説明

愛玩動物用美容練習具

【課題】本発明は、実際の作業に近い状態で練習することができる愛玩動物用美容練習具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】愛玩動物用美容練習具は、動物の骨格に対応して湾曲変形可能な棒状の芯体1と、芯体1の端部のいずれか一方を支持する支持台3と、上毛となる長繊維及び当該上毛よりも短い下毛となる短繊維を混合した混紡紡績糸を地組織に編み込んで立毛させた上毛及び下毛を有するパイル生地からなるとともに芯体1の外周に密着して装着するように筒状に形成された立毛体2とを備えている。芯体1は、動物の前肢又は後肢の骨格に対応するように二つ折りにして両側を折り曲げる。立毛体2は、芯体1の端部から挿入して芯体1全体を覆うように挿着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、愛玩動物の毛並みの手入れ等の美容作業を練習する美容練習具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、犬や猫を代表とする愛玩動物を飼育する愛好家が増加しており、それに伴い愛玩動物の毛並みの手入れ等の美容に対するニーズが高まっている。愛玩動物の美容術では、いわゆるグルーミング(毛づくろい)と総称される一連の作業が行われるが、その中にはブラシや櫛により被毛を揃えたり(ブラッシング及びコーミング)、ハサミやクリッパにより被毛をカットして形を整える(シザーリング及びクリッピング)といった美容術が含まれる。こうした被毛を整える美容術は、愛玩動物の毛並みを手入れするとともに容姿を美しく整えるために重要な作業で、様々な道具を使いこなす技能を習得する必要があり、グルーミングの中でも特に熟練を要する作業である。そのため、実際に道具を使いながら練習を積む実践練習が欠かせないが、練習台となるモデル動物の数に制約があるため、グルーミングの技能向上を図る機会を増やすことができないのが実状である。
【0003】
こうした課題に対処するために、こうした美容術を練習するための練習具が提案されている。例えば、特許文献1では、ゴム板或いはビニール板等の可撓性資材からなるベース部材上にU字状をした毛糸の繊維体を多数並列連続的且つ数段に亘って植設した仮想被毛体を設けた犬用美容教材が記載されている。また、特許文献2では、表面全域に長繊維を植毛して愛玩動物に似せた縫いぐるみカバーを縫いぐるみ本体に取り外し可能に被せるように取り付けた愛玩動物美容作業練習用モデルが記載されており、縫いぐるみカバーに植毛する長繊維を長植毛及び短植毛の打ち込み加工により植設した点が記載されている。また、特許文献3では、犬型本体の外面に、毛穴から8cm以上の長さを有する長毛及び産毛に相当する短毛が密生し、長毛と短毛が表面布地に交互に配列されるとともに任意の色合に染毛できる素材で構成され、本体の腹部中程に支持棒を差し込みできる挿孔を形成したトリミング用ドッグウイッグが記載されている。また、特許文献4では、動物の形態を模した型本体と、動物の毛または人工の毛が植毛された外装布とを備え、外装布は、型本体の外面に着脱可能に設けたトリミング練習具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3046877号公報
【特許文献2】特開2003−310081号公報
【特許文献3】特開2005−031603号公報
【特許文献4】特開2006−343507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した先行文献では、板状体や生体に似せた模型を用いて表面に繊維を植毛した練習具により愛玩動物の被毛のカッティング等の練習に使用するようにしているが、いずれも生体のような動きを伴わないため、実際の作業とは異なる練習状態となっている。具体的には、愛玩動物の前肢又は後肢についてグルーミングの作業を行う場合に、片方ずつ手で持ち上げて作業することになるが、先行文献に記載されているような板状体及び模型ではこうした実際の作業に近い状態で練習することが困難である。例えば、模型を使用する場合に四肢のうちの1つを持ち上げると、模型が不安定な状態となって模型全体の重量を支えながら練習することになり、実際の作業と同じように練習することは難しい。
