説明

投票システム、投票装置及びコンピュータプログラム

【課題】クレジットカードによる公営競技等の投票券の購入割合が増加した場合であっても、資金不足を発生させないようにする。
【解決手段】投票装置100は、クレジット投票サービスの会員データ、レースの年間スケジュール、過去の投票サービスの売上実績のデータに基づいて、クレジット投票による投票券の予想売上を算出し、予想売上から資金不足が予想される金額を算出して、その資金不足分の金額の借り入れをファイナンス会社の融資業務装置500に対して要求し、融資を受ける。レース終了後、投票装置100は、クレジット投票による当たり投票券の購入者に払戻しを行なう。クレジット会社からの入金日に、投票業務委託者が投票券の購入金額の支払を受けると、投票装置100から銀行の金融装置へ振込指示を行ない、ファイナンス会社へ融資を受けた借入金を返済する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公営競技等への投票に用いられる投票システム、投票装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、競馬や競艇、競輪、オートレースなどの公営競技等では、投票券の売上のうち、所定の割合分を当たり投票券の購入者へ払戻し、その残りを主催者側の収入としている。
一方、特許文献1〜4には、電子マネーやデビットカード、クレジットカードを投票券を購入する際の支払いに用いることができる投票システムについて開示されている。
【特許文献1】特開平11−175635号公報
【特許文献2】特開平9−54804号公報
【特許文献3】特開平11−338949号公報
【特許文献4】特許第3974735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、多くの人がクレジットカードを所有しており、その利便性から、クレジットカード払いにより投票券を購入したいという要望が高まっている。
しかし、クレジットカード会社からクレジットカードサービス加盟店への入金は月に1〜2回であることが多い。つまり、購入者がクレジットカード払いで投票券を購入した場合、購入代金は投票業務委託者へは即時に入金されず、購入から数日後に入金されることになる。その一方、当たり投票券への払戻しは即座に行なわなければならない。このため、投票業務委託者において、資金不足が発生してしまうおそれがある。
【0004】
例えば、ある公営競技において、売上の75%を当たり投票券の購入者へ払戻しているとする。このとき、クレジットカード払いにより購入された投票券の売上が全体の25%を超えると、投票券の売上全体のうち、競技終了からクレジットカード会社からの入金までの間、投票業務委託者が運用可能な資金は、実際の売上の75%を下回ってしまうことになる。この入金までの間に、当たり投票券の払戻しを行なうと、投票業務委託者は資金不足に陥ってしまい、払戻しができないという状態が発生しうる。また、売上の25%は主催者に支払われるが、その支払タイミングにおいて、クレジットカード払いの売上が全て入金されていない場合には、やはり投票業務委託者は資金不足となってしまう。しかし、上述した特許文献1〜4は、このような問題を解決するものではない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、公営競技等の投票券販売及び払戻しの業務の運営において、クレジットカードによる投票券の購入割合が増加した場合であっても、資金不足を発生させることのない投票システム、投票装置、及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、競技の投票券の販売を行なう投票装置と、金融取引処理を行う金融機関装置と、融資業務処理を行う融資業務装置と、競技主催者の主催者装置と、前記投票券の購入者が操作する端末装置とをネットワークを介して接続してなる投票システムであって、前記投票装置は、クレジットカード払いにより投票券の購入が可能な会員の会員識別情報及び払戻口座の情報を示す会員データと、競技の開催スケジュールと、過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報とを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した予測売上に基づいて融資額を決定する需要予測部と、前記需要予測部により算出された融資額を設定した融資要求を前記融資業務装置へ出力する資金調達部と、前記端末装置から、会員識別情報と、投票内容及び投票金額との情報を受信し、投票データとして前記記憶部に記憶する投票受付部と、前記主催者装置から、払戻対象の投票内容及び払戻率の情報が設定された競技結果情報を受信し、前記記憶部に記憶されている前記投票データから、前記競技結果情報内の払戻対象の投票内容が設定されている投票データを特定し、特定した投票データ内の投票金額と、前記競技結果情報内の払戻率とから払戻金額を算出し、算出した払戻金額を当該投票データに付加して前記記憶部に記憶する投票結果判定部と、前記記憶部を参照して、前記投票結果判定部により払戻金額が付加された投票データを特定し、特定した投票データ内の会員識別情報に対応した会員データから払戻口座の情報を読み出し、読み出した払戻口座の情報と、前記払戻金額の情報とを設定した振込指示を前記金融機関装置へ出力する払戻部と、前記記憶部に記憶されている前記投票データ内の投票金額を合計して売上金額を算出し、競技主催者の口座の情報と、算出した売上金額に対する主催者収入分の金額の情報とを設定した振込指示を前記金融機関装置へ出力する払込部と、を備え、前記融資業務装置は、前記投票装置から受信した前記融資要求内の融資額と、融資先の口座の情報とを設定した振込指示を前記金融機関装置へ出力する融資部を備え、前記端末装置は、購入者が入力した会員識別情報と、投票内容及び投票金額とを送信する処理部を備え、前記主催者装置は、前記競技結果情報を前記投票装置に送信する結果通知部を備え、前記金融機関装置は、受信した振込指示により示される口座に、当該振込指示により示される金額を振込む取引処理部を備える、ことを特徴とする投票システムである。
【0007】
また、本発明は、クレジットカード払いにより投票券の購入が可能な会員の会員識別情報及び払戻口座の情報を示す会員データと、競技の開催スケジュールと、過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報とを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した予測売上に基づいて融資額を決定する需要予測部と、前記需要予測部により算出された融資額を設定した融資要求を融資業務装置へ出力する資金調達部と、端末装置から、会員識別情報と、投票内容及び投票金額との情報を受信し、投票データとして前記記憶部に記憶する投票受付部と、払戻対象の投票内容及び払戻率の情報が設定された競技結果情報の入力を受け、前記記憶部に記憶されている前記投票データから、前記競技結果情報内の払戻対象の投票内容が設定されている投票データを特定し、特定した投票データ内の投票金額と、前記競技結果情報内の払戻率とから払戻金額を算出し、算出した払戻金額を当該投票データに付加して前記記憶部に記憶する投票結果判定部と、前記記憶部を参照して、前記投票結果判定部により払戻金額が付加された投票データを特定し、特定した投票データ内の会員識別情報に対応した会員データから払戻口座の情報を読み出し、読み出した払戻口座の情報と、前記払戻金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払戻部と、前記記憶部に記憶されている前記投票データ内の投票金額を合計して売上金額を算出し、競技主催者の口座の情報と、算出した売上金額に対する主催者収入分の金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払込部と、を備えることを特徴とする投票装置である。
【0008】
また、本発明は、上述する投票装置において、前記記憶部は、競技の開催スケジュールと、過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報とを競技の種類毎に記憶し、前記需要予測部は、所定の融資対象期間に行なわれる競技とその種類を特定するとともに、競技の種類毎に、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した全ての競技の種類についての予測売上を合計して全体の予測売上を算出する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述する投票装置において、前記需要予測部は、前記実績売上金額及び前記購入人数から一人当たりの購入金額を算出し、算出した一人当たりの購入金額と、前記購入人数に基づく投票参加見込み人数とから、所定の算出式により予測売上額を算出する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述する投票装置において、前記記憶部は、増加会員数の情報をさらに記憶し、前記需要予測部は、前記記憶部から読み出した増加会員数と、前記購入人数の情報とから前記投票参加見込み人数を算出する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述する投票装置において、前記需要予測部は、前記売上金額の全額に、あるいは、前記売上金額のうちの当たり投票券への払戻分の金額に、所定のリスク係数を乗算することにより前記融資額を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述する投票装置において、前記払戻部は、前記端末装置から、会員識別情報と、払戻要求とを受信し、前記記憶部から受信した会員識別情報に対応した投票データを特定し、特定した投票データに付加されている払戻金額の支払を前記端末装置へ指示する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上述する投票装置において、前記記憶部は、前記会員識別情報に対応して、クレジットカード払いにより購入可能な金額を示す利用可能金額の情報をさらに記憶し、前記投票受付部は、受信した前記投票金額が、受信した前記会員識別情報に対応して前記記憶部から読み出した利用可能金額以内であるときに投票券の販売を許可し、前記払戻部は、前記記憶部に記憶されている、前記特定した投票データ内の会員識別情報に対応した利用可能金額の情報を、前記払戻金額を加算した金額を示す情報に書き換える、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