説明

払戻機、および、保守システム

【課題】発券機の修復作業の効率を向上する。
【解決手段】例えば公営競技等に用いられる払戻機1は、投票券に印刷された例えばQRコード(登録商標)等の識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて払戻処理を実行する払戻機であって、投票券に印刷された識別情報の印刷状態を例えばイメージセンサ等を用いて検査し、検査結果を検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報とともに、ホスト装置2に通知する制御部1aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、投票券を扱う払戻機、および、保守システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、競馬や競輪等の公営競技では、投票内容を識別する識別情報を投票券に印刷して発行する発券機が用いられている。発券機では、保守管理の1つとして、投票券の印刷状態の検査が行われる。また、投票券の印刷状態を検査する方法としては、例えば、識別情報が印刷された投票券をイメージセンサによって撮像し、撮像した画像を解析して検査する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−334286号公報
【特許文献2】特開平2−151966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、イメージセンサによって撮像された画像を解析して検査する方法では、例えば、検出された異常が、印刷不良によるものか、または、イメージセンサの不具合(例えば、汚れ等)によるものかを、精度よく判定できない可能性がある。従って、このような検査方法を用いて発券機の保守管理を行った場合、発券機の修復作業を効率的に実行できない可能性がある。
【0005】
このような点に鑑み、開示の払戻機、および、保守システムでは、発券機の修復作業の効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために以下のような払戻機、および、保守システムが提供される。
この払戻機は、投票券に印刷された識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて払戻処理を実行する払戻機であって、投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査し、検査結果を検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報とともに、ホスト装置に通知する制御部、を有する。
【0007】
また、この保守システムは、投票券を発行する複数の発券機と、投票券に印刷された識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて払戻処理を実行する複数の払戻機と、ホスト装置とを含み、複数の払戻機のそれぞれは、投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査し、検査結果を検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報とともに、ホスト装置に通知する制御部を有し、ホスト装置は、複数の払戻機から通知された検査結果と発券機を特定する特定情報とを集計する。
【発明の効果】
【0008】
開示の払戻機、および、保守システムによれば、発券機の修復作業の効率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る払戻機の一例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る保守システムの一例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係る発券機の外観の一例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る払戻機の外観の一例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る発券機のハードウェアの一例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る払戻機のハードウェアの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る発券機の投票券発券ユニットの機構の一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係る払戻機の投票券読取ユニットの機構の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係るホスト装置のハードウェアの一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態に係る投票券の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係る保守システムの機能の一例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係る投票券情報の一例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るカウント情報の一例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態に係る保守情報の通知手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態に係るQRコード切出画像の一例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態に係る保守情報の一例を示す図である。
