情報提供システム及び方法
【課題】 運賃収入以外の収入を求めて、タクシー車両内での広告宣伝情報を提供するシステムが種々提案されているが、わざわざタクシー車両内で見る必然性に欠けるために投資対効果が期待できず、現実的にはシステムがタクシー車両に搭載されないこと。
【解決手段】 タクシー車両3に乗り込んだ乗客1の所持する情報記憶媒体4または通信端末5から情報コードを車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11が読み取って、読み取った情報コードに基づく提供情報のうち、タクシー運転者2向けの情報として提供情報の要点が抜粋された要約情報を運転者用端末3−3に出力し、該提供情報のうち詳細情報を乗客用端末3−4に出力する。
【解決手段】 タクシー車両3に乗り込んだ乗客1の所持する情報記憶媒体4または通信端末5から情報コードを車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11が読み取って、読み取った情報コードに基づく提供情報のうち、タクシー運転者2向けの情報として提供情報の要点が抜粋された要約情報を運転者用端末3−3に出力し、該提供情報のうち詳細情報を乗客用端末3−4に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供、特にタクシー車両に乗車した乗客に情報を提供する情報提供システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タクシー運転者に指示を出す先行特許文献として、特開平6−180797号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシーの乗車を望む利用者から配車要求を受け付けると、利用者の現在位置に基づいて配車対象となるタクシー車両を決定し、当該車両の運転者に配車指示を音声で伝える技術が開示されている。ただし、これはタクシーを効率よく運用するための情報をタクシー運転者に提供しているに過ぎない。
【0003】
タクシー運転者に指示を出す先行特許文献として、特開平8−293096号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー運転者が道路地理に疎い場合やタクシーの乗客が言葉の意思疎通が難しい外国人などの場合でも、乗客の希望する目的地に到着できるように、タクシー車両と無線通信で接続された基地局に待機するオペレータからタクシー運転者に指示を出す技術が開示されている。ただし、これはタクシーを効率よく運用するための情報をタクシー運転者に提供しているに過ぎない。
【0004】
タクシーを予約する際の付加価値を提供する先行特許文献として、特開2003−288516号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー車両の配車を予約する際に、タクシー車両の特徴やタクシー運転者の運転経歴や評価を選択条件に加えることが出来る技術が開示されている。ただし、これは利用者の利便性を向上させるための情報を利用者に提供しているに過ぎない。
【0005】
タクシー車両内に情報表示端末を設置する先行特許文献として、特開平10−157526号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシーの運転者に新たな負担を強いることなく、乗客に対してリアルタイムな情報を提供するためにタクシー車両内のサンバイザに代えて乗客に目視される表示装置を設置し、FMデータ放送を受信して表示装置に情報を表示する技術が開示されている。ただし、これはFMデータ放送をタクシー車内で提供しているに過ぎない。
【0006】
タクシー車両内に情報表示端末を設置する先行特許文献として、特開平6−259667号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー車両内に設置された情報表示端末から広告宣伝情報が出力される技術が開示されている。ただし、これは広告情報をタクシー車内で提供しているに過ぎない。
【0007】
タクシーの利用者が持つ情報記憶媒体を用いて情報提供する先行特許文献として、特開2003−256883号公報、特開2003−131608号公報が挙げられる。これらの先行特許文献には、情報記憶媒体読み取り装置から読み取った乗客情報に基づいて、広告宣伝情報などの情報を提供する技術が開示されている。
【0008】
タクシー車両内に設置された情報表示端末に情報を表示し、表示情報に関連する情報を利用者端末に送信する先行特許文献として、特開2003−140582号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー車両内に設置された情報表示部に表示された広告宣伝情報に関連する情報を乗客が所望する場合に、同じく車両内に設置された通信装置を介して乗客の所持する利用者端末に関連情報を送信する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平6−180797号公報
【特許文献2】特開平8−293096号公報
【特許文献3】特開2003−288516号公報
【特許文献4】特開平10−157526号公報
【特許文献5】特開平6−259667号公報
【特許文献6】特開2003−256883号公報
【特許文献7】特開2003−131608号公報
【特許文献8】特開2003−140582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
バブル崩壊後の長引く不況でタクシーの乗客数や客単価は下がり続けており、タクシー会社の経営はどこも厳しい。ところが、不況でリストラによる解雇や転職する人々の受け皿にタクシー業界がなっている側面もあって、タクシー車両の台数は増加傾向にあり、少ない乗客を奪い合う過当競争が大都市を中心に全国各地で起きている。この厳しい状況を乗り切るためにタクシー会社では様々な経営努力を行ってはいるが、初乗り運賃の値下げや深夜割引(例えば5千円を超える運賃を半額)などのコストダウンはもはや限界の域に達しており、運賃収入に頼るキャッシュフロー経営では設備投資もままならない状況が続いている。
【0011】
もちろん、コストダウン以外にも乗客に提供できる付加価値としてサービス向上には努めているものの、新たな設備投資が期待できない以上タクシー運転手それぞれの個人的力量(スキル)に依存せざるを得ず、タクシー運転手にかかる精神的、肉体的負担が年を追うごとに増加しており、出口の見えない状況下でタクシー運転手が疲弊している感は否めない。
【0012】
そこで、運賃収入以外の収入を求めて、タクシー車両内での広告宣伝情報を提供するシステムが種々提案されているが、わざわざタクシー車両内で見る必然性に欠けるために投資対効果が期待できず、現実的にはシステムがタクシー車両に搭載されないという問題点がある。投資が十分回収できなければ投資がなされないのは道理でもある。
【0013】
つまり、特開2003−256882号公報や特開2003−131608号公報に記載されるシステムでは、あらかじめ利用者に発行した情報記憶媒体を用いて、利用者個人に合わせた広告宣伝情報を提供しようとはしているものの、通信環境が格段に進化した現在ではタクシー乗車時でも、携帯電話など利用者にとってパーソナルな利用者端末を使えば、いつでもどこでも所望する情報の取得が可能であり、わざわざタクシー車両内に設置された広告宣伝情報を見る必要がない。
【0014】
なお、特開2003−140582号公報に記載されるシステムでは、タクシー車両内で見かけた情報を利用者端末にダウンロードできることが示されている。ただし、利用者が利用者端末に情報をダウンロードするのは、その情報が利用者にとってお得感のあるクーポン情報などであったからである。つまり、利用者にとって情報提供端末がたまたまタクシー車両内に設置されていた程度の意味でしかなく、タクシー車両内に情報提供端末を設置する必然性は何もない。こうなると、広告宣伝を依頼する広告宣伝主は、(どうせ同様の広告宣伝を依頼するなら)乗車スペースで必然的に乗客数が限られてしまうタクシーよりも多くの乗客を一度に運ぶことの出来るバスに設置された情報提供端末や人通りの多い公共スペースに設置された情報提供端末に広告宣伝費を払うこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
タクシーにはタクシーを運転する運転者がいることを忘れてはならない。タクシー運転者は、同じ公共交通機関のカテゴリに属する電車の運転者やバスの運転者とは異なり、乗客がタクシーに乗車中、その乗客とほぼマンツーマンの会話が出来ることが大きな差異化要素である。
【0016】
つまり、例えば電車の車内には運転者の他に車掌がいることもあるが、多くの乗客が乗車する車両内を巡回する職務であり、乗客とほぼマンツーマンで会話できることは、よほどの過疎地域で運行されている電車の車掌以外にはまずあり得ない。これがタクシーなら、一人で乗車した乗客はタクシー運転者に例えば「最近、景気はどうですか?」などと退屈しのぎに聞いてみたり、退屈そうにしている乗客にタクシー運転手が気を利かせて話し掛けてみたりすることによって、乗客とタクシー運転手との間に会話が生まれる。ただし、これだけのことでは話が弾むかどうかはタクシー運転手の個人的な力量に依存してしまうので、その話題が重要な要素となってくる。
【0017】
人を楽しませると言えば、アミューズメント(娯楽)業界はこの不況の中でも業績好調で、業種によっては近年も増収増益を続けている企業も多い。アミューズメント業界も様々ではあるが、例えばパチンコ産業のさかんな名古屋地区では、パチンコホールを経営する企業が元気であり、設備投資意欲も旺盛である。ちなみに名古屋地区ではパチンコホールを経営する企業のグループ企業にタクシー会社が含まれていることも多々あるが、このようなグループ企業内であってもそれぞれの自立化が進む現在では、パチンコホールの投資意欲がタクシー会社に波及効果を及ぼすに至るべくもない。
【0018】
ただし、アミューズメントでは、人を驚かせるサプライズが重要なキーワードのひとつである。例えばパチンコホール内では到底、提供することの出来ない、新たなサプライズをタクシーならでは方法によって提供できるとなれば話は別で、アミューズメント業界の設備投資のための資金や広告宣伝費がタクシー業界に流入してくることも大いにあり得る。
【0019】
本発明の本質は、タクシー運転者を支援して、タクシー車両内で乗客にサプライズ(驚き)を与えるような情報提供をすることによって、タクシーというものをアミューズメント業界などに有益な情報提供ツールへと変えるとともに、アミューズメント業界などタクシー業界にとって異業種から少なくとも広告宣伝費を(望ましくは、設備投資の資金までも)不況で喘ぐタクシー業界に呼び込むことである。
【0020】
本発明は、タクシー車両に乗車した乗客に情報を提供するために前記情報提供システムは、前記乗客が所持する通信端末または情報記憶媒体から取得した情報コードに対応する提供情報を提供情報データベースに記憶し、前記情報提供システムは、前記通信端末または前記情報記憶媒体と通信可能な情報コード取得手段によって、前記通信端末または前記情報記憶媒体から前記情報コードを読み取ると、前記情報コード取得手段が取得した前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから情報読み込み手段によって読み込み、前記情報提供システムは、前記情報読み込み手段が読み込んだ前記提供情報のうち、前記タクシー車両の運転者向けの情報を運転者用端末に出力し、前記乗客向けの情報を乗客用端末に出力するようにした。
【0021】
また、前記提供情報は、前記運転者向けの情報として該提供情報の要点が抜粋された要約情報と、前記乗客向けの情報として該提供情報の詳細を示す詳細情報とで構成され、前記情報提供システムは、前記運転者用端末に前記要約情報を出力し、前記乗客用端末に前記詳細情報を出力するようにしてもよい。なお、前記要約情報には、前記運転者向けの指示情報が付与されていてもよい。
【0022】
タクシー運転者への情報出力、特に視覚情報の出力はタクシー運転者にとって安全な運転行為の妨げにもなりかねないが、運転者向けの情報を要約情報(提供情報についての要点を抜粋した情報)とすることによって、情報提供システムは、タクシー車両3の安全運転に配慮しながらも、乗客に驚きを与えるための会話に最低限必要な情報をタクシー運転者に与えることが出来る。
【0023】
また、前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段は、前記タクシー車両の乗降車用ドアの開放を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを開始し、該乗降車用ドアの閉鎖を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを終了するようにしてもよい。
【0024】
タクシー車両のドアが開放されている間にしか、乗客はタクシー車両に乗降車することは出来ないことに着目して、ドア開放を示す検知信号の受信に応じて情報コード取得手段はドア周辺領域で情報コードの取得を開始し、同様にドア閉鎖を示す検知信号の受信に応じて情報コードの取得を終了すると、ムダな情報送受信を省くことが出来る。さらに、乗客は開放したドアからしか乗降車することができないのは道理でもあるので、情報読み取り部が対象とするドア周辺領域とは、ドア開放を検知したドアの周辺のみに限定してもよく、さらにムダな情報送受信を省くことが出来る。
【0025】
また、前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段が読み取る前記情報コードは、前記乗客が遊技場の会員であることを示す遊技場会員コードであってもよい。
【0026】
こうすることで、この不況下でも業績が好調な遊技場のキャッシュフローをタクシー業界に呼び込むことができ、遊技場会員コードを用いた新たなサービス展開への一翼をタクシー車両が担うことが出来る。
【0027】
前記通信端末または前記情報記憶媒体は、前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否するようにしてもよい。
【0028】
通信端末または情報記憶媒体から情報コード取得手段が取得する情報を情報コードのみとすることで、通信端末または情報記憶媒体からの情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となるが、さらに情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを設定することによって、より乗客個人の意志とプライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【発明の効果】
【0029】
以上記載の本発明によれば、タクシー運転者を支援して、タクシー車両内で乗客にサプライズ(驚き)を与えるような情報提供が出来るので、タクシーというものをアミューズメント業界などに有益な情報提供ツールへと変えるとともに、アミューズメント業界などタクシー業界にとって異業種から少なくとも広告宣伝費を(望ましくは、設備投資の資金までも)不況で喘ぐタクシー業界に呼び込むという新たな効果も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明に係る情報提供システムの具体的実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態における情報提供システムの概要を説明する説明図である。
【0032】
同図において、乗客1が(タクシー運転者2が運転する)タクシー車両3に乗り込むと、乗客1が所持する情報記憶媒体4または通信端末5から情報コード(図例では、パチンコ会員コード)を車両内情報処理システム3−2(図示せず)が読み取る(説明図の第1場面)。ここで言うところのパチンコ会員コードを情報コードとする情報記憶媒体4とは、一般にパチンコ会員証などと呼ばれるカード形状情報記憶媒体のことであり、同様に通信端末5とは、パチンコ会員登録の実行によってダウンロードしたパチンコ会員コードを記憶領域に記憶する携帯電話などの端末のことである。パチンコ会員証以外には、レンタルビデオ/レンタルCD会員証や英会話スクール会員証、フィットネスクラブ/スポーツジム会員証、エステティックサロン会員証、飲食店や小売店・販売店のポイントカードなど、個人や団体に対して発行される会員証やポイントカードがある。つまり、情報提供システムが提供できる提供情報に対応する情報コードであれば、その種類は特に問わない。なお、映画やコンサート、美術館などの観賞チケットや公共交通機関の座席指定チケット/予約チケット(具体的には新幹線特急券や航空機搭乗券など)に対応する提供情報を情報提供システムが提供できるのなら、これらのチケットから読み取られるチケットコードも本発明における情報コードに相当すると見なしてよい。
【0033】
情報記憶媒体4または通信端末5から読み取った情報コード(図例では、パチンコ会員コード)に基づいて、パチンコに関する要点抜粋情報(要約情報)がタクシー運転者2に運転者用端末3−3から伝えられる(説明図の第2場面)。
【0034】
タクシー運転者2は、運転者用端末3−3から伝えられた要点抜粋情報に従って、乗客1に例えば「お客さん、パチンコする?」と話し掛けてみる。要点抜粋情報にはタクシー運転者2に対して具体的な指示を示す指示情報が付与されていてもよく、指示情報には「乗客1はパチンコ会員であるので、『お客さん、パチンコする?』『お客さん、パチンコをするでしょ』などと聞いてみるように」などの主旨が示されているとよい。このようにタクシー運転者2から話し掛けられた乗客1は「なんでわかるんだろ?」と不思議に思いながら、実際にはパチンコ会員証を持つくらいパチンコ好きであるので乗客1は「えぇ、まぁ」などとタクシー運転者2に答える(説明図の第3場面)。
【0035】
このように乗客1からパチンコ好きの肯定を示す返事が得られた場合には、タクシー運転者2は要点抜粋情報に基づいて乗客1に「あそこのパチンコホール、めちゃ出し最終日だから今日は出るよ」などと伝え、続いて「そこの端末のスイッチを押してごらん。詳しい情報が出てくるから」などと乗客用端末3−4の操作を乗客1に促す。乗客用端末3−4の操作を促された乗客1は「へぇ」などと言いながら、乗客用端末3−4を操作することとなる。乗客用端末3−4からは、運転者用端末3−3に出力された要点抜粋情報に対応した詳細情報が出力される(説明図の第4の場面)。なお、タクシー運転者2が乗客1に伝える内容は要点抜粋情報に示されているとよく、乗客1に乗客用端末3−4の操作を促すことは指示情報として要点抜粋情報に付与されていてもよい。
【0036】
本発明における情報提供システムでは、乗客1は自分がパチンコ好きなのを見透かしたかのようなタクシー運転者2の乗客1に対する話し掛けに興味を覚えるとともに、タクシー運転者2から伝えられた要点抜粋情報によって興味が好奇心へと変わり始める。こうなると乗客1は、携帯電話やパソコンなどに送りつけられた場合にはさほど興味をそそられない情報であっても、本発明における情報提供システムに支援されたタクシー運転者2との会話によってその情報を見てみようかという気になってくる。
【0037】
つまり、これまでの情報提供システムでは、特開2003−256882号公報や特開2003−131608号公報に開示されるシステムのように、あらかじめ利用者に発行した情報記憶媒体を用いたとしても、利用者個人に合わせた広告宣伝情報をいきなり提供してしまっては乗客1が驚くに値しないために、これもまた興味をそそられるまでに至らない点が情報提供システムとして大きな欠陥であった。
【0038】
対して、本発明における情報提供システムは、タネを明かせば手品のような「なーんだ」と思える仕組みではあるが、情報提供のきっかけをタクシー運転者2とすることで「もしかするとこのタクシー運転者2は只者ではない、侮れない、眼力が鋭いのかも」などと乗客1に思わせることが出来る。これは、乗客1にとってこれまでにない新鮮さを乗客1に与えるサプライズ(驚き)であり、「このタクシー運転者2の話は聞いてみよう、聞いてみる価値があるかも」などと思いからタクシー運転者2の話を聞いてしまう点に情報提供システムとしての素晴らしさがある。よって、仮に提供情報の内容が素(す)で聞けばさほど興味をそそられない情報であったとしても、本発明における情報提供システムを用いれば、タクシー運転者2が乗客1に与えるサプライズ(驚き)によって、その情報を乗客1は「へぇ、そうなんだ」などと感心して聞いてしまうという効果がある。
【0039】
図2は、本発明の実施形態における提供情報の構成を説明する説明図である。
【0040】
