説明

情報処理装置及びコンテンツ情報の生成方法

【課題】
ユーザ毎に用意されているホームページのコンテンツを、当該各ユーザのコンテンツ閲覧履歴に応じて、より有用と考えられる項目が含まれるように自動的に改訂していくことを可能とする。
【解決手段】
複数のクライアント200と通信可能に接続され各クライアント200からの要求を受け付けてコンテンツ情報(ホームページ)を生成し、要求元クライアント200へ送信するサーバ100である。あらかじめ生成されたテンプレート400を保持し、クライアント200からホームページに対する要求を受け付けたときに、対応するテンプレート400を読み出し、クライアント200に対応する閲覧URLと閲覧回数の記録を取得し、テンプレート400に設定されている表示対象について、その表示対象について所定のショートカットや追加メニューを表示するかを示す条件を具備していると判定した場合に、当該テンプレート400について前記所定の表示を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びコンテンツ情報の生成方法に係わり、特にユーザ毎に用意されているホームページのコンテンツを、当該各ユーザのコンテンツ情報閲覧履歴に応じて、より有用と考えられる項目が含まれるように自動的に改訂していくことを可能とする情報処理装置及びコンテンツ情報の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット、イントラネットなどのネットワークユーザが、ネットワークに接続されたコンピュータで稼働する閲覧ソフトウェア(以下「ブラウザ」)を起動させたときに当該コンピュータの表示装置に表示される画面情報は一般にホームページなどの名称で呼ばれ、ユーザが他のネットワーク上の情報にアクセスする際の起点として利用される。
【0003】
いまネットワークユーザが、HTTP(HyperText Transfer Protocol)で送受信される、HTML(HyperText Markup Language)で記述されたWebページをブラウザによって閲覧する場合を考えると、ユーザがブラウザを起動したときに表示されるホームページの情報には、ユーザが当該ホームページに設定されたハイパーリンクをクリックすることによってリンク先のWebページにアクセスすることができる構成が含まれる。このようなホームページは一般にユーザがカスタマイズすることが可能とされており、例えばユーザは標準的に用意されているホームページに対して、閲覧頻度の高いWebページへのハイパーリンクを設定することによりそのホームページを自身が使いやすいようにカスタマイズすることができる。
【0004】
これに対し、イントラネット等のネットワークの管理者、あるいはインターネット等のネットワーク上で、ネットワークユーザにとって当該ネット上の種々の情報への起点となるポータルサイトの管理者が、各ユーザのサーバコンピュータへのアクセスログを抽出・集計することで、当該ユーザのホームページの利用状況を分析することが行われている。管理者は、このユーザのアクセスログの分析を通じて、自身のホームページがどのように利用されているかを把握し、それに対応してホームページのコンテンツを適時に更新してユーザの利便性向上を図ることができる。
【0005】
例えば特許文献1には、閲覧者のホームページの閲覧状況に関するデータを自動的に分析した分析結果を、縮小したサムネイル画像を用いて、運営者に提示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−024126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1を含む上記従来技術においては、ユーザのアクセスログの抽出・集計作業、及びそれに基づくホームページの更新に多くの労力を要する問題があった。また、ユーザ全体の閲覧状況に応じてある程度のコンテンツ変更は可能であるが、ユーザ毎に使用頻度の高い情報を含んだコンテンツを表示するホームページを提供すること、ましてそのようなユーザ毎に最適化されたコンテンツを有するホームページをユーザのアクセス毎にダイナミックに生成して提供することはできない問題があった。
【0008】
本発明は上記の、及び他の課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、ユーザ毎に用意されているホームページのコンテンツを、当該各ユーザのコンテンツ閲覧履歴に応じて、より有用と考えられる項目が含まれるように自動的に改訂していくことを可能とする情報処理装置及びコンテンツ情報の生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の一態様は、複数のクライアント装置と通信可能に接続されており、各前記クライアント装置からの要求を受け付けて当該要求に係るコンテンツ情報を生成し、前記要求の要求元である前記クライアント装置へ送信する情報処理装置であって、前記クライアント装置毎にあらかじめ生成された標準コンテンツ情報を保持している標準コンテンツ情報保持部と、各前記クライアント装置から閲覧要求された前記コンテンツ情報を示す識別情報である閲覧コンテンツ識別情報と、前記コンテンツ情報毎に、当該コンテンツ情報の閲覧を請求した回数を累積して記録している閲覧回数情報とを対応付けて記録している閲覧記録保持部と、前記クライアント装置から前記標準コンテンツ情報に対する要求を受け付けたときに、当該要求の要求元である前記クライアント装置に対応する前記標準コンテンツ情報を読み出し、前記閲覧記録保持部に記録されている、前記閲覧要求の要求元である前記クライアント装置に対応する前記閲覧コンテンツ識別情報と前記閲覧回数情報とを取得し、前記標準コンテンツ情報に設定されている表示対象について、前記標準コンテンツ情報を改変する条件である標準コンテンツ情報改変条件を、前記閲覧コンテンツ識別情報と前記閲覧回数情報が具備していると判定した場合に、当該改変を実施した前記標準コンテンツ情報を生成するコンテンツ生成部とを備えている情報処理装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記した本発明の一態様によれば、ユーザ毎に用意されているホームページのコンテンツを、当該各ユーザのコンテンツ閲覧履歴に応じて、より有用と考えられる項目が含まれるように自動的に改訂していくことを可能とする情報処理装置及びコンテンツ情報の生成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一態様に係わる情報処理システム1の全体構成を示した説明図である。
