説明

情報処理装置および情報処理プログラム

【課題】ベイジアンネットワーク情報をもとにして当該ベイジアンネットワーク情報を熟知していないユーザに対して意思決定の支援を行なう。
【解決手段】制御部2はBN(ベイジアンネットワーク)データ記憶部5からBNデータを読み出すと、条件入力画面を表示部8に表示する。入力部3への操作によって条件入力画面中の親ノードの確率変数の値に対応するチェックボックスのうち、確定している事象に対応するチェックボックスを有効にすると、BN推論処理部6は、この有効にされたチェックボックス情報およびBNデータをもとにBN推論処理を行なう。寄与度計算部7はBN推論処理部6による計算結果をもとに、確率変数の値が確定していない親ノードの当該確率変数の値が子ノードの確率変数の予め定められた値の発生有無に与える寄与度を計算する。制御部2は、この計算結果の出力画面を表示部8に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベイジアンネットワーク情報に関する情報処理を行なう情報処理装置および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベイジアンネットワーク情報を用いて事象間の因果関係を図示して事象の事後確率を推論するシステムがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、ベイジアンネットワーク情報は有向グラフのノードに確率変数を割り当てて、確率変数間の因果関係の有無をノード間の矢印により表現し、因果関係の強さを各ノードに割り当てられた確率変数の条件付確率で表現する。つまりベイジアンネットワーク情報では確率変数間の因果関係をベイジアンネットワーク情報上の構造情報と確率情報とで表現している。
【0004】
また、ベイジアンネットワーク情報では、確率変数間の静的な因果関係を表現するだけでなく、あるノードの事象、つまり確率変数の値が確定した場合における他の確率変数がとるそれぞれの値の発生確率を求める確率的推論も可能である。ユーザはこの推論結果をもとにして意思決定を行なう。
【特許文献1】特開2003−50988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ベイジアンネットワーク情報を熟知していないユーザが前述したような推論を行なうことは困難であり、当該ベイジアンネットワーク情報を意思決定に活用することが出来ない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ベイジアンネットワーク情報をもとにして当該ベイジアンネットワーク情報を熟知していないユーザに対して意思決定の支援を行なうことが可能になる情報処理装置および情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係わる情報処理装置は、ベイジアンネットワーク情報の親ノードに対応付けられた確率変数および当該親ノードの子ノードに対応付けられた確率変数間の因果関係を示す構造情報とベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率情報とを取得し、この取得した構造情報で示される複数の親ノードに対応付けられた確率変数の値が当該親ノードに共通する子ノードに対応付けられた確率変数の予め定められた値の発生有無へ及ぼす影響度を親ノードごとに計算して出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係わる情報処理装置では、ベイジアンネットワーク情報をもとにして当該ベイジアンネットワーク情報を熟知していないユーザに対して意思決定の支援を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク(以下、BNと称する)情報処理装置1の機能の概要を説明する。
【0010】
このBN情報処理装置1は、BNの構造とパラメータとをもとにしてユーザの意思決定を支援するデータを提供するものである。この情報は、例えば製品の受注の可否に関わる営業活動の優先順位であったり故障診断における修理箇所の優先順位であったりする。
【0011】
BNの構造とは、BNにおける複数のノードにそれぞれ対応付けられた確率変数の間の因果関係を示すものである。BNにおける2つのノードのうち第1のノードの確率変数がある値をとる場合で、この値が第2のノードの確率変数がとる値の発生確率に影響を与える場合には、第1のノードの確率変数と第2のノードの確率変数との間に因果関係が存在する。この場合、第1のノードは第2のノードの親ノードと呼称され、第2のノードは第1のノードの子ノードと呼称される。これら第1および第2のノードは第1のノードから第2のノードへ向かう矢印で結ばれる。
【0012】
また、BNのパラメータとは、BNにおける各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率である。前述した第1のノードの確率変数と第2のノードの確率変数との間の因果関係がある場合には、第2のノードに関するパラメータは前述した第1のノードの確率変数がある値をとる条件下で第2のノードの確率変数がある値をとる確率である。
【0013】
BN情報処理装置1はユーザの理解が容易な情報として寄与度を計算して、これをユーザに提供する。寄与度とは原因が結論に及ぼす影響の度合いを示す。本実施形態では、寄与度とは親ノードに対応付けられた確率変数の値が当該親ノードの子ノードに対応付けられた確率変数がとる予め定められた値の発生有無へ及ぼす影響度である。BN情報処理装置1が寄与度をユーザに提供することにより、当該ユーザによる意思決定が容易になる。
【0014】
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、BN情報処理装置1は、制御部2、入力部3、条件データ記憶部4、BNデータ記憶部5、BN推論処理部6、寄与度計算部7および表示部8を備え、それぞれがバス9を介して相互に接続される。制御部2は内部メモリに記憶されたプログラムにしたがって装置全体の制御を司る。条件データ記憶部4およびBNデータ記憶部5はハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である。
【0015】
表示部8は、BN情報の構造や寄与度に関する情報をモニタ表示する。入力部3は、BN情報の予め定められたノードの確率変数の値の入力を受け付ける。
また、条件データ記憶部4は入力部3により入力された確率変数の値を当該確率変数の種別と関連付けて記憶する。BNデータ記憶部5はBN情報を記憶する。
この実施形態では、BN情報処理装置1を用いた営業部署の担当者の意思決定支援について説明する。
【0016】
図2は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1のBNデータ記憶部に記憶されるBNデータの一例を示す図である。
まず、BNデータ記憶部5に図2に示した構造情報を有するBN情報が記憶されている場合の寄与度の計算方法について説明する。
【0017】
このBN情報における原因事象に対応する親ノードの確率変数はI,I,…,Iである。確率変数Iが確率にしたがってとる値はi11,i12,…,i1mであり、確率変数Iが確率にしたがってとる値はi21,i22,…,i2mであり、確率変数Iが確率にしたがってとる値はiN1,iN2,…,iNpであるとする。また、結論事象に対応する子ノードの確率変数はOであるとし、この確率変数Oが確率にしたがってとる値はO,O,…,Oであるとする。子ノードがもつ確率変数がある値をとる確率は親ノードがもつ確率変数の値に依存する。
【0018】
ここで、確率変数I=i11であって、確率変数O=Oとした事後確率は以下の式(1)で示される。
【数1】