同図において、提供情報は要点抜粋情報(要約情報)と詳細情報とが組になって構成されている。要点抜粋情報(要約情報)はタクシー運転者2向けの情報であり、詳細情報は乗客1向けの情報である。よって、要点抜粋情報(要約情報)にはタクシー運転者2に対して具体的な指示を示す指示情報が付与されていてもよい。要点抜粋情報(要約情報)は運転者用端末3−3に出力され、詳細情報は乗客用端末3−4を乗客1が操作すると出力される。運転者用端末3−3が要点抜粋情報(要約情報)を文字や記号などの視覚情報で出力する場合には、その表示を乗客1に見えにくく、タクシー運転者のみに見やすい角度で運転者用端末3−3をタクシー車両3内に設置しなければならない。ただし、視覚情報はタクシー運転者2にとって運転行為の妨げになり、安全運転の支障にきたすこともあるので、要点抜粋情報(要約情報)は聴覚情報である音声によって出力してもよく、この場合も同様に音声が乗客1に聞かれないようにあらかじめタクシー運転者2はイヤホンやヘッドセットなどを装備して、要点抜粋情報(要約情報)を聞くとよい。なお、音声の替わりに骨伝導を用いると、乗客1に伝わりにくく(聞こえにくく)、タクシー運転者2のみに、より伝わりやすい情報伝達が可能となる。骨伝導であれば空気ではなく、タクシー運転者2の頭蓋骨を伝わる振動で直接、タクシー運転者2の鼓膜に伝わるので、タクシー運転者2の周囲が騒がしくても要点抜粋情報(要約情報)がよく聞こえ、かつ要点抜粋情報(要約情報)の内容を乗客1に悟られる心配もない。
【0041】
図3は、本発明の実施形態におけるタクシー車両の車両駆動部のハードブロック図である。
【0042】
同図において、制御部(コントローラ)7とは、駆動系制御システムとしてタクシーの車両駆動部3−1の各部位を制御する部位のことであり、制御に必要な演算機能やメモリなどで構成され、演算処理に必要なプログラムもここに含まれ、車両内情報処理システム3−2(図示せず)の演算部8と処理の連携をしている。制御部7に制御された動力部は、加速部(アクセル)および減速部(ブレーキ)の操作に応じた動力を出力し、出力された動力は変速部(トランスミッション)を介して駆動輪(タイヤ)に伝えられ、方向舵部(ステアリング)を握るタクシー運転者2の運転によってタクシー車両3は場所を移動することが出来る。なお、乗用車6には「走る、止まる、曲がる」という基本的な駆動を制御するための情報を取得するセンサは元より、タクシー車両3としての快適性、安全性、利便性を乗客1、タクシー運転者2に提供するために必要な情報を取得する各種センサが備わっている。タクシー車両3には、タクシー車両3に乗降車するためのドアがあり、このドアのドアロックを機構的に実行する部位がドアロックアクチュエータ(ドアロック部)6である。
【0043】
図4は、本発明の実施形態におけるタクシー車両に搭載される乗用車内情報処理システムのハードブロック図である。
【0044】
同図において、車内情報処理システム3−2とは、走る、止まる、曲がるなどのタクシー車両3としての基本性能を実現する駆動系制御システムと連携する情報系制御システムのことであり、一般にBCM(ボディコントロールモジュール)と呼ばれる車内電装品を統括する電子部品モジュールに含まれていてもよい。
【0045】
情報送受信部10とは、車内情報処理システム3−2が運転者用端末3−3や乗客用端末3−4、車両内設置機器と情報の送受信をするための機能を持つ部位である。情報読み取り部11とは、乗客1の所持する情報記憶媒体4または通信端末5が記憶領域に記憶する情報(具体的には情報コードなど)を(情報記憶媒体4または通信端末5との通信処理によって)読み取る機能を持つ部位である。演算部8とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成され、車両駆動部3−1との情報のやりとりも実行する。メモリ部12とは、演算部8が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部13とは、情報提供サーバ9など、タクシー車両3の外部に設置された装置または機器との通信を制御する部位である。DB管理部14とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。
【0046】
DB管理部14に管理される処理プログラム15とは、車両内情報処理システム3−2の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様に受信情報記憶部16とは、情報提供サーバ9から受信した提供情報などの受信情報を記憶するための部位である。情報提供サーバ9から受信した提供情報は演算部8の処理によって、受信情報記憶部16に一旦記憶され、必要に応じて情報が読み出されて運転者用端末3−3または乗客用端末3−4に送信される。同様にテンプレート情報記憶部17とは、運転者用端末3−3または乗客用端末3−4に送信する提供情報を割り当てるためのテンプレート情報を記憶するための部位であり、テンプレート情報を用いると端末に出力しなければならない情報の情報量に対して少ない情報量の送受信で済むという利点がある。同様に情報コード記憶部18とは、情報記憶媒体4または通信端末5から情報読み取り部11によって読み取った情報コードを一時的に記憶するための部位である。同様に認証情報記憶部19とは、情報読み取り部11が情報記憶媒体4または通信端末5から読み取った情報コードを認証するための認証情報を記憶するための部位であり、認証情報は、情報コードが(情報提供システムが提供する)提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報との照合結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを情報提供サーバ9に送信するとムダな情報送受信を省くことが可能となる。情報コードが提供情報の対象であるか否かの判断だけなら、例えば認証情報は、情報コードの種別が何かを情報コードから判断するための情報であればよい。
【0047】
図5は、本発明の実施形態における運転者用端末のハードブロック図である。
【0048】
同図において、演算部20とは、運転者用端末3−3がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。情報入出力部21とは、運転者用端末3−3がタクシー運転者2と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部21−1と情報出力部21−2で構成される。情報入力部21−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、タクシー運転者2からの入力が運転者用端末3−3に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部21−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置、骨伝導装置などが該当し、タクシー運転者2に対して運転者用端末3−3から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。メモリ部22とは、運転者用端末3−3の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部20が実行するプログラムの実行エリアの部位である。情報送受信部23とは、タクシー車両3内に設置された車両内LAN(Local Area Network)などを介して車両内情報処理システム3−2と情報の送受信を制御する部位である。
【0049】
図6は、本発明の実施形態における乗客用端末のハードブロック図である。
【0050】
同図において、演算部24とは、乗客用端末3−4がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。情報入出力部25とは、乗客用端末3−4が乗客1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部25−1と情報出力部25−2で構成される。情報入力部25−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、乗客1からの入力が乗客用端末3−4に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部25−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、乗客1に対して乗客用端末3−4から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。メモリ部26とは、乗客用端末3−4の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部26が実行するプログラムの実行エリアの部位である。情報送受信部27とは、タクシー車両3内に設置された車両内LANなどを介して車両内情報処理システム3−2と情報の送受信を制御する部位である。
【0051】
図7は、本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図である。
【0052】
同図は、乗客1が所持する情報記憶媒体4のハードブロック図を示す。同図において、演算部28とは、情報記憶媒体4がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位である。メモリ部29とは、情報記憶媒体4の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部28が実行するプログラムの実行エリアの部位である。情報送受信部30とは、タクシー車両3内に設置された車両情報処理システム3−2が備える情報読み取り部11と情報の送受信を制御する部位である。情報記憶媒体4の具体的としては、非接触式ID(Identity)タグなどが挙げられる。非接触式IDタグにはラベル型、カード型、コイン型、スティック型など様々な形状があり、用途に合わせて選択すればよい。
【0053】
非接触式IDタグの一種にRF−ID(Radio Frequency Identification)タグがあり、RF−IDを例に情報記憶媒体4の原理を説明する。RF−IDタグは、IC(集積回路)チップとICチップに接続したコイル状アンテナで構成されており、ICチップは制御部、情報記憶部、電源整流部、情報送信部および情報受信部で構成されている。演算部28が制御部に、メモリ部29が情報記憶部に、情報送受信部30が電源整流部、情報送信部、情報受信部およびコイル状アンテナにそれぞれ相当する。RF−IDタグは、ICチップの情報記憶部に情報を記憶させて、コイル状アンテナを介して電波や電磁波で車両情報処理システム3−2(が備える情報読み取り部11)と通信する。近年では非接触電力伝送技術により、情報読み取り部11のアンテナ部側からRF−IDタグに電力を供給し、電力を供給している間だけ情報読み取り部11とRF−IDタグとが通信することも出来る。その原理は以下のとおり。(0)車両内情報処理システム3−2がタクシー車両3のドアロックアクチュエータ(ドアロック部)6の開放を検知すると、開放を検知したドア周辺に、RF−IDタグに内蔵されたICチップに電源供給出力するための電波・電磁波とともに、情報コードの返信を要求する返信要求信号を出力する。(1)RF−IDタグに内蔵されたコイル状アンテナが情報読み取り部11からの電波・電磁波を受信する。(2)受信した電波・電磁波による共振作用でRF−IDタグ内に起電力が発生する。(3)RF−IDタグ内に発生した起電力がICチップに供給され、情報読み取り部11から(ICチップの情報記憶部に記憶する)情報コードの返信要求信号を情報受信部で受信する。(4)情報受信部で受信した返信要求信号に応じてRF−IDタグは、情報記憶部に記憶する情報コードを読み出し、情報送信部によってコイル状アンテナを介して情報読み取り部11に送信する。(5)情報読み取り部11は、RF−IDタグから送信された情報コードを受信する。
【0054】
図8は、本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図である。
【0055】
同図は、乗客1が所持する通信端末5のハードブロック図を示す。同図において、演算部31とは、通信端末5がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位である。情報入出力部32とは、通信端末5乗客1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部32−1と情報出力部32−2で構成される。情報入力部32−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、乗客1からの入力が通信端末5に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部32−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、乗客1に対して通信端末5から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。メモリ部33とは、通信端末5の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部31が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部34とは、タクシー車両3内に設置された車両情報処理システム3−2が備える情報読み取り部11と情報の送受信を制御する部位である。
【0056】
図9は、本発明の実施形態における情報提供サーバのハードブロック図である。
【0057】
同図において、情報入出力部37とは、情報提供サーバ9がサーバ操作者35と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部37−1と情報出力部37−2で構成される。情報入力部37−1における入力装置としては、例えばキーボードやテンキー、マウス、カナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、サーバ操作者35からの入力が情報提供サーバ9に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部37−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、サーバ操作者35に対して情報提供サーバ9から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部38とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部39とは、演算部38が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部40とは、車両内情報処理システム3−2や外部システム36などの装置または機器との通信を制御する部位である。DB管理部41とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。
【0058】
DB管理部41に管理される処理プログラム15とは、情報提供サーバ9の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OSもここに含まれる。同様に提供情報DB(データベース)43とは、タクシー車両3で提供される提供情報を記憶するための部位であり、車両内情報処理システム3−2からの受信した情報コードに対応する提供情報が読み出される。同様に認証情報記憶部44とは、車両内情報処理システム3−2からの受信した情報コードを認証するための認証情報を記憶するための部位であり、認証情報は、情報コードが(情報提供システムが提供する)提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報による認証結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを車両内情報処理システム3−2に送信するとムダな情報送信を省くことが可能となる。同様にその他のプログラム・データとは、情報提供サーバ9の処理として適宜、用いられるプログラムやデータ記憶するための部位である。
【0059】
図10は、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0060】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号を受信する機能と、ドアロック部6からドア閉鎖を示す検知信号を受信する機能と、受信した検知信号に基づいて情報コードの返信を要求する返信要求信号を(ドア開放を示す検知信号に対応する)ドア周辺領域に出力/停止する機能と、返信要求信号に対応する情報コードを(ドア周辺領域を通過した乗客1が所持する)情報記憶媒体4または通信端末5から受信する機能と、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能とを有する。また、車両内情報処理システム3−2は、情報コードの受信に応じて照合用の認証情報を認証情報記憶部19から読み込み、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証する機能を有してもよく、この場合の、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能は、認証情報による認証結果に基づいて情報コードが提供情報の対象であると判断した場合にのみ、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信するとよい。
【0061】
つまり、認証情報は、情報コードが(情報提供システムが提供する)提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報による認証結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを情報提供サーバ9に送信するとムダな情報送受信を省くことが可能となる。
【0062】
図11は、図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における情報提供サーバの機能ブロック図である。
【0063】
同図において、情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信する機能と、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込む機能と、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。また、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信する機能と、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する機能とを有してもよい。
【0064】
なお、情報提供サーバ9は、情報コードの受信に応じて照合用の認証情報を認証情報記憶部44から読み込み、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証する機能を有してもよく、この場合の、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込む機能は、認証情報による認証結果に基づいて情報コードが提供情報の対象であると判断した場合にのみ、受信した情報コードに対応する提供情報を提供情報DB43から読み込むとよい。認証情報は、情報コードが提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報との認証結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを車両内情報処理システム3−2に送信するとムダな情報送信を省くことが可能となる。
【0065】
図12は、図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0066】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信する機能と、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する機能と、受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力する機能とを有する。要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する際に、または詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力する際にテンプレート情報を用いてもよく、情報提供サーバ9から提供情報の受信に応じてテンプレート情報記憶部17からテンプレート情報を読み込み、読み込んだテンプレート情報に情報提供サーバ9から受信した提供情報を当てはめて出力するとよい。テンプレート情報を用いると端末に出力しなければならない情報の情報量に対して少ない情報量の送受信で済むという利点がある。また、車両内情報処理システム3−2は、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付ける機能を有していてもよく、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力するようにしてもよい。
【0067】
