説明

情報配信装置、情報配信方法、および、情報配信プログラム

【課題】優先情報を迅速に配信する。
【解決手段】受信部11が配信情報を配信元サーバ2から受信すると、制御部12はあらかじめ保有する情報を基に、受信部11が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、優先情報に先行して配信元サーバ2から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する。そして、制御部12は受信した配信情報が先行情報であると判別した場合に、配信情報を送信部14を介して通信端末3に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が優先情報であると判別したら、送信待ちの配信情報に優先して優先情報を送信部14を介して通信端末3に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優先情報を迅速に配信する情報配信装置、情報配信方法、および、情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震等の災害を最小に食い止めるため、地震情報等を迅速に伝える情報配信装置が求められている。この種の技術として、特許文献1には、携帯電話等の移動通信端末に対し、緊急地震速報を配信する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−185477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、特許文献1に記載のような情報配信装置は、他の配信情報に優先して配信を要する配信情報(例えば、緊急地震速報。以下、「優先情報」という)の他に、緊急性を要しない一般の配信情報(例えば、スポーツ情報)も配信している。そのため、一般の配信情報の処理中に優先情報を受信すると、一般の配信情報の配信完了後に優先情報を配信することになるため、迅速に優先情報の配信できない場合がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、優先情報を迅速に配信する情報配信装置、情報配信方法、および、情報配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる情報配信装置は、
配信情報を配信元から受信する受信手段と、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別手段と、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信手段と、を有し、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別手段によって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる情報配信方法は、
配信情報を配信元から受信する受信ステップと、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別ステップと、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信ステップと、を有し、
前記送信ステップは、
前記受信ステップが受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別ステップによって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる情報配信プログラムは、
配信情報を配信元から受信する受信ステップと、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別ステップと、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記送信ステップは、
前記受信ステップが受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別ステップによって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、優先情報を迅速に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態にかかる情報配信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、優先情報に先行して配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別するための判別リストを説明するための図である。
【図3】配信情報のフォーマットを説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる「情報配信処理」を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る情報配信装置を備えるシステムについて説明する。
本実施形態にかかる情報配信システム100は、図1に示すように、情報配信装置1と、
情報配信装置1とインターネット等の通信網を介して接続された複数の配信元サーバ2(配信元サーバ2〜2)と、情報配信装置1と同じく通信網を介して接続された複数の通信端末3(通信端末3〜3)で構成される。
【0012】
情報配信装置1は、受信部11、制御部12、記憶部13、送信部14から構成され、配信元サーバ2から受信した配信情報を通信端末3に送信する。なお、「配信情報」とは配信元サーバ2から情報配信装置1等に向けて送信される地震速報や経済情報等、通信端末3に配信する対象の情報のことをいう。
