説明

愛玩動物用排泄物処理材セット

【課題】1層式や2層式のトイレに使用でき、排泄物処理材を容易に捨てられ、臭いを抑えることができる愛玩動物用排泄物処理材セットを提供する。
【解決手段】排泄物処理材セット100は、高吸水シート10と、中敷ネット20と、猫砂30等とを備えており、高吸水シート10をトイレ容器1の底部に配置し、この高吸水シート10の上に中敷ネット20を配置し、さらに、この中敷ネット20の上に猫砂30を敷くことにより、いわゆる1層式のペット用トイレとして使用している。高吸水シート10は、吸水紙12a,12bと、高吸水性樹脂13、パルプ14、カーボン材15及び抗菌剤を含む混合物と、不織布16とからなり、これらが互いに積層された状態でエンボス加工されている。猫砂30は、その表面積の30乃至70%が撥水剤により覆われており、その表面の一部が撥水部30bであり、この撥水部30b以外の部分が低吸水部30aとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫や犬等やその他の愛玩小動物用のトイレに好適に用いられる愛玩動物用排泄物処理材セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の愛玩動物用排泄物処理材セットは、例えば、プラスチック製のトレイと、このトレイに配置されるすのこ状容器等からなる、いわゆる2層式のトイレに用いられていた(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1は、このすのこ状容器の上に低吸水性の排泄物処理材を配し、さらに、すのこ状容器の下方に殺菌剤や消臭剤を含む水解性シートを配したペット用排泄物処理具を開示している。
特許文献1のペット用排泄物処理具によれば、排泄物処理材自体の吸収性が低いので、排泄された尿が、素早く排泄物処理材の間、及びすのこ状容器を通過し、すのこ状容器の下方に配された水解性シートに吸収されやすくしようとしている。
【0004】
しかし、特許文献1のペット用排泄物処理具は、すのこ状容器の上に配された猫砂を袋等に詰めて捨てるときに、猫の尿を吸水した猫砂が飛散したり、手に付着してしまい、捨て難かった。
また、このペット用排泄物処理具に用いられる排泄物処理材は、その吸水性を調整するために、合成樹脂を用いており、製造コストが大きくなってしまう。
さらに、この排泄物処理材は、その表面全体が低吸水性であるので、猫の尿をある程度吸水するが、その吸水能力が低下したときに、悪臭が発生してしまうことがあった。また、トレイの深さが浅いものの場合、猫が用便した後、必ず砂かけをするので、飛び散りが多過ぎて、トレイの周辺を汚してしまう欠点があった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−180182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、1層式や2層式のトイレに使用でき、排泄物処理材を容易に捨てられ、臭いを抑えることができる愛玩動物用排泄物処理材セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、トイレ容器(1)の底部に配置され、高吸水性と抗菌性とがある高吸水シート(10)と、前記高吸水シート(10)の上に配置され、液通過性がある通過シート(20)と、前記通過シート(20)の上に配置され、その表面の一部(30a)が低吸水性であり、低吸水性以外の部分(30b)が撥水性である排泄物処理材(30)と、を備えた愛玩動物用排泄物処理材セットである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の愛玩動物用排泄物処理材セットにおいて、前記排泄物処理材(30)は、その表面積の30乃至70%に撥水性があること、を特徴とする愛玩動物用排泄物処理材セットである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の愛玩動物用排泄物処理材セットにおいて、前記排泄物処理材(30)は、その液通過率が95%以上であること、を特徴とする愛玩動物用排泄物処理材セットである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の愛玩動物用排泄物処理材セットにおいて、前記排泄物処理材(30)は、粉状ゼオライト85乃至95重量部、粉状バインダー5乃至15重量部を含有する混合物の造粒物であり、前記造粒物は、粒径及び長さが3.5乃至5.5mm、嵩密度が0.7g/cm3以上であること、を特徴とする愛玩動物用排泄物処理材セットである。
【発明の効果】
【0011】