なお、車両内情報処理システム3−2は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力に応じて、または運転者用端末3−2の情報入力部21−1からの操作に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する機能を有してもよい。ここで言うところの「乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する」とは、許可後の入力操作を受け付け、許可前に受け付けた入力操作は無効と判断することと同意である。こうすることで、要点抜粋情報(要約情報)よりも早く詳細情報が出力されることを防ぐことが出来る。
【0068】
さらに、車両内情報処理システム3−2は、車両駆動部3−1の制御部7から自車両(タクシー車両3)の走行速度を取得する機能と、取得した走行速度に基づいて自車両(タクシー車両3)の停車を判断する機能とを有してもよく、この場合の、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する機能は、自車両(タクシー車両3)の停車に応じて、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力するとよい。タクシー運転者2への情報出力、特に視覚情報の出力はタクシー運転者2にとって運転行為の妨げになり、安全運転の支障にきたすこともあるが、タクシー車両3が停車してからの出力であればその心配もない。
【0069】
図13は、図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0070】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードの受信に応じて(情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると)、車両内設置機器3−5から状態情報を取得する機能と、取得した状態情報に基づいて乗客1の乗車/降車を判断する機能とを有してもよい。この場合の、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能は、取得した状態情報に基づいて乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断した場合に、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信するとよい。なお、車両内情報処理システム3−2は、取得した状態情報に基づいて乗客1がタクシー車両3から降車したと判断した場合には、判断結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止する機能を有しても良い。車両内設置機器3−5から取得する状態情報とは、例えばタクシーメータから取得する賃走/空車を示す状態情報などのことであり、空車を示す状態情報が賃走を示す状態情報に変更されれば、車両内情報処理システム3−2は、乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断してよく、同様に賃走を示す状態情報から空車を示す状態情報に変更されれば、乗客1がタクシー車両3から降車したと判断してよい。ただし、車両内設置機器3−5から取得する状態情報としてはこれに限らず、車両内情報処理システム3−2が乗客1の乗車/降車を判断する判断材料となる情報であるなら、その種類は特に問わない。
【0071】
図14は、図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0072】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードの受信に応じて(情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると)、情報コード記憶部18から(前回に受信した)情報コードを読み込む機能と、読み込んだ情報コードと受信した情報コードとを照合する機能とを有しても良い。この場合の、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能は、照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致しなかった場合に乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断して、受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶するとともに受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信するとよく、照合結果に基づいて受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶する機能と、照合結果に基づいて受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能とで構成されていてもよい。なお、車両内情報処理システム3−2は、照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致した場合に乗客1がタクシー車両3から降車したと判断して、照合結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止する機能を有しても良い。
【0073】
図15は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0074】
同図は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力された後に、乗客用端末3−4の情報入力部25−1が操作されたことに応じて詳細情報が乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力される場合の処理を示す。別の表現をすれば、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する場合の処理である。
【0075】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1501)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1502)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1503)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1504)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1505)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1506)、処理を終了する。
【0076】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1507)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1508)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1509)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1510)、処理を終了する。
【0077】
また、車両内情報提供システム3−2は、ST1508で要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する際に、またはST1510で詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力する際にテンプレート情報を用いてもよく、情報提供サーバ9から提供情報の受信に応じてテンプレート情報記憶部17から要点抜粋情報(要約情報)用または詳細情報用のテンプレート情報をそれぞれ読み込み、読み込んだテンプレート情報に要点抜粋情報(要約情報)または詳細情報を当てはめて出力するとよい。
【0078】
図16は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0079】
同図は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)が出力され、運転者用端末3−2の情報入力部21−1からの操作を受け付けた後に、乗客用端末3−4の情報入力部25−1が操作されたことに応じて詳細情報が乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力される場合の処理を示す。別の表現をすれば、運転者用端末3−2の情報入力部21−1からの操作に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する場合の処理である。
【0080】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1601)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1602)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1603)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1604)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1605)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1606)、処理を終了する。
【0081】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1607)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1608)、運転者用端末3−3の情報入力部21−1から(乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作許可を指示する)操作を受け付け(ST1609)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1610)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1611)、処理を終了する。
【0082】
図17は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0083】
同図は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)が出力されてからあらかじめ定める一定時間経過した後に、乗客用端末3−4の情報入力部25−1が操作されたことに応じて詳細情報が乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力される場合の処理を示す。別の表現をすれば、運転者用端末3−2の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力からあらかじめ定める時間の経過に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する場合の処理である。
【0084】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1701)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1702)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1703)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1704)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1705)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1706)、処理を終了する。
【0085】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1707)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1708)、あらかじめ定める時間が経過し(ST1709)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1710)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1711)、処理を終了する。
【0086】
図18は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0087】
同図は、車両駆動部3−1の制御部7から自車両(タクシー車両3)の走行速度を取得して、取得した走行速度に基づいて自車両(タクシー車両3)の停車を判断し、自車両(タクシー車両3)の停車に応じて、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する場合の処理である。
【0088】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1801)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1802)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1803)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1804)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1805)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1806)、処理を終了する。
【0089】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1807)、自車両(タクシー車両3)が停車したと判断すると(ST1808)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1809)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1810)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1811)、処理を終了する。
【0090】
図19は、図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0091】
同図は、タクシー車両3のドアが開放されている間にしか、乗客1はタクシー車両3に乗降車することは出来ないことに着目して、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号の受信に応じて情報読み取り部11はドア周辺領域で情報コードの読み取りを開始し、同様にドア閉鎖を示す検知信号の受信に応じて情報コードの読み取りを終了する場合の処理である。なお、乗客1は開放したドアからしか乗降車することができないのは道理でもあるので、情報読み取り部11が対象とするドア周辺領域とは、ドア開放を検知したドアの周辺のみに限定してもよく、ムダな情報送受信を省くことが出来る。
【0092】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号を受信すると(ST1901)、受信した検知信号に基づいて情報コードの返信を要求する返信要求信号を(ドア開放を示す検知信号に対応する)ドア周辺領域に出力(発信)し(ST1902)、返信要求信号に対応する情報コードを(ドア周辺領域を通過した乗客1が所持する)情報記憶媒体4または通信端末5から受信したか否かを判断して(ST1903)、情報コードを受信した場合には、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST1904)、処理を終了する。ST1903で情報コードを受信しなかった場合には、さらにドアロック部6からドア閉鎖を示す検知信号を受信したか否かを判断して(ST1905)、ドア閉鎖を示す検知信号を受信した場合には、返信要求信号の出力(発信)を停止して(ST1906)、処理を終了し、ドア閉鎖を示す検知信号を受信しなかった場合には、ST1903に戻る。
【0093】
図20は、図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0094】
同図は、車両内情報処理システム3−2で情報コードの認証処理(情報コードが提供情報の対象か否かの判断処理)を実行する場合の処理である。同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST2001)、照合用の認証情報を認証情報記憶部19から読み込み(ST2002)、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証(ST2003)し、受信した情報コードは提供情報の対象か否か判断して(ST2004)、提供情報の対象でなかった場合にはそのまま処理を終了し、提供情報の対象であった場合には、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST2005)、処理を終了する。
【0095】
図21は、図11に示す機能ブロック図に対応する情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0096】
同図は、情報提供サーバ9で情報コードの認証処理(情報コードが提供情報の対象か否かの判断処理)を実行する場合の処理である。同図において、情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると(ST2101)、照合用の認証情報を認証情報記憶部44から読み込み(ST2102)、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証(ST2103)し、受信した情報コードは提供情報の対象か否か判断して(ST2104)、提供情報の対象でなかった場合にはそのまま処理を終了し、提供情報の対象であった場合には、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST2105)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST2106)、処理を終了する。
【0097】
図22は、図13に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0098】
同図は、車両内情報処理システム3−2が、車両内設置機器3−5から取得した情報に基づいて、乗客1の乗車/降車を判断する場合の処理である。同図において、車両内情報処理システム3−2は、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号を受信すると(ST2201)、受信した検知信号に基づいて情報コードの返信を要求する返信要求信号を(ドア開放を示す検知信号に対応する)ドア周辺領域に出力(発信)し(ST2202)、返信要求信号に対応する情報コードを(ドア周辺領域を通過した乗客1が所持する)情報記憶媒体4または通信端末5から受信したか否かを判断して(ST2203)、情報コードを受信した場合には、車両内設置機器3−5から機器の状態情報を取得し(ST2204)、取得した状態情報から乗客1はタクシー車両3に乗車したか否かを判断して(ST2205)、乗客1が乗車したと判断した場合には、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST2206)、処理を終了し、乗客1が乗車したと判断しなかった場合には、判断結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止して(ST2207)、処理を終了する。ST2203で情報コードを受信しなかった場合には、さらにドアロック部6からドア閉鎖を示す検知信号を受信したか否かを判断して(ST2208)、ドア閉鎖を示す検知信号を受信した場合には、返信要求信号の出力(発信)を停止して(ST2209)、処理を終了し、ドア閉鎖を示す検知信号を受信しなかった場合には、ST2203に戻る。
【0099】
図23は、図14に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0100】