【0013】
受信部11は、例えば、LANケーブルコネクタや、データ受信用プロセッサなどから構成される。受信部11は配信元サーバ2から配信情報を受信すると、制御部12に受信した配信情報を送信する。
【0014】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ等から構成され、メモリに格納されている配信制御プログラムに従って動作し、後述の「情報配信制御処理」を含む種々の動作を実行する。
【0015】
制御部12は、配信制御処理を実行するため、配信情報の配信レベルを判別するための判別情報を記録した図2に示すような「判別リスト」を記憶する。判別情報は、配信情報が、先行情報(判別情報等により特定される任意の配信情報)であるか、優先情報(先行情報の続報もしくは先行情報の詳細を伝える情報であり、配信情報等により特定される任意の情報)であるか、その他の配信情報(以下、「一般情報」という)であるかを判別するための情報である。具体的には、判別情報には配信情報を送信するサーバのIPアドレス、および、タイトル情報と優先情報/先行情報の別、が対応付けられて格納されている。制御部12は、受信した配信情報の送信元サーバのIPアドレス及びタイトルと判別リストに登録されている送信元サーバのIPアドレスとタイトルとの組み合わせを比較することで、配信情報が優先情報あるいは先行情報であるかを判別する。
【0016】
なお、以下の説明では、理解を容易にするため、「先行情報」は、地震の発生を伝えるために、地震発生直後に気象庁および気象庁の関係機関(例えば気象庁の外郭団体である気象業務支援センター)等から送信される高度利用者向けの緊急地震速報(以下、「高度緊急地震速報」という)の第1報であるものとし、また、「優先情報」は、地震の詳細を伝えるために、気象庁および気象庁の関係機関から送信される一般向けの緊急地震速報(以下、「一般緊急地震速報」という)、もしくは、高度緊急地震速報の第1報が送信された後に続けて気象庁等から送信される高度緊急地震速報(第2報〜最終報)であるものとする。
【0017】
制御部12は、判定情報を基に、後述の「情報配信制御処理」を実行し、受信部11から供給された配信情報が先行情報、優先情報、一般情報のいずれであるかを判別し、先行情報と優先情報については、送信部14に転送して即座に配信させる。一方、一般情報については、記憶部13に格納する。また、先行情報を送信した後、送信部14に、送信停止命令(配信情報の送信を停止するための命令)を送信し、優先情報を送信するまで、一般情報の送信を待機させる。
【0018】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置から構成され、制御部12から受信した配信情報を順次記憶する。なお、配信情報は先入れ先出し(FIFO:First In First Out)方式で格納・読み出しされる。すなわち、制御部12が記憶部13に配信情報を格納すると、送信部14は制御部12によって格納された順番で配信情報を記憶部13から読み出す。
【0019】
送信部14は、例えば、LANケーブルコネクタや、データ送信用のプロセッサなどから構成される。送信部14は制御部12から「送信開始命令」を受信すると、記憶部13から順次配信情報を取得して通信端末3に送信する。また、送信部14は制御部12から「送信停止命令」を受信すると、配信情報の送信を停止する。さらに、送信部14は制御部12から配信情報を受信すると、記憶部13に格納されている配信情報に優先して、制御部12から受信した配信情報を通信端末3へ送信する。
【0020】
配信元サーバ2は、所定のフォーマットの配信情報を、インターネットを介して外部のサーバに送信するためサーバである。なお、本実施の形態では、配信情報は図3に示すようなフォーマットであるものとし、その中には、配信元サーバ2のIPアドレス、および、配信情報のタイトルの情報が含まれているものとする。
【0021】
通信端末3は、例えば、インターネット接続機能を有する携帯電話であり、情報配信装置1から受信した配信情報を映像や音声として通信端末使用者に通知する。
【0022】
次に、このような構成を有する情報配信システム100の動作について説明する。配信元サーバ2は、例えば地震等が発生すると、適宜、図3に示すフォーマットの配信情報を生成し、情報配信装置1に送信する。情報配信装置1は、配信元サーバ2からの配信情報を受信部11で受信すると、その配信情報をそのまま制御部12に転送する。制御部12は受信部11から配信情報を受信すると図4に示す「情報配信処理」を開始する。以下、図4のフローチャートを参照して「情報配信処理」について説明する。
【0023】
制御部12は、受信部11から配信情報を受信すると、内部に保存してある判別リストを基に、受信した配信データが、優先情報に先行して配信元サーバ2から送信される先行情報であるか否かを判別する(ステップS01)。具体的には、制御部12は、図2に示した判別リストから先行/優先の別が「先行」となっている判別情報を抽出し、そして、図3に示したフォーマットの配信情報の「タイトル」および「配信元サーバのIPアドレス」と、抽出した判別情報に記録されているIPアドレスおよびタイトル情報とを比較して、抽出した判別情報の中に1つでIPアドレスおよびタイトル情報が一致するものがあれば、配信情報は先行情報であると判別する。受信した配信情報が先行情報であった場合、制御部12はステップS02に処理を進める(ステップS01:Yes)。これに対して、受信した配信情報が先行情報でなかった場合、制御部12はステップS04に処理を進める(ステップS01:No)。
【0024】
