説明

情報分析装置

【課題】多数の顧客の中から、現在の収益よりも大きな収益を将来もたらすことが見込める有望な顧客を見極めることは容易ではなかった。
【解決手段】実施の一形態の情報分析装置12は、地理的に区画された複数のエリアのそれぞれと、住民に関する属性が類似するエリアをグループ化したエリアクラスタとの対応関係を保持するエリアクラスタ情報保持部20と、複数のエリアクラスタのそれぞれについて、各エリアクラスタに居住する顧客から得られた収益を集計し、顧客から得られた収益が相対的に大きい高収益エリアクラスタを特定するエリアクラスタ特定部34と、高収益エリアクラスタに居住する顧客のうち、得られた収益が相対的に小さい顧客を有望な顧客として抽出する顧客抽出部36とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ処理技術に関し、特に、顧客情報を分析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータに様々な情報を分析させることにより、ビジネスにおける有用な情報を得ようとする試みがなされている。本出願人は、以下の特許文献1において、商品の販売情報を分析して、ユーザの販売活動を支援するための情報を作成する技術を提案している。具体的には、商品の購入者が居住する地域(以下、「エリア」とも呼ぶ)に関し、住民の属性が類似する地域のグループ(以下、「エリアクラスタ」とも呼ぶ)に注目して、購入者が居住するエリアクラスタに基づいて販売情報を分析することにより、商品の販売者にとって有用な情報を作成する技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業間の競争の激化に伴い、企業では顧客一人当りから得る収益を効率的に増加させるために、現在の収益よりも大きな収益を将来もたらすことが見込める有望な顧客に対して重点的に販売促進活動を行うことが求められている。しかし、多数の顧客の中から有望な顧客を見極めることは容易ではなかった。
【0005】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、エリアクラスタに基づいて顧客情報を分析することにより、商品の販売者にとって有用な情報を作成する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報分析装置は、地理的に区画された複数のエリアのそれぞれと、住民に関する属性が類似するエリアをグループ化したエリアクラスタとの対応関係を保持するエリアクラスタ情報保持部と、複数の顧客のそれぞれから得られた収益に関する情報を保持する顧客情報保持部と、複数のエリアクラスタのそれぞれについて、各エリアクラスタに居住する顧客から得られた収益を集計し、顧客から得られた収益が相対的に大きいエリアクラスタを特定するエリアクラスタ特定部と、収益が相対的に大きいエリアクラスタに居住する顧客のうち、得られた収益が相対的に小さい顧客を、現在得られた収益よりも大きな収益を将来もたらす可能性が高い顧客として抽出する顧客抽出部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品の販売者の販売促進活動を効果的に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態の分析システムの構成を示す図である。
【図2】顧客情報の構成を示す図である。
【図3】図1の情報分析装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】エリアクラスタ情報の構成を示す図である。
【図5】エリアクラスタごとの顧客当り平均収益の一例を示す図である。
【図6】有望顧客の選択イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を説明する前に、まず概要を説明する。
企業間の競争の激化に伴い、企業においては既存顧客から一層の収益を得ることが命題となっている。しかし、全ての顧客に対して販売促進活動を注力することは費用面から現実的でなく、費用対効果の面からも望ましくない。そのため、企業に対して現在の収益よりも大きな収益を将来もたらす可能性が高い顧客(以下、「有望顧客」とも呼ぶ。)を見極め、その有望顧客に対して重点的に販売促進活動を実施することが望まれる。
【0011】
そこで本実施の形態では、企業の顧客情報の分析においてエリアクラスタの考え方を適用した分析システムを提案する。この分析システムは、家族構成や年収等の属性が類似する顧客、すなわち同一のエリアクラスタに居住する顧客からは同様の収益を得られる可能性が高いという発想に基づいて有望顧客を選定して提示する。これにより、企業の販売促進活動を効果的に支援し、例えば、その費用対効果を向上させる。
【0012】
図1は、実施の形態の分析システムの構成を示す。分析システム100では、LAN・WAN・インターネット等、公知の通信手段を介して、顧客情報DB10と情報分析装置12と情報提示装置14とが接続される。
【0013】
