説明

情報記録システム及びマガジン

【課題】ケース内に設けられた一対のリール間で記録テープを走行させる構成において、ヘッドを良好にクリーニングすることができる情報記録システムを得る。
【解決手段】情報記録システム10は、ケース12内に設けられた一対のリール14,16の回転によって該ケース内で走行される記録テープTと、ケース12内で記録テープTに対し情報の書き込み及び読み取りの一方を行う磁気ヘッド20と、磁気ヘッド20を使用位置とクリーニング位置との間で駆動するテープ離隔機構26と、ケース12内に設けられてクリーニング位置に位置する前記ヘッドをクリーニングするクリーニング装置22とを備えている。クリーニング装置22のクリーニングテープ30は、水平方向移動しながらヘッドをクリーニングするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内で一対のリールに記録テープが巻き回された情報記録システム、及びこの情報記録システムを製造する際に用いるマガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
記録・再生時にテープと摺接するようにテープの通過位置に配設された固定ヘッドを、クリーニング時に所定位置に回転移動させ、この所定位置でクリーニングパッドと摺接させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−195650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、ヘッドが回転運動に伴ってクリーニングパッドと摺接されるため、クリーニングストロークが短いなどの制約が生じる。
【0005】
本発明は、ケース内に設けられた一対のリール間で記録テープを走行させる構成において、ヘッドを良好にクリーニングすることができる情報記録システム、及びこの情報記録システムを製造する際に用いるマガジンに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係る情報記録システムは、ケース内に設けられた一対のリールの回転によって該ケース内で走行され、該ケース内に設けられたヘッドに接触しながら該ヘッドによって情報の書き込み及び読み取りの少なくとも一方が行われる記録テープと、前記ヘッドを、前記記録テープ接触する使用位置と、該使用位置から離れたクリーニング位置との間で駆動する駆動機構と、前記ケース内に設けられ、前記クリーニング位置に位置する前記ヘッドを、前記使用位置からクリーニング位置への移動方向とは異なる方向に擦りながらクリーニングするクリーニング装置と、を備えている。
【0007】
請求項1記載の情報記録システムでは、記録テープに対する情報の書き込み又は読み取りの際には、一対のリールの回転によって記録テープが走行される。ヘッドは、使用位置に位置して走行する記録テープに接触しつつ、該記録テープに対する情報の書き込み又は記録テープに書き込まれている情報の読み込みを行う。ヘッドをクリーニングする際には、駆動機構によって使用位置からクリーニング位置に移動されるか、又はクリーニング位置に位置する状態が維持される。クリーニング位置でヘッドは、使用位置とクリーニング位置との間の移動方向とは異なる方向に擦られながら、クリーニング装置にてクリーニングされる。
【0008】
本情報記録システムでは、クリーニング装置がケース内に配置されているため、該ケース内に一対のリール、ヘッドが設けられた構成において、ヘッドをクリーニングすることができる。そして、ヘッドの移動方向とクリーニング方向とが異なるため、換言すれば、ヘッドの移動動作に対しクリーニング動作が独立しているため、ヘッドのクリーニングの範囲やストロークなどが、該ヘッドの使用位置とクリーニング位置との間の移動(範囲やストローク)によって制約を受けることがない。
【0009】
このように、請求項1記載の情報記録システムでは、ケース内に設けられた一対のリール間で記録テープを走行させる構成において、ヘッドを良好にクリーニングすることができる。
【0010】
請求項2記載の発明に係る情報記録システムは、請求項1記載の情報記録システムにおいて、前記クリーニング装置は、前記使用位置に位置する前記ヘッドに対する前記記録テープの幅方向の一方側に配置されており、前記ヘッドを前記記録テープの走行方向に沿った方向に擦りながら該ヘッドをクリーニングする構成とされている。
【0011】
請求項2記載の情報記録システムでは、ヘッドは、記録テープの幅方向に沿って移動する動作を含む動作によって、使用位置とクリーニング位置とに切り換えられる。クリーニング位置に位置するヘッドは、クリーニング装置によって記録テープの走行方向に沿った方向に擦られながら、クリーニングされる。すなわち、クリーニング装置によるクリーニング方向が記録テープの走行方向と交差する方向ではないので、ヘッドのクリーニングの範囲やストローク等が、記録テープの走行経路によって制約を受けることがない。換言すれば、ケース内の限られた空間で、ヘッドのクリーニングの範囲やストロークが確保され、装置のコンパクト化に寄与する。
【0012】
請求項3記載の発明に係る情報記録システムは、請求項1又は請求項2記載の情報記録システムにおいて、前記ヘッドが前記使用位置とクリーニング位置との間で駆動される際に、該ヘッドと前記記録テープとを該記録テープの厚み方向に離隔させる離隔機構をさらに備えている。
【0013】
請求項3記載の情報記録システムでは、ヘッドが駆動機構により移動される際には、離隔機構によりヘッドと記録テープとが該記録テープの厚み方向に離隔される。これにより、移動するヘッドに対し記録テープが保護される。
【0014】