受信した配信情報が先行情報であった場合(ステップS01:Yes)、制御部12は送信部14にその先行情報を送信する(ステップS02)。送信部14は制御部12から優先情報を受信すると、記憶部13に記憶してある配信待ちの配信情報に優先して、制御部12から受信した先行情報を通信端末3に送信する。通信端末3は、送信部14から送信された先行を受信すると、その先行情報を映像や音声として通信端末使用者に知らせる。
【0025】
送信部14に先行情報を送信した後、制御部12は、後に優先情報を受信したときに優先情報を速やかに送信できるようにするため、送信部14に送信停止命令を送信する(ステップS03)。送信部14は制御部12から送信停止命令を受信すると、先行情報の送信後、配信情報の送信を停止する(以下、送信部14が配信情報の送信を停止した状態を「優先制御起動中」という)。送信部14は、制御部12から送信開始命令を受信するまで、配信情報の送信を停止した状態(すなわち優先制御起動中)を維持する。送信開始命令の送信が完了したら、制御部12は情報配信処理を終了する。
【0026】
受信した配信データが先行情報でなかった場合(ステップS01:No)、制御部12は図4に示した判別リストと、配信情報のタイトルおよび送信元サーバのIPアドレスを比較することで、受信した配信データが優先情報であるか否かを判別する(ステップS04)。受信した配信情報が優先情報であった場合、制御部12はステップS05に処理を進める(ステップS04:Yes)。これに対して、受信した配信情報が優先情報でなかった場合、制御部12はステップS07に処理を進める(ステップS04:No)。
【0027】
受信した配信情報が一般緊急地震速報等の優先情報であった場合(ステップS04:Yes)、制御部12は送信部14にその優先情報を送信する(ステップS05)。送信部14は制御部12から優先情報を受信すると、記憶部13に格納してある配信待ちの配信情報に優先して、制御部12から受信した優先情報を通信端末3に送信する。なお、本ステップ(ステップS05)を実行する段階では、送信部14は配信情報の配信処理から完全に開放された状態になっている。なぜなら、優先情報に先行して送信された先行情報を処理する際に、ステップS03において優先制御が起動され、全ての配信情報の送信が停止されているからである。従って、送信部14は制御部12から優先情報を受信すると、他の配信情報の配信処理完了を待つことなく、即座にその優先情報を通信端末3に送信することができる。通信端末3は、送信部14から送信された優先情報を受信すると、その優先情報を映像や音声として通信端末使用者に知らせる。
【0028】
優先情報の送信が完了すると、次に、制御部12は送信部14に送信開始命令を送信して、情報配信装置1の優先制御を解除する(ステップS06)。これにより、送信部14は記憶部13に格納されている配信待ちの配信情報の送信を再開する。なお、制御部12は、配信元サーバ2から複数の優先情報が続けて送信されることが予想される場合であっても、最初の優先情報の送信を以って優先制御を解除する。配信待ちの配信情報の配信遅延を最小限に食い止めるためである。送信開始命令の送信が完了したら、制御部12は情報配信処理を終了する。
【0029】
受信した配信情報が優先情報でなかった場合(ステップS04:No)、制御部12は情報配信装置1が優先制御起動中であるか否かを判別する(ステップS07)。例えば、制御部12は、情報配信装置1が優先制御起動中であることを示すフラグをステップS03の優先制御起動時にONにしておいて、そのフラグがONであるか否かをモニタすることによって情報配信装置1が優先制御起動中であるか否かを判別する。情報配信装置1が優先制御起動中であった場合、制御部12はステップS08に処理を進める(ステップS07:Yes)。これに対して、情報配信装置1が優先制御起動中でなかった場合、制御部12はステップS09に処理を進める(ステップS07:No)。
【0030】
情報配信装置1が優先制御起動中であった場合(ステップS07:Yes)、制御部12は送信部14に配信情報を格納して情報配信処理を終了する(ステップS08)。
【0031】
一方、情報配信装置1が優先制御起動中であった場合(ステップS07:No)、制御部12は送信部14に配信情報を格納した後(ステップS09)、送信部14に送信開始命令を送信する(ステップS10)。送信部14は制御部12から送信開始命令を受信すると、記憶部13に記憶してある配信待ちの配信情報を順次通信端末3に送信する。通信端末3は、送信部14から送信された配信情報を受信すると、その配信情報を映像や音声として通信端末使用者に知らせる。送信開始命令の送信が完了したら、制御部12は情報配信処理を終了する。
【0032】
本実施の形態によれば、情報配信装置1は先行情報を送信後に他の配信情報の送信を停止(優先制御を起動)して優先情報の送信に備えているので、情報配信装置1は配信元サーバ2から優先情報を受信したら、配信遅延を起こすことなく、速やかに優先情報を通信端末3に送信することが可能になる(例えば、送信部14が大きなサイズの配信情報を送信中であるために、優先情報の送信がなかなか開始されず、結果、優先情報が配信遅延に陥るといった事態が発生しなくなる)。
【0033】
また、先行情報も記憶部13に格納された配信待ちの配信情報に優先して送信しているので、先行情報受信後、速やかに優先情報を通信端末3に送信することが可能になる。
【0034】
また、先行情報を高度緊急地震速報、優先情報を一般緊急地震速報とすれば、緊急性の高い地震情報を、配信遅延を起こすことなく速やかに通信端末3に送信できるようになる。
【0035】
また、優先制御起動後に最初に受信した優先情報の送信を以って即座に優先制御を解除しているので、記憶部13に格納した配信待ちの配信情報の送信遅延を最小限に止めることができる。
【0036】