【図17】第2の実施の形態に係る保守情報の一例を示す図である。
【図18】第2の実施の形態に係る投票券の読取手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態に係る投票券の読取手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態に係る保守情報の報知手順の一例を示す図である。
【図21】第2の実施の形態に係る保守アラーム画面の一例を示す図である。
【図22】第2の実施の形態に係る装置別画面の一例を示す図である。
【図23】第2の実施の形態に係る払戻機別画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る払戻機の一例を示す図である。
【0011】
払戻機1は、例えば、競馬や競輪等の公営競技に用いられている。払戻機1は、利用者によって投票券が挿入されると、投票券に印刷された識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて現金の払戻処理を実行する。識別情報は、例えば、QRコード等の二次元コードやバーコードである。
【0012】
払戻機1は、制御部1aを有している。制御部1aは、投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査し、検査結果を検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報とともに、ホスト装置2に通知する。識別情報の印刷状態の検査は、例えば、制御部1aが、投票券の印刷面を撮像し、撮像した画像を解析することで行われる。
【0013】
ホスト装置2は、払戻機1の制御部1aから通知された検査結果および発券機を特定する特定情報を集計する。そして、ホスト装置2は、例えば、異常を示す検査結果が特定の発券機に集中している場合には、その発券機に印刷異常が発生していると判定し、また、異常を示す検査結果が複数の発券機に分散されている場合には、発券機に印刷異常は発生していないと判定する。そして、ホスト装置2は、判定結果を、例えば表示や音声等により係員に報知する。なお、このホスト装置2による判定は、集計結果を係員が閲覧することで行うこととしてもよい。
【0014】
このように、第1の実施の形態によれば、発券機の印刷異常を、複数の投票券の検査結果に基づいて統計的に判定することが可能となるので、例えば、投票券の印刷状態の検査を高精度で実施できない場合であっても、発券機の印刷異常を精度よく検出することが可能となる。これにより、発券機の修復作業の効率を向上することが可能となる。
【0015】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る保守システムの一例を示す図である。
保守システム10は、例えば、競馬や競輪等の公営競技に適用される。保守システム10は、ネットワーク14に接続された、複数の発券機11a,11b…と、複数の払戻機12a,12b…と、ホスト装置13とを含んでいる。発券機11a,11b…および払戻機12a,12b…は、トータリゼータ端末とも称される。
【0016】
発券機11a,11b…には、例えば、自動発券機、有人発券機、および、発券機能と払戻機能との両方を備えた自動発払機が含まれている。払戻機12a,12b…には、例えば、自動払戻機、有人払戻機、および、発券機能と払戻機能との両方を備えた自動発払機が含まれている。
【0017】
発券機11a,11b…には、投票内容が記された投票カードが利用者によって挿入される。そして、発券機11a,11b…は、挿入された投票カードから投票内容を読み取り、投票券の発行処理をホスト装置13に要求する。そして、発券機11a,11b…は、ホスト装置13から発行許可の通知を受けると、読み取った投票内容を示す識別情報を投票券に印刷して発行する。
【0018】
払戻機12a,12b…には、投票券が利用者によって挿入される。そして、払戻機12a,12b…は、投票券に印刷された識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて現金の払戻処理をホスト装置13に要求する。そして、払戻機12a,12b…は、ホスト装置13から払戻許可および払戻金額の通知を受けると、現金の払戻処理を実行する。また、払戻機12a,12b…は、投票券の印刷状態を検査し、検査結果を含む保守情報をホスト装置13に通知する。
【0019】
ホスト装置13は、発券機11a,11b…から要求された投票券の発行処理、および、払戻機12a,12b…から要求された払戻処理を管理する。また、ホスト装置13は、払戻機12a,12b…から通知された保守情報の集計を行う。
【0020】
図3は、第2の実施の形態に係る発券機の外観の一例を示す図である。
発券機11は、発券機11a,11b…を代表している。発券機11の正面には、ディスプレイ21と、ディスプレイ21の上面に配置されたタッチパネル22と、投票カード挿入口23と、投票券出口24と、硬貨出入口25と、紙幣出入口26とが設けられている。
【0021】
図4は、第2の実施の形態に係る払戻機の外観の一例を示す図である。
払戻機12は、払戻機12a,12b…を代表している。払戻機12の正面には、ディスプレイ31と、ディスプレイ31の上面に配置されたタッチパネル32と、投票券出入口33と、硬貨出口34と、紙幣出口35とが設けられている。
【0022】
図5は、第2の実施の形態に係る発券機のハードウェアの一例を示す図である。
発券機11は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、メモリ102と複数の周辺機器が接続されている。メモリ102は、発券機11の主記憶装置として使用される。
【0023】
メモリ102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、CPU101による処理に必要な各種情報が格納される。
【0024】