同図は、車両内情報処理システム3−2が、情報記憶媒体4または通信端末5から受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶しておいて、乗客1がタクシー車両3に乗車したか降車したかの判断に用いる場合の処理である。同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST2301)、情報コードの受信に応じて情報コード記憶部18から(前回に受信した)情報コードを読み込み(ST2302)、読み込んだ情報コードと受信した情報コードとを照合し、受信した情報コードは情報コード記憶部18から読み込んだ情報コードと一致するか否かを判断して(ST2303)、照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致しなかった場合には、乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断して、受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶し(ST2305)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST2306)、処理を終了する。ST2303で照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致した場合には、乗客1がタクシー車両3から降車したと判断して、照合結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止して(ST2304)、処理を終了する。
【0101】
図24は、図10に示す機能ブロック図に対応する、本発明の実施形態における情報記憶媒体または通信端末の機能ブロック図である。
【0102】
同図において、情報記憶媒体4(通信端末5)は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信する機能と、返信要求信号の受信に応じて、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込む機能と、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。メモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込む情報を情報提供サーバ9が情報提供に必要とする情報コードのみとすることで、情報記憶媒体4(通信端末5)から乗客1に関する情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となる。
【0103】
図25は、図24に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または通信端末の演算部におけるフローチャートである。
【0104】
同図において、情報記憶媒体4(通信端末5)は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信すると(ST2501)、返信要求信号の受信に応じて、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込み(ST2502)、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST2503)、処理を終了する。
【0105】
図26は、図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における情報記憶媒体の機能ブロック図である。
【0106】
同図は、情報記憶媒体4が、情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、送信許可フラグが送信不許可を示す場合には、情報記憶媒体4は車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11に対して情報コードの送信を拒否する場合の処理である。情報記憶媒体4から車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11が読み取る情報を情報コードのみとすることで、情報記憶媒体4からの情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となるが、さらに情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを設定することによって、より乗客1個人のプライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【0107】
同図において、情報記憶媒体4は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信する機能と、返信要求信号の受信に応じて、メモリ部(情報記憶領域)29から送信許可フラグを読み込む機能と、読み込んだ送信許可フラグに基づいて情報コードを返信するか否かを判断する機能と、返信すると判断した場合には、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29から読み込む機能と、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。
【0108】
図27は、図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における通信端末の機能ブロック図である。
【0109】
同図は、通信端末5が、情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、送信許可フラグが送信不許可を示す場合には、通信端末5は車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11に対して情報コードの送信を拒否する場合の処理である。通信端末5から車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11が読み取る情報を情報コードのみとすることで、通信端末5からの情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となるが、さらに情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを設定することによって、より乗客1個人のプライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【0110】
同図において、通信端末5は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信する機能と、返信要求信号の受信に応じて、メモリ部(情報記憶領域)33から送信許可フラグを読み込む機能と、読み込んだ送信許可フラグに基づいて情報コードを返信するか否かを判断する機能と、返信すると判断した場合には、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)33から読み込む機能と、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。
【0111】
また、通信端末5は、情報入力部32−1から送信許可フラグの変更を受け付ける機能と、変更を受け付けた送信許可フラグをメモリ部(情報記憶領域)33に書き込む機能とを有してもよい。変更を受け付けた送信許可フラグをメモリ部(情報記憶領域)33に書き込むと、情報入力部32−1から受け付けた送信許可フラグの変更をメモリ部(情報記憶領域)33に書き込んだことになる。こうすることによって、乗客1は自らの判断によって送信許可フラグの状態を変更するとよく、乗客1の気分や状況に応じた情報提供が可能となる。
【0112】
図28は、図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャートである。
【0113】
同図において、情報入力部32−1から送信許可フラグの変更を受け付けると(ST2801)、変更を受け付けた送信許可フラグをメモリ部(情報記憶領域)33に書き込んで(ST2802)、処理を終了する。
【0114】
図29は、図26に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャートである。
【0115】
同図において、情報記憶媒体4(通信端末5)は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信すると(ST2901)、返信要求信号の受信に応じて、メモリ部(情報記憶領域)29から送信許可フラグを読み込み(ST2902)、読み込んだ送信許可フラグは情報コードの返信を許可しているか否かを判断して(ST2903)、許可していないと判断した場合には、そのまま処理を終了し、許可していると判断した場合には、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込み(ST2904)、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST2905)、処理を終了する。
【0116】
図30は、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図である。
【0117】
同図は、車両内情報処理システム3−2の情報読み取り部11のアンテナ部(アンテナ1とアンテナ2)のように配置した場合の電波強度分布を示す。同図において、タクシー車両3の各ドアの少なくとも一辺を対となったアンテナ1とアンテナ2で囲っておくと、乗客1が開放されたドアからタクシー車両3に乗車する際に、乗客1が所持する情報記憶媒体4または通信端末5が図中の斜線部を通過することによって、情報読み取り部11と情報記憶媒体4または通信端末5との通信が成立して、(情報読み取り部11は、情報記憶媒体4または通信端末5から)情報コードを読み取ることが出来る。
【0118】
図31は、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図である。
【0119】
同図において、車両内情報処理システム3−2の情報読み取り部11は例えば対となったアンテナ1とアンテナ2で構成され、1/2λ(ラムダ、電波の波長)の倍数の間隔で設置する。縦方向ではアンテナ1の電波(電力)とアンテナ2の電波にズレはなく、その合成波は強くなる。同様に横方向では、アンテナ1とアンテナ2の電波に1/2λの位相のズレが生じるために、その合成波は相殺され、斜め方向ではアンテナ1とアンテナ2の電波に√2/2λのズレが生じるために、その合成波は弱くなる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施形態における情報提供システムの概要を説明する説明図
【図2】本発明の実施形態における提供情報の構成を説明する説明図
【図3】本発明の実施形態におけるタクシー車両の車両駆動部のハードブロック図
【図4】本発明の実施形態におけるタクシー車両に搭載される乗用車内情報処理システムのハードブロック図
【図5】本発明の実施形態における運転者用端末のハードブロック図
【図6】本発明の実施形態における乗客用端末のハードブロック図
【図7】本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図
【図8】本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図
【図9】本発明の実施形態における情報提供サーバのハードブロック図
【図10】本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図11】図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における情報提供サーバの機能ブロック図
【図12】図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図13】図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図14】図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図15】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図16】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図17】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図18】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図19】図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図20】図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図21】図11に示す機能ブロック図に対応する情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図22】図13に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図23】図14に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図24】図10に示す機能ブロック図に対応する、本発明の実施形態における情報記憶媒体または通信端末の機能ブロック図
【図25】図24に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または通信端末の演算部におけるフローチャート
【図26】図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における情報記憶媒体の機能ブロック図
【図27】図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における通信端末の機能ブロック図
【図28】図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャート
【図29】図26に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャート
【図30】本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図
【図31】本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図
【符号の説明】
【0121】
1 乗客
2 タクシー運転者
3 タクシー車両
3−1 車両駆動部
3−2 車両内情報処理システム
3−3 運転者用端末
3−4 乗客用端末
3−5 車両内設置機器
4 情報記憶媒体
5 通信端末
6 ドアロックアクチュエータ(ドアロック部)
7 制御部(コントローラ)
9 情報提供サーバ
11 情報読み取り部
16 受信情報記憶部
17 テンプレート情報記憶部
18 利用者ID記憶部
19 認証情報記憶部
35 サーバ操作者
36 外部システム
43 提供情報DB
44 認証情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供、特にタクシー車両に乗車した乗客に情報を提供する情報提供システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タクシー運転者に指示を出す先行特許文献として、特開平6−180797号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシーの乗車を望む利用者から配車要求を受け付けると、利用者の現在位置に基づいて配車対象となるタクシー車両を決定し、当該車両の運転者に配車指示を音声で伝える技術が開示されている。ただし、これはタクシーを効率よく運用するための情報をタクシー運転者に提供しているに過ぎない。
【0003】
タクシー運転者に指示を出す先行特許文献として、特開平8−293096号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー運転者が道路地理に疎い場合やタクシーの乗客が言葉の意思疎通が難しい外国人などの場合でも、乗客の希望する目的地に到着できるように、タクシー車両と無線通信で接続された基地局に待機するオペレータからタクシー運転者に指示を出す技術が開示されている。ただし、これはタクシーを効率よく運用するための情報をタクシー運転者に提供しているに過ぎない。
【0004】
タクシーを予約する際の付加価値を提供する先行特許文献として、特開2003−288516号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー車両の配車を予約する際に、タクシー車両の特徴やタクシー運転者の運転経歴や評価を選択条件に加えることが出来る技術が開示されている。ただし、これは利用者の利便性を向上させるための情報を利用者に提供しているに過ぎない。
【0005】
タクシー車両内に情報表示端末を設置する先行特許文献として、特開平10−157526号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシーの運転者に新たな負担を強いることなく、乗客に対してリアルタイムな情報を提供するためにタクシー車両内のサンバイザに代えて乗客に目視される表示装置を設置し、FMデータ放送を受信して表示装置に情報を表示する技術が開示されている。ただし、これはFMデータ放送をタクシー車内で提供しているに過ぎない。
【0006】
タクシー車両内に情報表示端末を設置する先行特許文献として、特開平6−259667号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー車両内に設置された情報表示端末から広告宣伝情報が出力される技術が開示されている。ただし、これは広告情報をタクシー車内で提供しているに過ぎない。
【0007】
タクシーの利用者が持つ情報記憶媒体を用いて情報提供する先行特許文献として、特開2003−256883号公報、特開2003−131608号公報が挙げられる。これらの先行特許文献には、情報記憶媒体読み取り装置から読み取った乗客情報に基づいて、広告宣伝情報などの情報を提供する技術が開示されている。
【0008】
タクシー車両内に設置された情報表示端末に情報を表示し、表示情報に関連する情報を利用者端末に送信する先行特許文献として、特開2003−140582号公報が挙げられる。この先行特許文献には、タクシー車両内に設置された情報表示部に表示された広告宣伝情報に関連する情報を乗客が所望する場合に、同じく車両内に設置された通信装置を介して乗客の所持する利用者端末に関連情報を送信する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平6−180797号公報
【特許文献2】特開平8−293096号公報
【特許文献3】特開2003−288516号公報
【特許文献4】特開平10−157526号公報
【特許文献5】特開平6−259667号公報
【特許文献6】特開2003−256883号公報
【特許文献7】特開2003−131608号公報
【特許文献8】特開2003−140582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
バブル崩壊後の長引く不況でタクシーの乗客数や客単価は下がり続けており、タクシー会社の経営はどこも厳しい。ところが、不況でリストラによる解雇や転職する人々の受け皿にタクシー業界がなっている側面もあって、タクシー車両の台数は増加傾向にあり、少ない乗客を奪い合う過当競争が大都市を中心に全国各地で起きている。この厳しい状況を乗り切るためにタクシー会社では様々な経営努力を行ってはいるが、初乗り運賃の値下げや深夜割引(例えば5千円を超える運賃を半額)などのコストダウンはもはや限界の域に達しており、運賃収入に頼るキャッシュフロー経営では設備投資もままならない状況が続いている。
【0011】
もちろん、コストダウン以外にも乗客に提供できる付加価値としてサービス向上には努めているものの、新たな設備投資が期待できない以上タクシー運転手それぞれの個人的力量(スキル)に依存せざるを得ず、タクシー運転手にかかる精神的、肉体的負担が年を追うごとに増加しており、出口の見えない状況下でタクシー運転手が疲弊している感は否めない。
【0012】
そこで、運賃収入以外の収入を求めて、タクシー車両内での広告宣伝情報を提供するシステムが種々提案されているが、わざわざタクシー車両内で見る必然性に欠けるために投資対効果が期待できず、現実的にはシステムがタクシー車両に搭載されないという問題点がある。投資が十分回収できなければ投資がなされないのは道理でもある。
【0013】
つまり、特開2003−256882号公報や特開2003−131608号公報に記載されるシステムでは、あらかじめ利用者に発行した情報記憶媒体を用いて、利用者個人に合わせた広告宣伝情報を提供しようとはしているものの、通信環境が格段に進化した現在ではタクシー乗車時でも、携帯電話など利用者にとってパーソナルな利用者端末を使えば、いつでもどこでも所望する情報の取得が可能であり、わざわざタクシー車両内に設置された広告宣伝情報を見る必要がない。
【0014】
