手芸作業用補助具
【課題】折り紙キルトに用いられるモチーフを簡単かつ効率よく作製することができる手芸作業用補助具を提供する。
【解決手段】所定外形をもつ可撓性のあるシート体1と、このシート体1に形成された折り操作案内手段とを備え、布地に重ねるように付着させて使用し、上記折り操作案内手段にしたがい、上記布地を回転対称性のある所定の形態に折り畳むための手芸作業用補助具A1であって、上記折り操作案内手段は、シート体1を上記布地に付着させた重合物を、所定の折り線に沿って折り曲げる操作を容易化する折り曲げ容易化手段(ミシン目状のスリット3)を含んでいる。
【解決手段】所定外形をもつ可撓性のあるシート体1と、このシート体1に形成された折り操作案内手段とを備え、布地に重ねるように付着させて使用し、上記折り操作案内手段にしたがい、上記布地を回転対称性のある所定の形態に折り畳むための手芸作業用補助具A1であって、上記折り操作案内手段は、シート体1を上記布地に付着させた重合物を、所定の折り線に沿って折り曲げる操作を容易化する折り曲げ容易化手段(ミシン目状のスリット3)を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチワークなどの手芸の分野で好適に用いられる手芸作業用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
パッチワークなどの手芸の分野において、装飾効果に優れた技法の一つとして折り紙キルトと呼称されるものが知られている。折り紙キルトは、布地を折り畳んで形成されたモチーフを用いて構成されている。ここで使用されるモチーフは、一般に、所定形状の布地を、折り紙を折るかのように折り畳み、適所を縫い止めることにより作製される。そして、このモチーフについては、折り紙の場合と同様に、布地の折り方によって種々のデザインパターンを形成することができる。折り紙キルトは、日本古来の折り紙の手法を取り入れつつ、布地で作製されたモチーフの立体感が独特の風合い有するものであり、手芸の分野において親しまれている。
【0003】
モチーフを作製する具体的な手順の一例を挙げると、まず、型紙などを用いて布地に印を入れて、当該布地を所定サイズに裁断する。次いで、解説書などに示された折り操作の手順に従って布地を折り返し、その折り返した部分にアイロンで折り目をつける。この布地の折り返し作業とアイロンによる折り目つけ作業を繰り返すことにより、布地に折り目のついたモチーフが作製される。ここでアイロンを使用するのは、布地の場合には、折り紙の場合と異なり、折り返すだけでは折り目がつき難く、所望形状のモチーフを作製することが困難だからである。
【0004】
しかしながら、上記従来方法によるモチーフの作製においては、布地を折り返す度ごとにアイロンを掛ける必要があるので、1つのモチーフを作製するのにも手間が掛かってしまう。また、布地は折り紙に比べると腰がないので、アイロンを用いても正確に折り目をつけるのが困難である。そして、多数のモチーフを作製する場合には、作業者の負担もかなり大きなものとなってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、折り紙キルトに用いられるモチーフを簡単かつ効率よく作製することができる手芸作業用補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される手芸作業用補助具は、所定外形をもつ可撓性のあるシート体と、このシート体に形成された折り操作案内手段とを備え、布地に重ねるように付着させて使用し、上記折り操作案内手段にしたがい、上記布地を回転対称性のある所定の形態に折り畳むための手芸作業用補助具であって、上記折り操作案内手段は、上記シート体を上記布地に付着させた重合物を、所定の折り線に沿って折り曲げる操作を容易化する折り曲げ容易化手段を含んでいることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ容易化手段は、上記所定の折り線に沿って形成されたミシン目状のスリットである。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り操作案内手段は、折り操作をするべき順序を示す番号表記と、折り方向を示す矢印表記とをさらに含んでいる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シート体は、正多角形の頂点をもつ外形を有しているとともに、中心を上記シート体の中心と同じくする縮小相似形状の中心領域と、この中心領域の外側の周辺領域とを有し、上記中心領域と上記周辺領域との境界には、上記中心領域の各辺に沿って、上記折り曲げ容易化手段のうちの第1の折り曲げ容易化手段が形成されており、上記周辺領域には、上記折り曲げ容易化手段のうちの第2の折り曲げ容易化手段が形成されており、この第2の折り曲げ容易化手段は、上記中心領域の各辺の延長線に沿って直線状に延びるものを含む。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記中心領域は、上記シート体の1/2縮小相似形状であり、かつ、上記シート体の外形形状と各頂点の周方向位置が一致している。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シート体は、布地に付着させるための粘着剤が一方の面に設けられたシールとして構成されており、上記粘着剤に貼着される離型シートをさらに備える。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シート体は、シート状の不織布層と、この不織布層の一方の面に積層形成された熱接着層とを備えて構成されている。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す平面図である。本実施形態の手芸作業用補助具A1は、所定外形を有するシート体1と、シート体1よりも大きいサイズの外形を有する離型シート2とを備え、離型シート2上にシート体1が重ね合わされた構成とされている。手芸作業用補助具A1は、シート体1を布地に重ねるように付着させて使用し、布地を所定の形態に折り畳むためのものである。
【0017】
シート体1は、可撓性を有する紙製シートであり、正多角形(本実施形態では正六角形)の頂点をもつ外形を有している。シート体1の下面(離型シート2に対向する面)には、所定の粘着力を有する粘着剤が設けられている。これにより、シート体1は、布地に付着させることが可能なシールとして構成されている。
