説明

情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体

【課題】予約の残数を管理する管理装置から残数を取得する予約対象となるサービスの数を抑えながら、ユーザが情報を必要とするサービスについて極力新しい残余状況を提供する。
【解決手段】情報提供装置は、サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段と、ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段と、推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を管理装置から取得するとともに、推定手段により推定された確率が閾値未満である予約対象の残数をキャッシュ手段から取得する残数取得手段と、残数取得手段により取得された残数に応じた複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスの予約を受け付ける予約システムにおいて、予約対象となるサービスの予約の残余状況を提供する情報提供装置及び情報提供方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上で、例えば宿泊施設の宿泊予約や交通機関のチケット予約等、サービスの利用の予約を受け付ける予約システムが知られている。予約が必要なサービスは、通常、一時期にサービスを提供することが可能な数(例えば、客室数、座席数等)の上限が決まっている。そのため、予約システムは、ダブルブッキングが発生しないよう、予約の残数を管理している。
【0003】
航空券の予約を受け付けるシステムとしては、航空券予約管理システムが知られている。航空券予約管理システムの一例としては、特許文献1に記載のGDS(Global Distribution System)等が挙げられる。航空券予約管理システムは、各航空会社の空席数を一括して管理している。航空券予約管理システムは、複数の旅行代理業者等に対して、航空券の情報や空席数の情報等を提供している。各旅行代理業者等が有する情報提供装置は、ユーザが指定した条件を満たす航空便に空席があるか否かを判定するため、空席状況を航空券予約管理システムに問い合わせる。このとき、問い合わせに対して航空券予約管理システムから応答が返信されるまでには、例えば数秒から数十秒の時間を要する。そのため、情報提供装置は、航空券予約管理システムから取得した空席数をキャッシュとして保持しておき、普段は保持している空席数に基づいて、端末装置に空席状況を提供する。情報提供装置は、例えば、ユーザから予約の要求があったときや空席の照会要求があったとき等に、航空券予約管理システムに対して最新の空席状況の問い合わせを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−117266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、航空券予約管理システムが管理する空席数は常に変動する可能性があるため、情報提供装置側で保持している空席数が最新の空席数と食い違うことがある。これにより、ユーザの利便性が低下する場合がある。例えば、最新の空席数では、ユーザが必要とする座席数分の空席あるにもかかわらず、情報提供装置から提供された空席状況は空席がないことを示していると、ユーザにとって予約の機会が失われてしまう。
【0006】
また、最新の空席数では、ユーザが必要とする座席数分の空席がないにもかかわらず、情報提供装置から提供された空席状況は空席があることを示していると、ユーザは予約可能であると判断する。そして、ユーザが予約のための操作を行ったときに、情報提供装置が航空券予約管理システムから最新の空席状況を取得する。その結果、空席がないことがユーザに対して示される。空席がないことを知ったユーザは、例えば、他の航空券について空席を照会したり、航空券の検索をやり直したりする。そのため、ユーザが情報提供装置からの応答を待つ時間や検索に要する時間が長くなる。
【0007】
さりとて、航空券予約管理システムから最新の空席数を取得すると、空席数の取得対象となったサービスの数に応じて、取得時間が長くなる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、予約の残数を管理する管理装置から残数を取得するサービスの数を抑えながら、ユーザが情報を必要とするサービスについて極力新しい残余状況を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段と、ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段と、前記推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定手段により推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得手段と、前記残数取得手段により取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、情報がユーザに閲覧される確率が閾値以上となる予約対象の残数を管理装置から取得し、情報がユーザに閲覧される確率が閾値未満となる予約対象の残数をキャッシュ手段から取得するので、管理装置から残数を取得する予約対象の数を抑えながら、ユーザが情報を必要とする予約対象の残余状況をできるだけ新しいものにして提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報提供装置において、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれの残数の所定時間あたりの変動数を取得する変動数取得手段を更に備え、前記推定手段は、前記変動数取得手段により取得された前記変動数に応じた前記確率を推定することを特徴とする。
【0012】
残数の所定時間あたりの変動数が大きい予約対象であるほど頻繁に取引が行われ、情報が閲覧された頻度が高い予約対象であると考えられる。この発明によれば、残数の所定時間あたりの変動数を用いることにより、予約対象に関する情報がユーザに閲覧される確率を推定することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報提供装置において、予め定められた単位期間に含まれる複数の期間のそれぞれごとに前記変動数を補正する補正情報を記憶する補正情報記憶手段から、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて該予約対象の提供時期を含む期間に対応する前記補正情報を取得する補正情報取得手段を更に備え、前記推定手段は、前記変動数取得手段により取得された前記変動数と、前記補正情報取得手段により取得された前記補正情報とに基づいて、前記確率を推定することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、予約対象が提供される時期に応じてユーザからの情報の閲覧頻度が異なる場合には、その閲覧頻度に応じて補正情報を設定しておくことで、予約対象に関する情報がユーザに閲覧される確率の推定精度を高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の情報提供装置において、前記ユーザの要求は、予約対象の利用数を含み、前記キャッシュ手段にキャッシュされた前記複数の予約対象それぞれの残数と、前記利用数との差に応じて、それぞれの予約対象に対応する前記閾値を決定する決定手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0016】
ユーザが必要とする情報は、一般的に利用したい数分の残数があるか否かである。そのため、キャッシュ手段にキャッシュされている残数が管理装置から取得された新しい残数に変わったとする場合に利用数を超える変動があるようであれば、管理装置から残数を取得した方が良いし、利用数を超える変動がないようであれば、管理装置から残数を取得する必要はない。この発明によれば、残数と利用人数との差に応じた閾値が決定されるので、残数が利用数を超えて変動するか否かを予測することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の情報提供装置において、予約対象の取引履歴を記憶する取引履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴に基づいて、予め定められた単位期間に含まれる複数の期間それぞれの所定時間あたりの予約対象の取引数を計算する取引数計算手段と、前記取引数計算手段により計算された前記取引数のうち、前記ユーザの要求があった時期を含む期間の前記取引数に応じた前記閾値を決定する決定手段であり、該取引数が多いほど小さい前記閾値を決定する決定手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0018】
取引が頻繁に行われる期間であるほど、ユーザから予約対象に関する情報が閲覧された頻度が高い期間であると考えられる。この発明によれば、取引履歴に基づく所定時間あたりの予約対象の取引数に応じて閾値が決定されるので、予約対象に関する情報がユーザに閲覧される確率の推定精度を高めることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報提供装置において、前記ユーザの要求に応じた所定期間内に提供される複数の予約対象の残余状況を、該所定期間に含まれる複数の期間のそれぞれごとに提供する第2提供手段と、前記複数の期間のうちユーザにより予約対象に関する情報の閲覧対象期間として指定された期間を特定する特定手段と、前記推定手段は、前記閲覧対象期間の指定履歴を記憶する指定履歴記憶手段に記憶された前記指定履歴に基づいて、前記複数の期間のそれぞれについて、前記特定手段により特定された期間が指定されたことを条件として次に指定される確率を推定し、前記提供手段は、前記複数の予約対象の残余状況を前記複数の期間のそれぞれごとに提供することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、ユーザからの期間の指定の履歴に基づいて、複数の期間のそれぞれごとに、ある期間をユーザが指定した後に指定する確率が推定することで、予約対象に関する情報をユーザが閲覧する確率を推定することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報提供装置において、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち、該ユーザにより情報の閲覧対象として指定された予約対象を特定する特定手段と、予約対象の属性を予約対象ごとに記憶する属性記憶手段から、前記特定手段により特定された予約対象の属性と、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれの属性とを取得する属性取得手段と、を更に備え、前記推定手段は、前記特定手段により特定された予約対象の属性と、前記複数の予約対象それぞれの属性とを比較し、該比較結果に基づいて前記確率を推定することを特徴とする。
【0022】
ある予約対象に関する情報が閲覧された後は、その予約対象の属性と同じような属性を有する予約対象に関する情報が閲覧されやすい。この発明によれば、予約対象の属性に基づいて、ある予約対象に関する情報が閲覧された後に情報が閲覧される確率を推定することができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報提供装置において、前記ユーザの要求は、予約対象の利用数を含み、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち該ユーザにより残余状況の照会が要求された予約対象を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された予約対象の残余状況を前記管理装置から取得する残余状況取得手段と、を更に備え、前記残数取得手段は、前記残余状況取得手段により取得された残余状況に基づいて、前記特定手段により特定された予約対象の残数が前記利用数未満である場合に、前記確率が前記閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得することを特徴とする。
【0024】
