説明

感圧複写帳票

【課題】確実に文字認識でき、高速で精度良い読み取りを可能とすること。
【解決手段】基紙1の表面に記入枠11を形成し、その裏面に発色剤層12を塗工した記入用紙P1と、基紙2の表面に顕色剤層22を塗工して記入枠11と対応する位置に読取枠21を形成した読取用紙P2とを重ね合わせるとともに、読取用紙P2の顕色剤層22上のクリアエリアCに限定して減感インキ23を塗工することにより、読取枠21周囲の領域における発色汚れを防ぎ、読取枠21内に複写された文字とのコントラストを良好に維持するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的文字読取装置(以下、「OCR」という)での自動読み取りが可能な感圧複写帳票に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、たとえば、各種伝票や税申告書などの書類として感圧複写帳票が用いられており、事務処理の迅速化を図るためにOCRを利用した自動読み取りが行われている。通常は、直接手書きで記入した情報や、プリンタで印字した情報が記載された一枚目の用紙を読み取ることが多い。一方、事務処理の関係上、一枚目の用紙を処理後に切り離して別部署に渡してしまうような場合には、二枚目以降の用紙に複写された情報を読み取らざるを得ない。
【0003】
ところが、この二枚目以降の用紙については、一般にノーカーボン用紙を利用して複写されたものであるので、複写文字のかすれや発色濃度が充分確保できない等の理由で文字品質が悪くなりがちである。そのため、OCRによる認識率が低下して、実用に耐えないことが多かった。このように、感圧複写帳票において、二枚目以降の用紙をOCRの読み取り用として設計することは難しく、実用面で改良の余地が残されている。
【0004】
その一方で、こうしたOCRの読み取りに対応するため、二枚目以降の用紙の複写発色を強化した感圧複写帳票も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
この帳票は、上用紙、中用紙、及び下用紙の三枚の複写用紙で構成され、上用紙裏面と中用紙裏面に広範囲の光波長を吸収する発色剤を塗布し、中用紙表面と下用紙表面に増量した顕色剤を塗布することで、中用紙と下用紙に複写される文字の発色濃度を高めたものである。また、このような複写発色を強化した特殊な複写用紙の場合には、通常の減感処理では不充分なため、複写不要箇所の顕色剤上に減感インキを塗布する他に、複写不要箇所の発色剤上にも減感インキやオーバープリントワニスを塗布して発色を阻止するものとしている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された減感処理は、上用紙と中用紙、あるいは中用紙と下用紙のように、発色剤と顕色剤が上下の用紙に分かれた構造の複写用紙には有効であるが、自己発色紙のように、一枚の用紙上に発色剤と顕色剤の混合剤を塗布した構造の複写用紙には適用できないという課題が残されている。
【0007】
すなわち、複写発色を強化した自己発色紙に減感処理を施す場合、従来と同様に、混合剤の上に減感インキを通常よりも増量して塗布しなければならない。そのため、減感インキが酸化重合型のものでは乾燥が遅くなり、用紙間でブロッキングが発生するという問題が起こる。一方、減感インキが紫外線硬化型のものでは、OCR用リードインキと減感インキのインキ乾燥方法を合わせなければならず、しかも、減感インキを塗布した部分には印鑑適性がないといった問題も解決することができない。
【0008】
【特許文献1】特開平7−257072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、二枚目以降の複写された用紙をOCRによる読取用紙として利用する感圧複写帳票において、複写発色を強化しなくても、確実に文字認識でき、高速で精度良い読み取りを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を解決するために、本発明は、基紙表面に記入枠が設けられるとともに、基紙裏面に発色剤層が塗工された記入用紙の下に、基紙表面に上記発色剤層と対向して顕色剤層が塗工されるとともに、上記記入枠と対応する位置にOCRで読み取りされる読取枠が設けられた読取用紙を重ね合わせてなる感圧複写帳票であって、上記読取用紙のクリアエリアにおける上記顕色剤層上に減感インキが塗工されていることを特徴とする感圧複写帳票を提供するものである。
