説明

情報処理装置および情報処理方法

【課題】ベイジアンネットワーク情報のノードの構造が複雑になった場合でも、ユーザが確率変数間の関係を把握し易くする。
【解決手段】変換処理部11は元となるベイジアンネットワーク情報をベイジアンネットワーク情報保持部15から入力する。入力部13はベイジアンネットワーク情報の複数のノードの結合条件の入力を受け付ける。変換処理部11は、この結合条件にしたがってベイジアンネットワーク情報の構造情報の変換処理を行なう。パラメータ計算部14は結合ノードがもつ確率変数がとる値の発生確率を計算する。パラメータ計算部14は、結合ノードのもつ一確率変数が当該結合ノードの子ノードがもつ確率変数がある値をとる確率に影響を与えない場合には当該変数の除去計算を行なう。変換処理部11はノード結合後の構造情報および当該結合ノードのパラメータをあわせて表示部12に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベイジアンネットワーク情報に関する情報処理を行なう情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、確率変数間の因果関係をモデル化した情報の一つとしてベイジアンネットワーク情報がある。具体的には、ベイジアンネットワーク情報は有向グラフのノードに確率変数を割り当てて、確率変数間の因果関係の有無をノード間の矢印により表現し、因果関係の強さを各ノードに割り当てられた確率変数の条件付確率で表現する。つまりベイジアンネットワーク情報では確率変数間の因果関係をベイジアンネットワーク情報上の構造情報と確率情報であるパラメータとで表現している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、ベイジアンネットワーク情報では、確率変数間の静的な因果関係を表現するだけでなく、あるノードの事象、つまり確率変数の値が確定した場合における他の確率変数がとるそれぞれの値の発生確率を求める確率的推論といった動的な因果関係の表現も可能である。
【0004】
ベイジアンネットワーク情報は、このような技術を用いることで、確率変数間の因果関係が有向グラフにより表現されるため、確率変数間の因果関係を人間が直感的に把握し易いという利点がある。
【特許文献1】特開2005−107747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ベイジアンネットワーク情報により表現したい確率変数の数が多くなり、それらの間に多数の因果関係が認められた場合、ベイジアンネットワーク情報構造が複雑になってしまう。この場合には人間が確率変数間の因果関係を直感的に把握し易いというベイジアンネットワーク情報の利点が失われてしまう。
【0006】
また、確率的推論時には値が確定した確率変数の影響をベイジアンネットワーク情報の各ノードと矢印を介して伝搬させていくことで、他のノードに対応する確率変数の各事象の条件付確率を計算していくため、ベイジアンネットワーク情報構造が複雑になるにつれ確率的推論時の計算量が多くなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ベイジアンネットワーク情報のノードの構造が複雑になった場合でも、ユーザが確率変数間の関係を把握し易くすることが可能で、確率的推論時の計算量を低減可能な情報処理装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係わる情報処理装置は、ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数間の因果関係を示す構造情報およびベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率情報を入力し、この入力した構造情報を当該構造情報で示されるノードのうち複数のノードを結合して単一のノードに置換した構造情報に変換し、結合済みのノードに対応する確率変数がとる値の発生確率を結合前の複数のノードに対応する確率変数がとる値の発生確率情報をもとに計算し、置換済みの構造情報および前記計算した発生確率を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係わる情報処理装置では、ベイジアンネットワーク情報のノードの構造が複雑になった場合でも、ユーザが確率変数間の関係を把握し易くすることができるとともに、確率的推論時の計算量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、ベイジアンネットワーク情報の構造の一例を示す図である。図2は、図1に示したベイジアンネットワーク情報の構造を変換した例を示す図である。
【0011】
本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置は、図1に示したベイジアンネットワーク情報中の例えば図1中の点線で囲まれた複数のノードを図2に示した単一のノードに置き換えて出力する装置である。
【0012】
図3は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置1は、変換処理部11、表示部12、入力部13、パラメータ計算部14、ベイジアンネットワーク情報保持部15および記憶部16を備える。ベイジアンネットワーク情報保持部15および記憶部16はハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である。
【0013】
表示部12は、ベイジアンネットワーク情報の構造やパラメータに関する情報をモニタ表示する。ここではパラメータとは変換後のノードに対応する確率変数がとる値の発生確率である。入力部13は、結合対象のノードに対応する確率変数の種別の入力を受け付けたり、確率的推論を行なう際の条件となる確率変数の値の入力を受け付けたりする。
【0014】
変換処理部11は、入力部13が入力した情報に従ってベイジアンネットワーク情報で示される各ノード間の構造を変換する。変換処理部11は情報入力部21、情報変換部22および情報出力部23を有する。
【0015】
パラメータ計算部14は、変換後のノードに対応する確率変数がとる値の発生確率であるパラメータを計算する。ベイジアンネットワーク情報保持部15は、変換前および変換後のベイジアンネットワーク情報に関する情報を保持する。記憶部16には各種処理用のプログラムが記憶される。また、記憶部16はワークメモリとしても機能する。
【0016】
次に、ベイジアンネットワーク情報の概要について説明する。ベイジアンネットワーク情報は、ノードに確率変数を対応させて、確率変数間の因果関係をノード間の矢印とノードに付与された条件付確率で表現する。つまり、ベイジアンネットワーク情報はノードと当該ノード間の矢印により表現される「構造情報」と、ベイジアンネットワーク情報上の各ノードに付与された条件付確率である「パラメータ」により構成される。
【0017】
図4は、各種身体症状とインフルエンザの因果関係を示すベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
図4に示したベイジアンネットワーク情報では、「頭痛」、「腹痛」、「発熱」といった各種の身体症状と「インフルエンザ」という病気との因果関係を示したベイジアンネットワーク情報である。このベイジアンネットワーク情報におけるそれぞれのノードには身体症状の有無やインフルエンザの発症の有無といった事象を示す確率変数が割り当てられる。確率変数とは確率にもとづいて異なる値をとる変数である。
【0018】
具体的には、図4に示したベイジアンネットワーク情報では4つのノードが示される。1つ目のノードの確率変数は頭痛で、2つ目のノードの確率変数は腹痛で、3つ目のノードの確率変数は発熱で、4つ目のノードの確率変数はインフルエンザである。1つ目乃至3つ目のノードの確率変数の値は「有」および「無」の何れかであり、4つ目のノードの確率変数の値は「Yes」および「No」の何れかである。「有」や「YES」は確率変数に対応する身体症状や病気を発症していることを意味し、「無」や「No」は確率変数に対応する身体症状や病気を発症していないことを意味する。
【0019】