CPU101に接続されている周辺機器としては、ディスプレイ21と、タッチパネル22と、投票カード読取ユニット103と、投票券発券ユニット104と、紙幣ユニット105と、硬貨ユニット106と、係員操作ユニット107と、通信インタフェース108とがある。
【0025】
ディスプレイ21は、CPU101からの命令に従って、画像を表示する。タッチパネル22は、ディスプレイ21の上面に配置されており、タッチによる入力を受け付け、CPU101に信号を送信する。ここで、ディスプレイ21に表示された画像は、タッチパネル22を透過し、利用者に視認される。
【0026】
投票カード読取ユニット103は、CPU101からの命令に従って、投票カード挿入口23に挿入された投票カードから投票内容を読み取る。投票券発券ユニット104は、CPU101からの命令に従って、投票券に投票内容を印刷し、投票券を投票券出口24から排出する。
【0027】
紙幣ユニット105は、CPU101からの命令に従って、紙幣の出し入れや、計数、収納を行う。硬貨ユニット106は、CPU101からの命令に従って、硬貨の出し入れや、計数、収納を行う。
【0028】
係員操作ユニット107は、例えば、タッチパネルを備え、入力を受け付けると、信号をCPU101に送信する。通信インタフェース108は、ネットワーク14に接続されている。通信インタフェース108は、ネットワーク14を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間で情報の送受信を行う。
【0029】
図6は、第2の実施の形態に係る払戻機のハードウェアの一例を示す図である。
払戻機12は、CPU111によって装置全体が制御されている。CPU111には、メモリ112と複数の周辺機器が接続されている。メモリ112は、払戻機12の主記憶装置として使用される。
【0030】
メモリ112には、CPU111に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ112には、CPU111による処理に必要な各種情報が格納される。
【0031】
CPU111に接続されている周辺機器としては、ディスプレイ31と、タッチパネル32と、投票券読取ユニット113と、紙幣ユニット114と、硬貨ユニット115と、係員操作ユニット116と、通信インタフェース117とがある。
【0032】
ディスプレイ31は、CPU111からの命令に従って、画像を表示する。タッチパネル32は、ディスプレイ31の上面に配置されており、タッチによる入力を受け付け、CPU111に信号を送信する。ここで、ディスプレイ31に表示された画像は、タッチパネル32を透過し、利用者に視認される。
【0033】
投票券読取ユニット113は、イメージセンサ113aを備えている。投票券読取ユニット113は、CPU111からの命令に従って、投票券出入口33に挿入された投票券をイメージセンサ113aによって撮像し、撮像した画像から投票内容を読み取る。
【0034】
紙幣ユニット114は、CPU111からの命令に従って、紙幣の出し入れや、計数、収納を行う。硬貨ユニット115は、CPU111からの命令に従って、硬貨の出し入れや、計数、収納を行う。
【0035】
係員操作ユニット116は、例えば、タッチパネルを備え、入力を受け付けると、信号をCPU111に送信する。通信インタフェース117は、ネットワーク14に接続されている。通信インタフェース117は、ネットワーク14を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間で情報の送受信を行う。
【0036】
図7は、第2の実施の形態に係る発券機の投票券発券ユニットの機構の一例を示す図である。
投票券発券ユニット104は、感熱性のロール状の投票券用紙104bと、投票券用紙を切断する用紙カッタ104cと、投票券用紙104bが切断されて生成される投票券が搬送される搬送路104aとを有している。さらに、投票券発券ユニット104は、搬送路104a上に、投票券に印刷を施すサーマルヘッド104dと、印刷が施された投票券を撮像するイメージセンサ104eと、投票券の偽造防止用の特殊インク状態を検出するインクセンサ104fとを有している。
【0037】
図8は、第2の実施の形態に係る払戻機の投票券読取ユニットの機構の一例を示す図である。
投票券読取ユニット113は、投票券が搬送される搬送路113bを有している。さらに、投票券読取ユニット113は、搬送路113b上に、投票券を撮像するイメージセンサ113aと、投票券の特殊インク状態を検出するインクセンサ113cと、投票券の厚みを検出する厚みセンサ113dとを有している。インクセンサ113cでは、投票券が偽造されていないか特殊インクの状態をチェックする。厚みセンサ113dでは、投票券が2枚重ねて搬送されていないかチェックを行う。
【0038】
図9は、第2の実施の形態に係るホスト装置のハードウェアの一例を示す図である。
ホスト装置13は、CPU121によって装置全体が制御されている。CPU121には、バス128を介してRAM(Random Access Memory)122と複数の周辺機器が接続されている。
【0039】
RAM122は、ホスト装置13の主記憶装置として使用される。RAM122には、CPU121に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM122には、CPU121による処理に必要な各種情報が格納される。
【0040】
バス128に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)123、グラフィック処理装置124、入力インタフェース125、光学ドライブ装置126、および通信インタフェース127がある。
【0041】
HDD123は、内蔵したディスクに対して、磁気的に情報の書き込みおよび読み出しを行う。HDD123は、ホスト装置13の二次記憶装置として使用される。HDD123には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種情報が格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0042】
