説明

手振れ補正装置及び撮像装置

【課題】小型化を図ることができる手振れ補正装置及び撮像装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る手振れ補正装置は、基板と、前記基板上に設けられ、前記基板に対して固定された固定部と、前記基板上における前記固定部の周囲に設けられ、前記固定部に対して、前記基板の面内における第1の方向に移動が可能な連結部と、前記基板上に設けられ、前記固定部及び前記連結部の周囲に配置され、前記連結部に対して、前記基板の面内における前記第1の方向に対して交差する第2の方向に移動が可能な可動部と、一端は、前記固定部に接続され、他端は、前記連結部に接続され、上面に配線が設けられた第1バネ部と、一端は、前記連結部に接続され、他端は、前記可動部に接続され、上面に配線が設けられた第2バネ部と、前記固定部と前記連結部との間に設けられた第1ダンパーと、前記連結部と前記可動部との間に設けられた第2ダンパーと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、手振れ補正装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の固体撮像装置には、撮像時の手振れを抑えるため、結像レンズとイメージセンサ間の相対位置を調整する手振れ補正装置が設けられている。既存の手振れ補正装置には、電磁アクチュエータ方式のVCM(Voice Coil Motor:ボイスコイルモーター)が幅広く使われている。近年、撮像素子の小型化に伴い、手振れ補正装置についても小型化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、小型化を図ることができる手振れ補正装置及び撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る手振れ補正装置は、基板と、前記基板上に設けられ、前記基板に対して固定された固定部と、前記基板上における前記固定部の周囲に設けられ、前記固定部に対して、前記基板の面内における第1の方向に移動が可能な連結部と、前記基板上に設けられ、前記固定部及び前記連結部の周囲に配置され、前記連結部に対して、前記基板の面内における前記第1の方向に対して交差する第2の方向に移動が可能な可動部と、一端は、前記固定部に接続され、他端は、前記連結部に接続され、上面に配線が設けられた第1バネ部と、一端は、前記連結部に接続され、他端は、前記可動部に接続され、上面に配線が設けられた第2バネ部と、前記固定部と前記連結部との間に設けられた第1ダンパーと、前記連結部と前記可動部との間に設けられた第2ダンパーと、を備える。
【0006】
また、実施形態に係る手振れ補正装置は、基板と、前記基板に形成された貫通孔の直下領域の内部に設けられ、前記基板の面内において移動が可能な可動部と、前記基板の下面に設けられた固定部と、前記固定部と前記可動部との間に配置され、前記基板の面内において移動が可能な連結部と、一端は、前記固定部に接続され、他端は、前記連結部に接続され、下面に配線が設けられた第1バネ部と、一端は、前記連結部に接続され、他端は、前記可動部に接続され、下面に配線が設けられた第2バネ部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
【図2】第1の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する断面図であり、(a)は、図1に示すA−A’線による断面図であり、(b)は、図1に示すB−B’線による断面図であり、(c)は、図1に示すC−C’線による断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る撮像装置を模式的に例示する図である。
【図4】(a)第1の実施形態に係る手振れ補正装置の動作を模式的に例示する平面図であり、(b)は、その断面図である。
【図5】第1の実施形態における手振れの挙動を例示する図であり、(a)は、手振れ前を例示する図であり、(b)は、手振れ補正装置が設けられていない場合の図であり、(c)は、手振れ補正装置が設けられている場合の図である。
【図6】第2の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
【図7】第2の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する断面図であり、(a)は、図4に示すA−A’線による断面図であり、(b)は、図4に示すB−B’線による断面図であり、(c)は、図4に示すC−C’線による断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る手振れ補正装置が設けられている場合の手振れの挙動を例示する図である。
【図9】第3の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
【図10】第3の実施形態における第2のバネ部を例示する平面図である。
【図11】第4の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
【図12】第4の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する断面図であり、(a)は、図9に示すA−A’線による断面図であり、(b)は、図9に示すB−B’線による断面図である。
【図13】(a)〜(d)は、第5の実施形態に係る手振れ補正装置の製造方法を例示する工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
図2は、第1の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する断面図であり、(a)は、図1に示すA−A’線による断面図であり、(b)は、図1に示すB−B’線による断面図であり、(c)は、図1に示すC−C’線による断面図である。