(1)本発明の愛玩動物用排泄物処理材セットは、その表面の一部が低吸水性であり、低吸水性以外の部分が撥水性である排泄物処理材が配置されているので、愛玩動物の尿が、排泄物処理材の撥水性である部分に接触すると、この尿は、排泄物処理材に吸収されずに、素早く通過シートを通過して高吸水シートに吸収されやすくなり、また、愛玩動物の尿が、排泄物処理材の低吸水性である部分に接触すると、この尿は、表面張力により液滴となったとしても、この低吸水性である部分に吸収され、そのために、排泄物処理材の表面には尿が残り難く、臭いを抑えることができる。
また、高吸水シートの上に、液通過性がある通過シートが配置されているので、トイレ容器が1層式又は2層式であっても、高吸水シートと通過シートと排泄物処理材とを用いることができ、さらに、排泄物処理材を通過シートで包み込んだ状態で容易に捨てることができる。
【0012】
(2)排泄物処理材は、その表面積の30乃至70%に撥水性があるので、排泄物処理材の吸水性を部分的に低下させることができる。
【0013】
(3)排泄物処理材は、その液通過率が95%以上であるので、愛玩動物の尿のほとんどが、排泄物処理材を素早く通過し、また、排泄物処理材の表面で液滴となった尿は吸収される。
【0014】
(4)排泄物処理材は、粉状ゼオライト85乃至95重量部、粉状バインダー5乃至15重量部を含有する混合物の造粒物であり、この造粒物は、粒径及び長さが3.5乃至5.5mm、嵩密度が0.7g/cm3以上であるので、造粒物は、粒が大きく、液通過率を高めることができ、また、粉状ゼオライトが強い圧力により固められているので、粉状ゼオライトの吸水性を低下させることができ、しかも、固く締まって重いので、粉が舞うことが少なく、猫の砂かけにより、トイレ容器の外に飛び散って汚さない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、1層式や2層式のトイレに使用でき、排泄物処理材を容易に捨てられ、臭いを抑えることができる愛玩動物用排泄物処理材セットを提供するという目的を、トイレ容器の底部に配置され、高吸水性と抗菌性とがある高吸水シートと、この高吸水シートの上に配置され、液通過性がある中敷ネットと、この中敷ネットの上に配置され、その表面の一部が低吸水性であり、低吸水性以外の部分が撥水性である猫砂とを備えることによって実現する。
【実施例1】
【0016】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明による愛玩動物用排泄物処理材セットの実施例1を示す図である。図1(a)は、断面図であり、図1(b)は、上面図である。
愛玩動物用排泄物処理材セット(以下、処理材セットという)100は、高吸水シート10と、中敷ネット20と、排泄物処理材である猫砂30等とを備えている。なお、以下では、処理材セット100を、すのこ状容器等を用いない、いわゆる1層式のペット用トイレ50に使用した場合について説明する。
【0017】
高吸水シート10は、トイレ容器1の底部に配置されており、高吸水性と抗菌性と脱臭性とがある(図2参照、詳細は後述)。高吸水シート10は、その大きさが、例えば、30×45cmであり、トイレ容器1の底部を覆っている。なお、トイレ容器1は、プラスチック製のトレイである。
【0018】
中敷ネット20は、高吸水シート10の上に配置されており、液通過性がある(図3参照、詳細は後述)。中敷ネット20は、その大きさが、例えば、60×60cmであり、トイレ容器1の底部よりも大きく、トイレ容器1の縁にかかり、つかみ易くなっている。
【0019】
猫砂30は、排泄物処理材であって、中敷ネット20上に敷かれており、低吸水性と抗菌性と脱臭性とがある。猫砂30は、造粒物であり、その表面の一部に撥水剤を噴霧すること、造粒するときに強い圧力を加えることにより、吸水性が調整されている(図4参照、詳細は後述)。
【0020】
図2は、高吸水シート10を示す図である。図2(a)は、断面図であり、図2(b)は、図2(a)のb−b断面図である。
高吸水シート10は、防水フィルム11と、吸水紙12a,12bと、吸水紙12aの上に配された不織布16と、吸水紙12a,12bの間に配された混合物とを備えている。
防水フィルム11は、例えば、ポリエチレンからなり、尿の横漏れやトイレ容器1の底部に尿がしみだしてしまわないように、高吸水シート10の裏面から周縁部を覆っている。吸水紙12a,12bは、混合物を均一に分布させて、挟み込むものである。
【0021】
混合物は、高吸水性樹脂13とパルプ14とカーボン材15と抗菌剤とからなる。混合物は、30×45cmの高吸水シート10の内部に、14gの高吸水性樹脂13と、40gのパルプ14と、8gのカーボン材15と、1gの抗菌剤とを含有しており、それぞれの含有量は通常の高吸水シートに比べて約5倍程度にもなり、例えば、猫の尿を最大2500mL(個体差はあるが、猫の5〜7日分の排尿量)まで吸水し、抗菌作用によりバクテリアの繁殖を抑えて、臭いを抑えることができる。