ユーザから残数の照会が要求された予約対象の残数が利用数以上であった場合には、ユーザがその予約対象の利用予約を行う可能性があるので、ユーザは、この後、他の予約対象に関する情報を閲覧しない可能性がある。その一方で、残数の照会が要求された予約対象の残数が利用数未満であった場合は、ユーザは、この後、他の予約対象に関する情報を閲覧する可能性がある。この発明によれば、ユーザから情報が閲覧される確率が閾値以上である場合には、残数を管理装置から取得しないので、管理装置から残数を取得する予約対象の数を抑えることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報提供装置において、前記ユーザの要求は、予約対象の利用数を含み、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち該ユーザにより残余状況の照会が要求された予約対象を特定する特定手段と、を更に備え、前記残数取得手段は、前記確率が前記閾値以上である予約対象の残数と、前記特定手段により特定された予約対象の残余状況とを、前記管理装置から取得することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、1回の取得行為で、ユーザから残数の照会が要求された予約対象の残余状況の取得と、ユーザから情報が閲覧される確率が閾値以上の予約対象の残数とを、管理装置から取得することができるので、残数の照会が要求された予約対象の残数が利用数未満であった場合に、残数の取得の完了までに要する時間を短くすることができる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報提供装置において、端末装置から予約対象の予約要求または予約の取消要求の少なくとも何れか一方を受信する要求受信手段と、前記要求受信手段により受信された前記予約要求または前記取消要求に基づいて、前記キャッシュ手段にキャッシュされた前記残数を更新する更新手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、キャッシュ手段にキャッシュされている残数を、管理装置が管理している残数に近づけることができる。これにより、管理装置から残数を取得しなかった予約対象の残余状況を、最新の残余状況に近づけることができる。
【0029】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報提供装置において、前記残数取得手段は、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち、前記確率が前記閾値以上である予約対象と、前記キャッシュ手段にキャッシュされている前記残数が第2閾値未満である予約対象と、の残数を前記管理装置から取得することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、残数が第2閾値未満であることを示す残余状況がユーザに提示されることによりユーザが予約を行わなくなる予約対象の残数が管理装置から取得される新しい残数になるので、ユーザに提示される残余状況が第2閾値以上となる可能性がある。そのため、予約の機会を増やすことができる。
【0031】
請求項12に記載の発明は、情報提供装置により実行される情報提供方法であって、サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御ステップと、ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおいて推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定ステップにおいて推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得ステップと、前記残数取得ステップにおいて取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供ステップと、を含むことを特徴とする。
【0032】
請求項13に記載の発明は、情報提供装置に含まれるコンピュータを、サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段、ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段、前記推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定手段により推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得手段、及び、前記残数取得手段により取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段、として機能させることを特徴とする。
【0033】
請求項14に記載の発明は、情報提供装置に含まれるコンピュータを、サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段、ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段、前記推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定手段により推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得手段、及び、前記残数取得手段により取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段、として機能させる情報提供プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、情報がユーザに閲覧される確率が閾値以上となる予約対象の残数を管理装置から取得し、情報がユーザに閲覧される確率が閾値未満となる予約対象の残数をキャッシュ手段から取得するので、管理装置から残数を取得する予約対象の数を抑えながら、ユーザが情報を必要とする予約対象の残余状況をできるだけ新しいものにして提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施形態に係る航空券予約システムSの概要構成の一例を示す図である。
【図2】週間カレンダーが表示される空席カレンダーページの表示例である。
【図3】一実施形態に係る航空券予約サーバ3の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図4】(a)は、一実施形態に係る会員情報DB12aに登録される内容の一例を示す図であり、(b)は、航空券空席数情報DB12bに登録される内容の一例を示す図であり、(c)は、空席数更新履歴DB12cに登録される内容の一例を示す図であり、(d)は、予約情報DB12dに登録される内容の一例を示す図であり、(e)は、取引履歴DB12eに登録される内容の一例を示す図であり、(f)は、操作履歴DB12fに登録される内容の一例を示す図である。
【図5】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例における空席カレンダーリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【図6】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【図7】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例における空席照会リクエスト受信時処理を示すフローチャートである。
【図9】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【図10】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例における空席照会リクエスト受信時処理を示すフローチャートである。
【図11】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例における個別フライトサービス一覧リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の一実施例におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【図13】(a)は、一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の予約リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートであり、(b)は、一実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14のキャンセルリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、航空券予約システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0037】
[1.航空券予約システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る航空券予約システムSの構成及び機能概要について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る航空券予約システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0038】
図1に示すように、航空券予約システムSは、GDSサーバ1と、複数の航空会社端末2と、航空券予約サーバ3と、複数のユーザ端末4と、を含んで構成されている。そして、航空券予約サーバ3と各ユーザ端末4とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。航空券予約サーバ3とGDSサーバ1とは、例えば、専用回線NAを介して接続されている。また、GDSサーバ1と各航空会社端末2とは、例えば、専用回線を介して接続されている。
【0039】
GDSサーバ1(本発明における管理装置の一例)は、複数の航空会社における航空券の予約手配(航空機輸送サービスの利用の予約手配)を行うためのコンピュータ予約システムであるGDSのサーバ装置である。GDSサーバ1は、各航空会社から予約対象として割り当てられた航空機輸送サービスに関する情報(以下、「航空券情報」という)や、航空機輸送サービスにおける空席数(本発明における空席数の一例)等を管理するためのデータベースを備える。航空券情報と空席数とにより構成される情報を、「航空券空席数情報」という。航空機輸送サービスにおける個々のサービスは、例えば、フライトナンバー、出発日時及び予約クラスにより特定される。予約クラスは、例えば、座席クラス、航空券の有効期間、マイレージの積算率等を決定する。フライトナンバー、出発日時及び予約クラスで特定されるサービスを、「個別フライトサービス」(本発明における予約対象の一例)という。航空券によって、利用可能な個別フライトサービスが特定される。GDSサーバ1は、個別フライトサービス単位で航空券空席数情報を管理する。
【0040】
GDSサーバ1は、例えば、旅行代理業者等が備えるサーバ装置からの問い合わせに応じて航空券情報を提供する。また、GDSサーバ1は、旅行代理業者等が備えるサーバ装置からのリクエストに応じて、予約の処理や予約のキャンセル等の処理を行い、その処理結果に応じて、データベースに登録されている空席数を更新する。また、GDSサーバ1は、例えば、予め定められた時間間隔(以下、「空席数の更新間隔」という)ごとに、データベースに登録されている航空券空席数情報をプッシュ式で航空券予約サーバ3に送信する。なお、GDSサーバ1に対しては、旅行代理業者等が備えるサーバ装置が1または複数接続されているが、図1においては図示を省略している。
【0041】
航空会社端末2は、航空会社が利用する端末装置である。航空会社は、航空会社端末2を操作することにより、例えば、航空券に関する情報や座席数等をGDSに登録したり、予約状況や空席数等の確認を行ったりする。航空会社端末2としては、例えば、パーソナルコンピュータ等がある。
【0042】
航空券予約サーバ3(本発明における情報提供装置の一例)は、航空券の予約の受け付けを行うWebサイト(以下、「航空券予約サイト」という)に関する各種処理を実行するサーバ装置である。航空券予約サーバ3は、航空券空席数情報を登録しておく後述の航空券空席数情報DB(データベース)12bを備える。航空券空席数情報DB12bに登録されている航空券空席数情報の空席数は、GDSサーバ1から定期的に送信されてくる航空券空席数情報の空席数で更新される。航空券予約サーバ3は、ユーザ端末4からのリクエストに応じて、個別フライトサービスに関する情報や空席状況をユーザ端末4に提供したり、航空券の予約や予約のキャンセルの処理を行ったりする。航空券空席数情報DB12bは、航空券予約サーバ3がユーザ端末4へ空席状況を提供する際に、GDSサーバ1に対して空席数の問い合わせを行うことによる応答遅延を緩和するためのキャッシュとしての役割を有する。
【0043】
ユーザ端末4(本発明における端末装置の一例)は、航空券予約サイトを利用するユーザの端末装置である。ユーザ端末4は、ユーザからの操作に基づいて航空券予約サーバ3にアクセスすることにより、航空券予約サーバ3からWebページを受信して表示する。ユーザ端末4には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。ユーザ端末4としては、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【0044】
