説明

手で握るためのグリップおよびそのようなグリップを有するリード装置

【課題】異なる手の大きさおよび/あるいは手の幅の人にとって持ったときの高い快適性を有するグリップの提供。
【解決手段】剛性の把持部材12を有する、手で握るためのグリップ10、特に動物を連れて行くためのリードを巻き取りかつ繰り出すためのリード装置を保持するためのグリップ10に関する。グリップ10が異なる手の大きさおよび/あるいは手の幅の人にとっての持ったときの高い快適性を可能にするために、グリップは、異なる手の幅に対してグリップ長を設定するための、調節可能なグリップ長制限部11が備わっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛性の把持部材を有する、手で握るためのグリップ、特に動物を連れて行くためのリードを巻き取りかつ繰り出すためのリード装置を保持するためのグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなグリップは、たとえば特許文献1から知られている。この場合グリップは、リード装置のためのハウジングの、組み込まれた構成要素として形成されている。リード装置は、たとえば犬あるいは猫のような動物を連れて行くための、巻き取り可能かつ繰り出し可能なリードを備える。グリップによって、リード装置は、片手で持つことができる。
【0003】
この場合不利なのは、剛性の把持部材の長さが変えられないように予め決められていることである。これによって、できる限りユニバーサルに、つまりできる限り多くの異なる手の大きさおよび/あるいは手の幅に使用可能な把持部材を備えることが必要である。しかしながらこの場合、特に、手の大きさおよび/あるいは手の幅が小さい人にとって持ったときの快適性が不充分であるという危険がある。代替的には、異なる手の大きさおよび/あるいは手の幅用の把持部材のための異なる長さを有する複数の様々なグリップを備えることも、考えられ得る。しかしながらこれによって、製造コストと在庫コストが著しく高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国実用新案第29904882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の問題は、冒頭で述べられたようなグリップを、異なる手の大きさおよび/あるいは手の幅の人にとって持ったときの高い快適性が可能であるようにさらに改善させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の基礎となる問題を解決するために、冒頭で述べられたようなグリップは、異なる手の幅に対してグリップ長を設定するための、調節可能なグリップ長制限部が備わっていることを特徴とする。
【0007】
この場合有利なのは、異なる手の大きさおよび/あるいは手の幅の人に対して、同一のグリップが設定可能であることである。それによって、どのような手の大きさおよび/あるいは手の幅でも、持ったときの充分に高い快適性を伴うグリップサイズ位置が実現可能である。この場合グリップは、剛性の把持部材によって引き続き強固であり、かつ確実な保持を可能にする。付加的に調節可能なグリップ長制限部によって、グリップ長は設定可能である。好適にはグリップ長は、使用時に、手の縁および/あるいは小指に当たる把持部材の領域においてグリップ長制限部によって調節可能である。グリップ長制限部が調節可能であることによって、手の縁および/あるいは小指がグリップ長制限部に当接可能であるグリップサイズ位置が実現可能であることが保証され得る。これによって、グリップおよび/あるいは把持部材の確実な保持が可能である。小指とは、本件では薬指と手の縁との間の指と理解され得る。好適にはグリップ長制限部は、それぞれのグリップサイズ位置に、特に決定装置によって決定可能である。
【0008】
さらなる実施形態に従えば、グリップ長制限部は、把持部材の長手方向に、調節機構によって調節可能および/あるいは位置調整可能である。調節機構によって、特に2つのストッパの間での、グリップ長制限部の連続的なおよび/あるいは断続的な調節および/あるいは位置調整を可能にできる。それによって、予め決められた控えめなグリップサイズ位置あるいは連続的に変更可能なグリップサイズ位置が実現可能である。調節機構は、機械的、電気的および/あるいは電気機械的に形成されていてよい。好適には、グリップ長制限部は、U字形に形成されている。特に把持部材は、少なくとも部分的に手のひらに当接する掌把持側と、少なくとも部分的に指のひらに当接する指把持側とを有する。これによって、グリップの使用時に剛性の把持部材を手の中で確実に保持することが達成可能である。
【0009】
特に、少なくとも部分的に小指および/あるいは手の縁を取り巻くグリップ長制限部は、把持部材に設けられている。これによって、グリップもしくは把持部材を手の中でさらに確実に保持することが保証できる。特に、使用時にたとえば動物を連れて行く際に引張負荷がかかるリード装置では、これによって、グリップが確実に手の中にある。
【0010】
さらなる形態に従えば、把持部材と接合された特に把持部材と一体的に形成されたグリップ湾曲部が備わっている。特に、グリップ湾曲部は、剛性に形成されている。好適にはグリップ湾曲部および/あるいは把持部材は、リード装置のハウジングの一体的な構成要素として形成されている。特にグリップ湾曲部は、把持部材の指把持側に対向している。これによって、指特に指の外側が保護されている。グリップ湾曲部の、指把持側から背向している領域には、リードロールのためのハウジング部材が設けられていてよい。使用時には、リードもしくはリードロールは、グリップを保持している人から、手の前方に位置している。これによって、リード装置の良好な機能性がもたらされると同時に持ったときの高い快適性ももたらされる。
【0011】
特に、グリップ湾曲部と把持部材とは、少なくとも部分的に指を通すためのグリップ開口部を形成する。好適には、グリップ開口部は、グリップ湾曲部と把持部材とによって取り囲まれている。これによって、特に強固な構成がもたらされる。特に、グリップ長制限部は、グリップ開口部の内部に設けられている。最大グリップサイズ位置は、グリップ開口部の大きさによって予め決められていてよい。調節可能なグリップ長制限部によって、最大グリップサイズ位置と比べてより小さなグリップサイズ位置が実現可能である。このために、グリップ長制限部は、好適にはグリップ開口部内部で調節可能である。
