技能訓練装置
【課題】機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を効果的に習得させるための技能訓練装置を提供する。
【解決手段】技能訓練装置１００は、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置として構成される。技能訓練装置１００は、互いに状態が異なる複数の機械部品１０ａ〜１０ｆが配置されたターンテーブル２０と、ターンテーブル２０に配置された複数の機械部品１０ａ〜１０ｆを覆い隠すようにターンテーブル２０の上方に配置されたプレート４０と、複数の機械部品１０ａ〜１０ｆのうち選択された機械部品が所定位置Ａに配置されるようにターンテーブル２０を回転させ、その選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を人に聞かせるコントローラ６０とを備える。
【解決手段】技能訓練装置１００は、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置として構成される。技能訓練装置１００は、互いに状態が異なる複数の機械部品１０ａ〜１０ｆが配置されたターンテーブル２０と、ターンテーブル２０に配置された複数の機械部品１０ａ〜１０ｆを覆い隠すようにターンテーブル２０の上方に配置されたプレート４０と、複数の機械部品１０ａ〜１０ｆのうち選択された機械部品が所定位置Ａに配置されるようにターンテーブル２０を回転させ、その選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を人に聞かせるコントローラ６０とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
製造設備や製品などにおいて様々なモータが使用されている。モータには、ボールベアリング等のベアリングが組み込まれている。このベアリングは、錆・腐食・磨耗、それを保持している保持器の破損、外輪・内輪の割れ、打痕・傷、かじり、外輪が回転しているなど、様々な不具合を発生しうる。このような不具合のために、ベアリングが焼きつくなどして、製造設備や製品の使用を停止せざるを得ない事態になりうる。
【特許文献１】Ｈ０６−１１４０３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
設備担当者には、上記のようなベアリングの不具合が発生したときにそれを早期に発見したり、その不具合の原因を特定したりする技能が求められている。しかしながら、上記のようにベアリングの不具合の内容は、多岐にわたるので、そのような技能を設備担当者が習得するには非常に長い年月を要する。
【０００４】
また、このような技能は、ベアリングに限られるものではなく、他の種々の機械部品についても求められうる。
【０００５】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を効果的に習得させるための技能訓練装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の技能訓練装置は、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置として構成され、前記技能訓練装置は、互いに状態が異なる複数の機械部品が配置されたターンテーブルと、前記ターンテーブルに配置された前記複数の機械部品を覆い隠すように前記ターンテーブルの上方に配置されたプレートと、前記複数の機械部品のうち選択された機械部品が所定位置に配置されるように前記ターンテーブルを回転させ、前記選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を人に聞かせるコントローラとを備える。
【０００７】
本発明の好適な実施形態によれば、前記技能訓練装置は、表示器を更に備えることが好ましく、前記コントローラは、前記選択された機械部品を動作させた後に、前記選択された機械部品の状態を示す情報を前記表示器に表示させることが好ましい。
【０００８】
本発明の好適な実施形態によれば、前記機械部品は、例えばモータである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、例えば、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を効果的に習得させるための技能訓練装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【００１１】
図１は、本発明の好適な実施形態の技能訓練装置の構成を模式的に示す平面図である。本発明の好適な実施形態の技能訓練装置１００は、機械部品１０ａ〜１０ｆの状態をそれらが発生する音で判定する技能を人に習得させる装置として構成されている。ここで、機械部品１０ａ〜１０ｆは、特に限定はされないが、例えば、モータである。モータには、ボールベアリング等のベアリングが組み込まれている。