【図2】サーバコンピュータ100、クライアントコンピュータ200として用いられるコンピュータ10のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】サーバコンピュータ100全体のデータ処理機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【図4】ホームページ制御部120で実行されるデータ処理フロー例を示すフローチャートである。
【図5】参照ログ集計部130で実行されるデータ処理フロー例を示すフローチャートである。
【図6】コンテンツ処理部140で実行されるデータ処理フロー例を示すフローチャートである。
【図7】参照ログ集計部130でユーザ毎の閲覧実績を蓄積する処理を示す説明図である。
【図8A】コンテンツ処理部140でのHTMLコンテンツ生成処理を示す説明図である。
【図8B】図8AのHTMLコンテンツ生成処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【図9A】参照頻度の高いWebページの一覧をショートカットとして生成する処理の説明図である。
【図9B】図9Aのショートカットを生成する処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【図10A】参照頻度に応じて追加メニューを表示する処理の説明図である。
【図10B】図10Aの追加メニューを表示する処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【図11A】ユーザの参照頻度のレベルを表示する処理の説明図である。
【図11B】図11Aのユーザの参照頻度のレベルを表示する処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【図12】ショートカット管理テーブル160の構成と参照頻度の高いページの一覧の具体例を示す説明図である。
【図13】追加メニュー管理テーブル170の構成と参照頻度に応じて表示されるメニューの具体例を示す説明図である。
【図14】参照頻度管理テーブル180および参照頻度カテゴリテーブル181の構成と参照頻度のレベル表示の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明につきその一実施形態に即して図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
《システム構成》
まず、本実施形態の情報処理システム1の全体構成について説明する。図1は、情報処理システム1の概略構成図である。
【0014】
図1の情報処理システム(以下、単に「システム」とも言う。)1は、システム1の主要な機能を提供する情報処理装置としてのコンピュータであるサーバコンピュータ(以下「サーバ」)100、各ユーザがサーバ100にアクセスする機能を提供する1又は複数のクライアントコンピュータ(以下「クライアント」)200、及び各サーバ100とクライアント200とを互いに通信可能に接続している通信ネットワーク300を備えている。
【0015】
サーバ100は、後述するように、アクセスしてくるユーザ毎にホームページとして表示するコンテンツを生成し、ユーザからクライアント200を通じて送信されるホームページの送信要求に応じて生成したコンテンツを含むホームページのデータを要求元であるクライアント200へ送信するように構成された、通信機能を有するコンピュータである。サーバ100として利用することができるコンピュータ10の構成の一例を図2に示している。
【0016】
図2のコンピュータ10は、中央処理装置11(例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、以下簡単のため「CPU」と称する)、主記憶装置12(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))、補助記憶装置13(例えばHDD)、ユーザの操作入力を受け付ける入力装置14(例えばキーボードやマウス)、出力装置15(例えば液晶モニタ)、及び他の装置との間の通信を実現する通信インタフェース16(例えばNIC(Network Interface Card))を備えている。
【0017】
入力装置14としては、前記のキーボード及びマウスの他に、一般にペンタブレットと称される入力デバイス、あるいはモニタ等に装着して用いるタッチパネル等、適宜の入力デバイスを採用することができる。また、出力装置15としては、前記液晶モニタの他、音声を再生するための音声出力デバイスを設けてもよい。
【0018】
図1に示すように、サーバ100には、ソフトウェアによって提供される機能ブロックとして、オペレーティングシステム(以下「OS」)110、ホームページ制御部120、参照ログ集計部130、及びコンテンツ処理部140が備えられる。サーバ100には、図示しないこれ以外のアプリケーションソフトウェア等を適宜インストールすることができる。
【0019】
OS110は通信ネットワーク300を通じたデータの入出力、アプリケーションソフトウェア等の実行管理を担当するシステムソフトウェアであり、特に特定のシステムに限定されることはない。例えばWindows(登録商標)、あるいはLinux(登録商標)等のUNIX(登録商標)系のオペレーティングシステムがこのOS110として好適に用いられる。
【0020】
ホームページ制御部120は、クライアント200から受信したホームページ送信要求に従ってホームページのコンテンツを生成してクライアント200へ送信する一連のデータ処理を制御する機能ブロックである。
【0021】
参照ログ集計部130は、クライアント200から受信したホームページ送信要求の要求元ユーザに関するコンテンツ参照ログの実績を集計する機能ブロックである。
【0022】
コンテンツ処理部140は、クライアント200から受信したホームページ送信要求及び参照ログ集計部130での集計結果等に基づいて、要求元であるユーザに特化したホームページコンテンツを生成する機能ブロックである。ホームページ制御部120、参照ログ集計部130、及びコンテンツ処理部140の機能は、コンピュータ10の補助記憶装置13に記憶されている、各機能ブロックに対応するソフトウェアプログラムを、CPU11が主記憶装置12に読み出して実行することにより実現される。
【0023】
クライアント200には、ソフトウェアによって提供される機能ブロックとして、OS210、及びホームページ表示部220が備えられる。クライアント200には、サーバ100と同様に、図示しないこれ以外のアプリケーションソフトウェア等を適宜インストールすることができる。なお、OS210はサーバ100のOS110と同様であるので説明を省略する。