、投票装置として用いられるコンピュータを、クレジットカード払いにより投票券の購入が可能な会員の会員識別情報及び払戻口座の情報を示す会員データと、競技の開催スケジュールと、過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報とを記憶する記憶部、前記記憶部に記憶されている前記開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した予測売上に基づいて融資額を決定する需要予測部、前記需要予測部により算出された融資額を設定した融資要求を融資業務装置へ出力する資金調達部、端末装置から、会員識別情報と、投票内容及び投票金額との情報を受信し、投票データとして前記記憶部に記憶する投票受付部、払戻対象の投票内容及び払戻率の情報が設定された競技結果情報の入力を受け、前記記憶部に記憶されている前記投票データから、前記競技結果情報内の払戻対象の投票内容が設定されている投票データを特定し、特定した投票データ内の投票金額と、前記競技結果情報内の払戻率とから払戻金額を算出し、算出した払戻金額を当該投票データに付加して前記記憶部に記憶する投票結果判定部、前記記憶部を参照して、前記投票結果判定部により払戻金額が付加された投票データを特定し、特定した投票データ内の会員識別情報に対応した会員データから払戻口座の情報を読み出し、読み出した払戻口座の情報と、前記払戻金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払戻部、前記記憶部に記憶されている前記投票データ内の投票金額を合計して売上金額を算出し、競技主催者の口座の情報と、算出した売上金額に対する主催者収入分の金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払込部、として機能させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、クレジットカード払いにより購入される投票券の予想売上から不足が見込まれる資金を算出し、その不足見込みの資金分だけの借り入れを競技開始前に行なう。よって、クレジットカードを利用した投票券の購入割合が増加した場合であっても、資金不足を発生させずに、また、借り入れを多くしすぎることなく、当たり投票券購入者への払戻しや、主催者収入分の支払いを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による投票システムを用いた投票サービスの業務の流れについて説明する図である。本投票システムは、公営競技、例えば、競馬、競艇、競輪、オートレース等の投票サービスに用いられるが、以下では、競馬の投票サービスを例にして説明する。なお、点線は図示しない金融装置へ振込指示を通して支払が行なわれることを示している。
【0017】
競技の主催者から投票業務を委託された投票業務委託者は、クレジットカード払いにより投票券の購入が可能なクレジット投票サービスを提供するにあたり、払戻金用資金の事前準備が必要となる。これは、購入者が投票券を購入したときの売上金がクレジットカード会社を経由して投票業務委託者に支払われるため、即時入金されない一方、当たり投票券を購入したユーザには即時に払戻しを行なうためである。
【0018】
よって、以下のようなケースの場合、払戻金の資金不足が発生する。
(ケース1)クレジットカード払いにより投票券を購入する購入者が予測以上に増加して投票金額が伸び、その結果、払戻金額が予測を上回るケース。
(ケース2)グレードレースが多いために、クレジットカード払いにより投票券を購入する購入者が予測を上回るケース。
(ケース3)グレードレースが多いために、クレジットカード払いにより投票券を購入する購入者一人当たりの投票単価が予測を上回るケース。
(ケース4)クレジットカード払いにより投票券を購入する購入者の的中率が高く、払戻金が集中するケース。
(ケース5)クレジットカード払いによる投票券の売上に払戻率を乗算した金額が、現金による投票券の売上を超えるケース。特に、場外投票所においては、払戻のための現金が不足する。
【0019】
そこで、投票業務委託者は、クレジットカード払いにより投票券を購入(以下、「クレジット投票」と記載)する購入者への払戻金の資金需要を予測し、その予測にリスク分を上乗せした融資額を決定して、予め借り入れを行なうことで当座の資金を準備し、払戻し不可の状態、つまり、資金ショートにさせないようにする。また、借り入れした資金に基づいて、場外投票所端末で不足が予測される現金を予めセットしておく。
【0020】
図1において、まず、クレジット投票を希望する購入者は、投票業務委託者が提供するクレジット投票サービスに加入する。クレジット投票サービスの会員データは、投票業務委託者の投票装置100に登録される。また、投票装置100には、レースの年間スケジュール、過去の投票サービスの売上実績等に関するデータも保持されている。投票装置100はレースの開催前に、これらのデータに基づいて、クレジット投票による投票券の予想売上を算出する(ステップS1)。投票装置100は、予想売上に基づいて融資額を決定し、ファイナンス会社の融資業務装置500に対して借り入れを要求する(ステップS2)。融資業務装置500から銀行の金融装置へ融資額の振込指示が行なわれることにより、投票業務委託者は、融資を受ける(ステップS3)。
【0021】
購入者は、自宅などから自身のパーソナルコンピュータなどの購入者端末200を用いて、あるいは、場外投票所に設置されている場外投票所端末300を用いて、投票装置100へクレジットカード払いによる投票券の購入を要求する(ステップS4、S4’)。投票装置100は、クレジット会社等のクレジットサービス装置400に対して、与信処理を要求する(ステップS5)。クレジットサービス装置400は、購入者のクレジットカードの与信処理を行うと、その結果を返送する(ステップS6)。投票装置100は、与信処理が成功であった場合、投票券を発行する。
【0022】
レース終了後、投票装置100は、当たり投票券を購入した購入者に対して、払戻金を払戻す(ステップS7、S7’)。払戻は口座振込等により行なうが、場外投票所端末300により現金で払戻を行なうこともできる。
【0023】
後日、クレジット会社からクレジットカードサービス加盟店への入金日に、クレジットサービス装置400から銀行の金融装置へ振込指示が行なわれることにより、投票業務委託者へ、投票券の売上が入金される(ステップS8)。そして、投票装置100から銀行の金融装置へ振込指示が行なわれることにより、投票業務委託者からファイナンス会社へ、ステップS3において融資を受けた借入金が返済され(ステップS9)、競技の主催者へ主催者分の収入が支払われる(ステップS10)。例えば、当たり投票券の購入者への払戻率を投票券の売上の75%とすると、主催者への支払率は25%となる。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による投票システムの接続構成を示す図であり、各装置については本発明に関する機能ブロックのみを抽出して示している。
同図において、投票業務委託者の投票装置100は、インターネットなどのネットワーク901を介して、購入者の購入者端末200、及び、場外投票所に設置された場外投票所端末300と接続され、専用線などのネットワーク903を介して主催者装置600と接続される。さらに、投票装置100は、セキュアなネットワーク902を介して、ファイナンス会社の融資業務装置500、クレジットカード会社のクレジットサービス装置400、及び、銀行の金融装置700と接続される。以下では、ファイナンス会社が口座を設けている銀行を銀行A、投票業務委託者が口座を設けている銀行を銀行B、購入者が口座を設けている銀行を銀行C、主催者が口座を設けている銀行を銀行D、クレジットカード会社が口座を設けている銀行を銀行Eとし、銀行A、B、C、D、Eが保有する金融装置700をそれぞれ金融装置700a、700b、700c、700d、700eとする。
【0025】
購入者端末200は、例えば、購入者のパーソナルコンピュータや携帯電話などのコンピュータ端末であり、通信部210、入力部220、表示部230、処理部240を備える。通信部210は、ネットワーク901を介して情報を送受信する。入力部220は、キーボードやマウス、ボタンなどであり、利用者の操作による情報の入力を受ける。表示部230は、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイである。処理部240は、入力部220により入力された情報を投票装置100へ送信したり、投票装置100から受信した情報を表示部230へ出力させたりする。
【0026】
場外投票所端末300は、通信部310、入力部320、カード読取部330、表示部340、発券部350、返金部360、制御部370を備える。通信部310は、ネットワーク901を介して情報を送受信する。入力部320は、キーやボタン、タッチパネルなどであり、利用者の操作による情報の入力を受ける。カード読取部330は、クレジットカードを読み取る。発券部350は、投票券を発券する。返金部360は、払戻分の現金を払い出す。制御部370は、各部を制御する。
【0027】
クレジットカード会社のクレジットサービス装置400は、例えば、1または複数のサーバで構成することができ、通信部410、記憶部420、与信処理部430、売上記録部440、振込部450、引落部460を備える。通信部410は、ネットワーク902を介して情報を送受信する。記憶部420は、クレジットカードの名義人、カードが有効であるか否か、クレジットカード利用限度枠及び現在の利用額、クレジット投票の利用限度枠及び現在の利用額などを示す顧客情報や、クレジットカードの売上データなど、クレジットカードの正当性や取引に関する情報を記憶する。与信処理部430は、記憶部420内に記憶されている情報に基づいて与信処理を行う。売上記録部440は、クレジットカードの売上データを読み込んで、記憶部420へ書き込む。振込部450は、売上データに基づいてクレジットカードの売上を算出し、金融装置700eに対して金融装置700bに売上の振込を行なうよう、すなわち、クレジットカード会社の口座(銀行E)から投票業務委託者の口座(銀行B)に売上の振込を行なうよう指示する。引落部460は、購入者の口座からクレジットカード払いの請求料金の引き落としを金融装置700eへ指示する。
【0028】