グラフィック処理装置124には、モニタ124aが接続されている。グラフィック処理装置124は、CPU121からの命令に従って、画像をモニタ124aの画面に表示させる。モニタ124aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0043】
入力インタフェース125には、キーボード125aとマウス125bとが接続されている。入力インタフェース125は、キーボード125aやマウス125bから送られてくる信号をCPU121に送信する。なお、マウス125bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0044】
光学ドライブ装置126は、レーザ光などを利用して、光ディスク126aに記録された情報の読み取りを行う。光ディスク126aは、光の反射によって読み取り可能なように情報が記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク126aには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0045】
通信インタフェース127は、ネットワーク14に接続されている。通信インタフェース127は、ネットワーク14を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間で情報の送受信を行う。
【0046】
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。
図10は、第2の実施の形態に係る投票券の一例を示す図である。
【0047】
投票券50は、印刷面50aを有している。印刷面50aには、投票内容が文字で印刷されているとともに、投票内容を示すQRコード51,52が印刷されている。また、QRコード51,52には、投票券50を発行した発券機に設定されている発券機番号と、その発券機の投票券発行時の連番号である発券カウンタの番号が含まれている。なお、ここで、投票券50の横方向をX方向とし、縦方向をY方向と規定する。
【0048】
図11は、第2の実施の形態に係る保守システムの機能の一例を示す図である。
払戻機12は、投票券情報格納部41と、発券カウント情報格納部42と、制御部43とを有している。ホスト装置13は、保守情報格納部44と、払戻機12の制御部43に接続されたホスト制御部45とを有している。
【0049】
払戻機12の投票券情報格納部41には、払戻機12に挿入された投票券毎に、投票券の印刷面全体を撮像した画像(券面イメージ)と、券面イメージから切り出したQRコードの画像(QRコード切出画像)と、投票券を発行した発券機に設定されている番号(発券機番号)と、その投票券の連番号である(発券カウンタ番号)と、払戻機12によって投票券が読み取られた時刻(読取時刻)と、QRコードを読み取る際に実施した補正の回数(エラー補正回数)とが格納される。
【0050】
券面イメージ、QRコード切出画像、発券機番号、発券カウンタ番号、読取時刻、および、エラー補正回数は、制御部43によって格納される。なお、発券機番号、および、発券カウンタ番号は、投票券に印刷されたQRコードから取得される。
【0051】
発券カウント情報格納部42には、払戻機12における、投票券の読み取り枚数(読取枚数)と、非的中や確定前等の投票券の返却枚数(非該当返却枚数)と、読み取ることができなかった投票券の返却枚数(読取不良返却枚数)と、払戻しが行われた投票券の枚数(払戻枚数)とが格納される。
【0052】
さらに、発券カウント情報格納部42には、投票券の印刷状態の検査の結果、エラーと判定された件数(エラー判定件数)と、投票券を読み取る際に補正を実施した結果、払戻しが成功した件数(補正後OK件数)とが、発券機番号毎に集計されて格納される。読取枚数、非該当返却枚数、読取不良返却枚数、払戻枚数、エラー判定件数、および、補正後OK件数は、制御部43によって更新される。
【0053】
制御部43は、ディスプレイ31、タッチパネル32、投票券読取ユニット113、紙幣ユニット114、硬貨ユニット115、係員操作ユニット116、および、通信インタフェース117を制御する。また、制御部43は、投票券情報格納部41および発券カウント情報格納部42に対する情報の取り出しと、情報の格納および更新とを行う。
【0054】
また、制御部43は、イメージセンサ113aによって撮像された投票券の画像の加工(QRコードの切出)、および、QRコード切出画像の状態の検査を行う。また、制御部43は、QRコードのデコードを行う。ここで、制御部43は、デコードエラーが生じた場合、QRコードを補正してデコードを行う。また、制御部43は、払戻処理を要求する払戻電文を生成し、生成した払戻電文をホスト装置13に送信する。
【0055】
また、制御部43は、払戻機12に関する保守情報を生成し、生成した保守情報をホスト装置13に通知する。保守情報には、発券機番号毎に集計されたエラー判定件数、払戻機12に設定されている番号(払戻機番号)、QRコード切出画像、エラー補正件数、および、エラー判定の種別(エラー判定種別)等が含まれる。
【0056】
ホスト装置13の保守情報格納部44には、払戻機12の制御部43から通知された保守情報が格納される。保守情報の格納はホスト制御部45により行われる。ホスト制御部45は、保守情報格納部44に格納されている保守情報を集計し、集計結果に基づいて保守アラームを発生する。
【0057】
次に、投票券情報格納部41に格納される投票券情報について説明する。
図12は、第2の実施の形態に係る投票券情報の一例を示す図である。
投票券情報41aには、払戻機12に挿入された投票券毎に、券面イメージ、QRコード切出画像、発券機番号、発券カウンタ番号、読取時刻、および、エラー補正回数が格納されている。例えば、投票券番号#1は、投票券を発行した発券機に設定されている番号が#1234567であり、その発券機が設置されている発券カウンタの番号が#5012であり、投票券を読み取った時刻が「2011年6月27日9時50分11秒」であり、読み取りの際の補正回数が「0」回である。
