説明

手品用具

【課題】 カードを選んだ観者とは別の観者自身にカード当て役を演じさせて手品の不思議さや面白さを増大させることができる手品用具を提供する。
【解決手段】カード21〜25の裏面21b〜25bには各々反射領域31とダミー領域32とが形成されている。反射領域30は入射した光Lをその光Lが入射した向きとは逆向きに反射する再帰反射機能を有する領域であり、ダミー領域32は反射領域31と外観は同じであるが再帰反射機能を有さない領域である。演者は、カード選び役の人に1枚のカードを選んでもらい、選ばれなかったカード21〜24の反射領域31には光Lが照射されない状態にする。カード当て役の人は、カード21〜25の裏面21b〜25bに光源装置40からの光Lを照射しながらカード21〜25を見る。すると、選ばれたカード25の反射領域31だけが光るので、そのカード25が選ばれたカードであることをカード選び役の人だけにこっそり知らせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手が選んだ1つの選択要素を複数の選択要素の中から当てる手品用具、例えば、相手が選んだ1枚のカードを複数のカードの中から当てるカード当てトリック手品用具などに関する。
【背景技術】
【0002】
カード当てトリック手品用具として、複数枚のテーパカードと、当該複数枚のテーパカードを出し入れ可能に収納するケースとを使用するものがある。この種の手品用具は、複数枚のテーパカードの中から1枚のカードを相手に選んでもらい、その選ばれた1枚のカードを残りのカードと上下を逆にして重ね、この状態で全てのカードをケースに収納した後、ケースからカードを取り出す操作を行うと、相手が選んだ1枚のカードのみがケースに残る仕組みになっている。この種の手品用具を使用することにより、複数枚のカードの中から相手が選んだ1枚のカードを当てる手品を誰でも簡単に行うことができる。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−28783号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来のカード当てトリック手品用具では、手品実演の過程でカードをケースに収納してから取り出す操作を行うため、カードをケースに収納したときに何らかの仕掛けが働いたのだろうという印象を観者に与えてしまい、手品の不思議さや面白さを減じてしまう。また、カードをケースから取り出す操作は専ら演者が行う必要があり、観者自身にカード当ての役割を演じさせることはできない。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み創案されたものであり、その目的は、手品実演の過程でカードなど選択要素をケースに収容する操作が不要であり、選択要素を選んだ観者とは別の観者等にその選択要素を当てる役割を演じさせて手品の不思議さや面白さを増大させることができる手品用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[手品用具]
上記目的を達成するべく、本発明の手品用具は、光源装置と複数の選択要素とからなり、当該複数の選択要素は外見上は同じでありながら反射領域を有している選択要素と当該反射領域を有していない選択要素とからなり、前記光源装置を保持した者だけが前記反射領域からの反射光を認識できるように構成したものである。
上記のように構成された手品用具によれば、反射領域を有している選択要素と有していない選択要素とを区別するための情報を光源装置を保持した者だけにこっそり伝達することができる。したがって、たとえば、選択要素を選んだ観者とは別の者に光源装置を保持させることにより、選ばれた選択要素がどれであるかをその反射領域からの反射光により当該別の者だけにこっそり伝達することができる。
【0007】
本発明の手品用具によれば、手品実演の過程で選択要素をケースに収納してから取り出す操作を行う必要がない。このため、従来の手品用具のように、選択要素をケースに収納したときに何らかの仕掛けが働いたのだろうという印象を観者に与えてしまうことはない。また、選ばれた選択要素がどれであるかを、光源装置を保持している人だけに情報をこっそり伝達できるので、手品の不思議さや面白さを増大させることができる。
【0008】
本発明の手品用具において、前記選択要素はカード又は立体物であり、各選択要素には前記反射領域及び外見上は前記反射領域と同じに見えるデザインを施し、特定の選択要素だけその向き(表裏など)或いは姿勢(上下など)を変えることにより、前記光源装置を保持した者だけが前記反射領域からの反射光を認識して特定の選択要素を他の選択要素と区別できるように構成されていることが望ましい。
【0009】
