説明

情報管理システム

【課題】本発明は、預かり物に関して顧客とのカウンセリングを行うための部門を、預かり物の入荷受付を行う部門、及び、預かり物の再生産処理を行う部門それぞれと独立して構成したサービスシステムにおいて、預かった品物に対する情報を統括して管理できる情報管理システムを提案することを目的とする。
【解決手段】顧客5からの預かり物について再生産処理を行うサービスシステムが、再生産処理工場を行う再生産処理工場2と、顧客5に対してカウンセリングを行うカウンセリングセンター3と、サービスシステム内の情報を管理するサービス本部4によって構成される。このサービスシステムにおける情報管理システムが、外部ネットワーク6で通信接続された、サービス本部4内のサーバ装置41と、再生産処理工場2内の端末装置23と、カウンセリングセンター3内の端末装置31とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客から預かった品物に対して、点検、検査、補修、修理、再生、清掃などの処理(以下、総じて「再生産処理」と呼ぶ)を施すサービスを提供するための情報管理システムに関するものであり、特に、顧客の要求に応じたサービスを提供するために顧客とのカウンセリングを行う情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーニングサービスに代表される、顧客から預かった品物に再生産処理を施すサービス業においては、店頭などで顧客がサービス提供者に品物を預ける際に、受け付ける店舗でサービスの簡単な内容が提示されることが一般である。即ち、従来のサービス業においては、サービスの対象となる品物を預かる店舗において、その品物の所持者である顧客を応対した店員の見立てによって、サービスの内容が決定される。しかしながら、従来のサービスシステムは、店員が、大別した品物の種類毎に系統づけられた複数種類のサービスより、預かった品物に対応したサービスを選択し、そのサービスの内容を顧客に説明して決定するのみであった。
【0003】
このようなサービスシステムでは、預かる品物の状態や種類などについて細かく検討されていないため、サービスに対して対価を支払う顧客にとって、提供するサービスに対して十分な情報が開示されていない。そのため、顧客は、サービス提供後の仕上がった品物を受け取った際に、対価に見合った処理がなされているかの判断ができず、十分な満足が得られない場合が多かった。それに対して、本出願人は、顧客より品物を預かる際に、顧客に対して十分なカウンセリングを行うことで、預かる品物に関して十分な情報を取得するシステムを提案した(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1によるサービス提供方法では、店頭で顧客に対してカウンセリングを行うことで、預かる品物の種類、色、汚れや欠損、付属物それぞれに関する情報を、属性情報として取得する。そして、この取得した属性情報によって、再生産処理工程を特定するための情報や、預かった品物の仕上がり予定日、配送場所、配送時間などの情報を、初期カウンセリング情報として決定する。これにより、顧客は、店頭で十分なカウンセリングを受けることで、預ける品物の状態に対して提供されるサービスが最適なものであるか否かが認識できる。よって、顧客に対して、提供するサービスに関する情報を十分に開示することができるため、顧客側は、支払う対価に見合ったサービスが提供されることに納得して、品物を預けることができる。
【0005】
又、本出願人は、再生産処理中の品物に対して瑕疵が生じた場合に、その瑕疵の内容を顧客に通知するサービス提供方法を提案している(特許文献2参照)。この特許文献2によるサービス提供方法により、顧客は、サービスが全て完了して品物を受け取る前に、再生産処理中に生じた瑕疵を認識できるため、サービス提供者に対して、その瑕疵の除去及び修理を容易にできる。即ち、サービス提供者側は、顧客に対して自身のサービスの内容に関して情報を開示しているため、処理中に瑕疵が発生しないために、十分な注意喚起を行う一方で、顧客側は、サービス提供者に対して信頼して品物を預けることができる。更に、本出願人は、顧客が品物を購入した店舗を、提供するサービスを取り次ぐための受付窓口としたクリーニングシステムを提案した(特許文献3参照)。このクリーニングシステムの場合、顧客は、品物を購入した店舗で受付が行われるため、店舗への信頼感によって、サービス提供者へ安心して品物を預けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−258707号公報
【特許文献2】特許3588648号公報
【特許文献3】特開2008−134977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、上述した特許文献1〜特許文献3による各サービスシステムによれば、顧客は、サービス提供者に対して安心感と信用をもって、サービスを受ける品物を預けることができる。しかしながら、特許文献1におけるサービスシステムでは、品物を顧客から預かる店舗で受付を行う際にカウンセリングが行われるため、カウンセリングを完了するまでに時間がかかることより、顧客を拘束する時間が長くなってしまう。特に、カウンセリングを行うために必要な情報を品物から取得する作業に時間がかかるため、この情報を取得するまでは顧客を待機させることとなり、顧客に不要な拘束時間を要求することとなる。
【0008】
又、特許文献2及び特許文献3のサービスシステムにおいても、顧客のサービス提供に対する信用を取得するために、十分な情報開示を行うには、特許文献1に開示するカウンセリングを行うことが好ましい。しかしながら、特許文献2及び特許文献3のサービスシステムの場合、顧客に対して受付を行う店舗と実際にサービスを提供する工場とが、離れた場所に設置されているため、工場側で必要な情報を店舗で取得するには、受付を担当する店員を十分に教育する必要がある。特に、特許文献3のように、品物を販売する店舗で取り次ぎを行う場合、店員は、その主となる業務である品物の販売業務以外に、カウンセリング業務を覚える必要があるため、店舗にかかる負担が大きくなる。このように、店舗と工場とが離れて設置される場合、店舗側にかかる負担が大きくなるだけでなく、工場で十分なサービスを提供するために必要な情報が取得できないという問題があった。
【0009】
一方、工場側では、店舗のように顧客と直接応対することがないので、カウンセリングするために十分な情報を取得するために、預かった品物の状態を検品する時間を取得することができる。そのため、工場より顧客に連絡をとってカウンセリングを行うことで、十分なサービスを提供するために必要な情報を、顧客とやり取りできる。しかしながら、このように工場側でカウンセリングを行う場合、再生産処理を行う者が直接カウンセリングを行うため、店舗でカウンセリングを行う場合と異なり、客観的な評価による情報の取得がなされない。そのため、複数の工場によってサービスシステムが構成される場合、各工場によってカウンセリング内容やサービス内容にバラツキが生じ、サービスシステム内で統一されたサービスの提供ができないという問題が発生する。
【0010】
このような問題に鑑みて、本発明は、預かり物に関して顧客とのカウンセリングを行うための部門を、預かり物の入荷受付を行う部門、及び、預かり物の再生産処理を行う部門それぞれと独立させて構成したシステムにおいて、預かった品物に対する情報を統括して管理できる情報管理システムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の情報管理システムは、顧客から預かり物を預かった後に、顧客へのカウンセリングによって決定した再生産処理を施して、顧客に返還するサービスシステム内の情報を、管理する情報管理システムであって、サービス本部に設置され、前記サービスシステム内の情報を一元管理するサーバ装置と、前記サービス本部に設置されるとともに、前記サーバ装置の管理下で稼動され、前記預かり物に対して取得された情報を管理し、再生産処理に必要な情報を蓄積する電子カルテを記憶するデータベースと、入荷される預かり物を受け付ける入荷受付ステーションに設置されるとともに、入荷された預かり物を構成する物品の属性を示す属性情報と、該預かり物を構成する物品における再生産処理の要因を示す状態情報との入力を少なくとも受け付けて、前記サーバ装置に送信する入荷受付用端末装置と、カウンセリングセンターに設置されるとともに、外部ネットワークにより前記サーバ装置と接続されており、前記入荷受付ステーションで受け付けられた預かり物に関して、顧客との通信によって実行されたカウンセリングによって取得した処理情報を前記サーバ装置に送信するカウンセリング用端末装置と、再生産処理工場に設置されるとともに、前記外部ネットワークにより前記サーバ装置と接続されており、前記電子カルテに記憶された、再生産処理すべき預かり物に関する処理情報を、前記サーバ装置より受信して、預かり物を再生産処理する作業者に教示する作業用端末装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記入荷受付用端末装置より送信された預かり物の属性情報及び状態情報を受信する毎に、前記データベース内の対応した電子カルテに、受信した前記属性情報及び状態情報を追加して記憶させるとともに、これらの属性情報及び状態情報に基づいてカウンセリング用情報を生成し、前記カウンセリング用端末装置は、前記カウンセリング用情報を、前記サーバ装置から受信して、前記カウンセリングセンターの作業者に教示することを特徴とする。
【0012】
このような情報管理システムにおいて、前記再生産処理工場が、前記入荷受付ステーションと、前記入荷受付ステーションで入荷を受け付けた預かり物を一時的に保管する倉庫ステーションと、を備えるとともに、前記入荷受付用端末装置も、前記サーバ装置と前記外部ネットワークによって接続されるものであってもよい。
【0013】
又、前記サービス本部が、前記入荷受付ステーションと、前記入荷受付ステーションで入荷を受け付けた預かり物を一時的に保管する倉庫ステーションと、を備えるとともに、前記入荷受付用端末装置と前記サーバ装置とが、前記サービス本部内のネットワークによって接続されるものであってもよい。
【0014】
又、前記サービスシステムが、前記入荷受付ステーションと、前記入荷受付ステーションで入荷を受け付けた預かり物を一時的に保管する倉庫ステーションと、を有した倉庫センターを、更に備えるとともに、前記入荷受付用端末装置も、前記サーバ装置と前記外部ネットワークによって接続されるものであってもよい。
【0015】
更に、上述の情報s管理システムのいずれかにおいて、前記倉庫ステーションより預かり物を搬出する作業準備用ステーションに設置されるとともに、前記サーバ装置より搬出の対象となる預かり物の情報が与えられて、該作業準備用ステーションの作業者に教示する作業準備用端末装置を、更に備え、前記作業準備用端末装置による通知に基づいて前記倉庫ステーションから搬出される預かり物が、再生産処理を行う期間単位毎に搬出されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、サーバ装置が、入荷受付ステーションで受け付けた預かり物の属性情報と状態情報とから、カウンセリング用情報を生成して、カウンセリング用端末装置に送信し、カウンセリングセンターの作業者にカウンセリング用情報を教示する。そのため、カウンセリングセンターの作業者は、サーバ装置が設置されるサービス本部における基準に基づくカウンセリング用情報によって、顧客に対してカウンセリングが行える。よって、サービス本部により情報が統括管理されるサービスシステムが、サービス本部とロケーションの異なるカウンセリングセンターを有する場合であっても、そのサービスシステムで統一されたカウンセリングを行うことができ、サービスシステムにおけるサービス品質を一定に保持できる。
【0017】