【００１２】
前述のように、ベアリングは、錆・腐食・磨耗、それを保持している保持器の破損、外輪・内輪の割れ、打痕・傷、かじり、外輪が回転しているなど、様々な不具合を発生しうる。熟練者であれば、この音に基づいてモータ或いはベアリングの不具合の内容を特定することができる。しかしながら、経験が浅い者にとっては、そのような不具合の特定は難しい。
【００１３】
本発明の好適な実施形態の技能訓練装置１００は、機械部品１０ａ〜１０ｆを訓練者（訓練を受ける者）が見ることができない状態でそれらが発生する音を該訓練者に聞かせることにより、音を聞き分けて機械部品１０ａ〜１０ｆの不具合を特定させる訓練をするために好適である。
【００１４】
ここで、機械部品１０ａ〜１０ｆを訓練者（訓練を受ける者）が見ることができない状態とするのは、機械部品１０ａ〜１０ｆの外観的な特徴、例えば、それらの傷や汚れ、それらに貼られたラベルの記載事項や該ラベルの曲がりや汚れなどの付加的な情報に基づいて、訓練者が不具合を特定することを避けるためである。
【００１５】
技能訓練装置１００は、台５０の上に回転可能に配置されたターンテーブル２０と、ターンテーブル２０の上に配置されたプレート４０と、コントローラ６０とを備えうる。ターンテーブル２０の上には、互いに状態が異なる複数の機械部品１０ａ〜１０ｆが配置されている。例えば、機械部品１０ａ〜１０ｆがモータであるとすると、該モータのベアリングに対して、例えば、錆・腐食・磨耗、それを保持している保持器の破損、外輪・内輪の割れ、打痕・傷、かじり、外輪が回転しているなどといった不具合が予め与えられる。ターンテーブル２０は、駆動機構３０によって回転駆動される。例えば、駆動機構３０は、駆動プーリー３４を駆動することによって、ベルト３２を介して、プーリー２１を回転させ、これによってプーリー２１に連結されたターンテーブル２０が回転する。
【００１６】
プレート４０は、ターンテーブル２０に配置された複数の機械部品１０ａ〜１０ｆを覆い隠すように、ターンテーブル２０の上方に配置される。つまり、プレート４０は、機械部品１０ａ〜１０ｆを訓練者が見ることができない状態とするための手段として機能する。プレート４０は、１又は複数の固定部４２を有し、該固定部４２によって台５０の上に固定されうる。
【００１７】
コントローラ６０は、複数の機械部品１０ａ〜１０ｆのうち選択された機械部品が所定位置Ａに配置されるようにターンテーブル２０を回転させ、その選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を訓練者に聞かせる。プレート４０には、所定位置Ａ又はその近傍に孔４４が設けられている。訓練者は、選択された機械部品（図１では、１０ａ）が発生する音を孔４４を通して聞くことができる。この際に、診断用のレシーバが使用されてもよい。複数の機械部品１０ａ〜１０ｆには、訓練者から容易に見えない方法で、それらが有する不具合を説明する情報が記載された部材が添えられうる。該部材は、例えば、通常状態において、該部材を覆うカバー部材で覆われうる。訓練者は、必要に応じてそのカバー部材を操作して前記情報を見ることができる。
【００１８】
技能訓練装置１００は、更に表示器７０を備えることが好ましい。コントローラ６０は、その選択された機械部品の状態を示す情報を表示器７０に表示させる。この表示は、典型的には、選択された機械部品を動作させた後に行われうる。
【００１９】
技能訓練装置１００は、更に、操作部を備えることが好ましい。この場合において、訓練者によって特定された不具合の内容を示す情報を操作部を通してコントローラ６０に入力し、コントローラが当該情報と実際の不具合の内容とを比較して、その比較結果（合否）を表示器７０に表示させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の好適な実施形態の技能訓練装置の構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【００２１】
１０ａ〜１０ｆ 機械部品
２０ ターンテーブル
２１ プーリ―
３０ 駆動機構
３２ ベルト
３４ 駆動プーリ―
４０ プレート
４２ 固定部
４４ 孔
５０ 台
６０ コントローラ
７０ 表示器
【技術分野】
【０００１】
本発明は、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
製造設備や製品などにおいて様々なモータが使用されている。モータには、ボールベアリング等のベアリングが組み込まれている。このベアリングは、錆・腐食・磨耗、それを保持している保持器の破損、外輪・内輪の割れ、打痕・傷、かじり、外輪が回転しているなど、様々な不具合を発生しうる。このような不具合のために、ベアリングが焼きつくなどして、製造設備や製品の使用を停止せざるを得ない事態になりうる。