なお、制御部12は、配信元サーバ2から受信した配信情報が優先情報(もしくは先行情報)であるか否かを、配信情報の中に特定のキーワード(例えば、「速報」、「地震」、「津波」、「噴火」、「速報」、「警戒」、「注意」等)が含まれているか否かをテキスト検索することによって判別してもよい。なお、制御部12は、複数のキーワードをAND条件やOR条件で組み合わせてテキスト検索してもよい。これにより、特定の配信元(例えば気象庁)から配信された配信情報に限らず、さまざまな配信元から配信された配信情報を優先情報(もしくは先行情報)とすることが可能になる。
【0037】
また、本実施の形態では優先制御起動後の最初の優先情報の送信を以って優先制御を解除しているが(ステップS06)、必ずしも最初の優先情報の送信を以って優先制御を解除する必要はない。所定の数の優先情報を受信した後に優先制御を解除してもよいし、特定の優先情報(例えば特定のキーワードが含まれる優先情報)を受信した後に優先制御を解除してもよい。
【0038】
また、情報配信装置1に計時のためのタイマ装置等を具備しておいて、先行情報を送信してから一定時間後に優先制御を解除してもよい。例えば、高度緊急地震速報を先行情報、「地震」等のキーワードが含まれる配信情報を優先情報とするのであれば、先行情報受信後、所定の時間内に受信した優先情報を、他の配信情報に優先して通信端末3に送信し(複数の優先情報を送信してもよい)、その後、先行情報を送信部14に送信してから所定の時間が経過したら優先制御を解除する。これにより、例えば、先行情報の配信後に連続して関連情報の配信が予想される場合に(例えば、地震情報のように、高度緊急地震速報等の配信後に、複数の配信元から連続して地震情報の配信が予想される場合に)、これらの関連情報を即座に配信することができる。
【0039】
また、先行情報や優先情報は緊急地震速報に限られない。例えば、全国瞬時警報システム(J−ARART)等により発信される津波警報(オオツナミ)、津波警報(ツナミ)、緊急火山情報、津波注意報、噴火警報、火口周辺警報、噴火予報、東海地震予知情報、東海地震注意情報、東海地震観測情報、緊急地震速報、震度速報、震源・震度に関する情報、気象警報、気象注意報、弾道ミサイル情報、航空攻撃情報、ゲリラ・特殊部隊攻撃情報、大規模テロ情報等の中から、装置設置者等により任意に選択された情報であってもよい。
【0040】
また、図2に示した判別リストには、先行情報として高度利用者向け緊急地震速報(第1報)の判別情報、優先情報として一般向けの緊急地震速報、高度利用者向け緊急地震速報(第2報)の判別情報を記録したが、この判別リストに記録する情報は、高度利用者向け緊急地震速報や一般向けの緊急地震速報の判別情報に限られない。津波警報、緊急火山情報、噴火警報等の判別情報を記録してもよい。また、先行情報として高度利用者向け緊急地震速報の第2報〜最終報の判別情報を記録してもよいし、優先情報として一般向けの緊急地震速報の判別情報のみを記録してもよい。
【0041】
送信部14は、インターネット、イントラネット、CATV、移動体通信網、電話回線、専用回線、および、無線LAN等の無線を通じて通信端末3に情報を配信してもよい。
【0042】
情報配信装置1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、上述の動作を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する情報配信装置1を構成してもよい。また、インターネット等のネットワーク上のサーバ装置が有するディスク装置に格納しておき、例えばコンピュータにダウンロード等するようにしてもよい。また、上述の機能を、OSが分担又はOSとアプリケーションの共同より実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
【0043】
上記プログラムを記録する記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD、DVD、Blu−ray Disc、MO、SDカード、MS(メモリースティック)、USBメモリーの他、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリー、磁気テープ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体を用いることができる。また、HDD(ハードディスク)やSSD(ソリッドステートドライブ)等、通常、システム又は装置に固定されて使用される記録媒体を用いることもできる。
【0044】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0045】
(付記1)配信情報を配信元から受信する受信手段と、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別手段と、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信手段と、を有し、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別手段によって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信装置。
【0046】
(付記2)前記先行情報は、
地震の発生を伝えるために、地震発生直後に前記配信元から送信される高度緊急地震情報であり、
前記優先情報は、
地震の状況を伝えるために、高度緊急地震情報が送信された後に前記配信元から送信される一般緊急地震情報である、
ことを特徴とする付記1に記載の情報配信装置。
【0047】
(付記3)前記送信手段は、