【0018】
シート体1は、この外形形状を1/2に縮小した相似形状(すなわち、正六角形状)を有する中心領域11と、この中心領域11の外側にある周辺領域12とを有している。本実施形態では、中心領域11の中心は、シート体1の中心と一致させられており、また、中心領域11の各頂点は、シート体1の外形を構成する正六角形の頂点と周方向位置が一致している。
【0019】
シート体1には、複数の折り線に沿ってミシン目状のスリット3が形成されている。このスリット3は、シート体1を布地に付着させた重合物を折り線に沿って折り曲げる操作を容易化するためのものであり、本発明でいう折り曲げ容易化手段に相当するものである。より具体的には、スリット3は、第1スリット31および第2スリット32を有し、第1スリット31は、中心領域11と周辺領域12との境界において、中心領域11の各辺に沿って形成されている。一方、第2スリット32は、周辺領域12に形成されており、中心領域11の各辺の延長線に沿って直線状に延びるものを含むように構成されている。かかる構成のスリット3は、本発明でいう折り操作案内手段を構成する要素である。
【0020】
シート体1の上面には、周辺領域12において、たとえば印刷などによって複数の番号表記4A〜4Fおよび複数の矢印表記5A〜5Fが表されている。詳細については後述するが、番号表記4A〜4Fは、第1スリット31について折り操作をするべき順序を示すものであり、矢印表記5A〜5Fは、第2スリット32について折り方向を示すものである。本実施形態では、番号表記4A〜4Fは、中心領域11の各辺に対応させて、第1スリット31の近傍に位置している。また、矢印表記5A〜5Fは、シート体1の外形の各頂点を挟む両側に対をなすように位置している。かかる構成の番号表記4A〜4Fおよび矢印表記5A〜5Fは、本発明でいう折り操作案内手段を構成する要素である。また、本実施形態では、番号表記4A〜4Fにしたがって折り返されるべき領域を示す折り領域表記41A〜41Fが、各番号表記4A〜4Fに対応するように表されている。
【0021】
離型シート2は、シート体1に対向する表面部分において粘着性のあるものに対し剥離し易くする処理が施されたものであり、たとえば当該表面部分にはシリコーン樹脂が塗布されている。
【0022】
次に、上記構成の手芸作業用補助具A1を用いて折り紙キルトの素材となるモチーフを作製する方法について、図2〜図8を参照して説明する。
【0023】
まず、図2に示すように、シート体1よりもひと回り大きいサイズの布地Cを準備し、離型シート2から引き剥がしたシート体1を布地Cに重ねて付着させる。次いで、シート体1の外形に沿って、布地Cの不要部分を裁断する。ここで、シート体1は、型紙として機能させることができる。シート体1は、布地Cに付着されて布地Cと一体になっているので、通常の型紙を使用する場合と異なり、布地Cに印を付ける必要がなく、シート体1が布地Cに対して位置ずれすることもない。さらに、シート体1を布地Cに付着させた重合物には腰がある。このようなことから、布地Cを所定サイズに裁断する作業が、格段に行いやすくなる。
【0024】
次いで、シート体1が布地Cに付着させられた重合物Dを、スリット3(第1スリット31および第2スリット32)、番号表記4A〜4F、矢印表記5A〜5F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。具体的には、まず、布地Cを裏返し、図3に示すように、周辺領域12について、「1」の数字として表された番号表記4Aが外側になるように、この番号表記4Aに対応する第1スリット31およびこの第1スリット31に直線状につながる第2スリット32に沿って折り曲げる。このとき、図1を参照して上述したように、中心領域11はシート体1の1/2縮小相似形であり、また、中心領域11の中心と折り曲げる前のシート体1の中心とは一致しているため、折り返された部分の周縁は、中心領域11のほぼ中心を通る。引き続き、図4に示すように、「2」の数字として表された番号表記4Bについても同様にして、これに対応する第1および第2スリット31,32を折り返す。
【0025】
次に、図5に示すように、番号表記4A,4Bに対応する折り領域表記41A,41Bが付された両領域の間において、対をなす矢印表記5A,5Aを合わせて菱形をつくるようにして、第2スリット32の適所を折り曲げる。このとき、次いで、図5の菱形部分中央に表れている第2スリット32に沿って折り曲げて、当該菱形部分の図中上側半分を手前に折り返す(図6参照)。ここで、折り畳まれた部分を、必要に応じてクリップなど(図示略)で止めておく。
【0026】
次いで、上記のような第1および第2スリット31,32に沿って折り曲げる操作を、「3」、「4」、「5」、「6」の番号表記4C〜4Fについても同様に繰り返す。これにより、図7に示すように、重合物D(シート体1が付着された布地C)は、回転対称性のある所定の形態に折り畳まれる。
【0027】
次いで、折り畳まれた重合物Dの全体にアイロンを掛ける。このアイロン掛け作業は、シート体1を剥がした後においても布地Cに折り目が残るようにするために行うものである。
【0028】
次いで、折り畳まれた重合物Dを展開し、布地Cからシート体1を引き剥がす。そして、布地Cを折り目に沿って再び折り畳み、中心を縫い止めると、図8に表されるような外形が略正六角形のモチーフM1が得られる。
【0029】
本実施形態の手芸作業用補助具A1において、シート体1には所定の折り線に沿って形成されたミシン目状のスリット3が形成されている。このため、手芸作業用補助具A1を用いてモチーフM1を作製する際には、布地Cとシート体1とが一体とされた重合物Dについて、スリット3(第1および第2スリット31,32)に沿って容易に折り曲げ操作を行うことが可能であり、重合物D(布地C)を所望の形態に簡単に折り畳むことができる。
【0030】
本実施形態においては、折り曲げ操作を行う際に、布地Cとシート体1とが一体とされた重合物Dとして取り扱う。このため、重合物Dは全体としてある程度の腰があり、布地Cだけを折り曲げる場合に比べて、所定の折り線(スリット3)に沿って正確に折り曲げることができる。
【0031】
また、本実施形態においては、所望の形態に折り畳まれた重合物Dに対してアイロン掛けを行うことにより、布地Cの所定位置において折り目を適切に形成することができる。したがって、布地を折り返す度ごとにアイロン掛をする必要があった従来方法とは異なり、布地に効率よく折り目を形成することができる。このようなことから分るように、手芸作業用補助具A1を用いれば、所望の形態に折り畳まれたモチーフM1を簡単かつ効率よく作製することができる。
