説明

手乾燥装置

【課題】オフディレイ時間を手乾燥装置の使用状況に応じて設定することで、使用感を良好なものとし、無駄な電力の消費を低減することができる手乾燥装置を提供すること。
【解決手段】この手乾燥装置1は、受光部3bが使用者の手を検知している検知状態から、受光部3bが使用者の手を検知していない不検知状態に移行すると、それまで検知状態が継続していた時間である検知時間に基づいてオフディレイ時間を設定し、ブラシモータ8aを、不検知状態に移行してからオフディレイ時間が経過する時点までの間は継続して駆動させ、その後停止させるものであって、検知時間が長いほど、オフディレイ時間を徐々に短くなるように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の手に空気を吹き付けて乾燥させる手乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に公共のトイレ等においては、手洗い後に手に付着している水を拭き取るためのペーパータオルを削減する傾向が強まっており、ペーパータオルの代わりに手乾燥装置を設置する場合が増えている。このような手乾燥装置は、洗面ボウルが配置されている場所からは少し離れた洗面カウンター上の壁面や、洗面カウンターから離れたトイレ空間の壁面等に設置されている場合が多い(下記特許文献1参照)。
【0003】
下記特許文献1において提案されている手乾燥装置では、使用者の手がハウジングの開口凹部内へ挿入され、開口凹部の掌側壁面及び甲側壁面にそれぞれ設けられたセンサが手を検知すると、両壁面それぞれに直線状に設けられた複数の掌側用のノズル及び甲側用のノズルから、手の掌側及び甲側にそれぞれ温風が吹き付けられ、手に付着していた水滴を飛ばしながら乾燥させるようになっている。
【0004】
下記特許文献1に記載の手乾燥装置は、手を検知するためのセンサを、使用者が手を挿入する方向に沿ってノズルよりも奥側に配置した構造としている。また、そのような構造の手乾燥装置において、センサが使用者の手を検知している検知状態から、センサが使用者の手を検知していない不検知状態に移行しても、温風の吹き付けを直ちには停止せず、予め設定された所定のオフディレイ時間が経過するのを待ってから停止するという制御方法を採用している。このようなオフディレイ時間を設定することによって、使用者の手が未だノズルよりも手前側まで引き戻されていないにも関わらず、温風の吹き付けが停止してしまうことを防止している。
【0005】
オフディレイ時間が設定された手乾燥装置には、上記に加えて以下のような利点もある。手乾燥装置の使用者によっては、開口凹部内に一度挿入した手を、奥側と手前側との間で繰り返し往復させる動作を行いながら手を乾燥させる、という使用方法が採られる場合がある。このような場合、未だ手が乾燥していないにもかかわらず、繰り返し往復させる動作の途中で手の位置がセンサよりも手前側となり、一時的に不検知状態となってしまうことがある。しかし、一時的に不検知状態となったとしても、オフディレイ時間が経過するまでは温風の吹き出しは停止せず連続して継続されるため、使用中にも関わらず温風が停止して使用感を損ねてしまうことがない。
【0006】
更に、手乾燥装置の使用者によっては、開口凹部から手を引き抜いた際、未だ手の乾燥が不十分であると感じ、再度開口凹部の奥まで手を挿入して手を乾燥させるという場合もある。このような場合においても、オフディレイ時間が経過するまでは温風の吹き出しは停止せず継続されるため、再度手が挿入される前に温風が停止することによって使用感を損ねてしまうことがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−4784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オフディレイ時間が設定された手乾燥装置は、上記のように、使用感の向上という観点からは種々の利点を有するものである。しかし、使用者が開口凹部から手を引き抜いた後も、オフディレイ時間が経過するまでは継続して温風を吹き出してしまうため、省エネの観点からは、できる限りオフディレイ時間は短い方が望ましい。また、手乾燥装置に内蔵される送風機の長寿命化という観点からも、やはりオフディレイ時間は短い方が望ましい。
【0009】
特に、開口凹部に手が挿入された状態が長時間に渡り継続した後は、使用者が開口凹部から手を引き抜いた時点では、手が完全に乾燥している可能性が高い。このため、使用者が開口凹部に再度手を挿入する可能性は低く、オフディレイ時間を設定することの効果は小さくなっていると考えられる。
【0010】
更に、上記のような場合、使用者は手が完全に乾燥しているという意識を持っている。このため、手を引き抜いた後もしばらくの間温風の吹き出しが継続されると、かかる使用者に対しては電力を無駄に消費しているという印象を強く与え、使用感を損ねてしまう場合もある。
【0011】