このような構成の航空券予約システムSにおいて、航空券予約サーバ3は、ユーザから指定された条件を満たす1または複数の個別フライトサービスに対応する空席状況をカレンダーでユーザ端末4に表示させることができるようになっている。このカレンダーを「空席カレンダー」という。また、空席カレンダーが表示されるWebページを、「空席カレンダーページ」という。空席カレンダーとしては、例えば、月間カレンダーと週間カレンダーとがある。月間カレンダーでは、ユーザにより指定された年月における月間(本発明における単位期間の一例)の空席状況が、出発日を基準として1日ごとに表示される。週間カレンダーでは、ユーザにより指定された週における週間(本発明における単位期間の一例)の空席状況が、航空便の出発日時を基準として1時間ごとに表示される。月間カレンダーと週間カレンダーとでは、空席状況の表示単位となる期間と空席状況が表示される全期間とが異なること以外は、表示内容及び航空券予約サーバ3の処理内容が基本的に同様であるので、以降においては、主として週間カレンダーを表示する場合について説明する。
【0045】
図2は、週間カレンダーが表示される空席カレンダーページの表示例である。図2に示すように、空席カレンダーページには、カレンダー領域110、前週リンク120、次週リンク130等が表示される。カレンダー領域110の各欄には、空席状況として、「○」、「×」または「−」が表示される。「○」は、空席があることを示す。「×」は、空席がないことを示す。「−」は、条件を満たす個別フライトサービスがないことを示す。ユーザが、航空輸送サービスの利用人数を指定した場合、「○」は、利用人数以上の空席があることを示し、「×」は、利用人数以上の空席がないことを示す。また、ユーザが、利用人数を指定しなかった場合、「○」は、予め設定された座席数(例えば、1席等)以上の空席があることを示し、「×」は、予め設定された座席数以上の空席がないことを示す。
【0046】
また、「○」は、対応する日付及び時間帯に航空便が出発する個別フライトサービスの情報が一覧表示されるWebページ(以下、「個別フライトサービス一覧ページ」という)へのハイパーリンクになっている。個別フライトサービス一覧ページには、例えば、個別フライトサービスごとに、航空会社名、フライトナンバー、座席クラス、出発日、出発地、出発空港、出発時刻、到着日、到着地、到着空港、到着時刻等の情報が表示される。また、個別フライトサービス一覧ページには、空席を照会するための空席照会ボタンが個別フライトサービスごとに表示される。ユーザが空席照会ボタンを選択すると、航空券予約サーバ3は、ユーザが指定した利用人数分の空席があるか否かをGDSサーバ1に問い合わせる。このとき、利用人数分の空席がある場合には、個別フライトサービス一覧ページの対応するフライトに予約ボタンが表示される。あるいは、一覧表示されている個別フライトサービスの情報のそれぞれに対応して予め予約ボタンが表示されるようにしても良い。そして、利用人数分の空席がある個別フライトサービスに対応する予約ボタンはアクティブな状態(ユーザがボタンを選択可能な状態)で表示され、利用人数分の空席がない個別フライトサービスに対応する予約ボタンは非アクティブな状態(ユーザがボタンを選択することができない状態)で表示されても良い。
【0047】
ユーザが予約ボタンを選択して必要な情報等を入力すると、航空券予約サーバ3は、ユーザが指定した利用人数で予約の要求をGDSサーバ1に行い、予約することができたか否かの結果をユーザ端末4に表示させる。また、個別フライトサービス一覧ページには、空席カレンダー復帰ボタンが表示される。空席カレンダー復帰ボタンは、直前に表示されていた空席カレンダーを再表示するためのボタンである。
【0048】
前週リンク120は、現在空席状況が表示されている週の前週の空席カレンダーページを表示させるためのハイパーリンクである。次週リンク130は、現在空席状況が表示されている週の次週の空席カレンダーページを表示させるためのハイパーリンクである。
【0049】
空席カレンダーページは、種々の方法で表示させることができる。例えば、ユーザが、航空券予約サイト上で、個別フライトサービスを検索するための検索条件を指定する。必須の条件としては、例えば、出発地、到着地、出発日等がある。任意の条件としては、例えば、出発空港、到着空港、航空会社、座席クラス、利用人数、料金の範囲、直行便または経由便、出発時間/搭乗時間帯(午前または午前出発等)の指定等がある。ユーザは、検索条件を指定した後、検索ボタンを選択すると、航空券予約サーバ3は、検索条件を満たす個別フライトサービスを検索し、検索結果を示すWebページ(以下、「検索結果ページ」という)がユーザ端末4の画面に表示される。検索結果ページには、検索された個別フライトサービスの情報が、航空機輸送サービスの商品単位で一覧表示される。航空機輸送サービスの商品は、関連する複数の個別フライトサービスをまとめたものである。例えば、航空会社、行き来する都市(出発地と到着地)、予約クラス等が同じ複数の航空券が1つの商品にまとめられている。ここで、ユーザが、例えば、検索結果ページにおいて、検索結果の一覧の外に表示されている空席カレンダーボタンを選択すると、空席カレンダーページが表示される。この場合、空席カレンダーページには、出発日を除いてユーザが指定した条件を満たす個別フライトサービスのうち、出発日が今週である個別フライトサービスについての空席状況が表示される。また、ユーザが、検索結果一覧の中から何れかの商品に対応する空席カレンダーボタンを選択すると、空席カレンダーページが表示される。この場合、空席カレンダーページには、選択された空席カレンダーボタンに対応する商品のうち、出発日を除いてユーザが指定した条件を満たし、且つ、出発日が今週である航空券についての空席状況が表示される。
【0050】
航空券予約サーバ3は、空席カレンダーページを提供するとき、空席状況の表示対象となる各期間の空席数を確認する。航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数は、定期的に更新されるため、GDSサーバ1が管理している最新の空席数よりも古い場合がある。ここで、航空券予約サーバ3が、例えば、1週間分の空席数をGDSサーバ1から取得しようとすると、該当する個別フライトサービスが多くなるため、GDSサーバ1による検索時間が長くなる。そのため、問い合わせに要する時間(航空券予約サーバ3が問い合わせメッセージを送信してから空席数を受信するまでの時間)が長くなる。
【0051】
そこで、航空券予約サーバ3は、空席状況の表示対象となる複数の期間のそれぞれについて、ユーザがフライトの情報を閲覧する確率(以下、「閲覧確率」という)を推定する。つまり、航空券予約サーバ3は、空席カレンダーページに対するユーザの選択操作によって個別フライトサービス一覧ページが表示される確率を推定する。そして、航空券予約サーバ3は、ある週(または月)に航空便が出発する個別フライトサービスのうち、閲覧確率が予め設定された閾値以上である時間帯(または日)に出発する個別フライトサービスの空席数をGDSサーバ1から取得し、閲覧確率が閾値未満である時間帯に出発する個別フライトサービスの空席数を航空券空席数情報DB12bから取得する。つまり、航空券予約サーバ3は、ユーザが情報を必要とする蓋然性が高いと予測した個別フライトサービスについては、最新の空席数を取得し、ユーザが情報を必要とする蓋然性が低いと予測した個別フライトサービスについては、古い可能性がある空席数を取得する。そして、航空券予約サーバ3は、取得した空席数に基づいて、空席カレンダーページを提供する。ユーザが情報を必要としていない期間の空席状況が古い空席数を反映していたとしても、そもそも必要とされていないのであるから問題はない。このようにして、航空券予約サーバ3は、GDSサーバ1からの空席数の取得に要する時間を短縮させる。
【0052】
[2.航空券予約サーバの構成]
次に、航空券予約サーバ3の構成について、図3及び図4を用いて説明する。
【0053】
図3は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3の概要構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、航空券予約サーバ3は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。
【0054】
通信部11は、ネットワークNWに接続して、ユーザ端末4等との通信状態を制御するようになっている。
【0055】
記憶部12(本発明におけるキャッシュ手段、補正情報記憶手段、取引履歴記憶手段、指定履歴記憶手段及び属性記憶手段の一例)は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部12には、会員情報DB12a、航空券空席数情報DB12b、空席数更新履歴DB12c、予約情報DB12d、取引履歴DB12e、操作履歴DB12f等のデータベースが構築されている。
【0056】
図4(a)は、本実施形態に係る会員情報DB12aに登録される内容の一例を示す図である。会員情報DB12aには、航空券予約システムSに会員登録しているユーザに関する会員情報が登録される。具体的に、会員情報DB12aには、ユーザID、パスワード、ニックネーム、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、電子メールアドレス等が、ユーザごとに対応付けて登録される。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。
【0057】
図4(b)は、本実施形態に係る航空券空席数情報DB12bに登録される内容の一例を示す図である。航空券空席数情報DB12bには、航空券空席数情報が登録される。具体的に、航空券空席数情報DB12bには、航空券情報及び空席数が、個別フライトサービスごとに登録される。航空券情報には、例えば、商品番号、航空会社コード、フライトナンバー、出発地、到着地、出発空港、到着空港、出発日時、到着日時、予約クラス、座席クラス、直行便であるか経由便であるかを示す種別、料金等、個別フライトサービスの属性が設定される。商品番号は、航空機輸送サービスの商品の識別番号である。航空会社コードは、航空会社の識別コードである。
【0058】
図4(c)は、本実施形態に係る空席数更新履歴DB12cに登録される内容の一例を示す図である。空席数更新履歴DB12cには、GDSサーバ1から定期的に送信されてくる航空券空席数情報に含まれる空席数によって、航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数の更新の履歴が空席数更新履歴として登録される。具体的に、空席数更新履歴DB12cには、航空券情報、空席数、更新日時等が、GDSサーバ1から送信されてきた航空券空席数情報ごとに登録される。更新日時は、航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数が更新された日時である。
【0059】
システム制御部14は、GDSサーバ1からプッシュ式で送信されてきた航空券空席数情報に含まれる航空券情報と同一の航空券情報を航空券空席数情報DB12bから検索し、検索された航空券情報に対応する空席数を、取得した航空券空席数情報に含まれる空席数で上書きして航空券空席数情報DB12bを更新する。また、システム制御部14は、GDSサーバ1からプッシュ式で送信されてきた航空券空席数情報を、空席数更新履歴DB12cに登録する。このとき、システム制御部14は、更新日時として現在日時を登録する。
【0060】
空席数更新履歴は、閲覧確率に相当する情報として、空席数の単位時間あたりの変動数を計算するために用いられる。単位時間あたりの変動数が大きい航空券であるほど、予約やキャンセルの取引が頻繁に行われている航空券である。取引が頻繁に行われる航空券であるほどユーザからの人気が高いため、ユーザが情報を閲覧する可能性が高い。なお、単位時間は、例えば空席数の更新間隔等である。
【0061】
図4(d)は、本実施形態に係る予約情報DB12dに登録される内容の一例を示す図である。予約情報DB12dには、航空券の予約の内容に関する予約情報が登録される。具体的に、予約情報DB12dには、予約番号、予約日時、ユーザID、航空券情報、利用人数等が、予約ごとに対応付けて登録される。予約番号は、予約を識別するための番号である。予約日時は、予約が行われた日時である。ユーザIDは、予約を行ったユーザのユーザIDである。航空券情報は、予約された航空券の航空券情報である。
【0062】
図4(e)は、本実施形態に係る取引履歴DB12eに登録される内容の一例を示す図である。取引履歴DB12eには、航空券の取引の履歴を示す取引履歴が登録される。具体的に、取引履歴DB12eには、予約番号、取引日時、取引種別、ユーザID、航空券情報、利用人数等が、取引ごとに対応付けて登録される。取引種別は、取引が、予約またはキャンセルの何れであるかを示す。取引履歴は、閲覧確率と比較される閾値に相当する情報として、変動数閾値を決定するための単位時間(例えば、1時間等)あたりの取引数を計算するために用いられる。単位時間あたりの取引数が多い曜日及び時間帯であるほど、予約やキャンセルの取引が頻繁に行われている曜日及び時間帯である。取引が頻繁に行われる曜日及び時間帯であるほど、ユーザが情報を閲覧する可能性が高い曜日及び時間帯である。そこで、単位時間あたりの取引数に応じて、変動数閾値を設定することにより、ユーザが情報を閲覧するであろうと推定される閾値を曜日及び時間帯ごとに変える。
【0063】
