説明

情報提供システム

【課題】特定のコンテンツに関連し、且つ利用者の属性や嗜好に適合した情報を、利用者のプライバシーを保護して提供可能にすること。
【解決手段】情報配信端末20のプロファイルデータ送信部22は、コンテンツ識別子、複数の利用者ごとの属性や嗜好を表すプロファイルおよび、そのプロファイルに属する利用者に対する推薦情報が記述された、複数のプロファイルデータを送信する。利用者端末30は、コンテンツ識別部31で識別したコンテンツの識別子、プロファイル推定部35でアプリケーション利用履歴から推定した利用者のプロファイルと、受信したプロファイルデータを照合し、両者が合致したプロファイルデータに記述された推薦情報を得る。利用者別情報読み出し・表示部37は、この推薦情報で特定される情報を取得して利用者に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに関し、特に、携帯端末などの利用者に対して、特定のコンテンツに関連し、且つ利用者の属性や嗜好に適合した情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話の利用情報を記憶し、サービス提供サーバーから送信されたサービス候補と利用情報との適合度合いに基づいてサービスを評価し、この評価結果に従ってサービスを選択して提供するサービス提供システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、移動通信端末からコンテンツ配信要求を受信した際に、履歴情報に関連付けられたタスクモデルとコンテンツ利用履歴から利用実績を算出し、これに基づくコンテンツ優先度に従って移動通信端末へコンテンツを配信する情報配信サーバーが開示されている。
【0004】
特許文献3には、ユーザ端末がコンテンツを要求した際に、コンテンツサーバーからプロファイルと利用履歴をプロファイル管理サーバーに送信し、プロファイル管理サーバーで分析された利用履歴に基づいて、ユーザ端末上のプロファイルの更新を要求するコンテンツ提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−94560号公報
【特許文献2】特開2009−169843号公報
【特許文献3】特開2009−258800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示されているサービス提供システムでは、携帯電話の利用履歴や利用状態からプロファイルを推定するが、サービス提供サーバーから送信されるサービス候補はある特定のコンテンツに関連して提供されるものではない。このため、利用者は、コンテンツに関連した情報やサービスを受けることができないという課題がある。
【0007】
特許文献2で開示されている情報配信サーバーや特許文献3で開示されているコンテンツ提供システムでは、各利用者のプロファイルをサーバー側で管理するので、利用者のプライバシー保護の点で問題がある。また、コンテンツの利用履歴のみを用いて各利用者のプロファイルを推定するので、各利用者のプロファイルを正確に推定することが困難であるという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、特定のコンテンツに関連し、且つ利用者の属性や嗜好に適合した情報を提供することができ、また、利用者のプライバシー保護の点で問題が生じない情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、利用者端末を利用する利用者の属性や嗜好から構成されるプロファイルに応じた情報を利用者に提供する情報提供システムであって、情報再生端末、情報配信端末および利用者端末を具備し、前記情報再生端末は、コンテンツを再生するコンテンツ再生手段を具備し、前記情報配信端末は、コンテンツ識別子、複数の利用者の属性や嗜好を表すプロファイル、およびそのプロファイルに属する利用者に対する推薦情報が記述された、複数のプロファイルデータを送信するプロファイルデータ送信手段を具備し、前記利用者端末は、アプリケーションの利用履歴に基づいて利用者のプロファイルを推定するプロファイル推定手段と、前記情報配信端末から送信されたプロファイルデータを受信するプロファイルデータ受信手段と、前記情報再生端末で再生されたコンテンツのコンテンツ識別子を得るコンテンツ識別手段と、前記プロファイルデータ受信手段により受信されたプロファイルデータの中から、前記コンテンツ識別手段で得られたコンテンツ識別子および前記プロファイル推定手段により推定されたプロファイルと最も相関の高いコンテンツ識別子およびプロファイルが記述されたプロファイルデータを取得するプロファイル照合手段と、前記プロファイル照合手段により取得されたプロファイルデータに記述された推薦情報で特定される情報を取得して提供する利用者別情報取得手段を具備することを基本的特徴としている。
【0010】