更にこのベイジアンネットワーク情報では、確率変数間の因果関係の有無を矢印の接続により表現し、因果関係の強さをノードに付与した条件付確率により表現している。ここで、Pr(A=a)という表記は確率変数Aがaという値をとる確率を意味する。このようなモデル化を行なうことで確率変数間の静的な関係を表現できる。また、このベイジアンネットワーク情報中のあるノードに対して確率変数の値が明確になった場合に他の確率変数のとる値の発生確率を推論する確率的推論も可能である。
【0020】
図4に示した1つ目乃至3つ目のノードは矢印に沿って4つ目のノードと接続される。これは、前述した4つ目のノードの確率変数がある値をとる確率が1つ目のノードの確率変数がとる値、2つ目のノードの確率変数がとる値および3つ目のノードの確率変数がとる値に依存することを意味する。このような場合、1つ目乃至3つ目のノードは4つ目のノードの親ノードであり、4つ目のノードは1つ目乃至3つ目のノードの子ノードであると呼称することができる。
【0021】
図4に示したベイジアンネットワーク情報では、頭痛を発症する確率Pr(頭痛=有)は0.1であり、頭痛を発症しない確率Pr(頭痛=無)は0.9である。
また、このベイジアンネットワーク情報では、腹痛を発症する確率Pr(腹痛=有)は0.05であり、腹痛を発症しない確率Pr(腹痛=無)は0.95である。このベイジアンネットワーク情報では、発熱を発症する確率Pr(発熱=有)は0.03であり、発熱を発症しない確率Pr(発熱=無)は0.97である。
【0022】
また、図4に示したように、頭痛、腹痛および発熱の症状が全てみられる場合にインフルエンザを発症する確率Pr(インフルエンザ=Yes|頭痛=有,腹痛=有,発熱=有)は0.9であり、頭痛、腹痛および発熱の症状が全てみられない場合にインフルエンザを発症しない確率Pr(インフルエンザ=No|頭痛=無,腹痛=無,発熱=無)は0.99である。
【0023】
次に、ベイジアンネットワーク情報で用いる記法について説明する。以下の説明では、ノード名は確率変数を兼ねているものとする。例えばノードAは確率変数がAであるノードを意味する。また、確率変数Aは定義域としてA={a,a,…,a}をとるものとする。定義域で示される値は確率変数が確率にしたがってとる値である。例えば、確率変数Aがある命題の真偽を表現している場合には、定義域の値の数は2となり、a=¬aが成り立つ。a=¬aはaの否定がaと等しいことを意味する。
【0024】
また、ΣPr(A)と確率変数Aが上記の定義域のそれぞれの値をとる確率との関係は以下の式(1)で示される。
ΣPr(A)=Pr(A=a)+Pr(A=a)+…+Pr(A=a) …式(1)
次に、図3に示した構成のベイジアンネットワーク情報変換装置1の動作について説明する。図5は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0025】
ここでベイジアンネットワーク情報変換装置1のベイジアンネットワーク情報保持部15は元となるベイジアンネットワーク情報を保持しているとする。変換処理部11の情報入力部21は元となるベイジアンネットワーク情報をベイジアンネットワーク情報保持部15から入力する(ステップS1)。また、ベイジアンネットワーク情報変換装置1の変換処理部11は元となるベイジアンネットワーク情報を図示しない入出力インタフェースを介して外部から取得してベイジアンネットワーク情報保持部15に保持してもよい。
【0026】
図6は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる直列関係にある複数のノードの一例を示す図である。
【0027】
図6で示したベイジアンネットワーク情報ではノードA、ノードB、ノードA,A,…,A、ノードB,B,…,Bn、ノードC,C,…,Clが示される。ノードA,A,…,AはノードAのみに対する親ノードであり、ノードB,B,…,BnはノードBのみに対する親ノードであり、ノードC,C,…,CはノードAとノードBの両方に対する親ノードである。また、ノードAはノードBの親ノードである。
【0028】
ここで、ノードAの親ノードA,A,…,A、C,C,…,Cがもつ確率変数A,A,…,A、C,C,…,Cがある値をとった場合にノードAがもつ確率変数Aがある値をとる条件付確率PrはPr(A|A,A,…,A,C,C,…,C)である。
【0029】
また、ノードBの親ノードA,B,B,…,Bn,C,C,…,Cがもつ確率変数A,B,B,…,Bn,C,C,…,Cがある値をとった場合にノードBがもつ確率変数Bがある値をとる条件付確率PrはPr(B|A,B,B,…,Bn,C,C,…,C)である。
【0030】
入力部13はベイジアンネットワーク情報保持部15に保持されたベイジアンネットワーク情報の複数のノードの結合条件の入力を受け付ける(ステップS2)。ここで入力された結合条件ではノードAとノードBを単一のノードA,Bに結合することが示される。
【0031】
変換処理部11の情報変換部22は、この入力された結合条件にしたがってベイジアンネットワーク情報の構造情報の変換処理を行なう(ステップS3)。具体的な例を以下で説明する。
【0032】
図7は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる直列関係にある複数のノードの結合形態を示す図である。
【0033】
ここで、情報変換部22が図6に示した直列関係にあるノードAとノードBを、これらを結合した単一の結合ノードA,Bに置き換える場合を考える。結合ノードA,Bがもつ確率変数は確率変数Aおよび確率変数Bの組み合わせである。この場合、図7に示すようにノードA,A,…,A,B,B,…,Bn,C,C,…,Cは結合ノードA,Bの親ノードである。
【0034】
つまり、これらの親ノードがある値をそれぞれとった場合に結合ノードA,Bがもつ確率変数AおよびBがそれぞれある値をとる確率PrはPr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C)である。
【0035】
また、この確率Prと前述したPrおよびPrとの関係は以下の式(2)で示される。
Pr=Pr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C
=PrPr
=Pr(A|A,A,…,A,C,C,…,C)Pr(B|A,B,B,…,Bn,C,C,…,C) …式(2)
パラメータ計算部14はこの式(2)にしたがって、結合ノードA,Bのパラメータ、つまり、このノードがもつ確率変数がとる値の発生確率を計算する(ステップS4)。
そして、パラメータ計算部14は、結合ノードA,Bのもつ一確率変数が当該結合ノードの子ノードがもつ確率変数がある値をとる確率に影響を与えない場合には、この確率変数が不要であるとして(ステップS5のYES)、当該変数の除去を行なう(ステップS6)。
【0036】
ここでは、パラメータ計算部14は、計算済みのPrであるPr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C)における確率変数Aが不要であれば、以下の式(3)に示した計算を行なうことで確率変数Aを除去する。
【0037】
ΣPr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C
=Pr(B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C) …式(3)
パラメータ計算部14はステップS6の処理後またはステップS5の処理で「NO」と判別した場合には結合ノードのパラメータ計算結果を変換処理部11に出力する。変換処理部11の情報出力部23は、結合前の複数のノードを結合後のノードに置換した構造情報およびパラメータ計算部14からの当該結合ノードのパラメータに加え、ベイジアンネットワーク情報保持部15で保持される、前述した結合ノード以外の各ノードのパラメータをあわせて表示部12に出力する(ステップS7)。これによりノード結合後の構造情報とパラメータとがあわせてモニタ表示される。
【0038】
次に、ベイジアンネットワーク情報に含まれるノード結合形態の別の例を説明する。図8は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる並列関係にある複数のノードの一例を示す図である。
【0039】
図8に示したベイジアンネットワーク情報ではノードA、ノードB、ノードA,A,…,A、ノードB,B,…,Bn、ノードC,C,…,Cが示される。ノードA,A,…,AはノードAのみに対する親ノードであり、ノードB,B,…,BnはノードBのみに対する親ノードであり、ノードC,C,…,CはノードAとノードBの両方に対する親ノードである。ただし、図6に示した形態と異なり、ノードAとノードBは互いに親ノードおよび子ノードの関係にない。
