説明

情報処理装置および方法、並びに、情報処理システム

【課題】より容易に情報を共有することができるようにする。
【解決手段】携帯電話機101は、任意の方法で取得したプレイリストや音楽データを自分自身に属するデータとして記憶する。携帯電話機101は、そのプレイリストを他の装置と交換することにより、そのプレイリストに基づいて互いが保持する音楽データをストリーミングデータとして授受することができるようにする。つまり、音楽データ(楽曲)を実質的に共有する。本発明は、例えば、ネットワークシステムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びに、情報処理システムに関し、特に、情報の共有を容易に行うことができるようにした情報処理装置および方法、並びに、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の通信方式により装置間で通信を行うことにより情報を共有する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1において、掲示板サーバ31は、一の利用者12Aが、電子掲示板33に所定の題目でトピックを立てたとき、そのトピックに対して別の利用者12B、12Cによる書き込みを可能とする。トピックに他の利用者12Bが題目に沿って推薦するコンテンツの情報を書き込んだとき、その推薦したコンテンツを示すリストを、ネットワーク20を通じてアクセスしてきた利用者12A〜12Dの端末機11A〜11Dにプレイリストとして出力する。コンテンツサーバ32は、プレイリストに含まれるコンテンツが指定されたとき、その指定されたコンテンツをプレイリストの出力された利用者の端末機に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−285716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、情報を共有するためには、互いを認識させたり、共有する情報についての情報を交換したりする必要があり、情報共有を実現するための設定には煩雑な作業が必要であった。
【0006】
特に、近年においては情報処理技術の発達により携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)のような携帯型の通信装置が普及しているが、このような装置は小型で操作性が低いものが多く、設定作業が容易ではない場合がある。また、このような携帯型の装置は、携帯性が高いことから、装置自身の移動性も高くなる。従って、長期間1つのネットワークに接続したままである可能性は低く、通信の接続や切断を繰り返し、多様な相手と多様なネットワークを構築する可能性が高い。つまり、接続先となるネットワークや通信装置の更新頻度が高く、その度に、情報共有のための煩雑な設定作業が必要になる可能性がある。
【0007】
例えば、特許文献1の方法の場合、共有する情報を得るために電子掲示板を参照する必要がある。また、その電子掲示板の情報を充実させるためには、情報の書き込みを行う必要がある。さらに、電子掲示板に書き込みを行ったユーザの性格などが把握できないため、電子掲示板に掲載された情報が自分の意図と一致しない恐れもある。
【0008】
このように情報共有のために煩雑な作業が必要であると、単に情報共有が困難になるだけでなく、ユーザの情報共有に対する意欲を低下させてしまう恐れもあった。また、情報の共有化が低下することにより、各装置および各情報の利用効率も低下してしまう恐れがあった。
【0009】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、情報の共有を容易に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面は、第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信する第1の通信部と、前記第1の通信部により受信された前記管理データに基づく第1の表示を行う表示部と、前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部と、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択受付部により前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記他の装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する第2の通信部とを備える情報処理装置である。
【0011】
前記第1の通信部により受信された前記管理データを記憶する記憶部をさらに備え、前記表示部は、前記記憶部に記憶されている前記管理データに基づく第1の表示を行うことができる。
【0012】
前記第1の通信部は、前記他の装置から、さらに、前記他の装置の識別情報を受信し、前記記憶部は、前記第1の通信部により受信された前記管理データを、前記他の装置の識別情報に関連付けて記憶することができる。
【0013】
前記表示部は、前記他の装置が前記第2の通信部の通信可能範囲内に存在しない場合、前記他の装置の識別情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記管理データに基づいて、前記第1の表示と異なる第2の表示をし、前記選択受付部は、前記第2の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を禁止することができる。
【0014】
前記第2の通信部により受信される前記コンテンツデータを再生する再生部をさらに備えることができる。
【0015】
前記再生部は、前記コンテンツデータを逐次的に再生することができる。
【0016】
前記第1の表示には、前記識別情報に対応する前記コンテンツデータに関連する画像が含まれることができる。
【0017】
前記第1の表示には、前記識別情報に対応する前記コンテンツデータのタイトルが含まれることができる。
【0018】
前記記憶部は、セッション接続情報をさらに記憶し、前記第2の通信部は、前記セッション接続情報を用いて前記他の装置とのセッションを確立することができる。
【0019】
本発明の第1の側面はまた、情報処理装置の情報処理方法であって、第1の通信部が、第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信し、表示部が、受信された前記管理データに基づく第1の表示を行い、選択受付部が、前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付け、第2の通信部が、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記他の装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する情報処理方法である。
【0020】
本発明の第1の側面は、さらに、コンピュータを、第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信する第1の通信部、前記第1の通信部により受信された前記管理データに基づく第1の表示を行う表示部、前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択受付部により前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記他の装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する第2の通信部として機能させるためのプログラムである。
【0021】
本発明の第2の側面は、コンテンツデータ、および、少なくとも前記コンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを記憶する記憶部と、第1の通信方式によって、前記記憶部に記憶されている前記管理データを他の装置に送信する第1の通信部と、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記他の装置からコンテンツデータの要求を受信し、受信した前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記他の装置に送信する第2の通信部とを備える情報処理装置である。
【0022】
本発明の第2の側面はまた、情報処理装置の情報処理方法であって、記憶部が、コンテンツデータ、および、少なくとも前記コンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを記憶し、第1の通信部が、第1の通信方式によって、前記管理データを他の装置に送信し、第2の通信部が、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記他の装置からコンテンツデータの要求を受信し、受信した前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記他の装置に送信する情報処理方法である。
【0023】
本発明の第2の側面は、さらに、コンピュータを、コンテンツデータ、および、少なくとも前記コンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを記憶する記憶部、第1の通信方式によって、前記記憶部に記憶されている前記管理データを他の装置に送信する第1の通信部、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記他の装置からコンテンツデータの要求を受信し、受信した前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記他の装置に送信する第2の通信部として機能させるためのプログラムである。
【0024】
本発明の第3の側面は、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置を有する情報処理システムであって、前記第1の情報処理装置は、第1の通信方式により、前記第2の情報処理装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信する第1の通信部と、前記第1の通信部により受信された前記管理データに基づく第1の表示を行う表示部と、前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部と、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択受付部により前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記第2の情報処理装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する第2の通信部とを備え、前記第2の情報処理装置は、前記管理データを記憶する記憶部と、前記第1の通信方式によって、前記記憶部に記憶されている前記管理データを前記第1の情報処理装置に送信する第3の通信部と、前記第2の通信方式により、前記第1の情報処理装置から前記コンテンツデータの要求を受信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記第1の情報処理装置に送信する第4の通信部とを備える情報処理システムである。
【0025】
本発明の第1の側面においては、第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、コンテンツデータの管理に利用される管理データが受信され、受信された管理データに基づく第1の表示が行われ、その第1の表示に対する選択操作によるコンテンツデータの選択が受け付けられ、第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、選択操作による選択が受け付けられたコンテンツデータの要求が他の装置に送信され、要求に対応するコンテンツデータが受信される。
【0026】
本発明の第2の側面においては、コンテンツデータ、および、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、コンテンツデータの管理に利用される管理データが記憶され、第1の通信方式によって、記憶部に記憶されている管理データが他の装置に送信され、第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、他の装置からコンテンツデータの要求が受信され、受信された要求に対応するコンテンツデータが他の装置に送信される。
【0027】
本発明の第3の側面においては、第1の情報処理装置においては、第1の通信方式により、第2の情報処理装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、コンテンツデータの管理に利用される管理データが受信され、第1の通信部により受信された管理データに基づく第1の表示が行われ、表示部により行われた第1の表示に対する選択操作によるコンテンツデータの選択が受け付けられ、第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、選択操作による選択が受け付けられたコンテンツデータの要求が第2の情報処理装置に送信され、要求に対応するコンテンツデータが受信され、第2の情報処理装置においては、管理データが記憶され、第1の通信方式によって、記憶部に記憶されている管理データが第1の情報処理装置に送信され、第2の通信方式により、第1の情報処理装置からコンテンツデータの要求が受信され、その要求に対応するコンテンツデータが第1の情報処理装置に送信される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、情報を共有することができる。特に、より容易に情報を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用したネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図1の携帯電話機101の内部の構成例を示すブロック図である。
【図3】プレイリストの交換および音楽データの共有の様子を説明する模式図である。
【図4】携帯電話機101が有する機能ブロックの例を示す機能ブロック図である。
【図5】携帯電話機101が有するデータの構成例を示す図である。
【図6】デバイス設定情報の例を示す図である。
【図7】ユーザ付加情報の例を示す図である。
【図8】プレイリスト情報の例を示す図である。
【図9】楽曲情報の例を示す図である。
【図10】パッケージ情報の例を示す図である。
【図11】プレイリスト交換の概要を説明するフローチャートである。
【図12】表示例を示す図である。
【図13】表示例を示す図である。
【図14】表示例を示す図である。
【図15】表示例を示す図である。
【図16】携帯電話機Aが記憶するデータの様子を説明する図である。