ここで、特定のプロファイルデータにそれが有効となる日時の記述を含めることにより、現時点で有効なプロファイルデータだけに基づいて情報を表示することができる。また、情報配信端末から、特定の時間帯に特定のプロファイルデータを送信することにより、特定のプロファイルデータに記述された推薦情報で特定される情報を表示することができる。利用者端末に、さらに、利用者のプロファイルを手動で入力するプロファイル入力手段を具備させてもよい。
【0011】
利用者のプロファイルを情報閲覧型のアプリケーションの利用履歴から推定する場合、利用者が閲覧した情報およびその内容を利用することができ、情報発信型のアプリケーションの利用履歴から推定する場合には、利用者が発信した情報およびその内容を利用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、特定のコンテンツと関連した情報を提供する際に、利用者端末の内部で、アプリケーションの利用履歴から利用者のプロファイルを推定し、これにより推定されたプロファイルに適合した情報を提供する。これにより、利用者は自身のプロファイルを明示的に入力することなく、特定のコンテンツに関連する情報のうち、自身のプロファイルに適合した情報を入手することができる。
【0013】
また、利用者端末の内部に閉じて利用者のプロファイルを推定するので、サーバー側で利用者のプロファイルを管理する必要がなくなり、プライバシー保護の点で問題が生じない。また、利用者端末のアプリケーションの利用履歴から利用者のプロファイルを推定するので、利用者のプロファイルを正確に推定することができる。
【0014】
さらに、特定の日時においてのみ有効となるプロファイルデータを送信したり、情報配信端末から特定の時間帯にプロファイルデータを送信することにより、効果的な情報提供、ネットワークの有効利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る情報提供システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の情報提供システムにおける動作を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明に係る情報提供システムの一実施形態を示すブロック図である。以下では、利用者に提供する情報をメディアデータと称する。
【0017】
本実施形態の情報提供システムは、情報再生端末10、情報配信端末20および利用者端末30からなる。
【0018】
情報再生端末10は、コンテンツ再生部11を備え、コンテンツ配信端末から配信されるコンテンツを受信して再生する。情報再生端末10は、例えば、テレビ局からテレビ番組や広告映像を受信して再生するテレビである。しかし、情報再生端末10は、テレビ以外でもよく、コンテンツもテレビ番組や広告映像に限られない。
【0019】
情報配信端末20は、プロファイルデータ収集部21、プロファイルデータ送信部22、メディアデータ送信部23、プロファイルデータ格納部24およびメディアデータ格納部25を備える。
【0020】
プロファイルデータ収集部21は、コンテンツ識別子、プロファイル、およびコンテンツに関連してプロファイルに属する利用者に提供するメディアデータを特定するための推薦情報を受け、それらを元にプロファイルデータを生成してプロファイルデータ格納部24に格納する。
【0021】
プロファイルデータは、例えば、以下の形式で記述することができる。
<コンテンツ識別子1><プロファイルA><プロファイルAに対する推薦情報A1>
<コンテンツ識別子1><プロファイルB><プロファイルBに対する推薦情報B1>

<コンテンツ識別子2><プロファイルA><プロファイルAに対する推薦情報A2>

【0022】
ここで、コンテンツ識別子は、情報再生端末10で再生されるコンテンツを識別するためのものである。また、プロファイルは、複数の利用者ごとの属性(年齢層、居住地域、性別など)や嗜好などを表す。このプロファイルは、利用者個人のプロファイルではなく、複数の利用者をグループとし、グループ内で共通の属性や嗜好などを表す。したがって、このプロファイルにより利用者個人のプライバシーが侵害される恐れはない。
【0023】
プロファイルに対する推薦情報は、コンテンツ識別子で識別されるコンテンツに関連し、プロファイルに属する利用者に提供するメディアデータを特定するための情報である。推薦情報としては、利用者に提供するメディアデータの識別子(メディアデータ識別子)を記述することができる。例えば、コンテンツが広告映像の場合、推薦情報としては、広告映像の広告商品に関連するメディアデータを取得するためのメディアデータ識別子を記述することができる。なお、コンテンツは広告映像に限られない。また、推薦情報も広告商品に関連する情報に限られない。
【0024】
