説明

手品用具

【課題】 素人でも容易に演技操作可能であり、観覧者に手渡しても仕掛けを見破られる危惧が僅かであり、特に、ダミー品との2個の対として用い、その2個の用具の間で不可思議な動作を示せる手品用具を提供すること。
【解決手段】 両端が開口した略筒状のカバーと、そのカバーの内に挿通自在に装着される内挿体とを備え、内挿体の内部に仕掛け片を設けた手品用具であり、仕掛け片は、内挿体に設けられた窓孔に露出して把持可能な外端部と、その外端部に連なり、カバーに対する内挿体の挿通方向と略同一の方向に延伸した軸部と、軸部の他端である内端部とから成り、内挿体の窓孔を介して、カバーに対する内挿体の挿通方向と略同一の方向へ移動して、内挿体から出没可能であり、仕掛け片とそれに接し得る内挿体の部位との双方にそれぞれ、仕掛け片の収納状態を固定する収納固定手段と、仕掛け片の抜けを抑止する抜出抑止手段と、仕掛け片の突出状態を保持する突出保持手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチ箱のように、両端が開口した略筒状のカバーと、そのカバーの内に挿通自在に装着される内挿体とを備えた手品用具、特に、仕掛けの設けられないダミー品と対で用いられる手品用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マッチ箱を用いた手品は少なくはなく、2個のマッチ箱を対として用いる手品も公知である。
例えば、特許文献1は、マッチ箱に、観覧者が視認困難なように糸を連結する仕掛けを開示している。 そのような糸を仕掛けとして用いても、不可思議さを観覧者に与えるエンターテイメントは可能である。
【0003】
【特許文献1】特開2005−80753「手品具」
【0004】
しかし、一般に、マッチ箱の外に、糸のような構成物が必要であると、手品用具を観覧者に手渡して仕掛けの有無を調べさせることが、いつでもできるわけではない。
また、手品の演技操作を容易には行えない難点もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、素人でも容易に演技操作可能であり、観覧者に手渡しても仕掛けを見破られる危惧が僅かであり、特に、ダミー品との2個の対として用い、その2個の用具の間で不可思議な動作を示せる手品用具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の手品用具は次の構成を備える。
すなわち、両端が開口した略筒状のカバーと、そのカバーの内に挿通自在に装着される内挿体とを備え、内挿体の内部に仕掛け片を設けた手品用具であり、仕掛け片は、内挿体に設けられた窓孔に露出して把持可能な外端部と、その外端部に連なり、カバーに対する内挿体の挿通方向と略同一の方向に延伸した軸部と、軸部の他端である内端部とから成り、内挿体の窓孔を介して、カバーに対する内挿体の挿通方向と略同一の方向へ移動して、内挿体から出没可能であり、仕掛け片とそれに接し得る内挿体の部位との双方にそれぞれ、仕掛け片の抜けを抑止する抜出抑止手段と、仕掛け片の突出状態を保持する突出保持手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、内挿体の窓孔の周縁に溝模様を設けると共に、少なくとも内挿体の窓孔の周辺に、窓孔の周縁の溝模様と同様の形状であり仕掛け片の存在を認知困難にする周期的模様を設けて、観覧者に仕掛けがわからないようにし、また、仕掛け片の設けられないダミー品との対として用いられる形態で提供して、2個の用具の間での不可思議な動作に寄与させてもよい。
【0008】
また、仕掛け片としては、細長い薄板状のものが有効に用いられる。
仕掛け片における抜出抑止手段として、仕掛け片の内端部に設けられた鍔を用い、内挿体における抜出抑止手段として、仕掛け片のその鍔より小径で鍔を係止可能である窓孔の枠部内面を用いて、構成の簡素化に寄与させてもよい。
仕掛け片における突出保持手段として、仕掛け片の軸部に設けられ、仕掛け片の外端部寄りから内端部寄りへ向かって延伸するに伴って、軸部から離反する傾斜を有し、その傾斜角を変化可能な弾性を備える舌片を用い、内挿体における突出保持手段として、仕掛け片のその舌片の先端部に当接可能である窓孔の枠部外面を用いて、構成の簡素化に寄与させてもよい。