図3は、第1の実施形態における手振れの挙動を例示する図であり、(a)は、手振れ前を例示する図であり、(b)は、手振れ補正装置が設けられていない場合の図であり、(c)は、手振れ補正装置が設けられている場合の図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る手振れ補正装置1は、基板10、固定部11、連結部としての枠状中間部12、可動部13、固定部11と枠状中間部12とを連結する第1バネ部14及び枠状中間部12と可動部13とを連結する第2バネ部15を含んでいる。
なお、後述するように、可動部13上にはCIS(CMOS Image Sensor:CMOSイメージセンサ)48が配置されているが、図1においては図示を省いている。また、図1において、手振れ補正装置1を説明するために、XY直交座標系を採用する。このXY直交座標系においては、図面の上方を+Y方向、その逆方向を−Y方向とする。「+Y方向」及び「−Y方向」を総称して「Y方向」ともいう。+Y方向から時計の針が回転する方向に90度回転した方向を+X方向、その逆方向を−X方向とする。「+X方向」及び「−X方向」を総称して「X方向」ともいう。
【0010】
基板10は、例えば、シリコン層、絶縁膜及び支持基板を含むSOI(silicon on insulator)基板における支持基板である。
基板10上には、H型の固定部11が設けられている。固定部11は、例えば、SOI基板のシリコン層を加工して形成されたものである。固定部11は、X方向に長い矩形の板状部16と、板状部16の+X方向の端部から+Y方向に突出した矩形の板状部17aと、板状部16の+X方向の端部から−Y方向に突出した矩形の板状部17bと、板状部16の−X方向の端部から+Y方向に突出した矩形の板状部17cと、板状部16の−X方向の端部から−Y方向に突出した矩形の板状部17dとを含んでいる。
【0011】
図2(b)に示すように、固定部11と基板10との間には絶縁膜18が設けられている。絶縁膜18は、例えば、SOI基板における埋込絶縁膜を加工して形成されたものである。一方、枠状中間部12及び可動部13と基板10との間には、絶縁膜18は設けられていない。
固定部11の中央部に、X方向に並んで2本の貫通電極19が設けられている。貫通電極19は、基板10の裏面20から、基板10、絶縁膜18及び固定部11を貫通して設けられている。
【0012】
固定部11における板状部17aと板状部17cとの間には、櫛状部21aが設けられている。櫛状部21aは、固定部11における+Y方向側のX方向に延びる辺に沿って、−Y方向に複数の切込み22が形成されたものである。固定部11における切込み22間に相当する部分は、+Y方向に突出した凸部23となっている。
同様に、固定部11における板状部17bと板状部17dとの間には、櫛状部21bが設けられている。櫛状部21bは、固定部11における−Y方向側のX方向に延びる辺に沿って、+Y方向に複数の切込み22が形成されたものである。固定部11における切込み22間に相当する部分は、−Y方向に突出した複数の凸部23となっている。
凸部23と基板10との間には絶縁膜18は設けられていない。すなわち、複数の凸部23は、固定部11の本体部分によって支持されている。
【0013】
基板10上における固定部11の周囲には、固定部11を囲むように、枠状中間部12が設けられている。すなわち、枠状中間部12の枠の内側に、H型の固定部11が配置されている。枠状中間部12は、2本のX方向に延びる辺部材24a及び24bと2本のY方向に延びる辺部材25a及び25bとが接合して四角形の枠の形状とされている。枠状中間部12において、辺部材24aは+Y方向側の辺に相当し、枠24bは−Y方向側の辺に相当し、枠25aは+X方向側の辺に相当し、枠25bは−X方向側の辺に相当する。
【0014】
枠状中間部12における辺部材24aの内側には、T字型の板状部26aが設けられている。板状部26aは、辺部材24aに接合された矩形の板状部27aと、板状部27aの−Y方向の端部に接合されたX方向に延びる板状部28aとを含んでいる。板状部28aのX方向の長さは、板状部27aのX方向の長さより長い。板状部28aは、固定部11の櫛状部21aに対向するように設けられている。板状部28aの−Y方向側には、−Y方向に突出した複数の凸部29が設けられている。各凸部29は、櫛状部21aにおける各切込み22内に挿入されている。各凸部29と凸部23との間には隙間が設けられている。この隙間の内部は空気層となっている。複数の凸部23と、複数の凸部29とで第1のダンパー30aが形成されている。
【0015】
枠状中間部12における辺部材24bの内側には、T字型の板状部26bが設けられている。板状部26bは、辺部材24bに接合された矩形の板状部27bと、板状部27bの+Y方向の端部に接合されたX方向に延びる板状部28bとを含んでいる。板状部28bのX方向の長さは、板状部27bのX方向の長さより長い。板状部28bは、固定部11の櫛状部21bに対向するように設けられている。板状部28bの+Y方向側には、+Y方向に突出した複数の凸部29が設けられている。各凸部29は、櫛状部21aにおける各切込み22内に挿入されている。各凸部29と凸部23との間には隙間が設けられている。この隙間の内部は空気層となっている。複数の凸部23と、複数の凸部29とで第1のダンパー30bが形成されている。
辺部材25aの中央部には、+X方向に突出した複数の凸部35が設けられている。辺部材25bの中央部には、−X方向に突出した複数の凸部35が設けられている。
【0016】