【特許文献１】Ｈ０６−１１４０３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
設備担当者には、上記のようなベアリングの不具合が発生したときにそれを早期に発見したり、その不具合の原因を特定したりする技能が求められている。しかしながら、上記のようにベアリングの不具合の内容は、多岐にわたるので、そのような技能を設備担当者が習得するには非常に長い年月を要する。
【０００４】
また、このような技能は、ベアリングに限られるものではなく、他の種々の機械部品についても求められうる。
【０００５】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を効果的に習得させるための技能訓練装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の技能訓練装置は、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置として構成され、前記技能訓練装置は、互いに状態が異なる複数の機械部品が配置されたターンテーブルと、前記ターンテーブルに配置された前記複数の機械部品を覆い隠すように前記ターンテーブルの上方に配置されたプレートと、前記複数の機械部品のうち選択された機械部品が所定位置に配置されるように前記ターンテーブルを回転させ、前記選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を人に聞かせるコントローラとを備える。
【０００７】
本発明の好適な実施形態によれば、前記技能訓練装置は、表示器を更に備えることが好ましく、前記コントローラは、前記選択された機械部品を動作させた後に、前記選択された機械部品の状態を示す情報を前記表示器に表示させることが好ましい。
【０００８】
本発明の好適な実施形態によれば、前記機械部品は、例えばモータである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、例えば、機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を効果的に習得させるための技能訓練装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【００１１】
図１は、本発明の好適な実施形態の技能訓練装置の構成を模式的に示す平面図である。本発明の好適な実施形態の技能訓練装置１００は、機械部品１０ａ〜１０ｆの状態をそれらが発生する音で判定する技能を人に習得させる装置として構成されている。ここで、機械部品１０ａ〜１０ｆは、特に限定はされないが、例えば、モータである。モータには、ボールベアリング等のベアリングが組み込まれている。
【００１２】
前述のように、ベアリングは、錆・腐食・磨耗、それを保持している保持器の破損、外輪・内輪の割れ、打痕・傷、かじり、外輪が回転しているなど、様々な不具合を発生しうる。熟練者であれば、この音に基づいてモータ或いはベアリングの不具合の内容を特定することができる。しかしながら、経験が浅い者にとっては、そのような不具合の特定は難しい。
【００１３】
本発明の好適な実施形態の技能訓練装置１００は、機械部品１０ａ〜１０ｆを訓練者（訓練を受ける者）が見ることができない状態でそれらが発生する音を該訓練者に聞かせることにより、音を聞き分けて機械部品１０ａ〜１０ｆの不具合を特定させる訓練をするために好適である。
【００１４】
ここで、機械部品１０ａ〜１０ｆを訓練者（訓練を受ける者）が見ることができない状態とするのは、機械部品１０ａ〜１０ｆの外観的な特徴、例えば、それらの傷や汚れ、それらに貼られたラベルの記載事項や該ラベルの曲がりや汚れなどの付加的な情報に基づいて、訓練者が不具合を特定することを避けるためである。
【００１５】
技能訓練装置１００は、台５０の上に回転可能に配置されたターンテーブル２０と、ターンテーブル２０の上に配置されたプレート４０と、コントローラ６０とを備えうる。ターンテーブル２０の上には、互いに状態が異なる複数の機械部品１０ａ〜１０ｆが配置されている。例えば、機械部品１０ａ〜１０ｆがモータであるとすると、該モータのベアリングに対して、例えば、錆・腐食・磨耗、それを保持している保持器の破損、外輪・内輪の割れ、打痕・傷、かじり、外輪が回転しているなどといった不具合が予め与えられる。ターンテーブル２０は、駆動機構３０によって回転駆動される。例えば、駆動機構３０は、駆動プーリー３４を駆動することによって、ベルト３２を介して、プーリー２１を回転させ、これによってプーリー２１に連結されたターンテーブル２０が回転する。
【００１６】