又、このカウンセリング用情報のサービス本部による統括管理により、カウンセリングセンターを再生産処理工場と別のロケーションできるため、再生産処理工場に対して客観的な情報をカウンセリングセンターで取得できる。よって、再生産処理工場とカウンセリングセンターとを同一ロケーションとした場合のように、再生産処理工場が主観的に情報を取得した場合と比べて、そのサービスシステムにおけるサービスの低品質化を抑制できる。
【0018】
更に、顧客からの預かり物の入荷を受け付けた後に、カウンセリングセンターによるカウンセリングがなされるため、預かり物の預け入れのために店舗をサービスシステム内に構成する必要がなくなる。又、預かり物を預け入れるための店舗においても、顧客からの預かり物の預け入れを受け付けるだけでよく、店舗における作業時間が短くてすむため、顧客を待機させることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】は、第1の実施形態における、本発明の情報管理システムによるサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】は、図1に示すサービスシステムの具体的な構成を示す図である。
【図3】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が電子カルテを生成した時の構成を示し、(b)が再生産処理工場を設定した時の構成を示し、(c)が預かり物の入荷時の構成を示す。
【図4】は、図1に示すサービスシステムにおける再生産処理工場の具体的な構成を示す図である。
【図5】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が再生産処理を設定した時の構成を示し、(b)がリスク情報を設定した時の構成を示し、(c)がカウンセリング情報のダウンロード時の構成を示す。
【図6】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が料金を設定した時の構成を示し、(b)が納期を設定した時の構成を示し、(c)がキャンセルを受けた時の構成を示す。
【図7】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が採寸情報を受信した時の構成を示し、(b)が採寸処理の終了時の構成を示す。
【図8】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が再生産処理中の構成を示し、(b)が再生産処理の終了時の構成を示す。
【図9】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が出荷可能時の構成を示し、(b)が梱包完了時の構成を示す。
【図10】は、第2の実施形態における、本発明の情報管理システムによるサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】は、図10に示すサービスシステムにおける、サービス本部及び再生産処理工場の具体的な構成を示す図である。
【図12】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が電子カルテを生成した時の構成を示し、(b)が倉庫への保管時の構成を示す。
【図13】は、データベースに記憶される電子カルテの構成を示す模式的な図であり、(a)が料金を設定した時の構成を示し、(b)がキャンセルを受けた時の構成を示し、(c)が納期を設定した時の構成を示す。
【図14】は、第2の実施形態における、本発明の情報管理システムによるサービスシステムの別の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
【0021】
図1に示すサービスシステムは、顧客5から品物を預かる店舗1と、店舗1より配送された品物に対して再生産処理を施す再生産処理工場2と、顧客5とのカウンセリングを行うカウンセリングセンター3と、サービスシステム内の情報を統括して管理するサービス本部4とによって構成される。そして、このサービスシステムにおける情報管理システムは、店舗1内に設置された端末装置11と、再生産処理工場2内に設置されたデータ入力装置21、データ出力装置22、及び端末装置23と、カウンセリングセンター3に設置された端末装置31と、サービス本部4に設置されたサーバ装置41と、顧客5が操作する端末装置51とが、インターネット回線網などによる外部ネットワーク6で接続されて構成される。尚、店舗1、再生産処理工場2、及びカウンセリングセンター3とサービス本部4との間は、外部ネットワーク6として、専用回線や仮想専用回線を利用し、外部への情報漏洩を防ぐ構成とすることが好ましい。
【0022】
そして、サービス本部4は、再生産処理の対象となる物品に関する情報や顧客5に関する情報などを記憶したデータベース42を備える。このデータベース42は、サービス本部4内に構築されているLAN(Local Area Network)によってサーバ装置41と接続され、外部ネットワーク6からのアクセスが遮断されるような構成となっている。即ち、サーバ装置41は、外部ネットワーク6からのアクセスによって受け取ったデータを処理し、データベース42に蓄積するASP(Application
Service Provider)サーバとして機能する。又、サービス本部4内のサーバ装置41は、データベース42にアクセス可能な複数のサーバ装置によって構成され、外部ネットワーク6からのアクセスに対応するサーバ装置が特定されずにランダムに選択される、クラウドコンピューティングシステムを採用するものであってもよい。
【0023】
顧客5とカウンセリングセンター3との間で通信を行うために、カウンセリングセンター3には、顧客5が操作する通信装置52と通信を行う通信装置32が設置される。この通信装置32,52はそれぞれ、公衆電話網を介して通信する電話機やファクシミリ装置であってもよい。又、電子メール機能やウェブブラウザ機能を備えた端末装置31,51それぞれによって通信装置32,52が構成され、外部ネットワーク6を介して通信するものとしてもよい。このとき、端末装置31,51が、インターネット回線網を利用したIP電話機能を備えるものとし、外部ネットワーク6を介して通話ができるものであってもよい。
【0024】
尚、図1では、説明を簡単にするために、店舗1、再生産処理工場2、カウンセリングセンター3、及び顧客5それぞれが、サービス本部4と1対1の関係とした構成としているが、図2に示すように、サービス本部4と1対n(nは、1以上の整数)の関係となる。又、再生産処理工場2は、図面の構成上、データ入力装置21、データ出力装置22、及び端末装置23を1台ずつ設置した構成としているが、後述するように、その処理工程の異なる複数のステーションが設けられ、ステーション毎に、データ入力装置21、データ出力装置22、及び端末装置23が必要台数だけ設置される。
【0025】
1.再生産処理対象となる物品の預け入れ
顧客5が再生産処理のために物品を預ける際、店舗1に対象となる物品(以下、「預かり物」と呼ぶ)を持ち込むことによって預けてもよいし、サービス本部4にアクセスして、預かり物の受け取りをサービス本部4に要求してもよい。即ち、顧客5は、サービス本部4に対して、再生産処理によるサービスシステムを利用する際、店舗1を通じた間接的な要求と、直接的な要求とを選択することができる。
【0026】
1−1.店舗による預け入れ受付
まず、顧客5が店舗1に預かり物を持ち込む場合について説明する。このとき、店舗1の店員が、顧客5に対して応対を行い、端末装置11を操作することによって、サービス本部4のサーバ装置41に対してデータをアップロードする。尚、店員が端末装置11によってサーバ装置41にアクセスする際、店舗1毎又は店舗1の店員毎に割り振られたID及びパスワードの入力が求められ、サーバ装置41による端末装置11の利用者の認証が行われることが好ましい。
【0027】
店舗1の店員は、顧客5から預かり物を受け付けるとき、端末装置11を操作して、顧客5の顧客情報と預かり物の個数(預かり点数)とを、端末装置11に入力する。尚、顧客5の顧客情報は、顧客5の氏名又は名称や、住所又は居所や、電話番号、ファクシミリ番号、又はメールアドレスなどの連絡先情報が含まれる。又、預かり点数については、端末装置11への入力がないものとしてもよい。このとき、端末装置11は、サーバ装置41と通信を行うことによって、入力された顧客情報及び預かり点数をサーバ装置41にアップロードする。
【0028】
サーバ装置41は、入力された顧客情報及び預かり点数を端末装置11から受信すると、図3(a)に示すように、この顧客情報と預かり点数とを記憶させた新たな電子カルテ421を作成し、データベース42に記憶させる。このとき、新たに作成された電子カルテ421は、新規なカルテ番号が割り付けられて、データベース42に記憶される。よって、サービス本部4では、店舗1で預かり物を受け付ける度に、新たなカルテ番号が割り付けられた電子カルテが、サーバ装置41によって作成されて、データベース42内に記憶(保存)される。即ち、電子カルテは、一度に受け付けた預かり物に対して1つ作成されるものである。
【0029】
又、サービス本部4は、再生産処理工場2における在庫点数や、店舗1と再生産処理工場2との位置関係などに基づいて、預かり物の再生産処理に最適な再生産処理工場2を選択する。尚、この再生産処理工場2の選択については、サーバ装置1が自動的に演算しても構わないし、サービス本部4の作業者が判断しても構わない。そして、サーバ装置1は、預かり物に対して選択された再生産処理工場2についても、図3(b)に示すように、データベース42の電子カルテ421に記憶させる。このとき、例えば、再生産処理工場2それぞれに対して固有のID(工場用ID)が割り付けられている場合、この工場用IDが電子カルテ421内に記憶される。尚、この工場用IDが用いられるとき、再生産処理工場2の住所、名称、電話番号、現在の在庫数などの各種情報に対して、工場用IDが割り付けられた工場用データテーブルが、データベース42内に記憶される。
【0030】
電子カルテが作成されてデータベース42に記憶されると、顧客5からの預かり物を店舗1内で識別するために、カルテ番号が、サーバ装置41より端末装置11に通知される。このとき、店舗1において、カルテ番号に基づいて決定される預かり物用IDなどの識別用番号が表記されたタグなどが、顧客5からの預かり物に対して取り付けられるものとしてもよい。尚、この店舗1における、預かり物を特定するための表記は、カルテ番号に基づく預かり物用IDに限るものではなく、例えば、店舗1で受け付けた日時と顧客情報とによる表記であってもよい。
【0031】
又、このカルテ番号の通知と同時に、店舗1からの預かり物の配送先となる、選択された再生産処理工場2が、サーバ装置42より端末装置11に通知される。これにより、端末装置11を操作する店員は、サーバ装置41により指定された再生産処理工場2を配送先とする配送伝票を作成し、預かり物に取り付けることができる。この指定された再生産処理工場2へ配送するための配送伝票は、端末装置11に接続されたプリンタなどによって自動的に発行されるものとしてもよい。このとき、この配送伝票には、上述の預かり物用IDのように、預かり物を識別するための情報を表記されるものとしてもよい。
【0032】
尚、データベース42は、既に受け付けたことのある顧客5については、その顧客情報を顧客5毎に構成した顧客用データテーブルに記憶しているものとしてもよい。このとき、顧客5が新規な顧客でない場合に、端末装置11に入力する顧客情報が一部だけであっても、サーバ装置41は、端末装置11に入力された一部の情報と一致する顧客情報を、データベース42の顧客用データテーブルより検索できる。又、この顧客情報は、顧客5毎に設定した顧客用IDが割り付けられて、データベース42の顧客用データテーブルに記憶されるものとしてもよい。この場合、顧客5が新規であって、その顧客情報が端末装置11よりアップロードされたときに、新たな顧客用IDが割り付けられて、データベース42に記憶される。一方、既に顧客情報が登録された顧客5の場合は、割り付けられた顧客用IDを端末装置11に入力するだけで、サーバ装置41で顧客情報を検索できる。