【0058】
次に、発券カウント情報格納部42に格納されるカウント情報について説明する。
図13は、第2の実施の形態に係るカウント情報の一例を示す図である。
カウント情報42aには、読取枚数、非該当返却枚数、読取不良返却枚数、および、払戻枚数が格納されている。さらに、カウント情報42aには、エラー判定件数、および、補正後OK件数が、発券機番号毎に集計されて格納されている。例えば、発券機番号#1234567によって発行された投票券に対するエラー判定件数は3件あり、発券機番号#1234567によって発行された投票券に対する補正後OK件数は3件である。
【0059】
次に、払戻機12による保守情報の通知手順について説明する。
図14は、第2の実施の形態に係る保守情報の通知手順の一例を示すフローチャートである。図14に示す処理は、例えば、払戻機12のCPU111の負荷が低いアイドル状態(装置が客待ち状態であり、発券等の動作を行っていない状態)等に実施される。なお、投票券情報格納部41には投票情報が格納され、発券カウント情報格納部42にはカウント情報が格納されているものとする。
【0060】
[ステップS11]制御部43が、投票券情報格納部41に格納されている投票券情報の1つにアクセスする。例えば、図12に示された投票券情報41aの場合、制御部43は、投票券番号#1〜#4…のいずれか1つに対応する情報にアクセスする。
【0061】
[ステップS12]制御部43が、エラー補正回数が所定の閾値を超えているかどうかを判定する。閾値を超えている場合、制御部43は、処理をステップS16に進める。閾値を超えていない場合、制御部43は、処理をステップS13に進める。
【0062】
[ステップS13]制御部43が、QRコード切出画像に異常がないかどうかを検査する。具体的には、制御部43は、QRコード切出画像に、印刷不良に伴うドット欠けや、イメージセンサ113aの汚れに伴う白ラインまたは黒ライン等の異常がないかどうかを判定する。
【0063】
[ステップS14]制御部43が、QRコード切出画像に異常がある場合、処理をステップS15に進める。制御部43が、QRコード切出画像に異常がない場合、処理をステップS19に進める。
【0064】
[ステップS15]制御部43が、発券カウント情報格納部42に格納されている該当する発券機番号のエラー判定件数を1つカウントアップする。
[ステップS16]制御部43が、発券カウント情報格納部42にアクセスし、エラー判定件数の合計が所定の閾値を超えているかどうかを判定する。制御部43は、エラー判定件数の合計が閾値を超えている場合、処理をステップS17に進める。制御部43は、エラー判定件数の合計が閾値を超えていない場合、処理をステップS19に進める。なお、ステップS16は、省略することも可能である。
【0065】
[ステップS17]制御部43が、保守情報を生成する。
[ステップS18]制御部43が、生成した保守情報をホスト装置13のホスト制御部45に通知して処理をステップS19に進める。
【0066】
[ステップS19]制御部43が、投票券情報格納部41に格納されている全ての投票券情報にアクセスしたかどうかを判定する。制御部43は、全ての投票券情報にアクセスした場合、処理を終了する。制御部43は、アクセスしていない投票券情報がある場合、処理をステップS11に戻す。
【0067】
次に、上記ステップS13のQRコード切出画像の検査について詳細に説明する。
図15は、第2の実施の形態に係るQRコード切出画像の一例を示す図である。
状態1に示されるQRコード切出画像61には、QRコード61a,61bが含まれ、QRコード61aには、Y方向に延在する白ライン61cが存在する。この場合、例えば、制御部43は、QRコード切出画像61に、印刷不良に伴うドット欠けが発生していると判定する。
【0068】
すなわち、例えば、発券機11における投票券への印刷は、Y方向に延在するライン状のサーマルヘッド104dにより行われ、払戻機12における投票券の撮像は、X方向に延在するライン状のイメージセンサ113aによって行われる。このため、Y方向に延在する白ラインがあれば、その延在方向に基づいて、払戻機12のイメージセンサ113aの汚れ等によるものではなく、発券機11のサーマルヘッド104dの不具合が原因で発生したドット欠けであると判定することができる。
【0069】
状態2に示されるQRコード切出画像62には、QRコード62a,62bが含まれ、QRコード62a,62bには、X方向に延在する白ライン62cが存在する。この場合、例えば、制御部43は、白ライン62cを、その延在方向に基づいて、イメージセンサ113aの汚れによるものだと判定することができる。
【0070】
状態3に示されるQRコード切出画像63には、QRコード63a,63bが含まれ、QRコード63a,63bには、X方向に延在する黒ライン63cが存在する。この場合、例えば、制御部43は、黒ライン63cを、イメージセンサ113aの汚れによるものだと判定することができる。
【0071】
次に、上記ステップS17において制御部43が生成する保守情報について説明する。
図16、図17は、第2の実施の形態に係る保守情報の一例を示す図である。
図16に示す保守情報43aおよび図17に示す保守情報43bには、発券機番号、払戻機番号、読取時刻、エラー判定種別、エラー補正回数、QRコード切出画像、補正後OK件数合計、読取枚数、非該当返却枚数、読取不良返却枚数、発券機毎に集計されたエラー判定件数および補正後OK件数、払戻枚数、エラー判定件数合計、エラー判定割合、および、自己診断結果が含まれている。
【0072】
エラー判定種別には、例えば、ドット欠けや、イメージセンサ汚れ等がある。発券機番号、読取時刻、エラー補正回数、および、QRコード切出画像は、投票券情報格納部41から取得される。ここで、QRコード切出画像は、該当するQRコード切出画像に加えて、1つ前のタイミングで取得されたQRコード切出画像も含まれる。