例えば、「<コンテンツ識別子1><プロファイルA><プロファイルAに対する推薦情報A1>」のプロファイルデータは、<コンテンツ識別子1>のコンテンツの場合、<プロファイルA>に属する利用者には<プロファイルAに対する推薦情報A1>で特定されるメディアデータを提供することを表している。
【0025】
以下では、推薦情報としてメディアデータ識別子を記述した場合について説明する。
【0026】
プロファイルデータ送信部22は、プロファイルデータ格納部24に格納されているプロファイルデータを、情報再生端末20でのコンテンツ再生スケジュールなどの予め設定されたスケジュールに従って利用者端末30に送信する。
【0027】
メディアデータ送信部23は、利用者端末30からの送信要求に従ってメディアデータ格納部25から特定メディアデータ識別子のメディアデータを取得して利用者端末30に送信する。
【0028】
プロファイルデータ格納部24は、プロファイルデータ収集部21により作成されたプロファイルデータを格納する。
【0029】
メディアデータ格納部25は、メディアデータ識別子に対応付けてメディアデータを格納する。メディアデータおよびメディアデータ識別子は、例えば、広告のスポンサーから直接あるいはWEBページを通して得ることができる。
【0030】
利用者端末30は、コンテンツ識別部31、プロファイルデータ受信部32、メディアデータ受信部33、アプリケーション利用履歴収集部34、プロファイル推定部35、プロファイル照合部36、利用者別情報読み出し・表示部37およびメディアデータ格納部38を備える。利用者端末30は、例えば、スマートフォンであるが、スマートフォンに限られない。
【0031】
コンテンツ識別部31は、コンテンツ配信端末から配信されて情報再生端末10のコンテンツ再生部11で再生されているコンテンツを識別し、その識別子(コンテンツ識別子)を保持するとともに、プロファイル照合部36に送出する。
【0032】
プロファイルデータ受信部32は、情報配信端末20のプロファイルデータ送信部22から送信されるプロファイルデータを受信し、そのプロファイルデータを保持するとともに、プロファイル照合部36に送出する。
【0033】
メディアデータ受信部33は、特定メディアデータ識別子のメディアデータを情報配信端末20に送信要求する(図示せず)とともに、その応答として情報配信端末20のメディアデータ送信部23から送信されるメディアデータを受信し、メディアデータ格納部38に格納する。
【0034】
アプリケーション利用履歴収集部34は、利用者端末30上のアプリケーションの利用履歴を収集する。ここで収集の対象とするのは、利用者端末30上で動作する任意のアプリケーションの利用履歴でよい。
【0035】
プロファイル推定部35は、アプリケーション利用履歴収集部34により収集されたアプリケーションの利用履歴から利用者端末30の利用者のプロファイルを推定して保持する。
【0036】
利用者端末30上で、例えば、WEBブラウザなどの情報閲覧型アプリケーションが利用される場合、アプリケーション利用履歴収集部34は、ある一定期間で閲覧されたWEBページの情報やその内容を利用履歴として収集する。プロファイル推定部35では、閲覧されたWEBページに含まれるキーワードのジャンルや頻度などの属性を用いて、利用者端末30の利用者のプロファイルを推定することができる。利用者端末30の利用者のプロファイルは、それ以外でも、WEBページの閲覧に関する任意の情報を用いて推定することができる。
【0037】
また、利用者端末30上で、例えば、ブログやツイッターなどの情報発信型アプリケーションが利用される場合には、アプリケーション利用履歴収集部34は、ある一定期間に発信された日記・呟きなどの情報やその内容を利用履歴として収集する。プロファイル推定部35では、発信した日記や呟きなどに含まれるキーワードのジャンルや頻度などの属性を用いて、利用者端末30の利用者のプロファイルを推定することができる。利用者端末30の利用者のプロファイルは、それ以外でも、ブログやツイッターなどに関する任意の情報、例えば、閲覧回数の多いブログやフォローしているツイートなどの情報を用いて推定することができる。なお、利用者端末契約時に得られる、利用者の年齢、性別、居住地などの属性は、その情報を利用者のプロファイルとして利用することができる。
【0038】
プロファイル照合部36は、コンテンツ識別部31から送出されるコンテンツ識別子およびプロファイル推定部35により推定される利用者端末30の利用者のプロファイルと、プロファイルデータ受信部32から送出されるプロファイルデータに含まれるコンテンツ識別子およびプロファイルを照合し、両者とも一致するプロファイルデータに含まれるメディアデータ識別子(推薦情報)を、メディアデータ受信部33および利用者別情報読み出し・表示部37に送出する。なお、ここでのプロファイルの照合は、利用者のプロファイルがプロファイルデータのプロファイルに実質的に含まれるか否か、例えば、利用者の年齢がプロファイルデータのプロファイルの年齢層内であるか否かである。