【図17】携帯電話機Bが記憶するデータの様子を説明する図である。
【図18】プレイリスト交換処理の詳細な流れの例を示すフローチャートである。
【図19】プレイリスト交換処理の詳細な流れの例を示す、図18に続くフローチャートである。
【図20】プレイリスト交換処理の詳細な流れの例を示すフローチャートである。
【図21】プレイリスト交換処理の詳細な流れの例を示す、図20に続くフローチャートである。
【図22】管理情報の構成例を示す図である。
【図23】音楽データ共有の概要を説明するフローチャートである。
【図24】プレイリスト表示制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図25】表示例を示す図である。
【図26】音楽データ共有処理の詳細な流れの例を示すフローチャートである。
【図27】音楽データ共有処理の詳細な流れの例を示すフローチャートである。
【図28】本発明を適用したパーソナルコンピュータ等の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明を適用したネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0032】
図1に示されるネットワークシステム100は、複数の装置により構成され、装置間で情報を容易に共有することができるシステムである。具体的には、ネットワークシステム100の端末装置は、他の装置が有する音楽データを、取得しながら逐次的に再生可能な形式のストリーミングデータとして送信させ(ストリーミング再生させ)、そのストリーミングデータを取得しながら音声出力を行ったり、逆に、自分自身が有する音楽データをストリーミング再生し、ストリーミングデータを他の装置に供給し、その他の装置において逐次的に音声出力させたりするシステムである。つまり、ネットワークシステム100は、音楽データを共有するシステムである。
【0033】
音楽データとは、楽曲(コンテンツ)の音声信号をデータ化したコンテンツデータである。もちろん、音楽データには、楽曲の数、内容、時間、音量、データ量等の各種の制限はなく、音楽データの内容は任意である。なお、ここでいう楽曲は、楽器の演奏だけでなく、人間の音声、自然界の音、または人工的に創造された音等、あらゆる音声信号を含むものとする。後述するように音楽データは販売されるが、基本的には、楽曲単位で販売される。なお、複数の楽曲をまとめて1パッケージとして販売する場合もある。
【0034】
ネットワークシステム100において音楽データを共有する各装置は、その共有のために、プレイリストと呼ばれるデータを授受(交換)する。プレイリストは、共有するデータ(共有データ)である音楽データの内容(楽曲)や、そのデータ自身に関する情報を含むメタデータ(関連情報)であり、コンテンツデータの管理に利用される管理データである。詳細については後述するが、例えば、楽曲のIDや名称等の識別情報が含まれる。
【0035】
詳細については後述するが、授受されたプレイリストは、例えばGUI(Graphical User Interface)として表示され、ユーザがそのプレイリストの中から再生する楽曲を選択することにより、選択された楽曲のストリーミング再生、すなわち、音楽データの共有が行われる。
【0036】
図1に示される携帯電話機101は、このような音楽データの共有を行う、ネットワークシステム100の端末装置である。携帯電話機101は、無線通信機能を利用して基地局を介して公衆電話回線網と接続し、他の電話機と音声通信を行う、所謂通話機能の他に、その公衆電話回線網を介してインターネットに接続し、他の通信装置とパケット通信を行うパケット通信機能を有する。携帯電話機101は、このパケット通信機能を利用し、公衆電話回線網やインターネット等の1つまたは複数のネットワークにより構成されるネットワーク131を介して、例えば、WEBサーバ141、音楽販売サーバ142、SNSサーバ143、またはメール配信サーバ144等に接続し、通信を行うことができる。
【0037】
例えば、携帯電話機101は、WEBサーバ141に接続し、WEBサーバ141が提供するWEBサイトより、プレイリストや音楽データを取得する(供給を受ける)ことができる。また、携帯電話機101は、例えば、音楽販売サーバ142に接続し、音楽販売サーバ142が提供する音楽販売サイトにおいて音楽データを購入し、取得することができる。さらに、携帯電話機101は、SNSサーバ143が提供するSNS(Social Network Sites)にログインし、そのSNSにおいて他のユーザや管理者が提供するプレイリストを取得することができる。また、携帯電話機101は、メール配信サーバ144より配信される、プレイリストが記述された電子メール、若しくは、プレイリストが添付された電子メールを取得することができる。
【0038】
さらに、携帯電話機101は、被写体を撮像してその撮像画像の画像データを得るデジタルカメラ機能と、そのデジタルカメラ機能により撮像されたQR(Quick Response)コード(二次元コードシンボル)を復号し、QRコードに含まれる情報を得るQRコード復号機能を有する。携帯電話機101は、このデジタルカメラ機能を利用して、図1のデバイス121に印刷または表示されたQRコード122を撮像し、QRコード復号機能を利用して、撮像されたQRコード122に含まれるプレイリストを抽出し、保持することができる。例えば、QRコード復号機能によりプレイリストが抽出されると、音楽データ共有のためのアプリケーションが起動され、抽出されたプレイリストが記憶部に記憶されて管理される。
【0039】
なお、デバイス121は、QRコード122を提示するものであればどのようなものであってもよいが、例えば、建築物の壁面や装置の筐体、ポスターや雑誌等の印刷物、並びに、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic ElectroLuminescence Display)等のモニタ等であってもよい。
【0040】
また、携帯電話機101は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等に代表される所定の有線通信規格を用いて有線接続された他の装置と通信を行う有線通信機能をさらに有する。携帯電話機101は、この有線通信機能を用いて、図1に示される、携帯電話機101と有線接続されたパーソナルコンピュータ104(以下、PC104と称する)と通信を行うことができる。例えば、携帯電話機101は、有線接続されたPC104より通信ケーブルを介してプレイリストや音楽データを取得することができる。
【0041】
このようにすることにより、携帯電話機101は、PC104により購入され蓄積された音楽データ、PC104において作成された音楽データ、若しくはそのプレイリスト等を容易に取得することができる。
【0042】
なお、プレイリストや音楽データを取得する方法は、上述した以外であってももちろんよい。例えば、フラッシュメモリ等のリムーバブルメディアを介してプレイリストや音楽データの授受が行われるようにしてもよい。また、携帯電話機101は、保持している音楽データのプレイリストを、ユーザ指示に基づいて作成したり、所定の条件に従って自動的に作成したりすることもできる。
【0043】
以上のように、携帯電話機101は、任意の方法で容易にプレイリストや音楽データを取得することができる。
【0044】
携帯電話機101は、以上のように取得したプレイリストや音楽データを自分自身に属するデータとして記憶する。携帯電話機101は、そのプレイリストを他の装置と交換することにより、そのプレイリストに基づいて互いが保持する音楽データをストリーミングデータとして授受することができるようにする。つまり、音楽データ(楽曲)を実質的に共有する。
【0045】
なお、携帯電話機101は、交換するプレイリストに対応する楽曲の音楽データを必ずしも記憶しておく必要は無い。
【0046】
例えば、携帯電話機101は、プレイリストには、そのプレイリストに対応する楽曲(音楽データ)の供給元の情報(例えば、音楽データを提供するサイトのURL(Uniform Resource Locator)等)が含まれている場合がある。このような場合、携帯電話機101は、その情報に基づいて、そのプレイリストに対応する楽曲(音楽データ)を、原則的に任意のタイミングで取得することができるので、携帯電話機101にとって、その音楽データを記憶しているのと実質的に等価となる。従って、携帯電話機101は、そのようなプレイリストを他の装置と交換することができる。
【0047】
ただし、携帯電話機101は、実際には音楽データを記憶していないので、そのままではストリーミング再生することができない。従って、再生要求があった場合に携帯電話機101がその音楽データを取得するようにするか、若しくは、その音楽データの再生要求を禁止とするのが望ましい。
【0048】
なお、携帯電話機101は、プレイリストの交換相手から取得したプレイリストも、基本的に、そのプレイリストに対応する楽曲(音楽データ)を記憶していない(相手側の装置が記憶しているか若しくは取得可能な状態にある)。携帯電話機101は、他の装置との交換により得たプレイリストを別の他の装置と交換することを禁止する。つまり、携帯電話機101は、交換により得た、他の装置に属するプレイリストは交換の対象としない。そのために、携帯電話機101は、交換により得たプレイリストを、その交換相手に対応付けて管理し、自分自身に属するプレイリストとも、他の装置との交換により得たプレイリストとも区別する。
【0049】
携帯電話機101は、上述した通信機能の他に、非接触型のICカード機能、ICカードに対するリーダライタ機能、およびブルートゥース(Bluetooth)通信機能を有する。
【0050】
ICカードとは、情報の記憶や演算のためのICチップ(半導体集積回路)を内蔵し、情報を記録することができるようにしたカード型のデバイスのことである。一般的に、ICカードは、磁気カードに比べて大容量のデータを記録することができ、また、データの改ざんやカードの偽造に対する安全性が高く、例えば、電子マネーやテレホンカードなどに応用される。ICカードは、対応するリーダライタと通信を行い、ICチップ内に記憶されている情報をリーダライタに供給したり、リーダライタから供給されるデータをICチップに記憶したりする。非接触型のICカードは、このようなデータの授受(通信)を、デバイスと接触せずに、無線通信を利用して行う。つまり、非接触型のICカード(およびリーダライタ)は、ICチップの他に、無線通信用のアンテナを有する。
【0051】
ICカード機能とは、このようなICカードの機能(無線通信機能、データ保持機能、情報処理機能等)のことである。つまり、携帯電話機101は、ICカードの構成を内蔵する。ただし、詳細については後述するが、携帯電話機101は、単にICカードを内蔵するだけでなく、ICカードの構成と、その他の構成との間でデータの授受を行ったり、連携して処理を実行したりすることができるようになされている。
【0052】
このICカード機能における無線通信の通信距離は特に制限は無く任意である。例えば、非接触型ではなく接触型であってもよい(通信距離は0mであってもよい)。以下においては、通信距離が約10cm以下程度の超近距離であるものとして説明する。通信距離が超近距離の非接触型ICカードは、現在最も普及しており、開発が容易である。また、非接触での通信が可能であることから、通信中の姿勢の維持が容易であり、安定した通信を容易に実現することができる。さらに、通信距離が超近距離に制限されているので、通信相手の特定が容易であるとともに、通信を実行させる作業が明確になるので、意図しない通信の発生を低減させることができる。
【0053】
ICカードに対するリーダライタ機能とは、上述したリーダライタが有する機能のことであり、ICカードに記憶されている情報を読み出したり、ICカードに情報を書き込んだりする機能のことである。
【0054】
一般的に、ICカードはリーダライタとのみ通信を行うことができ、ICカード同士で通信を行うことができない。つまり、この超近距離無線通信においては、少なくとも一方がリーダライタ機能を有する必要がある。携帯電話機101は、ICカード機能とリーダライタ機能の両方を有している。つまり、携帯電話機101は、ICカード機能により保持している情報を、他のリーダライタ、若しくは、リーダライタ機能を有する他のデバイスに供給することができる。また、携帯電話機101は、リーダライタ機能を用いて、他のICカード、若しくは、ICカード機能を有する他のデバイスより情報を読み出すことができる。
【0055】
ブルートゥース通信機能とは、近距離無線通信技術の1つであるブルートゥース通信を行う機能のことである。なお、ここで近距離とは、約10m以下程度の距離のことを示している。つまり、ブルートゥース通信は、ICカード機能(リーダライタ機能)による超近距離無線通信よりも通信距離が長い。従って、ICカード機能による通信の場合よりも、携帯電話機101の位置および姿勢の自由度は向上する。また、一般的に、ブルートゥース通信は、ICカード機能による通信に比べて通信速度が速く、大容量のデータを短時間で授受することができる。
【0056】
携帯電話機101は、ICカード機能とリーダライタ機能による超近距離無線通信により、他の装置とプレイリストの交換(授受)を行う。また、携帯電話機101は、ブルートゥース通信機能により、他の装置と、互いが有する音楽データの共有(ストリーミングデータの授受)を行う。
【0057】
例えば、携帯電話機101は、携帯電話機101と同様の機能を有する携帯電話機102とプレイリストの交換、および、音楽データの共有を行うことができる。携帯電話機102には、上述した携帯電話機101の場合と同様の方法により取得されたプレイリストおよび音楽データが、携帯電話機102に属するデータとして記憶されている。携帯電話機101および携帯電話機102は、ICカード機能(およびリーダライタ機能)を用いた超近距離無線通信によりプレイリストを交換し、ブルートゥース通信により、音楽データの共有を行うことができる。
【0058】
また、例えば、携帯電話機101は、携帯電話機101が有するICカード機能に対応するリーダライタ111と、ブルートゥース通信機能を有するブルートゥース通信部112(以下、BT通信部112と称する)を有するパーソナルコンピュータ103(以下、PC103と称する)とプレイリストの交換、および、音楽データの共有を行うことができる。携帯電話機101は、リーダライタ111を介して、PC103とプレイリストを交換することができる。また、携帯電話機101は、BT通信部112を介してストリーミングデータの送受信を行うことにより、PC103と音楽データを共有することができる。
【0059】
さらに、例えば、携帯電話機101は、カーオーディオ等のオーディオデバイス105にプレイリストを供給することができ、携帯電話機101が記憶している音楽データのストリーミングデータを、出力性能の高いオーディオデバイス105に供給して音声出力させることができる。
【0060】