更に、仕掛け片の収納状態を固定する収納固定手段を設け、その仕掛け片における収納固定手段として、仕掛け片の内端部に設けられた略U字状の弾性部に備わる凹凸を用い、内挿体における収納固定手段として、仕掛け片のその凹凸に係合可能な凹凸を用いて、構成の簡素化に寄与させてもよい。
【0009】
更に、カバーを紙製とすると共に、内挿体をプラスチック製として、演技操作性に寄与させてもよい。
【0010】
形状としては、カバーを扁平な四角筒状とすると共に、内挿体を上面の開口した扁平な四角箱状として、演技操作性等に寄与させてもよい。
【0011】
窓孔を、内挿体の角の近傍に設けて、演技操作性等に寄与させてもよい。
【0012】
内挿体を、内箱と外箱との接合によって構成し、仕掛け片を、その内箱と外箱との間隙に装着させて、製造の簡素化に寄与させてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記構成を備えることにより次の効果を奏する。
すなわち、カバーの内に内挿体を挿通自在に操作でき、内挿体から突出した仕掛け片をカバーで隠すことが容易である。仕掛け片は、突出保持手段によって突出した状態が維持されて、演技操作を着実に行える。そのため、突出した仕掛け片を介して、その内挿体や他のダミー品の内挿体を移動させられ、多様な演技が可能となる。
また、仕掛け片は、収納固定手段によって内挿体の内部に収納された状態が安定し、内挿体の窓孔近傍における周期的模様によって、観覧者に手渡しても仕掛けがわからない効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記の例示に限らず、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、前記特許文献など従来公知の技術を用いて適宜設計変更可能である。
例えば、以下では、用具の形状として、典型的なマッチ箱のように、扁平な直方体状のものを例示するが、本発明は、両端が開口した略筒状のカバーと、そのカバーの内に挿通自在に装着される内挿体とを備えればよく、曲面を有したり、多角形柱状であったりする形状のものにも同様に適用できる。
【0015】
図1(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ、本発明による内挿体の平面説明図、側面説明図、正面説明図であり、図2(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ、ダミー品の内挿体の平面説明図、側面説明図、正面説明図である。
内挿体(10)は、上面の開口した扁平な四角箱状であり、内箱(20)と外箱(40)との接合によって構成され、その内箱(20)と外箱(40)との間隙に仕掛け片(60)が装着される。図示の例では、内箱(20)と外箱(40)とは、底面部と両側面部がほぼ共通の形状であるが、内挿体(10)は、任意形状の2以上の要素の接合体で構成してもよいし、単一の要素とし仕掛け片(60)を押し入れて装着してもよい。
【0016】
ダミー品の内挿体(10X)は、本発明の内挿体(10)と比較して、仕掛け片(60)が欠如し、また、仕掛け片(60)を設置するための部位が欠如する点が異なる。
【0017】
内挿体(10)の角の近傍には、扁平な四角状の窓孔(11)が備わる。
その窓孔(11)を介して、仕掛け片(60)が出没可能に、内挿体(10)に内装される。
【0018】
窓孔(11)の周縁には、溝模様(12)が設けられると共に、窓孔(11)の周辺にも、窓孔(11)の周縁の溝模様(12)と同様の形状の周期的な溝模様(13)が設けられる。
これによって、窓孔(11)の周縁が、窓孔(11)の周辺の模様と識別困難であり、窓孔(11)とそれに嵌入される仕掛け片(60)の存在が認知困難になる。そのため容易に、観覧者に手渡して仕掛けの有無を調べさせられる。
なお、本実施例では、窓孔(11)の周縁が四角であるので、その周期構造である四角格子状の模様を、窓孔(11)の周辺に配したが、窓孔(11)の周縁の形状に応じて、周期的デザインは適宜変更可能である。
【0019】
