検索部9は、送信リスト記憶部6に保存した送信メールのメッセージIDを取得し、それらのメッセージIDからメール記憶部4にある電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先情報を用い、送信したい宛先と重複しているかどうかを確認する。その際、重複検索部9は、重複している宛先のフラグを「1」にし、重複していない宛先のフラグは「0」のままとし、送信リスト記憶部6に保存するものとする。
【0083】
図13は、図9に示した一括送信BOX画面に表示されたメールのヘッダ情報とその関係を示す図である。
【0084】
以下、図14〜図20を参照して、図6のステップS502に示した新規ID作成処理について説明する。
【0085】
図14は、本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS502に示した新規ID作成処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図5に示した新規ID作成部8により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S701〜S711は各ステップを示す。
【0086】
まず、ステップS701において、新規ID作成部8は、送信リスト記憶部6からメールヘッダ部のDateの日付が最新のメールを取得する。
【0087】
次にステップS702において、新規ID作成部8は、取得したメール(以下、該当メール)のヘッダ部にIn-Reply-To情報があるか否をチェックする。
【0088】
ステップS702で、取得したメールのヘッダ部にIn-Reply-To情報があると判定した場合には、新規ID作成部8は、新規メール又はスレッドメールの先頭であると判断して、そのままステップS707に処理を進める。
【0089】
一方、ステップS702で、取得したメールのヘッダ部にIn-Reply-To情報があると判定した場合には、新規ID作成部8は、スレッドが続いていると判断して、ステップS703に処理を進める。
【0090】
ステップS703では、新規ID作成部8は、重複処理(詳細は図21で説明する)を実行し、ステップS704に処理を進める。
【0091】
ステップS704では、新規ID作成部8は、該当メールのヘッダ部からIn-Reply-To情報を取得する。
【0092】
次に、ステップS705において、新規ID作成部8は、S704で取得したIn-Reply-Toの値に対応するMassage-IDの値をもつメールを送信リスト記憶部6から取得する処理を行う。
【0093】
次に、ステップS706において、新規ID作成部8は、S704で取得したIn-Reply-Toの値に対応するMassage-IDの値をもつメールを送信リスト記憶部6から取得できたか否かを判定し、取得できたと判定した場合には、送信リスト記憶部6内に、該取得したメール(以下、該当メール)の上にあるスレッドが存在していると判断して、再びステップS702に戻って処理を行う。
【0094】
一方、ステップS706で、S704で取得したIn-Reply-Toの値に対応するMassage-IDの値をもつメールを送信リスト記憶部6から取得できなかったと判定した場合には、該取得したメール(以下、該当メール)の上にあるスレッドは存在するが送信リスト記憶部6内には存在していない(即ち、スレッドが途切れている)と判断して、ステップS707に処理を進める。
【0095】
ステップS707では、新規ID作成部8は、今まで取得してきたメール以外に送信リスト記憶部6内にメールがあるか否かを判定し、無いと判定した場合には、スレッドが完成していると判断して、新規ID作成処理を終了し、次の処理に移る。
【0096】
一方、ステップS707で、今まで取得してきたメール以外に送信リスト記憶部6内にメールが存在すると判定した場合には、新規ID作成部8は、ステップS708に処理を進める。
【0097】
ステップS708では、新規ID作成部8は、該当メールのヘッダ部にIn-Reply-To情報があるか否をチェックする。
【0098】
ステップS708で、取得したメールのヘッダ部にIn-Reply-To情報が無いと判定した場合には、新規ID作成部8は、新規メール又はスレッドメールの先頭であると判断して、ステップS710に処理を進め、送信リスト記憶部6から今まで取得してきたメール以外でDateが最新のメールのヘッダ部のMassage-ID情報を取り出し、そのMassage-IDの値に、該当メールのIn-Reply-Toの値を置き換える。この場合(該当メールのIn-Reply-Toがない場合)の具体例を図15,図16に示す。そして、ステップS712に処理を進める。
【0099】
一方、ステップS708で、取得したメールのヘッダ部にIn-Reply-To情報があると判定した場合には、新規ID作成部8は、ステップS709に処理を進める。
【0100】
ステップS709では、新規ID作成部8は、該当メールが一括送信処理から省かれている(図12に示した省くメールに1つでもチェック「1」が入っているか)か否かを判定し、省かれていないと判定した場合には、ステップS710に処理を進め、新規ID作成部8は、送信リスト記憶部6から今まで取得してきたメール以外でDateが最新のメールのヘッダ部のMassage-ID情報を取り出し、そのMassage-IDの値に、該当メールのIn-Reply-Toの値を置き換える。この場合(該当メールのIn-Reply-Toがあり、該当メールが省かれていない場合)の具体例を図17,図18に示す。そして、ステップS712に処理を進める。
【0101】
一方、ステップS709では、新規ID作成部8は、該当メールが一括送信処理から省かれているか否かを判定し、省かれていると判定した場合には、ステップS711に処理を進める。
【0102】