【0022】
高吸水性樹脂13は、自重の50乃至2000倍の水を吸水しても固形を維持できる樹脂であり、例えば、ビニルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体のケン化物、澱粉とアクリル酸のグラフト重合体、ポリアクリル酸の架橋物、ビニルアルコールとアクリル酸の共重合体、ポリアクリロニトリルの部分加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリエチレングリコールの架橋物、キトサンの塩、プルランのゲルなどを使用できる。
【0023】
カーボン材15は、層状の結晶体を有する鉱物を特殊条件で処理した後に、高温で長時間焼成して得られる炭化物であって、その表面や層間に微細なカーボンが付着し、イオン結合により、臭いの素となるアンモニア、メルカプタン、脂肪酸等を強力に吸着する物質である。
【0024】
高吸水シート10は、吸水紙12b上に混合物が均一に配置され、その上に、吸水紙12aと不織布16とが配置され、これらが積層された後に、エンボス加工される。そして、防水シート11が高吸水シート10の裏面と周縁を覆うように接着される。
混合物は、吸水紙12a,12bに挟まれてエンボス加工されているので、高吸水シート10を通常使用しているときに、片寄ってしまうことがない。
【0025】
図3は、中敷ネット20を示す説明図である。図3(a)は、模式的に示す上面図であり、図3(b)は、側面図である。
中敷ネット20は、縦糸21と横糸22等とからなる。縦糸21と横糸22は、撥水性を有するポリエステル等からなり、それぞれ略直交するように重ねられており、その接点23で接着されている。なお、この縦糸21と横糸22は、その太さが500デニールである。
中敷ネット20は、複数の縦糸21及び横糸22とが接点23で接着されることにより、網目24が形成されている。この網目24は、その大きさが2×4mm程度であり、後述する猫砂30の造粒物よりも小さく、猫砂30が網目24からこぼれ落ちない。
また、中敷ネット20は、縦糸21と横糸22とが接点23で接着されているので、編み込まれた場合と異なり、ほつれてしまうことがない。
【0026】
図4は、猫砂30を示す説明図である。図4(a)は、斜視図であり、図4(b)は、部分拡大図である。
猫砂30は、粉状ゼオライト90重量部、粉状バインダー10重量部を含有する混合物の造粒物である。この造粒物は、粒径及び長さが3.5乃至5.5mmの円柱状であり、嵩密度が0.7g/cm3である。
粉状バインダーは、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、澱粉、プルラン、ゼラチンなどを使用することができる。
【0027】
猫砂30は、4.0mm径の多数の孔と、10mmの厚さを有するスクリーンを備えた、いわゆる縦型押出し造粒機により造粒される。このスクリーンは、孔の径が4.0mmと大きいので、造粒物の粒径を大きくでき、さらに、厚さは、10mmと厚いので、スクリーンの孔を通過させて造粒を行うときに、造粒物に強い圧力がかかり、造粒物の嵩密度を0.7g/cm3とすることができる。なお、スクリーンは、孔径が3.5乃至4.5mmであり、厚さが6.0乃至13mmであることが好ましく、この範囲であれば、粒径や嵩密度が大きい造粒物を得ることができる。
【0028】
猫砂30は、上述の造粒機によって、粉状ゼオライトが粉状バインダーと共に、加水され、強い圧力により固められるので、粉状ゼオライトの吸水性を低下させることができ、さらに、造粒物が固く締まって重いので、粉が舞うことが少なく、猫が砂をかけるときも、トイレ容器1の外に飛び散って汚さない。
猫砂30は、その表面に、低吸水部30aと撥水部30bとがある。低吸水部30aは、造粒のときに、粉状ゼオライトが固く締まっているために、低吸水性となる部分である。撥水部30bは、造粒された後に、所望の撥水剤を噴霧することにより、撥水性となる部分である。撥水部30bは、猫砂30の表面積の30乃至70%を占めている。
【0029】
猫砂30は、その表面積に占める撥水部30bの割合を調整することにより、液通過率を調整することができ、例えば、厚みが5cm程度であるときには、液通過率が95%以上となる。このため、猫砂30は、その表面に猫の尿が接触しても、表面積の30乃至70%が撥水性であるので、この尿は、猫砂30や中敷ネット20を素早く通過し、高吸水シート10に吸収される。
【0030】
また、猫砂30は、例えば、トイレ容器1に約3.0L(約2.7kg)敷いて、実際に猫に使用してみたところ(1日当たり80mL程度の排尿)、約40日間使用しても、尿の臭いが殆どなかった。
【0031】
つぎに、処理材セット100の使用方法について説明する。