【0040】
ここで、ノードAの親ノードA,A,…,A、C,C,…,Cがもつ確率変数A,A,…,A、C,C,…,Cがある値をとった場合にノードAがもつ確率変数Aがある値をとる確率PrはPr(A|A,A,…,A,C,C,…,C)である。
【0041】
また、ノードBの親ノードB,B,…,Bn,C,C,…,Cがもつ確率変数B,B,…,Bn,C,C,…,Cがある値をとった場合にノードBがもつ確率変数Bがある値をとる確率PrはPr(B|B,B,…,Bn,C,C,…,C)である。
【0042】
図9は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる並列関係にある複数のノードの結合形態を示す図である。
【0043】
ここでは、変換処理部11の情報変換部22が図8に示した並列関係にあるノードAとノードBを、これらを結合した単一のノードA,Bに置き換える場合を考える。この場合、図9に示すようにノードA,A,…,A,B,B,…,Bn,C,C,…,Cは結合ノードA,Bの親ノードである。
【0044】
ここで、結合ノードA,Bの親ノードA,A,…,A,B,B,…,Bn,C,C,…,Cがある値をとった場合に結合ノードA,Bがもつ確率変数Aおよび確率変数Bがそれぞれある値をとる確率PrはPr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C)である。
【0045】
また、この確率Prと前述したPrおよびPrの関係は以下の式(4)で示される。
Pr=Pr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C
=PrPr
=Pr(A|A,A,…,A,C,C,…,C)Pr(B|B,B,…,
n,C,C,…,C) …式(4)
パラメータ計算部14は式(4)にしたがって、結合ノードA,Bのパラメータを計算する。
【0046】
また、パラメータ計算部14は計算されたPrであるPr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C)に関して、確率変数Aが不要であれば、以下の式(5)に示した計算を行なうことで確率変数Aを除去する。この式(5)に示した計算は前述した式(3)に示した計算と同じである。
【0047】
ΣPr(A,B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C
=Pr(B|A,A,…,A,B,B,…,Bn ,C,C,…,C) …式(5)
図10は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報における結合対象ノード(その1)を示す図である。図11は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報における結合対象ノード(その2)を示す図である。
【0048】
また、変換処理部11は、前述したステップS2の処理で入力した結合条件にしたがってベイジアンネットワーク情報のノードの結合処理を行なう代わりに、ベイジアンネットワーク情報保持部15から入力したベイジアンネットワーク情報の構造を解析して、この構造で示される各ノードのうち結合対象のノードを自動的に選択して、この判別したノードの結合処理を行なってもよい。
【0049】
変換処理部11が結合対象のノードを自動で選択する場合、図10中の点線で囲われたノードのように合流・分岐することなく直列に接続されたノードを選択してもよいし、図11中の点線で囲われたノードのように複雑に接続されたノードを選択してもよい。
【0050】
いずれの場合でも変換処理部11は選択したノードのうち2つのノードの直列結合および並列結合を繰り返すことで選択した全てのノードを単一の結合ノードに変換することができる。
【0051】
図12は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報のノードの変換手順(その1)を示す図である。図13は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報のノードの変換手順(その2)を示す図である。
【0052】
変換処理部11の情報変換部22は結合対象のノードが図12で示すような閉路を構成している場合には例えば、図12中の点線L1で囲われた2つのノードの直列結合を行ない、次にこの結合したノードと図12中の点線L2で囲われたノードとの直列結合を行なえばよい。
【0053】
また、別の方法として変換処理部11、情報変換部22は結合対象のノードが図13で示すような閉路を構成している場合に、当該図13中の点線L3で囲われた2つのノードの直列結合を行ない、次にこの結合したノードおよび図13中の点線L4のみで囲われたノードとの直列結合を行なってもよい。
【0054】
次に、ベイジアンネットワーク情報変換装置1が、ここまで示したものと異なるベイジアンネットワーク情報を入力した場合の処理について説明する。図14は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
図14に示したベイジアンネットワーク情報では確率変数Aをもつ第1ノード、確率変数Bをもつ第2ノード、確率変数Cをもつ第3ノード、確率変数Dをもつ第4ノードおよび確率変数Eをもつ第5ノードが示される。
【0055】
確率変数Cがある値をとる確率は確率変数Aがとる値および確率変数Bがとる値に依存する。また、確率変数Dがある値をとる確率は確率変数Cがとる値に依存し、確率変数Eがある値をとる確率は第確率変数Dがとる値に依存する。つまり、第3ノードは第1ノードおよび第2ノードの子ノードで、第4ノードは第3ノードの子ノードで、第5ノードは第4ノードの子ノードである。
【0056】
ここで、第1ノードがもつ確率変数Aがある値をとる確率の表記をPr(A)とし、第2ノードがもつ確率変数Bがある値をとる確率の表記をPr(B)とすると、確率変数Aがある値をとって確率変数Bがある値をとった場合に確率変数Cがある値をとる確率の表記はPr(C|A,B)となり、確率変数Cがある値をとった場合の確率変数Dがある値をとる確率の表記はPr(D|C)となり、確率変数Dがある値をとった場合の確率変数Eがある値をとる確率の表記はPr(E|D)である。
【0057】
図15は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置によりノード結合を行なったベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
変換処理部11の情報変換部22が図14に示したノードのうち、直列関係にある第2ノードおよび第3ノードを結合して単一の第6ノードに変換すると、各ノードの関係は図15に示した関係となる。
【0058】
第6ノードは確率変数Cおよび確率変数Dをもつ。確率変数Aがある値をとって確率変数Bがある値をとった場合の確率変数Cおよび確率変数Dが夫々ある値をとる確率の表記はPr(C,D|A,B)である。
【0059】
第6ノードは確率変数Cをもつが、第5ノードがもつ確率変数Eがある値をとる確率は確率変数Dがとる値のみに依存するので、確率変数Cがとる値は確率変数Eがある値をとる確率に影響を与えない。この場合にはパラメータ計算部14は確率変数Cがベイジアンネットワーク情報において特に重要な意味を持たないとして、以下の式(6)にしたがって第6ノードがもつ確率変数Cの除去を行なう。
ΣPr(C,D|A,B)=Pr(D|A,B) …式(6)
図16は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置によりノード結合およびパラメータ変換を行なったベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。図16に示すように、確率変数Cの除去を行なった第6ノードがもつ確率変数は確率変数Dのみである。これによりベイジアンネットワーク情報保持部15が保持するパラメータの情報量を減らすことができる。
【0060】
次に図14に示したものと異なるベイジアンネットワーク情報の変換処理について説明する。図17は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