次に、ステップS711では、新規ID作成部8は、送信リスト記憶部6から今まで取得してきたメール以外でDateが最新のメールのヘッダ部のMassage-IDの値を、該当メールのIn-Reply-Toの値に置き換える。この場合の具体例を図17,図18に示す。そして、ステップS712に処理を進める。
【0103】
次に、ステップS712において、新規ID作成部8は、今まで取得してきたメール以外でDateが最新のメールを送信リスト記憶部6から取得し、再び、ステップS702に戻って処理を行う。
【0104】
以下、図15〜図18を参照して、図14のステップS710の処理について具体的に説明する。
【0105】
図15〜図18は、図14のステップS710の処理を具体的に示す模式図である。
【0106】
まず、図15,図16を用いて、該当メールのIn-Reply-Toがない場合について説明する。
【0107】
図15において、2001に示すように、Message-ID:<1>のメールは、In-Reply-To情報をもっていない(新規メール又はスレッドの先頭メールと考えられる)。なお、Message-ID:<1>のメールは一括送信から省かれていないものとする。
【0108】
本実施形態では、このようなMessage-ID:<1>のメールの上にMessage-ID:<d>のメールを繋げて新たなスレッドを作ろうとするものである。これを行うために、新規ID作成部8は、図16の2002に示すように、Message-ID:<1>のメールのIn-Reply-Toの値を、Message-ID:<d>のメールのMassage-IDの値に置き換える。この処理により、図16の2003に示すように、Message-ID:<1>のメールとMessage-ID:<d>のメールとが繋がり、新たなスレッドが作られている。
【0109】
次に、図17,図18を用いて、該当メールのIn-Reply-Toがある場合について説明する。
【0110】
図17において、2101に示すように、Message-ID:<3>のメールは、In-Reply-To情報をもっている(スレッドが途切れていると考えられる)。なお、Message-ID:<1>のメールは一括送信から省かれていないものとする。
【0111】
本実施形態では、このようなMessage-ID:<3>のメールの上にMessage-ID:<d>のメールを繋げて新たなスレッドを作るろうとするものである。これを行うために、新規ID作成部8は、図18の2102に示すように、Message-ID:<3>のメールのIn-Reply-Toの値を、Message-ID:<d>のメールのMassage-IDの値に置き換える。この処理により、図18の2103に示すように、Message-ID:<3>のメールとMessage-ID:<d>のメールとが繋がり、新たなスレッドが作られている。
【0112】
以下、図19,図20を参照して、図14のステップS711の処理について具体的に説明する。
【0113】
図19,図20は、図14のステップS711の処理を具体的に示す模式図である。
【0114】
図19において、2201に示すように、Message-ID:<3>のメールは、In-Reply-To情報をもっている。なお、Message-ID:<3>のメールは一括送信から省かれているものとする。即ち、Message-ID:<3>のメールは受け取り側にあるメールである。
【0115】
本実施形態では、このようなMessage-ID:<3>のメールの上にMessage-ID:<d>のメールを繋げて新たなスレッドを作ろうとするものである。
【0116】
しかし、ここでは、Message-ID:<3>のメールは受け取り側にあるメールであるため、図18の2102に示したように、Message-ID:<3>のメールのIn-Reply-Toの値を、Message-ID:<d>のメールのMassage-IDの値に置き換えることができない。
【0117】
よって、ここでは、新規ID作成部8は、図20の2202に示すように、Message-ID:<d>のメールのMassage-IDの値を、Message-ID:<3>のメールのIn-Reply-Toの値に置き換えて、図20の2203に示すように、Message-ID:<3>の上にメールを繋げ、新たなスレッドを作るものとする。
【0118】
以下、図21を参照して、図14のステップS703に示した重複処理について説明する。
【0119】
図21は、本発明における第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図14のステップS703に示した重複処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図5に示した重複検索部9により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S801〜S804は各ステップを示す。
【0120】
まず、ステップS801において、重複検索部9は、操作・表示部5を介して、図9,図11に示した一括送信BOX表示画面1301の入力枠1303に入力された送信先のアドレスを上から1つ取得する。
【0121】
次に、ステップS802において、重複検索部9は、S801で取得したアドレス(以下、処理対象の送信アドレス)と一致するアドレスが、今、新規ID作成で取得しているメール(該当メール)のヘッダ部の宛先情報にあるか否かを判定する。
【0122】
そして、ステップS802で、処理対象の送信アドレスと一致するアドレスが該当メールのヘッダ部の宛先情報にあると判断した場合には、重複検索部9は、ステップS803に処理を進める。
【0123】
ステップS803では、重複検索部9は、送信リスト記憶部6の該当メールの当該処理対象の送信アドレスに対応する宛先のフラグを「1」にセットする(省くメールとする)。そして、ステップS804に処理を進める。
【0124】
一方、ステップS803で、処理対象のアドレスと一致するアドレスが該当メールのヘッダ部の宛先情報にないと判断した場合には、重複検索部9は、そのままステップS804に処理を進める。
【0125】