図3(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ、本発明による内挿体(10)の内箱(20)の平面図、側面断面図、正面断面図であり、図4(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ、本発明による内挿体(10)の外箱(40)の平面図、側面断面図、正面断面図であり、図5(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ、本発明による仕掛け片(60)の平面図、側面図、正面断面図である。
仕掛け片(60)は、細長い薄板状のものが有用であり、内挿体(10)に設けられた窓孔(11)に露出して把持可能な外端部(61)と、その外端部(61)に連なって延伸した軸部(62)と、その軸部(62)の他端である内端部(63)とに大別される。
【0020】
仕掛け片(60)は、内挿体(10)の内箱(20)に突設された2本の突条(21)(21)の間に配置される。この突条(21)によって移動がガイドされ、円滑な出没が行える。
窓孔(11)から離れた奥に位置する突条(21)(21)には、滑らかな曲面を有する凸部(22)(22)が突設されている。
【0021】
一方、仕掛け片(60)の内端部(63)は、その先端が開口した略U字状に形成され、その両側部には、滑らかな曲面を有する凹部(64)(64)が備わる。
これによって、仕掛け片(60)が内挿体(10)に収納された時には、仕掛け片(60)の内端部(63)の凹部(64)(64)が、突条(21)(21)の凸部(22)(22)に係合して、収納状態が安定する。
なお、凹部(64)と凸部(22)との関係は、両者が係合すればよいので、どちらを凹状にしどちらを凸状にしてもよい。このような係合を行いやすくするために、仕掛け片(60)の少なくとも内端部(63)は弾性を有する材質が好ましい。
このような仕掛け片(60)の収納状態を固定する収納固定手段は、必須の構成要素ではない。収納固定手段を全く設けない場合、仕掛け片(60)を下向きにすると、自重によって内挿体(10)から突出してしまう危惧がないわけではないが、通常は、仕掛け片(60)と内挿体(10)との間の摩擦により、収納状態を維持させることが可能である。
【0022】
また、仕掛け片(60)の内端部(63)は、軸部(62)及び窓孔(11)より幅広に構成する。
すなわち、仕掛け片(60)の内端部(63)における軸部(62)との境界部位には鍔(65)(65)を設け、その両鍔(65)(65)間の距離を、対応する窓孔(11)の径より大きくする。
これによって、仕掛け片(60)が引き出された時、鍔(65)が、窓孔(11)の枠部内面に当接して、外部へ抜けることが抑止される。
【0023】
図6(イ)は、仕掛け片の突出状態を保持する突出保持手段の作用を示す側面説明図である。
仕掛け片(60)の軸部(62)には、仕掛け片(60)の外端部(61)寄りから内端部(63)寄りへ向かって延伸するに伴って、軸部(62)から上方へ離反する傾斜を有する舌片(66)が備わる。
その舌片(66)に設けておく傾斜は、窓孔(11)の外へ出た際に、舌片(66)の先端部(67)が窓孔(11)よりも上へ弾性復元する大きさにする。これよって、仕掛け片(60)が内挿体(10)に向かって押し戻され時、舌片(66)の先端部(67)が窓孔(11)の枠部外面に当接して、内挿体(10)に没入されることが抑止され突出状態が保持される。
【0024】
図6(ロ)は、仕掛け片を内挿体の内部へ没入させる様態を示す側面説明図である。説明をわかりやすくするために、仕掛け片(60)の変形を強調して図示してある。
仕掛け片(60)の外端部(61)を上方へ反らすと、軸部(62)の傾斜に伴い、軸部(62)と舌片(66)とを略平行に変形できる。その状態で、仕掛け片(60)を内挿体(10)へ向かって押し戻せば、内挿体(10)の内部に収納させられる。
なお、図3に示すように、収納時においては、舌片(66)の先端部(67)が収容される凹溝(23)が、内箱(20)に設けられている。
【0025】
図7(イ)は、本発明による手品用具の斜視図であり、図7(ロ)は、内挿体とカバーとの関係を示す斜視説明図であり、図7(ハ)は、仕掛け片の動作を示す斜視説明図である。