【0061】
図17に示したベイジアンネットワーク情報は、図14に示したベイジアンネットワーク情報と比較して第7ノードをさらに備える。第7ノードは確率変数Fをもち、この確率変数Fがある値をとる確率は第3ノードがもつ確率変数Cがとる値に依存し、その確率の表記はPr(F|C)となる。つまり、第7ノードは第3ノードの子ノードである。
【0062】
図18は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置によりノード結合を行なったベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
変換処理部11の情報変換部22が図17に示したノードのうち、直列関係にある第2ノードおよび第3ノードを結合して単一の第6ノードに変換すると、各ノードの関係は図18に示した関係となる。このベイジアンネットワーク情報では、結合後の第6ノードがもつ確率変数Cがとる値は第7ノードがもつ確率変数Fがある値をとる確率に影響を与え、かつ、第6ノードがもつ確率変数Dがとる値は第5ノードがもつ確率変数Eがある値をとる確率に影響を与えるので、結合後の第6ノードがもつ確率変数Cおよび確率変数Dは前述したように除去することはできない。
【0063】
次に、ベイジアンネットワーク情報変換装置1が、ここまで示したものと異なるベイジアンネットワーク情報を入力した場合の処理について説明する。図19は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
【0064】
図19に示したベイジアンネットワーク情報はノードA、ノードB、ノードC、ノードDを有する。ノードBはノードAの子ノードで、ノードCはノードBの子ノードで、ノードDはノードCの子ノードである。
【0065】
ノードAの確率変数は「頭痛」で、ノードBの確率変数は「発熱」で、ノードCの確率変数は「インフルエンザ」で、ノードDの確率変数は「肺炎」である。各ノードの確率変数の値は「YES」および「NO」の何れかである。「YES」は確率変数に対応する身体症状や病気を発症していることを意味し、「NO」は確率変数に対応する身体症状や病気を発症していないことを意味する。
【0066】
図20は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードAに関わる確率の一例を表形式で示す図である。
図20に示したように、ノードAの確率変数「頭痛」が「YES」をとる確率Pr(頭痛=YES)は0.1で、確率変数「頭痛」が「NO」をとる確率Pr(頭痛=NO)は0.9である。
【0067】
図21は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図である。
図21に示したように、ノードAの確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合にノードBの確率変数「発熱」が「YES」をとる確率Pr(発熱=YES|頭痛=YES)は0.4であり、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとる確率Pr(発熱=NO|頭痛=YES)は0.6である。
【0068】
また、確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「発熱」が「YES」をとる確率Pr(発熱=YES|頭痛=NO)は0.1であり、確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとる確率Pr(発熱=NO|頭痛=NO)は0.9である。
【0069】
図22は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードCに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図である。
図22に示したように、ノードBの確率変数「発熱」が「YES」をとる場合にノードCの確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる確率Pr(インフルエンザ=YES|発熱=YES)は0.7であり、確率変数「発熱」が「YES」をとる場合に確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる確率Pr(インフルエンザ=NO|発熱=YES)は0.3である。
【0070】
また、確率変数「発熱」が「NO」をとる場合に確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる確率Pr(インフルエンザ=YES|発熱=NO)は0.1であり、確率変数「発熱」が「NO」をとる場合に確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる確率Pr(インフルエンザ=NO|発熱=NO)は0.9である。
【0071】
図23は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードDに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図である。
図23に示したように、ノードCの確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる場合にノードDの確率変数「肺炎」が「YES」をとる確率Pr(肺炎=YES|インフルエンザ=YES)は0.6であり、確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる場合に確率変数「肺炎」が「NO」をとる確率Pr(肺炎=NO|インフルエンザ=YES)は0.4である。
【0072】
また、確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる場合に確率変数「肺炎」が「YES」をとる確率Pr(肺炎=YES|インフルエンザ=NO)は0.1であり、確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる場合に確率変数「肺炎」が「NO」をとる確率Pr(肺炎=NO|インフルエンザ=NO)は0.9である。
【0073】
図24は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBとノードCを結合した構造情報を示す図である。
【0074】
変換処理部11の情報変換部22が図19に示したノードのうち、直列関係にあるノードBおよびノードをC結合して単一のノードEに変換すると、各ノードの関係は図24に示した関係となる。
【0075】
結合後のノードEがもつ確率変数は「発熱」および「インフルエンザ」であり、それぞれの確率変数がとる値は「YES」および「NO」の何れかである。この場合、ノードEはノードAの子ノードであり、ノードDはノードEの子ノードである。
【0076】
図25は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードEに関わる条件付確率を(式2)に基づき計算した結果を表形式で示す図である。
【0077】
図25に示したように、ノードAの確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合にノードEの確率変数「発熱」およびノードEの確率変数「インフルエンザ」がともに「YES」をとる確率Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)は0.28であり、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「発熱」が「YES」をとって確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる確率Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)は0.12である。
【0078】