【0024】
ホームページ表示部220は、例えばOS210上で稼働するWebブラウザソフトウェアであり、サーバ100との間でWebデータの授受が可能となるようにしている。
【0025】
通信ネットワーク300は、例えばHTTPでの通信が行われるLAN(Local Area Network)、インターネット等であるが、これ以外の通信プロトコルを使用した通信ネットワークであっても差し支えない。また、本実施形態の情報処理システム1は、典型的には、例えば企業内イントラネットのように、特定のユーザが認証によりサーバ100にアクセス可能とされている閉じたシステムであるが、インターネットのように多数のユーザに開かれたシステムに適用することも可能である。
【0026】
《サーバ100の構成》
次に、サーバ100のより詳細なソフトウェア構成と、情報処理システム1でのデータ処理のフローについて説明する。図3に、図1で示したサーバ100の各機能ブロックをより詳細に示している。前記のように、ホームページ制御部120は、クライアント200のホームページ表示部220からのホームページ送信要求に対応する機能を提供する。
【0027】
リクエスト受付部121は、クライアント200のホームページ表示部220からのホームページ送信要求を受け付ける機能を提供する。参照ログ送信部122は、参照ログ集計部130に対してクライアント200から受信したホームページ送信要求に含まれるユーザに関する情報等を送信する機能を提供する。コンテンツ要求部123は、コンテンツ処理部140に対してクライアント200から要求されたホームページに含めるHTMLコンテンツの生成を要求する機能を提供する。コンテンツ受信部124は、コンテンツ処理部140が生成したHTMLコンテンツを受信する機能を提供する。コンテンツ送信部125は、コンテンツ受信部124から受信した、要求元ユーザのクライアント200から要求されたHTMLコンテンツをホームページ表示部220に送信する機能を提供する。
【0028】
次に、参照ログ集計部130は、ホームページ制御部120の参照ログ送信部122から送信された情報を蓄積する機能を提供する。参照ログ受信部131は、ホームページ制御部120の参照ログ送信部122から受け取った要求元クライアント200に関する情報を受信する機能を提供する。参照ログ加工部132は、参照ログ受信部131で受け取った情報を加工する機能を提供する。参照ログ蓄積部133は、参照ログ加工部132で加工されたデータをデータベース等によって蓄積する機能を提供する。
【0029】
次に、コンテンツ処理部140は、参照ログ集計部130で蓄積された各クライアント200に関する情報を基に、要求元クライアント200へ返信して表示させるHTMLコンテンツを生成する機能を提供する。コンテンツ受付部141は、ホームページ制御部120のコンテンツ要求部123からの要求を受け付ける機能を提供する。参照ログ抽出部142は、HTMLコンテンツを生成する上で必要な情報を参照ログ集計部130から抽出する機能を提供する。コンテンツ生成部143は、参照ログ抽出部142で抽出した情報とHTMLコンテンツを生成するためのテンプレートをマッチングして、HTMLコンテンツを動的に生成する機能を提供する。コンテンツ提供部144は、コンテンツ生成部143が生成したHTMLコンテンツをホームページ制御部120のコンテンツ受信部124に送信する機能を提供する。
【0030】
なお、ホームページ制御部120、参照ログ集計部130、コンテンツ処理部140は、以下に説明する各部の機能を有する構成であれば、必ずしも以上例示した機能ブロックに分割して構成されていなくてもよい。
【0031】
次に、ホームページ制御部120において実行されるデータ処理についてより詳細に説明する。図4に、ホームページ制御部120において実行されるデータ処理フローの一例を示している。まず、リクエスト受付部121が、クライアント200のホームページ表示部220からユーザのホームページ送信要求を受け付ける(S2001)。
【0032】
参照ログ送信部122は、参照ログ集計部130に対してクライアント200からのホームページ送信要求に含まれる情報(例えば本実施形態ではユーザID、閲覧先アドレス)を送信する(S2002)。コンテンツ要求部122は、コンテンツ処理部140のコンテンツ受付部141に対してHTMLコンテンツの生成を要求する(S2003)。
【0033】
コンテンツ受信部123は、コンテンツ処理部140で生成されたHTMLコンテンツを受信するのを待機し(S2004、No)、生成されたコンテンツを受信した場合(S2004、Yes)、コンテンツ処理部140のコンテンツ提供部144から受信したHTMLコンテンツを、コンテンツ送信部125から送信要求元であるクライアント200に送信させる(S2005)。HTMLコンテンツを受信したクライアント200では、ホームページ表示部220が出力装置12を通じてそのコンテンツを出力する。
【0034】
次に、参照ログ集計部130で実行されるデータ処理について説明する。図5に、参照ログ集計部130において、参照ログを蓄積するまでに実行される処理フローの一例を示している。
【0035】
まず、参照ログ受信部131が、ホームページ制御部120の参照ログ送信部122から送信されたクライアント200に関する情報を受信する(S2101)。受信した情報は、後述の閲覧情報レコード150として記録され、次いで、参照ログ加工部132が、受信した情報をHTMLコンテンツ生成に適した形式に加工する。加工された参照ログは、例えばデータベースとして構成されている参照ログ蓄積部133に格納される(S2102)。
【0036】
次に、コンテンツ処理部140におけるコンテンツ生成のデータ処理につき説明する。図6に、コンテンツ処理部140において、HTMLコンテンツが動的に生成されるまでに実行される処理フローの一例を示している。
【0037】
まず、コンテンツ受付部141が、ホームページ制御部120のコンテンツ要求部121からHTMLコンテンツ生成要求を受け付ける(S2201)。次いで、参照ログ抽出部142が、参照ログ集計部130で蓄積された参照ログから、生成要求に含まれるクライアント200の情報(本実施形態では後述するユーザID)に基づいて、HTMLコンテンツの生成に必要な情報を抽出する(S2202)。
【0038】
コンテンツ生成部143は、参照ログ抽出部142が抽出した参照ログの情報と、HTMLコンテンツを生成するためのテンプレート(標準コンテンツ情報)400を組み合わせて、クライアント200からの要求に応じたHTMLコンテンツを生成する(S2203)。コンテンツ提供部144は、コンテンツ生成部143が生成したHTMLコンテンツをホームページ制御部120のコンテンツ受信部124へ送信する(S2204)。