図示は省略するが、オーディオデバイス105は、携帯電話機101が有するICカード機能に対応するリーダライタ機能、およびブルートゥース通信機能を有する。携帯電話機101は、ICカード機能を用いて超近距離無線通信によりプレイリストをオーディオデバイス105に供給する。ユーザがオーディオデバイス105を操作して、GUI画像として表示されるプレイリストから、携帯電話機101が記憶する音楽データを選択すると、ブルートゥース通信機能によってその音楽データのストリーミングデータが携帯電話機101からオーディオデバイス105に供給される。このようにして、携帯電話機101が記憶する音楽データを再生する際に、高性能なオーディオデバイス105より音声を高品質に出力させることができる。
【0061】
以上においては、プレイリストの交換を、ICカード機能やリーダライタ機能を用いた超近距離無線通信により行い、音楽データのストリーミングデータの授受を、ブルートゥース通信機能を用いた近距離無線通信により行うように説明したが、プレイリストの交換や音楽データのストリーミングデータの授受は、どのような通信機能を用いて行うようにしてもよい。例えば、携帯電話機101が、有線接続された他のデバイスに対して、有線通信によりプレイリストを交換し、音楽データのストリーミングデータを授受するようにしてもよい。つまり、携帯電話機101は、有線接続されるPC104とプレイリストを交換し、音楽データのストリーミングデータを授受することができる。
【0062】
以上のように機器間(ユーザ間)で音楽データを共有することにより、プレイリストや音楽データ等の情報資産をより有効に活用することができる。
【0063】
例えば、プレイリストは、基本的にユーザが収集した楽曲の情報であるので、そのユーザの嗜好情報でもある。従って、プレイリストの交換は、単に楽曲の情報を交換するだけでなく、互いの嗜好情報を交換することにもなる。つまり、例えば名刺交換のように、相手に自分の情報を与えたり、相手の情報を知ったりすることができるので、プレイリストの交換作業はユーザ同士のコミュニケーション手段となり得る。
【0064】
そして、プレイリストの交換を成立させるためには、ユーザ同士の信頼関係が重要になる。つまり、プレイリストを交換することにより、互いの信頼関係を確認することができる。また、換言すれば、プレイリストの交換作業によって互いの信頼関係を確認することにより、ユーザ同士の信頼関係をさらに強化させることもできる。
【0065】
また、プレイリストがユーザの嗜好を示すものであるので、プレイリストを交換することにより、自分自身の嗜好には当てはまらない楽曲も共有することができる。つまり、あるユーザがそのユーザの嗜好に基づいて楽曲を収集する場合、楽曲のジャンル等に偏りが生じる場合がある。また、個人の情報収集能力には限界があるため、仮に嗜好と一致する楽曲であっても必ずしも入手することができるとは限らない。音楽データの共有により、このような偏りや不足を低減させることができる。さらに、音楽データの共有は、単にデータを共有するということだけでなく、ユーザに対して新たな楽曲を紹介し、入手(購入)意欲を向上させることができる。
【0066】
さらに、音楽データの共有により、音声出力する装置を容易に変更可能となり、音楽データの再生作業が多様化し、利便性とともに娯楽性も向上する。例えば、友人同士などの複数のユーザが各自の携帯電話機に記憶されている音楽データのプレイリストを1台のオーディオデバイスなどに供給して登録することにより、そのオーディオデバイスより各携帯電話機に記憶されている音楽データの音声出力を行うことができる。つまり、単に音楽データを共有可能な任意の機器から音声を出力させることができるというだけでなく、複数のユーザで楽曲を持ち寄って皆で聴取して楽しむなどといったことを容易に行うことができる。
【0067】
次に、以上のようなネットワークシステム100の端末装置として機能する携帯電話機101について説明する。図2は、携帯電話機101の内部の構成例を説明するブロック図である。
【0068】
図2において、携帯電話機101のCPU(Central Processing Unit)201は、ソフトウェアプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する演算処理部である。CPU201は、バス204を介してROM(Read Only Memory)202およびRAM(Random Access Memory)203と相互に接続されている。ROM202には予めソフトウェアプログラムやデータが格納されている。RAM203には、ROM202や記憶部213に格納されているソフトウェアプログラムやデータがロードされる。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0069】
CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インタフェース210も接続されている。
【0070】
入出力インタフェース210には、キーボード、マウスなどよりなる入力部211、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部212、ハードディスクなどより構成される記憶部213が接続されている。さらに、入出力インタフェース210には、モデムなどより構成され、公衆電話回線網を介して他の装置と音声通信、または、パケット通信を行う電話回線網通信部214が接続されている。
【0071】
この電話回線網通信部214の他に、入出力インタフェース210には、被写体を撮影し、その画像データを得るデジタルカメラ機能を有するカメラ部215、および、USB等の所定の規格の有線ケーブルにより接続された相手と有線通信を行う有線通信部216が接続される。また、入出力インタフェース210には、ブルートゥース通信機能を有するブルートゥース通信部217、並びに、ICカード機能およびリーダライタ機能を有するICカード部218も接続される。
【0072】
ブルートゥース通信部217は、ROM202、RAM203、または記憶部213より読み出されたデータを、入出力インタフェース210を介して取得し、そのデータを、ブルートゥース通信の通信相手に供給することができるとともに、通信相手より取得したデータを、入出力インタフェース210を介してRAM203または記憶部213等に供給して保持させることもできる。
【0073】
ICカード部218は、ICカード機能だけでなくリーダライタ機能も有しており、リーダライタ若しくはリーダライタ機能を有する装置だけでなく、ICカード若しくはICカード機能を有する装置とも超近距離無線通信を行うことができる。ICカード部218は、内部に半導体メモリ等による記憶部を有しており、データを保持することができ、超近距離無線通信によりその情報を通信相手に供給することができる。また、ICカード部218は、ROM202、RAM203、または記憶部213より読み出されたデータを、入出力インタフェース210を介して取得し、そのデータを通信相手に供給することもできる。さらに、ICカード部218は、通信相手より取得したデータを、入出力インタフェース210を介してRAM203または記憶部213等に供給して保持させることもできる。
【0074】
電話回線網通信部214、カメラ部215、有線通信部216、ブルートゥース通信部217、およびICカード部218は、プレイリスト、音楽データ、デバイス情報、およびユーザ情報等を授受する通信部231とすることもできる。これらのデータの授受を行う方法(通信方法)は任意であり、上述した以外の方法を用いて行うようにしてもよい。つまり、通信部231は、電話回線網通信部214乃至ICカード部218以外の構成を含むようしてもよいし、何らかの方法で通信可能であれば、電話回線網通信部214乃至ICカード部218の一部または全部の構成を省略してもよい。
【0075】
入出力インタフェース210にはまた、必要に応じてドライブ219が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア221が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部213にインストールされる。
【0076】
次に、このような携帯電話機101によるプレイリストの交換および音楽データの共有について説明する。まず、携帯電話機101と携帯電話機102のように、互いに同様の構成を有し、同様の機能を有する2つの携帯電話機間で音楽データを共有する場合について、図3を参照して説明する。
【0077】
上述したように、プレイリストの交換はICカード機能とリーダライタ機能による超近距離無線通信を用いて行う。以下においては、リーダライタ機能を用いて接続する側、つまり、プレイリストの交換を要求する側の携帯電話機を携帯電話機Aと称し、ICカード機能を用いて接続される側、つまり、プレイリストの交換要求に対して応じる側の携帯電話機を携帯電話機Bと称して説明する。
【0078】
図3Aに示されるように、携帯電話機Aは、予め、自分自身に属するプレイリストAと、そのプレイリストAに対応する楽曲の音楽データAを記憶している。同様に、携帯電話機Bは、予め、自分自身に属するプレイリストBと、そのプレイリストBに対応する楽曲の音楽データBを記憶している。
【0079】
プレイリストの交換を要求する側の携帯電話機Aは、ポーリングモードに設定されて、図3Bに示されるように、携帯電話機Bに近接される。携帯電話機Aと携帯電話機Bが通信可能範囲内まで近接され、接続が確立されると、プレイリストの交換が行われる。つまり、携帯電話機Aは、プレイリストAを携帯電話機Bに供給すると共に、携帯電話機BよりプレイリストBを取得し、そのプレイリストBを携帯電話機Bに対応付けて記憶して管理する。この結果、携帯電話機Aは、最初から保持しているプレイリストAと、今回取得したプレイリストBと、プレイリストAに対応する音楽データAを保持する。
【0080】
逆に、携帯電話機Bは、プレイリストBを携帯電話機Aに供給すると共に、携帯電話機AよりプレイリストAを取得し、そのプレイリストAを携帯電話機Aに対応付けて記憶して管理する。この結果、携帯電話機Bは、最初から保持しているプレイリストBと、今回取得したプレイリストAと、プレイリストBに対応する音楽データBを保持する。
【0081】
このように、ユーザ個人の特徴を示す情報でもあるプレイリストを交換する際は、意図しない交換を避けるため、上述した超近距離無線通信のように、通信を行う機器同士を十分に近接させるなど、通信相手が明示できるような通信方法が望ましい。
【0082】
なお、一般的に、超近距離無線通信に利用されるICカード部218のアンテナは、携帯電話機の筺体内部に設けられ、外面に露出することはない。従って、各機器のICカード部218が接触することはないので、プレイリストの交換の際に、機器同士を接触させてもよい(近接させるのと同様である)。
【0083】
この状態において、ユーザがプレイリストBから再生する楽曲を選択すると、携帯電話機Aは、図3Cに示されるように、ブルートゥース通信を利用して、選択された楽曲(音楽データ)の再生要求を携帯電話機Bに対して行う。携帯電話機Bは、その要求に応じて音楽データBをストリーミング再生し、ストリーミングデータを、ブルートゥース通信を利用して携帯電話機Aに供給する。携帯電話機Aは、そのストリーミングデータを再生してスピーカより音声を出力する。もちろん、これとは逆に、携帯電話機Bが携帯電話機Aに対して音楽データAの再生要求を行うこともできる。つまり、携帯電話機Aと携帯電話機Bは、プレイリストを交換したことにより、互いが有する音楽データ(音楽データAおよび音楽データB)を共有することができる。
【0084】
ただし、音楽データを共有するためには、携帯電話機Aおよび携帯電話機Bが、互いにブルートゥース通信の通信可能範囲内に位置する必要がある。
【0085】
携帯電話機Aや携帯電話機Bにおいて、プレイリストは、GUIとして画面に表示される。ユーザは、そのGUIを操作して、表示されたプレイリストの中から再生する楽曲(音楽データ)を選択する。楽曲が選択されると、その携帯電話機101は、そのプレイリストに対応する楽曲(音楽データ)が何処に存在するかを特定し、自分自身が有するのであれば、それを再生し、音声を出力する。ユーザに選択された音楽データが他の装置に存在するのであれば、その装置に対してストリーミング再生を要求する。このとき、他の装置が通信可能範囲内に存在しない場合、その楽曲を再生することができない。そこで、携帯電話機101は、プレイリストをGUI表示する際に、通信可能範囲内の他の装置を検出し、検出されない装置が有するプレイリストはユーザが選択することができないように設定するのが望ましい。
【0086】
図4は、携帯電話機101が、このようなプレイリストの交換、および、音楽データの共有を実現するために有する機能ブロックの構成例を示す図である。
【0087】
図4に示されるように、携帯電話機101は、携帯電話機101全体を制御するデバイス制御部301を有する。このデバイス制御部301は、図2のCPU201、ROM202、RAM203、およびバス204等により実現される機能ブロックであり、プレイリスト交換A制御部311、プレイリスト交換B制御部312、表示制御部313、送信側再生処理制御部314、および受信側再生処理制御部315を有する。
【0088】
プレイリスト交換A制御部311は、プレイリストの交換を要求する側、すなわち、図3の例において携帯電話機Aのプレイリスト交換に関する処理を制御する制御部である。プレイリスト交換B制御部312は、プレイリストの交換要求を受ける側、すなわち、図3の例において携帯電話機Bのプレイリスト交換に関する処理を制御する制御部である。表示制御部313は、例えばプレイリスト等の表示を制御する制御部である。送信側再生処理制御部314は、他の装置からの要求に基づいて音楽データをストリーミング再生する送信側再生処理を制御する制御部である。受信側再生処理制御部315は、他の装置より送信されたストリーミングデータを受信して再生し、音声を出力する受信側再生処理を制御する制御部である。
【0089】
また、携帯電話機101は、携帯電話機101の記憶領域として、デバイスメモリ302を有する。デバイスメモリ302は、図2のRAM203や記憶部213により実現される機能ブロックである。このデバイスメモリ302には、ICカード機能とは別の記憶領域として構成され、ICカード部218のメモリ容量に比べて大容量の記憶領域を有する。デバイスメモリ302は、プレイリストや音楽データ等の大容量のデータを記憶する。
【0090】
また、携帯電話機101は、ICカード部218として、ICカード制御部321、ICカードメモリ322、およびアンテナ部323を有する。ICカード制御部321は、ICカード機能を実現するための制御処理を行う。ICカードメモリ322は、ICカード機能のデータ保持機能を実現する記憶領域である。アンテナ部323は、ICカード機能による超近距離無線通信において信号を送受信するアンテナであり、ICカード制御部321より供給される情報を送信したり、超近距離無線通信を介して外部より供給される情報を受信し、それをICカード制御部321に供給したりする。
【0091】