また、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合にノードEの確率変数「発熱」が「NO」をとって確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる確率Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)は0.06であり、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「発熱」および確率変数「インフルエンザ」がともに「NO」をとる確率Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)は0.54である。
【0079】
また、図25に示したように、ノードAの確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合にノードEの確率変数「発熱」およびノードEの確率変数「インフルエンザ」がともに「YES」をとる確率Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)は0.07であり、確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「発熱」が「YES」をとって確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる確率Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)は0.03である。
【0080】
また、確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとって確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる確率Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)は0.09であり、確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「発熱」および確率変数「インフルエンザ」がともに「NO」をとる確率Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)は0.81である。
【0081】
ここで、ノードEに関わる条件付確率の計算手順について説明する。
まず、Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(7)にしたがって求めることができる。
【0082】
Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)
=Pr(発熱=YES|頭痛=YES)Pr(インフルエンザ=YES|発熱=YES)
=0.4×0.7
=0.28 …式(7)
Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(8)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)
=Pr(発熱=YES|頭痛=YES)Pr(インフルエンザ=NO|発熱=YES)
=0.4×0.3
=0.12 …式(8)
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(9)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)
=Pr(発熱=NO|頭痛=YES)Pr(インフルエンザ=YES|発熱=NO)
=0.6×0.1
=0.06 …式(9)
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(10)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)
=Pr(発熱=NO|頭痛=YES)Pr(インフルエンザ=NO|発熱=NO)
=0.6×0.9
=0.54 …式(10)
また、Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(11)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)
=Pr(発熱=YES|頭痛=NO)Pr(インフルエンザ=YES|発熱=YES)
=0.1×0.7
=0.07 …式(11)
Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(12)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)
=Pr(発熱=YES|頭痛=NO)Pr(インフルエンザ=NO|発熱=YES)
=0.1×0.3
=0.03 …式(12)
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(13)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)
=Pr(発熱=NO|頭痛=NO)Pr(インフルエンザ=YES|発熱=NO)
=0.9×0.1
=0.09 …式(13)
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(14)にしたがって求めることができる。
Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)
=Pr(発熱=NO|頭痛=NO)Pr(インフルエンザ=NO|発熱=NO)
=0.9×0.9
=0.81 …式(14)
図26は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードEのパラメータ変換を行なった形態を示す図である。
【0083】
ノードEの確率変数「発熱」のとる値は、ノードDの確率変数「肺炎」がある値をとる確率に影響を与えない。つまり、ノードEの確率変数「発熱」を除去することができる。
【0084】
ノードEの確率変数「発熱」を除去した際のノードをノードE’とすると、ノードA、ノードE’およびノードDの関係は図26に示した関係となる。
ノードE’がもつ確率変数は「インフルエンザ」のみである。ノードE’はノードAの子ノードであり、ノードDはノードE’の子ノードである。
【0085】
図27は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードE’に関わる条件付確率を(式3)に基づき計算した結果を表形式で示す図である。
【0086】
図27に示したように、ノードAの確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合にノードE’の確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる確率Pr(インフルエンザ=YES|頭痛=YES)は0.34であり、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる確率Pr(インフルエンザ=NO|頭痛=YES)は0.66である。
【0087】
また、ノードAの確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合にノードE’の確率変数「インフルエンザ」が「YES」をとる確率Pr(インフルエンザ=YES|頭痛=NO)は0.16であり、確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「インフルエンザ」が「NO」をとる確率Pr(インフルエンザ=NO|頭痛=NO)は0.84である。
【0088】
ここで、ノードE’に関わる条件付確率の計算手順について説明する。まず、Pr(インフルエンザ=YES|頭痛=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(15)にしたがって求めることができる。
【0089】
Pr(インフルエンザ=YES|頭痛=YES)
=Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)
+Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=YES)
=0.28+0.06
=0.34 …式(15)
また、Pr(インフルエンザ=NO|頭痛=YES)はパラメータ計算部14が以下の式(16)にしたがって求めることができる。
【0090】
Pr(インフルエンザ=NO|頭痛=YES)
=Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)
+Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=YES)
=0.12+0.54
=0.66 …式(16)
また、Pr(インフルエンザ=YES|頭痛=NO)はパラメータ計算部14が以下の式(17)にしたがって求めることができる。
【0091】
Pr(インフルエンザ=YES|頭痛=NO)
=Pr(発熱=YES,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)
+Pr(発熱=NO,インフルエンザ=YES|頭痛=NO)
=0.07+0.09
=0.16 …式(17)
また、Pr(インフルエンザ=NO|頭痛=NO)はパラメータ計算部14が以下の式(18)にしたがって求めることができる。
【0092】
Pr(インフルエンザ=NO|頭痛=NO)
=Pr(発熱=YES,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)
+Pr(発熱=NO,インフルエンザ=NO|頭痛=NO)
=0.03+0.81
=0.84 …式(18)
次に、ベイジアンネットワーク情報変換装置1が、ここまで示したものと異なるベイジアンネットワーク情報を入力した場合の処理について説明する。図28は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図である。
【0093】
図28に示したベイジアンネットワーク情報は、ノードA、ノードB、ノードC、ノードDを有する。ノードAはノードBおよびノードCの親ノードで、ノードBおよびノードCはノードDの親ノードである。つまり、ノードBとノードCは並列関係にある。
【0094】
ノードAの確率変数は「喉の痛み」で、ノードBの確率変数は「咳」で、ノードCの確率変数は「頭痛」で、ノードDの確率変数は「発熱」である。各ノードの確率変数の値は「YES」および「NO」の何れかである。
【0095】
図29は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードAに関わる確率の一例を表形式で示す図である。
【0096】
図29に示したように、ノードAの確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる確率Pr(喉の痛み=YES)は0.1で、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる確率Pr(喉の痛み=NO)は0.9である。
【0097】
図30は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図である。
【0098】
図30に示したように、ノードAの確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる場合にノードBの確率変数「咳」が「YES」をとる確率Pr(咳=YES|喉の痛み=YES)は0.6であり、確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる場合に確率変数「咳」が「NO」をとる確率Pr(咳=NO|喉の痛み=YES)は0.4である。
【0099】
また、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「咳」が「YES」をとる確率はPr(咳=YES|喉の痛み=NO)0.1であり、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「咳」が「NO」をとる確率Pr(咳=NO|喉の痛み=NO)は0.9である。
【0100】
図31は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードCに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図である。
【0101】
図31に示したように、ノードAの確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる場合にノードCの確率変数「頭痛」が「YES」をとる確率Pr(頭痛=YES|喉の痛み=YES)は0.7であり、確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる場合に確率変数「頭痛」が「NO」をとる確率Pr(頭痛=NO|喉の痛み=YES)は0.3である。
【0102】
また、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「頭痛」が「YES」をとる確率Pr(頭痛=YES|喉の痛み=NO)は0.2であり、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「頭痛」が「NO」をとる確率Pr(頭痛=NO|喉の痛み=NO)は0.8である。
【0103】
図32は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードDに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図である。
【0104】
図32に示したように、ノードBの確率変数「咳」およびノードCの確率変数「頭痛」がともに「YES」をとる場合にノードDの確率変数「発熱」が「YES」をとる確率Pr(発熱=YES|咳=YES,頭痛=YES)は0.9であり、確率変数「咳」および確率変数「頭痛」がともに「YES」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとる確率Pr(発熱=NO|咳=YES,頭痛=YES)は0.1である。
【0105】
また、ノードBの確率変数「咳」が「YES」をとってノードCの確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合にノードDの確率変数「発熱」が「YES」をとる確率Pr(発熱=YES|咳=YES,頭痛=NO)は0.8であり、確率変数「咳」が「YES」をとって確率変数「頭痛」が「NO」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとる確率Pr(発熱=NO|咳=YES,頭痛=NO)は0.2である。
【0106】
また、図32に示したように、ノードBの確率変数「咳」が「NO」をとってノードCの確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合にノードDの確率変数「発熱」が「YES」をとる確率(発熱=YES|咳=NO,頭痛=YES)は0.7であり、確率変数「咳」が「NO」をとって確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとる確率Pr(発熱=NO|咳=NO,頭痛=YES)は0.3である。
【0107】
また、ノードBの確率変数「咳」およびノードCの確率変数「頭痛」がともに「NO」をとる場合にノードDの確率変数「発熱」が「YES」をとる確率Pr(発熱=YES|咳=NO,頭痛=NO)は0.1であり、確率変数「咳」および確率変数「頭痛」がともに「NO」をとる場合に確率変数「発熱」が「NO」をとる確率Pr(発熱=NO|咳=NO,頭痛=NO)は0.9である。
【0108】
図33は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBとノードCを結合した構造情報を示す図である。
【0109】
変換処理部11の情報変換部22が図28に示したノードのうち、並列関係にあるノードBおよびノードをC結合して単一のノードEに変換すると、各ノードの関係は図33に示した関係となる。
【0110】
結合後のノードEがもつ確率変数は「咳」および「頭痛」であり、それぞれの確率変数がとる値は「YES」および「NO」の何れかである。この場合、ノードEはノードAの子ノードであり、ノードDはノードEの子ノードである。
【0111】
図34は、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードEに関わる条件付確率を(式4)に基づき計算した結果を表形式で示す図である。
【0112】