【0039】
以上の処理によれば、HTMLコンテンツの送信要求元であるクライアント200に対して、最新の参照実績を加味して生成されたHTMLコンテンツを提供することができる。
【0040】
次に、参照ログ集計部130の機能を、より具体的に説明する。図7は、クライアント200のホームページ表示部220から受信したホームページ送信要求を、当該ユーザの参照実績として参照ログテーブル131に蓄積する処理について説明している。図7の例では、図1の通信ネットワーク300に、それぞれ識別符号「CLT01」、「CLT02」(以下「ユーザID」という。実際には各クライアント200を使用するユーザが固有のユーザIDを用いてサーバ100にログインすることになるが、以下の説明では便宜的に各クライアント200がユーザIDによって識別されるものとしている。)で特定される2台のクライアント200がサーバ100に格納されているコンテンツにアクセスすることができるように構成されている。ここでは、サーバ100に、それぞれ格納アドレス「URL01」、「URL02」で特定される2つのコンテンツが格納されているとする。
【0041】
サーバ100では、参照ログ集計部130の参照ログ受信部131で、各クライアント200からのコンテンツの閲覧記録が、閲覧情報レコード(閲覧記録保持部)150として取得される。閲覧情報レコード150には、コンテンツへの要求元を示すユーザID151、閲覧要求先のコンテンツアドレスを示す閲覧先URL(閲覧コンテンツ識別情報)152、及び要求を受け付けた日時である閲覧日時153の各項目が含まれている。ユーザID151と閲覧先URL152とは、クライアント200から受信するコンテンツ送信要求に記録されている。閲覧情報レコード150は、例えばサーバ100のメモリなどの主記憶装置12上に記録して、加工されていないアクセスログとして用いてもよい。
【0042】
参照ログ集計部130の参照ログ加工部132は、閲覧情報レコード150を受信すると、ユーザごとにコンテンツを閲覧した実績を記録してなる参照ログテーブル131を更新する。図7に示すように、参照ログテーブル131は、ユーザID1311、参照先URL1312、特定ユーザによる特定URLの参照回数(閲覧回数情報)1313、及び参照日時1314が記録され、例えばメモリなどの主記憶装置12上に保持される。
【0043】
参照ログ受信部131により受信された閲覧情報レコード150は、参照ログ加工部132によって参照ログテーブル131の内容と対照される。参照ログテーブル131に、受信した閲覧情報レコード150に記録されているユーザID151及び閲覧先URL152の組み合わせと同一のユーザID1311及び参照先URL1312を有するレコードが存在した場合、参照ログ加工部132は、参照ログテーブル131に格納された該当のレコードに対して、参照回数1313の項目に1を加算するとともに、参照日時1314の項目を受信した閲覧情報レコード150の閲覧日時153の記録によって更新する。図7の例では、参照ログテーブル131において、ユーザID「CLT01」、参照先URL「URL01」であるレコードが更新された例が示されている。
【0044】
一方、参照ログテーブル131において、受信した閲覧情報レコード150に記録されているユーザID151及び閲覧先URL152の組み合わせと同一のユーザID1311及び参照先URL1312を有するレコードが存在しない場合、参照ログ加工部132は、参照ログテーブル131に、受信した閲覧情報レコード150を追加し、参照回数1313の項目の値を1に設定し、参照日時1314の項目に閲覧日時153の内容を設定する。
【0045】
以上の構成によれば、サーバ100にアクセスする各ユーザが、どのURLのコンテンツをどのくらいの頻度で要求しているかを定量的に把握することができる。
【0046】
次に、コンテンツ処理部140によるコンテンツ生成処理について説明する。図8Aに、コンテンツ処理部140でのHTMLコンテンツ生成処理を示す説明図を、図8Bに、図8AのHTMLコンテンツ生成処理の処理フロー例を示している。
【0047】
コンテンツ処理部140では、クライアント200からユーザのコンテンツ送信要求を受け付ける毎に、図8A、図8Bに例示するコンテンツ生成処理が実行される。図8Bに沿って処理フローを説明すると、まず参照ログ抽出部142は、受信したホームページ送信要求に含まれているユーザID151を用いて、参照ログテーブル131から該当するユーザに関する参照ログを抽出する(S2301)。図8Aの例では、ユーザID151が「CLT01」であるユーザの参照ログを抽出した状況が示されている。
【0048】
次いで、コンテンツ生成部143は、同様に受信したホームページ送信要求に含まれているユーザID151を用いて、あらかじめユーザID151毎に生成されてサーバ100で例えばメモリ等の主記憶装置12(標準コンテンツ情報保持部)にあらかじめ保持されているテンプレートデータ400を取得する(S2302)。このテンプレートデータ400は各ユーザのホームページを構成するデータが記述されているHTMLファイルであり、システム1としてサーバ100に標準ホームページとしてのテンプレートデータ400を格納しておくことができる(以下単に「テンプレート」という)。なお、各ユーザが自身のテンプレート400について、自身の嗜好などを反映する固定的なカスタマイズを行えるようにしてもよい。
【0049】
テンプレート400からコンテンツを生成する時は、テンプレート400に記述された構文から、コンテンツに表示する内容を解析して表示する。本実施形態では、表示の種別として、図8Aに示すように、ユーザからの参照頻度が高いページに対するショートカットの表示、参照頻度に応じた追加メニューの表示、及び参照頻度の表示がある。
【0050】
次に、コンテンツ生成部143は、抽出された該当ユーザの参照ログとショートカットの設定に関する情報があらかじめ規定されているショートカット管理テーブル160とに基づいて、ユーザから送信要求があったホームページのコンテンツにショートカットを付加するか判定し(S2303)、付加する条件が成立していると判定した場合(S2303、Yes)、テンプレート400に所定のショートカットを付加する(S2304)。ショートカット(アクセス手段)とは、ユーザの参照頻度が高いと判定されたコンテンツへワンクリックでアクセスすることができるように、ホームページに設定される、当該コンテンツのURLへのハイパーリンクを表し、ホームページ上では下線付加、表示フォントの色変え等によって表示する。ショートカット付加の具体的な処理は後述する。