図4(f)は、本実施形態に係る操作履歴DB12fに登録される内容の一例を示す図である。操作履歴DB12fには、空席カレンダーページにおいて、ユーザが選択した期間の履歴を示す操作履歴が登録される。具体的に、操作履歴DB12fには、ユーザID、操作日時、選択曜日及び選択時間帯等が、各ユーザによって選択が行われるごとに対応付けて登録される。ユーザIDは、選択操作を行ったユーザのユーザIDである。操作日時は、選択操作が行われた日時である。選択曜日及び選択時間帯は、選択された期間の曜日及び時間帯である。操作履歴は、閲覧確率に相当する情報として、空席カレンダーページに空席状況が表示される各期間について、ユーザがある期間を選択したことを条件として、そのユーザによってその次に選択される確率(以下、「選択確率」という)を計算するために用いられる。ユーザが、ある期間を選択した後に何れの期間を選択するかは、特定のパターンが見られることが多いからである。例えば、図2の例において、ユーザが7月6日の15時台を選択した後は、同じ7月6日の14時台や16時台、または、7月5日や7月7日の同じ時間帯である15時台を選択する確率の方が、その他の時間帯を選択する確率よりも高いと一般的には考えられる。操作履歴は、選択確率を実際のユーザの行動結果に基づいて計算するための情報である。
【0064】
次に、記憶部12に記憶されるその他の情報について説明する。記憶部12には、変動数補正値決定テーブルが記憶されている。変動数補正値決定テーブルは、航空便が出発する曜日及び時間帯に応じて、空席数の単位時間あたりの変動数を補正する補正値を決定するためのテーブル情報である。具体的に、変動数補正値決定テーブルには、日曜日から土曜日までの各曜日及び0時台から23時台までの各時間帯ごとに対応付けて補正値が格納されている。個別フライトサービスに対応する航空便が出発する曜日や時間帯に応じて、その個別フライトサービスの情報に対するユーザからのアクセスの傾向が異なる場合がある。そこで、システム制御部14は、航空便が出発する曜日や時間帯におけるアクセスの傾向に応じて変動数を補正する。変動数補正値決定テーブルには、例えば、航空便が出発する曜日や時間帯が、アクセスの集中度またはアクセスの頻度が高い曜日や時間帯であるほど、大きい値の補正値が格納される。補正値は、曜日ごとのみに対応付けて格納されても良いし、時間帯ごとのみに対応付けて格納されても良い。また、システム制御部14は、例えば、取引履歴DB12eに登録されている取引履歴に基づいて、航空便が出発する曜日や時間帯ごとのアクセスの集中度またはアクセスの頻度等を計算し、その計算結果に基づいて補正値を決定しても良い。例えば、システム制御部14は、アクセスの頻度として、曜日や時間帯ごとに、その曜日や時間帯に航空便が出発する個別フライトサービスの単位時間あたりの取引数を計算しても良い。なお、月間カレンダーに対応する変動数補正値決定テーブルは、例えば、曜日ごとのみに対応付けて補正値が格納される。
【0065】
また、記憶部12には、取引数テーブルが記憶されている。取引数テーブルには、日曜日から土曜日までの各曜日及び0時台から23時台までの各時間帯ごとに対応付けて、単位時間あたりの取引数が格納される。システム制御部14は、取引数テーブルに格納されている曜日及び時間帯ごとの取引数を、例えば定期的に更新する。例えば、システム制御部14は、ある曜日及び時間帯に行われた取引の取引履歴を、取引履歴DB12eから検索する。このとき、システム制御部14は、検索対象とする取引日時の範囲を、例えば、今日から所定日数前までの期間等に限定する。次いで、システム制御部14は、検索された取引履歴の数を、検索範囲を限定するために用いた期間の週数で除算することにより、単位時間あたりの取引数を計算する。そして、システム制御部14は、単位時間あたりの取引数を、計算対象とした曜日及び時間帯に対応付けて格納する。
【0066】
また、記憶部12には、Webページを表示するためのHTML文書、XML文書、画像データ、テキストデータ、電子文書等の各種データが記憶されている。また、記憶部12には、管理者等により設定された各種の設定値が記憶されている。
【0067】
また、記憶部12には、オペレーティングシステム、WWW(World Wide Web)サーバプログラム、DBMS(Database Management System)、航空券予約処理プログラム等の各種プログラムが記憶されている。航空券予約処理プログラムは、航空券の検索、閲覧確率の推定、GDSサーバ1からの空席数の取得、航空券の予約等の処理を実行するためのプログラムである。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されるようにしても良いし、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0068】
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0069】
システム制御部14は、CPU14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c等により構成されている。そして、システム制御部14は、CPU14aが、各種プログラムを読み出し実行することにより、本発明における制御手段、推定手段、残数取得手段、提供手段、変動数取得手段、補正情報取得手段、決定手段、取引数計算手段、第2提供手段、特定手段、属性取得手段、残余状況取得手段、要求受信手段及び更新手段として機能するようになっている。
【0070】
なお、航空券予約サーバ3が、複数のサーバ装置で構成されても良い。例えば、航空券の検索、閲覧確率の推定、GDSサーバ1からの空席数の取得、航空券の予約等に関する処理を行うサーバ装置、ユーザ端末4からのリクエストに応じてWebページを送信するサーバ装置、及びデータベースを管理するサーバ装置等が、互いにLAN等で接続されても良い。
【0071】
[3.航空券予約システムの動作]
次に、航空券予約システムSの動作について、図5乃至図13を用いて説明する。本実施形態においては、閲覧確率の推定方法、閲覧確率を推定するタイミング及びGDSサーバ1から空席数を取得するタイミングに応じて、実施例1から実施例5に分けて説明する。実施例1から実施例5のうち、複数の実施例を組み合わせて実施することも可能である。
【0072】
[3−1.実施例1]
実施例1における航空券予約サーバ3は、空席カレンダーページをユーザ端末4に送信するときに、閲覧確率の推定及びGDSサーバ1からの空席数の取得を行う。また、航空券予約サーバ3は、閲覧確率として、空席数の単位時間あたりの変動数を用いる。また、航空券予約サーバ3は、閲覧確率と比較する閾値を、空席カレンダーページの要求時の曜日及び時間帯における単位時間あたりの取引数に基づいて決定する。
【0073】
図5は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例1における空席カレンダーリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0074】
例えば、検索結果ページ等のWebページ上において空席カレンダーボタンが選択されたり、空席カレンダーページにおいて、前週リンク120または次週リンク130が選択されたりすると、ユーザ端末4は、空席カレンダーリクエストを航空券予約サーバ3へ送信する。空席カレンダーリクエストには、例えば、ユーザが事前に指定した検索条件を特定するための情報、空席状況を表示させる週を示す情報、ユーザが選択した空席カレンダーボタンに対応する商品番号等が設定されている。空席カレンダーリクエスト受信時処理は、航空券予約サーバ3が空席カレンダーリクエストを受信したときに開始される。
【0075】
先ず、システム制御部14は、受信した空席カレンダーリクエストに対応する検索条件を取得する(ステップS1)。例えば、システム制御部14は、ユーザによる事前のログイン操作に基づいて、ユーザ端末4からユーザIDを受信し、セッション管理により保持している。また、システム制御部14は、航空券情報を検索するときに、ユーザが指定した検索条件をユーザ端末4から受信している。そして、システム制御部14は、受信した検索条件を、例えば、ユーザIDに対応付けて記憶部12に一時的に記憶している。そこで、システム制御部14は、記憶部12から検索条件を取得する。また、システム制御部14は、空席カレンダーリクエストに商品番号が含まれている場合、その商品番号を検索条件に含ませる。
【0076】
次いで、システム制御部14は、後述するGDS問い合わせ制御処理を実行する(ステップS2)。GDS問い合わせ制御処理では、空席状況の表示対象となる各期間について閲覧確率が推定される。そして、閲覧確率に応じてGDSサーバ1から空席数が取得されて、航空券空席数情報DB12bが更新される。次いで、システム制御部14は、記憶部12から空席カレンダーページのHTML文書のテンプレートを取得する。
【0077】
次いで、システム制御部14は、表示日付に、空席カレンダーリクエストに対応する週の初日の日付を設定する(ステップS3)。週の初日の曜日は、例えば日曜日等である。次いで、システム制御部14は、表示時間帯に0を設定する(ステップS4)。
【0078】
次いで、システム制御部14は、取得した検索条件、表示日付及び表示時間帯で、航空券空席数情報DB12bから、航空券空席数情報を検索する(ステップS5)。具体的に、システム制御部14は、検索条件に含まれる条件のうち出発日及び利用人数を除く条件を満たし、且つ、出発日時が、表示日付の表示時間帯の間にある個別フライトサービスの航空券空席数情報を検索する。
【0079】
次いで、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されたか否かを判定する(ステップS6)。このとき、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されなかったと判定した場合には(ステップS6:NO)、空席カレンダーページのHTML文書のテンプレートにおいて、表示日付及び表示時間帯に対応する箇所に、個別フライトサービスがないことを示す情報(例えば、「−」等)を設定する(ステップS7)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0080】
一方、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されたと判定した場合には(ステップS6:YES)、検索された各航空券空席数情報に含まれる空席数を、航空券空席数情報DB12bから取得する(ステップS8)。ここで、GDS問い合わせ制御処理において閲覧確率が閾値以上であると判定された日付及び時間帯に対応する空席数は、GDS問い合わせ制御処理においてGDSサーバ1から取得された最新の空席数である。一方、閲覧確率が閾値以上ではないと判定された日付及び時間帯に対応する空席数は、GDS問い合わせ制御処理の実行前から航空券空席数情報DB12bに登録されていた空席数である。
【0081】
次いで、システム制御部14は、取得した空席数の中に、検索条件に含まれる利用人数以上である空席数が1つ以上あるか否かを判定する(ステップS9)。このとき、システム制御部14は、利用人数以上である空席数が1つ以上あると判定した場合には(ステップS9:YES)、空席カレンダーページのHTML文書のテンプレートにおいて、表示日付及び表示時間帯に対応する箇所に、空席があることを示す情報(例えば、「○」等)を設定する(ステップS10)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0082】
一方、システム制御部14は、利用人数以上である空席数がないと判定した場合には(ステップS9:NO)、空席カレンダーページのHTML文書のテンプレートにおいて、表示日付及び表示時間帯に対応する箇所に、空席がないことを示す情報(例えば、「×」等)を設定する(ステップS11)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0083】
ステップS12において、システム制御部14は、表示時間帯が23未満であるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、表示時間帯が23未満であると判定した場合には(ステップS12:YES)、表示時間帯に1を加算する(ステップS13)。次いで、システム制御部14は、ステップS5に移行する。
【0084】
一方、システム制御部14は、表示時間帯が23未満であると判定した場合には(ステップS12:NO)、表示日付が週の末日の日付よりも前の日付であるか否かを判定する(ステップS14)。このとき、システム制御部14は、表示日付が週の末日の日付よりも前の日付であると判定した場合には(ステップS14:YES)、対象日付に1を加算する(ステップS15)。次いで、システム制御部14は、ステップS4に移行する。
【0085】
一方、システム制御部14は、表示日付が週の末日の日付よりも前の日付ではないと判定した場合には(ステップS14:NO)、情報が設定されることにより完成した空席カレンダーページのHTML文書を、空席カレンダーリクエストの送信元のユーザ端末4に送信する(ステップS16)。システム制御部14は、この処理を終えると、空席カレンダーリクエスト受信時処理を終了させる。
【0086】