【0032】
本実施形態においては、シート体1の周辺領域12には、番号表記4A〜4Fおよび矢印表記5A〜5Fが表されている。これにより、これら番号表記4A〜4Fおよび矢印表記5A〜5Fの指示通りに第1および第2スリット31,32の折り曲げ操作を進めることができ、布地Cの折り曲げ操作をより効率よく行うことができる。
【0033】
本実施形態においては、図2、図7および図8を参照するとよく分るように、シート体1の中心領域11の外形と同じ外形を有するモチーフM1が出来上がる。また、上述したように、中心領域11はシート体1全体の1/2縮小相似形状であり、中心領域11の中心と折り畳む前のシート体1の中心とは一致している。このため、モチーフM1の中心には、シート体1の折り返された周辺領域12に対応する布地の周縁部分が集まっている。したがって、この中心部分を縫い止めればモチーフM1の形態を保持することができ、扱い扱いやすく、デザイン性に優れたモチーフM1が得られる。
【0034】
また、本実施形態においては、シート体1は粘着剤が片面に設けられたシールとして構成されており、離型シート2から剥がして使用する。このようにシールとして構成されたシート体1は、取り扱い易いものであり、また、粘着剤の粘着力が低下するまでの間は繰り返して使用することができる。
【0035】
図9〜図19は、本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示している。なお、図9以降の図面において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0036】
図9に示された手芸作業用補助具A2は、使用時における折り構造については基本的に上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様であるが、シート体1の外形が正六角形に代えて正方形とされている点、およびこれに伴って種々の設計変更が施されている点において、上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なる。
【0037】
手芸作業用補助具A2を用いてモチーフを作製する際には、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4D、矢印表記5A〜5D、折り領域表記41A〜41Dにしたがって折り畳む。図10は、手芸作業用補助具A2を用いてモチーフを作製する際における図5と同様のステップを示している。図11は、手芸作業用補助具A2を用いて作製されたモチーフM2を示している。手芸作業用補助具A2を用いれば、外形が略正方形のモチーフM2を作製することができる。
【0038】
図12に示された手芸作業用補助具A3においては、シート体1の外形は上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様に正六角形とされているが、使用時における折り構造が上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なっており、これに伴って種々の設計変更が施されている。すなわち、手芸作業用補助具A3においては、手芸作業用補助具A1に比べて折り構造が簡素化されており、矢印表記が表されていない。
【0039】
手芸作業用補助具A3を用いてモチーフを作製する際には、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。図13は、手芸作業用補助具A3を用いてモチーフを作製する際における図5と同様のステップを示している。「6」の番号表記4Fが付された領域を折り返す際に、ハッチングが付された領域を、既に折り返されている「1」の番号表記4Aが付された部分の下側に谷折りして折り込む。ここで、重合物は腰があるため、ハッチングが付された領域を比較的容易に折り込むことができる。図14は、手芸作業用補助具A3を用いて作製されたモチーフM3を示している。手芸作業用補助具A3を用いれば、外形が略正六角形のモチーフM3を作製することができる。
【0040】
図15に示された手芸作業用補助具A4においては、シート体1の外形は上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様に正六角形とされているが、使用時における折り構造が上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なっており、これに伴って種々の設計変更が施されている。すなわち、手芸作業用補助具A4においては、手芸作業用補助具A1に比べて折り構造が簡素化されており、矢印表記が表されていない。また、シート体1の中心領域11は、シート体1全体の縮小相似形であるが、中心領域11の頂点とシート体1の外形を構成する正六角形の頂点とは、周方向位置がずれている。
【0041】
手芸作業用補助具A4を用いてモチーフを作製する際には、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。図16は、手芸作業用補助具A4を用いてモチーフを作製する際における図5と同様のステップを示している。図16から分るように、シート体1の外形の頂点は、中心領域11の中心に位置する。図17は、手芸作業用補助具A4を用いて作製されたモチーフM4を示している。手芸作業用補助具A4を用いれば、外形が略正六角形のモチーフM4を作製することができる。
【0042】
図18に示された手芸作業用補助具A5は、シート体1の形状については上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同じであるが、離型シートを備えていない点、およびこれに伴って設計変更が施されている点において、上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なる。
【0043】
手芸作業用補助具A5においては、シート体1は、シート状の不織布層の一方の面(図18における紙面奥側)に熱接着層を積層して形成されたものである。シート体1には、上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様に第1および第2スリット31,32が形成されており、上記不織布層の他方の面(図18における紙面手前側)には、番号表記4A〜4F、矢印表記5A〜5F、および折り領域表記41A〜41Fが表されている。