【0039】
利用者別情報読み出し・表示部37は、プロファイル照合部36からのメディアデータ識別子の送出に従ってメディアデータ格納部38からメディアデータを読み出し、利用者に提示する。
【0040】
メディアデータ格納部38は、メディアデータ送信部23から送信される特定メディアデータ識別子のメディアデータを格納する。
【0041】
次に、図1の情報提供システムにおける動作を説明する。図2は、その動作を概略的に示すフローチャートである。以下では、情報再生端末10がテレビであり、テレビ画面上に再生されるテレビ番組や広告映像に関連する情報を利用者端末30の利用者に提供する場合を例に挙げて説明する。
【0042】
情報配信端末20は、プロファイルデータおよびメディアデータを予め収集して格納している。すなわち、プロファイルデータ収集部21は、テレビ番組や広告映像のコンテンツ識別子、プロファイルおよび推薦情報を予め収集し、それらを元にプロファイルデータを作成してプロファイルデータ格納部24に格納する。また、プロファイルデータに含まれるメディアデータ識別子で特定されるメディアデータを予め収集してメディアデータ格納部25に格納する。コンテンツ識別子、プロファイルおよびメディアデータ識別子、メディアデータは、テレビ番組を配信するテレビ局や広告映像のスポンサーなどから直接収集することができる。メディアデータは、スポンサーなどのWEBページから収集することもできる。
【0043】
プロファイルデータには、テレビ番組や広告映像のコンテンツ識別子、複数の利用者ごとの属性や嗜好などのプロファイルおよびコンテンツ識別子で識別されるテレビ番組や広告映像に関連してプロファイルに属する利用者に提供する広告商品などに関連するメディアデータの識別子が記述されている。
【0044】
プロファイルデータ送信部22は、コンテンツ識別子で識別されるテレビ番組や広告映像の配信スケジュールやスポンサーからの送信要求などに応じて、プロファイルデータ格納部24から該当するプロファイルデータを読み出し、利用者端末30に送信する(S21)。ここで読み出して送信するプロファイルデータは、コンテンツ識別子で識別されるテレビ番組や広告映像の配信スケジュールやスポンサーからの送信要求などで特定されるコンテンツ識別子が記述されたものである。
【0045】
例えば、あるスポンサーから収集したコンテンツ識別子、プロファイルおよびメディアデータ識別子を元に作成したプロファイルデータを、そのスポンサーが提供しているテレビ番組が配信されている時間帯に送信する。この送信先を、予め登録された利用者端末に限定することもできる。なお、プロファイルデータとメディアデータは、任意の形式で送信することができる。
【0046】
利用者端末30では、アプリケーション利用履歴収集部34で利用者による利用者端末30上の各種アプリケーションの利用履歴を収集し、プロファイル推定部35で利用者端末30の利用者個人のプロファイルを推定し、これにより推定されたプロファイルを予め保持している。
【0047】
ここで、情報再生端末10で、コンテンツ配信端末から配信されるテレビ番組や広告映像が再生される(S22)と、利用者端末30のコンテンツ識別部31は、情報再生端末10で再生されているテレビ番組や広告映像を識別しそのコンテンツ識別子をプロファイル照合部36に送出する(S23)。
【0048】
コンテンツ再生部11で再生されている外部コンテンツの識別は、利用者端末30上のアプリケーションによって行うことができる。例えば、テレビ番組の音声を利用して再生中のテレビ番組を識別することができる。これは、各テレビ番組の音声またはその抽象化データを予め利用者端末30に格納しておき、それらと情報再生端末10で再生中のテレビ番組から認識される音声を照合するといった手法で可能である。また、利用者端末30がカメラを備えていれば、テレビ画面の画像を利用して、情報再生端末10で再生中のテレビ番組を識別することもできる。これは、テレビ画面をカメラで撮影して取得された画像に含まれる画面要素と予め利用者端末30に登録された画面要素を照合するといった手法で可能である。また、テレビやセットトップボックス(STB)などのテレビ受信装置から発せられる信号を利用者端末30で検知するという手法でも再生中のテレビ番組を識別するが可能である。なお、上記の音声またはその抽象化データ、画面要素などはプロファイルデータと同時に送信してもよいし、それ以前に送信しておいてもよい。
【0049】
利用者端末30のプロファイル照合部36は、プロファイルデータ受信部32が受信したプロファイルデータの中から、コンテンツ識別子とプロファイルが、コンテンツ識別部31が識別したテレビ番組や広告映像のコンテンツ識別子とプロファイル推定部36が推定した利用者個人のプロファイルに合致するプロファイルデータを探索し、これにより探索されたプロファイルデータに記述されているメディアデータ識別子を取得する。これにより取得されたメディアデータ識別子は、情報配信端末20に送信される(S24)。