【0073】
補正後OK件数合計、読取枚数、非該当返却枚数、読取不良返却枚数、発券機毎に集計されたエラー判定件数および補正後OK件数、払戻枚数、および、エラー判定件数合計は、発券カウント情報格納部42から取得される。払戻機番号は、払戻機12に予め設定されている。エラー判定割合は、エラー判定件数合計を払戻枚数で割ることで算出される。
【0074】
自己診断結果は、制御部43が、エラー判定件数に基づいて、原因分析を統計的に行うことで得られる。例えば、制御部43は、エラー判定が特定の発券機に集中している場合には、その発券機に原因があると判定して、自己診断結果を「OK」とし、また、エラー判定が複数の発券機に分散されている場合には、払戻機12に原因があると判定して、自己診断結果を「NG」とする。
【0075】
保守情報43aは、自己診断結果が「OK」の場合の一例である。保守情報43aでは、11件のエラー判定のうちの10件が、発券機番号#1234567に集中している。保守情報43bは、自己診断結果が「NG」の場合の一例である。保守情報43bでは、エラー判定が多数の発券機番号に分散されている。
【0076】
次に、払戻機12による投票券の読取手順の一例について説明する。
図18、図19は、第2の実施の形態に係る投票券の読取手順の一例を示すフローチャートである。図18、図19に示す処理は、払戻機12に利用者によって投票券が挿入される毎に実施される。また、図18、図19に示す処理を開始する毎に、制御部43は、発券カウント情報格納部42に格納された読取枚数を1つカウントアップする。
【0077】
[ステップS31]制御部43が、イメージセンサ113aを制御して、挿入された投票券の印刷面を撮像し、券面イメージを取得する。
[ステップS32]制御部43が、取得した券面イメージからQRコード部分を切り出し、QRコード切出画面を取得する。
【0078】
[ステップS33]制御部43が、取得したQRコード切出画面のQRコードをデコード(符号化)する。
[ステップS34]制御部43が、QRコードのデコードが成功したかどうかを判定する。成功した場合、制御部43は、処理をステップS43に進める。成功しなかった場合、制御部43は、処理をステップS35に進める。
【0079】
[ステップS35]制御部43が、QRコードの補正実施回数が上限値以下かどうかを判定する。例えば、上限値は3回に設定されている。補正実施回数は、例えば、制御部43が記憶している。QRコードの補正実施回数が上限値以下の場合、制御部43は、処理をステップS38に進める。QRコードの補正実施回数が上限値を超えている場合、制御部43は、処理をステップS36に進める。
【0080】
[ステップS36]制御部43が、投票券読取ユニット113を制御して、投票券を返却する。このとき、例えば、制御部43は、ディスプレイ21に投票券の読み取りができない旨を表示したり、払戻機12が備えるスピーカから同様の趣旨の音声ガイダンスを発生したりする。
【0081】
[ステップS37]制御部43が、発券カウント情報格納部42に格納された読取不良返却枚数を1つカウントアップして処理を終了する。
[ステップS38]制御部43が、QRコードを補正する。QRコードの補正は、例えば、QRコードに含まれている冗長情報部分を用いて実施される。
【0082】
[ステップS39]制御部43が、記憶している補正実施回数を1つカウントアップする。
[ステップS40]制御部43が、補正したQRコードをデコードする。
【0083】
[ステップS41]制御部43が、QRコードのデコードが成功したかどうかを判定する。成功した場合、制御部43は、処理をステップS42に進める。成功しなかった場合、制御部43は、処理をステップS35に戻す。
【0084】
[ステップS42]制御部43が、発券カウント情報格納部42に格納された該当する発券機番号の補正後OK件数を1つカウントアップして処理をステップS43に進める。
[ステップS43]制御部43が、取得した券面イメージを投票券情報格納部41に格納する。
【0085】
[ステップS44]制御部43が、取得したQRコード切出画像を投票券情報格納部41に格納する。
[ステップS45]制御部43が、QRコードのデコード結果から発券機番号を取得し、取得した発券機番号を投票券情報格納部41に格納する。
【0086】
[ステップS46]制御部43が、QRコードのデコード結果から発券カウンタ番号を取得し、取得した発券カウンタ番号を投票券情報格納部41に格納する。
[ステップS47]制御部43が、記憶している補正実施回数をエラー補正回数として投票券情報格納部41に格納する。
【0087】
[ステップS48]制御部43が、QRコードのデコード結果に基づいて、払戻電文を生成する。
[ステップS49]制御部43が、生成した払戻電文をホスト装置13のホスト制御部45に送信する。
【0088】
[ステップS50]制御部43が、ホスト制御部45から、払戻しの可否を通知する払戻応答電文を受信する。
[ステップS51]制御部43が、払戻応答電文を解析し、払戻しが可能かどうかを判定する。払戻しが可能な場合、制御部43は、処理をステップS54に進める。払戻しが可能ではない場合、制御部43は、処理をステップS52に進める。
【0089】
[ステップS52]制御部43が、投票券読取ユニット113を制御して、投票券を返却する。このとき、例えば、制御部43は、ディスプレイ21に不的中或いは確定前等の原因により払戻しができない旨を表示したり、払戻機12が備えるスピーカから同様の趣旨の音声ガイダンスを発生したりする。
【0090】
[ステップS53]制御部43が、発券カウント情報格納部42に格納された非該当返却枚数を1つカウントアップして処理を終了する。
[ステップS54]制御部43が、紙幣ユニット105および硬貨ユニット106を制御して払戻金額の出金処理を実行する。このとき、例えば、制御部43は、ディスプレイ21に払戻金額を表示する。
【0091】
[ステップS55]制御部43が、発券カウント情報格納部42に格納された払戻枚数を1つカウントアップして処理を終了する。