枠状中間部12と固定部11とは、4本の第1のバネ部14a〜14dにより連結されている。第1のバネ部14a〜14dと基板10との間には、絶縁膜18は設けられていない。各第1のバネ部の形状は、両端部がY方向に延びて枠状中間部12及び固定部11におけるY方向に面した側面に連結され、中間部がX方向に迂回するように湾曲したU字型である。これにより、Y方向について、枠状中間部12を固定部11に対して一定の範囲内で移動可能としている。以下、第1のバネ部14a〜14dのそれぞれの形状を、より詳細に説明する。
【0017】
第1のバネ部14aは、辺部材24aと板状部28aとの間及び辺部材25aと板状部27aとの間に設けられている。
第1のバネ部14aにおいては、X方向に延びる2本の矩形の板状部32a、33aの−X方向の端部が、Y方向に延びる矩形の板状部34aによって相互に連結され、2本の板状部32a及び33aのうち固定部11側の板状部32aの+X方向の端部が−Y方向に屈曲して、固定部11の板状部17aに連結され、2本の板状部32a及び33aのうち枠状中間部12側の板状部33aの+X方向の端部が+Y方向に屈曲して、枠状中間部12の枠24aに連結されている。
【0018】
第1のバネ部14bは、辺部材24bと板状部28bとの間及び辺部材25aと板状部27bとの間に設けられている。
第1のバネ部14bにおいては、X方向に延びる2本の矩形の板状部32b、33bの−X方向の端部が、Y方向に延びる矩形の板状部34bによって相互に連結され、2本の板状部32b及び33bのうち固定部11側の板状部32bの+X方向の端部が+Y方向に屈曲して、固定部11の板状部17bに連結され、2本の板状部32b及び33bのうち枠状中間部12側の板状部33bの+X方向の端部が−Y方向に屈曲して、枠状中間部12の枠24bに連結されている。
【0019】
第1のバネ部14cは、辺部材24aと板状部28aとの間及び辺部材25bと板状部27aとの間に設けられている。
第1のバネ部14cは、X方向に延びる2本の矩形の板状部32c、33cの+X方向の端部が、Y方向に延びる矩形の板状部34cによって相互に連結され、2本の板状部32c及び33cのうち固定部11側の板状部32cの−X方向の端部が−Y方向に屈曲して、固定部11の板状部17cに連結され、2本の板状部32c及び33cのうち枠状中間部12側の板状部33cの−X方向の端部が+Y方向に屈曲して、枠状中間部12の枠24bに連結されている。
【0020】
第1のバネ部14dは、辺部材24bと板状部28bとの間及び辺部材25bと板状部27bとの間に設けられている。
第1のバネ部14dは、X方向に延びる2本の矩形の板状部32d、33dの+X方向の端部が、Y方向に延びる矩形の板状部34dによって相互に連結され、2本の板状部32d及び33dのうち固定部11側の板状部32dの−X方向の端部が+Y方向に屈曲して、固定部11の板状部17dに連結され、2本の板状部32b及び33bのうち枠状中間部12側の板状部33bの−X方向の端部が−Y方向に屈曲して、枠状中間部12の枠24bに連結されている。
【0021】
枠状中間部12の周囲には、枠状中間部12を囲むように、可動部13が設けられている。すなわち、可動部13の枠の内側に、枠状中間部12が配置されている。可動部13は、2本のX方向に延びる辺部材36a及び36bと2本のY方向に延びる辺部材37a及び37bとが接合して四角形の枠の形状とされている。可動部13において、辺部材36aは+Y方向側の辺に相当し、辺部材36bは−Y方向側の辺に相当し、辺部材37aは+X方向側の辺に相当し、辺部材37bは−X方向側の辺に相当する。
【0022】
辺部材37aの内側における+Y方向の端と−Y方向の端には、矩形の台座部38a及び38bが設けられている。また、辺部材37aの内側の中央部には、−X方向に突出した複数の凸部39が設けられている。各凸部39は、枠状中間部の枠25aの+X方向に突出した各凸部35の間に配置されている。複数の凸部35と、複数の凸部39とで第2のダンパー99aが形成されている。
【0023】
辺部材37bの内側における+Y方向の端と−Y方向の端には、矩形の台座部38c及び38dが設けられている。また、辺部材37bの内側の中央部には、+X方向に突出した複数の凸部39が設けられている。各凸部39は、枠状中間部の枠25bの−X方向に突出した各凸部35の間に配置されている。複数の凸部35と、複数の凸部39とで第2のダンパー99bが形成されている。凸部35と凸部39との間には隙間が形成されており、空気層となっている。
【0024】
可動部13と枠状中間体12とは、4本の第2のバネ部15a〜15dにより連結されている。第2のバネ部と基板10との間には、絶縁膜18は設けられていない。各第2のバネ部の形状は、両端部がX方向に延びて可動部13及び枠状中間部12におけるX方向に面した側面に連結され、中間部がY方向に迂回するように湾曲したU字型である。これにより、X方向について、可動部13を枠状中間部12に対して一定の範囲内で移動可能としている。以下、第2のバネ部15a〜15dのそれぞれの形状を、より詳細に説明する。
【0025】
第2のバネ部15aは、台座部38aと辺部材25aとの間及び辺部材36aと凸部35との間に設けられている。
第2のバネ部15aにおいては、Y方向に延びる2本の矩形の板状部40a、41aの−Y方向の端部が、X方向に延びる矩形の板状部42aによって相互に連結され、2本の板状部40a及び41aのうち枠状中間部12側の板状部40aの+Y方向の端部が−X方向に屈曲して枠状中間部12の辺部材25aにおける+Y方向の端部に連結され、可動部13側の板状部41aの+Y方向の端部が+X方向に屈曲して台座部38aに連結されている。
【0026】
第2のバネ部15bは、台座部38bと辺部材25aとの間及び辺部材36bと凸部35との間に設けられている。
第2のバネ部15bにおいては、Y方向に延びる2本の矩形の板状部40b、41bの+Y方向の端部が、X方向に延びる矩形の板状部42bによって相互に連結され、2本の板状部40b及び41bのうち枠状中間部12側の板状部40bの−Y方向の端部が−X方向に屈曲して枠状中間部12の辺部材25aにおける−Y方向の端部に連結され、可動部13側の板状部41bの−Y方向の端部が+X方向に屈曲して台座部38bに連結されている。