請求項4記載の発明に係る情報記録システムは、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の情報記録システムにおいて、前記ヘッドによる前記記録テープの情報の書き込み及び読み取りの少なくとも一方が行われる場合を除いて、該ヘッドを前記クリーニング位置に保持する保持手段をさらに備えている。
【0015】
請求項4記載の情報記録システムでは、記録テープに対する情報の書き込み、読み取りの際を除いて走行する記録テープにヘッドが接触することがない。このため、記録テープの擦れによるヘッドの汚れが抑制され、クリーニング回数の減少に寄与する。保持手段は、駆動機構が兼ねる構成としても良い。
【0016】
請求項5記載の発明に係る情報記録システムは、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の情報記録システムにおいて、前記クリーニング装置は、クリーニング部材と、前記クリーニング部材が前記ヘッドに接触した状態で該クリーニング部材を前記記録テープの走行経路に沿って移動させる駆動手段とを含んで構成されており、前記クリーニング部材は、前記駆動手段に対し着脱可能とされることで、前記ケースの外部から交換可能とされている。
【0017】
請求項5記載の情報記録システムでは、クリーニング装置を構成するクリーニング部材は、クリーニング装置におけるケース側の要素である駆動手段に対し着脱可能とされている。そして、クリーニング部材がヘッドのクリーニングより消耗された場合には、新規のクリーニング部材に取り替えることができる。
【0018】
請求項6記載の発明に係る情報記録システムは、請求項5記載の情報記録システムにおいて、前記クリーニング部材は、クリーニングテープと、前記クリーニングテープを巻き取り繰り出しする一対の巻き軸と、前記一対の巻き軸を保持する保持部材とを含んで構成されており、前記クリーニング装置は、前記ケースに設けられ一方の巻き軸を駆動する前記駆動手段と、他方の巻き軸を回転可能に支持する支軸とを含んで構成されている。
【0019】
請求項6記載の情報記録システムでは、消耗されたクリーニング部材の除去後に、新規のクリーニング部材を、一対の巻き軸の一方が駆動手段に連結させると共に他方の巻き軸が支軸に連結させて、ケース(情報記録システム)に装着する。これにより、クリーニング部材の交換が果たされる。
【0020】
請求項7記載の発明に係る情報記録システムは、請求項5記載の情報記録システムにおいて、前記クリーニング部材は、クリーニングテープと、前記クリーニングテープを巻き取り繰り出しする巻き軸と、前記クリーニングテープの先端に設けられたリーダ部材と、前記巻き軸及びリーダ部材を保持する保持部材とを含んで構成されており、前記クリーニング装置は、前記ケースに設けられ前記巻き軸を回転可能に支持する支軸と、前記リーダ部材が装着された駆動軸を回転させる前記駆動手段とを含んで構成されている。
【0021】
請求項7記載の情報記録システムでは、消耗されたクリーニング部材の除去後に、新規のクリーニング部材を、巻き軸が支持に連結させた後、リーダ部材を駆動軸に装着する。これにより、クリーニング部材はケース(情報記録システム)に装着され、交換が果たされる。
【0022】
請求項8記載の発明に係るマガジンは、共通の記録テープが巻き取り繰り出し可能に連結された一対のリールと、前記情報記録システムに設けられ前記記録テープに対し情報の書き込み及び読み取りの少なくとも一方を行うヘッドを、該ヘッドに接触しつつクリーニングするクリーニング部材と、前記一対のリール及び前記クリーニング部材を、それぞれの受け渡し位置で前記情報記録システムに受け渡されるように保持する上カートリッジと、前記上カートリッジに対し着脱可能とされ、該上カートリッジとの間に前記一対のリール及び前記クリーニング部材を収容する下カートリッジと、を備えている。
【0023】
請求項8記載のマガジンは、一対のリールを情報記録システムのケースに組み込む際に使用される。具体的には、マガジンの下カートリッジを上カートリッジから取り外し、上カートリッジを情報記録システムの受け部にセットすると、一対のリール及びクリーニング部材が情報記録システムの受け部に対しそれぞれの受け渡し位置に位置決めされる。この状態で、一対のリール及びクリーニング部材を情報記録システムに受け渡し、上カートリッジへの保持状態を解除する。これにより、一対のリール及びクリーニング部材を容易に情報システムの受け部に組み付けることができる。すなわち、情報記録システムの製造が簡素化される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明に係る情報記録システムは、ケース内に設けられた一対のリール間で記録テープを走行させる構成において、ヘッドを良好にクリーニングすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る情報記録システムの概略全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報記録システムにおいて、クリーニングテープアセンブリが取り外された状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報記録システム内の一部を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報記録システムを構成するテープ離隔機構の動作を説明する図であって、(A)は記録テープを読み書き許容位置に位置させる状態を模式的に示す平面図、(B)は記録テープを離隔許容位置に位置させる状態を模式的に示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報記録システムを構成する磁気ヘッドが使用位置に位置する状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報記録システムを構成する磁気ヘッドがクリーニング位置に位置する状