内挿体(10)は、両端が開口した略筒状のカバー(70)の内に挿通自在に装着される。
そのカバー(70)に対する内挿体(10)の挿通方向と略同一の方向へ、仕掛け片(60)も内挿体(10)から出没可能である。
ここで、内挿体(10)の窓孔(11)の周縁の溝模様(12)が、窓孔(11)の周辺の周期的な溝模様(13)と同様であるので、仕掛け片(60)の収納時には、その存在が認知困難である。そして、仕掛け片(60)の突出時には、舌片(66)の先端部(67)が窓孔(11)の枠部外面に当接することで、突出状態が保持される。
【0026】
この仕掛け片(60)の出没を利用して様々な手品を演じることができる。以下に、数例挙げて説明する。
図8(イ)(ロ)(ハ)は、2個の用具を用いた手品の基本の流れを示す平面説明図である。
仕掛け片(60)を具備する内挿体(10)と、仕掛け片(60)を具備しないダミーの内挿体(10X)とを用い、同じカバー(70)に挿入させた用具を使用する。
図8(イ)のように、仕掛け片(60)の引き出された内挿体(10)をカバー(70)から約半分出しておくことによって、仕掛け片(60)がカバー(70)内に隠された状態にする。仕掛け片(60)を具備しないダミーの内挿体(10X)も同様にカバー(70)から約半分出して、どちらの用具も中が空な箱であることを示すことから始める。
【0027】
図8(ロ)のように、両用具を横向きにし、各カバー(70)(70)の開口端を揃えて並べる。この際、ダミーの内挿体(10X)はカバー(70)の中に収納させて閉じる。
その状態で、内挿体(10)をカバー(70)の中に押し込めると、本来、離れて位置しているはずのダミーの内挿体(10X)が、図8(ハ)のように押し出されるので、一方の用具の動きが、それと離れた他方の用具の動きをもたらすような不可思議さを観覧者に与えることができる。
その後、逆に、ダミーの内挿体(10X)をカバー(70)の中に押し戻せば、今度は内挿体(10)がカバー(70)から飛び出すので、図8(ロ)の状態に戻せて演技を繰り返し行える。
仕掛け片(60)はカバー(70)内に隠されたままなので、2個の用具を離して図8(イ)の状態に戻せば、両用具の間に何もつながりがないことが示せ、更に、図6(ロ)に示した方法で仕掛け片(60)を内挿体(10)へ没入させれば、観覧者に手渡して仕掛けの有無を調べさせることもできる。
【0028】
なお、図8(イ)に示したように、1つの内挿体(10)に複数の仕掛け片(60)(60‘)を設置しておいてもよいし、仕掛け片(60)を具備する内挿体(10)のみを使用してもよいし、仕掛け片(60)を内挿体(10)に強固に収納固定させておいてダミー品のように扱ってもよい。
ダミー品を用いない場合は、複数ある用具のうちどの用具を使用しても仕掛け片(60)を突出させられる利便や、製造するための金型を減らせる利点がある。
【0029】
図9(イ)(ロ)はそれぞれ、別実施例の手品を示す平面説明図、側面説明図である。
仕掛け片(60)が内挿体(10)の角の近傍に設置されているので、図9(イ)のように、2個の用具をずらして配置させても、図8と同様の手品が可能である。
また、仕掛け片(60)は内挿体(10)の底部に設置されているので、図9(ロ)のように、仕掛け片(60)が内挿体(10X)のカバー(70)の中に一部入り込んだ状態のときに、2個の用具の間にトランプなどのカード類(80)を挟み、あたかも2個の用具の間を完全に遮断しているように見せることができる。そのまま、どちらかの内挿体(10)(10X)を押せば、仕掛け片(60)はカード類(80)の下で移動して、対向する内挿体(10X)(10)を押し出すので、図8と同様の手品を行うことが可能となり、より不思議さを増すことができる。