融資業務装置500は、例えば、1または複数のサーバで構成することができ、通信部510、融資要求受信部520、融資部530を備える。通信部510は、ネットワーク902を介してデータを送受信する。融資要求受信部520は、投票装置100から融資の要求を受信する。融資部530は、金融装置700aに対して、金融装置700bに融資額の振込を行なうよう、すなわち、ファイナンス会社の口座(銀行A)から投票業務委託者の口座(銀行B)に融資額の振込を行なうよう指示する。
【0029】
主催者装置600は、例えば、1または複数のサーバで構成することができ、通信部610、発券要求受信部620、予想配当通知部630、結果通知部640を備える。通信部610は、ネットワーク903を介してデータを送受信する。発券要求受信部620は、投票装置100からの発券要求を受付ける。予想配当通知部630は、現在の予想配当の情報を投票装置100へ通知する。結果通知部640は、レース結果の情報を投票装置100へ通知する。
【0030】
銀行の金融装置700は、例えば、1または複数のサーバで構成することができ、通信部710と取引処理部720を備える。通信部710は、ネットワーク902を介してデータを送受信する。取引処理部720は、振込等の金融取引のトランザクション処理を実行する。
【0031】
図3は、投票装置100の内部構成を示すブロック図であり、本発明に関する構成のみを抽出して示している。同図において、投票装置100は、通信部110、記憶部120、処理部130を備える。
【0032】
通信部110は、ネットワーク901、902、903を介してデータの送受信を行なう。記憶部120は、会員データ記憶部121、スケジュール記憶部122、売上実績記憶部123、会員売上実績記憶部124、購入データ記憶部125及び投票データ記憶部126を備える。会員データ記憶部121は、クレジット投票会員の会員データを記憶する。スケジュール記憶部122は、レースの開催予定スケジュールを示すデータを記憶する。売上実績記憶部123は、クレジット投票サービス以外の支払方法を用いたときの投票券の売上実績を示すデータを記憶する。これは、例えば、クレジット投票サービスが開始間もないため、クレジット投票会員の実績データが少ないときに需要予測のために使用する。会員売上実績記憶部124は、クレジット投票会員による投票券の売上実績を示すデータを記憶する。購入データ記憶部125は、投票券の購入日に、クレジット投票会員が利用可能な金額や、購入に使用した金額等、払戻金額等を示す購入データを記憶する。投票データ記憶部126は、クレジット投票会員が購入した投票券のデータを示す。
【0033】
処理部130は、登録部131、需要予測部132、資金調達部133、与信残額確認部134、投票受付部135、投票結果判定部136、払戻部137、売上出力部138、振込部139、返済部140を備える。
【0034】
登録部131は、クレジット投票会員の会員データを会員データ記憶部121へ書き込む。需要予測部132は、会員データから得られるクレジット投票会員の会員数、スケジュール記憶部122内のデータから得られるレースの開催予定、売上実績記憶部123または会員売上実績記憶部124から得られる過去のレースの売上等から、クレジット投票会員の予想売上を算出し、この予想売上から融資額を算出する。資金調達部133は、需要予測部132により算出された融資額の融資を融資業務装置500に要求する。
【0035】
与信残額確認部134は、クレジット投票に利用可能な金額をクレジットサービス装置400へ問い合わせる。投票受付部135は、場外投票所端末300または購入者端末200から要求された投票券を発券する。投票結果判定部136は、主催者装置600からレース結果と配当の情報を受信し、当たり投票券への払戻金額を算出して記録する。払戻部137は、当たり投票券への払戻しのための振込を金融装置700bへ指示する。売上出力部138は、クレジットカードの売上データを出力する。振込部139は、主催者収入分を納入するため、金融装置700bに対して、金融装置700dに主催者収入の振込を行なうよう、すなわち、投票業務委託者の口座(銀行B)から主催者の口座(銀行D)に主催者収入の振込を行なうよう指示する。返済部140は、融資された資金の返済のため、金融装置700bに対して、金融装置700aに返済金額の振込を行なうよう、すなわち、投票業務委託者の口座(銀行B)からファイナンス会社の口座(銀行A)に返済金額の振込を行なうよう指示する。
【0036】
次に、投票装置100の記憶部120に記憶される各データの例について説明する。
図4は、会員データ記憶部121に記憶される会員データのデータ構成例を示す図である。同図において、会員データは、クレジット投票会員の会員番号、氏名、クレジットカードのカード番号、クレジット投票の利用可能上限額、利用口座、入会日の情報を含むレコードからなる。入会日は、クレジット投票サービスに会員登録した日を示す。なお、利用可能上限額は、クレジットカードの与信限度枠の中で、投票に用いることができる金額を別に設定したものである。利用口座は、当たり投票券の払戻に使用する口座である。
【0037】
図5は、会員データ記憶部121に記憶される会員数データのデータ構成例を示す図である。同図において、会員数データは、入会月と、当該入会月に新規にクレジット投票会員として入会した人数、当該入会月までの累計クレジット投票会員数の情報を示す。これは、予め記録しておくことでもよく、後述する予想投票金額算出時に、投票装置100の需要予測部132が、会員データを参照し、各月が入会日であるレコード数を計測して各月の入会人数を得るとともに、その入会人数を累計して各月の累計クレジット投票会員数を得て生成してもよい。例えば、同図においては、2008年2月には1100人の新規会員が入会し、会員の累計は19800人となったことを示している。
【0038】
図6は、スケジュール記憶部122に記憶される年間番組スケジュールデータのデータ構成例を示す図である。同図において、年間番組スケジュールデータは、開催場毎に、開催日、各開催日のレース数、各レースのグレード種別及び名称を対応付けた情報を示す。
例えば競馬の場合、グレード種別には、グレードレースとして、G(グレード)I、GII、GIIIがあり、非グレードレースとして平場レースがある。同様に、各公営競技ごとに、グレードレースとして、SG、決勝、準決勝などがあり、非グレードレースとして一般レースなどがある。
尚、図6において、番組スケジュール上に、「−」が記されている箇所は、レースが行なわれないことを示す。
【0039】
図7及び図8は、会員売上実績記憶部124に記憶される会員売上実績データのデータ構成例を示す図である。図7は平日(祝日を除く月〜土曜日)の会員売上実績データを、図8は、休日(日曜、祝日)の会員売上実績データを示している。同図において、会員売上実績データは、グレード種別毎に、レース名・レース識別情報、平日/休日区分、開催場、過去のクレジット投票会員の投票人数の実績平均、及び、一人当たりの投票金額の実績平均を対応づけた情報を示す。
なお、平場レースについては、各競馬場における各月の、かつ平日/休日ごとに、1レースの参加クレジット会員人数と投票平均金額の平均値を、投票データ記憶部126に記憶されるクレジット投票会員の投票データ(後述)から求め、データを投入する。平場レースの投票データを月ごとに分けているのは、開催月によって繁忙期/閑散期があるためである。
【0040】
また、サービス開始当初は、会員売上実績データが収集できないため、売上実績記憶部123に記憶されるクレジット投票会員以外の売上実績データから、会員売上実績データに対応する情報を得る。売上実績データは、グレード種別毎に、レース名・レース識別情報、平日/休日区分、開催場、全体あるいはクレジットカード払い以外の所定の支払方法による一人当たりの平均投票金額を対応づけた情報からなる。そして、予想売上算出時には、クレジット投票会員一人当たりの平均投票金額の代わりに、売上実績データ内の一人当たりの平均投票金額を使用し、クレジット投票会員投票人数の実績平均の代わりに、予め売上実績記憶部123に記憶されている予想のクレジット投票会員投票人数を使用する。
【0041】
図9は、購入データ記憶部125に記憶される購入データのデータ構成例を示す図である。同図において、購入データは、会員番号及び日付と、当該日付における与信残額、購入金額、払戻金額及び利用可能金額を対応づけた情報を示す。与信残額は、クレジットサービス装置400において与信処理を行った結果として受信した、クレジット投票サービスに利用可能な残額を示す。また、利用可能金額は、利用可能残額から購入金額を減算し、その日の払戻金額を加算した金額である。
【0042】
図10は、投票データ記憶部126に記憶される投票データのデータ構成例を示す図である。同図において、投票データは、会員番号、投票番号、投票内容、投票金額、投票日時を対応づけた情報を示す。投票内容は、開催場、レース番号、投票法(単勝式、連勝複式など)、馬番号あるいは枠組番号などの情報からなる。
【0043】
次に、図11〜図17に示す、本実施の形態による投票システムのシーケンス図を用いて、投票システムの処理について説明する。
まず、投票装置100のスケジュール記憶部122に本年の年間番組スケジュールデータを登録する。さらに、クレジット投票サービスが開始まもなく、売上実績の蓄積がない、あるいは、あっても少ない場合は、売上実績記憶部123に売上実績データを登録する。クレジット投票サービスが開始されてしばらくたち、クレジット投票サービスの売上実績が蓄積された後は、会員売上実績記憶部124に会員売上実績データを登録する。なお、会員データは以下のように随時登録を行なう。
【0044】
[会員登録]
図11は、会員登録処理のシーケンス図である。
クレジット投票会員の申込者は、購入者端末200の入力部220により、投票装置100から提供するクレジット投票会員登録サイトのURL(Universal Resource Locator)へのアクセス指示を入力する。アクセスが成功すると、続いて申込者は、購入者端末200の入力部220により、氏名、クレジットカードのカード番号、利用口座等の会員登録情報と、会員登録指示を入力する(ステップS11)。投票装置100の登録部131は、会員登録情報が設定された会員登録要求を受信すると(ステップS12)、新たなクレジット投票会員の会員番号を生成する。登録部131は、会員登録情報と、生成した会員番号、入会日を設定した会員データのレコードを生成して、記憶部120に記憶されている会員データに追加登録すると(ステップS13)、会員番号を購入者端末200に通知し、表示させる(ステップS14)。なお、会員データは、投票業務委託者にて、投票装置100の図示しない入力手段により入力し、会員データ記憶部121に登録することでもよい。この場合、会員番号は例えば郵便等によって通知する。
【0045】