顧客情報DB10は、企業の顧客情報を保持するデータベースサーバである。図2は、顧客情報DB10に保持される顧客情報の構成を示す。顧客情報には、複数の顧客それぞれについての顧客IDと、顧客名と、少なくとも町丁目を識別可能な住所と、顧客から得られた(顧客によりもたらされた)収益とが含まれる。この収益は、各顧客が企業にもたらした収益の多寡を顧客間で比較可能な値であればよく、値自体で意味を有する絶対値でもよく、他との比較においてのみ意味を有する相対値であってもよい。例えば、顧客に対する売上額、取引額、顧客との取引により生じた利益の額でもよい。また、収益額そのものではなく、収益額から統計的な手法により算出された収益の多寡を示す指標値であってもよい。なお顧客情報には、顧客に関する種々の属性情報(職業や取引実績等)がさらに含まれてもよい。
【0014】
図1に戻り、情報分析装置12は、顧客情報DB10に保持された顧客情報を分析し、有望顧客の情報を生成する情報処理装置である。情報分析装置12の詳細な構成は後述する。情報提示装置14は、情報分析装置12の分析結果である有望顧客の情報をユーザ(企業の営業担当者等)に提示する装置であり、例えば、ディスプレイやプリンタであってもよい。また、有望顧客の情報を保持し、適宜加工してユーザへ提示する情報処理装置であってもよい。
【0015】
図3は、図1の情報分析装置12の機能構成を示すブロック図である。本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。例えば、図3の各機能ブロックは、ソフトウェアとして記録媒体に格納され、情報分析装置12のハードディスクにインストールされ、情報分析装置12のメインメモリに適宜読み出されてプロセッサにて実行されてもよい。
【0016】
情報分析装置12は、データの記憶領域であるエリアクラスタ情報保持部20と、各種データ処理を実行するデータ処理部30とを備える。エリアクラスタ情報保持部20は、複数のエリアクラスタのそれぞれと、各エリアクラスタに属するエリアと、各エリアクラスタの住民属性とが対応づけられたエリアクラスタ情報を保持する。
【0017】
図4は、エリアクラスタ情報保持部20に保持されるエリアクラスタ情報の構成を示す。同図の「エリアクラスタ」欄には、エリアクラスタの識別情報が設定される。「エリア」欄には、エリアクラスタに属する1以上のエリアが設定される。例えば、日本全国約18万個の町丁目のそれぞれがエリアとして設定され、50個程度のエリアクラスタのいずれかに分類されてもよい。「人口」欄には、エリアの人口が設定される。
【0018】
「住民属性」欄には、エリアクラスタの住民属性が設定され、同一のエリアクラスタに属するエリアに共通して当てはまる住民属性が設定される。この住民属性には、各エリアクラスタについての人口統計学的な属性データを示すデモグラフィック属性と、各エリアクラスタの住人が有する価値観やライフスタイルといった人間心理にかかわる属性データを示すサイコグラフィック属性が含まれる。
【0019】
デモグラフィック属性の例としては、「30〜40代の比較的小さな子供がいる核家族」、「収入が平均よりもやや高く、大学卒以上の人が多い」、「子供が2人」などがある。一方で、サイコグラフィック属性の例としては、「女性20代について、ブランド・安全性・経済性を非常に重視するが、環境指向はほとんどない」、「女性30代について、ブランドをやや重視し、環境指向である」、「リスク寛容度が比較的高い」などがある。つまり、エリアクラスタの住民属性は、エリアクラスタに居住する消費者像を示す情報であり、消費者の年齢、所得水準、職業、学歴、家族構成、生活環境、趣向、考え方等が含まれる。
【0020】
「住民指標値」欄には、エリアクラスタの住民属性を指標化した住民指標値が設定される。住民指標値は、エリアクラスタの住民属性が複数種類の評価基準のそれぞれと適合する度合いを所定の評価関数により指標化した複数種類の指標値である。住民指標値の具体例としては、平均年収、平均世帯人数、世帯あたりの平均子供数、30歳代割合、40歳代割合等である。言い換えれば、住民指標値は、コンピュータによる計算処理のために、住民属性を複数種類の数値に変換したものであるといえる。
【0021】
エリアクラスタ情報の作成方法の一例を説明する。エリアクラスタ情報の作成には、各エリアについての属性情報であって、公開された各種の統計情報と、独自の推計情報と、アンケートの結果情報を用いる。統計情報には、年代の比率、性別の比率、職業の比率、学歴比率等が含まれる。推計情報には、平均所得、平均資産、平均地価等が含まれる。アンケートの結果情報には、ライフスタイル、価値観、消費趣向等の回答結果が含まれる。定性的な情報は、所定の評価関数により指標値化する。図示しないエリアクラスタ情報作成部は、各エリアについて指標値化された各種属性情報を変量とするクラスタ分析により、各エリアをグループ分けする。なお、クラスタ分析に使用された各種指標値を住民指標値欄の値としてもよく、住民指標値欄の値に基づいて住民属性欄に設定すべきデータを人間の判断により設定してもよい。また、各エリアにおける各種商品の販売実績についてもクラスタ分析の変量としてもよい。