【0044】
手芸作業用補助具A5を用いてモチーフを作製する際には、まず、シート体1よりもひと回り大きいサイズの布地を準備し、布地に熱接着層が接触するようにシート体1を重ねてアイロン掛けを行うことにより、シート体1を布地に付着させる。次いで、シート体1の外形に沿って、布地の不要部分を裁断する。
【0045】
次いで、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4F、矢印表記5A〜5F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。このとき、上記実施形態の手芸作業用補助具A1の場合と異なり、番号表記4A〜4Fが内側となるように第1および第2スリット31,32を折り曲げる。図19は、手芸作業用補助具A5を用いてモチーフを作製する際における図6と同様のステップを示している。本実施形態の場合、所定の形態に折り畳まれた重合物がそのままモチーフの形態になり、シート体1はモチーフの内側に収容される。
【0046】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る手芸作業用補助具の各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。上記実施形態の説明から理解できるように、本発明に係る手芸作業用補助具は、様々なバリエーションのモチーフを作製するのに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図3】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図4】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図5】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図6】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図7】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図8】図1に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図9】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図10】図9に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図11】図9に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図12】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図13】図12に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図14】図12に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図15】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図16】図15に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図17】図15に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図18】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図19】図18に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
A1,A2,A3,A4,A5 手芸作業用補助具
C 布地
D 重合物
1 シート体
2 離型シート
3 スリット(折り曲げ容易化手段)
31 第1スリット(第1の折り曲げ容易化手段)
32 第2スリット(第2の折り曲げ容易化手段)
4A〜4F 番号表記
5A〜5F 矢印表記
41A〜41F 折り領域表記
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチワークなどの手芸の分野で好適に用いられる手芸作業用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
パッチワークなどの手芸の分野において、装飾効果に優れた技法の一つとして折り紙キルトと呼称されるものが知られている。折り紙キルトは、布地を折り畳んで形成されたモチーフを用いて構成されている。ここで使用されるモチーフは、一般に、所定形状の布地を、折り紙を折るかのように折り畳み、適所を縫い止めることにより作製される。そして、このモチーフについては、折り紙の場合と同様に、布地の折り方によって種々のデザインパターンを形成することができる。折り紙キルトは、日本古来の折り紙の手法を取り入れつつ、布地で作製されたモチーフの立体感が独特の風合い有するものであり、手芸の分野において親しまれている。
【0003】
モチーフを作製する具体的な手順の一例を挙げると、まず、型紙などを用いて布地に印を入れて、当該布地を所定サイズに裁断する。次いで、解説書などに示された折り操作の手順に従って布地を折り返し、その折り返した部分にアイロンで折り目をつける。この布地の折り返し作業とアイロンによる折り目つけ作業を繰り返すことにより、布地に折り目のついたモチーフが作製される。ここでアイロンを使用するのは、布地の場合には、折り紙の場合と異なり、折り返すだけでは折り目がつき難く、所望形状のモチーフを作製することが困難だからである。
【0004】