【0011】
また、同様の課題を解決するために、本発明は、基紙表面に記入枠が設けられた記入用紙の下に、基紙表面に発色剤と顕色剤からなる自己発色剤層が塗工されるとともに、上記記入枠と対応する位置にOCRで読み取りされる読取枠が設けられた読取用紙を重ね合わせてなる感圧複写帳票であって、上記読取用紙のクリアエリアにおける上記自己発色剤層上に減感インキが塗工されていることを特徴とする感圧複写帳票を提供するものである。
【0012】
本発明において、クリアエリアとは、文字の切り出しや行マーク等の検出を行うために必要な余白領域のことを意味し、帳票辺クリアエリア(帳票の上下辺と左右辺に沿って設けられる帳票位置検出用の余白領域)と、フィールドクリアエリア(帳票の読み取りフィールド内にある記入枠の外側に設けられる余白領域)を含むものとする。いずれのクリアエリアに塗工するのかは、各メーカ毎機器の性能、読取装置の部位、帳票の形態や読取枠の位置等によって発色汚れがどこにどの程度現われトラブルになり易いかどうかを考慮して適宜変更することも考えられる。たとえば、必ずしもクリアエリアとして示した全領域を塗布するとも限らず、運用上支障がない範囲で部分的に塗布する可能性もある。
【0013】
ここで、発色剤はロイコ染料を封入したマイクロカプセルからなり、ロイコ染料としては、クリスタルバイオレットラクトン,マラカイトグリーンラクトン等のトリフェニルメタン系ラクトン,ベンゾイルロイコメチレンブルー等のフェノチアジン系ラクトン化合物等が使用される。また、顕色剤は発色剤のロイコ染料と化学反応して呈色するもので、活性白土のような無機固体酸とフェノール樹脂,マレイン酸樹脂等のレジン系顕色剤が挙げられる。
【0014】
一方、減感インキは、発色剤と顕色剤の化学反応による呈色を阻止する減感剤を含むもので、減感剤として、陽イオン界面活性剤,ポリオール,アミン,ジアミン,第四級アンモニウム塩,グリセリン等が使用できる。
【0015】
上記のような構造によると、減感インキに含まれる減感剤が、発色剤層の発色剤と顕色剤層の顕色剤との化学反応を阻止するので、読取用紙において、読取枠の周囲の領域には複写が起こらない。そのため、仮に記入用紙の記入枠以外の箇所に圧力が加わったとしても、読み取りエラーの原因となる読取枠周囲の領域の複写汚れが防止される。
【0016】
なお、上記の発明において、読取用紙の基紙裏面に発色剤層を塗工し、この発色剤層に対向する基紙表面に顕色剤層を塗工した複写用紙を重ね合わせた構造を採用することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る感圧複写帳票によると、特に発色し易い自己発色構造の複写用紙を使用した場合であっても、複写される読取用紙において、減感インキの減感作用により、読取枠の周囲の領域における発色汚れが阻止されるので、読取枠内に複写された文字と、読取枠の周囲の領域とのコントラストを良好に維持することができる。よって、複写汚れが原因で発生する読み取りエラーが回避され、読取用紙の領域全体の複写濃度が安定し、OCRによる認識率を向上させることができるという効果を有する。
【0018】
特に、業務や帳票の性格上時間の制約がある中で、限られた時間内に大量の読み取りを確実に行わなければならない状況下では、エラーやリードミスを再入力等の作業によって修復する手間と時間は大きな損失となり、業務全体の効率を大幅に低下させるが、本発明によればこの問題を予防的に解消でき、業務効率の向上を図ることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
はじめに、本発明に係る感圧複写帳票の基本構造を説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の感圧複写帳票Pは、同一サイズの上用紙と下用紙の二枚の感圧紙を重ね合わせてなる一枚複写のノーカーボン帳票である。一枚目の上用紙は記入用紙P1として、二枚目の下用紙はOCRによって自動読み取りされる読取用紙P2として適用されている。
【0022】