なお、特開2003−140582号公報に記載されるシステムでは、タクシー車両内で見かけた情報を利用者端末にダウンロードできることが示されている。ただし、利用者が利用者端末に情報をダウンロードするのは、その情報が利用者にとってお得感のあるクーポン情報などであったからである。つまり、利用者にとって情報提供端末がたまたまタクシー車両内に設置されていた程度の意味でしかなく、タクシー車両内に情報提供端末を設置する必然性は何もない。こうなると、広告宣伝を依頼する広告宣伝主は、(どうせ同様の広告宣伝を依頼するなら)乗車スペースで必然的に乗客数が限られてしまうタクシーよりも多くの乗客を一度に運ぶことの出来るバスに設置された情報提供端末や人通りの多い公共スペースに設置された情報提供端末に広告宣伝費を払うこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
タクシーにはタクシーを運転する運転者がいることを忘れてはならない。タクシー運転者は、同じ公共交通機関のカテゴリに属する電車の運転者やバスの運転者とは異なり、乗客がタクシーに乗車中、その乗客とほぼマンツーマンの会話が出来ることが大きな差異化要素である。
【0016】
つまり、例えば電車の車内には運転者の他に車掌がいることもあるが、多くの乗客が乗車する車両内を巡回する職務であり、乗客とほぼマンツーマンで会話できることは、よほどの過疎地域で運行されている電車の車掌以外にはまずあり得ない。これがタクシーなら、一人で乗車した乗客はタクシー運転者に例えば「最近、景気はどうですか?」などと退屈しのぎに聞いてみたり、退屈そうにしている乗客にタクシー運転手が気を利かせて話し掛けてみたりすることによって、乗客とタクシー運転手との間に会話が生まれる。ただし、これだけのことでは話が弾むかどうかはタクシー運転手の個人的な力量に依存してしまうので、その話題が重要な要素となってくる。
【0017】
人を楽しませると言えば、アミューズメント(娯楽)業界はこの不況の中でも業績好調で、業種によっては近年も増収増益を続けている企業も多い。アミューズメント業界も様々ではあるが、例えばパチンコ産業のさかんな名古屋地区では、パチンコホールを経営する企業が元気であり、設備投資意欲も旺盛である。ちなみに名古屋地区ではパチンコホールを経営する企業のグループ企業にタクシー会社が含まれていることも多々あるが、このようなグループ企業内であってもそれぞれの自立化が進む現在では、パチンコホールの投資意欲がタクシー会社に波及効果を及ぼすに至るべくもない。
【0018】
ただし、アミューズメントでは、人を驚かせるサプライズが重要なキーワードのひとつである。例えばパチンコホール内では到底、提供することの出来ない、新たなサプライズをタクシーならでは方法によって提供できるとなれば話は別で、アミューズメント業界の設備投資のための資金や広告宣伝費がタクシー業界に流入してくることも大いにあり得る。
【0019】
本発明の本質は、タクシー運転者を支援して、タクシー車両内で乗客にサプライズ(驚き)を与えるような情報提供をすることによって、タクシーというものをアミューズメント業界などに有益な情報提供ツールへと変えるとともに、アミューズメント業界などタクシー業界にとって異業種から少なくとも広告宣伝費を(望ましくは、設備投資の資金までも)不況で喘ぐタクシー業界に呼び込むことである。
【0020】
本発明は、タクシー車両に乗車した乗客に情報を提供するために前記情報提供システムは、前記乗客が所持する通信端末または情報記憶媒体から取得した情報コードに対応する提供情報を提供情報データベースに記憶し、前記情報提供システムは、前記通信端末または前記情報記憶媒体と通信可能な情報コード取得手段によって、前記通信端末または前記情報記憶媒体から前記情報コードを読み取ると、前記情報コード取得手段が取得した前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから情報読み込み手段によって読み込み、前記情報提供システムは、前記情報読み込み手段が読み込んだ前記提供情報のうち、前記タクシー車両の運転者向けの情報を運転者用端末に出力し、前記乗客向けの情報を乗客用端末に出力するようにした。
【0021】
また、前記提供情報は、前記運転者向けの情報として該提供情報の要点が抜粋された要約情報と、前記乗客向けの情報として該提供情報の詳細を示す詳細情報とで構成され、前記情報提供システムは、前記運転者用端末に前記要約情報を出力し、前記乗客用端末に前記詳細情報を出力するようにしてもよい。なお、前記要約情報には、前記運転者向けの指示情報が付与されていてもよい。
【0022】
タクシー運転者への情報出力、特に視覚情報の出力はタクシー運転者にとって安全な運転行為の妨げにもなりかねないが、運転者向けの情報を要約情報(提供情報についての要点を抜粋した情報)とすることによって、情報提供システムは、タクシー車両3の安全運転に配慮しながらも、乗客に驚きを与えるための会話に最低限必要な情報をタクシー運転者に与えることが出来る。
【0023】
また、前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段は、前記タクシー車両の乗降車用ドアの開放を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを開始し、該乗降車用ドアの閉鎖を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを終了するようにしてもよい。
【0024】
タクシー車両のドアが開放されている間にしか、乗客はタクシー車両に乗降車することは出来ないことに着目して、ドア開放を示す検知信号の受信に応じて情報コード取得手段はドア周辺領域で情報コードの取得を開始し、同様にドア閉鎖を示す検知信号の受信に応じて情報コードの取得を終了すると、ムダな情報送受信を省くことが出来る。さらに、乗客は開放したドアからしか乗降車することができないのは道理でもあるので、情報読み取り部が対象とするドア周辺領域とは、ドア開放を検知したドアの周辺のみに限定してもよく、さらにムダな情報送受信を省くことが出来る。
【0025】
また、前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段が読み取る前記情報コードは、前記乗客が遊技場の会員であることを示す遊技場会員コードであってもよい。
【0026】
こうすることで、この不況下でも業績が好調な遊技場のキャッシュフローをタクシー業界に呼び込むことができ、遊技場会員コードを用いた新たなサービス展開への一翼をタクシー車両が担うことが出来る。
【0027】
前記通信端末または前記情報記憶媒体は、前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否するようにしてもよい。
【0028】
通信端末または情報記憶媒体から情報コード取得手段が取得する情報を情報コードのみとすることで、通信端末または情報記憶媒体からの情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となるが、さらに情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを設定することによって、より乗客個人の意志とプライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【発明の効果】
【0029】
以上記載の本発明によれば、タクシー運転者を支援して、タクシー車両内で乗客にサプライズ(驚き)を与えるような情報提供が出来るので、タクシーというものをアミューズメント業界などに有益な情報提供ツールへと変えるとともに、アミューズメント業界などタクシー業界にとって異業種から少なくとも広告宣伝費を(望ましくは、設備投資の資金までも)不況で喘ぐタクシー業界に呼び込むという新たな効果も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明に係る情報提供システムの具体的実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態における情報提供システムの概要を説明する説明図である。
【0032】
同図において、乗客1が(タクシー運転者2が運転する)タクシー車両3に乗り込むと、乗客1が所持する情報記憶媒体4または通信端末5から情報コード(図例では、パチンコ会員コード)を車両内情報処理システム3−2(図示せず)が読み取る(説明図の第1場面)。ここで言うところのパチンコ会員コードを情報コードとする情報記憶媒体4とは、一般にパチンコ会員証などと呼ばれるカード形状情報記憶媒体のことであり、同様に通信端末5とは、パチンコ会員登録の実行によってダウンロードしたパチンコ会員コードを記憶領域に記憶する携帯電話などの端末のことである。パチンコ会員証以外には、レンタルビデオ/レンタルCD会員証や英会話スクール会員証、フィットネスクラブ/スポーツジム会員証、エステティックサロン会員証、飲食店や小売店・販売店のポイントカードなど、個人や団体に対して発行される会員証やポイントカードがある。つまり、情報提供システムが提供できる提供情報に対応する情報コードであれば、その種類は特に問わない。なお、映画やコンサート、美術館などの観賞チケットや公共交通機関の座席指定チケット/予約チケット(具体的には新幹線特急券や航空機搭乗券など)に対応する提供情報を情報提供システムが提供できるのなら、これらのチケットから読み取られるチケットコードも本発明における情報コードに相当すると見なしてよい。
【0033】
情報記憶媒体4または通信端末5から読み取った情報コード(図例では、パチンコ会員コード)に基づいて、パチンコに関する要点抜粋情報(要約情報)がタクシー運転者2に運転者用端末3−3から伝えられる(説明図の第2場面)。
【0034】
タクシー運転者2は、運転者用端末3−3から伝えられた要点抜粋情報に従って、乗客1に例えば「お客さん、パチンコする?」と話し掛けてみる。要点抜粋情報にはタクシー運転者2に対して具体的な指示を示す指示情報が付与されていてもよく、指示情報には「乗客1はパチンコ会員であるので、『お客さん、パチンコする?』『お客さん、パチンコをするでしょ』などと聞いてみるように」などの主旨が示されているとよい。このようにタクシー運転者2から話し掛けられた乗客1は「なんでわかるんだろ?」と不思議に思いながら、実際にはパチンコ会員証を持つくらいパチンコ好きであるので乗客1は「えぇ、まぁ」などとタクシー運転者2に答える(説明図の第3場面)。
【0035】
このように乗客1からパチンコ好きの肯定を示す返事が得られた場合には、タクシー運転者2は要点抜粋情報に基づいて乗客1に「あそこのパチンコホール、めちゃ出し最終日だから今日は出るよ」などと伝え、続いて「そこの端末のスイッチを押してごらん。詳しい情報が出てくるから」などと乗客用端末3−4の操作を乗客1に促す。乗客用端末3−4の操作を促された乗客1は「へぇ」などと言いながら、乗客用端末3−4を操作することとなる。乗客用端末3−4からは、運転者用端末3−3に出力された要点抜粋情報に対応した詳細情報が出力される(説明図の第4の場面)。なお、タクシー運転者2が乗客1に伝える内容は要点抜粋情報に示されているとよく、乗客1に乗客用端末3−4の操作を促すことは指示情報として要点抜粋情報に付与されていてもよい。
【0036】
本発明における情報提供システムでは、乗客1は自分がパチンコ好きなのを見透かしたかのようなタクシー運転者2の乗客1に対する話し掛けに興味を覚えるとともに、タクシー運転者2から伝えられた要点抜粋情報によって興味が好奇心へと変わり始める。こうなると乗客1は、携帯電話やパソコンなどに送りつけられた場合にはさほど興味をそそられない情報であっても、本発明における情報提供システムに支援されたタクシー運転者2との会話によってその情報を見てみようかという気になってくる。
【0037】
つまり、これまでの情報提供システムでは、特開2003−256882号公報や特開2003−131608号公報に開示されるシステムのように、あらかじめ利用者に発行した情報記憶媒体を用いたとしても、利用者個人に合わせた広告宣伝情報をいきなり提供してしまっては乗客1が驚くに値しないために、これもまた興味をそそられるまでに至らない点が情報提供システムとして大きな欠陥であった。
【0038】
対して、本発明における情報提供システムは、タネを明かせば手品のような「なーんだ」と思える仕組みではあるが、情報提供のきっかけをタクシー運転者2とすることで「もしかするとこのタクシー運転者2は只者ではない、侮れない、眼力が鋭いのかも」などと乗客1に思わせることが出来る。これは、乗客1にとってこれまでにない新鮮さを乗客1に与えるサプライズ(驚き)であり、「このタクシー運転者2の話は聞いてみよう、聞いてみる価値があるかも」などと思いからタクシー運転者2の話を聞いてしまう点に情報提供システムとしての素晴らしさがある。よって、仮に提供情報の内容が素(す)で聞けばさほど興味をそそられない情報であったとしても、本発明における情報提供システムを用いれば、タクシー運転者2が乗客1に与えるサプライズ(驚き)によって、その情報を乗客1は「へぇ、そうなんだ」などと感心して聞いてしまうという効果がある。
【0039】
図2は、本発明の実施形態における提供情報の構成を説明する説明図である。
【0040】
同図において、提供情報は要点抜粋情報(要約情報)と詳細情報とが組になって構成されている。要点抜粋情報(要約情報)はタクシー運転者2向けの情報であり、詳細情報は乗客1向けの情報である。よって、要点抜粋情報(要約情報)にはタクシー運転者2に対して具体的な指示を示す指示情報が付与されていてもよい。要点抜粋情報(要約情報)は運転者用端末3−3に出力され、詳細情報は乗客用端末3−4を乗客1が操作すると出力される。運転者用端末3−3が要点抜粋情報(要約情報)を文字や記号などの視覚情報で出力する場合には、その表示を乗客1に見えにくく、タクシー運転者のみに見やすい角度で運転者用端末3−3をタクシー車両3内に設置しなければならない。ただし、視覚情報はタクシー運転者2にとって運転行為の妨げになり、安全運転の支障にきたすこともあるので、要点抜粋情報(要約情報)は聴覚情報である音声によって出力してもよく、この場合も同様に音声が乗客1に聞かれないようにあらかじめタクシー運転者2はイヤホンやヘッドセットなどを装備して、要点抜粋情報(要約情報)を聞くとよい。なお、音声の替わりに骨伝導を用いると、乗客1に伝わりにくく(聞こえにくく)、タクシー運転者2のみに、より伝わりやすい情報伝達が可能となる。骨伝導であれば空気ではなく、タクシー運転者2の頭蓋骨を伝わる振動で直接、タクシー運転者2の鼓膜に伝わるので、タクシー運転者2の周囲が騒がしくても要点抜粋情報(要約情報)がよく聞こえ、かつ要点抜粋情報(要約情報)の内容を乗客1に悟られる心配もない。
【0041】
図3は、本発明の実施形態におけるタクシー車両の車両駆動部のハードブロック図である。
【0042】
同図において、制御部(コントローラ)7とは、駆動系制御システムとしてタクシーの車両駆動部3−1の各部位を制御する部位のことであり、制御に必要な演算機能やメモリなどで構成され、演算処理に必要なプログラムもここに含まれ、車両内情報処理システム3−2(図示せず)の演算部8と処理の連携をしている。制御部7に制御された動力部は、加速部(アクセル)および減速部(ブレーキ)の操作に応じた動力を出力し、出力された動力は変速部(トランスミッション)を介して駆動輪(タイヤ)に伝えられ、方向舵部(ステアリング)を握るタクシー運転者2の運転によってタクシー車両3は場所を移動することが出来る。なお、乗用車6には「走る、止まる、曲がる」という基本的な駆動を制御するための情報を取得するセンサは元より、タクシー車両3としての快適性、安全性、利便性を乗客1、タクシー運転者2に提供するために必要な情報を取得する各種センサが備わっている。タクシー車両3には、タクシー車両3に乗降車するためのドアがあり、このドアのドアロックを機構的に実行する部位がドアロックアクチュエータ(ドアロック部)6である。
【0043】
図4は、本発明の実施形態におけるタクシー車両に搭載される乗用車内情報処理システムのハードブロック図である。
【0044】
同図において、車内情報処理システム3−2とは、走る、止まる、曲がるなどのタクシー車両3としての基本性能を実現する駆動系制御システムと連携する情報系制御システムのことであり、一般にBCM(ボディコントロールモジュール)と呼ばれる車内電装品を統括する電子部品モジュールに含まれていてもよい。
【0045】
情報送受信部10とは、車内情報処理システム3−2が運転者用端末3−3や乗客用端末3−4、車両内設置機器と情報の送受信をするための機能を持つ部位である。情報読み取り部11とは、乗客1の所持する情報記憶媒体4または通信端末5が記憶領域に記憶する情報(具体的には情報コードなど)を(情報記憶媒体4または通信端末5との通信処理によって)読み取る機能を持つ部位である。演算部8とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成され、車両駆動部3−1との情報のやりとりも実行する。メモリ部12とは、演算部8が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部13とは、情報提供サーバ9など、タクシー車両3の外部に設置された装置または機器との通信を制御する部位である。DB管理部14とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。
【0046】
DB管理部14に管理される処理プログラム15とは、車両内情報処理システム3−2の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。同様に受信情報記憶部16とは、情報提供サーバ9から受信した提供情報などの受信情報を記憶するための部位である。情報提供サーバ9から受信した提供情報は演算部8の処理によって、受信情報記憶部16に一旦記憶され、必要に応じて情報が読み出されて運転者用端末3−3または乗客用端末3−4に送信される。同様にテンプレート情報記憶部17とは、運転者用端末3−3または乗客用端末3−4に送信する提供情報を割り当てるためのテンプレート情報を記憶するための部位であり、テンプレート情報を用いると端末に出力しなければならない情報の情報量に対して少ない情報量の送受信で済むという利点がある。同様に情報コード記憶部18とは、情報記憶媒体4または通信端末5から情報読み取り部11によって読み取った情報コードを一時的に記憶するための部位である。同様に認証情報記憶部19とは、情報読み取り部11が情報記憶媒体4または通信端末5から読み取った情報コードを認証するための認証情報を記憶するための部位であり、認証情報は、情報コードが(情報提供システムが提供する)提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報との照合結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを情報提供サーバ9に送信するとムダな情報送受信を省くことが可能となる。情報コードが提供情報の対象であるか否かの判断だけなら、例えば認証情報は、情報コードの種別が何かを情報コードから判断するための情報であればよい。
【0047】
図5は、本発明の実施形態における運転者用端末のハードブロック図である。
【0048】
同図において、演算部20とは、運転者用端末3−3がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。情報入出力部21とは、運転者用端末3−3がタクシー運転者2と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部21−1と情報出力部21−2で構成される。情報入力部21−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、タクシー運転者2からの入力が運転者用端末3−3に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部21−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置、骨伝導装置などが該当し、タクシー運転者2に対して運転者用端末3−3から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。メモリ部22とは、運転者用端末3−3の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部20が実行するプログラムの実行エリアの部位である。情報送受信部23とは、タクシー車両3内に設置された車両内LAN(Local Area Network)などを介して車両内情報処理システム3−2と情報の送受信を制御する部位である。
【0049】
図6は、本発明の実施形態における乗客用端末のハードブロック図である。
【0050】
同図において、演算部24とは、乗客用端末3−4がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。情報入出力部25とは、乗客用端末3−4が乗客1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部25−1と情報出力部25−2で構成される。情報入力部25−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、乗客1からの入力が乗客用端末3−4に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部25−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、乗客1に対して乗客用端末3−4から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。メモリ部26とは、乗客用端末3−4の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部26が実行するプログラムの実行エリアの部位である。情報送受信部27とは、タクシー車両3内に設置された車両内LANなどを介して車両内情報処理システム3−2と情報の送受信を制御する部位である。