続いて、クレジット投票の利用限度枠をクレジットサービス装置400の記憶部420に登録する。これは、会員登録を行った投票装置100が、会員データとして登録したクレジットカードのカード番号をクレジットサービス装置400へ通知し、クレジット投票の利用限度枠の設定を要求することで(ステップS15)、クレジットサービス装置400において、受信したカード番号と、クレジット投票の利用限度枠とを対応付けた情報を記憶部420に登録することでもよく(ステップS16)、クレジットカード会社にて、申込書などに記入された情報に基づいてクレジットサービス装置400の図示しない入力手段によりデータ入力を行い、記憶部420に登録することでもよい。クレジット投票の利用限度枠は、申込者が決定することでもよく、予め決められた値を設定することでもよい。例えば、購入者端末200から送信する会員登録情報に、申込者が入力したクレジット投票の利用限度枠の情報をさらに設定し、投票装置100は、カード番号に併せて、受信したクレジット投票の利用限度枠の情報をクレジットサービス装置400へ通知して、クレジット投票の利用限度枠の設定を要求する。
【0046】
[資金準備]
図12は、資金準備処理のシーケンス図である。
投票装置100の需要予測部132は、レース開催前にクレジット投票の予想売上を算出し、算出した予想売上から融資額を決定して(ステップS21)、ファイナンス会社へ融資を要求する。これは、例えば、月に一回など定期的に、次の月を融資額算出対象として自動的に行なうことでもよく、融資額算出対象の期間が入力された場合に、実行することでもよい。なお、需要予測部132による融資額の算出処理の詳細は後述する。融資額は、クレジットカード会社からの売上入金前に、主催者へ主催者収入を支払う場合は、予想売上の100%にリスク分を上乗せした金額とし、売上入金後に、主催者へ主催者収入を支払場合は、予想売上のうち当たり投票券の購入者へ払戻す資金(例えば、払戻率が75%の場合、予想売上の75%)にリスク分を上乗せした金額とする。
【0047】
投票装置100の資金調達部133は、投票業務委託者の名称、需要予測部132が算出した融資額、及び、投票業務委託者の口座番号を設定した融資要求を融資業務装置500に送信する(ステップS22)。融資業務装置500の融資要求受信部520は、受信した融資要求をディスプレイに表示したり、印刷するなどして出力する。ファイナンス会社は、出力された融資要求の審査等を行い、融資を決定した場合、融資業務装置500に融資決定を入力する。これにより、融資業務装置500の融資部530は、振込元であるファイナンス会社の口座番号(銀行A)、振込先である投票業務委託者の口座番号(銀行B)、及び、融資額である振込金額を設定した振込指示を銀行Aの金融装置700aへ送信する(ステップS23)。銀行Aの金融装置700aは、振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へ融資額を振込む振込処理を実行すると、銀行Bの金融装置700bへ融資業務装置500から受信した振込指示を送信する(ステップS24)。金融装置700bは、受信した振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へ融資額を振込む振込処理を実行する。
【0048】
[クレジット投票]
図13は、クレジット投票処理のシーケンス図である。
クレジット投票会員は、1日のうちに2回以上クレジット投票することが可能である。所定の期間、例えば、1ヶ月にクレジット投票により利用可能な金額は、カード会社に登録されているクレジット投票の利用限度枠に従うが、同じ日であれば、当たり投票券によって払戻しされた金額を次の投票券の購入に使用することができる。
【0049】
<購入者端末からの投票>
クレジット投票会員は、購入者端末200の入力部220により、クレジット投票サイトのURLへのアクセス指示を入力する。続いて、ユーザは、購入者端末200の入力部220により、会員番号と、購入要求送信指示を入力する(ステップS31)。投票装置100の与信残額確認部134は、購入者端末200から会員番号と購入要求を受信すると(ステップS32、S33)、与信残額確認部134は、購入データ記憶部125に、受信した会員番号と本日の日付が設定された購入データが記憶されているか否かを判断する(ステップS34)。記憶されていない場合、与信残額確認部134は、会員番号が設定されている会員データのレコードからクレジットカードのカード番号を読み出し、読み出したカード番号の情報を設定した与信処理要求をクレジットサービス装置400へ送信する(ステップS35)。
【0050】
クレジットサービス装置400の与信処理部430は、与信処理要求を受信すると、記憶部420を参照し、与信処理要求に設定されているカード番号が会員マスタに登録されているか、カード番号に対応してクレジットカードが無効である情報が登録されていないか、などによりクレジットカードの正当性を判断し、さらに、前回の締め日以降のクレジット投票の利用額がクレジット投票の与信限度枠未満であるときには、与信処理成功とする(ステップS36)。与信処理部430は、与信処理成功/不成功と、与信処理が成功した場合は、クレジット投票の利用限度枠から、前回の締め日以降のクレジット投票の利用額を減算した与信残額とを設定した与信処理結果通知を投票装置100へ返送する(ステップS37)。
【0051】
投票装置100の与信残額確認部134は、受信した与信処理結果通知が与信処理成功を示している場合は、会員番号、当該与信処理結果通知で示される与信残額、当該与信残額を設定した利用可能金額、及び、本日の日付を設定した購入データを購入データ記憶部125に書き込むとともに、この利用可能金額以内で投票受付可能である旨を購入者端末200へ通知し、表示させる(ステップS38)。なお、ステップS34において、受信した会員番号と本日の日付が設定された購入データが記憶されていると判断した場合、クレジットサービス装置400へ与信処理要求を行うことなく、その購入データから読み出した利用可能金額内で投票受付可能である旨を購入者端末200へ通知し、表示させるステップS38の処理を行う。
【0052】
続いてクレジット投票会員は、購入者端末200の入力部220により、投票内容及び投票金額と、発券要求の送信指示を入力する(ステップS39)。投票装置100の投票受付部135は、購入者端末200から投票内容及び投票金額設定した発券要求を受信すると(ステップS40)、投票金額の合計が、通知した利用可能金額以内であるときに販売を許可して購入を受付け、主催者装置600に受信した発券要求を通知する(ステップS41)。主催者装置600の発券要求受信部620は、発券要求を受信すると投票番号を付与し、付与した投票番号を設定した発券応答を返送する(ステップS42)。投票装置100の投票受付部135は、発券応答を受信すると、受信した会員番号が設定されている購入データの購入金額を、発券要求で示される投票金額の合計を加算した金額に書き換えるとともに、当該購入データの利用可能金額を、投票金額の合計を減算した金額に書き替える。さらに、投票受付部135は、会員番号、投票番号、投票内容、投票金額、投票日時の情報を設定した投票データを生成して投票データ記憶部126に書き込む(ステップS43)。投票受付部135は、受信した投票内容での投票を受付けた旨と投票番号を購入者端末200へ通知し、表示させる(ステップS44)。
【0053】
なお、主催者装置600の予想配当通知部630は、オッズを定期的にあるいは要求を受けたときに投票装置100へ通知しており、投票装置100は、購入者端末200からのオッズの表示要求があったときや、投票番号を送信するときに併せて、投票装置100へ最新のオッズの情報を通知し、表示させる。
【0054】
<場外投票所端末からの投票>
クレジット投票会員である購入者は、場外投票所端末300の入力部320により、クレジット投票である旨の指示を入力したのち、カード読取部330により、クレジットカードを読込ませる(ステップS31)。場外投票所端末300の制御部370は、カード読取部330が読み取ったクレジットカードのカード番号と購入要求を投票装置100に送信する(ステップS32)。投票装置100の与信残額確認部134は、カード番号と購入要求を受信すると(ステップS33)、受信したカード番号により、上記と同様に購入データが記憶されているか否かを判断するステップS34以降の処理を行なう。なお、ステップS39において、場外投票所端末300は、投票内容及び金額をマークシートから読込むようにしてもよい。
【0055】
[レース結果受信処理]
図14は、レース結果受信処理のシーケンス図である。
レース終了後、主催者装置600の結果通知部640は、各レースについての払戻対象及びその配当率を示すレース結果情報を投票装置100へ通知する(ステップS51)。投票装置100の投票結果判定部136は、受信したレース結果情報で示される払戻対象と、投票データ記憶部126に記憶している投票データとの投票内容を照合して、払戻対象と同一の投票内容が設定されている投票データ特定する。そして、投票結果判定部136は、特定した投票データそれぞれについて、投票データに設定されている、投票内容に対応した購入金額と、受信したレース結果情報で示される、当該投票内容に対応した払戻率とから払戻金額を算出する。投票結果判定部136は、特定した投票データそれぞれについて、当該投票データと同じ会員番号が設定されている購入データを特定し、特定した購入データの払戻金額及び利用可能金額を、当該投票データに基づいて算出された払戻金額を加算した金額に書き換える(ステップS52)。
【0056】
図15は、予想売上全額(100%)に対する融資を受けた場合のレース終了以降の処理概要のシーケンス図を、図16は、予想売上のうち払戻分(例えば、予想売上の75%)に対する融資を受けた場合のレース終了以降の処理概要のシーケンスである。
【0057】
図15において、レース終了後にレース結果を受信すると、投票装置100は、当たり投票券を購入したクレジット投票会員への払戻処理を行なう(ステップS61)。さらに、投票装置100は、開催期間終了後の所定の時間に、主催者への支払処理を行うとともに(ステップS62)、クレジット投票の売上データを生成して(ステップS63)、クレジットサービス装置400に送信する(ステップS64)。ステップS61におけるクレジット投票会員への払戻、及び、ステップS62における主催者への支払は、予想売上全額(100%)に対して予め融資されていた資金に基づいて行なうものである。そして、レースから数日経過した加盟店への支払日に、クレジットサービス装置400において加盟店への支払処理が行われ、クレジット投票の売上分が投票業務委託者へ支払われる(ステップS65)。投票業務委託者へクレジット投票の売上が入金されると、投票装置100によりファイナンス会社へ融資額全額の返済処理が行われる(ステップS66)。その後、クレジットサービス装置400から、クレジット投票会員へクレジットカード利用分の請求処理が行われる(ステップS67)。なお、ステップS67のクレジット投票会員への請求処理は、ステップS65の前に行なうことでもよい。