【0019】
原因事象が結論事象に与える寄与度、例えば確率変数Iのとる値が確率変数O=Oとなる確率への影響度は、確率変数I=i11,i12,…,i1mと変化させて、確率変数O=Oとした事後確率のそれぞれの値のうち最大値と最小値の差分である。
【0020】
この寄与度の計算式を以下の式(2)に示す。
【数2】

【0021】
また、原因事象に対応するいずれかの親ノードの確率変数の値が確定している場合には、前述した寄与度は変化する。
例えば確率変数I=iN1であると確定している場合には、前述した式(2)の第1項は以下の式(3)に示した式となる。
【数3】

【0022】
図3は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1のBNデータ記憶部に記憶される営業活動に関するBNデータの一例を示す図である。
このBN情報では、各種の営業活動に関する複数のノードが親ノードであり、製品の受注に関するノードが子ノードとなっている。
【0023】
親ノードのうち4種類のノードの確率変数とこの変数のとる値について説明する。1つ目の親ノードの確率変数は「お客様のニーズ」であり、この確率変数の値は「把握している」および「把握していない」のいずれかである。2つ目の親ノードの確率変数は「お客様の予算」であり、この確率変数の値は1つ目の親ノードと同じである。
【0024】
また、3つ目の親ノードの確率変数は「お客様に提案をした回数」であり、この確率変数の値は「0回」、「1回」および「2回以上」のいずれかである。4つ目の親ノードの確率変数は「提案の間隔」であり、この確率変数の値は「3日以内」および「4日以上」のいずれかである。
また、子ノードの確率変数は「受注」であり、この確率変数の値は「可能」および「なし」のいずれかである。
【0025】
ここより、BNデータ記憶部5に図3に示した構造情報を有するBN情報が記憶されている場合の寄与度の計算方法について説明する。
図4は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の処理動作の一例を示すフローチャートである。図5は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1が取得するBN情報の親ノードに関する条件入力画面の一例を示す図である。図6は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1が取得するBN情報の親ノードに関する条件入力画面の更新画面の一例を示す図である。
【0026】
制御部2は、BNデータ記憶部5から図3に示したBNデータを読み出す(ステップS1))と、図5に示した条件入力画面を表示部8に表示する。
ユーザは入力部3に対する操作を行なうことで、図5に示した画面上の「お客様名」を入力したり、各種のアクションの項目のチェックボックスのうち該当する項目を有効にしたりすることができる。
【0027】
図5に示した画面上のチェックボックスに対応する項目名は、前述した親ノードの確率変数のとる値であり、この項目の上位として表示されるアクション名は親ノードの確率変数の種別である。
【0028】
例えば、ユーザがとある顧客のニーズを把握していて、この顧客に商品に関する提案をした回数が1回である事が分かっている場合で、図5に示した画面中のアクション名「お客様のニーズ」における「把握している」に対応するチェックボックスおよびアクション名「お客様に提案をした回数」における「1回」に対応するチェックボックスを有効にすると、表示部8における画面が図6に示した画面に更新される。
【0029】
図7は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1が取得するBN情報の子ノードに関する条件入力画面の一例を示す図である。
図6に示した画面上の入力アイコン11をユーザが入力部3への操作によって選択すると、制御部2は図7に示した条件入力画面を表示部8に表示する。図7に示した画面上のチェックボックスに対応する項目名は、前述した子ノードの確率変数のとる値を指し、この項目の上位として表示される項目は子ノードの確率変数の種別である。
【0030】
ユーザが入力部3への操作によって図7に示した画面中の「可能」に対応するチェックボックスを有効にして入力アイコン12を選択すると、制御部2は各種の確率変数の種別およびこの確率変数の値でなる入力条件を条件データ記憶部4に記憶する(ステップS2)。また、ユーザが入力部3への操作によって図7に示した画面中のいずれのチェックボックスも有効としないで入力アイコン12を選択しても、この選択は無効となる。
【0031】
図8は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の条件データ記憶部4に記憶される入力条件管理テーブルの構成例を表形式で示す図である。
図8に示すように、入力条件管理テーブルでは、図6や図7に示した条件入力画面上で表示された各種確率変数の種別、および、この確率変数の確定値が関連付けられて管理される。また、図8に示したテーブル上では図6に示した条件入力画面上でチェックボックスが有効となっていないアクションに対応する確率変数と関連付けられる入力条件は「なし」となる。
【0032】