【0012】
さらなる実施形態に従えば、最大グリップサイズ位置ではグリップ長制限部は、少なくとも部分的に把持部材および/あるいはグリップ湾曲部に組み込まれている。これによって、美的感覚に特に訴える構成が実現可能である。さらに、グリップ長制限部を備えることによって、最大グリップサイズ位置を縮小するのを回避できる。好適には、グリップサイズ位置を縮小するために、グリップ長制限部は把持部材の長手方向に調節可能である。これによって、グリップ長は、異なる手の幅に効果的かつ容易に設定可能である。
【0013】
好適には、調節機構は、移動機構および/あるいは回動機構として形成されている。移動機構の場合には、グリップ長制限部は、特に把持部材の長手方向に移動可能である。回動機構の場合には、グリップ長制限部は、回動可能である。特に、調節機構は、移動機構と回動機構との組み合わせとして形成されている。この場合、グリップ長制限部は、移動可能でもあり回動可能でもある。回動と移動とは、互いに独立して、あるいは互いに同時に行われてよい。これによって、多くの調節機構が実現可能である。好適には、回動機構の場合には、特に把持部材あるいはグリップ湾曲部に配設されるおよび/あるいは移動機構とともに移動可能な、グリップ長制限部を回動させるための回動軸が備わっている。回動軸は、物質的に形成されていてよく、あるいは、グリップ長制限部がそれを中心に回動可能な仮想的な回動軸として備わっていてよい。
【0014】
さらなる形態に従えば、調節機構を操作するための操作要素が備わっている。操作要素は、ボタン、回転輪あるいはローレット車として形成されていてよい。好適には、操作要素は、把持部材、グリップ湾曲部あるいはグリップ長制限部に配設されている。特に、操作手段は、手でグリップを保持する間、手の少なくとも1つの指で操作するために意図されており、かつそれに応じて位置付けされている。好適には、操作要素は、使用時にグリップもしくは把持部材を保持する手の親指で操作するために形成されている。これによって、グリップサイズの容易で快適かつ迅速な取り扱いおよび/あるいは設定が可能である。
【0015】
さらなる実施形態に従えば、移動機構および/あるいは回動機構は、ギア機構、停止機構および/あるいはクリップ機構を備える。これによって、多数の異なる調節機構が実現可能である。好適には、停止機構の場合には、把持部材および/あるいはグリップ湾曲部の領域に、特に、グリップ長制限部の少なくとも1つの第2停止要素および/あるいは停止部材と協働する第1停止要素および/あるいは停止レールが設けられている。そのような停止機構によって、予め決められたグリップサイズ位置が設定可能である。
【0016】
好適には移動機構は、把持部材あるいはグリップ湾曲部に設けられたスピンドルを備える。スピンドルは特に、把持部材あるいはグリップ湾曲部の内部に回転可能に軸受けされている。好適には、スピンドルは、その長手配列に関して、把持部材あるいはグリップ湾曲部の長手配列に、特にその配列に対して平行に、配列されている。スピンドルは、当該スピンドルと協働するグリップ長制限部を調節するための操作要素特に回転輪によって、操作可能であってよい。この場合操作要素は、スピンドルと接合されていてよい。好適には、操作要素は、スピンドルの端部と堅固に接合されているローレット車として形成されている。この場合、ローレット車の回転軸の位置は、スピンドルの回転軸の位置と同じであってよい。ローレット車の円周面は、少なくとも部分的に指把持側、掌把持側および/あるいは剛性の把持部材の側面の領域において、操作要素を操作するために、自由に触れることができてよい。
【0017】
好適にはグリップ長制限部は、スピンドルと協働するスピンドルナットを有する。操作要素を操作すると、スピンドルは回転させられる。これによって、回転不能に把持部材あるいはグリップ湾曲部内に設けられたスピンドルナットが、スピンドルの長手方向に動き、それによってグリップ長制限部が調節される。
【0018】
特別有利なのは、リードを巻き取りかつ繰り出すための、特に動物を連れて行くためのリード装置であって、本発明に係るグリップを有するリード装置である。好適にはグリップは、リード装置のハウジングに組み込まれている。それによってグリップは、リード装置を持つために用いられる。リード装置は、巻き取り可能かつ繰り出し可能なリードを有する、ハウジング内に取り付けられたロープロールを備えてよい。リードは、ロープおよび/あるいはベルトとして形成されていてよい。ハウジング開口部によって、リードはハウジングから外部に向かってガイドされ得る。好適には、ブレーキ装置特にブレーキボタンが備わっている。ブレーキ装置によって、リードロールの繰り出し運動および/あるいは巻き取り運動が停止可能である。これによって、最大リード長と異なるより短いリード部分長を決定できる。さらに、リードをリードロールに自動的に巻き取るために、復帰機構特に復帰バネが備わっている。
【0019】
以下に、図に基づいて本発明がより詳細に説明される。図に示されるのは以下である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第1のグリップの側面断面図である。
【図1b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第1のグリップの側面断面図である。
【図1c】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第1のグリップの側面断面図である。
【図1d】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第1のグリップの側面断面図である。
【図1e】付加的なさらなる停止要素を有する、本発明に係る第1のグリップの側面断面図である。
【図2a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第2のグリップの側面断面図である。