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報記録システムを構成する磁気ヘッドのヘッド駆動装置による保持位置を示す図であって、(A)は使用位置に保持された状態を模式的に示す側面図、(B)クリーニング位置に保持された状態を模式的に示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報記録システムを構成するクリーニングテープアセンブリ及び挿入孔を模式的に示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報記録システムを製造する際に用いるマガジンを示す図であって、(A)はマガジンが機構部への組み付け位置に運搬されてきた状態を模式的に示す断面図、(B)はマガジンを用いてリール、クリーニングテープアセンブリを機構部に組み付ける工程を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報記録システムを構成する変形例に係るクリーニングテープアセンブリ及び挿入孔を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態に係る情報記録システム10について、図1〜図9に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、図2における矢印UPを上方向、矢印DNを下方向とする。
【0027】
(情報記録システムの概略全体構成)
図1に示される如く、情報記録システム10は、ケース12と、ケース12に内に収容された一対のリール14、16とを備えている。ケース12には、リール14、16をユーザ等が出し入れするための開口部が形成されておらず、リール14、16は、情報の記録又は再生時、保管時を含む常時、ケース12内で収容されている。
【0028】
リール14には、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTが繰り出し可能に巻き回されており、リール16には、記録テープTの端部が巻き取り可能に接続されている。情報記録システム10では、上下方向に沿った回転軸周りに回転するリール14から繰り出された記録テープTが上下方向に沿った回転軸周りに回転するリール16によって巻き取られ、またリール16からリール14に記録テープTが巻き戻されるようになっている。すなわち、リール14は、記録テープTの繰り出し用リールとされ、リール16は、記録テープTの巻き取り用のリールとされ、これらは記録テープTの巻き方向が逆向きとされている。
【0029】
図3に示される如く、リール14、16は、ケース12内に設けられた回転部材14A、16Aに一体回転するように固定的に結合されている。なお、図3は、情報記録システム10の一部を模式的に示す断面図である。回転部材14A、16Aは、それぞれの直下に配置された図示しないモータに直結されており、後述する磁気ヘッド20を通過する記録テープTの走行速度が略一定となるように同期して回転駆動されるようになっている。
【0030】
また、図4にも示される如く、ケース12内には、複数のテープガイド18が設けられており、該複数のテープガイド18は、ケース12内において記録テープTの走行経路を規定している。ケース12内における複数のテープガイド18で規定された記録テープTの走行経路の中央部(隣り合う2つのテープガイド18間の部分)には、ヘッドとしての磁気ヘッド20が設けられている。磁気ヘッド20は、記録テープTに対する情報の記録(書き込み)、記録テープTに記録された情報の再生(読み取り)の少なくとも一方を行う構成とされている。
【0031】
この実施形態に係る情報記録システム10では、磁気ヘッド20は、上記走行経路を走行する記録テープTと摺接しつつ、該記録テープTへの情報の記録、該記録テープTに既得された情報の再生を行い得る構成とされている。以上により、情報記録システム10は、記録テープT(が巻き回されたリール14、16)を交換することなく、内蔵した記録テープTの記録容量の範囲内で、該記録テープTに対する情報の記録、再生を行う構成とされている。
【0032】
このようにケース12に対し記録テープTの出し入れが行われない情報記録システム10では、ケース12内に磁気ヘッド20をクリーニングするためのクリーニング装置22が内蔵されている。クリーニング装置22は、ケース12内における磁気ヘッド20による記録テープTに対する情報の記録、再生が行われる位置(使用位置)とは異なる位置に配置されている。このため、情報記録システム10は、磁気ヘッド20を使用位置と、クリーニング装置22によってクリーニングされる位置(以下、クリーニング位置という)との間で駆動する駆動機構としてのヘッド駆動装置24を備えている。さらに、情報記録システム10は、磁気ヘッド20がヘッド駆動装置24によって移動される際に記録テープTを離隔(退避)させる離隔機構としてのテープ離隔機構26を備えている。以下、これらについて具体的に説明する。
【0033】
(クリーニング装置の構成)
クリーニング装置22は、磁気ヘッド20(記録テープTの走行経路)に対する該記録テープTの幅方向の一方側である上側に、図3、5〜7に示される如く、記録テープTとオーバラップしないように配置されている。クリーニング装置22は、交換可能なクリーニング部材としてのクリーニングテープアセンブリ28と、クリーニングテープアセンブリ28のクリーニングテープ30を駆動するケース12側の支持駆動機構32とを含んで構成されている。
【0034】
図2及び図8に示される如く、クリーニングテープアセンブリ28は、一対の巻き軸の一方としての繰り出しロール34と、一対の巻き軸の一方としての巻き取りロール36とを有する。繰り出しロール34にはクリーニングテープ30が繰り出し可能に巻き回されており、巻き取りロール36にはクリーニングテープ30の一端が巻き取り可能に連結されている。