上記特許文献1に記載の手乾燥装置は、手乾燥装置の使用状況によらず常に一定のオフディレイ時間が設定されるものである。このため、手乾燥装置の使用状況によっては、オフディレイ時間を設定する効果が小さいにも関わらず無駄に電力を消費していた上、却って使用感を損ねてしまう場合も生じていた。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オフディレイ時間を手乾燥装置の使用状況に応じて設定することで、使用感を良好なものとし、無駄な電力の消費を低減することができる手乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明に係る手乾燥装置は、使用者の手に空気を吹き付けて乾燥させる手乾燥装置であって、使用者の手が挿入される空間が構成される手乾燥室を有するハウジングと、前記ハウジングに形成され、前記手乾燥室に空気を吹き出すノズルと、前記ハウジングに内蔵され、前記ノズルから空気を吹き出すために駆動されるモータを有する送風機と、使用者が手を挿入する方向に沿って前記ノズルよりも奥側に設けられ、前記手乾燥室に挿入された使用者の手を検知するセンサと、前記センサが前記手乾燥室への使用者の手の挿入を検知すると、前記モータを駆動する制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサが使用者の手を検知している検知状態から、前記センサが使用者の手を検知していない不検知状態に移行すると、それまで前記検知状態が継続していた時間である検知時間に基づいてオフディレイ時間を設定し、前記モータを、前記不検知状態に移行してから前記オフディレイ時間が経過する時点までの間は継続して駆動させ、その後停止させるものであって、前記検知時間が長いほど、前記オフディレイ時間を徐々に短くなるように設定することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、センサが使用者の手を検知している状態が継続していた時間、すなわち検知時間に基づいてオフディレイ時間を設定するため、手乾燥装置の使用状況に応じて適切な長さのオフディレイ時間とすることができる。具体的には、検知時間が長いほど、オフディレイ時間を徐々に短くなるように設定している。このため、検知時間が短い場合においては、一時的な不検知状態が発生してもモータは停止されず、使用感を損ねることがない。
【0015】
一方、検知時間が長い場合においては、不検知状態となった後は短時間でモータを停止するため、消費電力を低減し、モータの交換寿命を向上させることができる。さらに、乾燥が終わったにもかかわらず無駄な電力を消費しているという印象を使用者に与えないことに加え、使用状況の違いによってオフディレイ時間が急激に変更されることによる違和感を与えることもないため、使用感がさらに良好なものとなる。
【0016】
また本発明に係る手乾燥装置では、前記制御部は、予め設定された時間である単位オフディレイ時間に対して、所定の継続回数を乗ずることによって前記オフディレイ時間を設定するものであって、前記検知時間が長いほど、前記継続回数を徐々に小さな値となるように設定することも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、予め設定された時間である単位オフディレイ時間に対して、所定の継続回数を乗ずることによってオフディレイ時間を設定する。オフディレイ時間の長さは、継続回数の数値を変更することによって設定されるため、オフディレイ時間の設定及びそれに基づくモータの制御を簡便なものとすることができる。
【0018】
また本発明に係る手乾燥装置では、前記制御部は、前記検知時間が長いほど、前記単位オフディレイ時間を徐々に短くなるように設定することも好ましい。
【0019】
オフディレイ時間は単位オフディレイ時間の整数倍となるため、離散的に設定されることとなる。この好ましい態様では、単位オフディレイ時間の長さを変更することにより、離散的に設定されるオフディレイ時間の設定分解能を細かくすることができ、オフディレイ時間の設定をより最適化することが可能となる。
【0020】
また本発明に係る手乾燥装置では、前記制御部は、前記検知時間が所定の最短検知時間よりも短い場合は、前記オフディレイ時間を、前記検知時間によらない一定の最長オフディレイ時間となるように設定することも好ましい。
【0021】
手乾燥装置において、センサが使用者の手を検知している状態が継続していた時間、すなわち検知時間は、使用者によって異なるものとなる。本発明者らがその統計を調査したところによれば、検知時間の分布は一様とはならず、所定の長さの検知時間においてその頻度のピークが存在するような分布となった。換言すると、使用者のほとんどは上記ピークにおける検知時間が経過するまでの間に手乾燥装置の使用を終了しているということとなる。
【0022】
この好ましい態様では、検知状態となってから所定の時間(最短検知時間)が経過するまでの間に不検知状態となった場合は、オフディレイ時間を、検知時間によらない一定の最長オフディレイ時間となるように設定する。これにより、多くの使用者が手乾燥装置の使用を終了する程度の時間が経過するまでの間に不検知状態となった場合は、オフディレイ時間が変更されないため、使用状況の違いによってオフディレイ時間が変更されているという違和感を使用者に与えてしまう可能性が小さく、使用感がさらに良好なものとなる。
【0023】
また本発明に係る手乾燥装置では、前記制御部は、前記検知時間が所定の最長検知時間よりも長い場合は、前記オフディレイ時間を、前記検知時間によらない一定の最短オフディレイ時間となるように設定することも好ましい。
【0024】
長い検知時間が経過した後において不検知状態となった場合には、必要なオフディレイ時間は非常に短い場合が多い。このため、オフディレイ時間を、検知時間に応じてさらに短くなるように最適化を行っても、その効果は小さく、低減できる消費電力も小さい。