さらに、携帯電話機101は、ブルートゥース通信部217として、ブルートゥース制御部331およびアンテナ部332を有する。ブルートゥース制御部331は、ブルートゥース通信に関する制御処理を行う。アンテナ部332は、そのブルートゥース通信において信号を送受信するアンテナである。
【0092】
また、携帯電話機101は、送信側プレーヤ341および受信側プレーヤ342を有する。送信側プレーヤ341は、音楽データをストリーミング再生し、ストリーミングデータを出力する。受信側プレーヤ342は、ストリーミングデータを再生し、音声信号を出力する。
【0093】
デバイス制御部301は、入力部211を介して入力されるユーザ指示に基づいて、各種処理を実行する。デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ICカード制御部321を制御して、超近距離無線通信を実行させ、プレイリスト交換に関する携帯電話機Aとしての処理を実行させる。また、プレイリスト交換A制御部311は、デバイスメモリ302に記憶されているデータを読み出してICカード制御部321に供給し、そのデータを超近距離無線通信により送信させたり、ICカード制御部321が超近距離無線通信により受信したデータを取得し、それをデバイスメモリ302に記憶させたりする。
【0094】
プレイリスト交換B制御部312は、ICカード制御部321を制御して、超近距離無線通信を実行させ、プレイリスト交換に関する携帯電話機Bとしての処理を実行させる。また、プレイリスト交換B制御部312は、デバイスメモリ302に記憶されているデータを読み出してICカード制御部321に供給し、そのデータを超近距離無線通信により送信させたり、ICカード制御部321が超近距離無線通信により受信したデータを取得し、それをデバイスメモリ302に記憶させたりする。
【0095】
表示制御部313は、出力部212に含まれるモニタによる画像表示を制御する。例えば、表示制御部313は、デバイスメモリ302に記憶されているプレイリストを読み出して出力部212に供給し、そのプレイリストの画像をGUIとしてモニタに表示させる。また、表示制御部313は、入力部211を制御し、モニタの表示に対して入力されるユーザ指示を受け付ける。
【0096】
送信側再生処理制御部314は、ブルートゥース制御部331を介して受信された再生要求に基づいて、要求された音楽データ(楽曲)をデバイスメモリ302より読み出して送信側プレーヤ341にストリーミングデータを生成させる。送信側再生処理制御部314は、そのストリーミングデータを、ブルートゥース制御部331に供給し、要求元に送信させる。
【0097】
プレイリストよりユーザが他のデバイスに属する楽曲を選択すると、受信側再生処理制御部315は、ブルートゥース制御部331を制御して再生要求を送信させる。ブルートゥース通信部217が、その再生要求に応じて送信されたストリーミングデータを受信すると、受信側再生処理制御部315は、ブルートゥース制御部331よりそのストリーミングデータを取得し、受信側プレーヤ342に再生させ、出力部212のスピーカより音声を出力させる。
【0098】
次に、携帯電話機101が記憶するデータについて説明する。図5は、携帯電話機101が記憶するデータの構成例を示す模式図である。
【0099】
携帯電話機101は、各種データを、ICカードメモリ322とデバイスメモリ302の2つの領域に記憶する。デバイス制御部301は、ICカードメモリ322の共通領域に対しては、ICカード用ソフトウェア351を介してアクセスし、データの読み出しや書き込みを行う。また、デバイス制御部301は、デバイスメモリ302に対しては、デバイスAPI(Application Program Interface)352を介してアクセスし、データの読み出しや書き込みを行う。ICカード用ソフトウェア351やデバイスAPI352は、それぞれ、ICカードメモリ322やデバイスメモリ302のインタフェースとして機能する。このようなICカード用ソフトウェア351やデバイスAPI352を利用して、ICカードメモリ322やデバイスメモリ302へのアクセスを行うようにすることにより、デバイス制御部301の開発が容易になる。
【0100】
ICカードメモリ322は、小容量のデータしか記憶することができない。ICカードメモリ322の共通領域には、例えば、ICカード製造情報361、デバイス設定情報362、およびログ情報363が記憶される。ICカード製造情報361は、ICカード制御部321に対して製造時に割り当てられた、ICカード制御部321を識別する識別情報である。携帯電話機101が有するICカード機能(ICカード部218)が1つである場合、ICカード製造情報361は、携帯電話機101を識別する情報としても利用可能である。
【0101】
デバイス設定情報362は、ICカード部218が設けられたデバイスとしての携帯電話機101に関する情報である。デバイス設定情報362には、例えば、携帯電話機101が有する機能や性能等、携帯電話機101に関する情報である機器情報371や、携帯電話機101のユーザに関する基本的な情報であるユーザ情報372が含まれる。
【0102】
ログ情報363は、通信処理や再生処理の履歴情報である。ログ情報363には、例えば、ICカード部218による超近距離無線通信の履歴情報であるハイタッチログ373や、前回の再生処理に関する情報である直近再生ログ374が含まれる。
【0103】
デバイスメモリ302は、ICカードメモリ322に比べて大容量のデータを記憶することができる。デバイスメモリ302には、例えば、ユーザ付加情報381、プレイリスト情報382、およびユーザリスト383等が記憶される。
【0104】
ユーザ付加情報381は、携帯電話機101のユーザに関する、さらに詳細な情報である。ユーザ付加情報381には、情報公開の範囲を段階的に設定することができるようにレベル分けされたユーザ情報A391とユーザ情報B392が含まれる。
【0105】
プレイリスト情報382は、上述したように音楽データに関する情報である。プレイリスト情報382には、このプレイリストに対応する音楽データが記憶されているデバイスを特定する識別情報であるデバイスID393と、音楽データの識別情報である品番のリストである品番リスト394が含まれる。この品番リスト394に含まれる品番は、少なくとも、音楽データを記憶するデバイス内において音楽データを識別可能な情報である。
【0106】
ユーザリスト383は、プレイリストを交換したユーザのユーザ情報のリストである。従って、ユーザリスト383は、ユーザ毎の、ユーザID395、アイコン番号(アイコンNo)396、ハンドル名397、および挨拶文398等の情報を含む。
【0107】
また、デバイスメモリ302は、プレイリスト情報382の品番リスト394に含まれる各品番(各楽曲)について、その楽曲に関する情報である楽曲情報401も記憶する。楽曲情報401には、例えば、楽曲を識別する品番411、楽曲のタイトル412、および楽曲が属するパッケージID413が含まれる。品番411は、品番リスト394に含まれる品番と同一である。つまり、品番リスト394の各品番と楽曲情報401は、この品番411により対応付けられている。なお、品番リスト394と楽曲情報401との対応関係を示すことができるのであれば、品番411と、品番リスト394に含まれる品番とが互いに同一でなくても良い。パッケージID413は、1つまたは複数の楽曲よりなる、作品としての単位であるパッケージを識別する情報である。例えば、楽曲は、複数の楽曲をまとめて販売されたり授受されたりする。その際の管理の単位として、その複数の楽曲をまとめたものをパッケージとして1単位とする。
【0108】
また、デバイスメモリ302は、楽曲情報401のパッケージID413について、そのパッケージに関する情報であるパッケージ情報421も記憶する。パッケージ情報421には、例えば、パッケージ品番431、パッケージ名称432、パッケージカナ名称433、およびジャケットURL434が含まれる。パッケージ品番431は、パッケージID413と同一であり、パッケージ情報421と楽曲情報401とを関連付ける情報である。なお、そのパッケージ情報421が対応するパッケージのパッケージID413との対応関係示されるのであれば、パッケージ品番431は、パッケージID413と同一でなくてもよい。
【0109】
パッケージ名称432およびパッケージカナ名称433は、ユーザによるパッケージの識別を容易にするための、パッケージに割り当てられた名称に関する情報である。ジャケットURL434は、そのパッケージに割り当てられた画像(ジャケット)のデータ提供元を示す情報である。なお、URL434は、ジャケットのデータの提供元を示す情報であれば何でも良く、URL以外の情報であってもよい。
【0110】
図6乃至図10を参照して、各データについてさらに詳細に説明する。図6は、デバイス設定情報362に含まれるデータの例を示す図である。
【0111】
図6の例において、機器情報371は、例えば、最大192バイトの情報よりなる。機器情報371は、識別情報や機能に関する情報等、端末機器としての情報(携帯電話機101に関する情報)であればどのようなものであってもよい。ユーザ情報372は、携帯電話機101のユーザに関する情報であり、例えば、情報公開レベル、公開アイコン、ハンドル名、および、ご挨拶文等の情報が含まれる。情報公開レベルは、ユーザや携帯電話機101に関する情報を他のユーザ(デバイス)に対してどこまで公開するかを設定する情報である。例えば、プレイリストを交換するか否かを指定したり、機器情報371やユーザ情報372等をどの情報まで公開するかを指定したりする。この情報公開レベルは、例えば、GUIを介して入力されたユーザ指示等に基づいて設定される。
【0112】
公開アイコンは、ユーザを示す画像(アイコン)を設定する情報である。このアイコンは、予め用意された画像の中から選択的に決定されるようにしてもよいし、ユーザ等により作成された画像を用いるようにしてもよい。この公開アイコンにより指定される画像がユーザを示すアイコンとして公開される(プレイリストの交換の際に他のデバイスに提供される)。ハンドル名は、ユーザを示す名称であり、ユーザ自身が任意に設定することができる。ご挨拶文は、例えば自己紹介等を行うためのメッセージ文であり、ユーザ自身が任意に設定可能である。
【0113】
もちろん、デバイス設定情報362に、上述した以外の情報が含まれていてもよい。
【0114】
図7は、ユーザ付加情報381に含まれるデータの例を示す図である。図7の例において、ユーザ付加情報381のユーザ情報A391は、ユーザ付加情報381のうち、ユーザ情報B392の公開対象となる他のユーザよりも多くの他のユーザに対して公開する情報、若しくは任意の他のユーザに対して公開する情報であり、例えば、ユーザの性別、血液型、誕生日、および星座等、ユーザ個人を直接的に特定しにくい情報(比較的一般性の高い情報)が含まれる。また、ユーザ情報B392は、ユーザ付加情報381のうち、一部の他のユーザに対してのみ公開可能とする情報、若しくは、他のユーザに対して非公開とする情報であり、例えば、ユーザの氏名、カナシメイ、電話番号、メールアドレス、電話番号、URL、およびRSS(Rich Site Summary)等、ユーザ個人を直接的に特定可能な情報(比較的個人性の高い情報)が含まれる。
【0115】
図8は、プレイリスト情報382に含まれるデータの例を示す図である。図8に示されるように、デバイスID393は、例えば、デバイスに割り当てられた機器IDの8バイトをASCII変換した16桁の英数字により構成される。品番リスト394は、例えば、楽曲毎の品番により構成される。
【0116】
図9は、楽曲情報401に含まれるデータの例を示す図である。図9に示されるように、楽曲情報401には、品番411、楽曲タイトル412、およびパッケージID413以外にも、例えば、楽曲タイトルをカタカナ表記したカナタイトル、楽曲の演奏者(プレイヤ)の名称を示すアーティスト名、アーティスト名をカタカナ表記したアーティストカナ名、楽曲の種類(ジャンル)を示すジャンル名、楽曲の再生時間を示す楽曲時間、音楽データの購入先のURLを示す音源購入先URL、楽曲の詳細な説明が提示されるRSS等のURLを示す拡張URL、並びに、これまでに再生された回数を示す再生回数等の情報が含まれるようにしてもよい。もちろん、これら以外の情報が楽曲情報401に含まれるようにしてもよい。
【0117】
図10は、パッケージ情報421に含まれるデータの例を示す図である。図10に示されるように、パッケージ情報421には、パッケージID431、パッケージ名称432、パッケージカナ名称433、およびジャケットURL434の他に、パッケージの販売開始日等の情報が含まれるようにしてもよい。もちろん、これら以外の情報がパッケージ情報421に含まれるようにしてもよい。
【0118】
次に、以上のような構成の携帯電話機101によるプレイリストの交換や音楽データの共有に関する処理の流れを説明する。最初に、プレイリストの交換の概要について図11のフローチャートを参照して説明する。図11は、図3の例のように携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で行うプレイリストの交換の概要を説明するためのフローチャートである。
【0119】
ユーザがプレイリストの交換を指示する操作を行うと、携帯電話機Aは、ステップS101において、ICカード部218の動作モードをポーリングモードにし、ICカード部218が行う超近距離無線通信によりポーリング信号を出力させ、通信可能範囲に存在する他のICカードの捕捉を行う。それと同時に、携帯電話機Aは、図12に示される「相手携帯にタッチしてください」のような、自分自身(携帯電話機A)を、プレイリストの交換相手となる携帯電話機Bに対して近接させるようにユーザに促すメッセージをモニタに表示させる。
【0120】
携帯電話機Aが携帯電話機Bに十分に近接され、ステップS121においてそのポーリング信号を受信すると、携帯電話機Bは、ステップS122において、そのポーリング信号の応答として、携帯電話機BのICカード部218(若しくは、ICカード機能を有する携帯電話機B自身)を識別するICカード製造情報451を、ICカード部218が行う超近距離無線通信により携帯電話機Aに送信する。
【0121】
このICカード製造情報451は、ICカードメモリ322に記憶されている。つまり、ICカード製造情報451は、図5のICカード製造情報361と等価である。
【0122】
携帯電話機Aは、ステップS102においてその応答、すなわち、携帯電話機BのICカード製造情報451を受信する。ICカード製造情報451を受信すると、携帯電話機Aは、ステップS103において、そのICカード製造情報451の供給元、すなわち、携帯電話機Bに対して基本設定情報読み出し要求をICカード部218が行う超近距離無線通信により送信する。携帯電話機Bは、ステップS123においてその要求を受信すると、ステップS124において、その要求の応答として、携帯電話機Bの基本設定情報452を、ICカード部218が行う超近距離無線通信により携帯電話機Aに送信する。
【0123】