【0051】
次に、コンテンツ生成部143は、抽出された該当ユーザの参照ログと、追加メニューの設定に関する情報があらかじめ規定されている追加メニュー管理テーブル170及び追加メニュー制御テーブル171とに基づいて、ユーザから送信要求があったホームページのコンテンツに追加メニューを付加するか判定し(S2305)、付加する条件が成立していると判定した場合(S2305、Yes)、テンプレート400に所定の追加メニューを付加する(S2306)。追加メニュー(追加情報)とは、ユーザの参照頻度が高いコンテンツの内容に応じて、既存のコンテンツに追加して設定されるメニューを表し、ホームページ上ではハイパーリンクが設定されたテキストあるいはアイコン(イメージファイル)等によって表示する。追加メニュー付加の具体的な処理は後述する。
【0052】
次に、コンテンツ生成部143は、抽出された該当ユーザの参照ログと、コンテンツの表示項目分類毎の表示内容の設定に関する情報があらかじめ規定されている参照頻度管理テーブル180及び参照頻度カテゴリテーブル181とに基づいて、ユーザから送信要求があったホームページのコンテンツの表示項目分類毎の表示制御を行うか判定し(S2307)、制御実行条件が成立していると判定した場合(S2307、Yes)、テンプレート400における所定の項目分類について表示制御を実行する(S2308)。表示項目分類毎の表示制御とは、例えばコンテンツに含まれる「新着情報」、「イベント情報」、「製品情報」等のコンテンツ内表示項目の分類毎に、該当ユーザの閲覧履歴が示す参照頻度に応じてその表示内容を変化させる(分類毎の個別情報を付加する)制御を表す。表示項目分類毎の表示制御の具体的な処理は後述する。
【0053】
《ショートカット付加処理》
次に、前記したコンテンツ処理部140におけるショートカット付加処理について説明する。図9Aにショートカット付加処理の説明図を、図9Bに図9Aのショートカット付加処理の処理フロー例を示している。
【0054】
図9Aに示すように、ショートカット管理テーブル160は、ショートカットが設定される対象となるコンテンツのURLであるショートカット対象URL161と、その参照頻度カウントの対象となるURLの情報である参照頻度対象URL162とを対応付けて格納しており、例えばサーバ100のメモリ等の主記憶装置12にあらかじめ生成され格納されている。
【0055】
図9Bを参照すると、まず、コンテンツ生成部143は、コンテンツを生成するための該当ユーザのテンプレート400で、参照頻度が高いページに対するショートカットの一覧を表示するための構文が記述されていた場合、参照ログテーブル131から該当ユーザの参照ログのみを抽出した閲覧実績レコード132を生成する(S2401)。次いでコンテンツ生成部143は、閲覧実績レコード132とショートカット管理テーブル160とを対照し、閲覧実績レコード132の参照先URL1322に対し、ショートカット管理テーブル160から抽出したレコードの参照頻度対象URL162を結合させ(S2403、Yes)、結合すべき参照先URL1322と参照頻度対象URLフィールド162がない場合(S2403、No)、処理を終了する。
【0056】
コンテンツ生成部143は、ショートカット管理テーブル160から抽出したレコードのショートカット対象URL161毎に閲覧実績レコード132の参照回数1323の値を合計するとともに、ショートカット対象URL161毎のレコードの中で参照日時1324の値が最も大きい値を参照日時とする。コンテンツ生成部143は、取得された参照回数1323と参照日時1324の組み合わせに対して、降順になるようショートカット対象URL161をソートする(S2404)。
【0057】
次いで、コンテンツ生成部143は、実行プログラム内等にあらかじめ設定されているコンテンツでのショートカット表示件数のデータを取得して(S2405)、その上位から指定された表示件数だけHTMLコンテンツ500に参照先URLへのハイパーリンクが設定されたショートカットを付加する(S2406)。
【0058】
以上の構成によれば、システム1の各ユーザによる参照頻度が大きいコンテンツについては、ホームページに優先してそのコンテンツへのショートカットが表示され、また表示されるショートカットの内容は各ユーザの閲覧記録に応じて自動的に変更されるので、各ユーザが自身のホームページ上で参照頻度の高いコンテンツへのアクセス性が向上する。
【0059】
《追加メニュー付加処理》
次に、コンテンツ生成部143による追加メニュー付加処理について説明する。図10Aに参照頻度に応じて追加メニューを表示する処理の説明図を、図10Bに図10Aの追加メニュー表示処理の処理フロー例を示している。
【0060】
図10Aに示すように、追加メニュー管理テーブル170は、ユーザ毎のテンプレート400にあらかじめ設定されている追加メニュー名を示している追加メニュー名1701の項目と、その追加メニュー名1701からリンクされるコンテンツのURLを示す情報である参照先URL1702の項目とが対応付けて記録されている。
【0061】
また、追加メニュー制御テーブル171には、追加メニュー名1711の項目と、各追加メニュー名1711を表示する条件となる参照先URL1702の参照回数を示す表示条件1702の項目とが対応付けて記録されている。追加メニュー管理テーブル170、追加メニュー制御テーブル171は、例えばサーバ100のメモリ等の主記憶装置12にあらかじめ設定される。
【0062】
図10Bを参照すると、コンテンツ生成部143は、テンプレート400で、各ユーザの参照頻度に応じて新しいメニューをコンテンツに追加して表示する構文が記述されていた場合、参照ログテーブル131から該当ユーザの参照ログのみを抽出した閲覧実績レコード132を生成する(S2501)。コンテンツ生成部143は、閲覧実績レコード132と追加メニュー管理テーブル170とを対照する(S2502)。次いでコンテンツ生成部143は、前記対照の結果、閲覧実績レコード132の参照先URL1322の項目に対応する参照頻度URL1702の項目が追加メニュー管理テーブル170にある場合(S2503、Yes)、該当ユーザのテンプレート400において指定されている追加メニュー名1701のレコードを抽出し、その参照頻度対象URL1702を結合させ、追加メニュー管理テーブル170から抽出されたレコードの追加メニュー名1701毎に参照回数1323の値を合計する(S2504)。
【0063】