ステップS804では、重複検索部9は、送信先アドレスがまだ他に残っているか否をチェックし、まだ残っていると判定した場合には、再びステップS801に戻って、次の送信アドレスを取得する。
【0126】
一方、ステップS804で、送信先アドレスがもう他に残っていないと判定した場合には、そのまま重複処理を終了して、次の処理に移る。
【0127】
なお、送信リスト内の省くメール1102の各宛先に対応するフラグは、デフォルトで「0」に設定されているものとする。
【0128】
以下、図22を参照して、図6のステップS503に示した一括送信処理について説明する。
【0129】
図22は、本発明における第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS503に示した一括送信処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図5に示した一括送信部10により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S901〜S906は各ステップを示す。
【0130】
まず、ステップS901において、一括送信部10は、操作・表示部5を介して、図9,図11に示した一括送信BOX表示画面1301の入力枠1303に入力された送信先のアドレスを上から1つ取得する(以下、処理対処の送信アドレス)。
【0131】
次に、ステップS902において、一括送信部10は、送信リスト記憶部6から送信リストを取得する。
【0132】
次に、ステップS903において、一括送信部10は、S902で取得した送信リスト内の送信メールを一通選択し(処理対象の送信メール)、該処理対象の送信メールに対する、処理対処の送信アドレスに対応する宛先がメールを省かれた宛先(フラグが「1」)であるか否かを判定する。
【0133】
そして、ステップS903で、処理対象の送信メールに対する、処理対処の送信アドレスに対応する宛先がメールを省かれた宛先(フラグが「1」)でないと判定した場合には、ステップS904に処理を進める。
【0134】
ステップS904では、一括送信部10は、処理対象の送信メールを、処理対処の送信アドレスに送信し、ステップS905に処理を進める。
【0135】
そして、ステップS903で、処理対象の送信メールに対する、処理対処の送信アドレスに対応する宛先がメールを省かれた宛先(フラグが「1」)であると判定した場合には、一括送信部10は、そのままステップS905に処理を進める。
【0136】
ステップS905では、一括送信部10は、S902で取得した送信リスト内にまだ処理していない送信メールがあるか判定し、まだ処理していない送信メールがあると判定した場合には、再びステップS903に戻って、次の送信メールに対する処理を行う。
【0137】
一方、ステップS905で、S902で取得した送信リスト内にもう処理していない送信メールがないと判定した場合には、ステップS906に処理を進める。
【0138】
次に、ステップS906では、一括送信部10は、送信先アドレスがまだ他に残っているか否をチェックし、まだ残っていると判定した場合には、再びステップS901に戻って、次の送信アドレスを取得する。
【0139】
一方、ステップS906で、送信先アドレスがもう他に残っていないと判定した場合には、そのまま一括送信処理を終了する。
【0140】
以上示したように、スレッドメールとして送信したいメールを手間無く一括送信できるため、送信者の作業効率を向上させることができる。
【0141】
また、受信者側は同一内容の電子メールの重複受信を防止し、送られてきたメールをスレッド表示できるため、それらの議論についての流れをより詳しく把握することができる。
【0142】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、重複処理において、送信アドレスと一致するものが該当メールのヘッダ部の宛先情報にある場合には、該送信アドレスに対して該当メールの送信を省くように構成した。
【0143】
これに対して、本第1実施形態では、メール端末200間で行われる電子メールのやりとりを取得し、該取得した全ての電子メールのヘッダ情報に含まれるメッセージID,メール種別情報,宛先情報を記憶しておくメール送受信情報記憶部を設ける構成とした。さらに、重複処理において、送信アドレスと一致するものが該当メールに対応するメール送受信情報記憶部内の宛先情報内にある場合に、該送信アドレスに対して該当メールの送信を省くように構成した。以下、この実施形態について詳細に説明する。
【0144】
図23は、本発明の第2実施形態の一例を示す情報処理装置を適用可能な一般的な電子メールシステムの構成の一例を示すシステム構成図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0145】
本実施形態では、上述の1実施形態の構成(図1)に加えて、メール記憶サーバ400が追加されている。
【0146】
メール記憶サーバ400は、メール端末200間で行われる電子メールのやりとりを取得し、該取得した全ての電子メールのヘッダ情報に含まれるメッセージID,メール種別情報,宛先情報をメール送受信情報記憶部14(図24)に記憶する。
【0147】
図24は、本発明の第2実施形態における電子メールシステムのソフトウェア構成の一例を示すブロック図であり、図5と同一のものには同一の符号を付してある。
【0148】
本実施形態では、上述の1実施形態の構成(図5)に加えて、メール送受信情報記憶部14が追加されている。
【0149】
メール送受信情報記憶部14は、図23に示したメール記憶サーバ400内に実現されるものであり、メール記憶サーバ400で取得された電子メールに含まれるヘッダ情報の中にあるメッセージID,やりとりした情報(From,To,Cc,Bcc,Fwd等)を記憶しておく(図25)。なお、9´は本実施形態における重複検索部である。
【0150】
図25は、図24に示したメール送受信情報記憶部14のデータ構成を説明する図である。