【0027】
第2のバネ部15cは、台座部38cと辺部材25bとの間及び辺部材36aと凸部35との間に設けられている。
第2のバネ部15cにおいては、Y方向に延びる2本の矩形の板状部40c、41cの−Y方向の端部が、X方向に延びる矩形の板状部42cによって相互に連結され、2本の板状部40c及び41cのうち枠状中間部12側の板状部40cの+Y方向の端部が+X方向に屈曲して枠状中間部12の辺部材25bにおける+Y方向の端部に連結され、可動部13側の板状部41cの+Y方向の端部が−X方向に屈曲して台座部38cに連結されている。
【0028】
第2のバネ部15dは、台座部38dと辺部材25bとの間及び辺部材36bと凸部35との間に設けられている。
第2のバネ部15dにおいては、Y方向に延びる2本の矩形の板状部40d、41dの+Y方向の端部が、X方向に延びる矩形の板状部42dによって相互に連結され、2本の板状部40d及び41dのうち枠状中間部12側の板状部40dの−Y方向の端部が+X方向に屈曲して枠状中間部12の辺部材25bにおける−Y方向の端部に連結され、可動部13側の板状部41dの−Y方向の端部が−X方向に屈曲して台座部38dに連結されている。
【0029】
可動部13における辺部材36a、36b、37a及び37bの上面43には、複数の電極パッド44が、各辺部材が延びる方向に沿って設けられている。
可動部13の上面には、辺部材36a、36b、37a及び37bに沿って、配線45が設けられており、電極パッド44に接続されている。また、第2のバネ部15の上面には、第2のバネ部15の板状部41、板状部42及び板状部40に沿って配線46が設けられている。そして、配線45は、配線46に接続されている。
【0030】
第1のバネ部14の上面にも、第1のバネ部14の板状部33、板状部34、板状部32に沿って配線47が設けられている。これにより、電極パッド44は、配線45、配線46、枠状中間部14上の配線、配線47及び固定部11の配線を介して貫通電極19と接続されている。
【0031】
次に、本実施形態に係る撮像装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る撮像装置を模式的に例示する図である。
図3に示すように、本実施形態に係る撮像装置100においては、筐体101が設けられており、筐体101には、結像レンズ90が取り付けされている。撮像装置100には、結像レンズ90を含む撮像光学系が設けられている。また、筐体101の内部には、前述の手振れ補正装置1が設けられている。手振れ補正装置1の基板10は、筐体101に対して固定されている。また、手振れ補正装置1の可動部13上には、CIS48が設けられている。CIP48は可動部13に対して固定されている。CIS48の上面には、複数個の画素51がマトリクス状に形成されている。CIS48には、貫通電極が設けられている。貫通電極49の下面は、バンプ50を介して電極パッド48に接続されている。
【0032】
次に、本実施形態に係る手振れ補正装置1の動作について説明する。
図4(a)は、本実施形態に係る手振れ補正装置1の動作を模式的に例示する平面図であり、(b)はその断面図である。
図4(a)及び(b)に示すように、固定部11は基板10に対して固定されている。一方、枠状中間部12は、第1のバネ部14a〜14dが撓むことによって、固定部11に対して一定の範囲内でY方向に移動可能である。このとき、櫛状部21aの凸部23と櫛状部21bの凸部29との間の空気層がクッションの役目を果たすことにより、枠状中間部12の急激な移動を緩和し、枠状中間部12が固定部11に衝突することを防止する。なお、図4(a)及び(b)においては、第1のバネ部14a〜14d及び櫛状部21と櫛状部21bとの間の空気層を、バネの図形によって示している。
【0033】
また、可動部13は、第2のバネ部15a〜15dが撓むことによって、枠状中間部12に対して一定の範囲内でX方向に移動可能である。このとき、凸部35と凸部39との間の空気層がクッションの役目を果たすことにより、可動部13の急激な移動を緩和し、可動部13が枠状中間部12に衝突することを防止する。なお、図B(a)及び(b)においては、第2のバネ部15a〜15d及び凸部35と凸部39との間の空気層を、バネの図形によって示している。
【0034】
このように、可動部13は枠状中間部12に対してX方向に移動可能であり、枠状中間部12は固定部11に対してY方向に移動可能であるため、可動部13は固定部11に対して、X方向及びY方向の双方に関して、一定の範囲内で移動可能である。従って、CIS48の画素51は、撮像装置100の筐体101に対して、一定の範囲内で移動可能である。
【0035】
次に、撮像時に手振れを防止する動作について説明する。
図5(a)に示すように、手振れ前は、結像レンズ90の光軸上に、CIS48の受光面が配置されている。そして、被写体の一点Pから発した光91は、結像レンズ90によって、ある1つの画素51aに集光する。これにより、CIS48の受光面に、被写体の画像が結像される。
図5(b)に示すように、本実施形態に係る手振れ補正装置1を組み込んでいない撮像装置を用いて撮像する際に、撮像装置を持っている手が動いてしまった場合を考える。
撮像装置が移動するのに伴って、露光時間の間に、撮像装置から見た被写体の方向が変化し、点Pから発した光91が結像レンズ90に入射する角度も変化するため、光91は画素51aから外れた位置に集光する。これによって、手振れが発生する。
【0036】
一方、図5(c)に示すように、本実施形態に係る手振れ補正装置1を組み込んだ撮像装置においても、撮像中に手を動かしてしまった場合には、撮像装置から見た被写体の方向が変化する。しかしながら、本実施形態に係る撮像装置100には手振れ補正装置1にが組み込まれているため、CIS48は撮像装置100の筐体101に対して移動可能である。このため、画素51aは、撮像装置100の移動に対して、少し遅れて追従する。この結果、露光時間中におけるCIS48の受光面における光91の集光点の移動距離を短くすることができる。これにより、手振れを防止又は軽減することができる。