【0050】
情報配信端末20のメディアデータ送信部23は、利用者端末30からメディアデータ識別子を受信すると、そのメディアデータ識別子で特定されるメディアデータを利用者端末30に送信する(S25)。利用者端末30は、情報配信端末20から送信されるメディアデータをメディアデータ受信部33で受信し、メディアデータ格納部38に格納する。以上のようにして、利用者端末30は、情報配信端末20からメディアデータを自動的にダウンロードして入手する。
【0051】
メディアデータ識別子は、コンテンツ識別子で特定されるテレビ番組や広告映像に関連し、プロファイルデータに記述されたプロファイルに属する利用者に提供するメディアデータを特定する情報であるので、利用者別情報読み出し・表示部37により、ダウンロードしたメディアデータを読み出して表示すれば、情報再生端末10で再生されたテレビ番組や広告映像に関連し、かつプロファイルに属する利用者へ提供するものとされた、広告映像に関連する広告商品などのメディアデータを表示させることができる。
【0052】
以上のように、まず、情報配信端末20から利用者端末30にプロファイルデータを送信し、その後、利用者端末30からの送信要求に従って情報配信端末20から利用者端末30にメディアデータを送信するので、ネットワークのトラフィックを時間的に分散できる。また、利用者端末30では、利用者に必要な情報だけを格納すればよい。
【0053】
以上実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態は、推薦情報としてメディアデータ識別子を記述した場合であるが、推薦情報としては、それ以外にも、WEBページのURLなどのメディアデータ格納先や利用者に提供するメディアデータそのものを記述することができる。例えば、コンテンツが広告映像の場合、推薦情報としては、広告映像の広告商品に関連するメディアデータを取得するためのWEBページのURLなどを記述することができる。また、広告映像の広告商品についての説明などを記述することもできる。なお、推薦情報としてWEBページのURLを記述した場合、利用者端末30では、そのWEBページにアクセスして広告映像の広告商品に関連するメディアデータを取得することができる。したがって、メディアデータ格納部25からメディアデータを取得する機構は不要である。また、推薦情報として広告映像の広告商品についての説明などを記述した場合にも、メディアデータ格納部25からメディアデータを取得する機構は不要である。
【0054】
また、上記実施形態では、プロファイルデータは、利用者端末30に受信された時点で有効(アクティブ:プロファイル照合に供され、その結果に従ってメディアデータを提供可能)であるとした。この場合には、利用者端末30は、プロファイルデータを受信すると、メディアデータを提供するために直ちに動作する。例えば、情報再生端末10で、あるスポンサーが提供するテレビ番組や広告映像が再生されていると、利用者端末30は、そのテレビ番組や広告映像を識別し、利用者のプロファイルとプロファイルデータを照合し、最も相関の高い、プロファイルに対するメディアデータ識別子(推薦情報)で特定され、スポンサーにより提供されたメディアデータを取得して表示する。
【0055】
しかし、特定のプロファイルデータを特定の日時に有効にすれば、特定の日時に限定して特定のプロファイルデータに関連するメディアデータを提供可能にすることができる。例えば、プロファイルデータに、それが有効となる有効開始日時を記述しておく。利用者端末30は、情報配信端末20から現在送信されているプロファイルデータまたは既に送信されて保持されているプロファイルデータのうちから現時点で有効なプロファイルデータだけを読み出し、プロファイル照合の結果に応じてメディアデータ識別子で特定されるメディアデータを表示する。このように、情報配信端末20から特定の日時においてのみ有効となるプロファイルデータを送信することにより、特定の日時に限定してメディアデータを効果的に提供することが可能となる。
【0056】
また、特定の時間帯に特定のプロファイルデータを情報配信端末20から利用者端末30に送信するようにしてもよい。利用者端末30は、特定の時間帯に情報配信端末20から送信された特定のプロファイルデータを受信し、これに記述されたメディアデータ識別子で特定されるメディアデータをネットワーク経由で情報配信端末20から取得することができる。これによれば、ネットワークのトラフィックなどを考慮して、利用者端末30が、特定の時間帯に特定のプロファイルデータに記述されたメディアデータ識別子で特定されるメディアデータを情報配信端末20から予め取得するようにでき、コンテンツが再生されてプロファイルが照合された際に、予め取得されたメディアデータの中からプロファイル照合に応じたメディアデータを読み出して利用者に提供することが可能になる。