しかしながら、上記従来方法によるモチーフの作製においては、布地を折り返す度ごとにアイロンを掛ける必要があるので、1つのモチーフを作製するのにも手間が掛かってしまう。また、布地は折り紙に比べると腰がないので、アイロンを用いても正確に折り目をつけるのが困難である。そして、多数のモチーフを作製する場合には、作業者の負担もかなり大きなものとなってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、折り紙キルトに用いられるモチーフを簡単かつ効率よく作製することができる手芸作業用補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される手芸作業用補助具は、所定外形をもつ可撓性のあるシート体と、このシート体に形成された折り操作案内手段とを備え、布地に重ねるように付着させて使用し、上記折り操作案内手段にしたがい、上記布地を回転対称性のある所定の形態に折り畳むための手芸作業用補助具であって、上記折り操作案内手段は、上記シート体を上記布地に付着させた重合物を、所定の折り線に沿って折り曲げる操作を容易化する折り曲げ容易化手段を含んでいることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り曲げ容易化手段は、上記所定の折り線に沿って形成されたミシン目状のスリットである。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記折り操作案内手段は、折り操作をするべき順序を示す番号表記と、折り方向を示す矢印表記とをさらに含んでいる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シート体は、正多角形の頂点をもつ外形を有しているとともに、中心を上記シート体の中心と同じくする縮小相似形状の中心領域と、この中心領域の外側の周辺領域とを有し、上記中心領域と上記周辺領域との境界には、上記中心領域の各辺に沿って、上記折り曲げ容易化手段のうちの第1の折り曲げ容易化手段が形成されており、上記周辺領域には、上記折り曲げ容易化手段のうちの第2の折り曲げ容易化手段が形成されており、この第2の折り曲げ容易化手段は、上記中心領域の各辺の延長線に沿って直線状に延びるものを含む。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記中心領域は、上記シート体の1/2縮小相似形状であり、かつ、上記シート体の外形形状と各頂点の周方向位置が一致している。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シート体は、布地に付着させるための粘着剤が一方の面に設けられたシールとして構成されており、上記粘着剤に貼着される離型シートをさらに備える。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シート体は、シート状の不織布層と、この不織布層の一方の面に積層形成された熱接着層とを備えて構成されている。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す平面図である。本実施形態の手芸作業用補助具A1は、所定外形を有するシート体1と、シート体1よりも大きいサイズの外形を有する離型シート2とを備え、離型シート2上にシート体1が重ね合わされた構成とされている。手芸作業用補助具A1は、シート体1を布地に重ねるように付着させて使用し、布地を所定の形態に折り畳むためのものである。
【0017】
シート体1は、可撓性を有する紙製シートであり、正多角形(本実施形態では正六角形)の頂点をもつ外形を有している。シート体1の下面(離型シート2に対向する面)には、所定の粘着力を有する粘着剤が設けられている。これにより、シート体1は、布地に付着させることが可能なシールとして構成されている。
【0018】
シート体1は、この外形形状を1/2に縮小した相似形状(すなわち、正六角形状)を有する中心領域11と、この中心領域11の外側にある周辺領域12とを有している。本実施形態では、中心領域11の中心は、シート体1の中心と一致させられており、また、中心領域11の各頂点は、シート体1の外形を構成する正六角形の頂点と周方向位置が一致している。
【0019】
シート体1には、複数の折り線に沿ってミシン目状のスリット3が形成されている。このスリット3は、シート体1を布地に付着させた重合物を折り線に沿って折り曲げる操作を容易化するためのものであり、本発明でいう折り曲げ容易化手段に相当するものである。より具体的には、スリット3は、第1スリット31および第2スリット32を有し、第1スリット31は、中心領域11と周辺領域12との境界において、中心領域11の各辺に沿って形成されている。一方、第2スリット32は、周辺領域12に形成されており、中心領域11の各辺の延長線に沿って直線状に延びるものを含むように構成されている。かかる構成のスリット3は、本発明でいう折り操作案内手段を構成する要素である。
【0020】
シート体1の上面には、周辺領域12において、たとえば印刷などによって複数の番号表記4A〜4Fおよび複数の矢印表記5A〜5Fが表されている。詳細については後述するが、番号表記4A〜4Fは、第1スリット31について折り操作をするべき順序を示すものであり、矢印表記5A〜5Fは、第2スリット32について折り方向を示すものである。本実施形態では、番号表記4A〜4Fは、中心領域11の各辺に対応させて、第1スリット31の近傍に位置している。また、矢印表記5A〜5Fは、シート体1の外形の各頂点を挟む両側に対をなすように位置している。かかる構成の番号表記4A〜4Fおよび矢印表記5A〜5Fは、本発明でいう折り操作案内手段を構成する要素である。また、本実施形態では、番号表記4A〜4Fにしたがって折り返されるべき領域を示す折り領域表記41A〜41Fが、各番号表記4A〜4Fに対応するように表されている。
【0021】
離型シート2は、シート体1に対向する表面部分において粘着性のあるものに対し剥離し易くする処理が施されたものであり、たとえば当該表面部分にはシリコーン樹脂が塗布されている。
【0022】
次に、上記構成の手芸作業用補助具A1を用いて折り紙キルトの素材となるモチーフを作製する方法について、図2〜図8を参照して説明する。
【0023】
まず、図2に示すように、シート体1よりもひと回り大きいサイズの布地Cを準備し、離型シート2から引き剥がしたシート体1を布地Cに重ねて付着させる。次いで、シート体1の外形に沿って、布地Cの不要部分を裁断する。ここで、シート体1は、型紙として機能させることができる。シート体1は、布地Cに付着されて布地Cと一体になっているので、通常の型紙を使用する場合と異なり、布地Cに印を付ける必要がなく、シート体1が布地Cに対して位置ずれすることもない。さらに、シート体1を布地Cに付着させた重合物には腰がある。このようなことから、布地Cを所定サイズに裁断する作業が、格段に行いやすくなる。
【0024】