次に、ホスト装置13による保守情報の報知手順について説明する。
【0092】
図20は、第2の実施の形態に係る保守情報の報知手順の一例を示す図である。図20に示す処理は、例えば、ホスト装置13に接続された各払戻機から保守情報の通知がある毎に実施してもよく、また、一定時間毎に実施してもよい。なお、保守情報格納部44には、各払戻機から通知された保守情報が格納されているものとする。
【0093】
[ステップS61]ホスト制御部45が、保守情報格納部44にアクセスする。
[ステップS62]ホスト制御部45が、保守情報格納部44に格納された保守情報を、発券機番号別に集計する。
【0094】
[ステップS63]ホスト制御部45が、保守情報格納部44に格納された保守情報を、払戻機番号別に集計する。
[ステップS64]ホスト制御部45が、発券機番号別の集計結果において、エラー判定件数が閾値を超えた発券機があるかどうかを判定する。エラー判定件数が閾値を超えた発券機がある場合、ホスト制御部45は、処理をステップS65に進める。エラー判定件数が閾値を超えた発券機がない場合、ホスト制御部45は、処理をステップS66に進める。
【0095】
[ステップS65]ホスト制御部45が、エラー判定件数が閾値を超えた発券機の保守が必要と判定し、モニタ124aに保守アラーム画面を表示し、または、保守ブザーを発生して処理を終了する。
【0096】
[ステップS66]ホスト制御部45が、払戻機番号別の集計結果において、エラー判定件数が閾値Aを超えた払戻機があるかどうかを判定する。エラー判定件数が閾値Aを超えた払戻機がある場合、ホスト制御部45は、処理をステップS67に進める。エラー判定件数が閾値Aを超えた払戻機がない場合、ホスト制御部45は、処理を終了する。
【0097】
[ステップS67]ホスト制御部45が、エラー判定件数が閾値Aを超えた払戻機の保守情報に含まれる自己診断結果が「NG」であるかどうかを判定する。自己診断結果が「NG」である場合、ホスト制御部45は、処理をステップS69に進める。自己診断結果が「OK」である場合、ホスト制御部45は、処理をステップS68に進める。
【0098】
[ステップS68]ホスト制御部45が、エラー判定件数が閾値Aを超え、自己診断結果が「OK」である払戻機について、エラー判定件数が閾値Bを超えているかどうかを判定する。エラー判定件数が閾値Bを超えている場合、ホスト制御部45は、処理をステップS69に進める。エラー判定件数が閾値Bを超えていない場合、ホスト制御部45は、処理を終了する。
【0099】
[ステップS69]イメージセンサ汚れ等の払戻機側の要因であるにも関わらず発券機側の保守アラームを発生させないために、ホスト制御部45が、払戻機側要因のエラー判定件数が閾値Bを超えた払戻機の保守情報から、発券機番号を発券機エラーの対象外とする。
【0100】
[ステップS70]ホスト制御部45が、エラー判定件数が閾値を超えた発券機或いは払戻機の保守が必要と判定し、モニタ124aに保守アラーム画面を表示し、または、保守ブザーを発生して処理を終了する。
【0101】
次に、上記ステップS65,S70でモニタ124aに表示される保守アラーム画面について説明する。
図21は、第2の実施の形態に係る保守アラーム画面の一例を示す図である。
【0102】
保守アラーム画面71には、ホスト制御部45が保守必要と判定した発券機および払戻機毎に、発券機および払戻機の区分を示す発払区分と、投票所番号と、発券機および払戻機の番号を示す機番号と、エラー判定内容と、エラー判定件数と、補正後OK件数と、読取不良件数と、保守が必要かどうかを示す保守有無とが表示される。
【0103】
発払区分には、自動発券機を示す「自発」と、自動払戻機を示す「自払」と、自動発払機を示す「発払」とがある。なお、この他にも、図示していないが、有人発券機を示す「有発」と、有人払戻機を示す「有払」とがある。投票所番号は、例えば、発券機番号および払戻機番号に基づいて、ホスト制御部45に予め記憶されている投票所番号一覧から取得される。
【0104】
エラー判定内容は、エラー判定種別に基づいて取得される。例えば、エラー判定種別が
「ドット欠け」の場合、エラー判定内容は「ドット欠け発生」となり、エラー判定種別が「イメージセンサの汚れ」の場合、エラー判定内容は「イメージセンサ清掃要」となる。また、エラー判定内容には、QRコード切出画像が含まれる。保守有無には、保守の要否と緊急性とが示される。
【0105】
また、保守アラーム画面71には、装置別画面を表示させる「PF1」ボタン71aと、払戻機別画面を表示させる「PF2」ボタン71bとが表示される。また、保守アラーム画面71は、係員の注意を喚起するため、点滅する。
【0106】
係員は、保守アラーム画面71を閲覧することで、保守の必要な発券機および払戻機を特定することができる。また、係員は、QRコード切出画像を見て実際のドット欠け状態などを目視にて確認することができる。
【0107】
図22は、第2の実施の形態に係る装置別画面の一例を示す図である。
装置別画面72には、ホスト制御部45が集計した発券機および払戻機毎に、発払区分と、投票所番号と、機番号と、エラー判定内容と、エラー判定件数と、補正後OK件数と、読取不良枚数と、保守有無とが表示される。
【0108】
図23は、第2の実施の形態に係る払戻機別画面の一例を示す図である。
払戻機画面73には、ホスト制御部45が集計した払戻機毎に、発払区分と、投票所番号と、機番号と、発券機番号と、エラー判定件数と、補正後OK件数と、読取不良枚数と、保守有無とが表示される。なお、エラー判定件数および補正後OK件数は、発券機番号毎に集計されている。
【0109】
保守有無には、異常が払戻機側にあることを示す情報が含まれる。この情報は、ホスト制御部45が、発券機番号毎に集計されたエラー判定件数を分析することで得られる。すなわち、ホスト制御部45は、エラー判定が特定の発券機に集中している場合には、払戻機側に異常があるのではなく、発券機側の印刷異常が原因であると判定する。また、エラー判定が複数の発券機に分散されている場合には、ホスト制御部45は、払戻機側に異常があると判定する。