【0057】
また、本発明では、プロファイルデータに記述された推薦情報によりメディアデータが特定されさえすればよいので、推薦情報としては上記した例に限らず、種々の記述が可能である。また、アプリケーション利用履歴収集部の他に、利用者がプロファイルを入力できる入力手段を備えてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10・・・情報再生端末、11・・・コンテンツ再生部、20・・・情報配信端末、21・・・プロファイルデータ収集部、22・・・プロファイルデータ送信部、23・・・メディアデータ送信部、24・・・プロファイルデータ格納部、25・・・メディアデータ格納部、30・・・利用者端末、31・・・コンテンツ識別部、32・・・プロファイルデータ受信部、33・・・メディアデータ受信部、34・・・アプリケーション利用履歴収集部、35・・・プロファイル推定部、36・・・プロファイル照合部、37・・・利用者別情報読み出し・表示部、38・・・メディアデータ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末を利用する利用者の属性や嗜好から構成されるプロファイルに応じた情報を利用者に提供する情報提供システムであって、
情報再生端末、情報配信端末および利用者端末を具備し、
前記情報再生端末は、
コンテンツを再生するコンテンツ再生手段を具備し、
前記情報配信端末は、
コンテンツ識別子、複数の利用者ごとの属性や嗜好を表すプロファイル、およびそのプロファイルに属する利用者に対する推薦情報が記述された、複数のプロファイルデータを送信するプロファイルデータ送信手段を具備し、
前記利用者端末は、
アプリケーションの利用履歴に基づいて利用者のプロファイルを推定するプロファイル推定手段と、
前記情報配信端末から送信されたプロファイルデータを受信するプロファイルデータ受信手段と、
前記情報再生端末で再生されたコンテンツのコンテンツ識別子を得るコンテンツ識別手段と、
前記プロファイルデータ受信手段により受信されたプロファイルデータの中から、前記コンテンツ識別手段で得られたコンテンツ識別子および前記プロファイル推定手段により推定されたプロファイルと最も相関の高いコンテンツ識別子およびプロファイルが記述されたプロファイルデータを取得するプロファイル照合手段と、
前記プロファイル照合手段により取得されたプロファイルデータに記述された推薦情報で特定される情報を取得して提供する利用者別情報取得手段を具備することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記情報配信端末は、さらに、前記プロファイルデータに記述された推薦情報で特定される情報を送信する情報送信手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記前記情報配信端末から送信される特定のプロファイルデータは、そのプロファイルデータが有効となる日時の記述を含み、前記利用者端末は、前記情報配信端末から現在送信されているプロファイルデータまたは既に送信されて保持されているプロファイルデータのうちから現時点で有効なプロファイルデータだけを読み出し、プロファイル照合の結果に応じて推薦情報で特定される情報を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報配信端末は、ある時間帯に特定のプロファイルデータを送信し、
前記利用者端末は、前記情報配信端末から送信された特定のプロファイルデータに記述された推薦情報で特定されるメディアデータを前記情報配信端末から取得することを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記利用者端末は、さらに、利用者のプロファイルを手動で入力するプロファイル入力手段を具備したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記アプリケーションは、情報閲覧型のアプリケーションであり、
前記プロファイル推定手段は、利用者が閲覧した情報およびその内容に基づいてプロファイルを推定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記アプリケーションは、情報発信型のアプリケーションであり、
前記プロファイル推定手段は、利用者が発信した情報およびその内容に基づいてプロファイルを推定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−208840(P2012−208840A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75235(P2011−75235)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】