本発明の手品用具には、複数枚のカードと、当該カードの裏面に光を照射するための光源装置とを有し、前記カードの裏面には各々反射領域とダミー領域とが形成されており、前記反射領域は入射した光をその光が入射した向きとは反対の向きに反射する再帰反射機能を有する領域であり、前記ダミー領域は、前記反射領域と外観は同じであるが再帰反射機能を有さない領域であり、前記複数枚のカードの中から少なくとも1枚のカードを選ばせた後、選ばれなかったカードの前記反射領域には前記光源装置からの光が照射されない状態にすることで、選ばれたカードの前記反射領域のみ光らせて、当該カードが選ばれたカードであることを知らせるように構成したものが含まれる。前記光は単色光であることが望ましい。
【0010】
上記のように構成された手品用具によれば、たとえば、以下のステップ1〜5の手順により誰でも簡単にカード当てトリック手品を行うことができる。
ステップ1:演者は、カード選び役の観者(観者の1人)に複数枚の全てのカードの表面を見せて、その中から少なくとも1枚のカードを選んでもらう。
ステップ2:演者は、選ばれなかったカードの反射領域には光源装置からの光が照射されない状態にして、複数枚の全てのカードの裏面側を、カード当て役の観者(カードを選んだ観者とは別の観者)に見せる。
ステップ3:カード当て役の観者の顔の近くに光源装置を配置して、カードの裏面に光源装置からの光を照射する。選ばれなかったカードの反射領域には光源装置からの光が照射されないため、カード当て役の観者は、選ばれたカードの反射領域のみ光るのを視認できる。
ステップ4:カード当て役の観者は、反射領域が光ったカードを指摘する。
ステップ5:演者は、カード当て役の観者が指摘したカードを抜き取って、その表面をカード選び役の観者に見せ、そのカードが確かに選ばれたカードであることを確認する。
【0011】
本発明の手品用具において、前記カードには、前記反射領域及び前記ダミー領域が形成されていないカードの裏面に、再帰反射機能を有する反射シールと、
当該反射シールと外観は同じであるが再帰反射機能を有さないダミーシールとを貼付けたものが含まれる。
【0012】
このカード当てトリック手品用具は、普通のトランプカード等に反射シールとダミーシールとを貼付けたものを前記カードとして用いることができる。
【0013】
また、本発明のカード当てトリック手品用具には、前記反射領域及び前記ダミー領域が前記カードの裏面のそれ以外の領域と区別できない態様で形成されているものも含まれる。
【0014】
[カード当てトリック手品用カード]
本発明のカード当てトリック手品用カードは、カード(前記反射領域及び前記ダミー領域が形成されていないカード)の裏面に、再帰反射機能を有する反射シールと、当該反射シールと外観は同じであるが再帰反射機能を有さないダミーシールとを貼付けたものである。
【0015】
このカード当てトリック手品用カードは、反射領域及びダミー領域が形成されていないカードの裏面に、反射シールとダミーシールとを貼付けたものであるので、普通のトランプカード等を用いて製造できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の手品用具によれば、手品実演の過程で選択要素をケースに収容する操作を行わないので、選択要素をケースに収納したときに何らかの仕掛けが働いたのだろうという印象を観者に与えることなくトリック手品を行うことができる。また、反射領域が光った選択要素を指摘することにより、選ばれた選択要素を当てることができるので、誰でも簡単にトリック手品を行うことができる。しかも、選択要素を選んだ観者とは別の観者自身等に選択要素を当てる役割を演じさせて手品の不思議さや面白さを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る手品用具の実演状態を例示する斜視図
【図2】(a)〜(e):カード(選択要素)の表面の形態を例示する平面図 (f)〜(j):カード(選択要素)の裏面の形態を例示する平面図
【図3】カード当てトリック手品の実演手順の一例を示す説明図
【図4】光源装置を観者の眉間辺りに装着した状態を例示する正面図
【図5】(a)〜(d):カード(選択要素)の別の形態を例示する平面図
【図6】(a):マスターカードの形態を例示する平面図 (b)〜(f):伝達カード(選択要素)の形態を例示する平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
[第1の実施形態]
図1は手品用具の実演状態における斜視図である。この手品用具10は、複数枚(この例では5枚)のカード(選択要素)21〜25と、カード21〜25の裏面21b〜25bに光Lを照射するための光源装置40と、カードスタンド50と、を有する。
カード21〜25は、トランプカードを摸したカードすなわち、四隅が丸みを帯びた長方形の同形同寸のカードであり、図2(f)〜(j)に示すように、裏面21b〜25bには、いかにもトランプカードらしい上下左右対称の同一図柄が印刷されている。