【0110】
例えば、払戻機画面73では、機番号が#0101234の自動発払機に対するエラー判定が、多数の発券機に分散されているため、ホスト制御部45は、払戻機側に異常があると判定し、保守有無には「払戻機側要」と表示される。
【0111】
係員は、払戻機画面73を閲覧することで、保守の必要な払戻機を特定することができる。また、係員は、払戻機画面73を閲覧することで、複数の払戻機に対するエラー判定が、特定の発券機に集中していることを把握でき、発券機に印刷異常があると判定することもできる。
【0112】
例えば、払戻機画面73では、機番号が#0101235、#0101237、および、#0000124の払戻機に対するエラー判定が、発券機#1234568に集中しているため、係員は、発券機#1234568に印刷異常があると判定することができる。なお、この時、装置別画面72を閲覧すると、発券機#1234568の部分には統計処理により発券機#1234568に印刷異常があることが表示されるため、係員が払戻機画面73においてエラー判定が特定の発券機に集中していると判断することができる。
【0113】
以上説明してきたように、第2の実施の形態によれば、発券機の印刷異常を複数の投票券の検査結果に基づいて統計的に判定することが可能となる。このため、仮に、QRコード切出画像の検査において、異常の原因が印刷不良によるものか、または、イメージセンサ113aの汚れによるものかを、高精度で判定できない場合であっても、発券機の印刷異常を精度よく検出することが可能となる。これにより、発券機の修復作業の効率を向上することが可能となる。
【0114】
さらに、第2の実施の形態によれば、払戻機のイメージセンサの異常も複数の投票券の検査結果に基づいて統計的に判定することが可能となる。このため、払戻機のイメージセンサの異常を精度よく検出することが可能となり、払戻機の修復作業の効率を向上することが可能となる。
【0115】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、払戻機12またはホスト装置13が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0116】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0117】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0118】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0119】
1,12,12a,12b 払戻機
1a,43 制御部
2,13 ホスト装置
10 保守システム
11,11a,11b 発券機
14 ネットワーク
41 投票券情報格納部
42 発券カウント情報格納部
44 保守情報格納部
45 ホスト制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票券に印刷された識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて払戻処理を実行する払戻機であって、
投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査し、検査結果を検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報とともに、ホスト装置に通知する制御部、
を有することを特徴とする払戻機。
【請求項2】
前記払戻機は、投票券に印刷された識別情報を補正する補正機能を有し、
前記制御部は、前記補正機能によって補正された回数をカウントするカウント機能を有し、カウントした補正回数に応じて、検査結果を前記ホスト装置に通知すること、
を特徴とする請求項1記載の払戻機。
【請求項3】
前記払戻機は、投票券の印刷面を撮像する撮像部を有し、前記撮像部が撮像した画像に含まれる識別情報から投票内容を読み取り、
前記制御部は、前記撮像部が撮像した画像を解析して、投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査すること、
を特徴とする請求項1または2記載の払戻機。
【請求項4】
前記撮像部が撮像した画像を格納する格納部を有し、
前記制御部は、前記格納部に格納された画像を解析して、投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査すること、
を特徴とする請求項3記載の払戻機。
【請求項5】
前記制御部は、検査結果を、検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報、および、自払戻機を特定する特定情報とともに、前記ホスト装置に通知すること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の払戻機。
【請求項6】
投票券を発行する複数の発券機と、投票券に印刷された識別情報から投票内容を読み取り、読み取った投票内容に基づいて払戻処理を実行する複数の払戻機と、ホスト装置とを含み、
前記複数の払戻機のそれぞれは、
投票券に印刷された識別情報の印刷状態を検査し、検査結果を検査対象の投票券を発行した発券機を特定する特定情報とともに、前記ホスト装置に通知する制御部を有し、
前記ホスト装置は、前記複数の払戻機から通知された検査結果と発券機を特定する特定情報とを集計すること、
を特徴とする保守システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2013−92939(P2013−92939A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235302(P2011−235302)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)