図6は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例1におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【0087】
先ず、システム制御部14は、例えば、リクエストを送信してきたユーザ端末4のユーザのユーザIDに対応付けて記憶している検索条件を記憶部12から取得する(ステップS101)。ここで、システム制御部14は、検索条件に利用人数が含まれていない場合には、利用人数として1を検索条件に含ませる。次いで、システム制御部14は、問い合わせリストを初期化する(ステップS102)。問い合わせリストは、GDSサーバ1へ空席数の問い合わせを行うための条件のリストである。
【0088】
次いで、システム制御部14は、現在の曜日及び時間帯に対応する単位時間あたりの取引数を、取引数テーブルから取得する(ステップS103)。次いで、システム制御部14は、取得した取引数に応じた変動数閾値を決定する(ステップS104)。具体的に、システム制御部14は、単位時間あたりの取引数が多いほど値が小さくなるように変動数閾値を決定する。
【0089】
次いで、システム制御部14は、対象日付に週の初日の日付を設定する(ステップS105)。次いで、システム制御部14は、対象時間帯に0を設定する(ステップS106)。
【0090】
次いで、システム制御部14は、現在の検索条件、対象日付及び対象時間帯で、航空券空席数情報DB12bから、航空券空席数情報を検索する(ステップS107)。このときの検索方法は、図5に示す空席カレンダーリクエスト受信時処理のステップS5の場合と同様である。
【0091】
次いで、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されたか否かを判定する(ステップS108)。このとき、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されなかったと判定した場合には(ステップS108:NO)、ステップS116に移行する。一方、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されたと判定した場合には(ステップS108:YES)、検索された航空券空席数情報の中に、空席数が利用人数以上である航空券空席数情報が1つ以上あるか否かを判定する(ステップS109)。
【0092】
このとき、システム制御部14は、空席数が利用人数以上である航空券空席数情報がないと判定した場合には(ステップS109:NO)、現在の検索条件、対象日付及び対象時間帯を対応付けて、問い合わせリストに登録する(ステップS115)。つまり、システム制御部14は、検索条件、対象日付及び対象時間帯を満たす個別フライトサービスの空席数を、GDSサーバ1からの取得対象とする。航空券予約サーバ3側で保持している空席数は利用人数よりも少なくても、GDSサーバ1側で管理している最新の空席数は利用人数以上である場合がある。従って、空席数を古いままにしていると、ユーザが航空券の予約を行う機会を逸する場合がある。そこで、システム制御部14は、空席数が利用人数未満である場合には、閲覧確率の如何を問わずに、最新の空席数を取得する。なお、システム制御部14は、ステップS109において、空席数が利用人数以上であるか否かを、検索された航空券空席数情報ごとに判定し、空席数が利用人数未満である航空券空席数情報については、その航空券情報を問い合わせリストに登録しても良い。つまり、システム制御部14は、対象日時及び対象時間単位で空席数をGDSサーバ1から取得するか否かを判定するのではなく、個別フライトサービス単位で判定しても良い。システム制御部14は、ステップS115の処理を終えると、ステップS116に移行する。
【0093】
一方、システム制御部14は、空席数が利用人数以上である航空券空席数情報が1つ以上あると判定した場合には(ステップS109:YES)、検索された航空券空席数情報に対応する航空券の空席数更新履歴のうち、更新日時が所定期間に含まれる空席数更新履歴を、空席数更新履歴DB12cから検索する(ステップS110)。例えば、システム制御部14は、検索された航空券空席数情報に含まれる商品番号と同一の商品番号を含む空席数更新履歴を検索しても良い。また例えば、システム制御部14は、検索された航空券空席数情報に含まれるフライトナンバー、出発日時及び予約クラスと同一の情報を含む空席数更新履歴を検索しても良い。また、システム制御部14は、検索対象とする更新日時の範囲を、例えば、今日から所定日数前としても良いし、前年以前において、今日と同じ日の前後所定日数の間としても良い。
【0094】
次いで、システム制御部14は、検索された空席数更新履歴に基づいて、空席数の単位時間あたりの変動数を計算する(ステップS111)。例えば、システム制御部14は、フライトナンバー、出発日時及び予約クラスが同一である空席数更新履歴を、更新日時の昇順で並べ替える。そして、システム制御部14は、更新間隔ごとの空席数の差の絶対値を計算する。例えば、空席数の更新間隔が15分であるとする。ここで、ある更新日時における空席数が10であり、15分後の空席数が5である場合、差の絶対値は5である。更に15分後の空席数が7である場合、差の絶対値は2である。このように、システム制御部14は、更新間隔ごとの空席数の差の計算を、フライトナンバー、出発日時及び予約クラスが同一である空席数更新履歴ごとに計算する。そいて、システム制御部14は、計算した全ての差の絶対値の合計値を計算し、その合計値を、計算した差の絶対値の個数で除算することにより、単位時間あたりの変動数を計算する。
【0095】
次いで、システム制御部14は、現在の対象日付の曜日及び対象時間帯に対応する補正値を、変動数補正値決定テーブルから取得する(ステップS112)。次いで、システム制御部14は、計算した変動数に、取得した補正値を加算する(ステップS113)。次いで、システム制御部14は、変動数が、記憶部12に記憶されている変動数閾値以上であるか否かを判定する(ステップS114)。
【0096】
このとき、システム制御部14は、変動数が変動数閾値以上であると判定した場合には(ステップS114:YES)、現在の検索条件、対象日付及び対象時間帯を対応付けて、問い合わせリストに登録する(ステップS115)。つまり、システム制御部14は、推定した閲覧確率が閾値以上であるので、現在の検索条件、対象日付及び対象時間帯を満たす個別フライトサービスの空席数を、GDSサーバ1からの取得対象とする。なお、システム制御部14は、ステップS108で検索された航空券空席数情報ごとに変動数を計算するとともに、ステップS114における判定を航空券空席数情報ごとに行い、変動数が変動数閾値以上となる航空券空席数情報に含まれる航空券情報を、問い合わせリストに登録しても良い。つまり、システム制御部14は、対象日時及び対象時間単位で空席数をGDSサーバ1から取得するか否かを判定するのではなく、個別フライトサービス単位で判定しても良い。
【0097】
次いで、システム制御部14は、対象時間帯が23未満であるか否かを判定する(ステップS116)。このとき、システム制御部14は、対象時間帯が23未満であると判定した場合には(ステップS116:YES)、対象時間帯に1を加算する(ステップS117)。次いで、システム制御部14は、ステップS107に移行する。
【0098】
一方、システム制御部14は、対象時間帯が23未満であると判定した場合には(ステップS116:NO)、対象日付が週の末日の日付よりも前の日付であるか否かを判定する(ステップS118)。このとき、システム制御部14は、対象日付が週の末日の日付よりも前の日付であると判定した場合には(ステップS118:YES)、対象日付に1を加算する(ステップS119)。次いで、システム制御部14は、ステップS106に移行する。
【0099】
一方、システム制御部14は、対象日付が週の末日の日付よりも前の日付ではないと判定した場合には(ステップS118:NO)、問い合わせリストに基づいて、GDSサーバ1から航空券空席数情報を取得する(ステップS120)。具体的に、システム制御部14は、問い合わせリストに登録された検索条件、対象日付及び対象時間帯を、取得する航空券空席数情報の条件として空席数問い合わせメッセージに設定する。このとき、システム制御部14は、対応付けられている検索条件、対象日付及び対象時間帯ごとに条件設定を行う。また、システム制御部14は、取得する航空券空席数情報の出発日時の条件として、対象日付及び対象時間帯を設定する。ここで、問い合わせリストに航空券情報が登録されている場合には、例えば、その航空券情報に含まれるフライトナンバー、出発日時及び予約クラスを、条件として設定する。次いで、システム制御部14は、条件が設定された空席数問い合わせメッセージをGDSサーバ1に送信する。こうして、システム制御部14は、複数条件による空席数の問い合わせを、1回の空席数問い合わせメッセージの送信で行う。GDSサーバ1は、受信した空席数問い合わせメッセージに含まれる条件ごとに、その条件を満たす航空券空席数情報を検索し、検索された航空券空席数情報を航空券予約サーバ3に送信する。システム制御部14は、GDSサーバ1から送信されてきた航空券空席数情報を受信する。
【0100】
次いで、システム制御部14は、GDSサーバ1から取得した航空券空席数情報に含まれる空席数で、航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数を更新する(ステップS121)。具体的に、システム制御部14は、取得した航空券空席数情報に含まれる航空券情報と同一の航空券情報を航空券空席数情報DB12bから検索し、検索された航空券情報に対応する空席数を、取得した航空券空席数情報に含まれる空席数で上書きする。システム制御部14は、この処理を、取得した航空券空席数情報ごとに行う。システム制御部14は、ステップS121の処理を終えると、GDS問い合わせ制御処理を終了させる。
【0101】
なお、システム制御部14は、変動数を計算するときに、取引履歴DB12eに登録されている取引履歴を利用しても良い。取引履歴を利用することにより、航空券予約サイト内での空席数の単位時間あたりの変動数を計算することも可能である。また、変動数閾値は、単位時間あたりの取引数によらず、固定値であっても良い。また、システム制御部14は、ステップS113における変動数の補正は行わなくても良い。また、システム制御部14は、ステップS109における空席数の判定による問い合わせリストへの登録を行わなくても良い。
【0102】
[3−2.実施例2]
実施例2における航空券予約サーバ3は、空席カレンダーページをユーザ端末4に送信するときに、閲覧確率の推定及びGDSサーバ1からの空席数の取得を行う。また、航空券予約サーバ3は、閲覧確率と比較する閾値として、利用人数を用いる。なお、実施例2における空席カレンダーリクエスト受信時処理は、実施例1の場合と同様である。
【0103】
航空券空席数情報DB12bに現在登録されている空席数が次の更新で変動する場合であっても、利用人数を超える変動が起こらなければ古い空席数のままであっても良い。ユーザとしては、自分が指定した利用人数で予約可能であるか否かが分かれば良いからである。そこで、航空券予約サーバ3は、次の更新時に空席数が利用人数を超えて変動する可能性がある個別フライトサービスについての空席数をGDSサーバ1から取得する。なお、利用人数を超える変動とは、空席数が利用人数未満から利用人数以上に変動すること、及び、空席数が利用人数以上から利用未満に変動することを含む。
【0104】
図7は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例2におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。図7において、図6と同様のステップについては同様の番号を付してある。
【0105】
システム制御部14は、ステップS101、S102、S105〜S108の処理を実行する。ステップS108において、システム制御部14は、航空券空席数情報が検索されたと判定した場合には(ステップS108:YES)、検索された航空券空席数情報のうち1つを選択する(ステップS131)。次いで、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの空席数更新履歴のうち、更新日時が所定期間に含まれる空席数更新履歴を、空席数更新履歴DB12cから検索する(ステップS132)。次いで、システム制御部14は、検索された空席数更新履歴に基づいて、空席数の単位時間あたりの変動数を計算する(ステップS133)。ステップS132及びS133の基本的な処理内容は、図6に示すステップS110及びS111の場合と同様であっても良い。
【0106】
次いで、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に含まれている空席数が利用人数以上であるか否かを判定する(ステップS134)。このとき、システム制御部14は、空席数が利用人数以上であると判定した場合には(ステップS134:YES)、空席数から利用人数を減算し、減算結果に1を加算したものを変動数閾値とする(ステップS135)。一方、システム制御部14は、空席数が利用人数以上ではないと判定した場合には(ステップS134:NO)、利用人数から空席数を減算し、減算結果を変動数閾値とする(ステップS136)。
【0107】