【0022】
図3に戻り、データ処理部30は、顧客情報取得部32と、エリアクラスタ特定部34と、顧客抽出部36と、分析結果出力部38とを有する。顧客情報取得部32は、顧客情報DB10に対して所定のクエリを発行し、顧客情報DB10に保持された顧客情報を取得する。取得される顧客情報には、各顧客に関する顧客IDと、町丁目レベルを識別可能な顧客住所の情報と、収益値とが少なくとも含まれる。分析結果出力部38は、顧客抽出部36において作成された有望顧客の情報を情報提示装置14へ送信する。
【0023】
エリアクラスタ特定部34は、顧客情報取得部32により取得された顧客情報を参照して、各エリアクラスタに属する町丁目(エリア)に居住する顧客から企業が得た収益を集計し、エリアクラスタ間での収益比較を可能にする。本実施の形態では、エリアクラスタごとに顧客一人当りの平均収益(以下、「顧客当り平均収益」とも呼ぶ。)を算出する。
【0024】
エリアクラスタ特定部34は、顧客当り平均収益の算出にあたり、他の顧客よりも収益が突出して大きい顧客の影響を排除するために、収益が上位の顧客を対象外としてもよい。例えば、収益の降順で整列させた場合に所定順位以上の顧客や、収益が所定値以上の顧客は平均収益の算出過程から除外してもよい。また逆に、他の顧客よりも収益が突出して小さい顧客の影響を排除するために、収益が下位の顧客を対象外としてもよい。例えば、収益の降順で整列させた場合に所定順位未満の顧客や、収益が所定値未満の顧客は平均収益の算出過程から除外してもよい。さらにまた、収益が上位の顧客と下位の顧客の両方を対象外としてもよい。なお、これらの閾値は、企業の知見や経験、分析システム100を用いた実験により妥当と想定される値が予め設定されてよく、また適宜調整されてよい。
【0025】
図5は、エリアクラスタごとの顧客当り平均収益の一例を示す。同図の横軸は10個のエリアクラスタA〜Jを示し、縦軸は顧客当り平均収益(単位は百円/人)を示している。なお、収益について既述したように、平均収益もまた、顧客当りの平均収益の多寡をエリアクラスタ間で比較可能な値であればよい。
【0026】
エリアクラスタ特定部34は、各エリアクラスタの顧客当り平均収益を比較し、複数のエリアクラスタのうち顧客から得られた利益が相対的に大きいエリアクラスタを「高収益エリアクラスタ」として特定する。例えば図5において、顧客当り平均収益が最大のエリアクラスタGを高収益エリアクラスタとしてもよい。また、顧客当り平均収益が所定順位以上(ここでは4位以上)のエリアクラスタC・F・G・Iを高収益エリアクラスタとしてもよい。また、顧客当り平均収益が所定値以上(ここでは3以上)のエリアクラスタC・F・Gを高収益エリアクラスタとしてもよい。
【0027】
図3に戻り、顧客抽出部36は、高収益エリアクラスタに属する町丁目(エリア)に居住する顧客のそれぞれから得られた収益を比較する。そして、その収益が相対的に低い顧客を有望顧客として抽出する。例えば、収益の降順で整列させた場合に所定順位未満の顧客や、収益が所定値未満の顧客を有望顧客として選択してもよい。図6は、有望顧客の選択イメージを示す。同図では、高収益エリアクラスタに居住する顧客を、顧客から得られた収益の降順に整列させている。顧客抽出部36は、同図での順位が下位の顧客である顧客ID「2567」〜「1008」を有望顧客40として選択する。
【0028】
以上の構成による分析システム100の動作を説明する。
情報分析装置12は、顧客情報の分析要求(具体的には有望顧客の抽出要求)をユーザから受け付け、有望顧客の決定処理を開始する。情報分析装置12の顧客情報取得部32は、顧客情報を顧客情報DB10から取得する。エリアクラスタ特定部34は、複数のエリアクラスタのうち、顧客から得られた収益が相対的に大きい高収益エリアクラスタを特定する。顧客抽出部36は、高収益エリアクラスタに居住する複数の顧客のうち、企業にもたらした収益が相対的に小さい顧客を有望顧客として決定する。分析結果出力部38は有望顧客に関する属性情報を適宜顧客情報DB10から取得して、有望顧客に関する情報を情報提示装置14へ送信する。情報提示装置14は有望顧客に関する情報をユーザへ提供し、例えばディスプレイにその情報を表示させる。
【0029】
本実施の形態の分析システム100によれば、高収益エリアクラスタに属するエリアに居住するものの、現在は企業に対して低い収益しかもたらしていない顧客を有望顧客として企業の営業担当者等へ提示できる。有望顧客は、企業に対して現在大きな収益をもたらしている顧客と類似する属性を有する可能性が高いため、営業次第では大きな収益をもたらす顧客となる可能性が高いといえる。企業の営業担当者は、有望顧客に対して他の顧客よりも重点的に販売促進活動を行うことにより、効率的に収益の向上を図ることができる。例えば保険会社の場合、有望顧客に対しては優先して販売員を派遣する一方で、他の顧客に対してはダイレクトメール等、比較的安価な販売チャネルを選択するような戦略を採用できる。言い換えれば、顧客に対する販売チャネルの最適化を図ることができる。このように、分析システム100は、企業の販売促進活動にとって有用な有望顧客の情報を提供することにより、販売促進活動を効果的に支援する。