次いで、シート体1が布地Cに付着させられた重合物Dを、スリット3(第1スリット31および第2スリット32)、番号表記4A〜4F、矢印表記5A〜5F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。具体的には、まず、布地Cを裏返し、図3に示すように、周辺領域12について、「1」の数字として表された番号表記4Aが外側になるように、この番号表記4Aに対応する第1スリット31およびこの第1スリット31に直線状につながる第2スリット32に沿って折り曲げる。このとき、図1を参照して上述したように、中心領域11はシート体1の1/2縮小相似形であり、また、中心領域11の中心と折り曲げる前のシート体1の中心とは一致しているため、折り返された部分の周縁は、中心領域11のほぼ中心を通る。引き続き、図4に示すように、「2」の数字として表された番号表記4Bについても同様にして、これに対応する第1および第2スリット31,32を折り返す。
【0025】
次に、図5に示すように、番号表記4A,4Bに対応する折り領域表記41A,41Bが付された両領域の間において、対をなす矢印表記5A,5Aを合わせて菱形をつくるようにして、第2スリット32の適所を折り曲げる。このとき、次いで、図5の菱形部分中央に表れている第2スリット32に沿って折り曲げて、当該菱形部分の図中上側半分を手前に折り返す(図6参照)。ここで、折り畳まれた部分を、必要に応じてクリップなど(図示略)で止めておく。
【0026】
次いで、上記のような第1および第2スリット31,32に沿って折り曲げる操作を、「3」、「4」、「5」、「6」の番号表記4C〜4Fについても同様に繰り返す。これにより、図7に示すように、重合物D(シート体1が付着された布地C)は、回転対称性のある所定の形態に折り畳まれる。
【0027】
次いで、折り畳まれた重合物Dの全体にアイロンを掛ける。このアイロン掛け作業は、シート体1を剥がした後においても布地Cに折り目が残るようにするために行うものである。
【0028】
次いで、折り畳まれた重合物Dを展開し、布地Cからシート体1を引き剥がす。そして、布地Cを折り目に沿って再び折り畳み、中心を縫い止めると、図8に表されるような外形が略正六角形のモチーフM1が得られる。
【0029】
本実施形態の手芸作業用補助具A1において、シート体1には所定の折り線に沿って形成されたミシン目状のスリット3が形成されている。このため、手芸作業用補助具A1を用いてモチーフM1を作製する際には、布地Cとシート体1とが一体とされた重合物Dについて、スリット3(第1および第2スリット31,32)に沿って容易に折り曲げ操作を行うことが可能であり、重合物D(布地C)を所望の形態に簡単に折り畳むことができる。
【0030】
本実施形態においては、折り曲げ操作を行う際に、布地Cとシート体1とが一体とされた重合物Dとして取り扱う。このため、重合物Dは全体としてある程度の腰があり、布地Cだけを折り曲げる場合に比べて、所定の折り線(スリット3)に沿って正確に折り曲げることができる。
【0031】
また、本実施形態においては、所望の形態に折り畳まれた重合物Dに対してアイロン掛けを行うことにより、布地Cの所定位置において折り目を適切に形成することができる。したがって、布地を折り返す度ごとにアイロン掛をする必要があった従来方法とは異なり、布地に効率よく折り目を形成することができる。このようなことから分るように、手芸作業用補助具A1を用いれば、所望の形態に折り畳まれたモチーフM1を簡単かつ効率よく作製することができる。
【0032】
本実施形態においては、シート体1の周辺領域12には、番号表記4A〜4Fおよび矢印表記5A〜5Fが表されている。これにより、これら番号表記4A〜4Fおよび矢印表記5A〜5Fの指示通りに第1および第2スリット31,32の折り曲げ操作を進めることができ、布地Cの折り曲げ操作をより効率よく行うことができる。
【0033】
本実施形態においては、図2、図7および図8を参照するとよく分るように、シート体1の中心領域11の外形と同じ外形を有するモチーフM1が出来上がる。また、上述したように、中心領域11はシート体1全体の1/2縮小相似形状であり、中心領域11の中心と折り畳む前のシート体1の中心とは一致している。このため、モチーフM1の中心には、シート体1の折り返された周辺領域12に対応する布地の周縁部分が集まっている。したがって、この中心部分を縫い止めればモチーフM1の形態を保持することができ、扱い扱いやすく、デザイン性に優れたモチーフM1が得られる。
【0034】
また、本実施形態においては、シート体1は粘着剤が片面に設けられたシールとして構成されており、離型シート2から剥がして使用する。このようにシールとして構成されたシート体1は、取り扱い易いものであり、また、粘着剤の粘着力が低下するまでの間は繰り返して使用することができる。
【0035】
図9〜図19は、本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示している。なお、図9以降の図面において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0036】
図9に示された手芸作業用補助具A2は、使用時における折り構造については基本的に上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様であるが、シート体1の外形が正六角形に代えて正方形とされている点、およびこれに伴って種々の設計変更が施されている点において、上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なる。
【0037】
手芸作業用補助具A2を用いてモチーフを作製する際には、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4D、矢印表記5A〜5D、折り領域表記41A〜41Dにしたがって折り畳む。図10は、手芸作業用補助具A2を用いてモチーフを作製する際における図5と同様のステップを示している。図11は、手芸作業用補助具A2を用いて作製されたモチーフM2を示している。手芸作業用補助具A2を用いれば、外形が略正方形のモチーフM2を作製することができる。
【0038】
図12に示された手芸作業用補助具A3においては、シート体1の外形は上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様に正六角形とされているが、使用時における折り構造が上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なっており、これに伴って種々の設計変更が施されている。すなわち、手芸作業用補助具A3においては、手芸作業用補助具A1に比べて折り構造が簡素化されており、矢印表記が表されていない。