図34に示したように、ノードAの確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる場合にノードEの確率変数「咳」およびノードEの確率変数「頭痛」がともに「YES」をとる確率Pr(咳=YES,頭痛=YES|喉の痛み=YES)は0.42であり、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「咳」が「YES」をとって確率変数「頭痛」が「NO」をとる確率Pr(咳=YES,頭痛=NO|喉の痛み=YES)は0.18である。
【0113】
また、確率変数「喉の痛み」が「YES」をとる場合にノードEの確率変数「咳」が「NO」をとって確率変数「頭痛」が「YES」をとる確率Pr(咳=NO,頭痛=YES|喉の痛み=YES)は0.28であり、確率変数「頭痛」が「YES」をとる場合に確率変数「咳」および確率変数「頭痛」がともに「NO」をとる確率Pr(咳=NO,頭痛=NO|喉の痛み=YES)は0.12である。
【0114】
また、図34に示したように、ノードAの確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合にノードEの確率変数「咳」およびノードEの確率変数「頭痛」がともに「YES」をとる確率Pr(咳=YES,頭痛=YES|喉の痛み=NO)は0.02であり、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「咳」が「YES」をとって確率変数「頭痛」が「NO」をとる確率Pr(咳=YES,頭痛=NO|喉の痛み=NO)は0.08である。
【0115】
また、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「咳」が「NO」をとって確率変数「頭痛」が「YES」をとる確率Pr(咳=NO,頭痛=YES|喉の痛み=NO)は0.18であり、確率変数「喉の痛み」が「NO」をとる場合に確率変数「咳」および確率変数「頭痛」がともに「NO」をとる確率Pr(咳=NO,頭痛=NO|喉の痛み=NO)は0.72である。
【0116】
ここで、ノードEに関わる条件付確率の計算手順について説明する。
まず、Pr(咳=YES,頭痛=YES|喉の痛み=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(19)にしたがって求めることができる。
【0117】
Pr(咳=YES,頭痛=YES|喉の痛み=YES)
=Pr(咳=YES|喉の痛み=YES)Pr(頭痛=YES|喉の痛み=YES)
=0.6×0.7
=0.42 …式(19)
Pr(咳=YES,頭痛=NO|喉の痛み=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(20)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=YES,頭痛=NO|喉の痛み=YES)
=Pr(咳=YES|喉の痛み=YES)Pr(頭痛=NO|喉の痛み=YES)
=0.6×0.3
=0.18 …式(20)
Pr(咳=NO,頭痛=YES|喉の痛み=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(21)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=NO,頭痛=YES|喉の痛み=YES)
=Pr(咳=NO|喉の痛み=YES)Pr(頭痛=YES|喉の痛み=YES)
=0.4×0.7
=0.28 …式(21)
Pr(咳=NO,頭痛=NO|喉の痛み=YES)は、パラメータ計算部14が以下の式(22)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=NO,頭痛=NO|喉の痛み=YES)
=Pr(咳=NO|喉の痛み=YES)Pr(頭痛=NO|喉の痛み=YES)
=0.4×0.3
=0.12 …式(22)
また、Pr(咳=YES,頭痛=YES|喉の痛み=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(23)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=YES,頭痛=YES|喉の痛み=NO)
=Pr(咳=YES|喉の痛み=NO)Pr(頭痛=YES|喉の痛み=NO)
=0.1×0.2
=0.02 …式(23)
Pr(咳=YES,頭痛=NO|喉の痛み=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(24)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=YES,頭痛=NO|喉の痛み=NO)
=Pr(咳=YES|喉の痛み=NO)Pr(頭痛=NO|喉の痛み=NO)
=0.1×0.8
=0.08 …式(24)
Pr(咳=NO,頭痛=YES|喉の痛み=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(25)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=NO,頭痛=YES|喉の痛み=NO)
=Pr(咳=NO|喉の痛み=NO)Pr(頭痛=YES|喉の痛み=NO)
=0.9×0.2
=0.18 …式(25)
Pr(咳=NO,頭痛=NO|喉の痛み=NO)は、パラメータ計算部14が以下の式(26)にしたがって求めることができる。
Pr(咳=NO,頭痛=NO|喉の痛み=NO)
=Pr(咳=NO|喉の痛み=NO)Pr(頭痛=NO|喉の痛み=NO)
=0.9×0.8
=0.72 …式(26)
以上のように、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置では複数のノードを1つのノードに結合した上で、この結合ノードのもつ確率変数がとる値の発生確率を再計算するので、ベイジアンネットワーク情報のノードの構造が複雑になった場合でも、ユーザが確率変数間の関係を把握し易すくすることができる。
【0118】
また、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置1は変換処理後のベイジアンネットワーク情報のノードの構造情報と各ノードのパラメータを表示部12に表示させたが、これに限らず、変換前のベイジアンネットワーク情報の構造情報と各ノードのパラメータをベイジアンネットワーク情報保持部15に保持しておき、これらの情報を変換処理後のベイジアンネットワーク情報のノードの構造情報と各ノードのパラメータとあわせて表示部12に表示させてもよい。これによりユーザは変換前と変換後の状態を容易に比較することが可能となる。
【0119】
また、本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置1は変換処理部11で変換した構造情報およびパラメータ計算部14により計算したパラメータのうちパラメータのみを保持して、これを結合ノード以外のノードのパラメータとあわせて表示部12に出力するようにしてもよい。
【0120】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】ベイジアンネットワーク情報の構造の一例を示す図。
【図2】図1に示したベイジアンネットワーク情報の構造を変換した例を示す図。
【図3】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置の一例を示すブロック図。
【図4】各種身体症状とインフルエンザの因果関係を示すベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置の処理動作の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる直列関係にある複数のノードの一例を示す図。
【図7】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる直列関係にある複数のノードの結合形態を示す図。
【図8】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる並列関係にある複数のノードの一例を示す図。
【図9】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報に含まれる並列関係にある複数のノードの結合形態を示す図。