次いで、システム制御部14は、変動数が、計算した変動数閾値以上であるか否かを判定する(ステップS137)。このとき、システム制御部14は、変動数が変動数閾値以上であると判定した場合には(ステップS137:YES)、選択した航空券空席数情報に含まれる航空券情報を、問い合わせリストに登録する(ステップS138)。次いで、システム制御部14は、ステップS139に移行する。一方、システム制御部14は、変動数が変動数閾値未満であると判定した場合には(ステップS137:NO)、ステップS139に移行する。
【0108】
ステップS139において、システム制御部14は、検索された航空券空席数情報の中にまだ選択されていない航空券空席数情報があるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、まだ選択されていない航空券空席数情報があると判定した場合には(ステップS139:YES)、まだ選択されていない航空券空席数情報のうち1つを選択する(ステップS140)。次いで、ステップS132に移行する。一方、システム制御部14は、全ての航空券空席数情報を選択したと判定した場合には(ステップS139:NO)、ステップS116に移行する。ステップS116〜S121の処理については、実施例1の場合と同様である。
【0109】
[3−3.実施例3]
実施例3における航空券予約サーバ3は、個別フライトサービス一覧ページにおいて、ユーザが空席照会ボタンを選択することにより、GDSサーバ1に空席を照会した後に、閲覧確率の推定及びGDSサーバ1からの空席数の取得を行う。また、航空券予約サーバ3は、照会対象とされた個別フライトサービスの属性に基づいて、閲覧確率を補正する。
【0110】
空席を照会した結果、指定した利用人数分の空席があることが判明した場合には、ユーザが、そこで予約を行う可能性がある。その場合、ユーザは、これ以上、個別フライトサービスの情報を閲覧しない可能性がある。ユーザが情報を閲覧しないのであれば、GDSサーバ1から最新の空席数を取得する必要がない。その一方で、指定した利用人数分の空席がないことが判明した場合には、ユーザは、空席カレンダー復帰ボタンを選択することにより空席カレンダーページを表示させ、前回指定した時間帯とは異なる時間帯における個別フライトサービスの情報を見る可能性がある。その場合、ユーザが情報を閲覧すると推定される個別フライトサービスについて、GDSサーバ1から最新の空席数を取得しておいた方が良い。そこで、システム制御部14は、利用人数分の空席があるか否かに応じて、閲覧確率の推定及びGDSサーバ1からの空席数の取得の制御を行う。これにより、空席があることが判明した場合には、結果的に1つの個別フライトサービスの空席状況をGDSサーバ1に問い合わせれば良いので、問い合わせに要する時間を短くすることができる。
【0111】
図8は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例3における空席照会リクエスト受信時処理を示すフローチャートである。
【0112】
個別フライトサービス一覧ページにおいて、ユーザが空席照会ボタンを選択すると、ユーザ端末4は、選択された空席照会ボタンに対応する個別フライトサービスのフライトナンバー、出発日時、予約クラス及びユーザが事前に指定した検索条件を特定するための情報を含む空席照会リクエストを、航空券予約サーバ3に送信する。空席照会リクエスト受信時処理は、航空券予約サーバ3が空席照会リクエストを受信したときに開始される。
【0113】
先ず、システム制御部14は、受信した空席照会リクエストに対応するフライトナンバー、出発日時、予約クラス及び利用人数を取得する(ステップS201)。次いで、システム制御部14は、GDSサーバ1に空席を照会する(ステップS202)。具体的に、システム制御部14は、取得したフライトナンバー、出発日時、予約クラス及び利用人数を含む空席照会問い合わせメッセージをGDSサーバ1に送信する。GDSサーバ1は、受信した空席照会問い合わせメッセージに含まれるフライトナンバー、出発日時及び予約クラスで航空券空席数情報を検索し、検索された航空券空席数情報から空席数を取得する。そして、GDSサーバ1は、空席数が空席照会問い合わせメッセージに含まれる利用人数以上であるか否かを判定し、その判定結果を空席照会応答として航空券予約サーバ3に送信する。
【0114】
システム制御部14は、GDSサーバ1から空席照会応答を受信すると、空席照会応答に基づいて、利用人数以上の空席があるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、システム制御部14は、利用人数以上の空席があると判定した場合には(ステップS203:YES)、空席あり応答をユーザ端末4に送信する(ステップS204)。システム制御部14は、この処理を終えると、空席照会リクエスト受信時処理を終了させる。ユーザ端末4は、空席あり応答を受信すると、個別フライトサービス一覧ページに、空席がある旨のメッセージと予約ボタンを表示する。システム制御部14は、この処理を終えると、空席照会リクエスト受信時処理を終了させる。
【0115】
一方、システム制御部14は、利用人数以上の空席がないと判定した場合には(ステップS203:NO)、空席なし応答をユーザ端末4に送信する(ステップS205)。ユーザ端末4は、空席なし応答を受信すると、個別フライトサービス一覧ページに、空席がない旨のメッセージを表示する。次いで、システム制御部14は、GDS問い合わせ制御処理を実行する(ステップS206)。システム制御部14は、この処理を終えると、空席照会リクエスト受信時処理を終了させる。
【0116】
この後、ユーザが空席カレンダー復帰ボタンを選択すると、ユーザ端末4は、空席カレンダーリクエストを航空券予約サーバ3に送信する。システム制御部14は、これに応じて、ステップS206で実行されたGDS問い合わせ制御処理が完了することを待って、空席カレンダーリクエスト受信時処理を行い、ユーザ端末4に空席カレンダーページを表示させる。空席カレンダーページにおいて、GDS問い合わせ制御処理において閲覧確率が閾値以上であると判定された個別フライトサービスの空席状況は、GDSサーバ1から取得された最新の空席数を反映している。一方、閲覧確率が閾値以上ではないと判定された個別フライトサービスの空席状況は、GDS問い合わせ制御処理の実行前から航空券空席数情報DB12bに登録されていた空席数を反映している。
【0117】
図9は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例3におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。図9において、図7と同様のステップについては同様の番号を付してある。
【0118】
システム制御部14は、ステップS101、S102、S105〜S108及びS131〜S133の処理を実行する。次いで、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの所定の属性と、空席を照会した個別フライトサービスの属性とを比較して、同じ属性の範囲にあるか否かを判定する(ステップS151)。ここで、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報及び空席を照会した個別フライトサービスの航空券情報を航空券空席数情報DB12bから取得して、航空券情報に含まれる属性に基づいて判定を行う。例えば、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの料金と、空席を照会した個別フライトサービスの料金とが同一価格帯に含まれるか否かを判定する。
【0119】
このとき、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの所定の属性が、空席を照会した個別フライトサービスの属性と同じ範囲にないと判定した場合には(ステップS151:NO)、ステップS137に移行する。
【0120】
一方、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの所定の属性が、空席を照会した個別フライトサービスの属性と同じ範囲にあると判定した場合には(ステップS151:YES)、計算した変動数に、記憶部12に記憶されている補正値を加算する(ステップS152)。つまり、システム制御部14は、閲覧確率が高くなるように閲覧確率を計算する。ユーザは、ある個別フライトサービスの空席を照会した後は、空席を照会した個別フライトサービスと同じような個別フライトサービスに関する情報を閲覧する可能性が高いと考えられるからである。なお、システム制御部14は、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの料金と、空席を照会した個別フライトサービスの料金とが同一価格帯に含まれるか否かで変動数を補正するのではなく、選択した航空券空席数情報に対応する個別フライトサービスの料金と、空席を照会した個別フライトサービスの料金との価格差で補正値を決定しても良い。具体的に、システム制御部14は、価格差が小さいほど、補正値が大きくなるように補正値を決定しても良い。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS137に移行する。ステップS137〜S140及びS116〜S121の処理については、実施例2の場合と同様である。
【0121】
なお、ステップS151における判定に用いる属性は、上述したものに限られない。例えば、出発空港、到着空港、午前出発、午後出発、直行便または経由便、座席クラス、予約クラスにより特定される条件等を用いることができる。
【0122】
また、システム制御部14は、個別フライトサービスの属性と、空席数の単位時間あたりの変動数との両方に基づいて閲覧確率を決定するのではなく、属性のみに基づいて、閲覧確率を決定しても良い。
【0123】
また、システム制御部14は、ユーザから要求された個別フライトサービスの予約を行うために、ユーザが指定した利用人数で予約の要求をGDSサーバ1に行い、予約することができなかった旨の応答をGDSサーバ1から受信したときに、GDS問い合わせ制御処理を実行しても良い。
【0124】
[3−4.実施例4]
実施例4における航空券予約サーバ3は、GDSサーバ1に空席を照会する前に閲覧確率の推定を行うとともに、GDSサーバ1に対する空席の照会時にGDSサーバ1から空席数を取得する。
【0125】
実施例3では、空席がないことが判明した場合に空席カレンダーページが再表示されると、GDSサーバ1に対して2回の問い合わせが行われる。問い合わせ対象となる個別フライトサービスの数とは別に、1回の問い合わせに対するGDSサーバ1からの応答時間自体が長い場合には、ユーザによる待ち時間が長くなる。
【0126】
そこで、照会対象の個別フライトサービスの空席数が利用人数以上あるか否かと、閲覧確率が閾値以上である個別フライトサービスの空席数とを、1回の問い合わせメッセージの送信で同時に問い合わせても良い。
【0127】
図10は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例4における空席照会リクエスト受信時処理を示すフローチャートである。図10において、図8と同様のステップについては同様の番号を付してある。
【0128】
先ず、システム制御部14は、問い合わせリストを初期化する(ステップS251)。次いで、システム制御部14は、フライトナンバー、出発日時、予約クラス及び利用人数を取得して(ステップS201)、これらの情報を対応付けて、問い合わせリストに登録する(ステップS252)。次いで、システム制御部14は、GDS問い合わせ制御処理を実行する(ステップS206)。GDS問い合わせ制御処理の処理内容は、実施例3と基本的に同様である。ただし、システム制御部14は、図9に示すステップS102の問い合わせリストの初期化を行わない。また、システム制御部14は、ステップS120において、照会対象の個別フライトサービスの空席数が利用人数以上あるか否かと、閲覧確率が閾値以上である個別フライトサービスの空席数とを、1回の問い合わせメッセージの送信で同時に取得する。
【0129】
システム制御部14は、GDS問い合わせ制御処理を終えると、GDSサーバ1からの応答結果に応じて、ユーザ端末4に応答を送信する(ステップS203〜S205)。
【0130】
[3−5.実施例5]
実施例5における航空券予約サーバ3は、個別フライトサービス一覧ページをユーザ端末4に送信した後に、閲覧確率の推定及びGDSサーバ1からの空席数の取得を行う。また、航空券予約サーバ3は、閲覧確率として、空席カレンダーページにおける各期間の条件付きの選択確率を用いる。
【0131】
図11は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例5における個別フライトサービス一覧リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0132】
空席カレンダーページにおいて、ユーザが何れかの期間に表示されている「○」を選択すると、ユーザ端末4は、選択された期間に対応する日付及び時間帯の情報と、ユーザが事前に指定した検索条件を特定するための情報とを含む個別フライトサービス一覧リクエストを航空券予約サーバ3に送信する。個別フライトサービス一覧リクエスト受信時処理は、航空券予約サーバ3が個別フライトサービス一覧リクエストを受信したときに開始される。