S2503において、前記対照の結果、閲覧実績レコード132の参照先URL1322に対応する参照頻度URL1702が追加メニュー管理テーブル170にない場合(S2503、No)、コンテンツ生成部143は処理を終了する。
【0064】
閲覧実績レコード132の参照先URL1322に対応する参照頻度URL1702が追加メニュー管理テーブル170にある場合(S2503、Yes)、コンテンツ生成部143は、追加メニュー制御テーブル171を参照し、各追加メニュー名1701について、記録されている参照回数1323が表示条件1712に達しているか調べ(S2505)、達していなければ(S2505、No)、処理を終了する。また、S2505で、参照回数1323が表示条件1712に達しているものがある場合(S2505、Yes)、HTMLコンテンツ500に参照先コンテンツへのリンクが設定された追加メニュー名1701のデータを付加して処理を終了する(S2506)。
【0065】
以上の処理によれば、各ユーザの参照頻度が大きいコンテンツの内、追加メニューの表示が指定されているものについて、参照頻度に応じてユーザの利便性を高める追加メニューを随時付加して表示させることができる。
【0066】
《項目分類別表示制御処理》
次に、表示項目分類毎の表示制御について説明する。図11Aにユーザの参照頻度のレベルによる項目分類別表示制御処理の説明図を、図11Bに図11Aの表示制御処理の処理フロー例を示している。
【0067】
前記のように、この項目分類別表示制御処理では、参照頻度管理テーブル180と、参照頻度カテゴリテーブル181を使用する。図11Aに示すように、参照頻度管理テーブル180は、コンテンツに表示される表示内容の分類を示す情報である分類名1801と、分類名1801に対応するコンテンツのURLを示している参照頻度対象URL1802とが対応付けて記録されている。また、参照頻度カテゴリテーブル181には、前記と同じ分類名1811と、その分類名1811が属するカテゴリを示すカテゴリ1812、及びカテゴリ1812を表示するか判定する際の基準値となる閾値1813とが対応付けて記録されている。図11Aの例では、参照頻度が大きい順に、カテゴリ1812には「A」、「B」、「C」の符号が記録されている。参照頻度管理テーブル180、参照頻度カテゴリテーブル181は、例えばサーバ100のメモリ等の主記憶装置12にあらかじめ設定される。
【0068】
図11Bを参照すると、コンテンツ生成部143は、テンプレート400で、各ユーザの参照頻度に応じて項目分類別表示制御を実行する構文が記述されていた場合、参照ログテーブル131から該当ユーザの参照ログのみを抽出した閲覧実績レコード132を生成する(S2601)。コンテンツ生成部143は、閲覧実績レコード132と参照頻度管理テーブル180とを対照する(S2602)。次いでコンテンツ生成部143は、前記対照の結果、閲覧実績レコード132の参照先URL1322の項目に対応する参照頻度URL1802の項目が参照頻度管理テーブル180にある場合(S2603、Yes)、該当ユーザのテンプレート400において指定されている分類名1801のレコードを抽出し、その参照頻度対象URL1802を結合させ、参照頻度管理テーブル180から抽出されたレコードの分類名1801毎に参照回数1323の値を合計する(S2604)。
【0069】
S2603において、前記対照の結果、閲覧実績レコード132の参照先URL1322に対応する参照頻度URL1802が参照頻度管理テーブル180にない場合(S2603、No)、コンテンツ生成部143は処理を終了する。
【0070】
閲覧実績レコード132の参照先URL1322に対応する参照頻度URL1802が参照頻度管理テーブル180にある場合(S2603、Yes)、コンテンツ生成部143は、参照頻度カテゴリテーブル181を参照し、各分類名1801について、記録されている参照回数1323が表示条件の閾値1813に達しているか調べ(S2605)、達していなければ(S2605、No)、処理を終了する。
【0071】
また、S2605で、参照回数1323が表示条件の閾値1813に達しているものがある場合(S2605、Yes)、HTMLコンテンツ500に含まれる分類名1811に対応させてあらかじめ設定されているカテゴリ1812のデータを付加して処理を終了する(S2606)。
【0072】
以上の処理によれば、各ユーザの参照頻度が大きいコンテンツについて、参照頻度に応じた順位付けをしてユーザに提示することにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0073】
各処理の具体例
次に、以上説明したショートカット付加処理、追加メニュー付加処理、及び項目分類別表示制御処理それぞれについて、具体例に即して処理内容を説明する。
【0074】
図12は、ショートカット管理テーブル160の構成と、参照頻度が高いページ一覧の画面例を模式的に示している。ショートカット管理テーブル160に格納されるレコードには、ショートカットのURL1601及び参照頻度対象URL1602に加えて、分類名1603、及びショートカットのラベル1604の項目が記録されている。
【0075】
分類名1603は、参照頻度の高いページを集計する範囲やレベルを示す項目であり、図12では、「メニュー」、「製品情報」が設定されている。テンプレート400で分類名1603を指定することにより、トップページで選択されるメニューといった最も大きな分類での集計から、特定メニューの下で分類された中・小分類での集計、あるいは、個々のHTMLコンテンツ500といった末端レベルでの集計も可能となる。また、分類名1603を複数個指定することで、HTMLコンテンツの中・小分類や末端レベルの集計を広範囲で実施することが可能となる。
【0076】
ショートカットのラベル1604は、参照頻度が高いページ一覧を生成する際に表示するショートカット先の識別子である。
【0077】
本実施形態では、参照頻度対象URL1602と参照先URL1322との対照を、前方一致で判定するように構成しているので、参照頻度対象URL1602として、個々のHTMLコンテンツ500だけではなく、集計するレベルに応じてコンテンツが格納されたフォルダ名を指定することも可能である。また、テンプレート400において参照頻度が高いページ一覧を表示させる場合には、分類名1603について、追加メニュー付加処理等で説明したように、一覧の表示数を指定することができる。
【0078】