【0035】
繰り出しロール34及び巻き取りロール36は、それぞれの支軸34A、36Aにおいて保持部材としてのホルダ38に上下方向に沿った回転軸周りに回転可能に支持されている。図示は省略するが、ホルダ38には、繰り出しロール34からのクリーニングテープ30の繰り出し量に依らずクリーニングテープ30の走行経路が一定となるように、繰り出しロール34側及び巻き取りロール36側のそれぞれにテープガイドを設けても良い。また、このようなテープガイドはケース12側に設けても良い。ケース12側のテープガイドをテープ離隔機構26の如き可動構造(後述)とすれば、使用位置とクリーニング位置との間を移動する磁気ヘッド20に対するクリーニングテープ30の接触を避ける構成とすることも可能である。
【0036】
クリーニングテープアセンブリ28は、ケース12の上壁12Uに形成された挿入孔40を通じて少なくとも繰り出しロール34、巻き取りロール36、及びクリーニングテープ30がケース12内に位置するように組み付けられるようになっている。挿入孔40は、ケース12の上壁12Uに設けられたカバー41にて開閉されるようになっている。挿入孔40には、該挿入孔40をカバー41が開放する状態でホルダ38裏面への指先や工具等のアクセスを許容する補助孔部40Aが連設されている。
【0037】
図3に示される如く、ケース12には、装着されたクリーニングテープアセンブリ28の繰り出しロール34を上下方向に沿った軸周りに回転自在に支持する支軸42と、巻き取りロール36に回転を伝達可能に連結される駆動シャフト44とが設けられている。支軸42と駆動シャフト44とがケース12側に設けられた支持駆動機構32の主要部を成している。なお、駆動シャフト44は、図示しない駆動モータによって回転駆動される構成であり、本実施形態における駆動手段に相当する。
【0038】
支軸42は、繰り出しロール34との上下方向の相対変位によって該繰り出しロール34に着脱され、駆動シャフト44は、巻き取りロール36との上下方向の相対変位によって該巻き取りロール36に着脱されるようになっている。クリーニングテープアセンブリ28は、ホルダ38の上記係止構造による係止状態を解除した状態で、ケース12の挿入孔40に対し上下に抜き差しすることで、繰り出しロール34、巻き取りロール36が支軸42、駆動シャフト44に着脱されるように、挿入孔40の外縁形状が決められている。なお、繰り出しロール34、巻き取りロール36を支軸42、駆動シャフト44に案内する案内壁などを設けても良い。
【0039】
以上により、クリーニング装置22では、クリーニングテープアセンブリ28が装着された状態で、駆動シャフト44が回転駆動されると、クリーニングテープ30が繰り出しロール34から繰り出されながら巻き取りロール36に巻き取られる構成である。すなわち、クリーニングテープ30は、磁気ヘッド20の設置部分における記録テープTの走行方向に沿った方向(矢印A方向)に走行される構成である。磁気ヘッド20は、クリーニング位置で、矢印A方向に走行するクリーニングテープ30に擦られることでクリーニングされるようになっている。
【0040】
(ヘッド駆動装置の構成)
図5及び図6に示される如く、ヘッド駆動装置24は、磁気ヘッド20を使用位置とクリーニング位置との間で移動させるようになっている。この実施形態では、クリーニング位置は使用位置の直上とされており、ヘッド駆動装置24は磁気ヘッド20を上下方向に往復移動させる構成とされている。ヘッド駆動装置24は、一例として磁気ヘッド20における記録テープT側と反対側(背面側)に配置されており、磁気ヘッド20の背面側に設けられた被駆動部20A(図5参照)を上下に移動させるリニアアクチュエータとして構成されている。
【0041】
ヘッド駆動装置24としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオンや送りねじ等の直動機構を備えたモータアクチュエータ、流体圧を用いた流体圧シリンダ、ソレノイド等を用いて構成されたものを採用することができる。また、この実施形態では、ヘッド駆動装置24は、磁気ヘッド20を使用位置、クリーニング位置で保持する保持手段としても機能する構成とされている。なお、保持手段をヘッド駆動装置24とは独立して設けた構成としても良い。
【0042】
そして、クリーニング位置で保持された磁気ヘッド20は、繰り出しロール34と巻き取りロール36との間で、図7(A)に示される如くクリーニングテープ30に接触されるようになっている。なお、使用位置からクリーニング位置への移動の際に、駆動シャフト44を僅かに逆回転駆動してクリーニングテープ30のテンションを緩め(クリーニングテープ30を弛ませ)、移動中の磁気ヘッド20とクリーニングテープ30との接触を避ける構成としてもよい。
【0043】
(テープ離隔機構の構成)
テープ離隔機構26は、磁気ヘッド20がヘッド駆動装置24によって移動される際には、記録テープTを、通常位置に対して、その厚み方向のヘッド側とは反対側(矢印B側)に離隔させる構成とされている。この実施形態では、図4(A)及び図4(B)に示される如く、テープガイド18は、磁気ヘッド20に対するリール14側、リール16側に各2個設けられている。
【0044】
そして、テープ離隔機構26は、リール14側のテープガイド18間及びリール16側のテープガイド18間でそれぞれ記録テープTを矢印B方向に押す一対の押圧ロール46を有する。各押圧ロール46が矢印B側と反対側に接続されたリニアアクチュエータ48によって矢印B方向への移動、及び該移動後の復帰の往復動が可能とされている。これにより、記録テープTは、テープガイド18のみに巻き掛けられて磁気ヘッド20との接触(可能と)される読み書き許容位置(図4(A)参照)と、押圧ロール46にて矢印B方向に押圧して磁気ヘッド20に対し離隔された離隔位置(図4(B)参照)との間で往復動可能とされている。