【0025】
この好ましい態様では、検知状態となってから所定の時間(最短検知時間よりも長い最長検知時間)が経過した後に不検知状態となった場合は、オフディレイ時間を、検知時間によらない一定の最短オフディレイ時間となるように設定する。これにより、オフディレイ時間の必要性が小さい場合においては簡略化した方法によってオフディレイ時間を算出、及び設定するため、制御装置による制御を簡便なものとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、オフディレイ時間を手乾燥装置の使用状況に応じて設定することで、使用感を良好なものとし、無駄な電力の消費を低減することができる手乾燥装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態である手乾燥装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す手乾燥装置の縦断面図である。
【図3】図1に示す手乾燥装置の制御的な構成を示すブロック構成図である。
【図4】図1に示す手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す手乾燥装置における、検知時間とそれに応じて設定されるオフディレイ時間との関係を示す図である。
【図6】図1に示す手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す手乾燥装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0029】
図1を参照しながら、本発明の一実施形態である手乾燥装置について説明する。図1は、本発明の実施形態である手乾燥装置1の斜視図である。
【0030】
本実施形態の手乾燥装置1は、例えば、洗面所などの壁面に設置されている水栓付きの洗面器の側方に設置され、水栓および洗面器を利用して手を洗った人が、濡れた手を乾燥するために使用するものである。なお、本実施形態では手乾燥装置1を洗面所の壁面に設置する場合について説明しているが、手乾燥装置1の設置態様はこれに限られるものではなく、例えば壁面に固定されずに床面に立設される場合もある。
【0031】
図1に示すように、手乾燥装置1は、ハウジング2及び水受けトレー19を備えている。ハウジング2は、正面側部材2aと、背面側部材2bと、側面部材2cと、側面部材2dとによって構成されている。ハウジング2には手乾燥室としての開口凹部4が形成され、その開口凹部4の下方には送風機が内蔵されている。開口凹部4は上方に開口しており、使用者が手を差し入れるための開口部4uが形成されている。
【0032】
手乾燥装置1を壁面に取り付けた状態で使用者に対して手前側となる正面側部材2aは、水平方向に直線状に略等間隔に列設された複数のノズル6a(図1には明示せず)を備えている。また、手乾燥装置1を壁面に取り付けた状態で使用者に対して壁面側となる背面側部材2bは、ノズル6aと同様に水平方向に直線状に略等間隔に列設された複数のノズル6bを備えている。ノズル6a及びノズル6bは、送風機から送給される空気流を開口凹部4内へ吹き出すためのノズルである。
【0033】
また、ハウジング2の右側面には側面部材2dが着脱可能に装着され、側面部材2dには、水滴の通過を防止するルーバー5を有する台形状の通気口5aが設けられている。なお、ハウジング2の左側面にも側面部材2dと鏡面対称な形状を有する側面部材2cが着脱可能に装着されている。そして、開口凹部4内に差し込まれた濡れた手から吹き飛ばされた水滴を回収するため、ハウジング2の底部に、水受けトレー19が着脱可能に取り付けられている。
【0034】
ハウジング2の側面には、操作部41が設けられている。操作部41は、手乾燥装置1の動作態様を設定するための部分である。ハウジング2の全面には、表示部42が設けられている。表示部42は、手乾燥装置1の動作状況やメンテナンスのための報知を表示する部分である。
【0035】
続いて、図2を参照しながら手乾燥装置1について更に詳細に説明する。図2は、手乾燥装置1の中央近傍における縦断面図である。なお、図2では、空気または風の流れを矢印で示している。
【0036】
図1及び図2に示すように、本実施形態の手乾燥装置1は、手乾燥装置本体を取り囲むハウジング2を備えている。このハウジング2の上部には、ハウジング2の上方からその内部へ並べた両手を挿入することができるように、上端が開口した開口凹部4が設けられている。
【0037】
この開口凹部4は、そこに手を配置して風を当てて乾燥させる部分(手乾燥室)である。通常、掌をハウジング2の正面側部材2a側に向け、手の甲をハウジング2の背面側部材2b側に向けた姿勢で、手をハウジング2の上方から開口凹部4内へ挿入するようになっている。
【0038】
本実施形態の手乾燥装置1では、使用者の手がハウジング2の上方から開口凹部4内へ挿入された際、開口凹部4の正面側壁4a及び背面側壁4bにそれぞれ設けられた投光部3a及び受光部3bによって手を検知すると、両壁面4a,4bのそれぞれにほぼ水平方向直線状に設けられた複数の掌側用のノズル6a及び甲側用のノズル6bから、手の掌側及び甲側にそれぞれ温風が吹き付けられ、手に付着していた水滴を飛ばしながら下方へ流れるようになっている。
【0039】