【0033】
1−2.顧客による預け入れ依頼
次に、顧客5がサービス本部4にアクセスして、預かり物の預け入れを依頼する場合について説明する。顧客5は、端末装置51におけるウェブブラウザ機能を利用するなどして、サービス本部4のサーバ装置41へアクセスを行う。このとき、サーバ装置41に対してアクセスの許可を求めるために、ID及びパスワードなどを用いた個人認証がなされる。このとき、顧客5が初めてサーバ装置41にアクセスする場合は、サービス本部4によるサービスシステムに登録するための入力が、端末装置51を通じてなされる。このとき、顧客5の顧客情報が端末装置51に入力されることで、サーバ装置41にアップロードされて、顧客5の顧客情報がデータベース42に記憶される。そして、顧客5に対して新たに生成した認証用のID及びパスワードを、端末装置51を通じて顧客5に通知し、顧客5の顧客情報の登録を完了する。
【0034】
このように、顧客5の顧客情報は、初回又は情報の変更時に、端末装置51によりその入力を受け付けてサーバ装置41にアップロードすることで、データベース42の顧客用データテーブルに記憶される。よって、顧客5は、2回目からの利用の際には、端末装置51を操作して顧客情報を入力する必要がない。そして、サーバ装置41と端末装置51との間で通信を行って、顧客5の認証がなされると、サーバ装置41は、その認証した顧客5に関する顧客情報をデータベース42内から検索して読み出すことができる。
【0035】
このようにして、顧客5がサーバ装置41へのアクセスが認証されると、顧客5は、端末装置51を操作して、預かり物の預け入れをサーバ装置41に要求する。このとき、預かり物の預かり点数が、端末装置51に入力されて、サーバ装置41に通知されるものとしてもよい。よって、サーバ装置41は、店舗1を介した受付を行ったときと同様、図3(a)に示すような、新たなカルテ番号を割り付けた電子カルテ421を生成し、データベース42内に記憶させる。この電子カルテ421には、認証時に特定した顧客5の顧客情報も記憶される。又、端末装置51を通じて預かり点数がサーバ装置41に通知される場合は、この通知された預かり点数も、電子カルテ421内に記憶される。
【0036】
このとき、店舗1を介した受付の場合と同様、サービス本部4では、再生産処理工場2における在庫点数や、顧客情報より確認される顧客5の住所又は居所と再生産処理工場2との位置関係などに基づいて、預かり物の再生産処理に最適な再生産処理工場2を選択する。そして、この選択した再生産処理工場2を特定する情報が、図3(b)に示すように、データベース42の電子カルテ421に記憶される。このように再生産処理工場2が選択されると、選択された再生産処理工場2とカルテ番号とが、サーバ装置41より端末装置51に対して送信され、顧客5に通知される。これにより、顧客5は、預け入れる預かり物を識別するための符号と、再生産処理される再生産処理工場2とを、端末装置5を通じて確認できる。
【0037】
又、サービス本部4は、不図示の配送業者などに、預かり物を引き取る顧客5の住所又は居所と、その配送先となる、選択した再生産処理工場2の住所とを通知し、顧客5より預かり物の引き取りを要求する。このとき、割り付けられたカルテ番号を配送業者に通知し、例えば、預かり物に取り付ける配送用の伝票に表記させるようにしてもよい。これにより、配送業者は、端末装置51を通じて預かり物の預け入れを要求した顧客5に対して、預かり物の引き取りを行った後、選択された再生産処理工場2に預かり物を搬送する。
【0038】
尚、上述の店舗1を介した受付を行う場合においても、配送業者に対して、預かり物を受け付けた店舗1の住所と、搬送先となる再生産処理工場2とを指定するものとしてもよい。逆に、顧客5がサービス本部4に直接アクセスする場合において、端末装置51に、選択された再生産処理工場2が通知されたとき、その再生産処理工場2を配送先とする配送伝票を顧客5自身が作成して、預かり物に貼り付けて、再生産処理工場2への配送を配送業者に依頼するものとしてもよい。
【0039】
2.再生産処理工場
再生産処理のために預け入れが依頼された預け物は、店舗1又は顧客5から再生産処理工場2へ搬送される。この再生産処理工場2は、図4に示すように、預かり物の入荷を受け付ける入荷受付ステーション201と、入荷を受け付けた預かり物を格納する倉庫ステーション202と、倉庫ステーション202より搬出した預かり物を物品毎に採寸を行う採寸ステーション203と、採寸ステーション203で採寸された各物品に対して再生産処理を施す作業ステーション204と、作業ステーション204で仕上げられた物品を顧客毎の預かり物として纏めて出荷する出荷ステーション205とで構成される。尚、採寸ステーション203は、倉庫ステーション202に保管された預かり物を作業ステーション204における再生産処理のために搬出して準備する「作業準備ステーション」に相当する。
【0040】
このような構成の再生産処理工場2において、入荷受付ステーション201は、預かり物を物品毎に撮影して物品毎の画像データを取得するカメラ装置211を、データ入力装置21として備える。又、この入荷受付ステーション201は、入荷予定の預かり物の一覧を表示するディスプレイ装置221と、物品毎に取り付けるタグを発行するタグ発行装置222とを、データ出力装置22として備える。更に、入荷受付ステーション201における作業者により操作される端末装置231が、入荷受付ステーション201内に設置される。
【0041】
採寸ステーション203は、物品に取り付けられたタグの情報を読み取るタグ用リーダ装置213を、データ入力装置21として備えるとともに、採寸予定の預かり物の一覧を表示するディスプレイ装置223を、データ出力装置22として備える。作業ステーション204は、タグ用リーダ装置214をデータ入力装置21として備えるとともに、作業予定の預かり物の一覧を表示するディスプレイ装置224を、データ出力装置22として備える。そして、採寸ステーション203及び作業ステーション204それぞれにおいても、その作業者によって操作される端末装置233、234が設置される。又、作業ステーション204は、物品それぞれに対して再生産処理を施すための、洗濯装置などの再生産処理装置241が設置される。この再生産処理装置241が作業者によって操作されることで、クリーニングサービスシステムでは、洗濯、仕上げ、検品などが行われる。
【0042】
出荷ステーション205は、タグ用リーダ装置215をデータ入力装置21として備えるとともに、出荷予定の預かり物の一覧を表示するディスプレイ装置225と、配送伝票へ配送先を印字するプリンタ装置226とを、データ出力装置22として備える。そして、出荷ステーション205においても、その作業者によって操作される端末装置235が設置される。
【0043】
3.再生産処理工場への入荷
再生産処理工場2このような入荷受付ステーション201において、ディスプレイ装置221は、サービス本部4のサーバ装置41から、入荷予定である預かり物に関する情報を受信し、当日に入荷予定となっている預かり物の一覧を表示する。このとき、ディスプレイ装置221は、入荷予定とされる預かり物のカルテ番号と共に、その預かり点数や配送元(店舗1又は顧客5)の名称及び住所などといった情報をサーバ装置41より受信し、一覧表示するものとしてもよい。
【0044】
又、預かり物の開梱を行った作業者は、その預かり物に取り付けられた伝票又はタグより、その預かり物を特定するための情報(顧客情報又はカルテ番号)を確認し、端末装置231に入力する。これにより、預かり物を特定するための情報が、端末装置231よりサーバ装置41に送信される。サーバ装置41は、この端末装置231から送信される情報に基づいて、作業者が開梱した預かり物に対応する電子カルテをデータベース42より検索すると、物品に対する新規な物件番号を発行する。そして、サーバ装置41は、発行した物件番号を、電子カルテ421に図3(b)のように割り付けられたカルテ番号と共に、端末装置231に送信する。
【0045】
端末装置231では、そのディスプレイ上において、カルテ番号及び物件番号と共に、物品に関する各種情報を入力するための入力画面が表示される。そして、作業者は、この入力画面を見ることで、端末装置231に対して入力が必要な項目を認識し、その項目に応じた情報を物品から取得する。即ち、作業者は物品を観察して、物品の形状、素材、色、種類といった物品属性情報と、物品の状態、破損箇所、破損種別などといった物品状態情報とを取得し、端末装置231に入力する。即ち、物品属性情報が、再生産処理の対象物となる物品の属性を示す情報に相当し、物品状態情報が、再生産処理の対象物となる物品に対して再生産処理を決定する要因を示す情報に相当する。このとき、物品状態情報によって示される、物品の状態や破損種別については、その段階に応じた数値による入力がなされるものとしてもよい。
【0046】
このようにして入力された物品属性情報及び物品状態情報は、端末装置231からサーバ装置41に送信される。このとき、作業者がカメラ装置211を操作して物品を撮影するため、カメラ装置211の撮影により取得した物品の画像データも同時にサーバ装置41に送信される。よって、サーバ装置41は、カメラ装置211からの画像データと、端末装置231からの物品属性情報及び物品状態情報とを受信すると、図3(b)のように、発行した物件番号と対応させて、データベース42の電子カルテ421に記憶させる。
【0047】
このように、物品に対して取得した各種情報が電子カルテ421に記憶されると、入荷受付ステーション202において、タグ発行装置222が、その物品を特定するための番号を表記したタグを発行する。そして、作業者は、タグ発行装置222により発行されたタグを物品に取り付ける。このとき、タグ発行装置222で発行されるタグに表記される番号として、例えば、サーバ装置41で発行された物件番号を使用するものとしてもよい。
【0048】
預かり物が複数の物品で構成されている場合は、1つの物品に対する情報のサーバ装置41へのアップロードが終了すると、次の物品の物件番号の発行を、端末装置231によってサーバ装置41に要求する。そして、上述のようにカメラ装置211及び端末装置231のそれぞれを動作させることで、その物品の画像データ、物品属性情報、及び物品状態情報を、サーバ装置41にアップロードし、データベース42の電子カルテに記憶させる。このようにすることで、図3(c)に示すように、データベース42の電子カルテ421には、預かり物を構成する全物品それぞれについて、物件番号、画像データ、物品属性情報、及び物品状態情報それぞれを記憶(蓄積)する。
【0049】
このようにして、作業者は、開梱した預かり物に対して、構成する物品毎に、サーバ装置41に対して物件番号を求めるとともに、取得した情報をサーバ装置41へアップロードする。そして、作業者は、情報のアップロードを完了した物品に対して、タグ発行装置222で発行されたタグを取り付ける。全ての物品についてタグの取付が完了した預かり物については、作業者によって、倉庫ステーション202に搬送される。このとき、入荷受付ステーション201において、ディスプレイ装置221に表示される預かり物の一覧から、倉庫ステーション202に搬送される預かり物について非表示となる。そして、倉庫ステーション202では、入荷受付ステーション201から搬送された預かり物を格納する際、カルテ番号単位で管理する。尚、カルテ番号単位で管理する際、単一カルテ番号毎に預かり物を格納して管理するものとしてもよいし、複数カルテ番号毎に預かり物を格納して管理するものであってもよい。
【0050】
4.カウンセリング