図2(a)〜(e)に示すように、カード21〜25の表面21a〜25aには、各々異なる記号、図柄、写真、等が記載されている。この例では、カード21〜25の順に、「いいお友達でいましょう(0%)」、「ふつうです(20%)」、「ちょっといいかも(50%)」、「大好き!(80%)」、「愛してる!(100%)」という有意文字列(好感度を示す数値(%)及びハート記号を含む)が印刷により記載されている。
【0019】
各カード21〜25の裏面21b〜25bには各々反射領域31とダミー領域32とが形成されている。反射領域31は、カード21〜25の上端近傍に形成されている。ダミー領域32は、カード21〜25の下端近傍に形成されている。反射領域31とダミー領域32は、カード21〜25を上下逆転させたときに互いの元の位置と重なる位置に形成されている。
反射領域31は入射した光をその光が入射した向きとは逆向きに反射する再帰反射機能を有する領域である。
ダミー領域32は、反射領域31と外観は同じであるが再帰反射機能を有さない領域である。
【0020】
カード21〜25は、反射領域31及びダミー領域32が形成されていないカードの裏面21b〜25bに、再帰反射機能を有する円形の反射シール51と、反射シール51と外観は同じであるが再帰反射機能を有さないダミーシール52とを貼付けたものである。
【0021】
光源装置40は、白色の本体41と、本体41の前面部に設けられた赤色(波長660nm)のLED(Light Emitting Diode)42とを有する。本体41は、人の目の形を摸した横長のドーム形状に形成されている。LED42は、本体41の前面部の中央部に設けられている。本体41の内部には、LED42を点滅発光させる駆動回路とその電力源となる電池(ボタン形電池)が収容され、側部の目立たない位置に、駆動回路をオン/オフするためのスイッチ43が設けられている。また、本体41の裏面部には、粘着層44が設けられている。粘着層44の表面はカバーシート45で覆われている。
【0022】
カードスタンド50は、カード21〜25の下端部を狭持するスリットを全長に亘って有する狭持部51と、狭持部51の下端に一体化した座部52とを有し、狭持部51にカード21〜25の下端部を挟み込むことにより、これら5枚のカード21〜25を少しずつ重ねた状態で横並びに並べて保持できるように構成されている。カードスタンド50は不透明の樹脂でできているため、カード21〜25がカードスタンド50に保持されているとき、カード21〜25の下側に位置する反射領域31及びダミー領域32は視認できない。したがって、この状態でカード21〜25の裏面21b〜25bに光源装置40からの光Lを照射すると、全ての反射領域31及びダミー領域32のうち、カード21〜25の上側に位置する反射領域31及びダミー領域32にのみ光Lが照射されることになる。
【0023】
この手品用具10によるカード当てトリック手品は、1人の演者と少なくとも2人の観者が参加して行われる。
以下、この手品用具10を用いて手品を実演する手順の一例について、図3を用いて説明する。
演者は、先ず図3(a)に示すように、観者のうちの1人(以下この観者を「カード選び役の観者」とする。)に5枚のカード21〜25の表面21a〜25aを見せ、その中からその場所にいる特定の別の観者(以下この観者を「カード当て役の観者」とする。)に対する思いを表した言葉が記載されている1枚のカードを選んでもらう(前記ステップ1)。このとき選ばれたカードの内容を知っているのは、そのカードを選んだ本人すなわちカード選び役の観者のみであり、演者がカードの内容を把握しておく必要はない。
カード21〜25の表面21a〜25aには、「いいお友達でいましょう(0%)」、「ふつうです(20%)」、「ちょっといいかも(50%)」、「大好き!(80%)」、「愛してる!(100%)」といった、人に対する思い(気持ち、心情、印象、等)を表した有意文字列が記載されているので、観者のうちの1人が選び役になり、その場所にいる特定の別の観者に対する思いを表した言葉が記載されている1枚のカードを選ぶことにより、カードを選んだ人が相手のことをどう思っているのかという興味が高まる。多くの場合、最も強く興味を持つのは当該別の観者すなわちカード当て役の観者であろう。
【0024】
次に演者は、図3(b)に示すように、カード選び役の観者に、その人が選んだカードを抜き取ってもらう。この例では「愛してる!(100%)」という言葉が記載されたカード25が選ばれている。
【0025】
次に演者は、「本当にこのカードで良いですか?」などと確認の言葉をかけながら、図3(c)に示すように、選ばれなかった4枚のカード21〜24を観者に気付かれないように上下逆さまにした後、選ばれたカード25をカード選び役の観者から受け取り、4枚のカード21〜24と重ねる。