記入用紙P1は、図1aに示すように、感圧紙の基紙1表面に所定事項が予めノンインパクトプリンタ等により印刷されている。また、その同一面には金額等の複写事項を記入あるいは印字するための記入枠11が形成されている。ここで、記入枠11は、本実施形態では文字毎の仕切りが共通化された梯子状のものとしているが、他の形態としては、図2に示すように一文字毎に独立した文字枠11aを並べたものや、一文字単位ではなく複数文字を書き込めるようにしたブロック枠11bや、枠ではなく下線11cを引いたものであっても良い。
【0023】
記入用紙P1において、基紙1の裏面には、図3に示す発色剤を全面塗工した発色剤層12が設けられている。発色剤は、マイクロカプセルに封入したロイコ染料で構成されている。ロイコ染料としては、たとえば、クリスタルバイオレットラクトン,マラカイトグリーンラクトン等のトリフェニルメタン系ラクトン,ベンゾイルロイコメチレンブルー等のフェノチアジン系ラクトン化合物等を使用できる。発色剤層12の上には、基紙1の一縁部に沿って粘着剤層13が塗工されており、この粘着剤層13を介して下層の読取用紙P2が冊子状に貼り合わされるとともに、その内側に形成されたミシン目による切断線14を境にして記入用紙P1が切り離し可能に設けられている。
【0024】
一方、読取用紙P2は、図1bに示すように、感圧紙の基紙2表面に顕色剤を全面塗工した顕色剤層22が設けられている。顕色剤は、上記発色剤のロイコ染料と化学反応して呈色するもので、活性白土のような無機固体酸とフェノール樹脂,マレイン酸樹脂等のレジン系顕色剤を使用できる。また、顕色剤層22の上には、記入用紙P1の記入枠11と対応する位置にOCRによる読取枠21が形成されている。読取枠21の形態は記入枠11の形態(たとえば、図2に示した文字枠11a,ブロック枠11b,下線11c等)に合わせて設定され、読取枠21自体はOCRで認識されないように、赤色,橙色等の暖色系のドロップアウトカラーインキで印刷される。なお、ドロップアウトカラーインキの印刷濃度は、PCS値を濃度計(PCM−II、マクベス社製)で測定して所定値に管理されている。
【0025】
読取枠21の周囲には、読取枠21内に複写された文字をOCRが確実に識別して読み取れるように、ドロップアウトしない色での印字や印刷が禁止されている領域、いわゆるクリアエリアCが設けられている。
【0026】
ここで、クリアエリアとは、たとえば、文字の切り出し(最小単位の文字を全体から一文字分だけ切り出すこと)や、行マーク(読み取り行に付けて行位置を正確に検出できるようにしたもの)等の検出を行うために必要な余白領域のことであり、一般的には次の二種類がある。
【0027】
(1)帳票辺クリアエリア(帳票の上下辺と左右辺に沿って設けられる帳票位置検出用の余白領域)…図中において符号C1で示す。
(2)フィールドクリアエリア(帳票の読み取りフィールド内にある記入枠の外側に設けられる余白領域)…図中において符号C2で示す。
【0028】
上記二種類のクリアエリアC1,C2のうち、前者の帳票辺クリアエリアC1は機種により様々であるが、概ね数ミリ程度(たとえば6〜7ミリ程度)の幅が必要とされる。後者のフィールドクリアエリアC2も機種により異なるが、概ね数ミリ程度(たとえば3〜6ミリ程度)の幅が必要とされる。また、これらのクリアエリアCは「白基準」とも呼ばれ、光学読み取りの反射率を測定する場合の基準反射率を測定する領域でもある。
【0029】
本実施形態において、帳票辺クリアエリアC1と読取枠21周囲に設定されたフィールドクリアエリアC2に、それぞれ減感インキ23を塗工するものとしている。減感インキ23には、上述した発色剤と顕色剤の化学反応による呈色を阻止する減感剤が含まれており、減感剤として、陽イオン界面活性剤,ポリオール,アミン,ジアミン,第四級アンモニウム塩,グリセリン等が使用されている。減感インキ23は、アルコール可溶性樹脂をアルコール溶剤に溶かしたビヒクル中に、これらの減感剤をチタン白,体質顔料と共に練肉して製造された酸化重合型インキであり、フレキソ方式やグラビア方式で顕色剤層22の上にスポット印刷される。
【0030】