【0039】
手芸作業用補助具A3を用いてモチーフを作製する際には、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。図13は、手芸作業用補助具A3を用いてモチーフを作製する際における図5と同様のステップを示している。「6」の番号表記4Fが付された領域を折り返す際に、ハッチングが付された領域を、既に折り返されている「1」の番号表記4Aが付された部分の下側に谷折りして折り込む。ここで、重合物は腰があるため、ハッチングが付された領域を比較的容易に折り込むことができる。図14は、手芸作業用補助具A3を用いて作製されたモチーフM3を示している。手芸作業用補助具A3を用いれば、外形が略正六角形のモチーフM3を作製することができる。
【0040】
図15に示された手芸作業用補助具A4においては、シート体1の外形は上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様に正六角形とされているが、使用時における折り構造が上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なっており、これに伴って種々の設計変更が施されている。すなわち、手芸作業用補助具A4においては、手芸作業用補助具A1に比べて折り構造が簡素化されており、矢印表記が表されていない。また、シート体1の中心領域11は、シート体1全体の縮小相似形であるが、中心領域11の頂点とシート体1の外形を構成する正六角形の頂点とは、周方向位置がずれている。
【0041】
手芸作業用補助具A4を用いてモチーフを作製する際には、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。図16は、手芸作業用補助具A4を用いてモチーフを作製する際における図5と同様のステップを示している。図16から分るように、シート体1の外形の頂点は、中心領域11の中心に位置する。図17は、手芸作業用補助具A4を用いて作製されたモチーフM4を示している。手芸作業用補助具A4を用いれば、外形が略正六角形のモチーフM4を作製することができる。
【0042】
図18に示された手芸作業用補助具A5は、シート体1の形状については上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同じであるが、離型シートを備えていない点、およびこれに伴って設計変更が施されている点において、上記実施形態の手芸作業用補助具A1とは異なる。
【0043】
手芸作業用補助具A5においては、シート体1は、シート状の不織布層の一方の面(図18における紙面奥側)に熱接着層を積層して形成されたものである。シート体1には、上記実施形態の手芸作業用補助具A1と同様に第1および第2スリット31,32が形成されており、上記不織布層の他方の面(図18における紙面手前側)には、番号表記4A〜4F、矢印表記5A〜5F、および折り領域表記41A〜41Fが表されている。
【0044】
手芸作業用補助具A5を用いてモチーフを作製する際には、まず、シート体1よりもひと回り大きいサイズの布地を準備し、布地に熱接着層が接触するようにシート体1を重ねてアイロン掛けを行うことにより、シート体1を布地に付着させる。次いで、シート体1の外形に沿って、布地の不要部分を裁断する。
【0045】
次いで、シート体1が布地Cに付着された重合物を、第1および第2スリット31,32、番号表記4A〜4F、矢印表記5A〜5F、折り領域表記41A〜41Fにしたがって折り畳む。このとき、上記実施形態の手芸作業用補助具A1の場合と異なり、番号表記4A〜4Fが内側となるように第1および第2スリット31,32を折り曲げる。図19は、手芸作業用補助具A5を用いてモチーフを作製する際における図6と同様のステップを示している。本実施形態の場合、所定の形態に折り畳まれた重合物がそのままモチーフの形態になり、シート体1はモチーフの内側に収容される。
【0046】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る手芸作業用補助具の各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。上記実施形態の説明から理解できるように、本発明に係る手芸作業用補助具は、様々なバリエーションのモチーフを作製するのに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る手芸作業用補助具の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図3】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図4】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図5】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図6】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図7】図1に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図8】図1に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図9】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図10】図9に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図11】図9に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図12】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図13】図12に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図14】図12に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図15】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図16】図15に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【図17】図15に示す手芸作業用補助具を使用して作製されたモチーフを示す平面図である。