【図10】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報における結合対象ノード(その1)を示す図。
【図11】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報における結合対象ノード(その2)を示す図。
【図12】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報のノードの変換手順(その1)を示す図。
【図13】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力したベイジアンネットワーク情報のノードの変換手順(その2)を示す図。
【図14】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図15】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置によりノード結合を行なったベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図16】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置によりノード結合およびパラメータ変換を行なったベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図17】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図18】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置によりノード結合を行なったベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図19】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図20】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードAに関わる確率の一例を表形式で示す図。
【図21】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図22】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードCに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図23】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードDに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図24】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBとノードCを結合した構造情報を示す図。
【図25】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードEに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図26】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードEのパラメータ変換を行なった形態を示す図。
【図27】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードE´に関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図28】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報の一例を示す図。
【図29】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードAに関わる確率の一例を表形式で示す図。
【図30】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図31】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードCに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図32】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードDに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【図33】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が入力するベイジアンネットワーク情報のノードBとノードCを結合した構造情報を示す図。
【図34】本発明の実施形態にしたがったベイジアンネットワーク情報変換装置が変換したベイジアンネットワーク情報のノードEに関わる条件付確率の一例を表形式で示す図。
【符号の説明】
【0122】
1…ベイジアンネットワーク情報変換装置、11…変換処理部、12…表示部12…入力部、14…パラメータ計算部、15…ベイジアンネットワーク情報保持部、16…記憶部、21…情報入力部、22…情報変換部、23…情報出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数間の因果関係を示す構造情報および前記ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率情報を入力する入力手段と、
この入力手段により入力した構造情報を当該構造情報で示されるノードのうち複数のノードを結合して単一のノードに置換した構造情報に変換する変換手段と、
この変換手段により結合したノードに対応する確率変数がとる値の発生確率を前記入力手段により入力した前記結合前の複数のノードに対応する確率変数がとる値の発生確率情報をもとに計算する計算手段と、
前記変換手段により変換した構造情報および前記計算手段により計算した発生確率を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記変換手段により結合する複数のノードのうち一方に対応する確率変数がとる値の発生確率が前記複数のノードのうち他方のノードに対応する確率変数がとる値に依存することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記変換手段により結合する複数のノードのうち一方に対応する確率変数がとる値の発生確率が前記複数のノードのうち他方のノードに対応する確率変数がとる値に依存せず、前記他方のノードに対応する確率変数がとる値の発生確率が前記一方のノードに対応する確率変数がとる値に依存しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変換手段により結合するノードを設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記入力手段により入力した構造情報を前記変換手段により変換した構造情報ととともに出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数間の因果関係を示す構造情報および前記ベイジアンネットワーク情報の各ノードに対応付けられた確率変数がとる値の発生確率情報を入力する入力ステップと、
前記入力した構造情報を当該構造情報で示されるノードのうち複数のノードを結合して単一のノードに置換した構造情報に変換する変換ステップと、
前記結合したノードに対応する確率変数がとる値の発生確率を前記入力した前記結合前の複数のノードに対応する確率変数がとる値の発生確率情報をもとに計算する計算ステップと、
前記変換した構造情報および前記計算した発生確率を出力する出力ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2007−293601(P2007−293601A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120931(P2006−120931)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)