投光部3aは、開口凹部4内に向けて所定期間ごと(例えば、数十ミリ秒ごと)に光を発するように、後述の制御部によって制御される発光素子である。受光部3bは、投光部3aが発した光を受けると受光信号を発する受光素子であって、かかる受光信号は制御部に伝達される。開口凹部4内に手が挿入された状態においては、投光部3aから発せられた光が受光部3bに到達する経路が、手でさえぎられた状態となる。このため、制御部は、投光部3aを発光させると同時に、それに対応する受光部3bからの受光信号が発せられたか否かによって、開口凹部4内における手の有無を判断することができる。
【0040】
ハウジング2内には、掌側用のノズル6a及び甲側用のノズル6bのそれぞれに送風するためのファンモータユニットが設けられている。ファンモータユニット8は、その回転駆動軸10がハウジング2の正面側部材2a及び又は背面側部材2bに対して垂直な方向に延びるように配置されている。ファンモータユニット8は、ブラシモータと、ファン部材とによって構成されており、ブラシモータが回転することでファン部材が回転し、送風可能なように構成されている。
【0041】
なお、手乾燥装置1の使用時には、掌側に供給する風量が手の甲側に供給する風量に比べて大きくなるように、掌側の送風ダクト30a及び甲側の送風ダクト30bの流路断面積が設定されている。ファンモータユニット8のケーシングの後端部には、吸込口14が設けられている。
【0042】
一方、ファンモータユニット8の吹出ダクト15の下流端には、上方に突出する吹出口16が形成されている。この吹出口16には、フィンヒータ18が設けられ、フィンヒータ18により、吹出口16から吹き出される空気が温められるようになっている。
【0043】
また、ハウジング2の底部2eには水受けトレー19が設けられており、開口凹部4内において両端がなで肩形状の底壁4cの壁面4csに落ちて両側に掃けた水が、ハウジング2の内側部にある排水溝を伝って水受けトレー19内に落ちるようになっている。さらに、水受けトレー19の背面側には、フィルタ20を備えた空気取入口22が設けられ、この空気取入口22には、吸気ダクト24bが接続されている。
【0044】
吸気ダクト24は、その上流端26が空気取入口22のフィルタ20の上に配置され、上流端26と吸込口14を連通させるように、上流端26からハウジング2の背面側部材2bに沿って上方にほぼ真っ直ぐ延びている。手乾燥装置1の作動中、ハウジング2の外部の空気は、空気取入口22からフィルタ20を介して、吸気ダクト24に吸込まれるようになっている。
【0045】
さらに、吸気ダクト24内の上部において、ファンモータユニット8の吸込口14に隣接して吸音材28が配置されており、吸音材28により、ファンモータユニット8の作動中に吸込口14から漏出した音がそれぞれ吸収されるようになっている。
【0046】
また、吹出口16には掌側用の送風ダクト30aが接続されており、この掌側用の送風ダクト30aは、ハウジング2の正面側部材2aに隣接して吹出口16aから上方に延びるように形成されている。さらに、掌側用の送風ダクト30a内の背面は、上述した開口凹部4の正面側壁4aが壁面4asを形成しており、送風ダクト30a内の上部の背面側には、複数の掌側用のノズル6aが掌側用の吹出口16aのほぼ真上に位置するように配置されている。
【0047】
更に、吹出口16には、掌側用の吹出口16aと同様に、甲側用の送風ダクト30bが接続されている。この甲側用の送風ダクト30bは、甲側用の吹出口16bから開口凹部4の背面側壁4bの壁面4bsに配置されている複数のノズル6bへと延びるように形成されている。
【0048】
上述したように、ハウジング2の両側面部材2c,2dには、風抜き手段であるルーバー5が設けられ、開口凹部4内に配置された手にノズル6a,6bから温風が吹きつけられた際にハウジング2の側面部材2c,2dの方向に飛散した水滴が、このルーバー5により遮断され、風のみがルーバー5を抜けるようになっている。
【0049】
本実施形態の手乾燥装置1では、CPU及びメモリといった構成要素からなる制御部(図1、2には図示しない)を有している。使用者の手がハウジング2の上方から開口凹部4内へ挿入されると、投光部3aから所定期間ごとに発せられている光が受光部3bに到達しなくなる。制御部は、受光部3bから受光信号が伝達されなくなることによって開口凹部に手が挿入された状態であることを検知し、ファンモータユニット8を駆動する。これにより、両壁面4as,4bsのそれぞれにほぼ水平方向直線状に設けられた複数の掌側用のノズル6a及び甲側用のノズル6bから、手の掌側及び甲側にそれぞれ温風が吹き付けられ、手に付着していた水滴を飛ばしながら下方へ流れるようになっている。
【0050】
その後、使用者の手が開口凹部4内から引き出されると、投光部3aから発せられた光が再び受光部3bに到達するようになるため、受光部3bからの受光信号が制御部に届く。これにより、制御部は開口凹部4内に手が存在しなくなった(不検知状態に移行した)と判断し、ファンモータユニット8を停止させる。但し、受光部3bからの受光信号が制御部に届いた時点で直ちにファンモータユニット8を停止させるのではなく、受光信号が届いてから所定のオフディレイ時間が経過するまではファンモータユニット8を継続して駆動させ、その後停止するように制御する。
【0051】