【0133】
先ず、システム制御部14は、受信した個別フライトサービス一覧リクエストに含まれる日付及び時間帯を基準日付及び基準時間帯として取得するとともに、個別フライトサービス一覧リクエストに対応する検索条件を取得する(ステップS301)。次いで、システム制御部14は、リクエストを送信してきたユーザ端末4のユーザのユーザIDをセッション管理から取得し、取得したユーザID、基準日付に対応する曜日及び基準時間帯を操作履歴DB12fに登録する。このとき、システム制御部14は、操作日時として現在の日時を登録する(ステップS302)。
【0134】
次いで、システム制御部14は、取得した検索条件、基準日付及び基準時間帯で、航空券空席数情報DB12bから、航空券空席数情報を検索する(ステップS303)。このとき、システム制御部14は、空席数が利用人数以上である航空券空席数情報を検索する。次いで、システム制御部14は、検索された航空券空席数情報に基づいて、個別フライトサービス一覧ページのHTML文書を生成する(ステップS304)。次いで、システム制御部14は、生成したHTML文書をユーザ端末4に送信する(ステップS305)。
【0135】
次いで、システム制御部14は、後述するGDS問い合わせ制御処理を実行する(ステップS306)。システム制御部14は、この処理を終えると、個別フライトサービス一覧リクエスト受信時処理を終了させる。
【0136】
図12は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の実施例5におけるGDS問い合わせ制御処理における処理例を示すフローチャートである。図12において、図6と同様のステップについては同様の番号を付してある。
【0137】
先ず、システム制御部14は、リクエストを送信してきたユーザ端末4のユーザのユーザIDをセッション管理から取得し、取得したユーザIDを含む操作履歴を操作履歴DB12fから検索する(ステップS171)。
【0138】
次いで、システム制御部14は、検索された履歴に基づいて、基準日付の曜日の基準時間帯が選択されたことを条件とする、各期間の選択確率を計算する(ステップS172)。具体的に、システム制御部14は、各期間の選択回数を格納するための選択回数テーブルを生成し、各期間の選択回数を0に初期化する。次いで、システム制御部14は、検索された操作履歴を操作日時の昇順で並べ替える。次いで、システム制御部14は、操作日時の古い順に、選択曜日及び選択時間帯が、基準日付の曜日及び基準時間帯に一致する操作履歴を検索する。次いで、システム制御部14は、検索された操作履歴よりも操作日時が1つ新しい操作履歴から、選択曜日及び選択時間帯を取得する。次いで、システム制御部14は、取得した選択曜日及び選択時間帯に対応する選択回数に1を加算する。システム制御部14は、このような処理を、選択曜日及び選択時間帯が基準日付の曜日及び基準時間帯に一致する操作履歴がなくなるまで繰り返す。次いで、システム制御部14は、各期間の選択回数を、選択曜日及び選択時間帯が基準日付の曜日及び基準時間帯に一致する操作履歴の個数で除算することにより、各期間の条件付き確率を計算する。
【0139】
次いで、システム制御部14は、ステップS101、S102、S105及びS106の処理を行う。次いで、システム制御部14は、現在の対象曜日の対象時間帯における選択確率が、記憶部12に記憶されている確率閾値以上であるか否かを判定する(ステップS173)。このとき、システム制御部14は、選択確率が確率閾値以上であると判定した場合には(ステップS173:YES)、現在の検索条件、対象日付及び対象時間帯を対応付けて、問い合わせリストに登録する(ステップS115)。次いで、システム制御部14は、ステップS116に移行する。一方、システム制御部14は、選択確率が確率閾値以上ではないと判定した場合には(ステップS173:NO)、ステップS116に移行する。その後、システム制御部14は、ステップS116〜S119の処理を行う。こうして、システム制御部14は、選択確率が確率閾値以上である期間について、問い合わせリストへの登録を行う。そして、システム制御部14は、ステップS120及びS121の処理を行い、GDS問い合わせ制御処理を終了させる。
【0140】
なお、システム制御部14は、空席カレンダーページにおいて選択操作を行ったユーザ個人の操作履歴に基づいて選択確率を計算していたが、全ユーザの操作履歴に基づいて選択確率を計算しても良い。また、システム制御部14は、ユーザ個人の選択確率と、全ユーザの選択確率との両方を考慮しても良い。例えば、システム制御部14は、ユーザ個人の選択確率と全ユーザの選択確率とを足し合わせて2で除算したものを確率閾値と比較しても良い。
【0141】
[3−6.予約、キャンセル時の動作]
次に、航空券の予約時及び予約のキャンセル時の動作について説明する。なお、以下に説明する処理は、実施例1から実施例5の何れの実施例においても実施することができる。
【0142】
航空券予約サイトにおいて、航空券の予約や予約のキャンセルがあった場合には、その内容を航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数に反映させることができる。これにより、航空券予約サーバ3は、航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数を、GDSサーバ1が管理している最新の空席数に近づけることができる。
【0143】
図13(a)は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14の予約リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0144】
ユーザが個別フライトサービスを選択して予約のための必要情報等を入力すると、ユーザ端末4は、選択された個別フライトサービスのフライトナンバー、出発日時、予約クラス、利用人数等を特定するための情報を含む予約リクエストを航空券予約サーバ3に送信する。予約リクエスト受信時処理は、航空券予約サーバ3が予約リクエストを受信したときに開始される。
【0145】
先ず、システム制御部14は、受信した予約リクエストに対応する予約対象のフライトナンバー、出発日時、予約クラス及び利用人数を取得する(ステップS401)。次いで、システム制御部14は、取得した情報と、新しく生成した予約番号とを設定した予約問い合わせメッセージをGDSサーバ1に送信する(ステップS402)。GDSサーバ1は、受信した予約問い合わせメッセージに含まれるフライトナンバー、出発日時及び予約クラスで航空券空席数情報を検索し、検索された航空券空席数情報から空席数を取得する。そして、GDSサーバ1は、空席数が予約問い合わせメッセージに含まれる利用人数以上であるか否かを判定し、空席数が利用人数以上である場合には、予約の処理を行う。そして、GDSサーバ1は、処理結果を含む予約問い合わせ応答を航空券予約サーバ3に送信する。
【0146】
システム制御部14は、予約問い合わせ応答を受信すると(ステップS403)、予約問い合わせ応答に基づいて、予約することができたか否かを判定する(ステップS404)。このとき、システム制御部14は、予約することができなかったと判定した場合には(ステップS404:NO)、空席なし応答をユーザ端末4に送信して、予約リクエスト受信時処理を終了させる。
【0147】
一方、システム制御部14は、予約することができたと判定した場合には(ステップS404:YES)、予約情報を予約情報DB12dに登録する(ステップS405)。次いで、システム制御部14は、取引履歴を取引履歴DB12eに登録する(ステップS406)。次いで、システム制御部14は、予約対象のフライトナンバー、出発日時、予約クラスを含む航空券空席数情報を航空券空席数情報DB12bから検索し、検索された航空券空席数情報に含まれる空席数から利用人数を減算する。システム制御部14は、この処理を終えると、予約リクエスト受信時処理を終了させる。
【0148】
図13(b)は、本実施形態に係る航空券予約サーバ3のシステム制御部14のキャンセルリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0149】
ユーザが、キャンセルしたい予約の予約番号を選択する操作を行うと、ユーザ端末4は、選択された予約番号を含むキャンセルリクエストを航空券予約サーバ3に送信する。キャンセルリクエスト受信時処理は、航空券予約サーバ3がキャンセルリクエストを受信したときに開始される。
【0150】
先ず、システム制御部14は、受信したキャンセルリクエストに含まれる予約番号を設定したキャンセル問い合わせメッセージを、GDSサーバ1に送信する(ステップS451)。GDSサーバ1は、受信したキャンセル問い合わせメッセージに含まれる予約番号に対応する予約をキャンセルするための処理を行う。
【0151】
次いで、システム制御部14は、予約番号に対応する予約情報を予約情報DB12dから検索し、検索された予約情報に含まれる航空券情報を含む航空券空席数情報を、航空券空席数情報DB12bから検索する。次いで、システム制御部14は、検索された航空券空席数情報に含まれる空席数に、検索された予約情報に含まれる利用人数を加算する(ステップS452)。
【0152】
次いで、システム制御部14は、検索された予約情報を、予約情報DB12dから削除する(ステップS453)。次いで、システム制御部14は、取引履歴を取引履歴DB12eに登録する(ステップS454)。システム制御部14は、この処理を終えると、キャンセルリクエスト受信時処理を終了させる。
【0153】
以上説明したように、本実施形態によれば、航空券予約サーバ3のシステム制御部14が、GDSサーバ1から定期的に取得される空席数に基づいて、フライトナンバー、予約クラス及び出発日時で特定される個別フライトサービスごとに個別フライトサービスの空席数を航空券空席数情報DB12bに登録し、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスそれぞれについて、個別フライトサービスに関する情報がユーザに閲覧される確率を推定し、推定された確率が閾値以上である個別フライトサービスの空席数をGDSサーバ1から取得するとともに、推定された確率が閾値未満である個別フライトサービスの空席数を航空券空席数情報DB12bから取得し、取得された空席数に応じた複数の個別フライトサービスそれぞれの空席状況を提供する。従って、GDSサーバ1から空席数を取得する個別フライトサービスの数を抑えながら、ユーザが情報を必要とする個別フライトサービスの残余状況をできるだけ新しいものにして提供することができる。
【0154】
また、システム制御部14が、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスそれぞれの空席数の所定時間あたりの変動数を取得し、取得された変動数に応じた確率を推定するので、空席数の所定時間あたりの変動数を用いることにより、ユーザに情報が閲覧される確率を推定することができる。
【0155】
また、システム制御部14が、1週間に含まれる複数の時間帯のそれぞれごとに変動数を補正する補正値を格納する変動数補正値決定テーブルから、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスそれぞれについて個別フライトサービスの出発日時を含む時間帯に対応する補正値を取得し、取得された変動数と、取得された補正情報とに基づいて、確率を推定するので、個別フライトサービスが出発する曜日や時間帯に応じてユーザからの情報の閲覧頻度が異なる場合には、その閲覧頻度に応じて補正値を設定しておくことで、ユーザに情報が閲覧される確率の推定精度を高めることができる。
【0156】
また、システム制御部14が、航空券空席数情報DB12bに登録された複数の個別フライトサービスそれぞれの空席数と、利用人数との差に応じて、それぞれの個別フライトサービスに対応する閾値を決定する。従って、空席数が利用人数を超えて変動するか否かを予測することができる。
【0157】
また、システム制御部14が、取引履歴DB12eに登録された取引履歴に基づいて、1週間に含まれる複数の時間帯それぞれの所定時間あたりの個別フライトサービスの取引数を計算し、計算された取引数のうち、ユーザの要求があった時期を含む時間帯の取引数に応じた閾値を決定するし、取引数が多いほど小さい閾値を決定する。従って、ユーザに情報が閲覧される確率の推定精度を高めることができる。
【0158】
また、システム制御部14が、ユーザの要求に応じた所定期間内に提供される複数の個別フライトサービスの空席状況を、所定の1週間に含まれる複数の時間帯のそれぞれごとに提供し、複数の時間帯のうちユーザにより個別フライトサービスに関する情報の閲覧対象の時間帯として指定された時間帯を特定し、操作履歴DB12fに登録された操作履歴に基づいて、複数の時間帯のそれぞれについて、特定された時間帯が指定されたことを条件として次に指定される確率を推定する。従って、個別フライトサービスに関する情報をユーザが閲覧する確率を推定することができる。
【0159】