まず、トイレ容器1の底部に、高吸水シート10を敷く。つぎに、高吸水シート10の上に、中敷ネット20を均一に被せる。そして、中敷ネット20の上に、猫砂30を3〜5.0cmの高さになる程度に入れる。
処理材セット100は、1層式のペット用トイレ50に使用され、上述したように、猫砂30は約40日間使用でき、高吸水シート10は5〜7日間使用できる。
【0032】
図5は、高吸水シート10や猫砂30を取り替えるときの状態を示す図である。
飼い主は、中敷ネット20を手でつかんで、猫砂30を包み込んだ状態で持ち上げた後に、高吸水シート10を新しいものと取り替える。なお、中敷ネット20は、約60×60cmの大きさで約5.0kg以上の重量に耐えることができる。
【0033】
また、飼い主は、猫砂30の吸水能力が損なわれてしまう前に新しいものに取り替える必要がある。そこで、飼い主は、処理材セット100を使用開始して約40日経過したときに、上述したように、中敷ネット20を手でつかんで、猫砂30ごと持ち上げた後に、猫砂30を袋等に詰めて捨てる。このとき、猫砂30は、猫の尿を吸収しているが、中敷ネット20に包み込まれているので、猫砂30が飼い主の手に付着することもなく、猫砂30を清潔かつ容易に捨てることができる。
【0034】
このように、実施例1の処理材セット100によれば、以下のような効果がある。
(1)高吸水シート10は、高吸水性樹脂13、パルプ14、カーボン材15、抗菌剤の含有量が通常のものよりも多く、30×45cmの大きさで5〜7日間、高吸水性、抗菌性、脱臭性を維持できる。
(2)中敷ネット20は、縦糸21と横糸22とが重ねられ、接点23で接着剤により接着されているので、通常の編み込まれているものと異なり、ほつれることがなく、長期間使用することができる。
(3)中敷ネット20は、猫砂30を持ち上げても破れることがなく、さらに、猫砂30が中敷ネット20に包み込まれるので、猫砂30が飼い主の手に付着することがなく、猫砂30や高吸水シート10を安心して取り替えることができる。
(4)猫砂30は、その表面に撥水部30bがあるので、猫の尿が撥水部30bに接触すると、この尿は、猫砂30に吸収されずに、素早く中敷ネット20を通過するので、高吸水シート10に吸収されやすくできる。
(5)猫砂30は、その表面に低吸水部30aがあるので、猫の尿が低吸水部30aに接触すると、この尿は、猫砂30の表面に付着し、表面張力により液滴となったとしても、この液滴は吸収されるので、猫砂30の表面には尿が残り難く、尿の臭いを抑えることができる。
【実施例2】
【0035】
図6は、本発明による処理材セット100の実施例2を示す図である。図6(a)は、処理材セット100を使用している状態を示す断面図であり、図6(b)は、高吸水シート10を取り替える状態を示す図である。
処理材セット100は、ここでは、トイレ容器1とすのこ状容器40とからなる2層式のペット用トイレ50Aに使用されている。すのこ状容器40は、トイレ容器1の内部に配置され、その底部に複数の孔があり、猫の尿を通過させるものである。
【0036】
処理材セット100は、図6(a)に示すように、トイレ容器1の底部に配置された高吸水シート10と、すのこ状容器40上に配置された中敷ネット20と、中敷ネット20の上に敷かれた猫砂30等とを備えている。
この処理材セット100が使用されたペット用トイレ50Aでは、図6(b)に示すように、飼い主が中敷ネット20を手でつかんで、猫砂30を包み込んだ状態で持ち上げた後に、猫砂30を捨てることができ、衛生的である。
【0037】
このように、処理材セット100を2層式のペット用トイレ50Aに使用することにより、以下のような効果がある。
(1)すのこ状容器40を用いることなく、中敷ネット20で、猫砂30を取り替えることができる。このとき、飼い主は、すのこ状容器40に猫の尿が残っていたとしても、すのこ状容器40に触れる必要がないので、猫の尿が手に付着することがない。
(2)猫の尿は、猫砂30と中敷ネット20を素早く通過して、さらに、すのこ状容器40を経て、高吸水シート10に吸水されるので、猫砂30や高吸水シート10の吸水性、抗菌性が維持されている期間であれば、尿の臭いを抑えることができる。
【0038】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)処理材セット100では、円柱状の猫砂30を用いて、その表面の一部が撥水部30bとなるように撥水剤を噴霧したが、これに限られず、例えば、球状にしてもよく、その表面に複数の突起部を有する形状にしてもよい。
図7は、猫砂30の変形例を示す図である。
猫砂30Aは、図7(a)に示すように、その形状が球状であり、例えば、パン型造粒機により造粒される。猫砂30Aは、その表面に、低吸水部30cと撥水部30dとがある。
猫砂30Bは、図7(b)に示すように、その表面に複数の突起部を有する形状であり、その表面に、低吸水部30eと撥水部30fがある。