前記先行情報を送信した後、前記配信情報の送信を停止し、その後に受信した前記優先情報を前記通信端末に送信したら、送信待ちの前記配信情報の送信を開始する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の情報配信装置。
【0048】
(付記4)前記送信手段は、
前記先行情報を送信した後、前記配信情報の送信を停止し、その後、所定の時間が経過したら、送信待ちの前記配信情報の送信を開始する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の情報配信装置。
【0049】
(付記5)配信情報を配信元から受信する受信ステップと、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別ステップと、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信ステップと、を有し、
前記送信ステップは、
前記受信ステップが受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別ステップによって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信方法。
【0050】
(付記6)配信情報を配信元から受信する受信ステップと、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別ステップと、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記送信ステップは、
前記受信ステップが受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別ステップによって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信プログラム。
【符号の説明】
【0051】
1 情報配信装置
2 配信元サーバ
3 通信端末
11 受信部
12 制御部
13 記憶部
14 送信部
100 情報配信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信情報を配信元から受信する受信手段と、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別手段と、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信手段と、を有し、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別手段によって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
前記先行情報は、
地震の発生を伝えるために、地震発生直後に前記配信元から送信される高度緊急地震情報であり、
前記優先情報は、
地震の状況を伝えるために、高度緊急地震情報が送信された後に前記配信元から送信される一般緊急地震情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記送信手段は、
前記先行情報を送信した後、前記配信情報の送信を停止し、その後に受信した前記優先情報を前記通信端末に送信したら、送信待ちの前記配信情報の送信を開始する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、
前記先行情報を送信した後、前記配信情報の送信を停止し、その後、所定の時間が経過したら、送信待ちの前記配信情報の送信を開始する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報配信装置。
【請求項5】
配信情報を配信元から受信する受信ステップと、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別ステップと、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信ステップと、を有し、
前記送信ステップは、
前記受信ステップが受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別ステップによって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信方法。
【請求項6】
配信情報を配信元から受信する受信ステップと、
あらかじめ保有する情報を基に、前記受信手段が受信した配信情報が他の配信情報に優先して配信を要する優先情報であるか、前記優先情報に先行して前記配信元から送信される先行情報であるか、他の情報であるかを判別する判別ステップと、
前記受信手段によって受信された配信情報を通信端末に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記送信ステップは、
前記受信ステップが受信した前記配信情報が前記先行情報であると前記判別ステップによって判別された場合に、該配信情報を前記通信端末に送信した後、他の配信情報の送信を待機し、その後に受信した配信情報が前記優先情報であると判別されたら、送信待ちの前記配信情報に優先して前記優先情報を通信端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−93918(P2012−93918A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240156(P2010−240156)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】