【0045】
リニアアクチュエータ48としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオンや送りねじ等の直動機構を備えたモータアクチュエータ、流体圧を用いた流体圧シリンダ、ソレノイド等を用いて構成されたものを採用することができる。
【0046】
(マガジンの構成)
以上説明した情報記録システム10は、記録テープT、リール14、16、及びクリーニングテープアセンブリ28を有しない機構部50に、記録テープT、リール14、16、及びクリーニングテープアセンブリ28を組み付けて構成(製造)されるようになっている。この実施形態では、記録テープT、リール14、16、及びクリーニングテープアセンブリ28は、機構部50への組み付け前に、共通のカートリッジ52に組み付けられてマガジン54を構成している。以下、具体的に説明する。
【0047】
図9(A)に示される如く、カートリッジ52は、上カートリッジ52Uと下カートリッジ52Lとの接合により成る。下カートリッジ52Lは、上カートリッジ52Uに対し着脱可能とされている。
【0048】
リール14、16は、上カートリッジ52Uに対し、回転ハンドル56を介して回転可能に支持されている。各回転ハンドル56は、図示しない共通のロック部材にてケース12に対する回転が規制ロックされている。これにより、カートリッジ52内での記録テープTの弛みや過緊張が抑制されている。
【0049】
また、リール14、16は、押さえ部材58と下カートリッジ52Lの押さえ部52LAとの間で上下に挟み込まれている。これにより、リール14、16の上下のフランジ14F、16Fがカートリッジ52の内面に干渉しない構成とされている。下カートリッジ52Lは、押さえ部材58を通じて押さえ部52LAにねじ込まれた押さえねじ60によって、上カートリッジ52Uに保持されている。図示は省略するが、押さえ部材58は、下カートリッジ52Lの取り外し状態で、リール14、16を上カートリッジ52Uに対し保持(抜け止め)する係合爪を有する。
【0050】
上カートリッジ52Uには、機構部50の位置決めピン62が嵌合して位置決めされる位置決め孔52UAが形成されている。位置決め孔52UAにおいて機構部50に対し位置決めされた上カートリッジ52Uは、保持したリール14、16を回転部材14A、16Aに嵌合する受け渡し位置に位置させるように寸法形状が決められている。この受け渡し位置でリール14、16は、図3に示される如くビス64によって回転部材14A、16Aに固定される構成である。
【0051】
また、上カートリッジ52Uには、クリーニングテープアセンブリ28を保持するクリーナ保持部66が形成されている。クリーナ保持部66は、リール14、16に対し、情報記録システム10内でのリール14、16との相対位置と同じ相対位置で、クリーニングテープアセンブリ28をカートリッジ52に保持している。この実施形態では、ホルダ38が貫通可能に上カートリッジ52Uに形成された孔縁における両端側に、一対のスライド係止部材68が設けられ、該スライド係止部材68が上カートリッジ52Uに対しクリーニングテープアセンブリ28を保持している。
【0052】
クリーナ保持部66は、上カートリッジ52Uが位置決め孔52UAにおいて位置決めピン62により位置決めされた状態で、クリーニングテープアセンブリ28の繰り出しロール34、巻き取りロール36を支軸42、駆動シャフト44の直上である受け渡し位置に保持するようになっている。
【0053】
そして、図9(A)に示す保持状態から一対のスライド係止部材68を離間させる方向に移動させると、該スライド係止部材68のホルダ38に対する係止状態が解除されて、図9(B)に示される如く、クリーニングテープアセンブリ28が支持駆動機構32に装着されるようになっている。一対のスライド係止部材68は、図示しないばね等の付勢部材によって互いに近接する方向に付勢されており、該付勢により、上記した如く離間操作されるまでは、クリーニングテープアセンブリ28を保持する状態を維持する構成とされている。
【0054】
マガジン54は、カートリッジ52にリール14、リール16、及びクリーニングテープアセンブリ28が組み込まれて構成されている。
【0055】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0056】
上記構成の情報記録システム10の製造の際には、機構部50を準備する工程と、図9(A)に示される如きマガジン54を機構部50への組み込み位置へ運搬する工程とを経る。この運搬の工程において、記録テープTを含むリール14、16がカートリッジ52に保持されているため、記録テープT、リール14、16(フランジ14F、16F)が保護される。
【0057】
上記運搬の工程の後、図9(B)に示される如く、カートリッジ52の上カートリッジ52Uから下カートリッジ52Lを取り外し、上カートリッジ52Uの位置決め孔52UAに位置決めピン62が嵌合(挿入)されるように上カートリッジ52Uを機構部50上にセットする。すると、リール14、16、クリーニングテープアセンブリ28は、それぞれの受け渡し位置で位置決めされる。
【0058】
この状態で、押さえ部材58によるリール14、16の保持状態を解除すると共に、ロック部材による各回転ハンドル56の回転ロックを解除する。次いで、各回転ハンドル56を回転させてリール14、16の回転位相を回転部材14A、16Aの位相に合わせ(ビス64のビス孔の位置を一致させ)、ビス64にてリール14、16を回転部材14A、16Aに固定する。
【0059】