このように、オフディレイ時間が経過するまではファンモータユニット8を継続して駆動させることで、使用者の手が未だノズル6a及びノズル6bよりも手前側(図2では上側)まで引き戻されていないにも関わらず、温風の吹き付けが停止してしまうことを防止している。本実施形態の手乾燥装置1では、開口凹部4内に使用者の手があることを検知している状態(検知状態)が継続していた時間(検知時間)に基づいてオフディレイ時間の長さを設定する。その具体的な内容については、後に詳しく説明する。
【0052】
本実施形態では、ノズル6aから、比較的大きな風量となるように空気を吹き出すので、開口凹部4から使用者側への空気の吹き返しが懸念される。そこで本実施形態では、背面側壁4bに規制壁4dを設けている。規制壁4dは、ノズル6aから吹き出された空気が、底壁4cに沿って流れた後に正面側壁4aと背面側壁4bとの間を横切るように流れる旋回流を形成するようにその進行方向を調整するものである。
【0053】
より具体的には、規制壁4dは、ノズル6aから吹き出され、背面側壁4bに向かって進行する空気の進行方向を、正面側壁4aに向かうように調整し、その調整の結果向かった空気が正面側壁4aから、底壁4cを経て、背面側壁4bに沿って流れた後に、正面側壁4aに向かって流れる旋回流を生じさせるものである。
【0054】
続いて、手乾燥装置1の制御的な構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、図1に示す手乾燥装置の制御的な構成を示すブロック構成図である。図3に示すように、手乾燥装置1は、制御部40と、投光部3aと、受光部3bと、操作部41と、ブラシモータ8aと、フィンヒータ18と、表示部42とを備えている。ブラシモータ8aは、ファンモータユニット8に含まれる駆動用のモータである。
【0055】
制御部40は、CPU及びメモリといった構成要素及びCPUと各要素とのインターフェイスを含むコントロールユニットである。制御部40は、受光部3bから出力される受光信号を受信し、ブラシモータ8a及びフィンヒータ18に動作指示信号を出力する。
【0056】
制御部40は、操作部41に入力される指示に基づいて、操作部41から出力される指示信号を受信する。操作部41には、フィンヒータ18に通電するか否かの指示を入力することができ、これに基づいた指示信号が出力される。制御部40は、フィンヒータ18に通電する場合には、受光部3bから出力される受光信号に応じて、フィンヒータ18に通電させる指示信号を出力する。制御部40は、フィンヒータ18に通電しない場合には、受光部3bから出力される受光信号に応じて、フィンヒータ18に通電させる指示信号を出力しない。
【0057】
操作部41には、ブラシモータ8aの回転数を高くする「強運転」、ブラシモータ8aの回転数を低くする「弱運転」の入力ができるように構成されている。「強運転」が入力されると、制御部40は、受光部3bから出力される受光信号に応じて、ブラシモータ8aの回転数が高くなるように通電させる指示信号を出力する。「弱運転」が入力されると、制御部40は、受光部3bから出力される受光信号に応じて、ブラシモータ8aの回転数が低くなるように通電させる指示信号を出力する。
【0058】
制御部40は、機能的な構成要素として、検知時間計測部401及びオフディレイ時間設定部402を含んでいる。検知時間計測部401は、開口凹部4内に使用者の手が挿入されることにより、投光部3aが発した光が手でさえぎられて受光部3bに到達しなくなった状態における経過時間を計測する部分である。すなわち、開口凹部4内に使用者の手があることを検知している状態(検知状態)が継続していた時間(検知時間)を計測する部分である。オフディレイ時間設定部402は、検知状態から不検知状態に移行した時点で、それまでの検知時間に基づいて適切なオフディレイ時間を算出し、設定する部分である。
【0059】
次に、図1に示す手乾燥装置1の動作について、制御部40において行われる処理を中心に、図4乃至図7を参照しながら説明する。図4は、手乾燥装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図4に示した動作は、開口凹部4内に使用者の手が挿入されていない所謂スタンバイ状態においても、制御部40によって所定の周期で実行されている。
【0060】
ステップS01では、開口凹部4内に使用者の手があることを検知している状態(検知状態)かどうかが判断される。具体的には、投光部3aが発した受光部3bに到達し、受光部3bが制御部に受光信号を発したか否かが制御部40によって判断される。尚、受光部3bは所定期間ごと(例えば、数十ミリ秒ごと)に光を発しているが、一度でも受光部3bに光が到達しなかった場合に直ちに検知状態であると判断する場合のほか、複数回連続して受光部3bに光が到達しなかった場合にのみ検知状態であると判断してもよい。
【0061】
ステップS01で不検知状態であると判断された場合には、開口凹部4内に使用者の手がないため、処理を終了する。一方、ステップS01で検知状態であると判断された場合には、開口凹部4内に使用者が挿入された状態であるため、制御部40はブラシモータ8aの駆動を開始し、掌側用のノズル6a及び甲側用のノズル6bからの温風の吹き付けを開始する(ステップS02)。ステップS02でブラシモータ8aの駆動が開始されると同時に、検知時間計測部401によって時間の計測が開始される(ステップS03)。
【0062】