【0006】
そこで、本発明は、実際の作業に近い状態で練習することができる愛玩動物用美容練習具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る愛玩動物用美容練習具は、動物の骨格に対応して湾曲変形可能な棒状の芯体と、前記芯体の端部のいずれか一方を支持する支持台と、上毛となる長繊維及び当該上毛よりも短い下毛となる短繊維を混合した混紡紡績糸を地組織に編み込んで立毛させた上毛及び下毛を有するパイル生地からなるとともに前記芯体の外周に密着するように筒状に形成された立毛体とを備えている。さらに、前記芯体は、湾曲変形する箇所にマークが表示されている。さらに、前記立毛体は、前記下毛の繊維密度が前記上毛の繊維密度の30%〜50%である。
【0008】
本発明に係る美容練習具用立毛体は、愛玩動物の骨格に対応する芯体に装着されて用いられる美容練習具用立毛体であって、上毛となる長繊維及び当該上毛よりも短い下毛となる短繊維を混合した混紡紡績糸を地組織に編み込んで立毛させた上毛及び下毛を有するパイル生地を筒状に形成して構成されており、前記上毛は、繊度15デシテックス〜17デシテックスの繊維材料からなるとともに地組織からの長さが95mm〜100mmであり、前記下毛は、繊度3デシテックス〜7デシテックスの繊維材料からなるとともに地組織からの長さが45mm〜50mmである。さらに、前記下毛の繊維密度が前記上毛の繊維密度の30%〜50%である。
【発明の効果】
【0009】
上記のような構成を有することで、愛玩動物に対する美容術の練習を行う場合に実際の作業に近い状態で練習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施形態に関する外観斜視図である。
【図2】芯体に関する外観斜視図である。
【図3】芯体に関する軸方向の断面図である。
【図4】犬の前肢の骨格に対応する形状に芯体を折り曲げた状態を示す説明図である。
【図5】犬の後肢の骨格に対応する形状に芯体を折り曲げた状態を示す説明図である。
【図6】立毛体に関する側面図及び軸方向の断面図である。
【図7】本実施形態の組立工程に関する説明図である。
【図8】本実施形態の組立工程に関する説明図である。
【図9】芯体に立毛体を取り付けた状態を示す断面図である。
【図10】グルーミング作業の練習過程に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態である愛玩動物用美容練習具に関する外観斜視図であり、本実施形態では、愛玩動物として犬の前肢の骨格に対応した構成(図1(a))及び後肢の骨格に対応した構成(図1(b))に設定することができる。
【0013】
愛玩動物用美容練習具は、棒状の芯体1の外周に密着するように装着された筒状の立毛体2を備え、芯体1の端部のいずれか一方が支持台3の突起部に挿着されて固定されている。
【0014】
図2及び図3は、芯体1に関する外観斜視図及び軸方向の断面図である。芯体1は、愛玩動物の骨格に対応して湾曲変形可能に形成されており、この例では、蛇腹状に形成された薄い金属製円筒体10の全体を樹脂製カバー11で被覆したものを用いている。こうした部材を用いることで、素手で容易に湾曲変形することができる。そして、こうした部材以外にも、例えば金網状の円筒体を樹脂製のカバーで被覆したものといった部材を用いることができ、素手で容易に湾曲変形が可能で、形状が安定保持される部材であれば特に限定されない。そして、芯体1の端部には、柔軟性のある樹脂材料からなるキャップ12が挿着されている。樹脂製カバー11の表面には、犬の前肢及び後肢の骨格に対応して折り曲げる箇所に線状のマーク13が周方向に表示されており、利用者はマーク13を目印にして芯体1を折り曲げることで、前肢又は後肢の骨格構造を理解することができる。図2(a)は、犬の前肢の骨格構造に対応してマーク13を表示した場合を示しており、図2(b)は、犬の後肢の骨格構造に対応してマーク13を表示した場合を示している。
【0015】
マーク13は、ゴム製のリングや取り外し可能な細幅のテープを用いることで、練習者が表示位置を設定することができる。この場合、練習者は、まず動物の骨格構造を理解した上で折り曲げ位置にマーク13を設定して自ら骨格構造に対応した形状の芯体1を製作することになり、動物の骨格構造についても理解を深めることが可能となる。