【0051】
図7は、本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図である。
【0052】
同図は、乗客1が所持する情報記憶媒体4のハードブロック図を示す。同図において、演算部28とは、情報記憶媒体4がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位である。メモリ部29とは、情報記憶媒体4の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部28が実行するプログラムの実行エリアの部位である。情報送受信部30とは、タクシー車両3内に設置された車両情報処理システム3−2が備える情報読み取り部11と情報の送受信を制御する部位である。情報記憶媒体4の具体的としては、非接触式ID(Identity)タグなどが挙げられる。非接触式IDタグにはラベル型、カード型、コイン型、スティック型など様々な形状があり、用途に合わせて選択すればよい。
【0053】
非接触式IDタグの一種にRF−ID(Radio Frequency Identification)タグがあり、RF−IDを例に情報記憶媒体4の原理を説明する。RF−IDタグは、IC(集積回路)チップとICチップに接続したコイル状アンテナで構成されており、ICチップは制御部、情報記憶部、電源整流部、情報送信部および情報受信部で構成されている。演算部28が制御部に、メモリ部29が情報記憶部に、情報送受信部30が電源整流部、情報送信部、情報受信部およびコイル状アンテナにそれぞれ相当する。RF−IDタグは、ICチップの情報記憶部に情報を記憶させて、コイル状アンテナを介して電波や電磁波で車両情報処理システム3−2(が備える情報読み取り部11)と通信する。近年では非接触電力伝送技術により、情報読み取り部11のアンテナ部側からRF−IDタグに電力を供給し、電力を供給している間だけ情報読み取り部11とRF−IDタグとが通信することも出来る。その原理は以下のとおり。(0)車両内情報処理システム3−2がタクシー車両3のドアロックアクチュエータ(ドアロック部)6の開放を検知すると、開放を検知したドア周辺に、RF−IDタグに内蔵されたICチップに電源供給出力するための電波・電磁波とともに、情報コードの返信を要求する返信要求信号を出力する。(1)RF−IDタグに内蔵されたコイル状アンテナが情報読み取り部11からの電波・電磁波を受信する。(2)受信した電波・電磁波による共振作用でRF−IDタグ内に起電力が発生する。(3)RF−IDタグ内に発生した起電力がICチップに供給され、情報読み取り部11から(ICチップの情報記憶部に記憶する)情報コードの返信要求信号を情報受信部で受信する。(4)情報受信部で受信した返信要求信号に応じてRF−IDタグは、情報記憶部に記憶する情報コードを読み出し、情報送信部によってコイル状アンテナを介して情報読み取り部11に送信する。(5)情報読み取り部11は、RF−IDタグから送信された情報コードを受信する。
【0054】
図8は、本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図である。
【0055】
同図は、乗客1が所持する通信端末5のハードブロック図を示す。同図において、演算部31とは、通信端末5がプログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位である。情報入出力部32とは、通信端末5乗客1と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部32−1と情報出力部32−2で構成される。情報入力部32−1における入力装置としては、例えばテンキーやカナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、乗客1からの入力が通信端末5に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部32−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、乗客1に対して通信端末5から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。メモリ部33とは、通信端末5の目的を達成するために必要なプログラムやデータを記憶する記憶エリアと演算部31が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部34とは、タクシー車両3内に設置された車両情報処理システム3−2が備える情報読み取り部11と情報の送受信を制御する部位である。
【0056】
図9は、本発明の実施形態における情報提供サーバのハードブロック図である。
【0057】
同図において、情報入出力部37とは、情報提供サーバ9がサーバ操作者35と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位であり、大まかに情報入力部37−1と情報出力部37−2で構成される。情報入力部37−1における入力装置としては、例えばキーボードやテンキー、マウス、カナキー、押しボタンスイッチ、タッチスイッチ、音声入力などが該当し、サーバ操作者35からの入力が情報提供サーバ9に対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また情報出力部37−2における出力装置としては、例えばディスプレイ、音声出力装置などが該当し、サーバ操作者35に対して情報提供サーバ9から情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部38とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部39とは、演算部38が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部40とは、車両内情報処理システム3−2や外部システム36などの装置または機器との通信を制御する部位である。DB管理部41とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。
【0058】
DB管理部41に管理される処理プログラム15とは、情報提供サーバ9の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OSもここに含まれる。同様に提供情報DB(データベース)43とは、タクシー車両3で提供される提供情報を記憶するための部位であり、車両内情報処理システム3−2からの受信した情報コードに対応する提供情報が読み出される。同様に認証情報記憶部44とは、車両内情報処理システム3−2からの受信した情報コードを認証するための認証情報を記憶するための部位であり、認証情報は、情報コードが(情報提供システムが提供する)提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報による認証結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを車両内情報処理システム3−2に送信するとムダな情報送信を省くことが可能となる。同様にその他のプログラム・データとは、情報提供サーバ9の処理として適宜、用いられるプログラムやデータ記憶するための部位である。
【0059】
図10は、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0060】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号を受信する機能と、ドアロック部6からドア閉鎖を示す検知信号を受信する機能と、受信した検知信号に基づいて情報コードの返信を要求する返信要求信号を(ドア開放を示す検知信号に対応する)ドア周辺領域に出力/停止する機能と、返信要求信号に対応する情報コードを(ドア周辺領域を通過した乗客1が所持する)情報記憶媒体4または通信端末5から受信する機能と、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能とを有する。また、車両内情報処理システム3−2は、情報コードの受信に応じて照合用の認証情報を認証情報記憶部19から読み込み、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証する機能を有してもよく、この場合の、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能は、認証情報による認証結果に基づいて情報コードが提供情報の対象であると判断した場合にのみ、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信するとよい。
【0061】
つまり、認証情報は、情報コードが(情報提供システムが提供する)提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報による認証結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを情報提供サーバ9に送信するとムダな情報送受信を省くことが可能となる。
【0062】
図11は、図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における情報提供サーバの機能ブロック図である。
【0063】
同図において、情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信する機能と、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込む機能と、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。また、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信する機能と、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する機能とを有してもよい。
【0064】
なお、情報提供サーバ9は、情報コードの受信に応じて照合用の認証情報を認証情報記憶部44から読み込み、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証する機能を有してもよく、この場合の、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込む機能は、認証情報による認証結果に基づいて情報コードが提供情報の対象であると判断した場合にのみ、受信した情報コードに対応する提供情報を提供情報DB43から読み込むとよい。認証情報は、情報コードが提供情報の対象であるか否かを判断するために用いられる。認証情報との認証結果に基づいて提供情報の対象であると判断した場合にのみ、情報コードを車両内情報処理システム3−2に送信するとムダな情報送信を省くことが可能となる。
【0065】
図12は、図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0066】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信する機能と、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する機能と、受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力する機能とを有する。要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する際に、または詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力する際にテンプレート情報を用いてもよく、情報提供サーバ9から提供情報の受信に応じてテンプレート情報記憶部17からテンプレート情報を読み込み、読み込んだテンプレート情報に情報提供サーバ9から受信した提供情報を当てはめて出力するとよい。テンプレート情報を用いると端末に出力しなければならない情報の情報量に対して少ない情報量の送受信で済むという利点がある。また、車両内情報処理システム3−2は、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付ける機能を有していてもよく、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力するようにしてもよい。
【0067】
なお、車両内情報処理システム3−2は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力に応じて、または運転者用端末3−2の情報入力部21−1からの操作に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する機能を有してもよい。ここで言うところの「乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する」とは、許可後の入力操作を受け付け、許可前に受け付けた入力操作は無効と判断することと同意である。こうすることで、要点抜粋情報(要約情報)よりも早く詳細情報が出力されることを防ぐことが出来る。
【0068】
さらに、車両内情報処理システム3−2は、車両駆動部3−1の制御部7から自車両(タクシー車両3)の走行速度を取得する機能と、取得した走行速度に基づいて自車両(タクシー車両3)の停車を判断する機能とを有してもよく、この場合の、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する機能は、自車両(タクシー車両3)の停車に応じて、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力するとよい。タクシー運転者2への情報出力、特に視覚情報の出力はタクシー運転者2にとって運転行為の妨げになり、安全運転の支障にきたすこともあるが、タクシー車両3が停車してからの出力であればその心配もない。
【0069】
図13は、図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0070】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードの受信に応じて(情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると)、車両内設置機器3−5から状態情報を取得する機能と、取得した状態情報に基づいて乗客1の乗車/降車を判断する機能とを有してもよい。この場合の、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能は、取得した状態情報に基づいて乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断した場合に、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信するとよい。なお、車両内情報処理システム3−2は、取得した状態情報に基づいて乗客1がタクシー車両3から降車したと判断した場合には、判断結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止する機能を有しても良い。車両内設置機器3−5から取得する状態情報とは、例えばタクシーメータから取得する賃走/空車を示す状態情報などのことであり、空車を示す状態情報が賃走を示す状態情報に変更されれば、車両内情報処理システム3−2は、乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断してよく、同様に賃走を示す状態情報から空車を示す状態情報に変更されれば、乗客1がタクシー車両3から降車したと判断してよい。ただし、車両内設置機器3−5から取得する状態情報としてはこれに限らず、車両内情報処理システム3−2が乗客1の乗車/降車を判断する判断材料となる情報であるなら、その種類は特に問わない。
【0071】
図14は、図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図である。
【0072】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードの受信に応じて(情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると)、情報コード記憶部18から(前回に受信した)情報コードを読み込む機能と、読み込んだ情報コードと受信した情報コードとを照合する機能とを有しても良い。この場合の、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能は、照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致しなかった場合に乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断して、受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶するとともに受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信するとよく、照合結果に基づいて受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶する機能と、照合結果に基づいて受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する機能とで構成されていてもよい。なお、車両内情報処理システム3−2は、照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致した場合に乗客1がタクシー車両3から降車したと判断して、照合結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止する機能を有しても良い。
【0073】
図15は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0074】
同図は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力された後に、乗客用端末3−4の情報入力部25−1が操作されたことに応じて詳細情報が乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力される場合の処理を示す。別の表現をすれば、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する場合の処理である。
【0075】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1501)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1502)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1503)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1504)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1505)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1506)、処理を終了する。
【0076】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1507)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1508)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1509)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1510)、処理を終了する。
【0077】
また、車両内情報提供システム3−2は、ST1508で要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する際に、またはST1510で詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力する際にテンプレート情報を用いてもよく、情報提供サーバ9から提供情報の受信に応じてテンプレート情報記憶部17から要点抜粋情報(要約情報)用または詳細情報用のテンプレート情報をそれぞれ読み込み、読み込んだテンプレート情報に要点抜粋情報(要約情報)または詳細情報を当てはめて出力するとよい。