【0026】
次に演者は、図3(d)に示すように、5枚のカード21〜25を伏せた状態でシャッフルする。
【0027】
次に演者は、図3(e)に示すように、表面21a〜25aが観者側から或いは自分からも見えないようにして5枚のカード21〜25をカードスタンド50に保持させてテーブル上に立て、5枚のカード21〜25の裏面21b〜25b側を観者側に向ける。このとき、選ばれなかったカード21〜24の反射領域31はカードスタンド50によって光Lが遮断された状態にあり、5枚のカード21〜25の反射領域31のうち、選ばれたカード25の反射領域31にのみ光Lが照射可能な状態になっている(前記ステップ2)。
【0028】
次に演者は、光源装置40をカード当て役の観者に持たせ、「これは第三の目です。眉間の辺りで光らせながらカードを見てください。」といった言葉をかけ、カード当て役の観者に対し、その人の眉間の辺りに光源装置40を配置して、カード21〜25の裏面21b〜25bに光源装置40からの光Lを照射しながらカードを見るよう促す(前記ステップ3)。光源装置40の裏面のカバーシート45を剥がし粘着層44を露出させれば、粘着層44の粘着力によって光源装置40をカード当て役の観者Hの眉間の辺りに貼り着けて保持することができる。
図3(f)に示すように、選ばれなかったカード21〜24の反射領域31には光源装置40からの光Lが照射されないため、カード当て役の観者は、選ばれたカード25の反射領域31だけが光る(点滅する)のを視認する。反射領域31からの光を認識できるのはカード当て役の観者だけであり、その他の者は演者も含めて誰も認識できない。
演者は、すかさずカード当て役の観者に対し「○○さんが選んだカードはどれですか?」と言葉をかける。
カード当て役の観者は、反射領域31が光ったカード25を指摘する(前記ステップ4)。
【0029】
演者は、カード当て役の観者が指摘したカード25を抜き取って、その表面25aを観者全員に見せるともに、そのカード25aが確かに自分が選んだカードであることをカード選び役の観者に確認してもらう(前記ステップ5)。
【0030】
このように、本発明の手品用具10によれば、手品実演の過程でカード21〜25をケースに収納してから取り出す操作を行う必要がない。このため、従来の手品用具のように、カードをケースに収納したときに何らかの仕掛けが働いたのだろうという印象を観者に与えてしまうことはない。また、カードを選んだ観者とは別の観者自身にカード当ての役割を演じさせて手品の不思議さや面白さを増大させることができる。
【0031】
なお、上記の例では、カード21〜25として、カードの裏面21b〜25bに、反射シール51及びダミーシール52を貼付けたものを使用しているが、反射領域31及びダミー領域32を印刷により形成したカード21〜25を使用してもよい。
【0032】
また、上記の例では、反射領域31及びダミー領域32がカード21〜25の裏面21b〜25bのそれ以外の領域と明確に区別できるデザインになっているが、反射領域31及びダミー領域32がそれ以外の領域と区別しにくい態様で形成されていてもよい。反射領域31がカード21〜25の裏面21b〜25bのそれ以外の領域と区別できない態様で形成されている場合、ダミー領域32を別途形成する必要はない。つまりダミー領域32は事実上省略可能である。
【0033】
また、上記の例では、カード21〜25の表面21a〜25aに文字情報が記載されているが、文字情報の代わりに事物の図柄や写真を記載してもよい。また、表面が無地(白紙)のカードを使用し、手品を実演するその場で、カードの表面に手書きにより言葉や事物の図柄を記載してもよい。表面が無地のカードを使用することにより、例えば、その場にいる人の名前や、職場の上司の名前を各カードに記載し、観者の一人に好きな人或いは嫌いな人のカード選んでもらうなどして様々な趣向のカード当てトリック手品を楽しむことができる。
【0034】
また、上記の例では、光源装置40が赤色のLED42を備えているが、青色、緑色などその他の単色光源を備えたものを使用してもよい。また、複数色、例えば赤、青、緑の3色のLEDを備え、何れか一つを選択的に発光させたり、複数の光源を同時に発光させたりすることができるように光源装置40を構成してもよい。この構成によれば、カード当てトリック手品を実演する部屋の明るさや照明の色などに応じて、反射領域31からの反射光を判別しやすい最適の発光色を選択することができる。
【0035】
また、上記の例では、光源装置40をカード当て役の観者の眉間辺りに貼り着けて使用できるように構成したが、光源装置40を眼鏡のブリッジ部に取り付けるようにしてもよい。また、光源装置40をそのブリッジ部に搭載した眼鏡型装着具を用意しておき、これをカード当て役の観者が装着してカード当てを行うようにしてもよい。