また、クリーナ保持部66においては一対のスライド係止部材68を互いの離間方向に操作する。すると、ホルダ38に対するスライド係止部材68の係止状態が解除され、スライド係止部材68は支持駆動機構32に装着される。すなわち、繰り出しロール34が支軸42に装着されると共に、巻き取りロール36が駆動シャフト44に装着される。
【0060】
この状態で、ケース12の上壁12Uを含む上側部材を機構部50に被せて、情報記録システム10が製造される。
【0061】
上記構成の情報記録システム10では、記録テープTへの情報の記録、又は記録テープTからの情報の再生に際には、リール14、リール16が同期して回転駆動される。すると、記録テープTは、テープガイド18にて規定される走行経路を矢印A方向に走行し、磁気ヘッド20によって情報が書き込まれ、又は情報が読み取られる。
【0062】
この情報の書き込み、読み取りによって磁気ヘッド20は汚れる。この汚れを落とす要求があった場合には、以下の要領で磁気ヘッド20がクリーニング装置22によるクリーニングされる。
【0063】
(ヘッドが使用位置に位置する場合)
記録テープTに対する情報の書き込み又は読み取りの直後に磁気ヘッド20をクリーニングするケースについて説明する。なお、このケースは、クリーニングの要領について、通常は磁気ヘッド20が使用位置に位置する構成における要領と同様である。
【0064】
磁気ヘッド20のクリーニング要求があった場合、先ず、リニアアクチュエータ48が作動され押圧ロール46によって記録テープTが読み書き許容位置から離隔位置に移動される。次いで、ヘッド駆動装置24が作動され、磁気ヘッド20は使用位置からクリーニング位置へ移動される。この際、記録テープTが離隔位置に位置するため、記録テープTは移動する磁気ヘッド20によって擦られことがなく、ダメージを受けることが防止される。
【0065】
磁気ヘッド20がクリーニング位置に至ると、駆動シャフト44が作動される。すると、クリーニングテープ30が矢印A方向に走行される。この走行するクリーニングテープ30が磁気ヘッド20を擦りながら該磁気ヘッド20をクリーニングする。
【0066】
通常は磁気ヘッド20が使用位置に位置する構成においては、上記したクリーニング動作中、記録テープTはテープ離隔機構26にて離隔位置に保持されており、クリーニングの終了後、磁気ヘッド20はヘッド駆動装置24にて使用位置に復帰される。また、記録テープTは、テープ離隔機構26がリール14、16の回転に同期しながら押圧ロール46を後退させることで、離隔位置から読み書き許容位置まで復帰される。
【0067】
(ヘッドがクリーニング位置に位置する場合)
【0068】
記録テープTへの情報の書き込み、読み取りを行う場合以外は磁気ヘッド20をクリーニング位置に位置させる構成では、磁気ヘッド20のクリーニング要求があった場合、駆動シャフト44が作動される。すると、クリーニングテープ30が矢印A方向に走行される。この走行するクリーニングテープ30が磁気ヘッド20を擦りながら該磁気ヘッド20をクリーニングする。
【0069】
この場合には、記録テープTは、テープ離隔機構26(押圧ロール46、リニアアクチュエータ48)によって、磁気ヘッド20が使用位置に移動されるまで離隔位置で保持されている。そして、記録テープTへの情報の書き込み又は読み取り要求があると、ヘッド駆動装置24は磁気ヘッド20をクリーニング位置から使用位置に移動させ、テープ離隔機構26はリール14、16の回転に同期しながら押圧ロール46を後退させて、記録テープTを離隔位置から読み書き許容位置まで移動させる。記録テープTへの情報の書き込み又は読み取り後は、記録テープTがテープ離隔機構26にて離隔位置に移動された後、磁気ヘッド20がヘッド駆動装置24にてクリーニング位置に移動される。
【0070】
このように記録テープTへの情報の書き込み、読み取りを行う場合以外は磁気ヘッド20をクリーニング位置に位置させる構成では、例えば単なる記録テープTのリール14、16間での繰り出し巻き取り、巻き戻しの際等に、記録テープTと磁気ヘッド20とが擦れることがない。このため、該記録テープTと磁気ヘッド20との擦れに起因して磁気ヘッド20が汚れることが抑制される。また、磁気ヘッド20のクリーニング装置22によるクリーニング回数(クリーニングテープアセンブリ28の交換頻度)の低減にも寄与する。
【0071】
(クリーニングテープアセンブリの交換)
磁気ヘッド20のクリーニングに伴ってクリーニングテープ30が消耗された(と判断される)場合、クリーニングテープアセンブリ28を交換する。先ず、カバー41を操作して挿入孔40を開放させる。補助孔部40Aから指先や工具等をホルダ38の裏面側に入れて該ホルダ38を持ち上げる。すると、クリーニングテープアセンブリ28がケース12から抜き出される。
【0072】
次いで、新規の或いは消耗状態から回復されたクリーニングテープアセンブリ28を挿入孔40からケース12内に挿入する。この動作に伴って、繰り出しロール34には支軸42が挿入(装着)され、巻き取りロール36には駆動シャフト44が装着される。すなわち、クリーニングテープアセンブリ28が支持駆動機構32が適正にセットされる。次いで、カバー41にて挿入孔40を閉止すれば、クリーニングテープアセンブリ28の交換が完了する。
【0073】
ここで、情報記録システム10では、クリーニング装置22がケース12内に配置されているため、該ケース12内に一対のリール14、16、磁気ヘッド20が外部からのアクセス(出し入れを含む)ができないように設けられた構成において、磁気ヘッド20をクリーニングすることができる。
【0074】
そして、ヘッド駆動装置24による磁気ヘッド20の移動方向(上下方向)とクリーニングテープ30によるクリーニング方向(水平方向である矢印A方向)とが異なるため、磁気ヘッド20の使用位置からクリーニング位置への移動動作に対しクリーニング動作が独立している。このため、磁気ヘッド20のクリーニングの範囲やストロークなどが、該磁気ヘッド20の使用位置とクリーニング位置との間の移動(範囲やストローク)によって制約を受けることがない。これにより、この実施形態では、矢印A方向に長尺のクリーニングテープ30にて長いストロークに亘り磁気ヘッド20を擦りつつクリーニングすることができる。