【0016】
図4は、犬の前肢の骨格に対応する形状に芯体1を折り曲げた状態を示す説明図であり、図4(a)及び(b)は、芯体1に関する側面図及び正面図であり、図4(c)は、犬の前肢の骨格構造を示す説明図である。芯体1は、その中心部に表示したマーク13に基づいて二つ折りにして両側を一対の前肢の骨格に対応させている。犬の前肢は、図4(c)に示すように、下方の指先から手根部分A(人間の手首に相当)及び肘部分Bを経て、肘部分Bから上腕までの部分が肋骨に近接した骨格構造となっている。そのため、中心部から両側に表示した3つのマーク13に基づいて後ろ側に折り曲げ、肘部分Bに対応する箇所を湾曲形成する。また、U字状に折り曲げた中心部分を近接させた状態に設定して、骨格構造に対応した形状としている。
【0017】
こうした関節部分の特徴的な形状を含む骨格構造を正確に理解した上でグルーミングの作業を行わないと、個々の犬の骨格構造に対応した最適なシルエットに仕上げることはできない。そこで、練習者は、肘部分Bに対応した折り曲げ位置にマーク13を付し、マーク13に基づいて肘部分Bに対応する湾曲形状に芯体1を変形することで、前肢の骨格構造を実習により正確に理解することが可能となる。
【0018】
図5は、犬の後肢の骨格に対応する形状に芯体1を折り曲げた状態を示す説明図であり、図5(a)及び(b)は、芯体1に関する側面図及び斜視図であり、図5(c)は、犬の後肢の骨格構造を示す説明図である。芯体1は、前肢の場合と同様に、その中心部に表示したマーク13に基づいて二つ折りにして両側を一対の後肢の骨格に対応させている。犬の後肢は、図5(c)に示すように、下方の指先から飛節C(人間の踵に相当)までほぼ垂直に立ち上がり、飛節Cから前側の膝関節Dを経て上方の骨盤に接続される骨格構造となっている。そのため、二つ折りした芯体1の両側の飛節C及び膝関節Dに対応する折り曲げ位置にマーク13を付し、マーク13に基づいて膝関節D及び飛節Cに対応する箇所を折り曲げて後肢の骨格構造に対応した形状に湾曲形成する。
【0019】
後肢の場合にも前肢と異なる関節部分の特徴的な形状を有する骨格構造を理解した上でグルーミングの練習を行えば、犬の骨格構造を意識した美容術の練習が可能となる。また、1つの芯体で前肢及び後肢の両方について練習することができるため、練習の効率を向上させることができる。
【0020】
図6は、立毛体2に関する側面図(図6(a))及び軸方向の断面図(図6(b))である。立毛体2は、上毛20となる長繊維及び上毛よりも短い下毛21となる短繊維を混合した混紡紡績糸を地組織22に編み込んで立毛させた上毛20及び下毛21を有するパイル生地を筒状に形成して構成されている。パイル生地は、例えば、上毛となる長繊維及び下毛となる短繊維を混合した綿状の混紡紡績糸(スライバー)を公知の編機により地組織に編み込んだ後、裏糊加工によりパイルの固定化及び生地の安定化を行い、後処理として、パイル生地をポリッシャー加工により上毛及び下毛の捲縮を除去して直毛状態に仕上げたり、シープ加工により上毛及び下毛を収縮させてカール状態に仕上げることができる。
【0021】
シープ加工したパイル生地を用いた場合には、上毛及び下毛がカールして全体が綿状になるため、ブラッシング等の練習具として好適である。また、ポリッシャー加工したパイル生地を用いる場合には、上毛及び下毛が直毛状態に近くなるため、毛さばきが良好となってシザーリング等の練習具として好適なものとなる。
【0022】
地組織22としては、ポリエステル系繊維等の合成繊維、半合成繊維、天然繊維又はこれらの複合繊維といった布地に用いられる公知の繊維材料を用いればよく、特に限定されない。
【0023】
上毛20となる長繊維は、繊度15デシテックス〜17デシテックスの繊維材料からなり、地組織からの長さが95mm〜100mmとなるように設定する。上毛20となる長繊維の繊度が15デシテックスよりも小さいと立毛状態が安定せず、繊度が17デシテックスよりも大きいとカッティングが難しくなる。そして、繊維密度を1400万本/m2〜1700万本/m2で地組織22からの長さが95mm〜100mmに設定すれば、実際の被毛に近い密度でグルーミングの練習を行うことができる。