サービス本部4では、上述のように、サーバ装置41が、再生産処理工場2で預かり物に対して物品毎に取得した各情報(画像データ、物品属性情報、及び物品状態情報)を受信し、データベース42内の電子カルテ421に追加して記憶させる。その後、サービス本部4では、物品毎に、電子カルテ421に記憶される物品属性情報及び物品状態情報に基づいて、必要な再生産処理が決定される。即ち、クリーニングサービスシステムの場合、この再生産処理の決定において、ドライクリーニング及び水洗いの組合せによる洗濯方法の選択、使用する洗浄液(ドライクリーニングの場合の有機溶剤の種類や水洗いの場合の界面活性剤の種類など)の選択、洗濯する際の洗浄液の温度の設定、仕上げ処理におけるシミ抜き剤の選択、及び、仕上げ処理における傷補修の有無の設定などが行われる。
【0051】
このように、物品毎の再生産処理を決定すると、サーバ装置41が、図5(a)のように、決定した再生産処理を示す物品処理情報を、その物品の物件番号に関連づけて電子カルテ421に追加で蓄積し、データベース42に記憶させる。更に、サービス本部4では、物品毎に、決定された物品処理情報と受信した物品属性情報とに基づいて、再生産処理を施したときに発生の可能性がある不具合が決定される。そして、サーバ装置41が、図5(b)のように、この再生産処理による不具合を示すリスク情報を、その物品の物件番号に関連づけて電子カルテ421に追加で蓄積し、データベース42に記憶させる。
【0052】
サービス本部4における、物品毎の再生産処理及び不具合の決定は、サーバ装置41が自動的に演算するものであってもよいし、サーバ装置41に表示された物品毎の情報によって、サービス本部4の作業者が判断するものであってもよい。尚、サーバ装置41が自動的に演算することで決定する場合、物品属性情報及び物品状態情報による複数の組合せそれぞれに対応する再生産処理を記憶した再生産処理決定用のデータテーブルがデータベース41に記憶されるとともに、物品属性情報及び物品処理情報による複数の組合せそれぞれに対応する不具合を記憶した不具合決定用のデータテーブルがデータベース41に記憶される。又、物品毎に取得された画像データをサーバ装置41で画像解析することで、再生産処理及び不具合の決定を行うものとしてもよいし、作業者が画像データによる画像を確認して、再生産処理及び不具合の決定を行うものとしてもよい。
【0053】
このように、サービス本部4において、データベース42に記憶されている電子カルテ421に対して、各物品の物品処理情報及びリスク情報が追加されると、カウンセリングセンター3によるカウンセリングに使用されるカウンセリング情報が取得可能となる。即ち、顧客情報と、預かり物を形成する全物品それぞれの物品属性情報、物品状態情報、物品処理情報、及びリスク情報とが、その預かり物に対応した電子カルテ421内に記憶され、これらの情報によってカウンセリング情報を構成できる。このように、カウンセリング情報を構成するための情報を備えた電子カルテ421は、データベース42内において、図5(b)に示すように、カウンセリングセンター3からのダウンロードに対して待機中であることを示すフラグが追加される。
【0054】
カウンセリングセンター3では、作業者が、端末装置31を操作して、サービス本部4のサーバ装置41に指定のID及びパスワードを送信し、サービス本部4に対して、作業者本人の認証を求める。そして、サーバ装置41が、端末装置31を操作する作業者を認証すると、サーバ装置41は、図5(b)のように「カウンセリング待機中」を示すフラグを有する電子カルテ421を、データベース42より検索する。サーバ装置41は、検索して得られた複数の電子カルテ421について、その作成日時を確認し、その作成日時が古いものから順に、電子カルテ421をデータベース42から読み出す。
【0055】
その後、カウンセリングセンター3において、作業者が端末装置31を操作して、カウンセリングのためのカウンセリング情報を要求したとき、サーバ装置41は、検索した電子カルテ421のうち最も古いものをデータベース42より読み出す。そして、サーバ装置41は、読み出した電子カルテ421に記憶される情報より、上述のカウンセリング情報を生成して、カウンセリング情報を要求した端末装置31に対して返信する。このとき、データベース42では、その情報がサーバ装置41によって読み出された電子カルテ421に対して、図5(c)のように、カウンセリング中であることを示すフラグが記憶される。
【0056】
サーバ装置41からカウンセリング情報を受信する端末装置31は、受信したカウンセリング情報による、顧客情報と、預かり物を形成する全物品それぞれの物品属性情報、物品状態情報、物品処理情報、及びリスク情報とが、そのディスプレイ上に表示される。これにより、カウンセリングセンター3の作業者は、端末装置31のディスプレイ上に表示された顧客情報により、顧客5の連絡先を認識して、通信装置32を利用して、顧客5の通信装置52へアクセスする。そして、カウンセリングセンター3の作業者と顧客5との間で、通信装置32,52を利用した通信が行われる。
【0057】
この通信装置32,52による通信によって、カウンセリングセンター3の作業者は、端末装置31のディスプレイ上のカウンセリング情報を確認して、顧客5に対してカウンセリングを行う。そして、顧客5に対するカウンセリングにより、カウンセリングセンター3の作業者は、顧客5へ説明を行って顧客5との間での同意を取得する、インフォームドコンセントを行うこととなる。尚、カウンセリング情報は、カウンセリングセンター3の作業者がカウンセリングを行う際に必要な情報であり、サーバ装置41から端末装置31を通じて作業者に教示される。又、カウンセリング情報は、上記した物品属性情報、物品状態情報、物品処理情報、及びリスク情報によって構成されるものだけではなく、カウンセリングセンター3の作業者の作業手順に応じて、その手順毎に必要な情報がサーバ装置41から端末装置31に送信されるように構成されるものであってもよい。
【0058】
カウンセリングセンター3の作業者は、顧客5へのカウンセリングを行う際、物品属性情報より認識した物品の色や形などの物品の属性と、物品状態情報より認識した物品の汚れや傷などの物品の状態とについて、顧客5に確認をとる。そして、作業者は、物品処理情報とリスク情報に基づいてカウンセリングを続けることで、物品毎に最大限必要な再生産処理の内容と、その再生産処理により発生する可能性の高い不具合とを、顧客5に説明する。この説明を行うことで、カウンセリングセンター3の作業者は、顧客5に対して、十分な情報開示を行えるので、顧客5は、必要であると納得した再生産処理を、カウンセリングセンター3の作業者に依頼できる。
【0059】
このように、カウンセリングセンター3の作業者が顧客5へのカウンセリングを行うことで、顧客5が必要とする再生産処理の依頼を受けると、既に物品処理情報によって示されている再生産処理から、依頼された再生産処理を選択するなどして、端末装置31に対して、顧客5より依頼された再生産処理を入力する。このとき、端末装置31に入力された再生産処理を示す情報が、サービス本部4のサーバ装置41に送信されるため、サーバ装置41では、カウンセリングによって依頼された再生産処理を認識できる。そして、サーバ装置41は、物品毎に認識した再生産処理にかかる料金と、その合計額も算出した後に、算出した料金を端末装置31に返信する。
【0060】
よって、端末装置31は、そのディスプレイ上に、サーバ装置41で算出された料金が表示されるため、この表示された料金を確認した作業者は、顧客5に対して、現在依頼されている再生産処理にかかる料金の合計や個々にかかる料金を説明する。このとき、顧客5が料金に同意せず、更に再生産処理を変更する依頼した場合、作業者は、端末装置31を操作して、変更された再生産処理の入力を行い、サーバ装置41に通知する。よって、サーバ装置41は、変更後の再生産処理に応じた料金を算出して返信するため、端末装置31には、変更後の新たな料金が表示される。このようにして、再生産処理の選択のために、端末装置31とサーバ装置41との間で通信がなされているとき、カウンセリングの対象とされている電子カルテ421を認識するために、カルテ番号を相互に通知する。
【0061】
一方、顧客5が料金に同意した場合は、作業者が端末装置31に決定したことを入力するため、サーバ装置41に対して、カルテ番号と共に、顧客5により依頼された再生産処理が決定したことを通知する。これにより、サーバ装置41は、物品毎に最終決定した再生産処理により物品処理情報を新たに生成するとともに、物品毎に決定した再生産処理にかかる料金とその料金の合計による料金情報を生成する。そして、サーバ装置41は、データベース42における、対応の電子カルテ421について、図6(a)に示すように、その物品処理情報を新たに生成したものに更新させるとともに、生成した料金情報を追加して記憶させる。
【0062】
このようにして、カウンセリングセンター3の作業者による顧客5へのカウンセリングにより、預かり物の各物品に対する再生産処理と、その再生産処理に対する料金とが決定されると、作業者は、希望する納期を顧客5に伺って、預かり物の納期の設定を行う。作業者は、端末装置31を操作することによって、サービス本部4のサーバ装置41に対して、納品可能な日にち(以下、「納入日」とする)の候補を要求する。このとき、カウンセリングセンター3の作業者は、店舗1へ預かり物を預けた顧客5に対して、預かり物の納品が、店舗1及び顧客5のいずれへの納品であるのかをも確認するものとしてもよい。尚、この納入日の候補を要求するとき、対象となる電子カルテ421を認識させるため、そのカルテ番号が端末装置31よりサーバ装置41に通知される。
【0063】
サーバ装置41は、端末装置31より納入日の候補が要求されると、対象となる再生産処理工場2で再生産処理が可能な日にち(以下、「再生産処理予約可能日」とする)を抽出する。このとき、データベース42には、再生産処理工場2それぞれに対して、データベース42から、1日毎に再生産処理が予定された物品の点数(以下、「予約処理点数」とする)を記憶した再生産処理予約用データテーブルが、記憶されている、よって、サーバ装置41は、対象となる再生産処理工場2に対する再生産処理予約データテーブルを、データベース42から読み出して、電子カルテ421に記憶された物品の点数分の再生産処理が可能な日を、再生産処理予約可能日として抽出する。尚、再生産処理される物品数によって、再生産処理の予約の可否が決定されるものとして説明するが、物品数にかかわらず、預かり物単位(電子カルテ単位)で、再生産処理の予約の可否が決定されるものとしてもよい。
【0064】
サーバ装置41は、候補となる複数の再生産処理予約可能日を抽出すると、配送先となる店舗1又は顧客5までの配送日数を加算することで、各再生産処理予約可能日に対する納入日を算出する。これにより、サーバ装置41は、候補となる複数の納入日を取得すると、この複数の納入日を端末装置31に通知する。一方、データベース42側では、候補とされた複数の再生産処理予約可能日それぞれについて、既に記憶した予約処理点数に、カウンセリング対象となる電子カルテ421内の物品数を加算して、仮設定した予約処理点数とし、再生産処理予約用データテーブルに記憶させる。尚、予約処理点数が電子カルテの数によって決定される場合は、それぞれの候補とされた再生産処理予約可能日における予約処理点数に1つ加算して、予約処理点数の仮設定を行う。
【0065】
サーバ装置41より納入日を受信した端末装置31は、候補とされた複数の納入日を、ディスプレイに表示して、作業者に認識させる。これにより、カウンセリングセンター3の作業者は、端末装置に表示された納入日の候補を顧客5に通知する。そして、顧客5が所望の納入日を選択すると、作業者は、選択された納入日を決定すべく、端末装置31に顧客5が所望した納入日を入力する。このように、カウンセリングで決定した納入日が端末装置31に入力されると、決定した納入日がカルテ番号と共に、端末装置31よりサーバ装置41に通知される。そして、サーバ装置41は、決定した納入日とその納入日に対応した再生産処理予約可能日を、対象の再生産処理工場2での再生産処理がなされる予定日(以下、「再生産処理日」とする)として決定する。