【0151】
以下、図26を参照して、本実施形態における重複処理(図14のステップS703)について説明する。
【0152】
図26は、本発明における第6の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態における重複処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図25に示した重複検索部9´により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU201が外部メモリ204に格納されたプログラムをRAM202上にロードして実行することにより実現される。なお、図中、S801,1902,S803,S804は各ステップを示し、図21と同一のステップには同一のステップ番号を付してあり、説明は省略する。
【0153】
ステップS1902において、重複検索部9´は、S801で取得したアドレス(処理対象送信アドレス)と一致するアドレスが、該当メールに対応するメール送受信情報記憶部14内の宛先情報内にあるか否かを判定する。
【0154】
そして、ステップS1902で、処理対象送信アドレスと一致するアドレスが、メール送受信情報記憶部14内の宛先情報内にあると判断した場合には、重複検索部9´は、ステップS803に処理を進める。
【0155】
一方、ステップS1902で、処理対象送信アドレスと一致するアドレスが、メール送受信情報記憶部14内の宛先情報内にないと判断した場合には、重複検索部9´は、ステップS804に処理を進める。
【0156】
以上示したように、上記第1実施形態では、送信者が送受信した宛先情報しか参照していないので、送信者と受信者のやりとりの間で重複したもののみを省いているが、本実施形態では、送信者だけでなく、第三者と受信者のやりとりの記録も参照するので、送信者と受信者がやりとりしていなくても、第三者が受信者に送信しているメールの重複を防止することができる。
【0157】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0158】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0159】
以上示したように、送信したメールの中に、メッセージIDが関連していないメールがあっても、ユーザが手動でスレッドに追加させなくても、自動でスレッドに追加して送信することができる。
【0160】
また、送信者は手間なく、やりとりした全メールを第三者に一括送信可能であり、第三者に容易に議論の流れを把握させることができる。
【0161】
また、スレッドを途切れさせることなく、重複するメールを送らないようにすることができる。
【0162】
従って、スレッドメールとして送信したいメールを一括送信でき、また、受信者の同一内容の電子メールの重複受信を防止することができる。
【0163】
以下、図27に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0164】
図27は、本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0165】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0166】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0167】
本実施形態における図6,図7,図14,図21,図22,図26に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0168】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0169】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0170】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0171】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0172】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0173】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0174】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0175】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0176】
以上示したように、本発明によれば、1つのテーマについて、2人以上でやり取りしたメールを第三者に送信する際に、該第三者が受け取った以外のメールを一括して容易に送信することを可能にする。
【0177】
従って、複数のメールを手間無く1つのスレッドとして関連付け、重複させずに一括送信可能にすることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の第1実施形態の一例を示す情報処理装置を適用可能な一般的な電子メールシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したメール端末200及びメールサーバ100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】電子メールの形態の一例を示す模式図である。
【図4】図3に示した電子メールヘッダ301内の追跡情報の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態における電子メールシステムのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明におけるキーワード検索画面の一例を示す模式図である。