【図2b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第2のグリップの側面断面図である。
【図3a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第3のグリップの側面断面図である。
【図3b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第3のグリップの側面断面図である。
【図4a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第4のグリップの側面断面図である。
【図4b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第4のグリップの側面断面図である。
【図5a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第5のグリップの側面断面図である。
【図5b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第5のグリップの側面断面図である。
【図6a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第6のグリップの側面断面図である。
【図6b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第6のグリップの側面断面図である。
【図7a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第7のグリップの側面断面図である。
【図7b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第7のグリップの側面断面図である。
【図7c】図7a及び図7bに従ったグリップ長制限部の斜視側面図である。
【図8a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第8のグリップの側面断面図である。
【図8b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第8のグリップの側面断面図である。
【図9a】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係るさらなるグリップの側面断面図である。
【図9b】グリップ長制限部の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係るさらなるグリップの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1aから図1eは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第1のグリップ10の側面断面図を示している。グリップ10は、ここでは詳細に表わされていない、リード装置のハウジングの、組み込まれた構成要素である。グリップ10は、ここでは詳細に表わされていない片手で握るために意図されている剛性の把持部材12を備える。
【0022】
剛性の把持部材12は、掌把持側13と、当該掌把持側13から背向して設けられている指把持側14とを備える。グリップ10の使用時には、把持部材12は、手のひらが少なくとも部分的に掌把持側13に当接するように握られる。さらに、グリップ10の使用時には、指のひらが少なくとも部分的に指把持側14に当接する。把持部材12は、片手で握るために、人間工学的に形作られている。
【0023】
さらに、グリップ湾曲部15が備わっている。グリップ湾曲部15は、把持部材12と一体的に形成されており、指把持側14に対向している。使用時には、指の甲が、グリップ湾曲部15に対向する。グリップ湾曲部15と把持部材12とは、グリップ10を握るために少なくとも部分的に指を挿入するおよび/あるいは通すためのグリップ開口部19を形成する。
【0024】
グリップ10は、グリップ長制限部11を調節するための調節機構16を有する。グリップ長制限部11は、ほぼU字形に形成されている。さらに、グリップ長制限部11は、ここで示されている実施例では、剛性に形成されている。さらに、小指および/あるいは手の縁を少なくとも部分的に取り巻くためのグリップ長制限部11が、把持部材12に設けられている。調節機構16によって、異なる手の幅にグリップ長を設定するためのグリップ長制限部11が調節可能である。
【0025】
ここで示されている実施例では、調節機構16は把持部材12に組み込まれており、同時に、移動機構および回動機構として形成されている。グリップ長制限部11を、把持部材12の長手方向に移動させるために、第1停止要素17が備わっている。ここで示されている実施例では、3つの様々な移動位置を可能にする、3つの第1停止要素17が備わっている。第1停止要素17は、把持部材12の組み込まれた構成要素である。
【0026】
グリップ長制限部11は、第1停止要素17のそれぞれ1つと協働する第2停止要素18を有する。第2停止要素18は、グリップ長制限部11とともに、3つの第1停止要素17のそれぞれ1つに移動可能もしくは係止可能である。
【0027】
ここで示されている実施例では、第2停止要素18は、回動軸20を備える。回動軸20によってグリップ長制限部11は、ここで示されている例において、2つの様々な回動位置に係止可能である。代替的に、2つ以上の回動位置特に2つから10の回動位置が考えられ得る。グリップ長制限部11を回動させるために、当該グリップ長制限部11は、ここで示されている例においては、回動軸20を中心に2つの回動位置の間でおよそ45度に回動可能である。回動軸20は、把持部材12とグリップ長制限部11の長手配列を通って広がっている平面に対して横切って、ここでは特に直角に配列されている。
【0028】
3つの移動位置と2つの回動位置とによって、図1aから図1dに従った実施形態では、それぞれ全部で6つのグリップサイズ位置が可能である。
【0029】