【0058】
図16において、レース終了後にレース結果を受信すると、投票装置100は、当たり投票券を購入したクレジット投票会員への払戻処理を行なう(ステップS71)。このクレジット投票会員への払戻は、予想売上のうち払戻分(例えば、予想売上の75%)に対して予め融資されていた資金に基づいて行なうものである。さらに、投票装置100は、開催期間終了後の所定の時間に、クレジット投票の売上データを生成して(ステップS72)、クレジットサービス装置400に送信する(ステップS73)。そして、レースから数日経過した加盟店への支払日に、クレジットサービス装置400において加盟店への支払処理が行われて、クレジット投票の売上分が投票業務委託者へ支払われ(ステップS74)、さらに、クレジットサービス装置400において、クレジット投票会員へクレジットカード利用分の請求処理が行われる(ステップS75)。投票業務委託者へクレジット投票の売上が入金されると、投票装置100により主催者への支払処理が行われるとともに(ステップS76)、ファイナンス会社へ融資額全額の返済処理が行われる(ステップS77)。なお、ステップS75のクレジット投票会員への請求処理は、ステップS74の前に行なうことでもよい。
【0059】
以下、図15、図16における各処理の詳細を説明する。
【0060】
[払戻処理]
図17は、図15のステップS61、図16のステップS71の払戻処理における詳細なシーケンス図である。
【0061】
<場外投票所端末による払戻>
開催期間中、口座振替により払戻しが実行されるまでの間に、クレジット投票会員は場外投票所端末により払戻金を受領することができる。
クレジット投票会員は、場外投票所端末300の入力部320により、クレジット投票の払戻である旨の指示を入力した後、カード読取部330により、クレジットカードを読み込ませる(ステップS81)。投票装置100の払戻部137は、会員データ記憶部121に記憶されている会員データから、場外投票所端末300より受信したカード番号が設定されているレコードを特定して会員番号を読み出すと、購入データ記憶部125に記憶されている購入データの中から、読み出した会員番号、本日の日付が設定されている購入データを特定する(ステップS82、S83)。払戻部137は、特定した購入データから読み出した払戻金額を場外投票所端末300に通知すると、購入データ記憶部125に、特定された購入データに対応させて払戻済の情報を書き込む(ステップS84)。場外投票所端末300の制御部370は、返金部360へ受信した払戻金額の現金の払出しを指示する(ステップS85)。
【0062】
<口座振込による払戻>
開催期間の全てのレースが終了すると、投票業務委託者は、当たり投票券を購入したクレジット投票会員の口座へ払戻金を振り込む。
開催期間が終了すると、投票装置100の払戻部137は、購入データ記憶部125に記憶されている購入データの中から、払戻済の情報が設定されておらず、かつ、払戻金額に1円以上が設定されている購入データを特定する(ステップS91)。そして、特定した購入データそれぞれについて、当該購入データから会員番号を読み出すと、会員データ記憶部121に記憶されている会員データから、読み出した会員番号が設定されているレコードを特定し、この特定したレコードから口座番号を読み出す。払戻部137は、特定した購入データそれぞれについて、振込元に投票業務委託者の口座番号(銀行B)を、振込先に当該購入データと同じ会員番号が設定された会員データより読み出した、クレジット投票会員の口座番号(銀行C)を、振込金額に当該購入データから読み出した払戻金額を設定した振込指示を生成すると、銀行Bの金融装置700bへ送信する(ステップS92)。払戻部137は、購入データ記憶部125に、特定した購入データに対応させて払戻済の情報を書き込む。
【0063】
銀行Bの金融装置700bは、振込指示に従って、投票業務委託者の口座から、当たり投票券を購入した各クレジット投票会員の口座へ、払戻金額を振込む振込処理を実行すると、各クレジット投票会員の口座を保有する銀行Cの金融装置700cへ投票装置100から受信した振込指示を送信する(ステップS93)。各金融装置700cは、受信した振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へ払戻金額を振込む振込処理を実行する。
【0064】
[主催者への支払]
図15のステップS62、図16のステップS76の主催者への支払処理の詳細を説明する。
投票装置100の振込部139は、購入データ記憶部125に記憶されている購入データの中から、前回の主催者支払のための売上計上日以降の日付が設定されている購入データを特定し、特定した購入データそれぞれに設定されている購入金額を全て合算する。振込部139は、振込元に投票業務委託者の口座番号(銀行B)を、振込先に主催者の口座番号(銀行D)を、振込金額に、購入金額の合算と主催者への支払率とを乗算した主催者収入を設定した振込指示を生成し、銀行Bの金融装置700bへ送信する。
銀行Bの金融装置700bは、振込指示に従って、投票業務委託者の口座から、主催者の口座へ主催者収入を振込む振込処理を実行すると、主催者の口座を保有する銀行Dの金融装置700dへ投票装置100から受信した振込指示を送信する。各金融装置700dは、受信した振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へ主催者収入を振込む振込処理を実行する。
【0065】
[売上データの生成]
図15のステップS63及びS64、図16のステップS72及びS73の売上データ生成及び送信処理の詳細を説明する。
開催期間の終了後、投票装置100の売上出力部138は、購入データ記憶部125に記憶されている購入データの中から、前回の売上データ生成日以降の日付が設定されている購入データを特定する。そして、特定した購入データそれぞれについて、会員データ記憶部121に記憶されている会員データから、特定した購入データと同じ会員番号が設定されているレコードを特定し、この特定したレコードからクレジットカードのカード番号を読み出す。売上出力部138は、特定した購入データそれぞれについて、投票業務委託者の加盟店コード、購入データから読み出した購入金額及び日付と、当該購入データと同じ会員番号が設定されている会員データから読み出したクレジットカードのカード番号と、投票券購入の売上である旨を設定した売上データを生成し、クレジットサービス装置400へ送信する。クレジットサービス装置400の売上記録部440は、受信した売上データを記憶部420に書き込む。このとき、売上記録部440は、記憶部420に記憶している各カード番号に対応したクレジット投票の現在の利用額を、売上データにより示される当該カード番号についての購入金額を加算した金額に書き換える。
【0066】
[クレジットカード会社から投票業務委託者への入金]
図15のステップS65、図16のステップS76の主催者への支払処理の詳細を説明する。
クレジットカード会社は、所定のクレジットカードサービス加盟店への支払日に、売上データに基づく売上金額を投票業務委託者へ支払う。
クレジットサービス装置400の振込部450は、前記の支払日以降に記憶部420に記憶された売上データのうち、投票業務委託者の加盟店コードと、前回の加盟店への支払日以降の日付が設定されている売上データを特定し、特定した各売上データで示される購入金額を合算した支払金額を算出する。振込部450は、振込元にクレジットカード会社の口座番号(銀行E)を、振込先に投票業務委託者の口座番号(銀行B)を、振込金額に算出した支払金額を設定した振込指示を生成し、銀行Eの金融装置700eへ送信する。
銀行Eの金融装置700eは、振込指示に従って、クレジットカード会社の口座から、投票業務委託者の口座へ、投票業務委託者におけるクレジットカード払いの売上を振込む振込処理を実行すると、投票業務委託者の口座を保有する銀行Bの金融装置700bへ投票装置100から受信した振込指示を送信する。銀行Bの金融装置700bは、受信した振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へクレジットカード払いの売上を振込む振込処理を実行する。
【0067】
[ファイナンス会社への返済]
図15のステップS66、図16のステップS77の主催者への支払処理の詳細を説明する。
投票業務委託者は、投票装置100に融資の返済を入力する。投票装置100の返済部140は、振込元に投票業務委託者の口座番号(銀行B)を、振込先にファイナンス会社の口座番号(銀行A)を、振込金額に返済金額を設定した振込指示を生成し、銀行Bの金融装置700bへ送信する。銀行Bの金融装置700bは、振込指示に従って、投票業務委託者の口座から、ファイナンス会社の口座へ返済金額を振込む振込処理を実行すると、ファイナンス会社の口座を保有する銀行Aの金融装置700aへ投票装置100から受信した振込指示を送信する。銀行Aの金融装置700aは、受信した振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へ主催者収入を振込む振込処理を実行する。
【0068】
[クレジット投票会員の銀行口座からの購入金額の引落し]
図15のステップS67、図16のステップS75のクレジットカード利用請求処理の詳細を説明する。
クレジットカード会社は、所定の引落日に、各クレジット投票会員の銀行口座から、売上データに基づく購入金額の引落しを行なう。
クレジットサービス装置400の引落部460は、記憶部420に記憶された売上データのうち、まだ引き落としを行なっていない売上データを特定し、特定した各売上データをカード番号毎にまとめる。そして、カード番号毎に、当該カード番号が設定されている売上データの購入金額を合計して引落金額を算出するとともに、当該カード番号に対応した利用口座の口座番号を読み出すと、振込元にクレジット投票会員の利用口座の口座番号(銀行C)を、振込先にクレジットカード会社の口座番号(銀行E)を、振込金額に引落金額を設定した振込指示を生成し、銀行Cの金融装置700cへ送信する。引落金額には、投票券の購入金額が含まれることになる。
銀行Cの金融装置700cは、振込指示に従って、クレジット投票会員の口座から、クレジットカード会社の口座へ、引落金額を振込む振込処理を実行すると、クレジットカード会社の口座を保有する銀行Eの金融装置700eへ投票装置100から受信した振込指示を送信する。金融装置700eは、受信した振込指示に従って、振込元の口座番号から振込先の口座番号へクレジットカード払いの売上を振込む振込処理を実行する。