BN推論処理部6は、条件データ記憶部4に記憶された条件データおよびBNデータ記憶部5に記憶されるBNデータをもとにBN推論処理を行なう(ステップS3)。具体的には、BN推論処理部6はBNデータ記憶部5に記憶されるBNデータ中の原因事象に対応する確率変数がある値をとった場合に結論事象に対応する確率変数「受注」がある値をとる確率を、条件データを考慮して計算する。ここでは計算対象の原因事象は入力条件管理テーブル上で値が「なし」となっている確率変数と対応する原因事象である。
【0033】
この確率の計算式は以下の式(4)で示される。
P(受注|お客様のニーズ=把握している,お客様の予算,お客様に提案をした回数=1回、提案の間隔,…,***) …式(4)
次に、寄与度計算部7はBN推論処理部6による計算結果をもとに、確率変数の値が確定していない親ノードの当該確率変数の値が子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」に与える寄与度を計算する(ステップS6)。
【0034】
具体的には、まず、寄与度計算部7は値が確定していない親ノードの確率変数「お客様の予算」による子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」への寄与度を以下の式(5)にしたがって計算する。
【数4】

【0035】
次に、寄与度計算部7は値が確定していない別の親ノードの確率変数「提案の間隔」による子ノードの確率変数「受注」の値「可能」への寄与度を以下の式(6)にしたがって計算する。
【数5】

【0036】
以後、寄与度計算部7は値が確定していないそれぞれの親ノードの確率変数の値による子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」への寄与度を計算する。
【0037】
図9は、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の表示部8に表示される寄与度計算結果の出力画面の一例を示す図である。
制御部2は、寄与度計算部7による計算終了後、寄与度の計算結果の出力画面を表示部8に表示させる(ステップS7)。
この出力画面では、左側にBNデータの各ノードの構造情報が示され、右側に寄与度のリスト情報が示される。
【0038】
具体的には、この出力画面で示される構造情報における各ノード中の上段の表記は当該ノードの確率変数であり、下段の細枠で囲まれた表記は当該ノードの確率変数の確定値である。また一部の親ノードの下段の太枠で囲まれた表記は当該ノードの未確定の確率変数の値のうち子ノードの確率変数「受注」の値を「可能」とした事後確率が最も高くなる値である。
【0039】
また、出力画面中の寄与度のリスト情報は、寄与度と寄与順位とアクションとが関連付けられて寄与順位の低い順に配列された情報である。アクションとは寄与度の計算に関わる親ノードの確率変数の値と対応する原因事象のうち、子ノードの確率変数「受注」の値を「可能」とした事後確率が最も高くなる事象である。
【0040】
また、出力画面上の構造情報における各ノード間の線の太さは、親ノードの確率変数の値による子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」への寄与度の高さに比例して太く表示される。このような表示を行なうことで、ユーザは各種親ノードのうち確率変数の値による子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」の発生有無への影響の大きいノードを容易に判別することができる。
【0041】
以上のように、本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置では、BNデータおよび一部の親ノードの確率変数の条件データをもとにして、その他の親ノードの確率変数のとる値が子ノードの確率変数がとる予め定められた値の発生への影響の大小を計算して出力するので、ユーザはBN情報に関する知識が十分でなくとも、原因事象が結論事象に及ぼす影響の大小を容易に把握することができるようになる。よって、ユーザは意思決定への有益な情報を得ることができる。
【0042】
以上説明した実施形態では、BN情報処理装置は、BNデータ記憶部5からBNデータを読み込んだ後で、図5に示した画面上のチェックボックスのうち、一部の親ノードの確率変数の値に対応するチェックボックスを有効にすると説明したが、図5に示した画面上のチェックボックスのいずれも有効としなくても寄与度の計算を行なう事ができる。
【0043】
この場合には、BN推論処理部6はBNデータ記憶部5に記憶されるBNデータが図3に示したデータであった場合に、このデータで示される原因事象に対応する確率変数がある値をとった場合に結論事象に対応する確率変数「受注」がある値をとる確率の計算式を出力する。
【0044】
この計算式は以下の式(7)で示される。
P(受注|お客様のニーズ,お客様の予算,お客様に提案をした回数、提案の間隔,…,***) …式(7)
寄与度計算部7はBN推論処理部6による出力結果をもとに、それぞれの親ノードの確率変数の値が子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」に与える寄与度を計算する。
【0045】
例えば、寄与度計算部7は値が確定していない親ノードの確率変数「お客様のニーズ」の値による子ノードの確率変数「受注」の値である「可能」への寄与度を以下の式(8)にしたがって計算する。
【数6】