図1aから、グリップ長制限部11が、U字形に形成された、把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に部分的に組み込まれている、最大グリップサイズ位置が明らかとなり得る。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。
【0030】
図1bのグリップサイズ位置は、グリップ長制限部11が、より小さい手の幅に対してグリップ長を縮小するために、回動軸20を中心に指把持側14の方向におよそ45度回動されているという点で、図1aに従ったグリップサイズ位置とは異なっている。
【0031】
最小グリップサイズ位置を達成するために、グリップ長制限部は、図1bに従ったグリップサイズ位置から図1cに従ったグリップサイズ位置へ移動可能である。
【0032】
図1dに従ったグリップサイズ位置においては、グリップ長制限部は、図1cに従ったグリップサイズ位置から、回動軸20を中心に指把持側14から離れておよそ45度回動されている。
【0033】
図1eに従ったグリップサイズ位置は、図1dに従ったグリップサイズ位置に相当する。しかしながら図1aから図1dまでとは異なって、図1eに従えば、グリップ湾曲部15に配設されているさらなる第1停止要素117が備わっている。さらに、図1eに従ったグリップ長制限部11は、さらなる第2停止要素118を有する。このさらなる第2停止要素118は、グリップ長制限部11の自由端部に配設されており、さらなる第1停止要素117のそれぞれ1つと協働する。これによって、グリップ長制限部11を特に強固に位置付けすることが可能である。さらにここでは、ここで示されている実施例では単なる移動機構として形成されている調節機構116が備わっている。それによって、図1eに従った実施形態によれば、全部で3つのグリップサイズ位置が実現可能である。代替的に、調節機構116は、調節機構16に従って、同時に移動機構としても回動機構としても形成されていてよい。これによって、全部で6つのグリップサイズ位置が実現可能となり得る。
【0034】
図2a及び図2bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第2のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0035】
ここでは同様に剛性に形成されているグリップ長制限部11を断続的に調節するために、調節機構21が備わっており、当該調節機構21は、ここで示されている実施例においては、グリップ長制限部を把持部材12の長手方向に移動するための移動機構として形成されている。
【0036】
調節機構21は把持部材12に組み込まれており、スピンドル22を備える。スピンドル22は、その長手軸に関して、把持部材12の長手軸の方向に、すなわち当該長手軸に対してほぼ平行に配列されている。スピンドル22は、ここでは回転輪もしくはローレット車として形成されている操作要素23と堅固に接合されている。操作要素23の回転軸は、スピンドル22の長手軸に対して平行に配列されている。操作要素23はここでは、グリップ長制限部から背向する、スピンドル22の1つの端部に設けられている。この場合操作要素23は、ここで示されている実施例においては、操作要素23の操作面、すなわちここではローレット車の円周面が、少なくとも部分的に指把持側14の領域において、自由に触れることができるように、把持部材12に組み込まれている。ここで示されている例においては、操作面は指把持側14と同一平面上に延在している。それによって、操作要素23は、使用時に、1つの指特に人差し指あるいは中指によって快適に操作可能である。代替的にあるいは付加的に、操作面は、たとえば親指で操作するために、把持部材12の側面および/あるいは掌把持側13でも少なくとも部分的に自由に触れることができてよい。
【0037】
グリップ長制限部11には、回転不能に把持部材12内でガイドされているスピンドルナット24が配設されている。操作要素23を操作し、スピンドル22を回転させることによって、スピンドルナット24と、当該スピンドルナット24と接合されているグリップ長制限部11とは、スピンドル22もしくは把持部材12の長手方向に移動可能である。
【0038】
この場合、操作要素23の方向への移動は、ストッパ49によって制限されている。ストッパ49は、スピンドルナット24の平坦面が接触し得る平坦面を備える。ストッパ49とスピンドルナット24の平坦面によって、望ましくない材料の摩耗が回避される。
【0039】
グリップサイズを異なる手の幅に設定するために、異なるグリップサイズ位置が実現可能である。
【0040】
図2aから、グリップ長制限部11が、把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に少なくとも部分的に組み込まれている、最大グリップサイズ位置が明らかとなり得る。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。この位置で、スピンドルナット24は、操作要素23から背向する、スピンドル22の1つの端部の領域において、移行領域48の内側に接触する。
【0041】
図2bから、スピンドルナット24が、操作要素23に対向する、スピンドル22の1つの端部の領域において、ストッパ49に接触する最小グリップサイズ位置が明らかとなり得る。
【0042】
図3a及び図3bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第3のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0043】
ここで示されている実施例においては、グリップ長制限部11はフレキシブルに形成されている。グリップ長制限部11の第1端部は、把持部材12に配設されている。この場合、グリップ長制限部11は、把持部材12に配設された回動軸20を中心に回動可能である。グリップ長制限部11を回動軸20に固定するために、グリップ長制限部11は鳩目27を有する。
【0044】