【0069】
[融資額の算出]
続いて、図12のステップS21における、投票装置100の需要予測部132による融資額の算出処理の詳細を以下に示す。
需要予測部132は、借り入れ対象月における各競馬場のクレジット投票の予想売上額を算出し、それらを合計して当該月におけるクレジット投票全体の予想売上額を算出する。例えば、Y年X月におけるα競馬場の予想売上額は、以下の式により算出される。なお、平日・平場は平日開催の平場レースを、平日・グレードは平日開催のグレードレースを、休日・平場は休日開催の平場レースを、休日・グレードは休日開催のグレードレースを示す。
【0070】
A=A1+A2+A3+A4 …式(1)
A:Y年X月のα競馬場の予想売上額
A1:Y年X月のα競馬場の平日・平場の予想売上額
A2:Y年X月のα競馬場の平日・グレードの予想売上額
A3:Y年X月のα競馬場の休日・平場の予想売上額
A4:Y年X月のα競馬場の休日・グレードの予想売上額
【0071】
A1={(B1×C1)+(B1×D1)}×E1 …式(2)
B1:平日・平場の1レース分の1会員あたりの投票金額
C1:平日・平場の投票会員参加数
D1:平日・平場の投票会員増加見込み数
E1:平日・平場のレース数
【0072】
A2={(B2×C2)+(B2×D2)}×E2 …式(3)
B2:平日・グレードの1レース分の1会員あたりの投票金額
C2:平日・グレードの投票会員参加数
D2:平日・グレードの投票会員増加見込み数
E2:平日・グレードのレース数
【0073】
A3={(B3×C3)+(B3×D3)}×E3 …式(4)
B3:休日・平場の1レース分の1会員あたりの投票金額
C3:休日・平場の投票会員参加数
D3:休日・平場の投票会員増加見込み数
E3:休日・平場のレース数
【0074】
A4={(B4×C4)+(B4×D2)}×E4 …式(5)
B4:休日・グレードの1レース分の1会員あたりの投票金額
C4:休日・グレードの投票会員参加数
D4:休日・グレードの投票会員増加見込み数
E4:休日・グレードのレース数
【0075】
なお、平日・平場のレース数E1、平日・グレードのレース数E2、休日・平場のレース数E3、休日・グレードのレース数E4はそれぞれ、年間番組スケジュールデータから抽出する。
また、平日・平場の投票会員増加見込み数D1、平日・グレードの投票会員増加見込み数D2、休日・平場の投票会員増加見込み数D3、休日・グレードの投票会員増加見込み数D4は、会員売上実績データから平日・平場、平日・グレード、休日・平場、休日・グレードそれぞれにおける会員の参加率をそれぞれ算出し、それを、翌月の会員増加見込み(会員数データを用いて算出する増加率を基に予測した値)にそれぞれ掛け合わせて算出する。
【0076】
需要予測部132は、上記式(1)〜(5)により、借り入れ対象月における各競馬場の予想売上額を算出してそれらを合計し、クレジット投票全体の予想売上額を算出すると、クレジット投票の売上額を全て借り入れる場合、すなわち、クレジットカード会社からクレジットカード払いによる売上が入金される前に、当たり投票券の払戻しを行なうとともに主催者へ主催者収入分を支払う場合は式(6)により、クレジット投票の売上額のうち当たり投票券の払戻分のみを借り入れる場合、すなわち、クレジットカード会社からクレジットカード払いによる売上が入金された後に、主催者へ主催者収入分を支払う場合は式(7)により、借り入れ対象月の融資額を算出する。
【0077】
(X月の需要予測)=(X月のクレジット投票全体の予想売上額A)×(リスク係数) …式(6)
【0078】
(X月の需要予測)=(X月のクレジット投票全体の予想売上額A)×(払戻率)×(リスク係数) …式(7)
【0079】
なお、リスク係数は、実際の売上額が予想売上額を上回った場合に、資金ショートになることを防ぐための係数であり、1より大きな値とする。リスク係数は、1.05など、予め決められた所定の値を使用することでもよく、過去の予想売上額(または払戻金額)と、実際の売上額(または払戻金額)との割合を基に、月単位(または年単位)で動的に変化するものであってもよい。
【0080】
投票装置100の資金調達部133は、投票業務委託者の名称、上記により需要予測部132が算出した融資額、及び、投票業務委託者の口座番号を設定した融資要求を融資業務装置500へ送信する。
【0081】
以下、具体的な融資額の算出例について示す。ここでは、T競馬場の2008年5月開催レースに必要な資金の需要予測について説明する。
【0082】
<T競馬場の平日・平場の予想売上額A1の算出>
まず、需要予測部132は、式(2)により、2008年5月のT競馬場の平日・平場の予想売上額A1を算出する。
【0083】
需要予測部132は、スケジュール記憶部122の年間番組スケジュールデータ(図6)から、N競馬場の2008年5月の平日・平場のレース数E2、すなわち、10日(土)の9レース、17日(土)の11レース、24日(土)の10レース、31日(土)の11レースを合計した「41」レースを得る。
【0084】
さらに、需要予測部132は、会員売上実績記憶部124に記憶されている会員売上実績データ(図7)から、グレード種別「平場レース」、レース名・レース識別情報「平場レース5月/平日平均」、平日/休日区分「平日」、開催場「T」に対応したクレジット投票会員一人あたり投票金額「¥1,300」を、平日・平場の1レース分の1会員あたりの投票金額B1として、クレジット投票会員投票人数「5000」人を、平日・平場の投票会員参加数C1として読み出す。
【0085】
続いて、需要予測部132は、平日・平場の投票会員増加見込み数D1を算出する。平日・平場の投票会員増加見込み数D1は、(新規会員数の推測値)×(平日・平場の参加率)により算出する。
そこで、需要予測部132は、会員データ記憶部121に記憶されている会員数データ(図5)から、昨年の同月、つまり2007年5月の新規クレジット投票会員入会人数「800」人を読み出し、これを、2008年5月の新規会員数の推測値として使用する。
次に、需要予測部132は、会員数データ(図5)から、2008年5月の累計会員数「22,000」人を読み出す。上記において会員売上実績記憶部124から読み出した、平日・平場の投票会員参加数C1は「5000」人であるから、需要予測部132は、以下のように参加率を算出する。
【0086】
(平日・平場参加率)
=(平日・平場の投票会員参加数C1)/(2008年5月の累計会員数)
=5,000/22,000=22%
【0087】
つまり、新規入会が予測されるクレジット投票会員800人についても、その22%が平日・平場のレースに参加すると予測できる。
需要予測部132は、平日・平場の投票会員増加見込み数D1を、以下のように算出する。
【0088】
(平日・平場の投票会員増加見込み数D1)
=(新規会員数の推測値)×(平日・平場の参加率)=800×22%=176人
【0089】
よって、需要予測部132は、式(2)にりより、2008年5月のα競馬場の平日・平場の予想売上額A1を以下のように算出する。
【0090】
A1={(B1×C1)+(B1×D1)}×E1
=(1,300×5,000+1,300×176)×41=275,880,800(円)
【0091】
<T競馬場の平日・グレードの予想売上額A2の算出>
次に、需要予測部132は、式(3)により、2008年5月のT競馬場の平日・平場の予想売上額A2を算出する。
【0092】
需要予測部132は、スケジュール記憶部122の年間番組スケジュールデータ(図6)を参照し、N競馬場の2008年5月の平日開催のグレードレースは「KO杯」のみであることから、平日・グレードのレース数E2として「1」レースを得る。
【0093】
需要予測部132は、会員売上実績記憶部124に記憶されている会員売上実績データ(図7)から、平日開催の全グレードレースのクレジット投票会員投票人数を読み出し、その平均を平日・グレードの投票会員参加数C2として、平日開催の全グレードレースの1レース分の1会員あたりの投票金額を読み出し、その平均を平日・グレードの1レース分の1会員あたりの投票金額B2とする。ここでは、平日・グレードのレースは「KO杯」1レースのみのため、需要予測部132は、会員売上実績記憶部124に記憶されている会員売上実績データ(図7)から、レース名・レース識別情報「KO杯」、平日/休日区分「平日」、開催場「T」に対応したクレジット投票会員投票人数「7000」人を、平日・グレードの投票会員参加数C2として、クレジット投票会員一人あたり投票金額「¥7,000」を、平日・グレードの1レース分の1会員あたりの投票金額B2として読み出す。
【0094】
続いて、需要予測部132は、平日・グレードの投票会員増加見込み数D2を算出する。平日・グレードの投票会員増加見込み数D2は、(新規会員数の推測値)×(平日・グレードの参加率)により算出する。
【0095】
(平日・グレード参加率)
=(平日・グレードの投票会員参加数C2)/(2008年5月の累計会員数)
=7,000/22,000=32%
【0096】
需要予測部132は、平日・グレードの投票会員増加見込み数D1を、以下のように算出する。
【0097】
(平日・グレードの投票会員増加見込み数D2)
=(新規会員数の推測値)×(平日・グレードの参加率)=800×32%=256人
【0098】
つまり、新規入会が予測されるクレジット投票会員800人についても、その32%が平日・平場のレースに参加すると予測できる。
よって、需要予測部132は、式(3)により、2008年5月のα競馬場の平日・グレードの予想売上額A2を以下のように算出する。
【0099】
A2={(B2×C2)+(B2×D2)}×E2
=(7,000×7,000+7,000×256)×1=50,792,000(円)
【0100】
<T競馬場の休日・平場の予想売上額A3の算出>
次に、需要予測部132は、式(4)により、2008年5月のT競馬場の休日・平場の予想売上額A1を算出する。
【0101】
需要予測部132は、スケジュール記憶部122の年間番組スケジュールデータ(図6)から、N競馬場の2008年5月の休日・平場のレース数E2、すなわち、3日(土・祝)の11レース、4日(日)の12レース、11日(日)の11レース、18日(日)の11レース、25日(日)の11レースを合計した「56」レースを得る。
【0102】