【0030】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0031】
上記実施の形態においては、高収益エリアクラスタに居住しながら、現在は企業に対して低い収益しかもたらしていない顧客を有望顧客として提示した。変形例においては、エリアクラスタ特定部34は、各エリアクラスタの顧客当り平均収益を比較し、複数のエリアクラスタのうち顧客から得られた利益が相対的に小さいエリアクラスタを「低収益エリアクラスタ」として特定してもよい。例えば、顧客当り平均収益が所定順位未満のエリアクラスタを低収益エリアクラスタとしてもよい。また、顧客当り平均収益が所定値未満のエリアクラスタを低収益エリアクラスタとしてもよい。そして顧客抽出部36は、低収益エリアクラスタに属するエリアに居住する顧客のうち収益が相対的に低い顧客を、企業に対して現在の収益よりも大きな収益を将来もたらす可能性が低い顧客(期待薄顧客)として抽出してもよい。分析結果出力部38は期待薄顧客の情報を情報提示装置14へ提供し、情報提示装置14は期待薄顧客の情報をユーザへ提示する。この変形例によれば、企業の営業担当者は、期待薄顧客に対しては販売促進活動を抑制し、また、ダイレクトメール等の比較的安価な販売チャネルを選択するような戦略を採用できる。
【0032】
また、上記実施の形態においては特に言及しなかったが、本発明の技術思想は、既存顧客からの有望顧客の抽出に留まらない。すなわち、現時点では企業と未取引の、言い換えれば企業に対し収益をもたらしていない潜在的な顧客(潜在顧客)の中から有望顧客を抽出することにも適用できる。この潜在顧客には、例えば、居住する町丁目と、連絡先(住所や電話番号等)のみが判明しているアンケートの回答者が含まれる。分析システム100では、潜在顧客が居住する町丁目が高収益エリアクラスタに属する場合は、その潜在顧客が有望顧客として抽出されることになる。このように、分析システム100によれば、居住する町丁目のみが判明している潜在顧客も含む幅広い母集団から有望顧客を選定できる。
【0033】
また、上記実施の形態においては、顧客情報DB10と情報分析装置12と情報提示装置14とは別装置として説明したが、これらの機能は単一の情報処理装置において実行されてもよいことはもちろんである。また、顧客情報DB10と情報提示装置14はユーザ企業側に設置され、情報分析装置12はサービスプロバイダ側に設置されてもよい。この場合、情報分析装置12は、インターネット等の通信網を介して顧客情報を受信し、有望顧客に関する情報を送信するサービスをユーザ企業に提供する。すなわち、有望顧客の決定支援サービスがASP・SaaSとして提供されることになる。なお、インターネット等の通信網を介して顧客情報を送受する場合、顧客の個人情報の漏洩が問題となりうる。しかしながら上記のように、情報分析装置12における有望顧客の決定処理に必要となる顧客情報は顧客IDと町丁目レベルの顧客住所と収益の情報であり、個人の特定が困難な情報であるため、個人情報の保護も実現できる。
【0034】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【0035】
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0036】
10 顧客情報DB、 12 情報分析装置、 14 情報提示装置、 20 エリアクラスタ情報保持部、 32 顧客情報取得部、 34 エリアクラスタ特定部、 36 顧客抽出部、 38 分析結果出力部、 40 有望顧客、 100 分析システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的に区画された複数のエリアのそれぞれと、住民に関する属性が類似するエリアをグループ化したエリアクラスタとの対応関係を保持するエリアクラスタ情報保持部と、
複数の顧客のそれぞれから得られた収益に関する情報を保持する顧客情報保持部と、
複数のエリアクラスタのそれぞれについて、各エリアクラスタに居住する顧客から得られた収益を集計し、顧客から得られた収益が相対的に大きいエリアクラスタを特定するエリアクラスタ特定部と、
前記収益が相対的に大きいエリアクラスタに居住する顧客のうち、得られた収益が相対的に小さい顧客を、現在得られた収益よりも大きな収益を将来もたらす可能性が高い顧客として抽出する顧客抽出部と、
を備えることを特徴とする情報分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−221883(P2011−221883A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91950(P2010−91950)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)