グリップ長制限部11の第1端部から背向する第2端部はグリップ湾曲部15に配設されており、当該グリップ湾曲部15に挿入されている。グリップ湾曲部15の内部には、調節機構25が設けられている。調節機構25は、ここでは押しボタンとして形成されている操作要素23を有する。操作要素23は、グリップ湾曲部15から指把持側14の方向に突出している。
【0045】
グリップ長制限部11の第2端部は、操作要素23と接合されている。さらに、操作要素23は、グリップ湾曲部15の方向に、ここでは詳細に表されていない復帰要素の力に対抗して押込み可能である。操作要素23は、押し下げられていない状況では、グリップ湾曲部15と堅固に接合されている歯列26に係合する。これによって停止接合が実現される。操作要素23を操作すると、すなわちグリップ湾曲部15の方向に操作要素23を押し下げると、操作要素23と歯列26との間の接合が解除される。それに続いて操作要素23は、グリップ長制限部11の第2端部とともに、グリップ湾曲部15あるいは把持部材12の長手配列にほぼ平行にもしくはその方向に、連続的に移動可能である。操作要素23を放すとすぐ、操作要素23は自動的に把持部材12の方向に動く。これによって、操作要素は歯列26に係合し、それによって停止接合が実現される。
【0046】
調節機構25は、ここでは移動機構と調節機構として形成されている。この場合、グリップ長制限部11の移動は、操作要素23によってもたらされる。この場合、移動と同時に、回動軸20を中心とするグリップ長制限部11の回動がもたらされる。
【0047】
調節機構25と、フレキシブルに構成されたグリップ長制限部11とによって、グリップ長制限部11の長さは、グリップ開口部19の領域において変更可能である。様々に設定可能なグリップ長制限部11の長さによって、様々なグリップサイズ位置が連続的に設定可能である。
【0048】
図3aから、グリップ長制限部11が把持部材12とグリップ湾曲部15に組み込まれている最大グリップサイズ位置が明らかとなり得る。操作要素23は、歯列26の下部端部にある。
【0049】
図3bにおいては、グリップ長制限部11は、最小グリップサイズ位置にある。ここでは、操作要素23は、歯列26の上部端部にある。
【0050】
図4a及び図4bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第4のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0051】
ここで示されている実施例においては、グリップ長制限部11は剛性に実施されている。調節機構28は、把持部材12に組み込まれている。この場合、グリップ長制限部11の第1端部は、把持部材12に挿入されている。
【0052】
さらに、操作要素23は把持部材12内に設けられており、操作要素23は、ここで示されている実施例においては、回転可能な回転ディスクとして形成されている。操作面はここでは、操作要素23の円周面として、操作要素23を操作するために、少なくとも部分的に掌把持側13の領域において、自由に触れることができる。グリップ長制限部11の第1端部は、操作要素23の中心点の外側にもしくは偏心にかつ回転軸29を中心に回転可能に、操作要素23と接合されている。
【0053】
グリップ長制限部11の第1端部から背向する第2端部は、グリップ湾曲部15に配設されている。この場合第2端部もしくはグリップ長制限部11は、グリップ湾曲部15に配設された回動軸20を中心に回動可能である。
【0054】
それによって、調節機構28は、連続的に調節可能なグリップサイズ位置を可能にする。この場合調節機構28は、回動機構として形成されている。
【0055】
図4aは、回転軸29が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に対向する最大グリップサイズ位置を示している。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。この場合グリップ長制限部11は、この移行領域48に、形状接続的に当接している。
【0056】
それに対して図4bから、回転軸29が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48から背向する最小グリップサイズ位置が明らかとなり得る。ここではグリップ長制限部11は、図4aと比べて、回動軸20を中心に移行領域48から離れて回動させられている。
【0057】
図5a及び図5bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第5のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0058】
調節機構30は、把持部材12内に設けられている。調節機構30はスピンドル22を有し、当該スピンドル22は、把持部材12の内部に回転可能に軸受けされており、かつスピンドル22の長手軸に関して把持部材12の長手配列の方向もしくはそれにほぼ平行に配列されている。スピンドル22は、ここでは、図2a及び図2bに従った実施形態と比較できるように、回転輪もしくはローレット車として形成されている操作要素23と堅固に接合されている。操作要素23の回転軸は、スピンドル22の長手軸に対して平行に配列されている。操作要素23は、グリップ長制限部11から背向する、スピンドル22の1つの端部に設けられている。この場合操作要素23は、ここで示されている実施例においては、操作要素23の操作面、すなわちここではローレット車の円周面が、少なくとも部分的に掌把持側13の領域において、自由に触れることができるように、把持部材12に組み込まれている。操作要素23は、使用時に、親指によって快適に操作可能である。代替的あるいは付加的に、操作面は、たとえば1つの指で操作するために、把持部材12の側面および/あるいは指把持側14でも少なくとも部分的に自由に触れることができてよい。
【0059】
ここで示されている実施例においては、グリップ長制限部11は改めて剛性に形成されている。グリップ長制限部11の第1端部は把持部材12に挿入されており、櫛状歯車31を備える。櫛状歯車31は、少なくとも部分的にスピンドル22と係合する。グリップ長制限部11の第1端部から背向する第2端部は、図4a及び図4bに従った実施形態と比較できるように、グリップ湾曲部15に配設されている。この場合、第2端部もしくはグリップ長制限部11は、グリップ湾曲部15に配設されている回動軸20を中心に回動可能である。