ステップS04では、検知状態が継続しているかどうかが判断される。検知状態のままであれば、ステップS04の処理は繰り返し実行される。検知状態から不検知状態に移行すると、検知時間計測部401による時間の計測を終了する(ステップS05)。ステップS03からステップS05までの間に計測された時間が、検知時間として制御部40に記憶される。
【0063】
ステップS05においては、開口凹部4内に使用者の手がない状態であるが、ブラシモータ8aの駆動は継続して行っている。このように、検知状態から不検知状態に移行した後もブラシモータ8aの駆動を継続する時間、すなわちオフディレイ時間を、オフディレイ時間設定部402が検知時間に基づいて設定する(ステップS06)。図5は、手乾燥装置1における、検知時間とそれに応じて設定されるオフディレイ時間との関係を示す図である。上記ステップS06においては、検知時間とオフディレイ時間との関係が、図5に示したグラフとなるようにオフディレイ時間が算出され、設定される。
【0064】
図6に示したように、検知時間が時間T1(最短検知時間)よりも短い場合においては、オフディレイ時間は、検知時間によらない一定の時間ODT1(最長オフディレイ時間)となるように設定される。時間T1は、手乾燥装置の利用実態の統計を調査し、検知時間のピーク(開口凹部4内に使用者が手を挿入していた時間の分布における最頻値)となる時間よりも長い時間として設定されている。
【0065】
このため、検知状態となった時点から、多くの使用者が手乾燥装置1の使用を終了する程度の時間が経過するまでの間に不検知状態となった場合は、オフディレイ時間は検知時間によっては変更されない。その結果、使用状況の違いによってオフディレイ時間が変更されているという違和感を使用者に与えてしまう可能性が小さく、使用感が良好なものとなっている。
【0066】
検知時間がT1を超え、T2となった場合においては、オフディレイ時間は時間ODT1よりも短い時間ODT2となるように設定される。更に、検知時間がT2を超え、T3となった場合においては、オフディレイ時間は時間ODT2よりも短い時間ODT3となるように設定される。このように、検知時間が長いほど、オフディレイ時間は徐々に短くなるように設定される。
【0067】
このため、検知時間が短い場合においては、使用者が手を往復させる動作等による一時的な不検知状態が発生してもブラシモータ8aは停止されず、使用感を損ねることがない。一方、検知時間が長い場合においては、不検知状態となった後は短時間でブラシモータ8aを停止するため、消費電力を低減し、ブラシモータ8aの交換寿命を向上させることができる。さらに、乾燥が終わったにもかかわらず無駄な電力を消費しているという印象を使用者に与えないことに加え、使用状況の違いによってオフディレイ時間が急激に変更されることによる違和感を与えることもないため、使用感がさらに良好なものとなっている。
【0068】
検知時間が時間T3(最長検知時間)よりも長い場合においては、オフディレイ時間は、検知時間によらない一定の時間ODT3(最短オフディレイ時間)となるように設定される。このような場合は、不検知状態となった時点において使用者の手は完全に乾燥している可能性が高く、必要なオフディレイ時間は非常に短いと考えられる。このため、オフディレイ時間を、検知時間に応じてさらに短くなるように最適化を行っても、その効果は小さく、低減できる消費電力も小さい。従って、本実施形態の手乾燥装置1においては、オフディレイ時間を、検知時間によらない一定の時間ODT3となるように設定することにより、制御装置による制御を簡便なものとしている。
【0069】
再び図4に戻って説明を続ける。ステップS07では、制御部40によって時間の計測が開始される。この時間の計測は、ステップS06で設定されたオフディレイ時間が経過することを待つためのものである。ステップS08において、計測された時間がオフディレイ時間を超えたかどうか、すなわち、オフディレイ時間が経過したかどうかが判断される。
【0070】
オフディレイ時間が経過していなければステップS08の処理が繰り返される。オフディレイ時間が経過していれば、時間の計測を終了した後(ステップS09)、ブラシモータ8aを停止し(ステップS10)、ノズル6a及びノズル6bからの温風の吹き付けを停止する。
【0071】
続いて、図5に示した関係となるようにオフディレイ時間を設定するための更に具体的な方法について、図6を参照しながらその一例を説明する。図6は、手乾燥装置1の動作の一例を示すフローチャートであって、図4のステップS06において行われるオフディレイ時間の設定に関し、その具体的な方法を示したものである。
【0072】
制御部40は、所定の長さ(例えば数十ミリ秒)である単位オフディレイ時間etを記憶しており、かかる単位オフディレイ時間etに対し、検知時間に応じて数値が設定される継続回数nを乗ずることによってオフディレイ時間を算出する。
【0073】
本実施形態においては、単位オフディレイ時間etは投光部3aの発光周期と一致するよう設定されている。このため、上記継続回数nは、使用者の手が開口凹部4内から引き出された後、オフディレイ時間が経過するまでの間に、投光部3aが発せられた光が受光部3bに届く回数と一致するものである。換言すると、設定された継続回数nに対応したオフディレイ時間が経過したか否かを、発光部3aの発光回数(もしくは、受光部3bの受光回数)をカウントすることによって判定することができる。
【0074】