【0024】
また、下毛21となる短繊維は、繊度3デシテックス〜7デシテックスの繊維材料からなり、地組織からの長さが45mm〜50mmに設定するとよい。そして、繊維密度は、上毛20の繊維密度の30%〜50%とし、上毛20及び下毛21の合計の繊維密度を2000万本/m2〜2400万本/m2にするとよい。下毛21は、こうした繊度、繊維密度及び長さに設定することで、上毛20の立毛状態を安定した状態に保持することができる。
【0025】
上毛となる長繊維及び下毛となる短繊維に用いる繊維材料としては、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ウール等の天然繊維が挙げられる。特に、アクリル系共重合体からなる繊維が好ましい。また、上毛の繊維材料として、断面が扁平形状のものを用いることで、毛さばきに関する特性を向上させることができ、動物の毛並みにより類似したものとすることが可能となる。
【0026】
図7及び図8は、本実施形態の組立工程に関する説明図である。図7(a)では、予め前肢の骨格構造に対応させて折り曲げた芯体1を準備し、一方の端部から立毛体2を挿入していき、芯体1の全長にわたって立毛体2で覆うように挿着する。図7(b)では、予め後肢の骨格構造に対応させて折り曲げて芯体1を準備し立毛体2で覆うように挿着する。
【0027】
図8(a)では、前肢に対応して変形した芯体1の一方の端部に取り付けたキャップ12を支持台3の突起部30に挿入して支持固定する。支持台3は、予めテーブルの端部に取り付けて固定部材31により固定しておく。このように芯体1の一方の端部のみ支持固定しているので、他方の端部が自由端となって、後述するように、他方の端部を手で持ち上げて作業を行うことができ、実際の作業と同様に動物の前肢を持ち上げた状態で練習することが可能となる。図8(b)では、後肢に対応して変形した芯体1の一方の端部を支持台3に支持固定する。この場合にも、実際の作業と同様に動物の後肢を持ち上げるように芯体1の他方の端部を手で持ち上げて練習を行うことができ、実際の作業に近い状態で練習することが可能となる。
【0028】
図9は、芯体1に立毛体2を取り付けた状態を示す断面図である。立毛体2の地組織22は芯体1の樹脂製カバー11の表面に密着するように挿着されており、グルーミングの作業で立毛体2がずれないようになっている。そして、立毛体2の地組織22の端部22aは、内側に折り込まれてキャップ12とともに支持台3の突起部30に挿入されている。そのため、立毛体2の上毛20がキャップ12の周囲に回り込み、芯体1の端部全体を覆うようになる。こうして動物の被毛状態に近い状態を実現することができる。
【0029】
図10は、愛玩動物用美容練習具を用いたグルーミング作業の練習過程に関する説明図である。まず、芯体1に挿着した立毛体2に対してブラッシング及びコーミングの作業を行い、上毛及び下毛の毛並みを揃える。この場合、予め立毛体2を洗浄しておき、ドライヤーで乾燥させながら、ブラッシング及びコーミングの作業を行うと、実際の作業に近い状態で練習することができる。立毛体2は、上毛及び下毛からなる混紡紡績糸を地組織に編み込んで立毛させたパイル生地からなるため、抜け毛が少なく、実際の動物の被毛に近い状態を実現することが可能となる。上述した特許文献のように植毛した場合には、ブラッシングやコーミングの際にかなりの量の毛が抜け落ちてしまうが、本発明の立毛体を用いることでこうした抜け毛の問題を解消することができ、より本物に近い使用感が得られる。
【0030】
そして、図10(a)に示すように、芯体1の固定されていない端部を手で持ち上げた状態で鋏を用いてカッティングの作業を行う。右側の図は後肢の場合を示し、左側の図は前肢の場合を示している。実際のカッティングの作業においても、動物の前肢又は後肢の片方を手で持ち上げた状態で作業を行うため、実際の作業により近い状態で練習することができる。また、芯体の一方の端部は支持台にしっかり固定されているため、他方の端部を手で持ち上げても手を離すと元の状態に戻るようになり、作業中に立毛体がぶれることがなく安定した状態で練習を行うことができる。立毛体の他方の側をカッティングした後支持台に固定した芯体の一方の端部を引き抜き、代わりに芯体の他方の端部を挿入して固定して、立毛体の一方の側をカッティングする。こうして立毛体の両側を満遍なくカッティングすることができる。