さらに、需要予測部132は、会員売上実績記憶部124に記憶されている会員売上実績データ(図8)から、グレード種別「平場レース」、レース名・レース識別情報「平場レース5月/休日平均」、平日/休日区分「休日」、開催場「T」に対応したクレジット投票会員一人あたり投票金額「¥2,000」を、休日・平場の1レース分の1会員あたりの投票金額B3として、クレジット投票会員投票人数「4000」人を、休日・平場の投票会員参加数C3として読み出す。
【0103】
続いて、需要予測部132は、休日・平場の投票会員増加見込み数D3を算出する。休日・平場の投票会員増加見込み数D3は、(新規会員数の推測値)×(休日・平場の参加率)により算出する。
【0104】
(休日・平場参加率)
=(休日・平場の投票会員参加数C3)/(2008年5月の累計会員数)
=4,000/22,000=18%
【0105】
つまり、新規入会が予測されるクレジット投票会員800人についても、その18%が休日・平場のレースに参加すると予測できる。
需要予測部132は、休日・平場の投票会員増加見込み数D3を、以下のように算出する。
【0106】
(休日・平場の投票会員増加見込み数D3)
=(新規会員数の推測値)×(休日・平場の参加率)=800×18%=144人
【0107】
よって、需要予測部132は、式(4)にりより、2008年5月のα競馬場の休日・平場の予想売上額A3を以下のように算出する。
【0108】
A3={(B3×C3)+(B3×D3)}×E3
=(2,000×4,000+2,000×144)×56
=464,128,000(円)
【0109】
<T競馬場の休日・グレードの予想売上額A4の算出>
次に、需要予測部132は、式(5)により、2008年5月のT競馬場の休日・平場の予想売上額A4を算出する。
【0110】
需要予測部132は、スケジュール記憶部122の年間番組スケジュールデータ(図6)を参照し、N競馬場の2008年5月の休日開催のグレードレースは、「AOB賞」、「Nマイル」、「Vマイル」、「OKS」であることから、休日・グレードのレース数E4として「4」レースを得る。
【0111】
需要予測部132は、会員売上実績記憶部124に記憶されている会員売上実績データ(図7)から、休日開催の全グレードレースのクレジット投票会員投票人数を読み出し、その平均を休日・グレードの投票会員参加数C4として、休日開催の全グレードレースの1レース分の1会員あたりの投票金額を読み出し、その平均を休日・グレードの1レース分の1会員あたりの投票金額B4とする。
つまり、需要予測部132は、グレードレース「AOB賞」、「Nマイル」、「Vマイル」、「OKS」それぞれのクレジット投票会員投票人数の平均、(12,000+13,500+18,000+9,000)/4=13,125(人)を算出し、休日・グレードの投票会員参加数C4とする。同様に、需要予測部132は、グレードレース「AOB賞」、「Nマイル」、「Vマイル」、「OKS」それぞれのクレジット投票会員一人あたり投票金額の平均、(12,000+15,000+11,500+8,000)/4=11,625(円)を算出し、休日・グレードの1レース分の1会員あたりの投票金額B4とする。
【0112】
続いて、需要予測部132は、休日・グレードの投票会員増加見込み数D4を算出する。休日・グレードの投票会員増加見込み数D4は、(新規会員数の推測値)×(休日・グレードの参加率)により算出する。
【0113】
(休日・グレード参加率)
=(休日・グレードの投票会員参加数C4)/(2008年5月の累計会員数)
=13,125/22,000=60%
【0114】
需要予測部132は、休日・グレードの投票会員増加見込み数D4を、以下のように算出する。
【0115】
(休日・グレードの投票会員増加見込み数D4)
=(新規会員数の推測値)×(休日・グレードの参加率)=800×60%=480人
【0116】
つまり、新規入会が予測されるクレジット投票会員800人についても、その60%が休日・平場のレースに参加すると予測できる。
よって、需要予測部132は、式(5)により、2008年5月のα競馬場の休日・グレードの予想売上額A4を以下のように算出する。
【0117】
A4={(B4×C4)+(B4×D4)}×E4
=(11,625×13,125+11,625×480)×4
=632,632,500(円)
【0118】
<融資額の算出>
以上より、需要予測部132は、式(1)、式(7)を用いて、T競馬場の5月開催レースに必要な資金の需要予測を算出する。ただし、ここでは、クレジット投票の売上分のうち払戻金のみ借り入れを行い、その払戻率を75%、リスク係数を1.05とする。クレジット投票の売上分全額の借り入れを行なう場合は、式(6)を用いるため、払戻率は乗算しない。
【0119】
(5月の需要予測)=(A1+A2+A3+A4)×(払戻率)×(リスク係数)
=(275,880,800+50,792,000+464,128,000+1,423,433,300)×0.75×1.05
=1,120,953,723
【0120】
需要予測部132は、同様の処理により各競馬場について算出した5月の需要予測を合計して、融資額を算出する。
【0121】
なお、上記により示した需要予測は一例であり、他の需要予測を用いることもできる。予測を行うにあたり、より望ましい方法としては、以下がある。
例えば、過去にレースが実施された日の天気を情報として会員売上実績記憶部124に蓄積しておくとともに、天気予報等に基づく、需要予測対象のレースが実施される日の天気の情報を年間番組スケジュールデータの各開催日と対応づけてスケジュール記憶部122に記憶しておく。そして、「天気」の違いに対応付けられた係数を需要予測に乗算するなど、天気を考慮した計算式による需要予測を算出することで、予測精度があがる。
【0122】
あるいは、上記においては、既存会員と、増加分会員が投票に用いる金額が同額という前提のもとで算出しているが、新規会員(増加分会員)の投票予想金額を、1レース分の1会員あたりの投票金額の実績に1以下の所定の係数を乗算するなどして、既存会員よりも少なく見積もってもよい。
【0123】
また、次月の会員増加の予測については、前年の同月における新規クレジット投票サービス入会人数あるいは入会増加率をそのまま予測値として適用してもよく、また、月ごとの会員増加率から、統計処理によって算出してもよい。
【0124】
また、平日・平場のレース数E1、平日・グレードのレース数E2、休日・平場のレース数E3、休日・グレードのレース数E4は、年間番組スケジュールデータを元に抽出した数であり、単純に数を数える方法のほか、(1)平日開催か休日開催かで分類、(2)(1)の結果に対して、グレードか平場かの条件で分類し、その数を算出するようにしてもよい。
【0125】
1日単位でみると、複数レースがあるため平準化され、クレジット投票の売上からの払戻率は75%に限りなく近づくが、不慮の事象に対応するために上述するリスク係数を使用することで、資金ショートを回避している。なお、主催者から、1日単位のレース開催場別、曜日別、グレードレース開催の有無に対応した投票金額、投票人数のデータ(現金投票者を含む全体が母数となる)を入手して、本クレジット投票サービスの投票結果データ(クレジット投票者のみが母数となる)と比較することにより、クレジット投票が全体の売上の25%を超過するかどうかがわかる。そこで、超過ケース時期を予測し、予測される超過投票分の75%を払戻準備金に上乗せして資金ショートを解決することができる。
【0126】
なお、上記処理において、会員番号の代わりに、クレジットカードのカード番号を使用することも可能であり、会員番号とクレジットカードのカード番号とが同一であってもよい。
また、上記においては、レースの種類及びレース開催日単位で予想売上額を算出しているが、レース毎に予想売上額を算出するようにしてもよく、レース開催日単位で予想売上額を算出するようにしてもよい。
【0127】
なお、上述の投票装置100、購入者端末200、場外投票所端末300、融資業務装置500、クレジットサービス装置400、主催者装置600、金融装置700は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、投票装置100の処理部130、購入者端末200の処理部240、場外投票所端末300の制御部370、融資業務装置500の融資要求受信部520及び融資部530、クレジットサービス装置400の与信処理部430、売上記録部440、振込部450及び引落部460、主催者装置600の発券要求受信部620、予想配当通知部630及び結果通知部640、金融装置700の取引処理部720の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0128】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0129】
なお、本発明は、上記において説明した実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施形態による投票システムを用いた投票サービスの業務の流れを説明するための図である。
【図2】同実施形態による投票システムの全体構成図である。
【図3】同実施形態による投票装置の機能ブロック図である。
【図4】同実施形態による会員データのデータ構成例を示す図である。
【図5】同実施形態による会員数データのデータ構成例を示す図である。
【図6】同実施形態による番組スケジュールデータのデータ構成例を示す図である。
【図7】同実施形態による会員売上実績データのデータ構成例を示す図である。
【図8】同実施形態による会員売上実績データのデータ構成例を示す図である。
【図9】同実施形態による購入データのデータ構成例を示す図である。
【図10】同実施形態による投票データのデータ構成例を示す図である。
【図11】同実施形態による投票システムにおける会員登録処理のシーケンス図である。
【図12】同実施形態による投票システムにおける資金準備処理のシーケンス図である。
【図13】同実施形態による投票システムにおけるクレジット投票処理のシーケンス図である。
【図14】同実施形態による投票システムにおけるレース結果受信処理のシーケンス図である。
【図15】同実施形態による投票システムにおけるレース終了以降の概要シーケンス図である。
【図16】同実施形態による投票システムにおけるレース終了以降の概要シーケンス図である。
【図17】同実施形態による投票システムにおける払戻処理のシーケンス図である。
【符号の説明】
【0131】
100…投票装置
110…通信部
120…記憶部
121…会員データ記憶部
122…スケジュール記憶部
123…売上実績記憶部
124…会員売上実績記憶部
125…購入データ記憶部
126…投票データ記憶部
130…処理部
131…登録部
132…需要予測部
133…資金調達部
134…与信残額確認部
135…投票受付部
136…投票結果判定部