ステップS21では、検知時間が時間T1を超えているかどうかが判断される。検知時間が時間T1以下であれば、継続回数nの値はn1に設定され、オフディレイ時間はこれに単位オフディレイ時間etを乗じた値、すなわち、n1×etとして算出、設定される(ステップS24)。n1は、n1×etの値が図5に示した時間ODT1と略一致するように、予め決定された数値である。
【0075】
ステップS21で検知時間が時間T1を超えていた場合は、ステップS22に移行する。ステップS22では、検知時間が時間T2を超えているかどうかが判断される。検知時間が時間T2以下であれば、継続回数nの値はn2に設定され、オフディレイ時間はこれに単位オフディレイ時間etを乗じた値、すなわち、n2×etとして算出、設定される(ステップS25)。n2はn1よりも小さな数値であって、n2×etの値が図5に示した時間ODT2と略一致するように、予め決定された数値である。
【0076】
ステップS22で検知時間が時間T2を超えていた場合は、ステップS23に移行する。ステップS23では、検知時間が時間T3を超えているかどうかが判断される。検知時間が時間T3以下であれば、継続回数nの値はn3に設定され、オフディレイ時間はこれに単位オフディレイ時間etを乗じた値、すなわち、n3×etとして算出、設定される(ステップS26)。n3はn2よりも小さな数値であって、n3×etの値が図5に示した時間ODT3と略一致するように、予め決定された数値である。
【0077】
本実施形態では、上記のように、予め設定された時間である単位オフディレイ時間etに対して、所定の継続回数n(n1、n2、n3)を乗ずることによってオフディレイ時間を設定する。オフディレイ時間の長さは、継続回数n(n1、n2、n3)の数値を変更することによって設定されるため、オフディレイ時間の設定及びそれに基づくモータの制御が簡便なものなっている。
【0078】
尚、本実施形態では、検知時間がT1、T2を超えるか否かによってオフディレイ時間を離散的に変化させる例を説明した。しかし、本発明の実施形態としてはこれに限らず、例えば、検知時間が時間T1、T2の間(図5のT1a)である場合において、オフディレイ時間が時間ODT1、ODT2の間(図5のODT1a)となるように、継続回数nの値を設定してもよい。すなわち、オフディレイ時間がODT1とODT2との間で滑らかに変化するように、図6のステップS24において継続回数nの値を設定してもよい。検知時間が時間T2、T3の間である場合においても同様である。
【0079】
更に、検知時間が所定の時間を超えたかどうかの判断(ステップS21、S22、S23)を、図6に示したフローチャートでは3段階に分けて行っている。しかし、本発明の実施形態としてはこれに限らず、3段階よりも多くのステップに分けて判断してもよい。
【0080】
続いて、図5に示した関係となるようにオフディレイ時間を設定するための別の具体的な方法について、図7を参照しながらその一例を説明する。図7は、図6に示したものと同様に、手乾燥装置1の動作の一例を示すフローチャートであって、図4のステップS06において行われるオフディレイ時間の設定に関し、具体的な方法を示したものである。
【0081】
図7に示す例においても、制御部40は、所定の長さ(例えば数十ミリ秒)である単位オフディレイ時間etを記憶しており、かかる単位オフディレイ時間etに対し、継続回数nの値を乗ずることによってオフディレイ時間を算出する。ただし、図7に示した例においては、単位オフディレイ時間etが固定されておらず、可変となっている点が図6に示した例と異なっている。一方、継続回数nは固定された値となっており、この点についても図6に示した例と異なっている。
【0082】
ステップS31では、検知時間が時間T1を超えているかどうかが判断される。検知時間が時間T1以下であれば、単位オフディレイ時間etは時間et1となるように設定され、オフディレイ時間はこれを継続回数nに乗じた値、すなわち、n×et1として算出、設定される(ステップS34)。et1は、n×et1の値が図5に示した時間ODT1と略一致するように、予め決定された時間である。
【0083】
ステップS31で検知時間が時間T1を超えていた場合は、ステップS32に移行する。ステップS32では、検知時間が時間T2を超えているかどうかが判断される。検知時間が時間T2以下であれば、単位オフディレイ時間etは時間et2となるように設定され、オフディレイ時間はこれを継続回数nに乗じた値、すなわち、n×et2として算出、設定される(ステップS35)。et2はet1よりも短い時間であって、n×et2の値が図5に示した時間ODT2と略一致するように、予め決定された時間である。
【0084】
ステップS32で検知時間が時間T2を超えていた場合は、ステップS33に移行する。ステップS33では、検知時間が時間T3を超えているかどうかが判断される。検知時間が時間T3以下であれば、単位オフディレイ時間etは時間et3となるように設定され、オフディレイ時間はこれを継続回数nに乗じた値、すなわち、n×et3として算出、設定される(ステップS36)。et3はet2よりも短い時間であって、n×et3の値が図5に示した時間ODT3と略一致するように、予め決定された時間である。
【0085】