【0036】
また、上記の例では、カード21〜25がカードスタンド50に保持されているとき、カード21〜25の下側に位置する反射領域31及びダミー領域32がカードスタンド50によって隠され視認できない状態になっているが、カードスタンド50に保持されているときにおいても、カード21〜25の下側に位置する反射領域31及びダミー領域32を視認可能とし、その代わりに、カード21〜25の向きや姿勢によって、光源装置40を保持した者だけが反射領域31からの反射光を認識できるようにしてもよい。
【0037】
[第2の実施形態]
図5は本発明に係る手品用具の別の実施形態を示している。この手品用具60は、複数(この例では4枚)のカード(選択要素)71〜74と、第1の実施形態と同様の光源装置40とからなる。4枚のカード(選択要素)71〜74は全て外見上は同じでありながら、反射領域31を有している1枚のカード71と、反射領域31を有していない3枚の72〜74とからなり、光源装置40を保持した者だけが反射領域31からの反射光を認識できるように構成されている。
4枚のカード71〜74は、全て同じ位置(この例ではカードの中心)にダミー領域31を有している。反射領域31は、カード71のダミー領域31に反射シール51を貼り着けることにより形成される。
【0038】
この手品用具60によれば、観者が選んだカードのダミー領域32に助手が反射シール51をこっそり貼り、演者が光源装置40を保持して4枚のカード71〜74を観察し、反射シール51が光ったカードを指摘する、といったカード当てトリック手品を演じることができる。演者の代わりに、カード選び役の観者とは別の観者に光源装置40を保持させれば、当該別の観者自身にカードを当ててもらうことができる。
【0039】
[第3の実施形態]
図6は本発明に係る手品用具の更に別の実施形態を示している。この手品用具70は、1枚のマスターカード81と、複数(この例では5枚)の伝達カード(選択要素)91〜95と、第1の実施形態と同様の光源装置40とからなる。
マスターカード81には、いろいろな言葉(この例では、1:花、2:虫、3:鳥、4:木、5:魚)が記載されている。伝達カード91〜95の表面には、マスターカード81に記載されている5つの言葉に対応する5つの絵柄と各絵柄の番号(「1」〜「5」)が記載されている。5枚の伝達カード91〜95は全て外見上は同じであるが、各カード91〜95ごとに異なる1つの絵柄の番号(「1」〜「5」)部分が反射領域31になっている。
【0040】
この手品用具70によれば、伝達カード91〜95を全て助手がポケット等に隠し持っておき、マスターカード81に記載されている言葉の中の1つを観者から助手にこっそり伝えてもらい、その言葉の番号が反射領域31になっている伝達カードだけを助手がポケット等から取り出し、その伝達カードの表面を光源装置40を保持した演者又は観者が見て、反射領域31が光った番号の絵柄を指摘する、といった事物当てトリック手品を演じることができる。
【0041】
なお、上記の例では、絵柄の番号部分が反射領域31になっているが、絵柄部分を反射領域31にしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10:手品用具(カード当てトリック手品用具)
21〜25:カード(選択要素)
21a〜25a:表面
21b〜25b:裏面
31:反射領域
32:ダミー領域
40:光源装置
50:カードスタンド
51:反射シール
52:ダミーシール
71〜74 カード(選択要素)
91〜95 伝達カード(選択要素)
L:光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置と複数の選択要素とからなり、当該複数の選択要素は外見上は同じでありながら反射領域を有している選択要素と当該反射領域を有していない選択要素とからなり、前記光源装置を保持した者だけが前記反射領域からの反射光を認識できるように構成した手品用具。
【請求項2】
前記選択要素はカード又は立体物であり、各選択要素には前記反射領域及び外見上は前記反射領域と同じに見えるデザインを施し、特定の選択要素だけその向き又は姿勢を変えることにより、前記光源装置を保持した者だけが前記反射領域からの反射光を認識して特定の選択要素を他の選択要素と区別できるようにした請求項1に記載の手品用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−194(P2013−194A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131693(P2011−131693)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(391010529)株式会社テンヨー (33)