基本設定情報452は、ICカードメモリ322に記憶されている、超近距離無線通信の、アドホックと呼ばれる接続方式による通信(以下、アドホック通信と称する)、および、プレイリストの交換に必要な基本的な設定情報である。つまり、基本設定情報452は、図5のデバイス設定情報362と等価であり、図6に示されるように機器情報371やユーザ情報372等を含む。
【0124】
携帯電話機Aは、ステップS104においてその応答、すなわち、携帯電話機Bの基本設定情報452を受信する。基本設定情報452を受信すると、携帯電話機Aは、ステップS105において、携帯電話機Bに対してアドホック通信の開始を要求する。携帯電話機Bが、ステップS125においてその要求を受信し、接続を認めると、アドホック通信が確立され、データの送受信が開始される。携帯電話機AはステップS106において、携帯電話機BはステップS126において、互いにデータの授受を行う。
【0125】
例えば、携帯電話機Aは、携帯電話機AのICカード製造情報451や基本設定情報452よりなる携帯電話機A情報453を携帯電話機Bに送信する。また、携帯電話機Aおよび携帯電話機Bは、例えば、互いの拡張設定情報454やプレイリスト情報455を交換する。拡張設定情報454は、デバイスメモリ302に記憶されている、必要に応じて拡張される設定情報である。つまり、拡張設定情報454は、図5のユーザ付加情報381と等価である。また、プレイリスト情報455は、デバイスメモリ302に記憶されている、楽曲を指定するための情報である。つまり、プレイリスト情報455は、図5のプレイリスト情報382と等価である。
【0126】
このアドホック通信が行われている間、携帯電話機Aのモニタには、図13に示されるような、通信中であることを示す「プレイリスト交換中」のメッセージが表示される。そして、プレイリストの交換が終了すると、携帯電話機Aのモニタには、図14に示されるような、プレイリストの交換が終了したことを示す「プレイリスト交換終了」のメッセージが表示される。
【0127】
以上のようにプレイリストの交換が終了すると、携帯電話機Aは、ステップS107において、携帯電話機Bに対してアドホック通信終了を連絡し、携帯電話機Bは、ステップS127において、その連絡を受信する。このようにしてアドホック通信が終了される。
【0128】
なお、携帯電話機Bにおいては、ステップS125において、アドホック通信開始の要求を受信すると、プレイリストを交換したり、プレイリストに基づいて音楽データを再生したりするデバイス制御部301の機能を実現するアプリケーションが起動される。その起動中、携帯電話機Bのモニタには図15に示されるように、「アプリケーション起動中」のメッセージが表示される。そして、アプリケーションが起動されると、アドホック通信が開始され、データ送受信が開始される(ステップS126)。このとき、携帯電話機Bのモニタには、携帯電話機Aの場合と同様に、図13に示されるようなメッセージが表示される。また、プレイリスト交換が終了すると、携帯電話機Bのモニタには、携帯電話機Aの場合と同様に、図14に示されるようなメッセージが表示される。
【0129】
アドホック通信が終了されると、携帯電話機Aは、ステップS108において、アドホック通信のログ情報456を作成し、ICカードメモリ322に記憶させる。つまり、ログ情報456は、図5のハイタッチログ373と等価である。同様に、携帯電話機Bは、ステップS128において、アドホック通信のログ情報457を作成し、ICカードメモリ322に記憶させる。つまり、ログ情報457は、図5のハイタッチログ373と等価である。
【0130】
図16は、以上のようなプレイリストの交換における、携帯電話機Aが記憶する情報の遷移の様子の例を示す図である。
【0131】
図11のステップS101の処理が開始される前の初期状態においては、携帯電話機Aの記憶領域(ICカードメモリ322およびデバイスメモリ302の両方を含む)には、図16の一番左に示される記憶領域461のように、携帯電話機AのICカード製造情報451であるICカード製造情報451A、携帯電話機Aの基本設定情報452である基本設定情報452A、携帯電話機Aの拡張設定情報である拡張設定情報454A、および、携帯電話機Aが記憶する音楽データ(楽曲)のプレイリスト情報455であるプレイリスト情報455Aが記憶されている。
【0132】
ステップS102において、携帯電話機Aが、携帯電話機BよりICカード製造情報451を受信すると、携帯電話機Aの記憶領域には、図16の左から2番目に示される記憶領域462のように、携帯電話機BのICカード製造情報451であるICカード製造情報451Bが追加される。
【0133】
ステップS104において、携帯電話機Aが、携帯電話機Bより基本設定情報452を受信すると、携帯電話機Aの記憶領域には、図16の左から3番目に示される記憶領域463のように、さらに、携帯電話機Bの基本設定情報452である基本設定情報452Bが追加される。
【0134】
拡張設定情報454やプレイリスト情報455が交換され、さらにステップS108においてログ情報456が作成されると、携帯電話機Aの記憶領域には、図16の一番右に示される記憶領域464のように、さらに、携帯電話機Bの拡張設定情報454である拡張設定情報454B、携帯電話機Bが記憶する音楽データのプレイリスト情報455であるプレイリスト情報455B、並びに、ステップS108において作成したログ情報456が追加される。
【0135】
図17は、図16に対応する図であり、プレイリストの交換における、携帯電話機Bが記憶する情報の遷移の様子の例を示す図である。
【0136】
図11のステップS101の処理が開始される前の初期状態において、携帯電話機Bの記憶領域(ICカードメモリ322およびデバイスメモリ302の両方を含む)には、図17の左に示される記憶領域471のように、ICカード製造情報451B、基本設定情報452B、拡張設定情報454B、および、プレイリスト情報455Bが記憶されている。
【0137】
ステップS121乃至ステップS128の各処理が実行されて、プレイリスト等の情報が授受され、ログ情報457が作成されると、携帯電話機Bの記憶領域には、図17の右に示される記憶領域472のように、さらに、ICカード製造情報451A、基本設定情報452A、拡張設定情報454A、プレイリスト情報455A、およびログ情報457が追加される。
【0138】
次に、図11を参照して説明したプレイリストの交換処理について、図18乃至図21のフローチャートを参照してより詳細な流れを説明する。
【0139】
図18および図19は、携帯電話機Aの、デバイス制御部301、デバイスメモリ302、およびICカード部218の各部の処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0140】
ユーザにプレイリストの交換が指示されると、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、図18のステップS211において、ICカード制御部321を制御して、ICカード部218を非接触ポーリングモードに設定する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS231においてその指示を取得すると、ステップS232においてアンテナ部323を制御してポーリング信号を出力させてポーリングを開始する。
【0141】
携帯電話機Aが携帯電話機Bに十分に近接されると、携帯電話機Bはそのポーリング信号に対して応答として製造情報を送信する。ICカード部218のICカード制御部321は、アンテナ部323を制御して、ステップS233においてその製造情報を受信すると、ステップS234において、その受信した製造情報に含まれる、携帯電話機Bを識別する機器IDをデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。
【0142】
デバイスメモリ302は、ステップS201において、その機器IDを取得すると、ステップS202において、取得した機器IDを携帯電話機BのユーザのユーザIDとして登録する。
【0143】
次に、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS212において、ICカード制御部321を制御し、携帯電話機Bの基本設定情報452Bを要求する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS235においてその要求を取得すると、ステップS236において、アンテナ部323を介して基本設定情報452Bを要求する基本設定情報要求を送信する。携帯電話機Bは、その要求に応じて基本設定情報452Bを送信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS237において、携帯電話機Bより送信された基本設定情報452Bを、アンテナ部323を介して受信すると、ステップS238において、その受信した基本設定情報452Bを、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311に供給する。
【0144】
デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、その基本設定情報452BをステップS213において取得すると、ステップS214において、取得した基本設定情報452Bを分析し、その中から必要な情報を抽出してユーザIDに付加する付加情報を生成する。プレイリスト交換A制御部311は、ステップS215において、生成した付加情報をデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。デバイスメモリ302は、ステップS203において付加情報を取得すると、ステップS204において、ステップS202において登録したユーザIDに関連付けてその付加情報を記憶することにより、付加情報をユーザ毎に登録する。
【0145】
付加情報を記憶させるとデバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS216において、ICカード制御部321を制御し、携帯電話機Bとのアドホック通信の開始を要求する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS239においてその要求を取得すると、ステップS240において、アンテナ部323を介して携帯電話機Bにアドホック通信の接続を要求したり応答を受信したりする等の通信接続の処理を行い、携帯電話機Bとのアドホック通信を開始する。通信が開始されると、ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS241において、プレイリスト交換A制御部311に通信開始を通知する。
【0146】
デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS217においてその通知を取得すると、ステップS218において、ICカード制御部321を制御し、携帯電話機AのICカード製造情報451Aおよび基本設定情報452Aを送信させる。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS242においてその要求を取得すると、ステップS243において、ICカードメモリ322よりICカード製造情報451Aおよび基本設定情報452Aを読み出し、それらを、アンテナ部323を介して携帯電話機Bに送信する。
【0147】
また、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS219において、ICカード制御部321を制御し、携帯電話機Bの拡張設定情報454Bを要求する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS244においてその要求を取得すると、ステップS245において、拡張設定情報454Bを要求する拡張設定情報要求を、アンテナ部323を介して携帯電話機Bに送信する。携帯電話機Bは、その要求の応答として拡張設定情報454Bを携帯電話機Aに送信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS246において、その拡張設定情報454Bを受信し、ステップS247において、受信した拡張設定情報454Bをプレイリスト交換A制御部311に供給する。
【0148】
デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS220においてその拡張設定情報454Bを取得すると、ステップS221において、取得した拡張設定情報454Bを分析し、必要な情報を抽出し、ユーザIDに付加する付加情報を生成する。ステップS222においてプレイリスト交換A制御部311は、生成した付加情報をデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。デバイスメモリ302は、ステップS205においてその付加情報を取得すると、ステップS206において、ステップS202において登録したユーザIDに関連付けてその付加情報を記憶することにより、付加情報をユーザ毎に登録する。
【0149】
さらに、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、図19のステップS271において、デバイスメモリ302に記憶されている携帯電話機Aの拡張設定情報454Aを要求する。デバイスメモリ302は、ステップS261においてその要求を取得すると、ステップS262において記憶領域より拡張設定情報454Aを読み出し、プレイリスト交換A制御部311に供給する。デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS272においてその拡張設定情報454Aを取得すると、ステップS273において、取得した拡張設定情報454Aを、ICカード制御部321に供給し、携帯電話機Bに送信させる。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS291において拡張設定情報454Aを取得すると、ステップS292において、その拡張設定情報454Aを、アンテナ部323を介して携帯電話機Bに送信する。
【0150】
また、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS274において、デバイスメモリ302に記憶されている音楽データに対応するプレイリスト情報455Aをデバイスメモリ302に対して要求する。デバイスメモリ302は、ステップS263においてその要求を取得すると、ステップS264において記憶領域よりプレイリスト情報455Aを読み出し、プレイリスト交換A制御部311に供給する。デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS275においてそのプレイリスト情報455Aを取得すると、ステップS276において、取得したプレイリスト情報455Aを、ICカード制御部321に供給し、携帯電話機Bに送信させる。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS293においてプレイリスト情報455Aを取得すると、ステップS294において、そのプレイリスト情報455Aを、アンテナ部323を介して携帯電話機Bに送信する。