プレート４０は、ターンテーブル２０に配置された複数の機械部品１０ａ〜１０ｆを覆い隠すように、ターンテーブル２０の上方に配置される。つまり、プレート４０は、機械部品１０ａ〜１０ｆを訓練者が見ることができない状態とするための手段として機能する。プレート４０は、１又は複数の固定部４２を有し、該固定部４２によって台５０の上に固定されうる。
【００１７】
コントローラ６０は、複数の機械部品１０ａ〜１０ｆのうち選択された機械部品が所定位置Ａに配置されるようにターンテーブル２０を回転させ、その選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を訓練者に聞かせる。プレート４０には、所定位置Ａ又はその近傍に孔４４が設けられている。訓練者は、選択された機械部品（図１では、１０ａ）が発生する音を孔４４を通して聞くことができる。この際に、診断用のレシーバが使用されてもよい。複数の機械部品１０ａ〜１０ｆには、訓練者から容易に見えない方法で、それらが有する不具合を説明する情報が記載された部材が添えられうる。該部材は、例えば、通常状態において、該部材を覆うカバー部材で覆われうる。訓練者は、必要に応じてそのカバー部材を操作して前記情報を見ることができる。
【００１８】
技能訓練装置１００は、更に表示器７０を備えることが好ましい。コントローラ６０は、その選択された機械部品の状態を示す情報を表示器７０に表示させる。この表示は、典型的には、選択された機械部品を動作させた後に行われうる。
【００１９】
技能訓練装置１００は、更に、操作部を備えることが好ましい。この場合において、訓練者によって特定された不具合の内容を示す情報を操作部を通してコントローラ６０に入力し、コントローラが当該情報と実際の不具合の内容とを比較して、その比較結果（合否）を表示器７０に表示させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の好適な実施形態の技能訓練装置の構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【００２１】
１０ａ〜１０ｆ 機械部品
２０ ターンテーブル
２１ プーリ―
３０ 駆動機構
３２ ベルト
３４ 駆動プーリ―
４０ プレート
４２ 固定部
４４ 孔
５０ 台
６０ コントローラ
７０ 表示器
【特許請求の範囲】
【請求項１】
機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置であって、
互いに状態が異なる複数の機械部品が配置されたターンテーブルと、
前記ターンテーブルに配置された前記複数の機械部品を覆い隠すように前記ターンテーブルの上方に配置されたプレートと、
前記複数の機械部品のうち選択された機械部品が所定位置に配置されるように前記ターンテーブルを回転させ、前記選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を人に聞かせるコントローラと、
を備えることを特徴とする技能訓練装置。
【請求項２】
表示器を更に備え、
前記コントローラは、前記選択された機械部品を動作させた後に、前記選択された機械部品の状態を示す情報を前記表示器に表示させる、
ことを特徴とする請求項１に記載の技能訓練装置。
【請求項３】
前記機械部品は、モータである、ことを特徴とする請求項１又は２に記載の技能訓練装置。
【請求項１】
機械部品の状態をそれが発生する音で判定する技能を人に習得させる技能訓練装置であって、
互いに状態が異なる複数の機械部品が配置されたターンテーブルと、
前記ターンテーブルに配置された前記複数の機械部品を覆い隠すように前記ターンテーブルの上方に配置されたプレートと、
前記複数の機械部品のうち選択された機械部品が所定位置に配置されるように前記ターンテーブルを回転させ、前記選択された機械部品を動作させてそれが発生する音を人に聞かせるコントローラと、
を備えることを特徴とする技能訓練装置。
【請求項２】
表示器を更に備え、
前記コントローラは、前記選択された機械部品を動作させた後に、前記選択された機械部品の状態を示す情報を前記表示器に表示させる、
ことを特徴とする請求項１に記載の技能訓練装置。
【請求項３】
前記機械部品は、モータである、ことを特徴とする請求項１又は２に記載の技能訓練装置。
【図１】
【公開番号】特開２００９−２５６５３（Ｐ２００９−２５６５３Ａ）
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１８９９２６（Ｐ２００７−１８９９２６）
【出願日】平成１９年７月２０日（２００７．７．２０）
【出願人】（０００００００５５）アサヒビール株式会社 (535)
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月２０日（２００７．７．２０）
【出願人】（０００００００５５）アサヒビール株式会社 (535)
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