ショートカット管理テーブル160からは、テンプレート400で指定された分類名1603でレコードを抽出し、参照ログテーブル131からはホームページを閲覧しているユーザの参照ログを、ユーザID1321をキーとして抽出する。この2つのレコードを参照頻度対象URL1602の前方一致で結合し、ショートカットのラベル1604単位で参照回数1323の合計値、及び参照日時1324の最大値を集計する。この集計結果を参照回数1323と参照日時1324の組み合わせで降順にソートし、その上位からテンプレート33で指定された一覧の表示数を選択し、HTMLコンテンツ500に表示する。
【0079】
このような処理によれば、参照頻度の高いコンテンツへのショートカットを、大小様々な分類名1603毎にユーザに提示することができる。
【0080】
図13は、追加メニュー管理テーブル170、追加メニュー制御テーブル171の構成と、追加メニューが表示される画面例を模式的に示している。追加メニュー管理テーブル170に格納される各レコードは、図10Aに示したように、追加メニュー名1701と参照頻度対象URL1712で構成されている。追加メニュー名1701は、参照頻度に応じて表示されるメニューを特定するための名称である。参照頻度対象URL1702は、参照ログテーブル131に格納された参照先URL1322と対照することで、追加メニュー名1701単位での集計を可能としている。
【0081】
また、参照頻度対象URL1702と参照先URL1322とを前方一致で対照することによって、参照頻度対象URL1702には個々のHTMLコンテンツ500だけではなく、集計するレベルに応じてコンテンツが格納されたフォルダ名を指定することも可能である。追加メニュー制御テーブル171に格納される各レコードは、追加メニュー名1711、追加表示件数1712、追加メニュー画像1713、及び追加メニューURL1714で構成されている。追加メニュー名1711は、参照回数1323が後述の表示条件を満たしたときに画面に表示されるテキストデータである。追加メニュー画像1713は、参照回数1323が後述の表示条件を満たしたとき画面に表示される画像のファイル名である。追加メニュー画像1713が指定されていない場合は、追加メニュー名1711が表示される。
【0082】
追加メニューURL1714は、参照回数1323が表示条件を満たした場合にアクセスが許可されるページのURLである。表示条件1712は、追加メニューを表示させるために必要な参照回数1323の閾値である。テンプレート400において追加メニューを表示させる処理を実行するように設定されている場合には、追加メニュー名1701が指定されている。この場合、追加メニュー制御テーブル171からは、図13に例示したように、テンプレート400で指定された追加メニュー名1711でレコードを抽出することができる。一方、参照ログテーブル132からはホームページを閲覧しているユーザのユーザID1321をキーとして参照ログを抽出する。この2つのレコードを参照頻度対象URL1702の前方一致で結合し、参照回数1323の合計値を個別に集計する。
【0083】
参照回数1323の集計結果が表示条件1712の設定値以上となった場合には、追加メニュー制御テーブル171から抽出された追加メニュー画像1713あるいは追加メニュー名1711について、追加メニューURL1713をリンク先として設定して新しいメニューを表示する。参照回数1323の集計結果が表示条件1712の設定値未満であると判定された場合には、新しいメニューを表示しないこととなる。
【0084】
このような処理によれば、参照頻度の高いコンテンツに付加的に表示する画像や名称を、大小様々な分類毎にユーザに提示することができる。
【0085】
図14は、参照頻度管理テーブル180及び参照頻度カテゴリテーブル181の構成と、ユーザの参照頻度のレベルを表示した画面例を示している。参照頻度管理テーブル180に格納される各レコードは、分類名1801と参照頻度対象URL1802で構成されている。分類名1801は、参照頻度の高いページを集計する範囲やレベルを示すものである。テンプレート400で分類名1801を指定することにより、トップページで選択されるメニューといった最も大きな分類での集計から、特定メニューの下で分類された中・小分類での集計、あるいは、個々のHTMLコンテンツといった末端レベルでの集計も可能となる。また、分類名1801を複数個指定することで、中・小分類や末端レベルの集計を広範囲で実施することが可能となる。
【0086】
参照頻度対象URL1802は、閲覧実績レコード132に格納された参照先URL1322と対照することで、分類名1801単位での集計を可能とする。また、参照頻度対象URL1802と参照先URL1322とを前方一致で対照することによって、参照頻度対象URL1801には個々のHTMLコンテンツだけではなく、集計するレベルに応じてコンテンツが格納されたフォルダ名を指定することが可能である。
【0087】
参照頻度カテゴリテーブル181に格納される各レコードは、分類名1811、レベル1814、表示カテゴリ1812、閾値1813、及び表示コメント1815で構成されている。分類名1811は、参照頻度管理テーブル180と対照するために用いる識別子である。レベル1814は、参照回数1323の頻度を内部で管理するための指標値であり、この値が高いほど参照回数1323の頻度が高くなるように設定する。
【0088】
表示カテゴリ1812は、参照頻度を表示する際にユーザの参照頻度のレベルを明記するカテゴリである。閾値1813は、ユーザの参照頻度レベルを判定するための設定値である。表示コメント1815は、レベル1814が所定の値に達した際に表示されるメッセージであり、図14では、分類名「新着情報」の参照回数1323が5回になると、「過去ログを参照できます」という表示コメント1815が表示されることを示している。
【0089】
テンプレート400においてユーザの参照頻度を表示させる分類項目表示制御の設定がされている場合には、分類名1801が指定されている。参照頻度管理テーブル180からはテンプレート400で指定された分類名1801でレコードを抽出し、閲覧実績レコード132からはホームページを閲覧しているユーザのユーザID1321をキーとして参照ログを抽出する。この2つのレコードを参照頻度対象URL1802の前方一致で結合し、参照回数1323の合計値を集計する。
【0090】
参照頻度カテゴリテーブル181からは、分類名1811がテンプレート400で指定された値であり、かつ、閾値1813が参照回数1323の合計値以上となるレコードの中から、レベル1814の値が最も大きいものを抽出する。参照頻度カテゴリテーブル181からレコードが1件抽出された場合は、そのレコードの表示カテゴリ1812と表示コメント1815をHTMLコンテンツ500に表示する。
【0091】