【0151】
また、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS277において、ICカード制御部321を制御し、携帯電話機Bのプレイリスト情報455Bを要求する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS295においてその要求を取得すると、ステップS296において、プレイリスト情報455Bを要求するプレイリスト要求を、アンテナ部323を介して携帯電話機Bに送信する。携帯電話機Bは、その要求の応答としてプレイリスト情報455Bを携帯電話機Aに送信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS297において、そのプレイリスト情報455Bを受信し、ステップS298において、受信したプレイリスト情報455Bをプレイリスト交換A制御部311に供給する。
【0152】
デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS278においてそのプレイリスト情報455Bを取得すると、ステップS279において、取得したプレイリスト情報455Bをデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。デバイスメモリ302は、ステップS265においてそのプレイリスト情報455Bを取得すると、ステップS266において、ステップS202において登録したユーザIDに関連付けてそのプレイリスト情報455Bを記憶することにより、プレイリスト情報455をユーザ毎に登録する。
【0153】
以上のようにしてプレイリストの交換が終了すると、デバイス制御部301のプレイリスト交換A制御部311は、ステップS280において、ICカード制御部321を制御し、アドホック通信を終了させる。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS299においてその要求を取得すると、ステップS300において、アンテナ部323を介して携帯電話機Bにアドホック通信の終了を要求したり応答を受信したりする等の通信終了処理を行う。通信が終了されると、ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS302において、アドホック通信のログ情報456を作成し、ステップS302において、そのログ情報456をICカードメモリ322に記憶させる。
【0154】
図20および図21は、携帯電話機Bの、デバイス制御部301、デバイスメモリ302、およびICカード部218の各部の処理の流れの例を示すフローチャートである。図20および図21は、上述した図18および図19に対応するフローチャートである。
【0155】
図18のステップS232の処理により、ポーリングモードの携帯電話機Aが近接されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図20のステップS311において、近接された携帯電話機Aより送信される検知信号(ポーリング信号)を、アンテナ部323を介して受信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS312において、ICカードメモリ322に記憶されているICカード製造情報451Bを読み出し、受信した検知信号に対する応答として、そのICカード製造情報451Bを、アンテナ部323を介して携帯電話機Aに送信する。このICカード製造情報451Bは、図18のステップS233の処理により携帯電話機Aに受信される。
【0156】
また、図18のステップS236の処理により、携帯電話機Aより基本設定情報要求が送信されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図20のステップS313において、その基本設定情報要求を受信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS314において、ICカードメモリ322に記憶されている基本設定情報452Bを読み出し、受信した要求に対する応答として、その基本設定情報452Bを、アンテナ部323を介して携帯電話機Aに送信する。この基本設定情報452Bは、図18のステップS237の処理により携帯電話機Aに受信される。
【0157】
図18のステップS240の処理により、携帯電話機Aよりアドホック通信の開始が要求されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図20のステップS315において、その要求に応じて、アドホック通信を開始する。そして、ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS316において、デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312を実現するアプリケーションを起動させる。デバイス制御部301は、ステップS331においてその起動要求を取得すると、ステップS332において、要求されたアプリケーションを起動し、プレイリスト交換B制御部312を実現する。
【0158】
図18のステップS243の処理により、携帯電話機AよりICカード製造情報451Aおよび基本設定情報452Aが送信されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図20のステップS317において、アンテナ部323を介してそれらを受信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS318において、受信したICカード製造情報451Aおよび基本設定情報452Aをプレイリスト交換B制御部312に供給する。デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS333において、そのICカード製造情報451Aおよび基本設定情報452Aを取得すると、ステップS334において、基本設定情報452Aを分析し、必要な情報を抽出して、ICカード製造情報451Aより抽出する機器IDに付加する付加情報を生成する。付加情報を生成すると、デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS335において、ICカード製造情報451Aより抽出した機器ID、および、生成した付加情報をデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。デバイスメモリ302は、ステップS341において、機器IDおよび付加情報を取得すると、ステップS342において、その機器IDを携帯電話機AのユーザのユーザIDとして登録する。さらにステップS343において、デバイスメモリ302は、ステップS342において登録したユーザIDに関連付けてその付加情報を記憶することにより、付加情報をユーザ毎に登録する。
【0159】
図18のステップS245の処理により、携帯電話機Aより拡張設定情報要求が送信されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図20のステップS319において、アンテナ部323を介してその拡張設定情報要求を受信し、ステップS320において、受信した拡張設定情報要求をプレイリスト交換B制御部312に供給する。
【0160】
ステップS336においてその要求を取得すると、デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS337において、デバイスメモリ302に記憶されている拡張設定情報454Bを要求する。デバイスメモリ302は、ステップS344においてその要求を取得すると、ステップS345において、記憶領域より拡張設定情報454Bを読み出し、それをプレイリスト交換B制御部312に供給する。デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS338において、その拡張設定情報454Bを取得すると、ステップS339においてそれをICカード制御部321に供給し、その拡張設定情報454Bを携帯電話機Aに対して送信させる。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS321において、拡張設定情報454Bを取得すると、ステップS322において、その拡張設定情報454Bを、アンテナ部323を介して携帯電話機Aに送信する。この拡張設定情報454Bは、図18のステップS246の処理により携帯電話機Aに受信される。
【0161】
図19のステップS292の処理により、携帯電話機Aより拡張設定情報454Aが送信されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図21のステップS351において、アンテナ部323を介してその拡張設定情報454Aを受信し、ステップS352において、受信した拡張設定情報454Aをプレイリスト交換B制御部312に供給する。
【0162】
ステップS371においてその拡張設定情報454Aを取得すると、デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS372において、その拡張設定情報454Aを分析し、必要な情報を抽出し、ユーザIDに付加する付加情報を生成する。ステップS373においてプレイリスト交換B制御部312は、生成した付加情報をデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。デバイスメモリ302は、ステップS381においてその付加情報を取得すると、ステップS382において、ステップS342において登録したユーザIDに関連付けてその付加情報を記憶することにより、付加情報をユーザ毎に登録する。
【0163】
図19のステップS294の処理により、携帯電話機Aよりプレイリスト情報455Aが送信されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図21のステップS353において、アンテナ部323を介してそのプレイリスト情報455Aを受信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS354において、受信したプレイリスト情報455Aをプレイリスト交換B制御部312に供給する。
【0164】
デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS374においてそのプレイリスト情報455Aを取得すると、ステップS375において、取得したプレイリスト情報455Aをデバイスメモリ302に供給し、記憶させる。デバイスメモリ302は、ステップS383においてそのプレイリスト情報455Aを取得すると、ステップS384において、ステップS342において登録したユーザIDに関連付けてそのプレイリスト情報455Aを記憶することにより、プレイリスト情報455Aをユーザ毎に登録する。
【0165】
図19のステップS296の処理により、携帯電話機Aよりプレイリスト要求が送信されると、ICカード部218のICカード制御部321は、図21のステップS355において、アンテナ部323を介してそのプレイリスト要求を受信する。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS356において、受信したプレイリスト要求をプレイリスト交換B制御部312に供給する。
【0166】
デバイス制御部301のプレイリスト交換B制御部312は、ステップS376においてそのプレイリスト要求を取得すると、ステップS377において、デバイスメモリ302に対してプレイリスト情報を要求す。デバイスメモリ302は、ステップS385においてその要求を取得すると、ステップS386において、記憶領域よりプレイリスト情報455Bを読み出し、プレイリスト交換B制御部312に供給する。プレイリスト交換B制御部312は、ステップS378においてそのプレイリスト情報455Bを取得すると、ステップS379において、取得したプレイリスト情報455Bを、ICカード制御部321に供給し、携帯電話機Aに送信させる。ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS357においてプレイリスト情報455Bを取得すると、ステップS358において、そのプレイリスト情報455Bを、アンテナ部323を介して携帯電話機Aに送信する。このプレイリスト情報455Bは、図19のステップS297の処理により携帯電話機Aに受信される。
【0167】
以上のようにしてプレイリストの交換が終了すると、ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS359において、図19のステップS300の処理に対応して、通信終了処理を行い、アドホック通信を終了する。通信が終了されると、ICカード部218のICカード制御部321は、ステップS360において、アドホック通信のログ情報457を作成し、ステップS361において、そのログ情報457をICカードメモリ322に記憶させる。
【0168】
以上のように、携帯電話機101は、携帯電話機101と同様の機能を有する他の携帯電話機である携帯電話機102と、プレイリストを容易に交換することができる。
【0169】
図22は、デバイスメモリ302に登録された情報の例を示す模式図である。
【0170】
プレイリストの交換相手より取得した情報は、図22に示されるようにXML形式で登録情報481に記述される。登録情報481は、プレイリストやユーザに関する情報をユーザ毎に管理するための情報である。図22に示されるように、登録情報481には、ユーザIDがタグとして記述され、そのユーザIDのユーザに関する情報よりなるユーザ属性、任意の内容の付加情報、そのユーザより取得したプレイリスト、そのユーザが使用する装置に関する情報である製造情報等の情報が、ユーザIDのタグに属するように記述される。
【0171】
上述したようにプレイリスト情報には、楽曲に対応する音楽データを記憶するデバイスの情報が含まれているので、デバイス制御部301は、例えば楽曲を指定されたときに音楽データの場所を特定することは容易に行うことができる。しかしながら、この情報のみでは、例えば、後述するようにプレイリストの表示制御などを行う際に、各プレイリストがどのユーザ(機器)に属するかを特定する場合、全楽曲のデータを確認する必要になるため、処理が煩雑になる恐れがある。
【0172】
図22に示されるように、デバイスメモリ302がプレイリスト情報をユーザ毎に管理することにより、デバイス制御部301は、どのプレイリストがどのユーザに属するかを容易に把握することができる。
【0173】