なお、本実施形態では、帳票位置検出と読取枠21内の複写文字の読み取りを確実に行う観点から、帳票辺クリアエリアC1とフィールドクリアエリアC2の双方の領域に減感インキ23を塗工したが、これに替えて図4に示した塗工パターンを採用することも可能である。すなわち、図4aは読取用紙P2において帳票辺クリアエリアC1にのみ減感インキ23を塗工した例であり、同図bは読取用紙P2においてフィールドクリアエリアC2にのみ減感インキ23を塗工した例であるが、各読取機メーカ毎の機器の性能、読取装置の部位、帳票の形態や読取枠21の位置等によって発色汚れが発生しにくいことを考慮して、いずれの塗工パターンを採用するかを選択すれば良い。また、必ずしもクリアエリアCとして示した全領域を塗布しなければならないわけではなく、運用上支障がない範囲で部分的に塗布しても構わない。たとえば、帳票辺クリアエリアC1の中で、帳票の上下辺や左右辺のいずれかの辺のみ、あるいはそれらの辺の中でも発色し易い部分のみに塗布することも可能である。
【0031】
以上が本実施形態の構成であるが、続いてその作用について説明する。
【0032】
図1において、記入用紙P1の記入枠11内に筆記具で記入あるいはプリンタで印字すると、その加圧により、図3に示す記入用紙P1裏面にある発色剤層12のマイクロカプセルが破壊し、カプセル内のロイコ染料と、読取用紙P2表面にある顕色剤層22の顕色剤とが化学反応し、記入枠11内の文字等が読取枠21内に複写される。
【0033】
ここで、読取枠21周囲のフィールドクリアエリアC2には減感インキ23が塗工されており、減感インキ23に含まれる減感剤が、発色剤層12の発色剤と顕色剤層22の顕色剤との化学反応を阻止するので、読取枠21の周囲には複写が起こらない。そのため、仮に記入用紙P1の記入枠11以外の箇所に圧力が加わったとしても、フィールドクリアエリアC2には複写による汚れが全く発生しなくなる。同様に、帳票辺クリアエリアC2にも減感インキ23が塗工されているので、帳票の上下辺と左右辺においても複写汚れが発生しない。つまり、帳票辺クリアエリアC1とフィールドクリアエリアC2は共に複写汚れが発生しないので、OCR読み取り時の基準反射率が正確に測定され、帳票位置検出と読取枠21内の複写文字の読み取りが確実に行われる。
【0034】
したがって、本実施形態の感圧複写帳票Pによると、二枚目の読取用紙P2をOCRで自動読み取りする場合において、複写汚れによる読み取りエラーを確実に防止できる。すなわち、複写汚れが原因で発生するエラーとして、たとえば、汚れをタイミングマークと誤読して「位置ズレ」を検出してしまうことや、複写文字のPCS値(コントラスト)が低下して誤認識すること等の読み取りエラーが回避される。このように、読取用紙P2のクリアエリアCに減感インキ23を塗工して発色汚れを確実に阻止することにより、読取枠21内に複写された文字とクリアエリアとのコントラストが良好に維持され、適正なPCS値を確保できる。よって、読取用紙P2の領域全体の濃度が安定し、OCRによる認識率が向上する。
【0035】
なお、減感インキ23は酸化重合型のものを用いているので印鑑適性を有しており、減感インキ23上に捺印欄(図示せず)を設けることもできる。
【0036】
さらに、上述した実施形態においては、以下に説明する各種の変形が可能である。
【0037】
図5に示した感圧複写帳票Pは、読取用紙P2の複写構造において、自己発色構造を採用したものである。すなわち、同図に示すように、記入用紙P1は普通紙からなる基紙1裏面に粘着剤層13を介して読取用紙P2が貼り合わされている。読取用紙P2は、感圧紙の基紙2表面に発色剤241と顕色剤242の混合剤を全面塗工した自己発色剤層24が設けられている。また、自己発色剤層24の上には、記入用紙P1の記入枠11と対応する位置にOCRによる読取枠21が形成されるとともに、読取枠21の周囲に設定されたフィールドクリアエリアC2と帳票辺クリアエリアC1に減感インキ23が塗工されている。なお、その他の構造は上述した実施形態と同様である。
【0038】
この変形例のように、自己発色構造の複写用紙を使用した場合、本来発色することを目的としているので、僅かな用紙間の摩擦や部分的な加圧だけで容易に発色してしまい、上述したノーカーボン用紙に比べ、読み取りエラーの原因となる発色汚れやコントラストの低下が起こり易い。ところが、減感インキ23に含まれる減感剤が自己発色剤層24の発色剤241と顕色剤242の化学反応を阻止するので、帳票辺クリアエリアC1とフィールドクリアエリアC2には複写による発色汚れが全く発生しない。したがって、発色し易い自己発色構造であっても、上述した実施形態と同様に、複写汚れが原因で発生する各種エラーを確実に防止することができる。
【0039】