【0037】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る手振れ補正装置1によれば、手振れを防止又は軽減することができる。
また、光の入射方向から見て、可動部13をCIS48と同じサイズとし、手振れ補正装置1とCISとをフリップチップボンディングし、固定部11を枠状の可動部13の内部に配置することにより、手振れ補正装置1とCISとを同じサイズとすることができる。更に、手振れ補正装置1における固定部11と可動部13とをバネ部の上面に形成された配線で接続しているので、ワイヤーボンディングする必要はない。よって、手振れ補正装置1を小型化することができる。
更にまた、手振れ補正装置1は電力を必要としないため、手振れ補正装置1に電源装置を設ける必要がない。これによっても、手振れ補正装置1を小型化することができる。手振れ補正装置1を小型化することにより、撮像装置100も小型化することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
図7は、第2の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する断面図であり、(a)は、図6に示すA−A’線による断面図であり、(b)は、図6に示すB−B’線による断面図であり、(c)は、図6に示すC−C’線による断面図である。
図8は、第2の実施形態に係る手振れ補正装置が設けられている場合の手振れの挙動を例示する図である。
【0039】
図6及び図7に示すように、本実施形態に係る手振れ補正装置2においては、固定部11が、4つの部分に分割されている。すなわち、櫛状部21a及び21bにおける最も+X方向にある凸部23の+X方向側の側面を結ぶ線52aより+X方向側に配置された矩形の板状部53a、櫛状部21a及び21bにおける最も−X方向にある凸部23の−X方向側の側面を結ぶ線52bより−X方向側に配置された矩形の板状部53b、線52a及び線52bで挟まれた部分をY方向に分割したうちの+Y方向側の矩形の板状部54a並びに線52a及び線52bで挟まれた部分をY方向に分割したうちの−Y方向側の矩形の板状部54bの4つに分割されている。貫通電極19は、板状部53a、板状部53b、板状部54a及び板状部54bの4つの部分にそれぞれ設けられている。
そのうち、板状部54aに接続された貫通電極19は、板状部54aに設けられた配線(図示せず)によって、櫛状部21aの凸部23に接続されている。板状部54bに接続された貫通電極19は、板状部54bに設けられた配線(図示せず)によって、櫛状部21bの凸部23に接続されている。
【0040】
また、枠状中間部14における板状部27aは、+X方向側の辺に沿った矩形の部分55a及び−X方向側の辺に沿った矩形の部分55bを残して除去されている。また、枠24aにおいて、部分55aの−X方向側の側面が接する位置から、部分55bの+X方向側の側面が接する位置までの部分が除去されている。
そして枠24a及び板状部27aが除去された部分に、矩形の固定部56aが設けられている。固定部56aと基板10との間には、絶縁膜18が設けられている。また、基板10、絶縁膜18及び固定部56aには、それらを貫通する貫通電極57が、設けられている。
【0041】
固定部56aと可動部13における枠36aとの間にはL字型の連結部58aが設けられている。連結部58aは、X方向に延びる矩形の板状部59aとY方向に延びる矩形の板状部60aとを含んでいる。板状部59aの−X方向側の端部と板状部60aの+Y方向側の端部が接合されている。板状部59aの+X方向側の端部は+Y方向に屈曲して可動部13の枠36aに接続されている。板状部60aの−Y方向側の端部は+X方向に屈曲して固定部56aの−X方向側の側面に接合されている。
【0042】
固定部56aに設けられた貫通電極57は、L字型の連結部58aに沿って設けられている配線94に接続されている。そして、可動部13の枠36a、第2のバネ部15a及び15c、枠状中間部の枠24a、板状部55a及び55c並びに板状部28を介して凸部29に接続されている。
【0043】
同様に、枠状中間部14における板状部27bは、+X方向側の辺に沿った矩形の部分55c及び−X方向側の辺に沿った矩形の部分55dを残して除去されている。また、枠24bにおいて、部分55cの−X方向側の側面が接する位置から部分55dの+X方向側の側面が接する位置までの部分が除去されている。
そして枠24b及び板状部27bが除去された部分に、矩形の固定部56bが設けられている。固定部56bと基板10との間には、絶縁膜18が設けられている。また、基板10、絶縁膜18及び固定部56bには、それらを貫通する貫通電極57が、設けられている。
【0044】
固定部56bと可動部13における枠36bとの間にはL字型の連結部58bが設けられている。連結部58bは、X方向に延びる矩形の板状部59bとY方向に延びる矩形の板状部60bとを含んでいる。板状部59bの−X方向側の端部と板状部60bの+−Y方向側の端部が接合されている。板状部59bの+X方向側の端部は−Y方向に屈曲して可動部13の枠36bに接続されている。板状部60bの+Y方向側の端部は+X方向に屈曲して固定部56bの−X方向側の側面に接合されている。
【0045】
固定部56bに設けられた貫通電極57は、L字型の連結部58bに沿って設けられている配線94に接続されている。そして、可動部13の枠36b、第2のバネ部15b及び15d、枠状中間部の枠24b、板状部55c及び55d並びに板状部28を介して凸部29に接続されている。
本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0046】