【図9】本実施形態における一括送信BOX画面の一例を示す模式図である。
【図10】本発明におけるキーワード検索画面の他の例(スレッドメールを検索対象として選択しない場合)を示す模式図である。
【図11】本実施形態における一括送信BOX画面の一例を示す模式図である。
【図12】送信リスト記憶部6に格納される送信リストのデータの構成の一例を示す図である。
【図13】図9に示した一括送信BOX画面に表示されたメールのヘッダ情報とその関係を示す図である。
【図14】本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS710の処理を具体的に示す模式図である。
【図16】図14のステップS710の処理を具体的に示す模式図である。
【図17】図14のステップS710の処理を具体的に示す模式図である。
【図18】図14のステップS710の処理を具体的に示す模式図である。
【図19】図14のステップS711の処理を具体的に示す模式図である。
【図20】図14のステップS711の処理を具体的に示す模式図である。
【図21】本発明における第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明における第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第2実施形態の一例を示す情報処理装置を適用可能な一般的な電子メールシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図24】本発明の第2実施形態における電子メールシステムのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図25】図24に示したメール送受信情報記憶部14のデータ構成を説明する図である。
【図26】本発明における第6の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図27】本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0179】
300 LAN・WAN
100 メールサーバ
200 メール端末
1 送信部
2 受信部
3 メール管理部
4 メール記憶部
5 操作・表示部
6 送信リスト記憶部
7 送信メール取得部
8 新規ID作成部
9 重複検索部
10 一括送信部
11 入力処理部
12 表示処理部
14 メール送受信情報記憶部
13 一括送信BOX

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信済み又は受信済みのメールを複数記憶する記憶手段から選択される複数のメールに含まれるメール情報内に含まれるID情報、追跡情報、宛先情報のいずれか少なくとも1つを取得する取得手段と、
前記ID情報と前記追跡情報との関係により連鎖させるように、前記複数のメールのメール情報を変更する連鎖処理手段と、
前記連鎖処理手段により連鎖処理された前記複数のメールを、入力される送信先に送信する送信手段を、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記連鎖処理手段は、前記複数のメール内の送信日時が最も遅いメールから連鎖するメール群に含まれていないメールが前記複数のメール内に存在する場合には、前記連鎖の先頭メールの追跡情報を、前記連鎖していないメールのうち送信日時が最も遅いメールのID情報に変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記入力された送信先のアドレス情報が、前記宛先情報として前記メール情報に含まれているメールについては、前記送信手段による前記送信先への送信を行わない、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記連鎖処理手段は、前記複数のメール内の送信日時が最も遅いメールから連鎖するメール群に含まれていないメールが存在し、且つ、前記連鎖の先頭メールが前記送信手段により送信されないメールである場合には、前記連鎖していないメールのうち送信日時が最も遅いメールのID情報を、前記連鎖の先頭メールの追跡情報に変更する、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記複数のメールを、入力されるキーワードに基づいて前記記憶手段から選択する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
送信済み又は受信済みのメールを複数記憶する記憶手段を有する情報処理装置におけるメール送信方法において、
前記記憶手段から選択される複数のメールに含まれるメール情報に基づいて、前記複数のメールを、前記メール情報内に含まれるID情報と追跡情報との関係により連鎖させるように、前記複数のメールのメール情報を変更する連鎖処理ステップと、
前記連鎖処理ステップで連鎖処理された前記複数のメールを、入力される送信先に送信する送信ステップを、
を有することを特徴とするメール送信方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるための、又は、請求項6に記載されたメール送信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかに記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項6に記載されたメール送信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−158886(P2008−158886A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348261(P2006−348261)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)