このようにすれば、猫砂30A,30Bは、猫砂30と同様に、その表面に尿が残り難く、臭いを抑えることができる。
【0039】
(2)処理材セット100では、中敷ネット20を用いるようにしたが、トイレが1層式であれば、高吸水シート10を積み重ねて、この高吸水シート10の上に猫砂30を直接敷いて、中敷ネット20を使用しないようにしてもよい。
図8は、処理材セットの変形例を示す図である。
処理材セット100Aは、トイレ容器1Aを用いた1層式のペット用トイレに使用されるものであって、例えば、高吸水シート10a,10b,10cと、猫砂30等とを備えている。
トイレ容器1Aは、トレイである。高吸水シート10a,10b,10cは、トイレ容器1Aの底部に積み重ねられている。猫砂30は、最表面側に配置された高吸水シート10aの上に、直接敷かれている。
このようにすれば、処理材セット100Aは、高吸水シート10aを5〜7日使用した後に、飼い主が高吸水シート10aの端を引っ張って、高吸水シート10aを取り出すことにより、高吸水シート10bを最表面側として、その状態でさらに5〜7日間使用することができる。なお、高吸水シート10a,10b,10cは、その端に紐を取付ければ、トイレ容器1Aから取り出し易くなる。
【0040】
(3)処理材セット100では、高吸水シート10を取り替えるときに、図5、図6(b)に示すように、飼い主が中敷ネット20を手でつかんで、猫砂30ごと持ち上げるようにしていたが、これに限られず、中敷ネット20の周縁部に紐を取付けて引っ張ることにより、袋状(巾着状)にしてもよい。このようにすれば、飼い主は、紐を引っ張ることで、猫砂30を中敷ネット20で包み込むことができ、高吸水シート10の取替えを容易に行うことができる。
(4)トイレ容器1,1Aは、トレイ(底の浅い容器)としたが、これに限られず、例えば、各種の材質で形成された底の深い容器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による愛玩動物用排泄物処理材セットの実施例1を示す図である。
【図2】高吸水シート10を示す図である。
【図3】中敷ネット20を示す説明図である。
【図4】猫砂30を示す説明図である。
【図5】高吸水シート10や猫砂30を取り替えるときの状態を示す図である。
【図6】本発明による処理材セット100の実施例2を示す図である。
【図7】猫砂30の変形例を示す図である。
【図8】処理材セットの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 トイレ容器
10 高吸水シート
11 防水フィルム
12a,12b 吸水紙
13 高吸水性樹脂
14 パルプ
15 カーボン材
16 不織布
20 中敷ネット
23 接点
24 網目
30 猫砂
30a 低吸水部
30b 撥水部
100 愛玩動物用排泄物処理材セット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ容器の底部に配置され、高吸水性と抗菌性とがある高吸水シートと、
前記高吸水シートの上に配置され、液通過性がある通過シートと、
前記通過シートの上に配置され、その表面の一部が低吸水性であり、低吸水性以外の部分が撥水性である排泄物処理材と、
を備えた愛玩動物用排泄物処理材セット。
【請求項2】
請求項1に記載の愛玩動物用排泄物処理材セットにおいて、
前記排泄物処理材は、その表面積の30乃至70%に撥水性があること、
を特徴とする愛玩動物用排泄物処理材セット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の愛玩動物用排泄物処理材セットにおいて、
前記排泄物処理材は、その液通過率が95%以上であること、
を特徴とする愛玩動物用排泄物処理材セット。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の愛玩動物用排泄物処理材セットにおいて、
前記排泄物処理材は、粉状ゼオライト85乃至95重量部、粉状バインダー5乃至15重量部を含有する混合物の造粒物であり、
前記造粒物は、粒径及び長さが3.5乃至5.5mm、嵩密度が0.7g/cm3以上であること、
を特徴とする愛玩動物用排泄物処理材セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−141956(P2008−141956A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84129(P2005−84129)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(391002203)新東北化学工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】