また、別の変形例として、図6または図7に示す構造を採用することもできる。両図に示した感圧複写帳票Pは、読取用紙P2の裏面側に複写用紙P3を追加したことを特徴としている。
【0040】
図6は、図3で説明したノーカーボン複写式の読取用紙P2において、基紙2の裏面に発色剤を全面塗工した発色剤層25が設けられており、発色剤層25上に塗工された粘着剤層26を介して複写用紙P3が貼り合わされている。また、複写用紙P3は、基紙3の表面に顕色剤が全面塗工された顕色剤層32を有しており、読取用紙P2の読取枠21と対応する位置に複写枠31が設定されている。その他の構造は図3と同様である。
【0041】
図7は、図5で説明した自己発色式の読取用紙P2において、基紙2の裏面に発色剤を全面塗工した発色剤層25が設けられており、発色剤層25上に塗工された粘着剤層26を介して複写用紙P3が貼り合わされている。また、複写用紙P3は、基紙3の表面に顕色剤が全面塗工された顕色剤層32を有しており、読取用紙P2の読取枠21と対応する位置に複写枠31が設定されている。その他の構造は図5と同様である。
【0042】
このような構造によると、一枚目の記入用紙P1の記入枠11内に記入または印字された文字は、二枚目の読取用紙P2の読取枠21内と、三枚目の複写用紙P3の複写枠31内にそれぞれ複写され、記入用紙P1と読取用紙P2を切り離すことで複写用紙P3を伝票の控えとして処理することができる。また、読取用紙P2と同様に、クリアエリアCに減感インキを塗工すれば、複写用紙P3についてもOCRで自動読み取りすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】感圧複写帳票における(a)記入用紙の表面側の構成を示す平面図、(b)読取用紙の表面側の構成を示す平面図
【図2】記入枠の例を示す平面図
【図3】図1に示すA−A線断面図
【図4】減感インキの塗工パターンの例を示す平面図
【図5】複写構造の変形例を示す断面図
【図6】複写用紙を追加した変形例を示す断面図
【図7】複写用紙を追加した変形例を示す断面図
【符号の説明】
【0044】
P 感圧複写帳票
P1 記入用紙
1 基紙
11 記入枠
12 発色剤層
13 粘着剤層
14 切断線
P2 読取用紙
C クリアエリア
C1 帳票辺クリアエリア
C2 フィールドクリアエリア
2 基紙
21 読取枠
22 顕色剤層
23 減感インキ
24 自己発色剤層
241 発色剤
242 顕色剤
25 発色剤層
26 粘着剤層
27 切断線
P3 複写用紙
3 基紙
31 複写枠
32 顕色剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基紙表面に記入枠が設けられるとともに、基紙裏面に発色剤層が塗工された記入用紙の下に、基紙表面に上記発色剤層と対向して顕色剤層が塗工されるとともに、上記記入枠と対応する位置にOCRで読み取りされる読取枠が設けられた読取用紙を重ね合わせてなる感圧複写帳票であって、
上記読取用紙のクリアエリアにおける上記顕色剤層上に減感インキが塗工されていることを特徴とする感圧複写帳票。
【請求項2】
基紙表面に記入枠が設けられた記入用紙の下に、基紙表面に発色剤と顕色剤からなる自己発色剤層が塗工されるとともに、上記記入枠と対応する位置にOCRで読み取りされる読取枠が設けられた読取用紙を重ね合わせてなる感圧複写帳票であって、
上記読取用紙のクリアエリアにおける上記自己発色剤層上に減感インキが塗工されていることを特徴とする感圧複写帳票。
【請求項3】
上記減感インキが塗工されるクリアエリアは、上記読取用紙の上下辺と左右辺に沿って設けられる帳票辺クリアエリアと、上記読取用紙の読取枠の周囲に設けられるフィールドクリアエリアのうち、いずれか一方または双方であることを特徴とする請求項1または2に記載の感圧複写帳票。
【請求項4】
上記読取用紙の基紙裏面に発色剤層が塗工されるとともに、この発色剤層に対向する基紙表面に顕色剤層が塗工された複写用紙を重ね合わせてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感圧複写帳票。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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