【0066】
サーバ装置41は、決定された納入日及び再生産処理日を示す処理期間情報を生成し、図6(b)のように、データベース42内の電子カルテ421に追加して記憶させる。この処理期間情報が追加された電子カルテ421に対応する預かり物について、カウンセリングセンター3によるカウンセリングが終了するため、図6(b)のように、データベース42内の電子カルテ421には、カウンセリングの終了を示すフラグが記憶される。更に、サーバ装置41は、再生産処理日を決定した再生産処理工場2に対応する再生産処理予約用データテーブルに対して、決定した再生産処理日について、仮設定した処理点数を正式な値として決定する一方で、この再生産処理日以外の再生産処処理予約可能日について、仮設定した処理点数を仮設定前の値に戻す。
【0067】
このようなカウンセリングがカウンセリングセンター3によって行われるとき、顧客5の通信装置52へアクセスできなかった場合は、作業者は、端末装置31を操作して、電子カルテ421を特定するためのカルテ番号と共に、カウンセリングができなかった旨をサービス本部4のサーバ装置41に通知する。よって、サーバ装置41は、データベース42に記憶されている対象の電子カルテ421について、カウンセリング中であることを示すフラグから、図5(b)のように、カウンセリング待機中であることを示すフラグに戻す。
【0068】
又、カウンセリングセンター3の作業者が顧客5とのカウンセリングを行っているときに、顧客5が再生産処理のキャンセルを希望したときは、作業者が端末装置31を操作して、再生産処理のキャンセルをカルテ番号と共に、サーバ装置41に通知する。サーバ装置41は、キャンセルされた預かり物について、そのカルテ番号より、対応する電子カルテ421をデータベース42より読み出し、預かり物が入荷された再生産処理工場2を認識する。又、サーバ装置41は、データベース42内の対応する電子カルテ421について、図6(c)のように、キャンセルされたことを示すフラグを記憶させる。そして、サーバ装置41は、対象となる再生産処理工場2に対して、再生産処理がキャンセルした預かり物のカルテ番号を通知する。
【0069】
このとき、再生産処理工場2において、採寸ステーション203のディスプレイ装置223に、キャンセルされた預かり物のカルテ番号が通知されるものであってもよいし、出荷ステーション205のディスプレイ装置225に通知されるものであってもよい。これにより、再生産処理工場2では、再生産処理がキャンセルされた預かり物のカルテ番号を確認することで、倉庫ステーション202に保管されている預かり物から、キャンセルの対象となる預かり物を抽出できる。そして、このキャンセルの対象となる預かり物は、再生産処理されることなく、倉庫ステーション202から出荷ステーション205に搬出されて、出荷ステーション205より店舗1又は顧客5に配送される。
【0070】
尚、サービス本部4からカウンセリングセンター3に対してカウンセリング情報を通知するために、データベース42内の電子カルテ421の検索を行うとき、サービス本部4では、端末装置31を操作する作業者を認証するため、その作業者を特定できる。そのため、サービス本部4では、電子カルテ421に記憶された顧客情報により特定される顧客5が、カウンセリングを行う作業者が適当であるか否かを判断できる。よって、サービス本部4において、カウンセリング情報を要求する作業者に対して、電子カルテ421の検索をする際、例えば、以前にカウンセリングした顧客であるか否か、顧客の性別、顧客の母国語などを、検索条件として、カウンセリングに最適な顧客5の電子カルテ421を抽出できるようにしてもよい。
【0071】
5.再生産処理工場での再生産処理
5−1.採寸
上述のカウンセリングセンター3による顧客5とのカウンセリングによって、物品それぞれへの再生産処理と再生産処理日とが決定された預かり物は、再生産処理工場2において、採寸ステーション203の作業者により、倉庫ステーション202から搬出される。この採寸ステーション203は、サービス本部4から搬出する預かり物の一覧が通知される。
【0072】
このとき、まず、採寸ステーション203の作業者が端末装置233を操作して、採寸の対象となる預かり物の一覧を要求すると、サービス本部4のサーバ装置41が、データベース42から、要求した再生産処理工場2に対する電子カルテ421を検索する。そして、サーバ装置41は、カウンセリング終了のフラグの有無に基づいて、対象となる再生産処理工場2に対する電子カルテ421の中から、図6(b)のような、処理期間情報が記憶された電子カルテ421を更に検索する。サーバ装置41は、検索した電子カルテ421から処理期間情報とカルテ番号とを読み出し、処理期間情報より確認される再生産処理日の古い順にカルテ番号を並べた採寸用リストを、採寸の対象となる預かり物の一覧として作成する。尚、サーバ装置41が、所定時間毎に、各再生産処理工場2に対する採寸用リストを作成して、その内容を更新するものとしてもよい。
【0073】
作成された採寸用リストは、サーバ装置41によって、リストを要求した再生産処理工場2の採寸ステーション203に設置されたディスプレイ装置223に送信される。これにより、ディスプレイ装置223には、採寸用リストに基づいて、再生産処理日から古いものから順に預かり物のカルテ番号が、その再生産処理日と共に並べて表示される。よって、採寸ステーション203の作業者は、ディスプレイ装置223に表示されるカルテ番号と再生産処理日の一覧を確認することで、再生産処理日が古いものから優先的に、倉庫ステーション202に保管されている預かり物を搬出する。
【0074】
作業者は、倉庫ステーション202から預かり物を搬出すると、預かり物を物品毎に分解し、端末装置233を操作して、各物品の採寸情報を入力する。このとき、作業者は、まず、タグ用リーダ装置213を操作して、物品に取り付けられたタグに表記された物件番号の読み取りを行う。タグ用リーダ装置213は、タグより物品の物件番号を読み取ると、読み取った物件番号を、サービス本部4のサーバ装置41に送信する。サーバ装置41は、タグ用リーダ装置213で読み取られた物件番号を受信すると、その物件番号を記憶した電子カルテ421をデータベース42より検索して、その物件番号により特定される物品の物品属性情報及び物品状態情報を読み出す。そして、サーバ装置41は、読み出した物品属性情報及び物品状態情報を、その物件番号と共に、物件番号を送信した再生産処理工場2の採寸ステーション203における端末装置233に送信する。
【0075】
再生産処理工場2の採寸ステーション203では、端末装置233が、サーバ装置41より送信される物品属性情報及び物品状態情報を受信し、端末装置233は、物品の採寸情報を入力するための入力用画面を、そのディスプレイ上に表示する。この端末装置233のディスレプレイ上に表示される入力用画面には、タグ用リーダ装置213より物件番号が読み取られた物品の属性及び状態が表記される。そして、採寸ステーション203の作業者は、端末装置233に表示される入力画面より、物品の属性及び状態を確認しながら、物品の採寸を行い、採寸して得られた採寸情報を端末装置233に入力する。作業者による物品の採寸情報の入力が完了すると、端末装置233は、入力された採寸情報を、物品の物件番号と共にサーバ装置41に送信する。
【0076】
サーバ装置41は、端末装置233より採寸情報を受信すると、同時に受信した物件番号を記憶した電子カルテ421を、データベース42より検索する。そして、サーバ装置41は、検索した電子カルテ421に対して、図7(a)に示すように、対象の物件番号に採寸情報を追加記憶させる。このとき、サーバ装置41は、採寸情報を追加記憶させた電子カルテ421が、全ての物件番号に対して採寸情報を記憶していることを確認した場合、図7(b)に示すように、その電子カルテ421に対して、採寸終了のフラグを記憶させる。
【0077】
又、サーバ装置41は、データベース42内の電子カルテ421に採寸終了のフラグを記憶させたとき、その電子カルテ421のカルテ番号を、採寸ステーション203のディスプレイ装置223に通知する。よって、再生産処理工場2の採寸ステーション203では、ディスプレイ装置223が、全ての物品の採寸が終了した預かり物のカルテ番号及び再生産処理日の表示を、採寸用リストによる一覧表示から消去する。このとき、サーバ装置41は、採寸用リストを新たに生成して、ディスプレイ装置223に通知するものとしてもよい。これにより、ディスレプレイ装置223は、採寸用リストによる一覧表示を更新できる。
【0078】
採寸ステーション203の作業者は、物品の採寸情報を端末装置233に入力し、サーバ装置41に通知すると、採寸を完了した物品を、作業ステーション204に物品を運搬するための作業準備用台車(不図示)に収納する。この作業準備用台車は、預かり物のカルテ番号に関係なく、再生産処理日が同じ物品が収納される。これにより、採寸ステーション203で採寸が終了した物品は、取り付けられたタグによる物件番号で管理されると共に、この作業準備用台車によって、再生産処理日毎に管理される。
【0079】
5−2.再生産処理
作業ステーション204では、採寸ステーション203から、再生産処理日当日の物品が、作業準備用台車によって搬入されると、最初の再生産処理工程を行う作業エリアの作業者が、作業準備用台車に収納された物品を取り出す。尚、作業ステーション204において、複数の第1〜第n作業エリアが構成されるものとする。又、第1〜第n作業エリアそれぞれには、図4に示す、タグ用リーダ装置214、端末装置234、及び再生産処理装置241それぞれが設置されている。更に、ディスプレイ装置224については、第1〜第n作業エリアそれぞれに設置されるものであってもよいし、作業ステーション204に1台だけが設置されるものとしてもよい。
【0080】
最初の作業エリアとなる第1作業エリアでは、作業者が、作業準備用台車に収納された物品を取り出し、その物品に取り付けられているタグに表記された物件番号を、タグ用リーダ装置214に読み取らせる。サーバ装置41は、この物件番号を記憶した電子カルテ421をデータベース42より検索して、その電子カルテ421に記憶された各物品の物品属性情報、物品状態情報、及び物品処理情報を読み出して、第1作業エリアの端末装置234に送信する。
【0081】
これにより、第1作業エリアの端末装置234は、作業準備用台車から取り出された物品の物品属性情報、物品状態情報、及び物品処理情報を受信し、そのディスプレイ上に表示する。よって、第1作業エリアの作業者は、端末装置234の表示を確認し、作業準備用台車から取り出された物品に対する再生産処理を認識し、再生産処理装置241による再生産処理を行う。尚、クリーニングサービスの場合、この第1作業エリアでの再生産処理が洗濯作業であり、その再生産処理装置241が洗濯装置となる。又、クリーニングサービスの場合、この第1作業エリア以外の作業エリアとして、シミ取りを行う作業エリア、プレス処理を行う作業エリア、ボタンや装飾類を物品に取り付ける作業エリア、傷を修復する作業エリアなどを備える。
【0082】
第1作業エリアの作業者は、再生産処理を開始するとき、タグ用リーダ装置214による物件番号の読み取りによって、又は、端末装置234への物件番号の入力によって、サーバ装置41に対して、再生産処理装置241による再生産処理を開始することを通知する。これにより、サーバ装置41は、物品に対する再生産処理の開始を、その物品の物件番号と共に受信すると、受信した物件番号を記憶した電子カルテ421をデータベース42より検索する。そして、サーバ装置41は、データベース42より検索した電子カルテ421について、図8(a)に示すように、受信した物件番号に対して、開始する再生産処理の内容を示す履歴情報を追加記憶させる。即ち、クリーニングサービスの場合、第1作業エリアで洗濯装置による洗濯処理がなされるとき、洗濯中であることを示す履歴情報が、対応する電子カルテ421内の物件番号に対して記憶される。