【図18】本発明に係る手芸作業用補助具の他の例を示す平面図である。
【図19】図18に示す手芸作業用補助具の使用方法の一部の手順を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
A1,A2,A3,A4,A5 手芸作業用補助具
C 布地
D 重合物
1 シート体
2 離型シート
3 スリット(折り曲げ容易化手段)
31 第1スリット(第1の折り曲げ容易化手段)
32 第2スリット(第2の折り曲げ容易化手段)
4A〜4F 番号表記
5A〜5F 矢印表記
41A〜41F 折り領域表記
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定外形をもつ可撓性のあるシート体と、このシート体に形成された折り操作案内手段とを備え、布地に重ねるように付着させて使用し、上記折り操作案内手段にしたがい、上記布地を回転対称性のある所定の形態に折り畳むための手芸作業用補助具であって、
上記折り操作案内手段は、上記シート体を上記布地に付着させた重合物を、所定の折り線に沿って折り曲げる操作を容易化する折り曲げ容易化手段を含んでいることを特徴とする、手芸作業用補助具。
【請求項2】
上記折り曲げ容易化手段は、上記所定の折り線に沿って形成されたミシン目状のスリットである、請求項1に記載の手芸作業用補助具。
【請求項3】
上記折り操作案内手段は、折り操作をするべき順序を示す番号表記と、折り方向を示す矢印表記とをさらに含んでいる、請求項1または2に記載の手芸作業用補助具。
【請求項4】
上記シート体は、正多角形の頂点をもつ外形を有しているとともに、中心を上記シート体の中心と同じくする縮小相似形状の中心領域と、この中心領域の外側の周辺領域とを有し、上記中心領域と上記周辺領域との境界には、上記中心領域の各辺に沿って、上記折り曲げ容易化手段のうちの第1の折り曲げ容易化手段が形成されており、上記周辺領域には、上記折り曲げ容易化手段のうちの第2の折り曲げ容易化手段が形成されており、この第2の折り曲げ容易化手段は、上記中心領域の各辺の延長線に沿って直線状に延びるものを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の手芸作業用補助具。
【請求項5】
上記中心領域は、上記シート体の1/2縮小相似形状であり、かつ、上記シート体の外形形状と各頂点の周方向位置が一致する、請求項4に記載の手芸作業用補助具。
【請求項6】
上記シート体は、上記布地に付着させるための粘着剤が一方の面に設けられたシールとして構成されており、上記粘着剤に貼着される離型シートをさらに備える、請求項1ないし5のいずれか記載の手芸作業用補助具。
【請求項7】
上記シート体は、シート状の不織布層と、この不織布層の一方の面に積層形成された熱接着層とを備えて構成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の手芸用補助具。
【請求項1】
所定外形をもつ可撓性のあるシート体と、このシート体に形成された折り操作案内手段とを備え、布地に重ねるように付着させて使用し、上記折り操作案内手段にしたがい、上記布地を回転対称性のある所定の形態に折り畳むための手芸作業用補助具であって、
上記折り操作案内手段は、上記シート体を上記布地に付着させた重合物を、所定の折り線に沿って折り曲げる操作を容易化する折り曲げ容易化手段を含んでいることを特徴とする、手芸作業用補助具。
【請求項2】
上記折り曲げ容易化手段は、上記所定の折り線に沿って形成されたミシン目状のスリットである、請求項1に記載の手芸作業用補助具。
【請求項3】
上記折り操作案内手段は、折り操作をするべき順序を示す番号表記と、折り方向を示す矢印表記とをさらに含んでいる、請求項1または2に記載の手芸作業用補助具。
【請求項4】
上記シート体は、正多角形の頂点をもつ外形を有しているとともに、中心を上記シート体の中心と同じくする縮小相似形状の中心領域と、この中心領域の外側の周辺領域とを有し、上記中心領域と上記周辺領域との境界には、上記中心領域の各辺に沿って、上記折り曲げ容易化手段のうちの第1の折り曲げ容易化手段が形成されており、上記周辺領域には、上記折り曲げ容易化手段のうちの第2の折り曲げ容易化手段が形成されており、この第2の折り曲げ容易化手段は、上記中心領域の各辺の延長線に沿って直線状に延びるものを含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の手芸作業用補助具。
【請求項5】
上記中心領域は、上記シート体の1/2縮小相似形状であり、かつ、上記シート体の外形形状と各頂点の周方向位置が一致する、請求項4に記載の手芸作業用補助具。
【請求項6】
上記シート体は、上記布地に付着させるための粘着剤が一方の面に設けられたシールとして構成されており、上記粘着剤に貼着される離型シートをさらに備える、請求項1ないし5のいずれか記載の手芸作業用補助具。
【請求項7】
上記シート体は、シート状の不織布層と、この不織布層の一方の面に積層形成された熱接着層とを備えて構成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の手芸用補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−279859(P2009−279859A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135211(P2008−135211)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【特許番号】特許第4227662号(P4227662)
【特許公報発行日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000105039)クロバー株式会社 (14)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【特許番号】特許第4227662号(P4227662)
【特許公報発行日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000105039)クロバー株式会社 (14)
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