また、システム制御部14が、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスのうち、ユーザにより情報の閲覧対象として指定された個別フライトサービスを特定し、航空券空席数情報DB12bから、特定された個別フライトサービスの属性と、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスそれぞれの属性とを取得し、特定された個別フライトサービスの属性と、複数の個別フライトサービスそれぞれの属性とを比較し、比較結果に基づいて、個別フライトサービスに関する情報をユーザが閲覧する確率を推定する。従って、複数の個別フライトサービスそれぞれについて、ある個別フライトサービスに関する情報が閲覧された後に情報が閲覧される確率を推定することができる。
【0160】
また、システム制御部14が、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスのうちユーザにより空席状況の照会が要求された個別フライトサービスを特定し、特定された個別フライトサービスの空席状況として空席照会応答をGDSサーバ1から取得し、取得された空席照会応答に基づいて、特定された個別フライトサービスの空席数が利用人数未満である場合に、推定された確率が閾値以上である個別フライトサービスの空席数をGDSサーバ1からさらに取得する。従って、GDSサーバ1から空席数を取得する個別フライトサービスの数を抑えることができる。
【0161】
また、システム制御部14が、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスのうちユーザにより空席状況の照会が要求された個別フライトサービスを特定し、推定された確率が閾値以上である個別フライトサービスの空席数と、特定された個別フライトサービスの空席状況とを、一回の照会要求に基づいてGDSサーバ1から取得するので、空席数の照会が要求された個別フライトサービスの空席数が利用人数数未満であった場合に、空席数の取得の完了までに要する時間を短くすることができる。
【0162】
また、システム制御部14が、端末装置から予約リクエストやキャンセルリクエストを受信し、受信されたリクエストに基づいて、航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数を更新するので、GDSサーバ1から空席数を取得しなかった個別フライトサービスの空席状況を、最新の空席状況に近づけることができる。
【0163】
また、システム制御部14が、ユーザの要求に応じた複数の個別フライトサービスのうち、推定された確率が閾値以上である個別フライトサービスと、航空券空席数情報DB12bに登録されている空席数が利用人数未満である個別フライトサービスと、の空席数をGDSサーバ1から取得するので、予約の機会を増やすことができる。
【0164】
なお、上記実施形態においては、空席状況の提供態様として空席状況をカレンダー形式で表示する場合に本発明を適用していたが、カレンダー形式で表示する場合以外での提供態様に本発明を適用しても良い。
【0165】
また、上記実施形態においては、本発明における管理装置を、GDSに属するサーバ装置に適用していたが、GDSやCRS(Computer Reservation System)等に限定されるものではない。
【0166】
また、上記実施形態においては、航空券の予約に対して本発明を適用していたが、例えば、列車、バス、定期船等の航空機以外の交通機関の座席の予約、宿泊施設の予約、ゴルフ場等の競技施設の予約等に適用することができる。
【符号の説明】
【0167】
1 GDSサーバ
2 航空会社端末
3 航空券予約サーバ
4 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
12a 会員情報DB
12b 航空券空席数情報DB
12c 空席数更新履歴DB
12d 予約情報DB
12e 取引履歴DB
12f 操作履歴DB
13 入出力インターフェース
14 システム制御部
14a CPU
14b ROM
14c RAM
15 システムバス
NW ネットワーク
S 航空券予約システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段と、
ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定手段により推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得手段と、
前記残数取得手段により取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれの残数の所定時間あたりの変動数を取得する変動数取得手段を更に備え、
前記推定手段は、前記変動数取得手段により取得された前記変動数に応じた前記確率を推定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供装置において、
予め定められた単位期間に含まれる複数の期間のそれぞれごとに前記変動数を補正する補正情報を記憶する補正情報記憶手段から、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて該予約対象の提供時期を含む期間に対応する前記補正情報を取得する補正情報取得手段を更に備え、
前記推定手段は、前記変動数取得手段により取得された前記変動数と、前記補正情報取得手段により取得された前記補正情報とに基づいて、前記確率を推定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報提供装置において、
前記ユーザの要求は、予約対象の利用数を含み、
前記キャッシュ手段にキャッシュされた前記複数の予約対象それぞれの残数と、前記利用数との差に応じて、それぞれの予約対象に対応する前記閾値を決定する決定手段と、
を更に備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の情報提供装置において、
予約対象の取引履歴を記憶する取引履歴記憶手段に記憶された前記取引履歴に基づいて、予め定められた単位期間に含まれる複数の期間それぞれの所定時間あたりの予約対象の取引数を計算する取引数計算手段と、
前記取引数計算手段により計算された前記取引数のうち、前記ユーザの要求があった時期を含む期間の前記取引数に応じた前記閾値を決定する決定手段であり、該取引数が多いほど小さい前記閾値を決定する決定手段と、
を更に備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報提供装置において、
前記ユーザの要求に応じた所定期間内に提供される複数の予約対象の残余状況を、該所定期間に含まれる複数の期間のそれぞれごとに提供する第2提供手段と、
前記複数の期間のうちユーザにより予約対象に関する情報の閲覧対象期間として指定された期間を特定する特定手段と、
前記推定手段は、前記閲覧対象期間の指定履歴を記憶する指定履歴記憶手段に記憶された前記指定履歴に基づいて、前記複数の期間のそれぞれについて、前記特定手段により特定された期間が指定されたことを条件として次に指定される確率を推定し、
前記提供手段は、前記複数の予約対象の残余状況を前記複数の期間のそれぞれごとに提供することを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報提供装置において、
前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち、該ユーザにより情報の閲覧対象として指定された予約対象を特定する特定手段と、
予約対象の属性を予約対象ごとに記憶する属性記憶手段から、前記特定手段により特定された予約対象の属性と、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれの属性とを取得する属性取得手段と、
を更に備え、
前記推定手段は、前記特定手段により特定された予約対象の属性と、前記複数の予約対象それぞれの属性とを比較し、該比較結果に基づいて前記確率を推定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報提供装置において、
前記ユーザの要求は、予約対象の利用数を含み、
前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち該ユーザにより残余状況の照会が要求された予約対象を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された予約対象の残余状況を前記管理装置から取得する残余状況取得手段と、
を更に備え、
前記残数取得手段は、前記残余状況取得手段により取得された残余状況に基づいて、前記特定手段により特定された予約対象の残数が前記利用数未満である場合に、前記確率が前記閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報提供装置において、
前記ユーザの要求は、予約対象の利用数を含み、
前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち該ユーザにより残余状況の照会が要求された予約対象を特定する特定手段と、
を更に備え、
前記残数取得手段は、前記確率が前記閾値以上である予約対象の残数と、前記特定手段により特定された予約対象の残余状況とを、前記管理装置から取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報提供装置において、
端末装置から予約対象の予約要求または予約の取消要求の少なくとも何れか一方を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された前記予約要求または前記取消要求に基づいて、前記キャッシュ手段にキャッシュされた前記残数を更新する更新手段と、
を更に備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報提供装置において、
前記残数取得手段は、前記ユーザの要求に応じた複数の予約対象のうち、前記確率が前記閾値以上である予約対象と、前記キャッシュ手段にキャッシュされている前記残数が第2閾値未満である予約対象と、の残数を前記管理装置から取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項12】
情報提供装置により実行される情報提供方法であって、
サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御ステップと、
ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定ステップにおいて推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得ステップと、
前記残数取得ステップにおいて取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供ステップと、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項13】
情報提供装置に含まれるコンピュータを、
サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段、
ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段、
前記推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定手段により推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得手段、及び、
前記残数取得手段により取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段、
として機能させることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項14】
情報提供装置に含まれるコンピュータを、
サービスの予約残数を管理する管理装置から定期的に取得される前記予約残数に基づいて、サービスと該サービスの提供時期との組み合わせで特定される予約対象ごとに該予約対象の残数をキャッシュ手段にキャッシュさせる制御手段、
ユーザの要求に応じた複数の予約対象それぞれについて、該予約対象に関する情報が該ユーザに閲覧される確率を推定する推定手段、
前記推定手段により推定された確率が閾値以上である予約対象の残数を前記管理装置から取得するとともに、前記推定手段により推定された確率が前記閾値未満である予約対象の残数を前記キャッシュ手段から取得する残数取得手段、及び、
前記残数取得手段により取得された前記残数に応じた前記複数の予約対象それぞれの残余状況を提供する提供手段、
として機能させる情報提供プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−15926(P2013−15926A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146824(P2011−146824)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)