【0078】
図16は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0079】
同図は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)が出力され、運転者用端末3−2の情報入力部21−1からの操作を受け付けた後に、乗客用端末3−4の情報入力部25−1が操作されたことに応じて詳細情報が乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力される場合の処理を示す。別の表現をすれば、運転者用端末3−2の情報入力部21−1からの操作に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する場合の処理である。
【0080】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1601)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1602)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1603)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1604)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1605)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1606)、処理を終了する。
【0081】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1607)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1608)、運転者用端末3−3の情報入力部21−1から(乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作許可を指示する)操作を受け付け(ST1609)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1610)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1611)、処理を終了する。
【0082】
図17は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0083】
同図は、運転者用端末3−3の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)が出力されてからあらかじめ定める一定時間経過した後に、乗客用端末3−4の情報入力部25−1が操作されたことに応じて詳細情報が乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力される場合の処理を示す。別の表現をすれば、運転者用端末3−2の情報出力部21−2への要点抜粋情報(要約情報)の出力からあらかじめ定める時間の経過に応じて、乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を許可する場合の処理である。
【0084】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1701)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1702)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1703)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1704)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1705)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1706)、処理を終了する。
【0085】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1707)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1708)、あらかじめ定める時間が経過し(ST1709)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1710)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1711)、処理を終了する。
【0086】
図18は、図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0087】
同図は、車両駆動部3−1の制御部7から自車両(タクシー車両3)の走行速度を取得して、取得した走行速度に基づいて自車両(タクシー車両3)の停車を判断し、自車両(タクシー車両3)の停車に応じて、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力する場合の処理である。
【0088】
同図において、情報提供サーバ9は、外部システム36から新たな提供情報を受信すると(ST1801)、受信した提供情報を提供情報DB43に記憶する(ST1802)。車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST1803)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信する(ST1804)。情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST1805)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST1806)、処理を終了する。
【0089】
車両内情報処理システム3−2は、情報提供サーバ9から提供情報を受信すると、受信した提供情報を受信情報記憶部16に記憶し(ST1807)、自車両(タクシー車両3)が停車したと判断すると(ST1808)、受信した提供情報のうち、要点抜粋情報(要約情報)を運転者用端末3−3の情報出力部21−2に出力し(ST1809)、乗客用端末3−4の情報入力部25−1から提供情報の出力を指示する操作を受け付けると(ST1810)、受け付けた操作に応じて、情報提供サーバ9から受信した提供情報のうち、詳細情報を乗客用端末3−4の情報出力部25−2に出力して(ST1811)、処理を終了する。
【0090】
図19は、図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0091】
同図は、タクシー車両3のドアが開放されている間にしか、乗客1はタクシー車両3に乗降車することは出来ないことに着目して、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号の受信に応じて情報読み取り部11はドア周辺領域で情報コードの読み取りを開始し、同様にドア閉鎖を示す検知信号の受信に応じて情報コードの読み取りを終了する場合の処理である。なお、乗客1は開放したドアからしか乗降車することができないのは道理でもあるので、情報読み取り部11が対象とするドア周辺領域とは、ドア開放を検知したドアの周辺のみに限定してもよく、ムダな情報送受信を省くことが出来る。
【0092】
同図において、車両内情報処理システム3−2は、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号を受信すると(ST1901)、受信した検知信号に基づいて情報コードの返信を要求する返信要求信号を(ドア開放を示す検知信号に対応する)ドア周辺領域に出力(発信)し(ST1902)、返信要求信号に対応する情報コードを(ドア周辺領域を通過した乗客1が所持する)情報記憶媒体4または通信端末5から受信したか否かを判断して(ST1903)、情報コードを受信した場合には、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST1904)、処理を終了する。ST1903で情報コードを受信しなかった場合には、さらにドアロック部6からドア閉鎖を示す検知信号を受信したか否かを判断して(ST1905)、ドア閉鎖を示す検知信号を受信した場合には、返信要求信号の出力(発信)を停止して(ST1906)、処理を終了し、ドア閉鎖を示す検知信号を受信しなかった場合には、ST1903に戻る。
【0093】
図20は、図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0094】
同図は、車両内情報処理システム3−2で情報コードの認証処理(情報コードが提供情報の対象か否かの判断処理)を実行する場合の処理である。同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST2001)、照合用の認証情報を認証情報記憶部19から読み込み(ST2002)、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証(ST2003)し、受信した情報コードは提供情報の対象か否か判断して(ST2004)、提供情報の対象でなかった場合にはそのまま処理を終了し、提供情報の対象であった場合には、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST2005)、処理を終了する。
【0095】
図21は、図11に示す機能ブロック図に対応する情報提供サーバの演算部におけるフローチャートである。
【0096】
同図は、情報提供サーバ9で情報コードの認証処理(情報コードが提供情報の対象か否かの判断処理)を実行する場合の処理である。同図において、情報提供サーバ9は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードを受信すると(ST2101)、照合用の認証情報を認証情報記憶部44から読み込み(ST2102)、読み込んだ認証情報によって受信した情報コードを認証(ST2103)し、受信した情報コードは提供情報の対象か否か判断して(ST2104)、提供情報の対象でなかった場合にはそのまま処理を終了し、提供情報の対象であった場合には、受信した情報コードに応じて提供情報を提供情報DB43から読み込み(ST2105)、読み込んだ提供情報をタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST2106)、処理を終了する。
【0097】
図22は、図13に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0098】
同図は、車両内情報処理システム3−2が、車両内設置機器3−5から取得した情報に基づいて、乗客1の乗車/降車を判断する場合の処理である。同図において、車両内情報処理システム3−2は、ドアロック部6からドア開放を示す検知信号を受信すると(ST2201)、受信した検知信号に基づいて情報コードの返信を要求する返信要求信号を(ドア開放を示す検知信号に対応する)ドア周辺領域に出力(発信)し(ST2202)、返信要求信号に対応する情報コードを(ドア周辺領域を通過した乗客1が所持する)情報記憶媒体4または通信端末5から受信したか否かを判断して(ST2203)、情報コードを受信した場合には、車両内設置機器3−5から機器の状態情報を取得し(ST2204)、取得した状態情報から乗客1はタクシー車両3に乗車したか否かを判断して(ST2205)、乗客1が乗車したと判断した場合には、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST2206)、処理を終了し、乗客1が乗車したと判断しなかった場合には、判断結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止して(ST2207)、処理を終了する。ST2203で情報コードを受信しなかった場合には、さらにドアロック部6からドア閉鎖を示す検知信号を受信したか否かを判断して(ST2208)、ドア閉鎖を示す検知信号を受信した場合には、返信要求信号の出力(発信)を停止して(ST2209)、処理を終了し、ドア閉鎖を示す検知信号を受信しなかった場合には、ST2203に戻る。
【0099】
図23は、図14に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャートである。
【0100】
同図は、車両内情報処理システム3−2が、情報記憶媒体4または通信端末5から受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶しておいて、乗客1がタクシー車両3に乗車したか降車したかの判断に用いる場合の処理である。同図において、車両内情報処理システム3−2は、情報コードを情報記憶媒体4または通信端末5から受信すると(ST2301)、情報コードの受信に応じて情報コード記憶部18から(前回に受信した)情報コードを読み込み(ST2302)、読み込んだ情報コードと受信した情報コードとを照合し、受信した情報コードは情報コード記憶部18から読み込んだ情報コードと一致するか否かを判断して(ST2303)、照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致しなかった場合には、乗客1がタクシー車両3に乗車したと判断して、受信した情報コードを情報コード記憶部18に記憶し(ST2305)、受信した情報コードを情報提供サーバ9に送信して(ST2306)、処理を終了する。ST2303で照合結果に基づいて読み込んだ情報コードと受信した情報コードとが一致した場合には、乗客1がタクシー車両3から降車したと判断して、照合結果に基づいて乗客用端末3−4の情報入力部25−1の操作を停止して(ST2304)、処理を終了する。
【0101】
図24は、図10に示す機能ブロック図に対応する、本発明の実施形態における情報記憶媒体または通信端末の機能ブロック図である。
【0102】
同図において、情報記憶媒体4(通信端末5)は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信する機能と、返信要求信号の受信に応じて、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込む機能と、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。メモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込む情報を情報提供サーバ9が情報提供に必要とする情報コードのみとすることで、情報記憶媒体4(通信端末5)から乗客1に関する情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となる。
【0103】
図25は、図24に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または通信端末の演算部におけるフローチャートである。
【0104】
同図において、情報記憶媒体4(通信端末5)は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信すると(ST2501)、返信要求信号の受信に応じて、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込み(ST2502)、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST2503)、処理を終了する。
【0105】
図26は、図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における情報記憶媒体の機能ブロック図である。
【0106】
同図は、情報記憶媒体4が、情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、送信許可フラグが送信不許可を示す場合には、情報記憶媒体4は車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11に対して情報コードの送信を拒否する場合の処理である。情報記憶媒体4から車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11が読み取る情報を情報コードのみとすることで、情報記憶媒体4からの情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となるが、さらに情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを設定することによって、より乗客1個人のプライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【0107】
同図において、情報記憶媒体4は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信する機能と、返信要求信号の受信に応じて、メモリ部(情報記憶領域)29から送信許可フラグを読み込む機能と、読み込んだ送信許可フラグに基づいて情報コードを返信するか否かを判断する機能と、返信すると判断した場合には、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29から読み込む機能と、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。
【0108】
図27は、図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における通信端末の機能ブロック図である。
【0109】
同図は、通信端末5が、情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、送信許可フラグが送信不許可を示す場合には、通信端末5は車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11に対して情報コードの送信を拒否する場合の処理である。通信端末5から車両内情報処理システム3−2の情報コード読み取り部11が読み取る情報を情報コードのみとすることで、通信端末5からの情報流出に配慮した必要最低限の情報による情報提供が可能となるが、さらに情報コードの送信許可/送信不許可を示す送信許可フラグを設定することによって、より乗客1個人のプライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【0110】
同図において、通信端末5は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信する機能と、返信要求信号の受信に応じて、メモリ部(情報記憶領域)33から送信許可フラグを読み込む機能と、読み込んだ送信許可フラグに基づいて情報コードを返信するか否かを判断する機能と、返信すると判断した場合には、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)33から読み込む機能と、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信する機能とを有する。
【0111】
また、通信端末5は、情報入力部32−1から送信許可フラグの変更を受け付ける機能と、変更を受け付けた送信許可フラグをメモリ部(情報記憶領域)33に書き込む機能とを有してもよい。変更を受け付けた送信許可フラグをメモリ部(情報記憶領域)33に書き込むと、情報入力部32−1から受け付けた送信許可フラグの変更をメモリ部(情報記憶領域)33に書き込んだことになる。こうすることによって、乗客1は自らの判断によって送信許可フラグの状態を変更するとよく、乗客1の気分や状況に応じた情報提供が可能となる。
【0112】
図28は、図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャートである。
【0113】
同図において、情報入力部32−1から送信許可フラグの変更を受け付けると(ST2801)、変更を受け付けた送信許可フラグをメモリ部(情報記憶領域)33に書き込んで(ST2802)、処理を終了する。
【0114】
図29は、図26に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャートである。
【0115】
同図において、情報記憶媒体4(通信端末5)は、タクシー車両3の車両内情報処理システム3−2から情報コードの返信を要求する返信要求信号を受信すると(ST2901)、返信要求信号の受信に応じて、メモリ部(情報記憶領域)29から送信許可フラグを読み込み(ST2902)、読み込んだ送信許可フラグは情報コードの返信を許可しているか否かを判断して(ST2903)、許可していないと判断した場合には、そのまま処理を終了し、許可していると判断した場合には、情報コードのみをメモリ部(情報記憶領域)29(33)から読み込み(ST2904)、読み込んだ情報コードをタクシー車両3の車両内情報処理システム3−2に返信して(ST2905)、処理を終了する。