【0075】
このように、情報記録システム10では、ケース12内に設けられた一対のリール14、16間で記録テープTを走行させる構成において、磁気ヘッド20を良好にクリーニングすることができる。
【0076】
特に、本情報記録システム10では、クリーニング装置22が使用位置に位置する磁気ヘッド20に対する記録テープTの幅方向の一方側に配置されている。このため、クリーニングテープ30によるクリーニング方向は、記録テープTの走行方向に沿った矢印A方向とされている。すなわち、クリーニング装置22のクリーニングテープ30の走行方方が記録テープTの走行方向と交差する方向ことがないので、磁気ヘッド20のクリーニングの範囲やストロークなどが、記録テープTの走行経路によって制約を受けることがない。換言すれば、クリーニングテープ30がクリーニング装置70の直上近傍で矢印A方向に走行される構成ではない構成と比較して、ケース12内の限られた空間で、磁気ヘッド20のクリーニングの範囲やストロークが確保され、装置のコンパクト化に寄与する。
【0077】
また、本情報記録システム10では、ヘッド駆動装置24によって磁気ヘッド20が移動される際にはテープ離隔機構26によって記録テープTが離隔位置に位置される。このため、移動する磁気ヘッド20に対し記録テープTが接触することが防止され、該記録テープTが保護される。
【0078】
さらに、本情報記録システム10では、クリーニング装置22を構成するクリーニングテープアセンブリ28が交換可能とされている。これにより、磁気ヘッド20のクリーニングによりクリーニングテープ30が消耗されたクリーニングテープアセンブリ28を、新規又はメンテナンス後のクリーニングテープアセンブリ28に交換して、フレッシュなクリーニングテープ30にて磁気ヘッド20を良好にクリーニングすることができる。特に、クリーニングテープ30が繰り出しロール34、巻き取りロール36、ホルダ38とで、クリーニングテープアセンブリ28としてアセンブリ化されている。このため、消耗されたクリーニングテープ30の交換が容易である。
【0079】
またさらに、情報記録システム10では、その製造の際にマガジン54が用いられる。これにより、リール14、16の組み付けが容易とされる他、クリーニングテープアセンブリ28を容易に機構部50(の支持駆動機構32)に組み付けることができる。
【0080】
(クリーニング装置の変形例)
図10には、変形例に係るクリーニング装置70が模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、クリーニング装置70は、クリーニングテープアセンブリ28に代えてクリーニングテープアセンブリ72を備え、支持駆動機構32に代えて支持駆動機構74を備える。
【0081】
クリーニングテープアセンブリ72は、クリーニングテープ30が巻き回された繰り出しロール34と、クリーニングテープ30の先端に設けられたピン上のリーダ部材としてのリーダピン76と、繰り出しロール34及びリーダピン76を保持する保持部材としてのホルダ80とを有する。ホルダ80は、支軸34Aを介して繰り出しロール34を回転自在に支持すると共に、リーダピン76の一端側を嵌合部80Aに嵌合させて保持するようになっている。
【0082】
一方、支持駆動機構74は、駆動手段としても機能する駆動軸78と、支軸42とを有する。駆動軸78は、リーダピン76が装着される凹状の装着部78Aが形成されており、装着部78Aにリーダピン76が装着されたまま回転することで、クリーニングテープ30を巻き取るようになっている。
【0083】
クリーニングテープアセンブリ72をケース12(支持駆動機構74)にセットする際には、先ず挿入孔82を通じて繰り出しロール34を支軸42に装着し、次いで記録テープTを引き出しながらリーダピン76を駆動軸78の装着部78Aに装着する。その後、カバー41にて挿入孔82を閉止する。そして、磁気ヘッド20のクリーニング要求があり、磁気ヘッド20がクリーニング位置に位置する条件が満たされると、駆動軸78が回転駆動され、クリーニングテープ30が矢印A方向に走行され、磁気ヘッド20のクリーニングが果たされる。使用後のクリーニングテープアセンブリ72の取り出す際には、例えばホルダ80の嵌合部80Aに嵌合されたリーダピン76を指先や工具で摘んで持ち上げれば良い。
【0084】
なお、上記した実施形態では、磁気ヘッド20は上下方向の移動だけで使用位置とクリーニング位置とが切り換えられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、磁気ヘッド20は、使用位置から上方に移動した後、クリーニングテープ30の厚み方向(矢印B方向)に移動することでクリーニング位置に至る構成としても良い。この構成では、繰り出しロール34からのクリーニングテープ30の繰り出し量に応じたクリーニングテープ30の走行経路の変化の影響を受けることなく、クリーニングテープ30を磁気ヘッド20に接触させることができる。また、クリーニング位置と使用位置との間の移動に伴うクリーニングテープ30と磁気ヘッド20との擦れを防止することができる。
【0085】
また、上記した実施形態では、クリーニングテープ30が矢印A方向に移動しつつ磁気ヘッド20をクリーニングする例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、矢印A方向及び矢印Aとは逆方向に往復動しながら磁気ヘッド20をクリーニングする構成としても良い。
【0086】