一方、参照頻度カテゴリテーブル181から該当レコードを抽出することができなかった場合は、例えばレベル1814について参照回数1323が未到達である旨のメッセージを表示することができる。分類名1801ごとに参照回数1323が0の場合(あるいは、最も低い表示カテゴリ1812の閾値に達していない場合)に表示するメッセージを変更する場合は、参照頻度カテゴリテーブル181の閾値1813に0を記録したレコードを設定し、表示コメント1815に表示しようとするメッセージを記録しておけばよい。
【0092】
このような処理によれば、参照頻度の高いコンテンツに付加的に表示する表示コメントを、大小様々な分類毎にユーザに提示することができる。
【0093】
以上詳細に説明した本発明の一実施形態によれば、ユーザ毎に用意されているホームページのコンテンツを、当該各ユーザのコンテンツ閲覧履歴に応じて、より有用と考えられる項目が含まれるように自動的に改訂していくことが可能となる。
【符号の説明】
【0094】
1 情報処理システム
10 コンピュータ
100 サーバコンピュータ
200 クライアントコンピュータ
120 ホームページ制御部
130 参照ログ集計部
140 コンテンツ処理部
220 ホームページ表示部
300 ネットワーク
121 リクエスト受付部
122 参照ログ送信部
123 コンテンツ要求部
124 コンテンツ受信部
125 コンテンツ送信部
131 参照ログ受信部
132 参照ログ加工部
133 参照ログ蓄積部
141 コンテンツ受付部
142 参照ログ抽出部
143 コンテンツ生成部
144 コンテンツ提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント装置と通信可能に接続されており、各前記クライアント装置からの要求を受け付けて当該要求に係るコンテンツ情報を生成し、前記要求の要求元である前記クライアント装置へ送信する情報処理装置であって、
前記クライアント装置毎にあらかじめ生成された標準コンテンツ情報を保持している標準コンテンツ情報保持部と、
各前記クライアント装置から閲覧要求された前記コンテンツ情報を示す識別情報である閲覧コンテンツ識別情報と、前記コンテンツ情報毎に、当該コンテンツ情報の閲覧を請求した回数を累積して記録している閲覧回数情報とを対応付けて記録している閲覧記録保持部と、
前記クライアント装置から前記標準コンテンツ情報に対する要求を受け付けたときに、当該要求の要求元である前記クライアント装置に対応する前記標準コンテンツ情報を読み出し、
前記閲覧記録保持部に記録されている、前記閲覧要求の要求元である前記クライアント装置に対応する前記閲覧コンテンツ識別情報と前記閲覧回数情報とを取得し、
前記標準コンテンツ情報に設定されている表示対象について、前記標準コンテンツ情報を改変する条件である標準コンテンツ情報改変条件を、前記閲覧コンテンツ識別情報と前記閲覧回数情報が具備していると判定した場合に、当該改変を実施した前記標準コンテンツ情報を生成するコンテンツ生成部と、
を備えている情報処理装置。
【請求項2】
前記表示対象について、前記クライアント装置からの閲覧要求頻度が相対的に高い前記コンテンツ情報に対するアクセス手段を付加することが設定されている場合、前記コンテンツ生成部は、各前記コンテンツ情報について前記クライアント装置毎に読み出した前記閲覧回数情報を、前記標準コンテンツ情報改変条件に規定されている閲覧要求回数閾値と比較し、閾値以上であると判定した場合に、当該コンテンツ情報への前記アクセス手段を前記標準コンテンツ情報の前記表示対象に付加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示対象について、前記クライアント装置からの閲覧要求頻度が相対的に高い前記コンテンツ情報に対する追加情報を付加することが設定されている場合、前記コンテンツ生成部は、各前記コンテンツ情報について前記クライアント装置毎に読み出した前記閲覧回数情報を、前記標準コンテンツ情報改変条件に規定されている閲覧要求回数閾値と比較し、閾値以上であると判定した場合に、当該コンテンツ情報に追加して提供する情報として保持されている前記追加情報を前記標準コンテンツ情報の前記表示対象に付加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示対象について、前記コンテンツ情報を所定の項目に分類してなる分類項目を付与し、前記クライアント装置からの閲覧要求頻度が相対的に高い前記コンテンツ情報中の分類項目に対して個別情報を付加することが設定されている場合、前記コンテンツ生成部は、各前記コンテンツ情報について前記クライアント装置毎に読み出した前記閲覧回数情報を、前記標準コンテンツ情報改変条件に規定されている閲覧要求回数閾値と比較し、閾値以上であると判定した場合に、前記個別情報を前記標準コンテンツ情報の前記表示対象に付加する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のクライアント装置と通信可能に接続されており、各前記クライアント装置からの要求を受け付けて当該要求に係るコンテンツ情報を生成し、前記要求の要求元である前記クライアント装置へ送信する情報処理装置で実行されるコンテンツ情報の生成方法であって、
前記クライアント装置毎にあらかじめ生成された標準コンテンツ情報を保持し、
各前記クライアント装置から閲覧要求された前記コンテンツ情報を示す識別情報である閲覧コンテンツ識別情報と、前記コンテンツ情報毎に、当該コンテンツ情報の閲覧を請求した回数を累積して記録している閲覧回数情報とを対応付けて記録し、
前記クライアント装置から前記標準コンテンツ情報に対する要求を受け付けたときに、当該要求の要求元である前記クライアント装置に対応する前記標準コンテンツ情報を読み出し、
前記閲覧記録保持部に記録されている、前記閲覧要求の要求元である前記クライアント装置に対応する前記閲覧コンテンツ識別情報と前記閲覧回数情報とを取得し、
前記標準コンテンツ情報に設定されている表示対象について、前記標準コンテンツ情報を改変する条件である標準コンテンツ情報改変条件を、前記閲覧コンテンツ識別情報と前記閲覧回数情報が具備していると判定した場合に、当該改変を実施した前記標準コンテンツ情報を生成する、コンテンツ情報の生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−258128(P2011−258128A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134197(P2010−134197)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】