【0083】
その後、再生産処理装置241による物品への再生産処理が完了すると、第1作業エリアの作業者は、再生産処理装置241から物品を取り出した後、その物品の物件番号を、タグ用リーダ装置214又は端末装置234を操作して、サーバ装置41に通知する。サーバ装置41は、第1作業エリアのタグ用リーダ装置214又は端末装置234から、再生産処理の完了通知を、物件番号と共に受信する。そして、サーバ装置41は、受信した物件番号を記憶した電子カルテ421をデータベース42より検索して、その物件番号に対応した物品処理情報を読み出して、次に施す再生産処理を確認する。これにより、サーバ装置41は、第1作業エリアからの搬送先となる作業エリアを認識し、次に搬送する作業エリアを示す情報を、第1作業エリアの端末装置234に送信する。
【0084】
第1作業エリアの端末装置234は、再生産処理完了した物品の搬送先となる作業エリアを示す情報を、その物件番号と共に、サーバ装置41から受信すると、ディスプレイ上に、搬送先となる作業エリアを表示する。よって、端末装置234を確認した、第1作業エリアの作業者は、物品を作業エリア間で運搬するためのエリア運搬用台車(不図示)に収納する。このエリア運搬用台車は、物品をカルテ番号毎に管理を行うものであり、収納された物品を目的とする作業エリアまで搬送する。
【0085】
エリア運搬用台車によって、第k(kは、2〜nの自然数)作業エリアに、物品が搬送されると、第k作業エリアの作業者は、エリア運搬用台車に収納された物品を取り出す。そして、第k作業エリアの作業者は、第1作業エリアの場合と同様、タグ用リーダ装置214又は端末装置234によって、エリア運搬用台車から取り出した物品の物件番号を、サーバ装置41に通知する。よって、サーバ装置41では、その物件番号を記憶した電子カルテ421を検索し、物品属性情報、物品状態情報、及び物品処理情報を、第k作業エリアの端末装置234に送信する。これにより、第k作業エリアの作業者は、端末装置234に表示された物品属性情報、物品状態情報、及び物品処理情報により、エリア運搬用台車から取り出した物品に施す再生産処理の内容を認識する。
【0086】
その後、第1作業エリアの場合と同様、タグ用リーダ装置214又は端末装置234により、再生産処理を行う物品の物件情報がサーバ装置41に通知されると、サーバ装置41は、通知された物件情報より電子カルテ421を検索する。これにより、検索された電子カルテ421は、通知された物件情報に応じた履歴情報として、第k作業エリアによる再生産処理の内容が記憶される。一方、第k作業エリアでは、作業者が、物件番号を通知した物品について、再生産処理装置241による再生産処理を施す。そして、再生産処理が終了すると、第k作業エリアの作業者は、タグ用リーダ装置214又は端末装置234により、サーバ装置41に対して、再生産処理が終了した物品の物件番号を通知する。
【0087】
これにより、サーバ装置41は、通知された物件番号を記憶した電子カルテ421をデータベース42から読み出して、その物件番号に対応した物品処理情報より、次に行う再生産処理を確認、第k作業エリアの端末装置234に対して、次に運搬する作業エリアを通知する。一方、サーバ装置41は、完了した第k作業エリアの再生産処理で、作業ステーション204での再生産処理全てが完了していることを認識した場合は、第k作業エリアの端末装置234に対して、出荷ステーション205に搬送することを通知する。よって、第k作業エリアの端末装置234が、再生産処理を終了した物品の搬送先(次の作業エリア又は出荷ステーション205)を表示する。
【0088】
第k作業エリアの作業者は、この端末装置234の表示によって、再生週処理を終了した物品の搬送先を認識し、次の作業エリアに運搬するためのエリア運搬用台車、又は、出荷ステーション205に運搬するための出荷準備用台車のいずれかに収納する。尚、出荷準備用台車は、物品をカルテ番号によって管理するものでなくてもよい。即ち、出荷準備用台車は、例えば、作業ステーション204で必要な再生産処理全てが完了した物品を、その再生産処理の終了順に収納し、所定数毎に、又は、所定時間毎に、出荷ステーション205への物品の搬送を行うものとしてもよい。
【0089】
又、サーバ装置41は、作業ステーション205における再生産処理が全て完了した物品の履歴情報を更新する際に、その物品の属する預かり物を構成する物品全てに対して、作業ステーション205での再生産処理が全て完了していることを認識した場合、その預かり物に対応した弟子カルテ421に対して、図8(b)のように、再生産処理終了のフラグを記憶させる。これにより、サービス本部4が、作業ステーション204における預かり物を構成する各物品に対する再生産処理の進捗状況を把握できるだけでなく、その電子カルテ241のフラグより、預かり物を構成する全物品に対する再生産処理が完了したことを認識できる。
【0090】
この作業ステーション204における再生産処理がなされているとき、サーバ装置41は、電子カルテ421において、再生産処理の履歴情報を更新すると、その履歴情報を更新した物件番号を、更新した履歴情報及びカルテ番号と共に読み出して、作業ステーション204のディスレプレイ装置224に送信する。これにより、作業ステーション204のディスプレイ装置224は、第1〜第n作業エリアそれぞれで再生産処理が施されている各物品の状態を表示できる。このとき、ディスプレイ装置224は、物品毎に、施されている再生産処理を表示するとき、例えば、カルテ番号など、その物品が属する預かり物を識別するための指標を表示する。
【0091】
尚、ディスプレイ装置224が、第1〜第n作業エリアそれぞれに設置される場合は、その作業エリアでの再生産処理が完了した物品については、非表示としてもよい。又、ディスプレイ装置224において、属する物品それぞれに対する再生産処理の進捗状況を確認できるように、預かり物毎に分類して表示されるものとしてもよい。更に、預かり物に属する物品のうちの残りの1物品だけが、作業ステーション204での再生産処理が未完了である場合、ディスプレイ装置224において、その物品の表示を特別な表示としてもよい。
【0092】
5−3.出荷
出荷ステーション205では、作業ステーション204での再生産処理が全て完了した物品が、出荷準備用台車によって搬入されると、出荷ステーション205の作業者は、出荷準備台車に収納された物品を取り出す。作業者は、出荷準備用台車から取り出した物品に取り付けられているタグに表記された物件番号を、タグ用リーダ装置215に読み取らせる。タグ用リーダ装置215は、物品に取り付けられたタグより読み取った物件番号を、サービス本部4のサーバ装置41に送信する。尚、作業者が端末装置235に物件番号を入力することで、サーバ装置41に、出荷準備用台車から取り出した物品の物件番号を通知するものとしてもよい。
【0093】
サーバ装置41は、出荷ステーション205の作業者が出荷準備用台車から取り出した物品の物件番号を受信すると、その物件番号により特定される電子カルテ421を、データベース42から検索する。そして、サーバ装置41は、データベース42より検索した電子カルテ421に対して、受信した物件番号に対する履歴情報として、出荷可能な状態となったことを記憶させる。又、サーバ装置41は、検索した電子カルテ421から、そのカルテ番号を取得して、再生産処理工場2の出荷ステーション205における端末装置235に送信する。
【0094】
よって、端末装置235は、出荷準備用台車から取り出された物品のカルテ番号に基づく識別符号を、そのディスプレイ上に表示できる。出荷ステーション205の作業者は、端末装置235に表示された識別符号を確認することで、その識別符号に対応した出荷用台車に、出荷準備用台車から取り出した物品を収納する。この出荷用台車は、カルテ番号毎に管理されるものであり、1つの預かり物を構成する物品全てが組み立てられて収納される。このとき、サーバ装置41は、上述のように検索した電子カルテ421から、履歴情報により出荷可能となった物品の点数を確認し、この物品の点数を、電子カルテ421のカルテ番号と共に、出荷ステーション205のディスプレイ装置225に送信する。これにより、ディスプレイ装置225は、出荷ステーション205に1つ以上の物品が搬入された預かり物を示すための識別符号と、出荷用台車に収納された物品数とを、一覧表示できる。
【0095】
又、サーバ装置41は、データベース42から検索した電子カルテ421より、預かり物を構成する物品全てが出荷用台車に収納されたことを確認したときは、図9(a)のように、出荷可能であることを示すフラグを、その電子カルテ421に記憶させる。そして、サーバ装置41は、出荷可能であることを示すフラグを記憶した電子カルテ421のカルテ番号と共に、出荷可能であることを、出荷ステーション205のディスプレイ装置225に通知する。よって、ディスプレイ装置225が、受信したカルテ番号に基づいて、全物品が出荷用台車に収納された預かり物を示す符号を表示するため、出荷ステーション205の作業者は、出荷可能な預かり物を認識できる。
【0096】
出荷ステーション205の作業者は、ディスプレイ装置225より、出荷可能な預かり物を確認すると、確認した預かり物の全物品を収納した出荷用台車から、物品を取り出して出荷用に梱包する。このとき、出荷用台車から取り出された物品の物件番号が、タグ用リーダ装置215又は端末装置235より、サーバ装置41に通知される。サーバ装置41では、出荷の通知ために送信された物件番号を受信するたびに、データベース42に対して、その物件番号を記憶した電子カルテ421を検索する。そして、サーバ装置41は、検索した電子カルテ421について、受信した物件番号に対する履歴情報の内容を、出荷用の梱包済みであることを示すものとする。
【0097】
このとき、サーバ装置41は、データベース42から検索した電子カルテ421より、預かり物を構成する物品全てが出荷用に梱包済みとなったことを確認したときは、図9(b)のように、梱包済みであることを示すフラグを、その電子カルテ421に記憶させる。そして、サーバ装置41は、梱包済であることを示すフラグを記憶した電子カルテ421のカルテ番号と共に、対応する預かり物の配送先(店舗1又は顧客5の住所など)を示す情報を、出荷ステーション205のプリンタ装置226に通知する。よって、出荷ステーション205では、プリンタ装置226が、配送伝票に対して、サーバ装置41からカルテ番号と共に通知された配送先を印字する。そして、出荷ステーション205の作業者は、プリンタ装置226により配送先が印字された配送伝票を、全物品を梱包した預かり物に貼付して、配送先となる店舗1又は顧客5へ出荷する。
【0098】
<第2の実施形態>
本発明の情報管理システムによるサービスシステムの第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態のサービスシステムの構成を示すブロック図である。又、図11は、図10に示すサービス本部及び再生産処理工場それぞれの構成を示すブロック図である。尚、本実施形態のサービスシステムにおいて、第1の実施形態のサービスシステム内で同一となる構成部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0099】
図10に示すサービスシステムは、第1の実施形態と異なり、店舗1又は顧客5からの預かり物は、サーバ装置41及びデータベース42を備えたサービス本部4aに搬送され、サービス本部4aで入荷が受け付けられる。そのため、サービス本部4aは、サーバ装置41とLAN(Local Area Network)などで通信接続される、データ入力装置43、データ出力装置44、及び端末装置45を備える。そして、サービス本部4aで入荷が受け付けられた預かり物は、その電子カルテが生成されてデータベース42に記憶された後、第1の実施形態と同様、その預かり物の顧客5に対して、カウンセリングセンター3の作業者がカウンセリングする。このカウンセリングセンター3によるカウンセリングが終了し、その預かり物に対する再生産処理がキャンセルされることなく、データベース42内の電子カルテに、カウンセリングにより取得された各種情報が追加記憶されると、対称となる預かり物が再生産処理工場2aに搬送される。