【0116】
図30は、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図である。
【0117】
同図は、車両内情報処理システム3−2の情報読み取り部11のアンテナ部(アンテナ1とアンテナ2)のように配置した場合の電波強度分布を示す。同図において、タクシー車両3の各ドアの少なくとも一辺を対となったアンテナ1とアンテナ2で囲っておくと、乗客1が開放されたドアからタクシー車両3に乗車する際に、乗客1が所持する情報記憶媒体4または通信端末5が図中の斜線部を通過することによって、情報読み取り部11と情報記憶媒体4または通信端末5との通信が成立して、(情報読み取り部11は、情報記憶媒体4または通信端末5から)情報コードを読み取ることが出来る。
【0118】
図31は、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図である。
【0119】
同図において、車両内情報処理システム3−2の情報読み取り部11は例えば対となったアンテナ1とアンテナ2で構成され、1/2λ(ラムダ、電波の波長)の倍数の間隔で設置する。縦方向ではアンテナ1の電波(電力)とアンテナ2の電波にズレはなく、その合成波は強くなる。同様に横方向では、アンテナ1とアンテナ2の電波に1/2λの位相のズレが生じるために、その合成波は相殺され、斜め方向ではアンテナ1とアンテナ2の電波に√2/2λのズレが生じるために、その合成波は弱くなる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施形態における情報提供システムの概要を説明する説明図
【図2】本発明の実施形態における提供情報の構成を説明する説明図
【図3】本発明の実施形態におけるタクシー車両の車両駆動部のハードブロック図
【図4】本発明の実施形態におけるタクシー車両に搭載される乗用車内情報処理システムのハードブロック図
【図5】本発明の実施形態における運転者用端末のハードブロック図
【図6】本発明の実施形態における乗客用端末のハードブロック図
【図7】本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図
【図8】本発明の実施形態における情報記憶媒体のハードブロック図
【図9】本発明の実施形態における情報提供サーバのハードブロック図
【図10】本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図11】図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における情報提供サーバの機能ブロック図
【図12】図10に示す機能ブロック図に続く、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図13】図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図14】図10に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における車両内情報処理システムの機能ブロック図
【図15】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図16】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図17】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図18】図10、図11および図12に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムにおける演算部および情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図19】図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図20】図10に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図21】図11に示す機能ブロック図に対応する情報提供サーバの演算部におけるフローチャート
【図22】図13に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図23】図14に示す機能ブロック図に対応する車両内情報処理システムの演算部におけるフローチャート
【図24】図10に示す機能ブロック図に対応する、本発明の実施形態における情報記憶媒体または通信端末の機能ブロック図
【図25】図24に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または通信端末の演算部におけるフローチャート
【図26】図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における情報記憶媒体の機能ブロック図
【図27】図24に示す機能ブロック図とは別の場合の、本発明の実施形態における通信端末の機能ブロック図
【図28】図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャート
【図29】図26に示す機能ブロック図に対応する情報記憶媒体の演算部または図27に示す機能ブロック図に対応する通信端末の演算部におけるフローチャート
【図30】本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図
【図31】本発明の実施形態における車両内情報処理システムの情報読み取り部の具体例を原理で説明する説明図
【符号の説明】
【0121】
1 乗客
2 タクシー運転者
3 タクシー車両
3−1 車両駆動部
3−2 車両内情報処理システム
3−3 運転者用端末
3−4 乗客用端末
3−5 車両内設置機器
4 情報記憶媒体
5 通信端末
6 ドアロックアクチュエータ(ドアロック部)
7 制御部(コントローラ)
9 情報提供サーバ
11 情報読み取り部
16 受信情報記憶部
17 テンプレート情報記憶部
18 利用者ID記憶部
19 認証情報記憶部
35 サーバ操作者
36 外部システム
43 提供情報DB
44 認証情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシー車両に乗車した乗客に情報を提供する情報提供システムであって、
前記乗客が所持する通信端末または情報記憶媒体から取得した情報コードに対応する提供情報を記憶する提供情報データベースと、
前記通信端末または前記情報記憶媒体と通信して、前記情報コードを読み取る情報コード取得手段と、
前記情報コード取得手段が取得した前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから読み込む情報読み込み手段と、
前記情報読み込み手段が読み込んだ前記提供情報のうち、前記タクシー車両の運転者向けの情報を運転者用端末に出力し、前記乗客向けの情報を乗客用端末に出力する情報出力手段とを備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記提供情報は、前記運転者向けの情報として該提供情報の要点が抜粋された要約情報と、前記乗客向けの情報として該提供情報の詳細を示す詳細情報とで構成され、
前記情報出力手段は前記運転者用端末に前記要約情報を出力し、前記乗客用端末に前記詳細情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記情報出力手段は、前記タクシー車両の停車を示す検知信号に基づいて前記要約情報を前記運転者用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報出力手段は、前記運転者端末に前記要約情報を出力した後に前記乗客用端末の操作部から操作を受け付けると前記詳細情報を該乗客用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報出力手段は、前記運転者端末に前記要約情報を出力し、該運転者用端末の操作部から操作を受け付けた後に前記乗客用端末の操作部から操作を受け付けると前記詳細情報を該乗客用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記情報出力手段は、前記運転者端末に前記要約情報を出力してからあらかじめ定める時間が経過した後に前記乗客用端末の操作部から操作を受け付けると前記詳細情報を該乗客用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記情報コード取得手段は、前記タクシー車両の乗降車用ドアの開放を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを開始し、該乗降車用ドアの閉鎖を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを終了することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記情報コード取得手段が読み取った前記情報コードについて前記乗客が前記タクシー車両に乗車したときに読み取った情報か、前記乗客が前記タクシー車両に降車したときに読み取った情報かを識別する情報識別手段をさらに有し、
前記情報読み込み手段は、前記情報識別手段が乗車時に読み取った情報コードであると識別した場合に、前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから読み込むことを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記情報コード取得手段が読み取った前記情報コードについて前記乗客が前記タクシー車両に乗車したときに読み取った情報か、前記乗客が前記タクシー車両に降車したときに読み取った情報かを識別する情報識別手段をさらに有し、
前記情報出力手段は、前記情報識別手段が降車時に読み取った情報コードであると識別した場合に、前記乗客用端末に出力している前記詳細情報の出力を停止することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記情報コード取得手段が読み取る前記情報コードは、前記乗客が遊技場の会員であることを示す遊技場会員コードであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の情報提供システムに前記情報コードを出力する通信端末であって、
前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否することを特徴とする通信端末。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の情報提供システムに前記情報コードを出力する情報記憶媒体であって、
前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項13】
タクシー車両に乗車した乗客に情報を提供する情報提供システムを用いた情報提供方法であって、
前記情報提供システムは、前記乗客が所持する通信端末または情報記憶媒体から取得した情報コードに対応する提供情報を提供情報データベースに記憶し、
前記情報提供システムは、前記通信端末または前記情報記憶媒体と通信可能な情報コード取得手段によって、前記通信端末または前記情報記憶媒体から前記情報コードを読み取ると、前記情報コード取得手段が取得した前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから情報読み込み手段によって読み込み、
前記情報提供システムは、前記情報読み込み手段が読み込んだ前記提供情報のうち、前記タクシー車両の運転者向けの情報を運転者用端末に出力し、前記乗客向けの情報を乗客用端末に出力することを特徴とする情報提供方法。
【請求項14】
前記提供情報は、前記運転者向けの情報として該提供情報の要点が抜粋された要約情報と、前記乗客向けの情報として該提供情報の詳細を示す詳細情報とで構成され、
前記情報提供システムは、前記運転者用端末に前記要約情報を出力し、前記乗客用端末に前記詳細情報を出力することを特徴とする請求項13に記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段は、前記タクシー車両の乗降車用ドアの開放を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを開始し、該乗降車用ドアの閉鎖を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを終了することを特徴とする請求項13または14に記載の情報提供システム。
【請求項16】
前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段が読み取る前記情報コードは、前記乗客が遊技場の会員であることを示す遊技場会員コードであることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項17】
前記通信端末または前記情報記憶媒体は、前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否することを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項1】
タクシー車両に乗車した乗客に情報を提供する情報提供システムであって、
前記乗客が所持する通信端末または情報記憶媒体から取得した情報コードに対応する提供情報を記憶する提供情報データベースと、
前記通信端末または前記情報記憶媒体と通信して、前記情報コードを読み取る情報コード取得手段と、
前記情報コード取得手段が取得した前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから読み込む情報読み込み手段と、
前記情報読み込み手段が読み込んだ前記提供情報のうち、前記タクシー車両の運転者向けの情報を運転者用端末に出力し、前記乗客向けの情報を乗客用端末に出力する情報出力手段とを備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記提供情報は、前記運転者向けの情報として該提供情報の要点が抜粋された要約情報と、前記乗客向けの情報として該提供情報の詳細を示す詳細情報とで構成され、
前記情報出力手段は前記運転者用端末に前記要約情報を出力し、前記乗客用端末に前記詳細情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記情報出力手段は、前記タクシー車両の停車を示す検知信号に基づいて前記要約情報を前記運転者用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報出力手段は、前記運転者端末に前記要約情報を出力した後に前記乗客用端末の操作部から操作を受け付けると前記詳細情報を該乗客用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報出力手段は、前記運転者端末に前記要約情報を出力し、該運転者用端末の操作部から操作を受け付けた後に前記乗客用端末の操作部から操作を受け付けると前記詳細情報を該乗客用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記情報出力手段は、前記運転者端末に前記要約情報を出力してからあらかじめ定める時間が経過した後に前記乗客用端末の操作部から操作を受け付けると前記詳細情報を該乗客用端末に出力することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記情報コード取得手段は、前記タクシー車両の乗降車用ドアの開放を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを開始し、該乗降車用ドアの閉鎖を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを終了することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記情報コード取得手段が読み取った前記情報コードについて前記乗客が前記タクシー車両に乗車したときに読み取った情報か、前記乗客が前記タクシー車両に降車したときに読み取った情報かを識別する情報識別手段をさらに有し、
前記情報読み込み手段は、前記情報識別手段が乗車時に読み取った情報コードであると識別した場合に、前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから読み込むことを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記情報コード取得手段が読み取った前記情報コードについて前記乗客が前記タクシー車両に乗車したときに読み取った情報か、前記乗客が前記タクシー車両に降車したときに読み取った情報かを識別する情報識別手段をさらに有し、
前記情報出力手段は、前記情報識別手段が降車時に読み取った情報コードであると識別した場合に、前記乗客用端末に出力している前記詳細情報の出力を停止することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記情報コード取得手段が読み取る前記情報コードは、前記乗客が遊技場の会員であることを示す遊技場会員コードであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の情報提供システムに前記情報コードを出力する通信端末であって、
前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否することを特徴とする通信端末。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の情報提供システムに前記情報コードを出力する情報記憶媒体であって、
前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項13】
タクシー車両に乗車した乗客に情報を提供する情報提供システムを用いた情報提供方法であって、
前記情報提供システムは、前記乗客が所持する通信端末または情報記憶媒体から取得した情報コードに対応する提供情報を提供情報データベースに記憶し、
前記情報提供システムは、前記通信端末または前記情報記憶媒体と通信可能な情報コード取得手段によって、前記通信端末または前記情報記憶媒体から前記情報コードを読み取ると、前記情報コード取得手段が取得した前記情報コードに対応する前記提供情報を前記提供情報データベースから情報読み込み手段によって読み込み、
前記情報提供システムは、前記情報読み込み手段が読み込んだ前記提供情報のうち、前記タクシー車両の運転者向けの情報を運転者用端末に出力し、前記乗客向けの情報を乗客用端末に出力することを特徴とする情報提供方法。
【請求項14】
前記提供情報は、前記運転者向けの情報として該提供情報の要点が抜粋された要約情報と、前記乗客向けの情報として該提供情報の詳細を示す詳細情報とで構成され、
前記情報提供システムは、前記運転者用端末に前記要約情報を出力し、前記乗客用端末に前記詳細情報を出力することを特徴とする請求項13に記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段は、前記タクシー車両の乗降車用ドアの開放を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを開始し、該乗降車用ドアの閉鎖を示す検知信号に基づいて前記情報コードの読み取りを終了することを特徴とする請求項13または14に記載の情報提供システム。
【請求項16】
前記情報提供システムが備える前記情報コード取得手段が読み取る前記情報コードは、前記乗客が遊技場の会員であることを示す遊技場会員コードであることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項17】
前記通信端末または前記情報記憶媒体は、前記情報コードを記憶する記憶部に前記情報コードの送信の許可/不許可を示す送信許可フラグを記憶しており、該送信許可フラグが不許可を示す場合には、前記情報コード取得手段に対して前記情報コードの送信を拒否することを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の情報提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
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【図28】
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【図31】
【公開番号】特開2006−18383(P2006−18383A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193083(P2004−193083)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
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