さらに、上記した実施形態では、クリーニング装置22が磁気ヘッド20に対する記録テープTの幅方向の一方側である上側に配置された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、クリーニング装置22が記録テープTと高さ方向にオーバラップして配置された構成としても良い。すなわち、本発明は、磁気ヘッド20の使用位置からクリーニング位置への移動と、クリーニング装置22による磁気ヘッド20のクリーニング動作とが独立していれば(動作方向が異なれば)良い。
【0087】
またさらに、上記した実施形態では、クリーニング部材としてのクリーニングテープアセンブリ28がクリーニングテープ30を含んで構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、クリーニング部材がクリーニングパッドを含んで構成されても良い。
【0088】
また、上記した実施形態では、クリーニング部材としてのクリーニングテープアセンブリ28、72が交換可能である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、クリーニング装置22はクリーニング部材が交換可能ではない構成とされても良い。
【符号の説明】
【0089】
10 情報記録システム
12 ケース
14 リール
16 リール
20 磁気ヘッド(ヘッド)
22 クリーニング装置
24 ヘッド駆動装置(駆動機構)
26 テープ離隔機構(離隔機構)
28 クリーニングテープアセンブリ(クリーニング部材)
30 クリーニングテープ
32 支持駆動機構(駆動手段)
34・36ロール(巻き軸)
38 ホルダ(保持部材)
42 支軸
44 駆動シャフト(駆動手段)
52U 上カートリッジ
54 マガジン
70 クリーニング装置
72 クリーニングテープアセンブリ(クリーニング部材)
74 支持駆動機構(駆動手段)
76 リーダピン(リーダ部材)
78 駆動軸
T 記録テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に設けられた一対のリールの回転によって該ケース内で走行され、該ケース内に設けられたヘッドに接触しながら該ヘッドによって情報の書き込み及び読み取りの少なくとも一方が行われる記録テープと、
前記ヘッドを、前記記録テープ接触する使用位置と、該使用位置から離れたクリーニング位置との間で駆動する駆動機構と、
前記ケース内に設けられ、前記クリーニング位置に位置する前記ヘッドを、前記使用位置からクリーニング位置への移動方向とは異なる方向に擦りながらクリーニングするクリーニング装置と、
を備えた情報記録システム。
【請求項2】
前記クリーニング装置は、前記使用位置に位置する前記ヘッドに対する前記記録テープの幅方向の一方側に配置されており、前記ヘッドを前記記録テープの走行方向に沿った方向に擦りながら該ヘッドをクリーニングする構成とされている請求項1記載の情報記録システム。
【請求項3】
前記ヘッドが前記使用位置とクリーニング位置との間で駆動される際に、該ヘッドと前記記録テープとを該記録テープの厚み方向に離隔させる離隔機構をさらに備えた請求項1又は請求項2記載の情報記録システム。
【請求項4】
前記ヘッドによる前記記録テープの情報の書き込み及び読み取りの少なくとも一方が行われる場合を除いて、該ヘッドを前記クリーニング位置に保持する保持手段をさらに備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載の情報記録システム。
【請求項5】
前記クリーニング装置は、クリーニング部材と、前記クリーニング部材が前記ヘッドに接触した状態で該クリーニング部材を前記記録テープの走行経路に沿って移動させる駆動手段とを含んで構成されており、
前記クリーニング部材は、前記駆動手段に対し着脱可能とされることで、前記ケースの外部から交換可能とされている請求項1〜請求項4の何れか1項記載の情報記録システム。
【請求項6】
前記クリーニング部材は、クリーニングテープと、前記クリーニングテープを巻き取り繰り出しする一対の巻き軸と、前記一対の巻き軸を保持する保持部材とを含んで構成されており、
前記クリーニング装置は、前記ケースに設けられ一方の巻き軸を駆動する前記駆動手段と、他方の巻き軸を回転可能に支持する支軸とを含んで構成されている請求項5記載の情報記録システム。
【請求項7】
前記クリーニング部材は、クリーニングテープと、前記クリーニングテープを巻き取り繰り出しする巻き軸と、前記クリーニングテープの先端に設けられたリーダ部材と、前記巻き軸及びリーダ部材を保持する保持部材とを含んで構成されており、
前記クリーニング装置は、前記ケースに設けられ前記巻き軸を回転可能に支持する支軸と、前記リーダ部材が装着された駆動軸を回転させる前記駆動手段とを含んで構成されている請求項5記載の情報記録システム。
【請求項8】
共通の記録テープが巻き取り繰り出し可能に連結された一対のリールと、
情報記録システムに設けられ前記記録テープに対し情報の書き込み及び読み取りの少なくとも一方を行うヘッドを、該ヘッドに接触しつつクリーニングするクリーニング部材と、
前記一対のリール及び前記クリーニング部材を、それぞれの受け渡し位置で前記情報記録システムに受け渡されるように保持する上カートリッジと、
前記上カートリッジに対し着脱可能とされ、該上カートリッジとの間に前記一対のリール及び前記クリーニング部材を収容する下カートリッジと、
を備えたマガジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−174288(P2012−174288A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32184(P2011−32184)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)