以上に説明したようにプレイリストを交換した携帯電話機同士は、ストリーミング再生により音楽データを共有することができる。次に、その音楽データの共有の概要について図23のフローチャートを参照して説明する。図23は、図3の例のように携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で行う音楽データの共有の概要を説明するためのフローチャートである。なお、ここでは、携帯電話機Bに音楽データが記憶されている楽曲をストリーミング再生し、携帯電話機Aより音声出力させる場合について説明する。
【0174】
例えば、ユーザにプレイリストを表示するように指示される等した携帯電話機Aは、ステップS401において、プレイリストの表示制御処理を行い、プレイリストをモニタに表示させる。プレイリスト表示制御処理の詳細については後述する。プレイリストがGUIとしてモニタに表示されると、ユーザは、そのプレイリストのGUIを操作して再生する楽曲の選択を行う。携帯電話機Aは、ステップS402において、そのユーザによる楽曲の選択を受け付ける。もちろん、再生する楽曲の選択はユーザ以外(例えば、何らかのソフトウェアプログラムや外部機器等)が行うようにしてもよい。
【0175】
楽曲が選択されると、携帯電話機Aは、ステップS403において、ブルートゥース通信の、選択された楽曲の音楽データを記憶する携帯電話機Bとのセッションを確立する。携帯電話機Bは、この携帯電話機Aの処理に対応して、ステップS411においてセッション確立に関する処理を行う。
【0176】
セッションが確立すると、携帯電話機Aは、ステップS404において、そのブルートゥース通信により、選択された楽曲の再生要求を携帯電話機Bに送信する。携帯電話機Bは、ステップS412においてその再生要求を受信すると、ステップS413において送信側プレーヤ341を起動する。また、再生要求を行った携帯電話機Aは、ステップS405において、受信側プレーヤ342を起動する。
【0177】
送信側プレーヤ341が起動されると、携帯電話機Bは、ステップS414において、要求された楽曲をストリーミング再生する再生送信処理を開始する。なお、このとき、携帯電話機Bは、携帯電話機Aにおいて受信側プレーヤ342が起動されたことを確認してから再生送信処理を開始するようにしてもよい。例えば、携帯電話機Aが受信側プレーヤ342の起動後、起動したことを示す所定の起動確認信号を携帯電話機Bに送信するようにし、携帯電話機Bは、その起動確認信号を受信後、ステップS414の再生送信処理を開始するようにしてもよい。
【0178】
再生送信処理を開始すると、携帯電話機Bは、ステップS415において、ブルートゥース通信によって、再生要求された楽曲のストリーミングデータを携帯電話機Aに送信する。携帯電話機Aは、ステップS406においてそのストリーミングデータを受信すると、ステップS407において、そのストリーミングデータを再生して音声を出力する受信出力処理を開始する。
【0179】
携帯電話機Aおよび携帯電話機Bは以上のように音楽データを共有する。そして、再生要求された楽曲のストリーミング再生が終了すると、携帯電話機Aおよび携帯電話機Bは、再生処理を終了する。
【0180】
なお、上述した例とは逆に、携帯電話機Aが音楽データを記憶する楽曲を携帯電話機Bより音声出力させる場合も、携帯電話機Aの処理と携帯電話機Bの処理が入れ替わるだけで、各装置において実行される処理は上述した場合と同様である。以上のように、プレイリストを交換することにより、携帯電話機Aおよび携帯電話機Bは、音楽データを容易に共有することができる。
【0181】
次に、図23のステップS401において実行されるプレイリスト表示制御処理の詳細な流れの例を、図24のフローチャートを参照して説明する。
【0182】
プレイリストの表示が指示されると、デバイス制御部301の表示制御部313は、ステップS431において、デバイスメモリ302に記憶されている全てのプレイリスト情報(図16の例の場合、プレイリスト情報455Aおよびプレイリスト情報455B)を読み出す。
【0183】
プレイリストを読み出した表示制御部313は、ステップS432において、プレイリストのGUI画像を生成し、それを出力部212に供給してモニタに表示させる。そして、表示制御部313は、ステップS433において、入力部211を制御し、モニタに表示させたGUI画面に基づいてユーザが入力する楽曲の選択を受け付ける楽曲選択受付を開始する。
【0184】
図25は、プレイリストの表示例を示す図である。図25において、モニタの表示領域501の一部または全部にプレイリスト表示領域510が設けられ、そのプレイリスト表示領域510にプレイリストが表示される。プレイリストは楽曲単位で選択することができるように、楽曲毎に情報がリストとして表示される。図25の例においては、楽曲511乃至楽曲516のように、6曲分の情報が表示されている。各楽曲の情報は、基本的に同様に構成される。
【0185】
図25の例の場合、楽曲511乃至楽曲516のそれぞれには、左側にその楽曲が属するパッケージに付加された画像(ジャケット画像)が表示され、中央に楽曲名および演奏者名が表示され、右側にその楽曲の音楽データを記憶するデバイス名が表示されている。楽曲511乃至楽曲516の各領域の左側に示される四角はジャケット画像の表示領域を示しており、中央に示される「あいうえお」や「かきくけこ」等のひらがなの文字列は、それぞれの楽曲名(楽曲タイトル)の例を示しており、その下の「アイウエオ」や「カキクケコ」等のカタカナの文字列は、演奏者名(アーティスト名)の例を示しており、右側の四角に囲まれた、A、B、またはC等のアルファベットは、それぞれの音楽データを記憶するデバイスのデバイス名の例を示している。例えば、楽曲511は、楽曲タイトルが「あいうえお」で、アーティスト名が「アイウエオ」で、音楽データが携帯電話機Aに記憶されている楽曲であることが示されている。
【0186】
なお、表示領域501内にプレイリストの全ての楽曲が表示されるようにしてもよいし、一部の楽曲が表示されるようにしてもよい。ページ切り替えボタンやスクロールバー等を設けてももちろんよい。
【0187】
図24において、表示制御部313は、ステップS434において、ブルートゥース制御部331を制御し、ブルートゥース通信機能を有するデバイスであるブルートゥースデバイスの問い合わせを行う。ブルートゥース制御部331は、アンテナ部332を介して、通信可能範囲内に存在する他のブルートゥースデバイスを検知するための検知信号を出力する。検知信号を受信した他のブルートゥースデバイスは、その検知信号に対する応答として、自分自身に関する情報を出力する。ブルートゥース制御部331は、その応答を受信した場合、その応答の内容に基づいて、通信可能な他のブルートゥースデバイスを特定し、その情報を問い合わせ結果として表示制御部313に供給する。
【0188】
表示制御部313は、ステップS435において、ブルートゥース制御部331より供給される問い合わせ結果に基づいて、プレイリストの画像の、通信不可能なデバイスに対応する楽曲の部分を、例えば灰色表示にする。つまり、GUI画像として表示されるプレイリストのうち、問い合わせ結果において通信可能なデバイスとして特定されていないデバイスから取得したプレイリストの部分は、灰色表示にされる。そして、表示制御部313は、ステップS436において、灰色表示の楽曲をユーザが選択できないように設定する。
【0189】
ステップS436の処理を終了すると、表示制御部313は、プレイリスト表示制御処理を終了し、処理を図23のステップS401に戻し、ステップS402以降に処理を進める。
【0190】
つまり、表示制御部313は、プレイリストをGUI画像としてモニタに表示させる。その際、表示制御部313は、現在ブルートゥース通信可能なデバイスから取得したプレイリストのみを選択することができるようにする。例えば、任意の楽曲を選択可能とすると、ブルートゥース通信不可能なデバイスに音楽データが記憶されている楽曲が選択されてしまう場合がある。この場合、楽曲の再生が不可能であるので、他の楽曲を再度選択させる必要が生じる。つまり、楽曲の選択作業が煩雑になる恐れがある。表示制御部313は、上述したように現在ブルートゥース通信可能なデバイスから取得したプレイリストのみを選択可能とすることにより、再生不可能な楽曲の選択を抑制し、楽曲の選択が容易になるようにすることができる。
【0191】
また、選択不可能な楽曲を灰色表示とすることにより、表示制御部313は、楽曲を選択するユーザが容易に選択不可能な楽曲(つまり、選択可能な楽曲)を特定することができるようにし、楽曲の選択がより容易になるようにすることができる。
【0192】
なお、以上においては選択不可能な楽曲を灰色表示するように説明したが、プレイリストの表示は、選択可能な楽曲と選択不可能な楽曲とを容易に識別することができるのであれば、各楽曲をどのように表示するようにしてもよい。例えば、選択不可能な楽曲を表示しないようにしてもよいし、選択可能な楽曲に比べて濃度を薄く表示するようにしてもよいし、選択可能な楽曲に比べて小さく表示するようにしてもよい。すなわち、選択不可能な楽曲は、その他の選択可能な楽曲と、その表示方法を変えて表示される。
【0193】
また、楽曲の選択方法は任意である。例えば、プレイリストに重畳してカーソルを表示するようにし、ユーザがそのカーソルを操作して目的の楽曲の部分に移動させ、カーソルが重畳された楽曲が選択されるようにしてもよい。この場合、例えば、選択不可能な楽曲の部分にはカーソルが移動できないようにしてもよいし、選択不可能な楽曲の部分にカーソルが移動された場合、選択が不可能であることを示すメッセージや絵柄等が表示されるようにしてもよいし、再生指示を入力できないようにしてもよい。つまり、選択不可能とする方法も任意である。
【0194】
次に、音楽データ共有のための処理の流れの詳細について説明する。最初に図26のフローチャートを参照して、図23の例において音楽データを提供する側のデバイスである携帯電話機Bにおいて実行される処理の詳細について説明する。
【0195】
携帯電話機Aにおいて楽曲が選択されると、携帯電話機Aから携帯電話機Bに対してブルートゥース通信の接続要求が送信される。携帯電話機Bのブルートゥース通信部(BT通信部)217のブルートゥース制御部331は、ステップS501において、その接続要求に対してアンテナ部332を介して携帯電話機Aと通信を行い、ブルートゥース通信のセッションを確立する。
【0196】
セッションが確立すると、ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS502において、携帯電話機Aより送信された再生要求を受信する。再生要求を受信すると、ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS503において、受信した再生要求を送信側再生処理制御部314に供給する。
【0197】
デバイス制御部301の送信側再生処理制御部314は、ステップS511においてその再生要求を取得すると、ステップS512において、送信側プレーヤ341を起動する。送信側プレーヤ341は、その指示に基づいてステップS521において起動する。送信側プレーヤ341が起動されると、デバイス制御部301の送信側再生処理制御部314は、ステップS513において、送信側プレーヤ341を制御し、再生要求において指定された楽曲を再生させる。
【0198】
送信側プレーヤ341は、ステップS522において、送信側再生処理制御部314からの再生指示を取得すると、ステップS523において、指定された楽曲をデバイスメモリ302に要求することにより、指定された楽曲の検索を行う。デバイスメモリ302は、ステップS531においてその要求を取得すると、ステップS532において指定された楽曲の音楽データを読み出し、読み出した音楽データを検索結果として送信側プレーヤ341に供給する。
【0199】
送信側プレーヤ341は、ステップS524において、デバイスメモリ302より供給された音楽データを取得すると、ステップS525においてその音楽データのストリーミング再生を開始し、ステップS526において再生されたストリーミングデータをブルートゥース制御部331に供給する。ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS504において、そのストリーミングデータを取得すると、ステップS505において、ストリーミングデータを、アンテナ部332を介して携帯電話機Aに送信する。
【0200】
次に、図27のフローチャートを参照して、図26の処理に対応する、楽曲の音声を出力する側の携帯電話機Aにおいて実行される処理の詳細について説明する。
【0201】
デバイス制御部301の受信側再生処理制御部315は、ステップS561においてプレイリストを表示し、ステップS562において曲選択指示を受け付ける。これらの処理はそれぞれ、図23のステップS401およびステップS402に対応する。
【0202】
楽曲が選択されると、デバイス制御部301の受信側再生処理制御部315は、ステップS563において、指定された楽曲の音楽データを記憶する携帯電話機Bとセッションを確立するために必要なセッション接続情報を、デバイスメモリ302に対して要求することにより、セッション接続情報の検索を行う。デバイスメモリ302は、ステップS541においてその要求を取得すると、ステップS542において要求されたセッション接続情報を記憶領域より読み出して受信側再生処理制御部315に供給する。デバイス制御部301の受信側再生処理制御部315は、ステップS564においてそのセッション接続情報を取得すると、ステップS565において、そのセッション接続情報をブルートゥース制御部331に供給し、ブルートゥース通信の設定を行わせる。ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS581において、デバイス制御部301からの設定要求を取得すると、ステップS582においてブルートゥース通信の設定を行う。
【0203】
デバイス制御部301の受信側再生処理制御部315は、ステップS566において、ブルートゥース制御部331を制御し、ブルートゥース通信による携帯電話機Bとの接続を要求する。ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS583において、その要求を取得すると、ステップS584において、アンテナ部332を介して携帯電話機Bと通信を行い、セッションを確立する。セッションが確立されると、ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS585において、その旨を受信側再生処理制御部315に通知する。
【0204】
デバイス制御部301の受信側再生処理制御部315は、ステップS567において、その通知を取得すると、ステップS568において、ブルートゥース制御部331を制御し、ステップS562において受け付けた楽曲選択指示により指定される楽曲の再生を要求する。ステップS586において、その再生要求を取得すると、ブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS587において、アンテナ部332を介して携帯電話機Bに、その再生要求を送信する。
【0205】