【0060】
ここで回動機構として形成されている調節機構30を操作すると、操作要素23の回転によって同時に、スピンドル22が回転される。これによって、グリップ長制限部11は、スピンドル22と櫛状歯車31との協働によって、回動軸20を中心に回動可能である。それによって、様々なグリップサイズ位置が、連続的に設定可能である。
【0061】
図5aに従えば、グリップ長制限部11が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に当接する最大グリップサイズ位置が示されている。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。図5bに従えば、グリップ長制限部11が図5aと比べて回動軸20を中心に移行領域48から離れて回動している最小グリップサイズ位置が示されている。
【0062】
図6a及び図6bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第6のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0063】
グリップ長制限部11はここでは、図5a及び図5bに従った実施形態に相当して形成されており、それに応じて、櫛状歯車31を有する第1端部と、回動軸20を有する第2端部とを備える。
【0064】
操作要素23は、ここでは同様に、回転輪もしくはローレット車として形成されている。操作要素23は、ここで示されている実施例においては、操作要素23の操作面、すなわちここではローレット車の円周面が、少なくとも部分的に掌把持側13の領域において、自由に触れることができるように、把持部材12に組み込まれている。しかしながら、操作要素23の軸は、ここで示されている実施例においては、回動軸20に対して平行に設けられている。櫛状歯車31は、ここでは詳細に表わされていない、操作要素23の歯車要素に係合し、当該歯車要素と協働する。これによって、グリップ長制限部11は、操作要素23によって直接操作可能である。スピンドルは、なくてもよい。
【0065】
ここでは同様に、回動機構として形成されている調節機構32を操作すると、グリップ長制限部11は、操作要素23の回転によって、かつ操作要素23と櫛状歯車31との協働によって、回動軸20を中心に回動可能である。それによって、様々なグリップサイズ位置が、連続的に設定可能である。
【0066】
図6aに従えば、グリップ長制限部11が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に当接する最大グリップサイズ位置が示されている。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。
【0067】
図6bに従えば、グリップ長制限部11が図6aと比べて回動軸20を中心に移行領域48から離れて回動している最小グリップサイズ位置が示されている。
【0068】
図7a及び図7bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第7のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0069】
回動機構として形成されている調節機構33は、ここで示されている実施例においては、把持部材12に配設されている。その場合調節機構33は、把持部材12にはめ込まれている停止レール34を備える。停止レール34は、把持部材12に対向する、グリップ長制限部11の一方の端部に配設されている停止部材35、36と協働する。
【0070】
グリップ長制限部11の第1端部から背向する第2端部は、グリップ湾曲部15に配設されている回動軸20を有する。
【0071】
図7aから、グリップ長制限部11が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に当接する最大グリップサイズ位置が明らかとなり得る。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。
【0072】
図7bに従えば、グリップ長制限部11が図7aと比べて回動軸20を中心に移行領域48から離れて回動している最小グリップサイズ位置が示されている。
【0073】
調節機構33の機能の仕方は、図7a及び図7bを、図7cについての以下の実施形態と組み合わせて、もたらされる。
【0074】
図7cは、図7a及び図7bに従った実施形態におけるグリップ長制限部11の斜視側面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0075】
グリップ長制限部11は、ここで示されている実施例においては、U字形に形成されている基体37を有する。U字形の基体37の辺部として、当該基体37は、2つの翼部38、39を有する。翼部38、39のそれぞれの自由端部には、停止部材35もしくは36が設けられている。翼部38、39とひいては停止部材35、36は、矢印40、41に応じて、弾性を有して互いに向かって動くことができる。
【0076】
手の幅に合うようにグリップサイズを調節するために、まず翼部38、39が手の指と親指とによって、矢印40、41の方向で互いに向かって動かされる。これによって、同時に停止部材35、36も互いに向かって動かされ、それによってこれらは、停止レール34との係合から外れる。それに続いて、グリップ長制限部11は、たとえば矢印42に従って、あるいは矢印42とは逆の方向に、回動軸20を中心に回動可能である。望ましい停止位置に達したら、翼部38、39を放す。これによって翼部38、39は、図7cに従ったその元の位置に戻る。同時に、停止部材35、36は、互いから離れて動き、停止レール34に係合する。停止レール34の構成によっては、調節機構33によって、断続的なもしくは具体的な予め決められたグリップサイズ設定が実現可能である。
【0077】