【0046】
BN情報処理装置1がこのような計算を行なうことで、子ノードと関わる全ての親ノードのそれぞれの確率変数の値による子ノードの確率変数の予め定められた値への寄与度を出力することができる。
【0047】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1のBNデータ記憶部に記憶されるBNデータの一例を示す図。
【図3】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1のBNデータ記憶部に記憶される営業活動に関するBNデータの一例を示す図。
【図4】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の処理動作の一例を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1が取得するBN情報の親ノードに関する条件入力画面の一例を示す図。
【図6】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1が取得するBN情報の親ノードに関する条件入力画面の更新画面の一例を示す図。
【図7】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1が取得するBN情報の子ノードに関する条件入力画面の一例を示す図。
【図8】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の条件データ記憶部4に記憶される入力条件管理テーブルの構成例を表形式で示す図。
【図9】本発明の実施形態にしたがったBN情報処理装置1の表示部8に表示される寄与度計算結果の出力画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1…ベイジアンネットワーク(BN)情報処理装置、2…制御部、3…入力部、4…条件データ記憶部、5…BNデータ記憶部、6…BN推論処理部、7…寄与度計算部、8…表示部、9…バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイジアンネットワーク情報の親ノードに対応付けられた確率変数および当該親ノードの子ノードに対応付けられた確率変数間の因果関係を示す構造情報と前記ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率情報とを取得する取得手段と、
この取得手段により取得した構造情報で示される複数の親ノードに対応付けられた確率変数の値が当該親ノードに共通する子ノードに対応付けられた確率変数の予め定められた値の発生有無へ及ぼす影響度を前記親ノードごとに計算する影響度計算手段と、
この影響度計算手段により計算した影響度を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記親ノードのうち予め定められたノードに対応付けられた確率変数の値の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
前記影響度計算手段は、前記定められた親ノードに対応付けられた確率変数の値を前記入力手段により入力した値とした条件下で、前記定められたノード以外の親ノードに対応付けられた確率変数の値が前記子ノードに対応付けられた確率変数の前記定められた値の発生有無へ及ぼす影響度を計算し、
前記出力手段は、前記影響度計算手段により計算した影響度を、この影響度と関わる親ノードの種別と対応付けて出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記影響度計算手段は、前記親ノードに対応付けられた確率変数がとる値に対する前記子ノードに対応付けられた確率変数の前記定められた値の事後確率を前記親ノードに対応付けられた確率変数のとる値ごとに計算し、これら計算した値の最大値と最小値の差分を前記影響度として前記親ノードごとに計算することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
ベイジアンネットワーク情報の親ノードに対応付けられた確率変数および当該親ノードの子ノードに対応付けられた確率変数間の因果関係を示す構造情報と前記ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率情報とを取得する取得手段、
この取得手段により取得した構造情報で示される複数の親ノードに対応付けられた確率変数の値が当該親ノードに共通する子ノードに対応付けられた確率変数の予め定められた値の発生有無へ及ぼす影響度を前記親ノードごとに計算する影響度計算手段、および
この影響度計算手段により計算した影響度を出力する出力手段
として機能させるようにした、コンピュータ読み取り可能な情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−299027(P2007−299027A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123804(P2006−123804)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)