【0100】
このように構成されるサービスシステムにおいて、サービス本部4aは、店舗1又は顧客5から搬送される預かり物を保管するため、図11に示すように、第1の実施形態のサービスシステムにおける再生産処理工場2(図4参照)に備えられている、入荷受付ステーション201、倉庫ステーション202、及び採寸ステーション203を、備える。又、再生産処理工場2aは、図11に示すように、第1の実施形態のサービスシステムにおける再生産処理工場2(図4参照)と異なり、作業ステーション204及び出荷ステーション205によって構成される。尚、再生産処理工場2aは、1つのサービス本部4aに対して、複数設置することができる。
【0101】
そして、サービス本部4aにおいて、入荷受付ステーション201内のカメラ装置211と、採寸ステーション203内のタグ用リーダ装置213とが、データ入力装置43としてサーバ装置41に接続され、入荷受付ステーション201内のディスプレイ装置221及びタグ発行装置222と、採寸ステーション203内のディスプレイ装置223とが、データ出力装置44としてサーバ装置41に接続され、入荷受付ステーション201内の端末装置231と、採寸ステーション203内の端末装置233とが、端末装置45としてサーバ装置41に接続される。更に、サービス本部4aの採寸ステーション203には、データ出力装置44として、配送先となる再生産処理工場2aの住所を配送伝票に印字するプリンタ装置(不図示)を備える。
【0102】
このように構成されるサービスシステムは、顧客5が預かり物の預け入れを行う際、第1の実施形態のサービスシステムと同様、顧客5が預かり物を店舗1に持ち込んでもよいし、顧客5がサービス本部4aに対して預かり物の受け取りを要求してもよい。即ち、顧客5が預かり物を店舗1に持ち込む場合は、受付を行う店舗1の店員が端末装置11を操作し、端末装置11及びサーバ装置41間の通信により、顧客5の預かり物に対する、図3(a)に示すような電子カルテ421が生成されてデータベース42に記憶される。又、顧客5がサービス本部4aに預かり物の受け取りを要求する場合は、顧客5が端末装置51によってサーバ装置41にアクセスし、端末装置51及びサーバ装置41間の通信により、顧客5の預かり物に対する、図3(a)に示すような電子カルテ421が生成されてデータベース42に記憶される。
【0103】
このようにして、顧客5からの預かり物の預け入れが店舗1又は顧客5から要求され、その電子カルテが生成されると、サーバ41によって預け入れが受け付けられた預かり物が、店舗1又は顧客5からサービス本部4aに配送される。このとき、店舗1を介した受付を行った場合、店舗1が、サービス本部4aへ出荷するものとしてもよいし、サービス本部4aが、店舗1に預かり物を受け取りにいくものとしてもよい。又、顧客5より直接受付を行った場合、サービス本部4aが、顧客5に預かり物を受け取りにいく。
【0104】
店舗1又は顧客5からの預かり物は、サービス本部4aに配送されると、入荷受付ステーション201に入荷され、入荷受付ステーション201の作業者により開梱され、物品毎に分解される。そして、入荷受付ステーション201の作業者は、第1の実施形態のサービスシステムにおける再生産処理工場2の入荷受付ステーション201(図4参照)の作業者と同様、入荷された預かり物を特定するための情報を、端末装置231に入力する。これにより、サーバ装置41は、端末装置231に入力された情報を受信し、入荷受付ステーション201に入荷された預かり物に対応する電子カルテを、データベース42から検索する。
【0105】
その後、入荷受付ステーション201の作業者が、開梱した預かり物を構成する各物品に対する物品属性情報及び物品状態情報を、端末装置231に入力するとともに、各物品の画像をカメラ装置211で撮影する。そして、カメラ装置211及び端末装置231とサーバ装置41との間で通信が行われることで、データベース42内の電子カルテ421には、図12(a)のように、物品毎に発行された物件番号それぞれに対応して、各物品の物品属性情報、物品状態情報、及び画像データが記憶される。更に、物品毎に電子カルテ421への情報の記憶が完了すると、情報を記憶させた物品に対するタグを発行する指令が、サーバ装置41からタグ発行装置222に与えられ、タグ発行装置222は、その物品を識別するためのタグを発行する。このときのサーバ装置41、カメラ入力装置211、タグ発行装置221,及び端末装置231それぞれの動作は、第1の実施形態と同様である。
【0106】
このようにして、入荷受付ステーション201の作業者は、開梱した預かり物を構成する各物件について、サーバ装置41に対して物件番号を求めて、取得した情報をサーバ装置41へアップロードした後、タグ発行装置222で発行されたタグを取り付ける。そして、作業者は、全ての物品についてタグの取付が完了した預かり物を、倉庫ステーション202に搬送する。このとき、入荷受付ステーション201におけるディスプレイ装置221は、入荷受付の対称となる預かり物の一覧を表示するとともに、倉庫ステーション202に搬送される預かり物を、その一覧表示から非表示とする。そして、倉庫ステーション202では、第1の実施形態と同様、入荷受付ステーション201から搬送された預かり物を格納する際、カルテ番号単位で管理する。
【0107】
更に、本実施形態のサービスシステムは、サービス本部4aに倉庫ステーション203が設けられるため、顧客5が配送業者に依頼して、預かり物をサービス本部4aに配送してもよい。この場合、顧客5は、端末装置51によるサーバ装置41へのアクセスを行うことなく、預かり物をサービス本部4aに配送してもよい。このとき、サービス本部4aは、入荷受付ステーション201に顧客5からの預かり物が入荷されると、入荷受付ステーション201の作業者が、預かり物に取り付けられた配送伝票より、顧客5に関する顧客情報を確認し、端末装置231を操作して、その顧客情報をサーバ装置41へ送信する。そして、サーバ装置41は、端末装置231から受信した顧客情報に基づいて、データベース42内の電子カルテを検索するが、対応する電子カルテが生成されていないため、電子カルテをデータベース42から検索できない。
【0108】
そのため、サーバ装置41は、顧客5が初めての預け入れの場合は、データベース42内の顧客用データデーブルに顧客情報の登録を行うとともに、新たに、図3(a)のような電子カルテ421を生成し、データベース42に記憶させる。このようにして、データベース42内に新たな電子カルテが作成されると、店舗1又は顧客5によって預け入れの受付を予め行った場合と同様、入荷受付ステーション201の作業者が、預かり物を構成する各物品の物品属性情報及び物品状態情報を、端末装置231へ入力するとともに、カメラ装置211により各物品を撮影する。よって、サーバ装置41は、端末装置231に入力された各物品の物品属性情報及び物品状態情報と、カメラ装置211の撮影により取得した各物品の画像データとを受信し、図12(a)に示すように、データベース42内の電子カルテ421に、画像データ、物品属性情報及び物品状態情報を、物件番号に対応して登録させる。
【0109】
このようにして、預かり物が、入荷受付ステーション201で入荷受付がなされて、倉庫ステーション202に搬入されると、第1の実施形態のサービスシステムと同様、サーバ装置41が、リスク情報及び物品処理情報を生成し、図12(b)のようにして、電子カルテ421に記憶させる。その後、カウンセリングセンター3の作業者が、この電子カルテ421に記憶された各情報から生成されるカウンセリング情報を参照して、預かり物の顧客5へカウンセリングを行う。このカウンセリングセンター3のカウンセリングで取得された料金情報に基づいて、サーバ装置41は、データベース42に記憶される電子カルテ421の内容を、まず、図13(a)のように更新する。
【0110】
このカウンセリングセンター3による料金情報の設定は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態の説明を参照するものとして、その説明を省略する。尚、カウンセリングにより、再生産処理がキャンセルされた場合は、サーバ装置41は、採寸ステーション203のディスプレイ装置223に、キャンセルされた預かり物のカルテ番号を通知する。そして、キャンセルの対象となる預かり物は、倉庫ステーション202から採寸ステーション203に搬出されて、店舗1又は顧客5に配送される。このとき、サーバ装置41は、第1の実施形態と同様、電子カルテ421について、図13(b)のように、キャンセルされたことを示すフラグを記憶させる。
【0111】
又、本実施形態では、カウンセリングセンター3のカウンセリングによって料金情報がアップロードされ、預かり物を構成する各物品の物品処理情報が決定すると、サーバ装置41は、各物品の物品属性情報、物品状態情報、及び物品処理情報により、その預かり物の再生産処理に適した再生産処理工場2aの候補を選択する。このとき、サービス本部4aにおいて、データベース42が、各再生産処理工場2aの特性を確認するための工場特性テーブルに、再生産処理工場2aそれぞれが得意とする再生産処理の種類、物品の属性(革製品、着物、絹製品など)、又は物品の状態(シミの種類、傷の種類)などを記憶する。
【0112】
そして、サーバ装置41は、データベース42の電子カルテ421に記憶された各物品の物品属性情報、物品状態情報、及び物品処理情報を読み出し、工場特性テーブルを参照することで、カウンセリングされた預かり物の再生産処理に適した再生産処理工場2aを候補として選択する。このとき、サーバ装置41を操作する作業者が、候補となる再生産処理工場2aを決定してもよいし、サーバ装置41が自動的に候補となる再生産処理工場2aを決定してもよい。その後、サーバ装置41は、候補として選択した再生産処理工場2aそれぞれにおける預かり物の再生産処理予定を確認し、各再生産処理工場2aに対応した再生産処理予約可能日を認識する。これにより、サーバ装置41は、候補として選択した各再生産処理工場2aに対して、納入日の候補を、カウンセリングセンター3の端末装置31に通知する。
【0113】
カウンセリングセンター3では、選択された再生産処理工場2a毎の納入日の候補を、端末装置31が受信するため、カウンセリングセンター3の作業者は、端末装置31に表示される納入日と再生産処理工場2aとを確認して、カウンセリングで顧客5に通知できる。即ち、カウンセリングセンター3の作業者は、顧客5に対して、その再生産処理工場2aの再生産処理の長所と短所とを説明するとともに、可能な納入日を説明し、顧客5が要求する再生産処理工場2aと納入日を決定できる。そして、顧客5とのカウンセリングで決定した納入日と再生産処理工場2aは、カウンセリングセンター3の作業者により端末装置31に入力され、サービス本部4のサーバ装置41に通知される。
【0114】
これにより、サーバ装置41は、決定された納入日及び再生産処理日を示す処理期間情報と共に、再生産処理を行う再生産処理工場2aを決定する工場用IDを、図13(c)のように、データベース42内の電子カルテ421に追加して記憶させる。よって、サービス本部4では、サーバ装置41から採寸ステーション203に対して、再生産処理日に基づいて倉庫ステーション202より搬出する預かり物を通知する際、配送先となる再生産処理工場2aについても通知する。よって、採寸ステーション203の作業者は、再生産処理日毎に倉庫ステーション202から搬出した預かり物を採寸した後、サーバ装置41より通知される再生産処理工場2aに出荷できるように、再生産処理工場2a毎に振り分けて管理する。
【0115】