137…払戻部
138…売上出力部
139…振込部
140…返済部
200…購入者端末
210…通信部
220…入力部
230…表示部
240…処理部
300…場外投票所端末
310…通信部
320…入力部
330…カード読取部
340…表示部
350…発券部
360…返金部
370…制御部
400…クレジットサービス装置
410…通信部
420…記憶部
430…与信処理部
440…売上記録部
450…振込部
460…引落部
500…融資業務装置
510…通信部
520…融資要求受信部
530…融資部
600…主催者装置
610…通信部
620…発券要求受信部
630…予想配当通知部
640…結果通知部
700、700a、700b、700c…金融装置
710…通信部
720…取引処理部
901、902、903…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技の投票券の販売を行なう投票装置と、金融取引処理を行う金融機関装置と、融資業務処理を行う融資業務装置と、競技主催者の主催者装置と、前記投票券の購入者が操作する端末装置とをネットワークを介して接続してなる投票システムであって、
前記投票装置は、
クレジットカード払いにより投票券の購入が可能な会員の会員識別情報及び払戻口座の情報を示す会員データと、
競技の開催スケジュールと、
過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報と
を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した予測売上に基づいて融資額を決定する需要予測部と、
前記需要予測部により算出された融資額を設定した融資要求を前記融資業務装置へ出力する資金調達部と、
前記端末装置から、会員識別情報と、投票内容及び投票金額との情報を受信し、投票データとして前記記憶部に記憶する投票受付部と、
前記主催者装置から、払戻対象の投票内容及び払戻率の情報が設定された競技結果情報を受信し、前記記憶部に記憶されている前記投票データから、前記競技結果情報内の払戻対象の投票内容が設定されている投票データを特定し、特定した投票データ内の投票金額と、前記競技結果情報内の払戻率とから払戻金額を算出し、算出した払戻金額を当該投票データに付加して前記記憶部に記憶する投票結果判定部と、
前記記憶部を参照して、前記投票結果判定部により払戻金額が付加された投票データを特定し、特定した投票データ内の会員識別情報に対応した会員データから払戻口座の情報を読み出し、読み出した払戻口座の情報と、前記払戻金額の情報とを設定した振込指示を前記金融機関装置へ出力する払戻部と、
前記記憶部に記憶されている前記投票データ内の投票金額を合計して売上金額を算出し、競技主催者の口座の情報と、算出した売上金額に対する主催者収入分の金額の情報とを設定した振込指示を前記金融機関装置へ出力する払込部と、
を備え、
前記融資業務装置は、
前記投票装置から受信した前記融資要求内の融資額と、融資先の口座の情報とを設定した振込指示を前記金融機関装置へ出力する融資部を備え、
前記端末装置は、
購入者が入力した会員識別情報と、投票内容及び投票金額とを送信する処理部を備え、
前記主催者装置は、
前記競技結果情報を前記投票装置に送信する結果通知部を備え、
前記金融機関装置は、
受信した振込指示により示される口座に、当該振込指示により示される金額を振込む取引処理部を備える、
ことを特徴とする投票システム。
【請求項2】
クレジットカード払いにより投票券の購入が可能な会員の会員識別情報及び払戻口座の情報を示す会員データと、
競技の開催スケジュールと、
過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報と
を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した予測売上に基づいて融資額を決定する需要予測部と、
前記需要予測部により算出された融資額を設定した融資要求を融資業務装置へ出力する資金調達部と、
端末装置から、会員識別情報と、投票内容及び投票金額との情報を受信し、投票データとして前記記憶部に記憶する投票受付部と、
払戻対象の投票内容及び払戻率の情報が設定された競技結果情報の入力を受け、前記記憶部に記憶されている前記投票データから、前記競技結果情報内の払戻対象の投票内容が設定されている投票データを特定し、特定した投票データ内の投票金額と、前記競技結果情報内の払戻率とから払戻金額を算出し、算出した払戻金額を当該投票データに付加して前記記憶部に記憶する投票結果判定部と、
前記記憶部を参照して、前記投票結果判定部により払戻金額が付加された投票データを特定し、特定した投票データ内の会員識別情報に対応した会員データから払戻口座の情報を読み出し、読み出した払戻口座の情報と、前記払戻金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払戻部と、
前記記憶部に記憶されている前記投票データ内の投票金額を合計して売上金額を算出し、競技主催者の口座の情報と、算出した売上金額に対する主催者収入分の金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払込部と、
を備えることを特徴とする投票装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
競技の開催スケジュールと、過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報とを競技の種類毎に記憶し、
前記需要予測部は、所定の融資対象期間に行なわれる競技とその種類を特定するとともに、競技の種類毎に、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した全ての競技の種類についての予測売上を合計して全体の予測売上を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の投票装置。
【請求項4】
前記需要予測部は、前記実績売上金額及び前記購入人数から一人当たりの購入金額を算出し、算出した一人当たりの購入金額と、前記購入人数に基づく投票参加見込み人数とから、所定の算出式により予測売上額を算出する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の投票装置。
【請求項5】
前記記憶部は、増加会員数の情報をさらに記憶し、
前記需要予測部は、前記記憶部から読み出した増加会員数と、前記購入人数の情報とから前記投票参加見込み人数を算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の投票装置。
【請求項6】
前記需要予測部は、前記売上金額の全額に、あるいは、前記売上金額のうちの当たり投票券への払戻分の金額に、所定のリスク係数を乗算することにより前記融資額を算出することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかの項に記載の投票装置。
【請求項7】
前記払戻部は、前記端末装置から、会員識別情報と、払戻要求とを受信し、前記記憶部から受信した会員識別情報に対応した投票データを特定し、特定した投票データに付加されている払戻金額の支払を前記端末装置へ指示する、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかの項に記載の投票装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記会員識別情報に対応して、クレジットカード払いにより購入可能な金額を示す利用可能金額の情報をさらに記憶し、
前記投票受付部は、受信した前記投票金額が、受信した前記会員識別情報に対応して前記記憶部から読み出した利用可能金額以内であるときに投票券の販売を許可し、
前記払戻部は、前記記憶部に記憶されている、前記特定した投票データ内の会員識別情報に対応した利用可能金額の情報を、前記払戻金額を加算した金額を示す情報に書き換える、
ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかの項に記載の投票装置。
【請求項9】
投票装置として用いられるコンピュータを、
クレジットカード払いにより投票券の購入が可能な会員の会員識別情報及び払戻口座の情報を示す会員データと、
競技の開催スケジュールと、
過去に前記競技が行なわれたときの実績売上金額、及び、クレジットカード払いによる投票券の購入人数の情報と
を記憶する記憶部、
前記記憶部に記憶されている前記開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、特定した競技に対応した実績売上金額及び購入人数の情報を前記記憶部から読み出し、読み出した実績売上金額及び購入人数から所定の算出式によりクレジットカード払いによる投票券の予測売上額を算出し、算出した予測売上に基づいて融資額を決定する需要予測部、
前記需要予測部により算出された融資額を設定した融資要求を融資業務装置へ出力する資金調達部、
端末装置から、会員識別情報と、投票内容及び投票金額との情報を受信し、投票データとして前記記憶部に記憶する投票受付部、
払戻対象の投票内容及び払戻率の情報が設定された競技結果情報の入力を受け、前記記憶部に記憶されている前記投票データから、前記競技結果情報内の払戻対象の投票内容が設定されている投票データを特定し、特定した投票データ内の投票金額と、前記競技結果情報内の払戻率とから払戻金額を算出し、算出した払戻金額を当該投票データに付加して前記記憶部に記憶する投票結果判定部、
前記記憶部を参照して、前記投票結果判定部により払戻金額が付加された投票データを特定し、特定した投票データ内の会員識別情報に対応した会員データから払戻口座の情報を読み出し、読み出した払戻口座の情報と、前記払戻金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払戻部、
前記記憶部に記憶されている前記投票データ内の投票金額を合計して売上金額を算出し、競技主催者の口座の情報と、算出した売上金額に対する主催者収入分の金額の情報とを設定した振込指示を金融機関装置へ出力する払込部、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−86058(P2010−86058A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251526(P2008−251526)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)