次に、本実施形態に係る手振れ補正装置2の動作について説明する。
本実施形態に係る手振れ補正装置2を組み込んだ撮像装置においては、撮像装置の移動によって、固定部11は移動する。しかし、貫通電極19及び貫通電極57に電位を印加させることにより、凸部23と凸部29との間に静電力を発生させる。
これにより、図6に示すように、可動部13上に搭載されたCIS48を撮像装置が移動する方向と同じ方向に移動させる。このようにして、露光時間の間にカメラ中の露光面が移動することを防ぐ。
【0047】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る手振れ補正装置2によれば、貫通電極19と貫通電極57との間に電圧を印加することにより、可動部13の移動を制御することができる。よって、手振れを抑制し、撮像画像を高画質化することができる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0048】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図9は、第3の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
図10は、第3の実施形態における第2のバネ部を例示する平面図である。
【0049】
本実施形態においては、固定部11が、4つの部分に分割されている。すなわち、固定部11における櫛状部21aに沿った矩形の板状部61a、固定部11における櫛状部21bに沿った矩形の板状部61b、固定部11における板状部61a及び61b以外の部分をX方向に2分した+X方向側の板状部62a並びに固定部11における板状部61a及び61b以外の部分をX方向に2分した−X方向側の板状部62bの4つに分割されている。貫通電極19は、板状部61a、板状部61b、板状部62a及び板状部62bの4つの部分にそれぞれ設けられている。
そのうち、板状部61aに接続された貫通電極19は、板状部61aに設けられた配線(図示せず)によって、櫛状部21aの凸部23に接続されている。板状部61bに接続された貫通電極19は、板状部61bに設けられた配線(図示せず)によって、櫛状部21bの凸部23に接続されている。
【0050】
枠状中間部14における枠25aにはT字型部63が設けられている。T字型部63は、X方向に延びる矩形の板状部64とY方向に延びる矩形の板状部65を含んでいる。板状部64の一端は板状部65のY方向における中央部に接合されている。板状部65における板状部64が接続されていない側面には複数の凸部66が設けられている。T字型部63における複数の凸部66が設けられている方向を櫛方向という。枠25aの+方向側の中央に、櫛方向を+X方向としてT字型部63が設けられている。また、枠25aの+X方向側には、複数の凸部67が設けられている。
枠25bの−X方向側の中央に、櫛方向を−X方向としてT字型部63が設けられている。また、枠25aの−X方向側には、複数の凸部67が設けられている。
【0051】
可動部13の枠37aの−X方向側の中央部には、枠状中間部14の枠25aに設けられたT字型部63の複数の各凸部66間に1つずつ挟まれるように複数の凸部95が設けられている。枠37aの−X方向側における複数の凸部95を挟むように2つのT字型部63が、櫛方向を−X方向として設けられている。枠25aの複数の各凸部67間に、枠37aに設けられたT字型部63の複数の各凸部66が1つずつ挟まれている。
【0052】
可動部13の枠37bの+X方向側の中央部には、枠状中間部14の枠25bに設けられたT字型部63の複数の各凸部66間に1つずつ挟まれるように複数の凸部95が設けられている。枠37aの+X方向側における複数の凸部95を挟むように2つのT字型部63が、櫛方向を+X方向として設けられている。枠25aの複数の各凸部67間に、枠37aに設けられたT字型部63の複数の各凸部66が1つずつ挟まれている。
【0053】
図10に示すように、第2のバネ部15における板状部40及び41には、板状部40及び41が延びる方向に延びる切込み68が設けられている。
本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第2の実施形態と同様である。
【0054】
次に、第3の実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、第2のバネ部15の板状部40及び41には、切込み68が設けられている。よって、第2のバネ部15の弾性が増加し、撮像装置の急激な動きを緩衝することができる。また、凸部と凸部とが噛み合わされたダンパーを多数設けている。よって、ダンパーによって、撮像装置の急激な動きを緩衝することができる。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
図11は、第4の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する平面図である。
図12は、第4の実施形態に係る手振れ補正装置を例示する断面図であり、(a)は、図11に示すA−A’線による断面図であり、(b)は、図11に示すB−B’線による断面図である。
【0056】
図11及び図12に示すように、本実施形態に係る手振れ補正装置4は、基板70、固定部71、中間部83、可動部72、固定部71と中間部83とを連結する第1のバネ部84及び中間部83と可動部72とを連結する第2のバネ部85を含んでいる。
図11は、下方から見た平面図となっている。また、図11においては、CIS48を省いている。図11においても、手振れ補正装置4を説明するために、XY直交座標系を採用する。このXY直交座標系においては、図面の上方を+Y方向、その逆方向を−Y方向とする。「+Y方向」及び「−Y方向」を総称して「Y方向」ともいう。+Y方向から時計の針が回転する方向に90度回転した方向を+X方向、その逆方向を−X方向とする。「+X方向」及び「−X方向」を総称して「X方向」ともいう。