採寸ステーション203では、作業者が端末装置233を操作して、採寸の対称となる預かり物の一覧をサーバ装置41に要求する。これにより、サーバ装置41は、採寸がなされていない預かり物のカルテ番号をデータベース42より検索して、再生産処理日の順にカルテ番号を並べた一覧による採寸用リストを生成し、ディスプレイ装置223に送信する。よって、ディスプレイ装置223は、採寸用リストに基づいて、採寸の対象となるカルテ番号を、その再生産処理日及び出荷先となる再生産処理工場2aと共に並べて表示する。
【0116】
尚、採寸ステーション203の作業者はそれぞれ、出荷先となる再生産処理工場2a毎に担当するものとし、その端末装置233に、作業者毎に決定したID及びパスワードを入力して、サーバ装置41へのアクセスが認証されるものとしてもよい。このようにすることで、サーバ装置41は、認証した採寸ステーション203の作業者が、どの再生産処理工場2aに対する担当者であるかを認識し、担当となる再生産処理工場2aのみに対応した採寸リストを生成できる。これにより、作業者毎にディスプレイ装置223が設置されるようにすることで、各作業者は、自身が担当する再生産処理工場2aへ出荷するための採寸リストがディスプレイ装置223に表示されるため、特定の再生産処理工場2aへ出荷するための預かり物を倉庫ステーション202から搬出できる。
【0117】
そして、採寸ステーション203の作業者は、倉庫ステーション202から搬出してきた預かり物について、その物品毎に、採寸した情報を端末装置233に入力する。このとき、作業者は、第1の実施形態と同様、タグ用リーダ装置213を操作して、物品の物件番号をサーバ装置41に通知する。これにより、端末装置233が、物件番号に対応した物品属性情報及び物品状態情報をサーバ装置41から受信して、採寸情報入力するための入力画面を表示する。そして、端末装置233は、作業者が採寸して得られた採寸情報をサーバ装置41に送信すると、サーバ装置41は、その採寸情報をデータベース42内に記憶した該当の電子カルテ421に記憶させる。このとき、電子カルテ421内の物件番号全てに採寸情報が記憶されている場合は、サーバ装置41は、採寸終了のフラグを電子カルテ421に記憶させるとともに、その預かり物に関する表示をディスプレイ223の表示から消去させる。
【0118】
このように、採寸ステーション203の作業者は、第1の実施形態と同様、倉庫ステーション202から搬出した預かり物について、その構成する物品それぞれを採寸する。そして、採寸により取得された採寸情報は、端末装置233よりサーバ装置41に送信されて、データベース42内の電子カルテ421に記憶される。このとき、採寸情報の電子カルテ421への登録が終了した物品は、採寸ステーション203の作業者によって、作業準備用台車に収納される。この作業準備用台車は、再生産処理工場2a毎に設置されるものであり、同日の再生産処理日の預かり物それぞれの物品が収納される。即ち、出荷先が同じ再生産処理工場2aであり、且つ、同日の再生産処理日となる、預かり物それぞれを構成する物品が、同一の作業準備用台車に収納される。
【0119】
これにより、採寸後の預かり物を構成する物品が、出荷先となる再生産処理工場2a及び再生産処理日毎に管理される。このとき、上述したように、採寸ステーション203の作業者が、特定の再生産処理工場2aに出荷する預かり物の物品のみを採寸するものとした場合、その作業者が扱う作業用台車により、出荷先となる再生産処理工場2aを特定できる。よって、採寸ステーション203の作業者毎に特定された作業準備用台車は、その作業者によって採寸された物品について、再生産処理日単位で管理することとなる。
【0120】
再生産処理工場2aでは、サービス本部4aから配送される預かり物が、再生産処理日単位毎に作業ステーション204に入荷される。このとき、作業ステーション204で入荷を受け付ける作業者は、入荷された預かり物を構成する物品を再生産処理日毎に管理する作業準備用台車に収納する。再生産処理工場2aの作業ステーション204及び出荷ステーション205における、その後の処理は、第1の実施形態におけるサービスシステムと同様であるので、第1の実施形態の説明を参照するものとして、その説明を省略する。
【0121】
このように、本実施形態では、店舗1又は顧客5より受け付けた預かり物が全て、サービス本部4aに入荷されて、カウンセリングセンター3によるカウンセリングを行うために、このサービス本部4aの倉庫ステーション202に一時的に保管される。その後、このサービス本部4aに保管された預かり物は、カウンセリングセンター3のカウンセリングによって決定された各種情報に基づいて、各再生産処理工場2aに振り分けられるようにして、サービス本部4aから出荷される。よって、カウンセリングセンター3のカウンセリング結果により、その預かり物の再生産処理に最も適した再生産処理工場2aを選択して、その再生産処理工場2aに再生産のために預け入れることができる。
【0122】
尚、本実施形態において、サービス本部4aが、入荷受付ステーション201、倉庫ステーション202、及び採寸ステーション203を備えるものとしたが、図14に示すように、この入荷受付ステーション201、倉庫ステーション202、及び採寸ステーション203を備えた倉庫センター7を、サーバ装置41及びデータベース42を備えたサービス本部4と別に構成するものとしてもよい。即ち、第1の実施形態のサービスシステムと同様、サービス本部4が、サービスシステム内の情報の管理のみを行い、倉庫センター7により預かり物が保管される。このとき、倉庫センター7内の入荷受付ステーション201及び採寸ステーション203に設置される各装置は、第1の実施形態のサービスシステムにおける再生産処理工場2aの入荷受付ステーション201及び採寸ステーション203に設置される各装置と同様、外部ネットワーク6を通じて、サービス本部4のサーバ装置41と通信接続される。
【0123】
このように構成することで、サービス本部4に対して、倉庫センター7を複数設置するとともに、倉庫センター7に対しても再生産処理工場2aを複数設置することができる。これにより、例えば、複数の地域のそれぞれに倉庫センター7を配置し、1つのサービス本部4によって、複数の倉庫センター7それぞれの情報管理を行うように構成できる。そして、各地域には、1つの倉庫センター7に対して複数の再生産処理工場2aを配置し、この再生産処理工場2aについても、サービス本部4によって情報管理を行うようにすることで、各地域それぞれにおけるサービスシステムをサービス本部4で統括して、その情報を管理できる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、顧客からの預かり物に対して、顧客の要求に従って、点検、検査、補修、修理、再生、清掃などの処理を施すサービスシステムに用いられる、情報管理システムに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 店舗
2,2a 再生産処理工場
3 カウンセリングセンター
4,4a サービス本部
5 顧客
6 外部ネットワーク
7 倉庫センター
11 端末装置
21 データ入力装置
22 データ出力装置
23 端末装置
31 端末装置
32 通信装置
41 サーバ装置
42 データベース
51 端末装置
52 通信装置
201 入荷受付ステーション
202 倉庫ステーション
203 採寸ステーション
204 作業ステーション
205 出荷ステーション
421 電子カルテ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から預かり物を預かった後に、顧客へのカウンセリングによって決定した再生産処理を施して、顧客に返還するサービスシステム内の情報を、管理する情報管理システムであって、
サービス本部に設置され、前記サービスシステム内の情報を一元管理するサーバ装置と、
前記サービス本部に設置されるとともに、前記サーバ装置の管理下で稼動され、前記預かり物に対して取得された情報を管理し、再生産処理に必要な情報を蓄積する電子カルテを記憶するデータベースと、
入荷される預かり物を受け付ける入荷受付ステーションに設置されるとともに、入荷された預かり物を構成する物品の属性を示す属性情報と、該預かり物を構成する物品における再生産処理の要因を示す状態情報との入力を少なくとも受け付けて、前記サーバ装置に送信する入荷受付用端末装置と、
カウンセリングセンターに設置されるとともに、外部ネットワークにより前記サーバ装置と接続されており、前記入荷受付ステーションで受け付けられた預かり物に関して、顧客との通信によって実行されたカウンセリングによって取得した処理情報を前記サーバ装置に送信するカウンセリング用端末装置と、
再生産処理工場に設置されるとともに、前記外部ネットワークにより前記サーバ装置と接続されており、前記電子カルテに記憶された、再生産処理すべき預かり物に関する処理情報を、前記サーバ装置より受信して、預かり物を再生産処理する作業者に教示する作業用端末装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記入荷受付用端末装置より送信された預かり物の属性情報及び状態情報を受信する毎に、前記データベース内の対応した電子カルテに、受信した前記属性情報及び状態情報を追加して記憶させるとともに、これらの属性情報及び状態情報に基づいてカウンセリング用情報を生成し、
前記カウンセリング用端末装置は、
前記カウンセリング用情報を、前記サーバ装置から受信して、前記カウンセリングセンターの作業者に教示することを特徴とする、情報管理システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記再生産処理工場が、前記入荷受付ステーションと、前記入荷受付ステーションで入荷を受け付けた預かり物を一時的に保管する倉庫ステーションと、を備えるとともに、
前記入荷受付用端末装置も、前記サーバ装置と前記外部ネットワークによって接続されることを特徴とする情報管理システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記サービス本部が、前記入荷受付ステーションと、前記入荷受付ステーションで入荷を受け付けた預かり物を一時的に保管する倉庫ステーションと、を備えるとともに、
前記入荷受付用端末装置と前記サーバ装置とが、前記サービス本部内のネットワークによって接続されることを特徴とする情報管理システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記サービスシステムが、
前記入荷受付ステーションと、前記入荷受付ステーションで入荷を受け付けた預かり物を一時的に保管する倉庫ステーションと、を有した倉庫センターを、更に備えるとともに、
前記入荷受付用端末装置も、前記サーバ装置と前記外部ネットワークによって接続されることを特徴とする情報管理システム。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか一項において、
前記倉庫ステーションより預かり物を搬出する作業準備用ステーションに設置されるとともに、前記サーバ装置より搬出の対象となる預かり物の情報が与えられて、該作業準備用ステーションの作業者に教示する作業準備用端末装置を、更に備え、
前記作業準備用端末装置による通知に基づいて前記倉庫ステーションから搬出される預かり物が、再生産処理を行う期間単位毎に搬出されることを特徴とする情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−224588(P2010−224588A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67818(P2009−67818)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(306021424)株式会社ハッピー (9)