本実施形態では、上記のように、所定の時間である単位オフディレイ時間et(et1、et2、et3)に対して、予め設定された所定の継続回数nを乗ずることによってオフディレイ時間を設定する。オフディレイ時間の長さは、単位オフディレイ時間et(et1、et2、et3)の数値を変更することによって設定される。このため、離散的に設定されるオフディレイ時間の設定分解能を細かくすることができ、オフディレイ時間の設定をより最適化することが可能となっている。
【0086】
尚、本実施形態では、検知時間がT1、T2を超えるか否かによってオフディレイ時間を離散的に変化させる例を説明した。しかし、本発明の実施形態としてはこれに限らず、例えば、検知時間が時間T1、T2の間(図5のT1a)である場合において、オフディレイ時間が時間ODT1、ODT2の間(図5のODT1a)となるように、継続回数nを設定してもよい。すなわち、オフディレイ時間がODT1とODT2との間で滑らかに変化するように、図7のステップS34において継続回数を設定してもよい。検知時間が時間T2、T3の間である場合においても同様である。
【0087】
更に、検知時間が所定の時間を超えたかどうかの判断(ステップS31、S32、S33)を、図7に示したフローチャートでは3段階に分けて行っている。しかし、本発明の実施形態としてはこれに限らず、3段階よりも多くのステップに分けて判断してもよい。
【0088】
また、図6に示した例においては継続回数nを可変とし、図7に示して例においては単位オフディレイ時間etを可変としているが、両者を同時に可変とすることも可能である。
【0089】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0090】
1:手乾燥装置
2:ハウジング
2a:正面側部材
2b:背面側部材
2c:側面部材
2d:側面部材
2e:底部
3a:投光部
3b:受光部
4:開口凹部
4a:正面側壁
4a,4b:壁面
4as,4bs:壁面
4b:背面側壁
4c:底壁
4cs:壁面
4d:規制壁
4u:開口部
5:ルーバー
5a:通気口
6a:ノズル
6b:ノズル
8:ファンモータユニット
8a:ブラシモータ
10:回転駆動軸
14:吸込口
15:吹出ダクト
16:吹出口
16a:吹出口
16b:吹出口
18:フィンヒータ
19:トレー
20:フィルタ
22:空気取入口
24:吸気ダクト
24b:吸気ダクト
26:上流端
28:吸音材
30a:送風ダクト
30b:送風ダクト
40:制御部
41:操作部
42:表示部
401:検知時間計測部
402:オフディレイ時間設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の手に空気を吹き付けて乾燥させる手乾燥装置であって、
使用者の手が挿入される空間が構成される手乾燥室を有するハウジングと、
前記ハウジングに形成され、前記手乾燥室に空気を吹き出すノズルと、
前記ハウジングに内蔵され、前記ノズルから空気を吹き出すために駆動されるモータを有する送風機と、
使用者が手を挿入する方向に沿って前記ノズルよりも奥側に設けられ、前記手乾燥室に挿入された使用者の手を検知するセンサと、
前記センサが前記手乾燥室への使用者の手の挿入を検知すると、前記モータを駆動する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサが使用者の手を検知している検知状態から、前記センサが使用者の手を検知していない不検知状態に移行すると、それまで前記検知状態が継続していた時間である検知時間に基づいてオフディレイ時間を設定し、
前記モータを、前記不検知状態に移行してから前記オフディレイ時間が経過する時点までの間は継続して駆動させ、その後停止させるものであって、
前記検知時間が長いほど、前記オフディレイ時間を徐々に短くなるように設定することを特徴とする手乾燥装置。
【請求項2】
前記制御部は、予め設定された時間である単位オフディレイ時間に対して、所定の継続回数を乗ずることによって前記オフディレイ時間を設定するものであって、前記検知時間が長いほど、前記継続回数を徐々に小さな値となるように設定することを特徴とする、請求項1に記載の手乾燥装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知時間が長いほど、前記単位オフディレイ時間を徐々に短くなるように設定することを特徴とする、請求項2に記載の手乾燥装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検知時間が所定の最短検知時間よりも短い場合は、前記オフディレイ時間を、前記検知時間によらない一定の最長オフディレイ時間となるように設定することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一に記載の手乾燥装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記検知時間が所定の最長検知時間よりも長い場合は、前記オフディレイ時間を、前記検知時間によらない一定の最短オフディレイ時間となるように設定することを特徴とする、請求項4に記載の手乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−70860(P2013−70860A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212707(P2011−212707)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)