【0057】
基板70は、例えば、シリコン層74、絶縁膜75及び支持基板を含むSOI基板における支持基板である。基板70は、シリコン層74が設けられた側を下方に向けている。基板70には、貫通孔77が設けられている。貫通孔77を下方から見た形状は、X方向に平行な2辺78a及び78cとY方向に平行な2辺78b及び78dからなる正方形79の部分と、各辺78a〜76dの中央部に接するように設けられた正方形80の部分とからなる形状とされている。辺78aは+Y方向側にあり、辺78cは−Y方向側にある。辺78bは+X方向側にあり、辺78dは−X方向側にある。
【0058】
正方形79の+Y方向側にある正方形80aの+X方向側及び−X方向側のシリコン層74は矩形の形状で他のシリコン層74から分離された固定部71aとされている。正方形79の+X方向側にある正方形80bの+Y方向側及び−Y方向側のシリコン層74は矩形の形状で他のシリコン層74から分離された固定部71bとされている。正方形79の−Y方向側にある正方形80cの+X方向側及び−X方向側のシリコン層74は矩形の形状で他のシリコン層74から分離された固定部71cとされている。正方形79の−X方向側にある正方形80dの+Y方向側及び−Y方向側のシリコン層74は矩形の形状で他のシリコン層74から分離された固定部71dとされている。
【0059】
固定部71と基板70との間には絶縁膜75が設けられている。
貫通孔77における正方形79の部分の下方には、可動部72が設けられている。可動部72はX方向に平行な枠81a及び81b並びにY方向に平行な枠82a及び82bとからなる枠状の形状とされている。
貫通孔77における各正方形80の部分の下方には、2つの矩形の中間部83が設けられている。中間部83及び固定部71は第1のバネ部84によって連結されている。中間部83及び可動部72は、第2のバネ部85によって連結されている。
【0060】
可動部72の下面には、複数の電極パッド86が可動部72の枠81a、81b、82a及び82bに沿って設けられている。
可動部72には、CIS48が配置されている。CIS48の上面には、受光面及び、電極パッド89が設けられている。
可動部72の電極パッド86は、バンプを介してCIS48の上面に設けられた電極パッド89に接続されている。
【0061】
次に、本実施形態の動作について説明する。
本実施形態の手振れ補正装置4において、撮像装置を動かすと、撮像装置の移動によって、固定部71も移動する。しかし、第1バネ部85及び第2バネ部84は、自身の形状を変化させることによって、固定部11の急激な移動を緩和して、露光面が移動することを防ぐ。
本実施形態における上記以外の動作については、前述の第1の実施形態と同様である。
【0062】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、CIS48が設置される可動部72は、貫通孔77の直下領域の内部に配置されている。よって、CIS48が設置される部分の厚さを薄くすることができる。よって、手振れ補正装置を高集積化することができる。
【0063】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、第4の実施形態に係る手振れ補正装置の製造方法についてのものである。
図13は、第5の実施形態に係る手振れ補正装置の製造方法を例示する工程断面図である。
【0064】
図13(a)に示すように、SOI基板を用意する。その後、シリコン層74上にシリコン酸化膜97を形成した後に、アルミニウムを蒸着する。そして、配線98及び電極パッド86以外のアルミニウム膜を除去する。
次に、図13(b)に示すように、シリコン層74上にフォトレジスト膜96を形成する。フォトレジスト膜96は、固定部71、可動部72、中間部83、第1バネ部84及び第2バネ部85が形成される部分を覆うものである。
そして、フォトレジスト膜96をマスクとしてシリコン層74をドライエッチングし、SOI基板の絶縁膜75上に、固定部71、可動部72、中間部83、第1バネ部84及び第2バネ部85を形成する。さらに、ウェットエッチングを行い、固定部71以外の可動部72、中間部83、第1バネ部84及び第2バネ部85の直下の絶縁膜75を除去する。
【0065】
そして、図13(c)に示すように、フォトレジスト膜96を除去する。
その後、図13(d)に示すように、CIS48のチップを可動部の電極パット86にバンプ50を介して接続する。そして、可動部72直下の基板70に貫通孔77を形成する。このようにして、図9及び図10に示す手振れ補正装置4が製造される。
次に、本実施形態の効果について説明する。
SOIウェハを用いることにより、MEMSの形成技術を用いて、手振れ補正装置4を形成することができる。よって、高集積化した手振れ補正装置4を得ることができる。
【0066】
以上説明した実施形態によれば、小型化を図ることができる手振れ補正装置及び撮像装置を提供することができる。