なお、挟んだカード類(80)によって舌片(66)の先端部(67)を押し下げ、そのまま内挿体(10X)をカバー(70)の中へ閉じると、仕掛け片(60)を内挿体(10)の内部に収納させられるので、今度は図8と同様の手品が再現しなくなり不可思議さを観覧者に与えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によると、小型で簡易な構成でありながらも不可思議さを観覧者に与えることができ、素人でも容易に演技操作できるので、手軽に持ち運んで手品を楽しめるので、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(イ) 本発明による内挿体の平面説明図 (ロ) 同、側面説明図 (ハ) 同、正面説明図
【図2】(イ) ダミー品の内挿体の平面説明図 (ロ) 同、側面説明図 (ハ) 同、正面説明図
【図3】(イ) 本発明による内挿体の内箱の平面図 (ロ) 同、側面断面図 (ハ) 同、正面断面図
【図4】(イ) 本発明による内挿体の外箱の平面図 (ロ) 同、側面断面図 (ハ) 同、正面断面図
【図5】(イ) 本発明による仕掛け片の平面図 (ロ) 同、側面図 (ハ) 同、正面断面図
【図6】(イ) 仕掛け片の突出状態を保持する突出保持手段の作用を示す側面説明図 (ロ) 仕掛け片を内挿体の内部へ没入させる様態を示す側面説明図
【図7】(イ) 本発明による手品用具の斜視図 (ロ) 内挿体とカバーとの関係を示す斜視説明図 (ハ) 仕掛け片の動作を示す斜視説明図
【図8】(イ)(ロ)(ハ) 2個の用具を用いた手品の基本の流れを示す平面説明図
【図9】(イ) 別実施例の手品を示す平面説明図 (ロ) 別実施例の手品を示す側面説明図
【符号の説明】
【0032】
10 内挿体
10X ダミーの内挿体
11 窓孔
12 窓孔周縁の溝模様
13 窓孔周辺の溝模様
20 内箱
21 突条
22 凸部
23 凹溝
40 外箱
60、60‘ 仕掛け片
61 外端部
62 軸部
63 内端部
64 凹部
65 鍔
66 舌片
67 舌片の先端部
70 カバー
80 カード類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口した略筒状のカバーと、そのカバーの内に挿通自在に装着される内挿体とを備え、内挿体の内部に仕掛け片を設けた手品用具であり、
仕掛け片は、内挿体に設けられた窓孔に露出して把持可能な外端部と、その外端部に連なり、カバーに対する内挿体の挿通方向と略同一の方向に延伸した軸部と、軸部の他端である内端部とから成り、内挿体の窓孔を介して、カバーに対する内挿体の挿通方向と略同一の方向へ移動して、内挿体から出没可能であり、
仕掛け片とそれに接し得る内挿体の部位との双方にそれぞれ、仕掛け片の抜けを抑止する抜出抑止手段と、仕掛け片の突出状態を保持する突出保持手段とを備える
ことを特徴とする手品用具。
【請求項2】
内挿体の窓孔の周縁に、溝模様が設けられると共に、少なくとも内挿体の窓孔の周辺に、窓孔の周縁の溝模様と同様の形状であり仕掛け片の存在を認知困難にする周期的模様が設けられ、
また、仕掛け片の設けられないダミー品との対として用いられる
請求項1に記載の手品用具。
【請求項3】
仕掛け片が、細長い薄板状であると共に、
仕掛け片における抜出抑止手段が、仕掛け片の内端部に設けられた鍔であり、
内挿体における抜出抑止手段が、仕掛け片のその鍔より小径で鍔を係止可能である窓孔の枠部内面であり、
仕掛け片における突出保持手段が、仕掛け片の軸部に設けられ、仕掛け片の外端部寄りから内端部寄りへ向かって延伸するに伴って、軸部から離反する傾斜を有し、その傾斜角を変化可能な弾性を備える舌片であり、
内挿体における突出保持手段が、仕掛け片のその舌片の先端部に当接可能である窓孔の枠部外面であり、
更に、仕掛け片の収納状態を固定する収納固定手段を備え、
その仕掛け片における収納固定手段が、仕掛け片の内端部に設けられた略U字状の弾性部に備わる凹凸であり、
内挿体における収納固定手段が、仕掛け片のその凹凸に係合可能な凹凸である
請求項1または2に記載の手品用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−69024(P2010−69024A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240006(P2008−240006)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(391010529)株式会社テンヨー (33)