図8a及び図8bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係る第8のグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0078】
回動機構として形成されている調節機構43は、ここで示されている実施例においては、同様に把持部材12に配設されている。この場合操作要素23は、回転輪もしくはローレット車として形成されていることが意図されている。操作要素23の回転軸は、把持部材12とグリップ湾曲部15を通って広がっている平面に対して直角に配列されている。操作要素23は、当該操作要素23の円周面が操作面として、少なくとも部分的に掌把持側13の領域において、自由に触れることができるように、把持部材12に位置付けられている。これによって、たとえば親指で操作要素23を操作することが可能である。操作要素23と同心に、歯車44が操作要素23と接合されている。この場合操作要素23の回転軸の位置は、歯車44の回転軸の位置と同じである。ここで示されている実施例においては、歯車44の半径は、操作要素23よりも小さい。
【0079】
グリップ長制限部11の第1端部は、把持部材12に挿入されており、直線歯車45を備える。直線歯車45は歯車44に係合し、それによって当該歯車と協働する。第1端部から背向する、グリップ長制限部11の第2端部は、グリップ湾曲部15に配設されている回動軸20を有する。
【0080】
操作要素23を操作すると、当該操作要素23と接合された歯車44が同時に回転する。歯車44によって、直線歯車45は、把持部材12の長手方向に移動可能もしくは運動可能である。
【0081】
それによって、調節機構43を操作すると、グリップ長制限部11は、操作要素23の回転によって、かつ直線歯車45と歯車44との協働によって、回動軸20を中心に回動可能である。それによって、様々なグリップサイズ位置が、連続的に設定可能である。
【0082】
図8aに従えば、グリップ長制限部11が回動軸20を中心に、把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48から離れて回動している最小グリップサイズ位置が示されている。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。
【0083】
図8bに従えば、グリップ長制限部11が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に当接する最大グリップサイズ位置が示されている。
【0084】
図9a及び図9bは、グリップ長制限部11の異なるグリップサイズ位置を有する、本発明に係るさらなるグリップ10の側面断面図を示している。先のと同じ特徴には、同じ符号が付いている。その限りでは、先の記述も指摘される。
【0085】
調節機構46は、ここで示されている実施例においては、グリップ湾曲部15に配設されている。グリップ湾曲部15の、指把持側14から背向する側に、ここでは球状に形成されている操作要素23が備わっている。
【0086】
操作要素23は、スピンドル22の第1端部に堅固に接合されている。スピンドル22は、グリップ湾曲部15内で、回転可能に軸受けされている。
【0087】
グリップ長制限部11は、第1端部で把持部材12に配設されており、第1端部は固定部47によって、指把持側14の領域において、把持部材12と堅固に接合されている。第1端部から背向する、グリップ長制限部11の第2端部は、グリップ湾曲部15内に挿入されており、直線歯車45を有する。この実施例でフレキシブルに形成されている直線歯車45は、スピンドル22の領域において、当該スピンドル22に係合し、当該スピンドル22と協働する。
【0088】
操作要素23を操作すると、当該操作要素23と接合されたスピンドル22が同時に回転する。スピンドル22によって、直線歯車45は、グリップ湾曲部15の内部で移動可能もしくは運動可能である。それによって、調節機構46を操作すると、グリップ長制限部11は、操作要素23の回転によって、かつ直線歯車45とスピンドル22との協働によって、回動軸20を中心に回動可能である。
【0089】
調節機構46と、フレキシブルに構成されたグリップ長制限部11とによって、当該グリップ長制限部11の長さは、グリップ開口部19の領域において変更可能である。様々に設定可能なグリップ長制限部11の長さによって、様々なグリップサイズ位置が連続的に設定可能である。この場合、回動軸20は、ここで示されている実施例においては、物質的にではなく仮想的に形成されており、グリップ湾曲部15の領域のグリップ長制限部のための固定部47の領域にある。
【0090】
調節機構46は、ここで示されている実施例においては、移動機構と調節機構として形成されている。この場合移動は、操作要素23によって、歯車レーン45とスピンドル22との協働で行われる。同時に回動は、回動軸20を中心にして行われる。
【0091】
図9aから、この実施形態においてフレキシブルに形成されたグリップ長制限部11が把持部材12からグリップ湾曲部15への移行領域48に当接する最大グリップサイズ位置が明らかとなり得る。この移行領域48は、使用時に、グリップ10もしくは把持部材12を保持する手の縁および/あるいは小指に当たる。
【0092】
図9bに従えば、グリップ長制限部11が図9aと比べて回動軸20を中心に移行領域48から離れて回動している最小グリップサイズ位置が示されている。この場合回動軸20は、把持部材12に配設されている。
【0093】
図1aから図9bまでで前述されたようなグリップ10はすべて、組み込まれた構成要素としてハウジングと形成されていてよい。
【0094】
たとえば、グリップ10は、リード装置のハウジング内に組み込まれていてよい。リード装置は、リードを巻き取りかつ繰り出すために意図されていてよい。この場合、リードもしくはリード装置は、たとえば犬あるいは猫のような動物を連れて行くために用いられる。このためにリードは、ハウジング内部でリードロールにガイドされ、リード開口部によってハウジングから外に向かってガイド可能である。繰り出しプロセスを停止し、ひいては繰り出されるリード長を制限するために、ブレーキボタンが備わっていてよい。