【0067】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1、2、3、4:固体撮像装置、10:基板、11:固定部、12:枠状中間部、13:可動部、14:第1のバネ部、15:第2のバネ部、16:板状部、17a:板状部、17b:板状部、17c:板状部、17d:板状部、18:絶縁膜、19:貫通電極、21:櫛状部21a、21b:櫛状部、22:切込み、23:凸部、24a:辺部材、24b:辺部材、25a:辺部材、25b:辺部材、26a:板状部、26b:板状部、27a:板状部、27b:板状部、28a:板状部、28b:板状部、29:凸部、30a:第1のダンパー、30b:第1のダンパー、32a:板状部、32b:板状部、32c:板状部、32d:板状部、33a:板状部、33b:板状部、33c:板状部、33d:板状部、34a:板状部、34b:板状部、34c:板状部、34d:板状部、35:凸部、36a:辺部材、36b:辺部材、37a:辺部材、37b:辺部材、38a:台座部、38b:台座部、38c:台座部、38d:台座部、39:凸部、40a:板状部、40b:板状部、40c:板状部、40d:板状部、41a:板状部、41b:板状部、41c:板状部、41d:板状部、42a:板状部、42b:板状部、42c:板状部、42d:板状部、43:上面、44:電極パッド、45:配線、46:配線、47:配線、48:CIS、49:貫通電極、50:バンプ、51:画素、51a:画素、52a:線、52b:線、53a:板状部、53b:板状部、54a:板状部、54b:板状部、55a:板状部、55b:板状部、56a:固定部、56b:固定部、57:貫通電極、58a:連結部、58b:連結部、59a:板状部、59b:板状部、60a:板状部、60b:板状部、61a:板状部、61b:板状部、62a:板状部、62b:板状部、63:T字型部、64:板状部、65:板状部、66:凸部、67:凸部、68:切込み、70:基板、71:固定部、72:可動部、74:シリコン層、75:絶縁膜、77:貫通孔、78a:辺、78b:辺、78c:辺、78d:辺、79:正方形、80:正方形、81a:枠、81b:枠、82a:枠、82b:枠、83:中間部、84:第1のバネ、85:第2のバネ、86:電極パッド、89:電極パッド、90:結像レンズ、91:光軸、93:受光面、94:配線、95:凸部、96:フォトレジスト、97:シリコン酸化膜、98:配線、99a:第2のダンパー、99b:第2のダンパー、100:撮像装置、101:筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、前記基板に対して固定された固定部と、
前記基板上における前記固定部の周囲に設けられ、前記固定部に対して、前記基板の面内における第1の方向に移動が可能な連結部と、
前記基板上に設けられ、前記固定部及び前記連結部の周囲に配置され、前記連結部に対して、前記基板の面内における前記第1の方向に対して交差する第2の方向に移動が可能な可動部と、
一端は、前記固定部に接続され、他端は、前記連結部に接続され、上面に配線が設けられた第1バネ部と、
一端は、前記連結部に接続され、他端は、前記可動部に接続され、上面に配線が設けられた第2バネ部と、
前記固定部と前記連結部との間に設けられた第1ダンパーと、
前記連結部と前記可動部との間に設けられた第2ダンパーと、
を備えた手振れ補正装置。
【請求項2】
前記第1ダンパーは、
前記固定部から前記連結部へ延びる複数の第1の凸部と、
前記連結部から前記固定部へ延びる複数の第2の凸部と、
を有し、
2本の前記第1の凸部間に1本の前記第2の凸部が挟まれ、
2本の前記第2の凸部間に1本の前記第1の凸部が挟まれ、
前記第1の凸部と前記第2の凸部との間には隙間が設けられている請求項1記載の手振れ補正装置。
【請求項3】
前記第1の凸部と前記第2の凸部との間に電圧を印加し、前記第1の凸部及び前記第2の凸部との間に静電力を発生させることにより、前記連結部を移動させる請求項2記載の手振れ補正装置。
【請求項4】
前記第2ダンパーは、
前記可動部から前記連結部へ延びる複数の第3の凸部と、
前記連結部から前記可動部へ延びる複数の第4の凸部と、
を有し、
2本の前記第3の凸部間に1本の前記第4の凸部が挟まれ、
2本の前記第4の凸部間に1本の前記第3の凸部が挟まれ、
前記第3の凸部と前記第4の凸部との間には隙間が設けられている請求項1記載の手振れ補正装置。
【請求項5】
前記第3の凸部と前記第4の凸部との間に電圧を印加し、前記第3の凸部及び前記第4の凸部との間に静電力を発生させることにより、前記可動部を移動させる請求項4記載の手振れ補正装置。
【請求項6】
前記第1の凸部及び前記第2の凸部が延びる方向と、前記第3の凸部及び前記第4の凸部が延びる方向とは直交している請求項4または5に記載の手振れ補正装置。
【請求項7】
前記可動部の上面に形成された電極パッドをさらに備える請求項1〜6のいずれか1つに記載の手振れ補正装置。
【請求項8】
基板と、
前記基板に形成された貫通孔の直下領域の内部に設けられ、前記基板の面内において移動が可能な可動部と、
前記基板の下面に設けられた固定部と、
前記固定部と前記可動部との間に配置され、前記基板の面内において移動が可能な連結部と、
一端は、前記固定部に接続され、他端は、前記連結部に接続され、下面に配線が設けられた第1バネ部と、
一端は、前記連結部に接続され、他端は、前記可動部に接続され、下面に配線が設けられた第2バネ部と、
を備えた手振れ補正装置。
【請求項9】
前記第1バネ部及び前記第2バネ部は、それぞれ、U字型の部材を有する請求項1〜8のいずれか1つに記載の手振れ補正装置。
【請求項10】
前記基板と前記固定部との間に配置された絶縁層をさらに備え、
前記基板はSOI基板の支持基板を加工して形成されたものであり、
前記絶縁層は前記SOI基板の埋込絶縁膜を加工して形成されたものであり、
前記固定部、前記連結部及び前記可動部は、前記SOI基板のシリコン層を加工して形成されたものである請求項1〜9のいずれか1つに記載の手振れ補正装置。
【請求項11】
筐体と、
請求項1〜10のいずれか1つに記載の手振れ補正装置と、
上面に複数個の画素が形成されたイメージセンサと、
結像レンズと、
を備え、
前記基板は前記筐体に対して固定されており、
前記イメージセンサは前記可動部に対して固定されている撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−72967(P2013−72967A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211367(P2011−211367)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)