再生要求を行うと、デバイス制御部301の受信側再生処理制御部315は、ステップS569は、受信側プレーヤ342を起動する。受信側プレーヤ342は、ステップS551において、受信側再生処理制御部315の制御に基づいて起動する。
【0206】
また、再生要求に応じて携帯電話機Bがストリーミングデータを送信すると、携帯電話機Aのブルートゥース通信部217のブルートゥース制御部331は、ステップS588において、そのストリーミングデータを受信し、ステップS589において、受信したストリーミングデータを受信側プレーヤ342に供給する。
【0207】
受信側プレーヤ342は、ステップS552において、ストリーミングデータを取得すると、ステップS553において、取得したストリーミングデータを再生し、その音声信号を出力する音声出力処理を行う。
【0208】
以上のようにして、携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で、音楽データの共有が行われる。これにより、ユーザはプレイリストを用いて楽曲を指定するだけで、互いの携帯電話機に記憶されている音楽データを共有することができる。また、上述したように、機器同士を近接するだけでプレイリストの交換も行うことができるので、ユーザは、容易に音楽データを共有することができる。
【0209】
なお、以上においては、携帯電話機同士で音楽データを共有する場合について説明したが、図1を参照して説明したように、携帯電話機101が、同様の方法で、例えばPC103、PC104、およびオーディオデバイス105等と、携帯電話機以外の機器と音楽データを共有することができる。換言すれば、携帯電話機以外の機器が、他の機器と音楽データを共有することもできる。
【0210】
つまり、以上においては携帯電話機について説明したが、携帯電話機の代わりに、PDA、ノート型パーソナルコンピュータ、電子辞書、または携帯型音楽プレーヤ等、任意の情報処理装置も同様に音楽データを他の機器と共有することができる。例えば、図1のパーソナルコンピュータ103も、携帯電話機101と同様に音楽データを他の機器と共有することができる。
【0211】
図28は、パーソナルコンピュータ103等の構成例を示すブロック図である。
【0212】
図28に示されるように、パーソナルコンピュータ103は、基本的に携帯電話機101(図2)と同様の構成を有しており、CPU201に対応するCPU601、ROM202に対応するROM602、RAM203に対応するRAM603、バス204に対応するバス604を有する。さらに、パーソナルコンピュータ103は、入出力インタフェース210に対応する入出力インタフェース610、入力部211に対応する入力部611、出力部212に対応する出力部612、記憶部213に対応する記憶部613、有線通信部216に対応する通信部614、および、ドライブ219に対応するドライブ615を有する。
【0213】
また、パーソナルコンピュータ103は、ICカード部218に対応するリーダライタ111と、ブルートゥース通信部217に対応するブルートゥース通信部112に接続されている。リーダライタ111には、ICカード部218と同様の構成を有する。つまり、ICカード制御部631、ICカードメモリ632、とアンテナ部633が設けられている。リーダライタ111およびブルートゥース通信部112は、それぞれ、入出力インタフェース610に接続されている。
【0214】
つまり、これらのパーソナルコンピュータ103、リーダライタ111、およびブルートゥース通信部112の全体では、携帯電話機101と同様の構成となり、同様の処理を行うことができる。このように、一部の構成を外部機器として構成するようにしてもよい。
【0215】
なお、以上においては音楽データの共有について説明したが、共有するコンテンツデータはどのようなデータであってもよく、例えば映像データや文書データ等、音楽データで無くもよい。また、プレイリストも、共有するデータに関する情報を含むものであればどのような情報であっても良い。
【0216】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、または、複数の装置よりなる情報処理システムの情報処理装置などに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0217】
この記録媒体は、例えば、図2や図28に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disc)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア221またはリムーバブルメディア621により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM202若しくはROM602、または、記憶部213若しくは記憶部613などで構成される。
【0218】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0219】
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
【0220】
なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0221】
100 ネットワークシステム, 101 携帯電話機, 102 携帯電話機, 217 ブルートゥース通信部, 218 ICカード部, 301 デバイス制御部, 302 デバイスメモリ, 311 プレイリスト交換A制御部, 312 プレイリスト交換B制御部, 313 表示制御部, 314 送信側再生処理制御部, 315 受信側再生処理制御部, 321 ICカード制御部, 322 ICカードメモリ, 323 アンテナ部, 331 ブルートゥース制御部, 332 アンテナ部, 341 送信側プレーヤ, 342 受信側プレーヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部により受信された前記管理データに基づく第1の表示を行う表示部と、
前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部と、
前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択受付部により前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記他の装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する第2の通信部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の通信部により受信された前記管理データを記憶する記憶部をさらに備え、
前記表示部は、前記記憶部に記憶されている前記管理データに基づく第1の表示を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の通信部は、前記他の装置から、さらに、前記他の装置の識別情報を受信し、
前記記憶部は、前記第1の通信部により受信された前記管理データを、前記他の装置の識別情報に関連付けて記憶する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記他の装置が前記第2の通信部の通信可能範囲内に存在しない場合、前記他の装置の識別情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記管理データに基づいて、前記第1の表示と異なる第2の表示をし、
前記選択受付部は、前記第2の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を禁止する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の通信部により受信される前記コンテンツデータを再生する再生部をさらに備える
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記再生部は、前記コンテンツデータを逐次的に再生する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の表示には、前記識別情報に対応する前記コンテンツデータに関連する画像が含まれる
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の表示には、前記識別情報に対応する前記コンテンツデータのタイトルが含まれる
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、セッション接続情報をさらに記憶し、
前記第2の通信部は、前記セッション接続情報を用いて前記他の装置とのセッションを確立する
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置の情報処理方法であって、
第1の通信部が、第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信し、
表示部が、受信された前記管理データに基づく第1の表示を行い、
選択受付部が、前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付け、
第2の通信部が、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記他の装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
第1の通信方式により、他の装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信する第1の通信部、
前記第1の通信部により受信された前記管理データに基づく第1の表示を行う表示部、
前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部、
前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択受付部により前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記他の装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する第2の通信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
コンテンツデータ、および、少なくとも前記コンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを記憶する記憶部と、
第1の通信方式によって、前記記憶部に記憶されている前記管理データを他の装置に送信する第1の通信部と、
前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記他の装置からコンテンツデータの要求を受信し、受信した前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記他の装置に送信する第2の通信部と
を備える情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置の情報処理方法であって、
記憶部が、コンテンツデータ、および、少なくとも前記コンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを記憶し、
第1の通信部が、第1の通信方式によって、前記管理データを他の装置に送信し、
第2の通信部が、前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記他の装置からコンテンツデータの要求を受信し、受信した前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記他の装置に送信する
情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
コンテンツデータ、および、少なくとも前記コンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを記憶する記憶部、
第1の通信方式によって、前記記憶部に記憶されている前記管理データを他の装置に送信する第1の通信部、
前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記他の装置からコンテンツデータの要求を受信し、受信した前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記他の装置に送信する第2の通信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
第1の通信方式により、前記第2の情報処理装置から供給される、少なくともコンテンツデータの識別情報を含む、前記コンテンツデータの管理に利用される管理データを受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部により受信された前記管理データに基づく第1の表示を行う表示部と、
前記表示部により行われた前記第1の表示に対する選択操作による前記コンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部と、
前記第1の通信方式より通信可能範囲が広い第2の通信方式により、前記選択受付部により前記選択操作による選択が受け付けられた前記コンテンツデータの要求を前記第2の情報処理装置に送信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを受信する第2の通信部と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記管理データを記憶する記憶部と、
前記第1の通信方式によって、前記記憶部に記憶されている前記管理データを前記第1の情報処理装置に送信する第3の通信部と、
前記第2の通信方式により、前記第1の情報処理装置から前記コンテンツデータの要求を受信し、前記要求に対応する前記コンテンツデータを前記第1の情報処理装置に送信する第4の通信部と
を備える情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−142982(P2012−142982A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−50404(P2012−50404)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【分割の表示】特願2007−206709(P2007−206709)の分割
【原出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.BLUETOOTH
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】