【0031】
カッティングにより立毛体の上毛の上側部分を切断していき、図10(b)に示すように、立毛体全体の形状を整える。この例では、芯体の軸を中心に円筒状となるように整えていき、端部は丸く球面状に整える。この場合、立毛体の上毛が垂れ下がることなく外方に向かって立毛した状態となっているため、曲面状にきれいに仕上げることができる。図10(b)では、カッティングにより整えられた立毛体に対してクリッパにより一部を刈り取るクリッピングの作業を行う。この場合にも芯体の一方の端部を持ち上げて行うことで、実際の作業により近い状態でクリッピングの作業を練習することができる。
【0032】
図10(c)では、クリッピングの作業により立毛体の両側の中間部分を刈り取り、最終的な形状に立毛体を仕上げた状態を示している。こうしてグルーミングに関する一連の作業について実際の作業に近い状態で練習することが可能となる。また、練習後には、立毛体を芯体から取り外して新しい立毛体を取り付ければ、繰り返し練習を行うことができ、グルーミングに関する美容術を効率よく習得することが可能となる。
【0033】
以上説明した例では、動物の前肢及び後肢の骨格に対応した芯体に立毛体を挿着しているが、前肢及び後肢以外の骨格に対応して芯体を形成してもよく、特に限定されない。例えば、尾部や頭部の骨格に対応した芯体に立毛体を密着させた状態で取り付けて美容練習具を構成することもできる。また、上述した例では、芯体をU字状に湾曲変形させて両足用に形成しているが、片足用に約半分の長さの芯体で約半分の長さの立毛体を挿着した練習具としてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1・・・芯体、2・・・立毛体、3・・・支持台、10・・・金属製円筒体、11・・・樹脂製カバー、12・・・キャップ、13・・・マーク、20・・・上毛、21・・・下毛、22・・・地組織

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の骨格に対応して湾曲変形可能な棒状の芯体と、前記芯体の端部のいずれか一方を支持する支持台と、上毛となる長繊維及び当該上毛よりも短い下毛となる短繊維を混合した混紡紡績糸を地組織に編み込んで立毛させた上毛及び下毛を有するパイル生地からなるとともに前記芯体の外周に密着するように筒状に形成された立毛体とを備えている愛玩動物用美容練習具。
【請求項2】
前記芯体は、湾曲変形する箇所にマークが表示されている請求項1に記載の愛玩動物用美容練習具。
【請求項3】
前記立毛体は、前記下毛の繊維密度が前記上毛の繊維密度の30%〜50%である請求項1又は2に記載の愛玩動物用美容練習具。
【請求項4】
愛玩動物の骨格に対応する芯体に装着されて用いられる美容練習具用立毛体であって、上毛となる長繊維及び当該上毛よりも短い下毛となる短繊維を混合した混紡紡績糸を地組織に編み込んで立毛させた上毛及び下毛を有するパイル生地を筒状に形成して構成されており、前記上毛は、繊度15デシテックス〜17デシテックスの繊維材料からなるとともに地組織からの長さが95mm〜100mmであり、前記下毛は、繊度3デシテックス〜7デシテックスの繊維材料からなるとともに地組織からの長さが45mm〜50mmである美容練習具用立毛体。
【請求項5】
前記下毛の繊維密度が前記上毛の繊維密度の30%〜50%である請求項4に記載の美容練習具用立毛体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−34442(P2013−34442A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174539(P2011−174539)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【特許番号】特許第5010752号(P5010752)
【特許公報発行日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(591109049)岡本レース株式会社 (6)