【符号の説明】
【0095】
10 グリップ
11 グリップ長制限部
12 把持部材
13 掌把持側
14 指把持側
15 グリップ湾曲部
16 調節機構
116 調節機構
17 第1停止要素
117 さらなる第1停止要素
18 第2停止要素
118 さらなる第2停止要素
19 グリップ開口部
20 回動軸
21 調節機構
22 スピンドル
23 操作要素
24 スピンドルナット
25 調節機構
26 歯列
27 鳩目
28 調節機構
29 回転軸
30 調節機構
31 櫛状歯車
32 調節機構
33 調節機構
34 停止レール
35 停止部材
36 停止部材
37 基体
38 翼部
39 翼部
40 矢印
41 矢印
42 矢印
43 調節機構
44 歯車
45 直線歯車
46 調節機構
47 固定部
48 移行領域
49 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性の把持部材(12)を有する、手で握るためのグリップ、特に動物を連れて行くためのリードを巻き取りかつ繰り出すためのリード装置を保持するためのグリップにおいて、異なる手の幅に対してグリップ長を設定するための、調節可能なグリップ長制限部(11)が備わっていることを特徴とするグリップ。
【請求項2】
好適にはU字形の前記グリップ長制限部(11)は、前記把持部材(12)の長手方向に、調節機構(16、116、21、25、28、30、32、33、43、46)によって、特に連続的および/あるいは断続的に調節可能および/あるいは位置調整可能であり、好適には前記把持部材(12)は、少なくとも部分的に手のひらに当接する掌把持側(13)と、少なくとも部分的に指のひらに当接する指把持側(14)と、を有することを特徴とする請求項1に記載のグリップ。
【請求項3】
少なくとも部分的に小指および/あるいは手の縁を取り巻く前記グリップ長制限部(11)は、前記把持部材(12)に設けられていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のグリップ。
【請求項4】
前記把持部材(12)と接合された特に該把持部材(12)と一体的に形成されたグリップ湾曲部(15)が備わっており、好適には該グリップ湾曲部(15)は、前記把持部材(12)の指把持側(14)に対向し、および/あるいは前記グリップ湾曲部(15)と前記把持部材(12)とは、少なくとも部分的に指を通すためのグリップ開口部(19)を形成し、特に前記グリップ長制限部(11)は、前記グリップ開口部(19)内部に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のグリップ。
【請求項5】
最大グリップサイズ位置では前記グリップ長制限部(11)は、少なくとも部分的に前記把持部材(12)および/あるいは前記グリップ湾曲部(15)に組み込まれており、好適には、グリップサイズ位置を縮小するために、前記グリップ長制限部(11)は前記把持部材(12)の長手方向に調節可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のグリップ。
【請求項6】
前記調節機構(16、116、21、25、28、30、32、33、43、46)は、移動機構および/あるいは回動機構として形成されており、好適には回動機構の場合には、特に前記把持部材(12)あるいは前記グリップ湾曲部(15)に配設されるおよび/あるいは移動機構とともに移動可能な、前記グリップ長制限部(11)を回動させるための回動軸(20)が備わっていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載のグリップ。
【請求項7】
前記調節機構(16、116、21、25、28、30、32、33、43、46)を操作するための操作要素(23)が備わっており、好適には該操作要素(23)は、前記把持部材(12)、前記グリップ湾曲部(15)あるいは前記グリップ長制限部(11)に配設されていることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載のグリップ。
【請求項8】
前記移動機構および/あるいは前記回動機構は、ギア機構、停止機構および/あるいはクリップ機構を備え、好適には、停止機構の場合には、前記把持部材(12)および/あるいは前記グリップ湾曲部(15)の領域に、特に、前記グリップ長制限部(11)の少なくとも1つの第2停止要素(18、118)および/あるいは停止部材(35、36)と協働する第1停止要素(17、117)および/あるいは停止レール(34)が設けられていることを特徴とする請求項6あるいは7に記載のグリップ。
【請求項9】
前記移動機構は、前記把持部材(12)あるいは前記グリップ湾曲部(15)に設けられたスピンドル(22)を備え、好適には該スピンドル(22)は、該スピンドル(22)と協働する前記グリップ長制限部(11)を調節するための操作要素(23)特に回転輪によって操作可能であることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のグリップ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のグリップ(10)を有する、リードを巻き取りかつ繰り出すための、特に動物を連れて行くためのリード装置であって、好適には前記グリップ(10)は、リード装置のハウジングに組み込まれているリード装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【公開番号】特開2013−78309(P2013−78309A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221040(P2012−221040)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【出願人】(512218773)フレキシ−ボグダーン・テヒニック・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー (2)