説明

抗原を安定化するための緩衝液

【課題】抗原、特にHCV組換え抗原のための抗原希釈剤または緩衝液を提供すること
【解決手段】本発明は、抗原、特にHCV組換え抗原のための抗原希釈剤または緩衝液に関し、これは、ジチオスレイトール、チオグリセロールまたはメルカプトエタノールのような還元剤を含む。抗原希釈剤または緩衝剤は、抗原のための安定化緩衝液として作用するものであり、好ましくは、約1mMから約200mMの濃度のDTTを含む。抗原希釈剤または緩衝液は、さらに、緩衝剤(例えば、リン酸ナトリウムまたはホウ酸ナトリウム)を含むことも可能である。本発明はまた、自動化イムノアッセイにおける使用のための抗原希釈剤または緩衝液に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の詳細な説明)
本願は、出願番号60/059、703号に対して米国特許法119条に基づく優先権を主張し、これによって、その全体が参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般にイムノアッセイの分野に、具体的には、抗HCVイムノアッセイにおける使用のための、抗原、特にC型肝炎ウイルス(HCV)抗原を安定化する緩衝液に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
一般に、イムノアッセイは、ウイルスに特に関連するエピトープを最初に決定し、次いで、どのエピトープが、開発されるアッセイに好ましいかを決定することによって行われる。特定のエピトープが単離された場合、これらの配列は、決定され、そして、エピトープ調製のための遺伝的物質が生成される。化学的または生物学的手段のいずれかによりタンパク質を生成する方法は、既知であり、例えば、特定のエピトープに対して抗体の存在を検出するために使用されるアッセイである。高度に選択性および感受性のイムノアッセイは、一般に患者に感染している疑いのある病原体の主要な免疫優性エピトープを含む。
【0004】
ウイルス、HCVについて、主要な免疫優性の線状エピトープは、ウイルスポリタンパク質のコア、NS(非構造的)3、NS4およびNS5領域から同定されている。HCVコアタンパク質および推定のマトリックスタンパク質は、HCVに対する抗体を含むヒト血清サンプルに対してアッセイされ、そしてHCVタンパク質内のいくつかの免疫優性な領域が規定されている。Sallbergら、J.Clin.Microbiol.、1992、30:1989−1994(これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。ドメインC、E1、E2/NS1、NS2、NS3、NS4およびNS5を含むHCV−1ポリタンパク質のタンパク質ドメインが同定され、そしてこれらのおおよその境界は、WO93/00365(本明細書中でその全体が参考として援用される)において提供される。さらに、HCVの構造的領域由来の配列を有する個々のポリペプチドは、HCV患者の血清の試験において有用な免疫優性エピトープを得るために設計されている。Kotwalら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、4486−4489(これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO93/00365
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Sallbergら、J.Clin.Microbiol.、1992、30:1989−1994
【非特許文献2】Kotwalら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、4486−4489
【非特許文献3】Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、10011−10015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
HCV抗体検出のための現在えり抜きのアッセイは、手動アッセイであるOrtho 3.0 ELISAである。ELISAにおける使用のためにカイロン(Chiron)が製造した組換えHCV抗原は、c200(ns−3、c100)、c22およびNS−5である。このc33cおよびc22抗原は、非常に免疫原性である。c33cおよびc22に対する抗体はまた、初期のセロコンバージョンパネルにおいて見出される。HCV抗体の有病率は、58%〜95%まで異なり、最も高い検出率はc33cポリペプチドについて得られ、次いでc22ポリペプチドについてである。Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、10011−10015(これは、本明細書中でその全体を参考として援用される)。しかし、液相においてHCV抗原を安定化する問題に遭遇している。液相におけるHCV抗原の安定性の欠如は、現在のHCV抗体検出アッセイの主要な欠点である。従って、抗HCVイムノアッセイのための抗原緩衝液を開発することは、Ortho 3.0 ELISAと同じ抗原を利用して試みられており、ここでこの緩衝液は、HCV抗原を安定化する。さらに、既存の自動化された機械(例えば、ACS:Centaur)に試薬、緩衝液およびプロトコールを適応させることが試みられている。従って、現在、抗HCVイムノアッセイにおける使用のために液相でHCV抗原の安定性を改良する必要がある。このような改良されたアッセイ試薬および方法は、血液供給物および他の生物学的液体のスクリーニングにおいてHCV抗体のより良い検出を提供する。この緩衝液が、液相で不安定であり得る他の抗原(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗原)のために使用され得ることを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、液相における抗原、特にHCV組換え抗原を安定化し得る、還元剤を含む、抗原希釈剤または緩衝液に関する。
【0009】
別の局面において、本発明は、還元剤を含む抗原希釈剤または緩衝液を使用したイムノアッセイを関する。
【0010】
別の局面において、改良されたイムノアッセイキットが提供され、この改良は、還元剤を含む、HCV抗原のための抗原希釈剤または緩衝液の使用を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記課題の解決に寄与する効果が、本明細書に説明するとおりに達成される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されなければ、当該技術分野の範囲内のウイルス学、免疫学、微生物学、分子生物学および組換えDNA技術の従来の方法を使用する。このような技術は、文献で十分に説明される。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989);DNA Cloning:A Practical Approach、IおよびII巻(D.Glover編);Methods in Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan編、Academic Press、Inc.);Handbook of Experimental Immunology、I−IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編、Blackwell Scientific Publications);およびFundamental Virology、第2版、IおよびII巻(B.N.FieldおよびD.M.Knipe編)を参照のこと。
【0013】
時間に関する試薬安定性は、重要な問題である。緩衝液で希釈され、同じ日に試験されたc33c抗原は、下記のMagic Liteアッセイプロトコールを使用すると機能的であった。しかし、37℃でストレスをかけた場合、この試薬は、初期のセロコンバージョンパネルに対して50%を越える免疫反応性を失う。液相におけるc33cは、ゆっくりと「凝集」し得、または不溶と成り得る。既知の成分(例えば、糖、ゼラチン、グリセロール、架橋試薬および抗酸化剤)は、c33c免疫反応性を安定化するために試用された。還元形態でc33c抗原を保持することは、24時間以上、さらに少なくとも7日までの期間、37℃で初期のc33cセロコンバージョンパネルについて免疫活性を維持し得る(Ortho 3.0 ELISAの性能に匹敵する)ことを発見した。この還元剤は、c33c分子内のシステイン基間のジスルフィド結合を還元し、おそらくc33c免疫反応性および溶解度を改良している。c33cのための抗原希釈剤の出現の前には、液相において従来のライト(lite)試薬では37℃でこのような長期抗原安定性を示すものはなかった。同様の実験は、以下に示すようにc200および多くのエピトープ融合抗原(MEFA−6)について行われた。従って、本発明は、抗HCVイムノアッセイにおける使用に関して、HCV抗原を安定化するための抗原希釈剤または緩衝液を提供する。本発明の抗原希釈剤または緩衝液は、例えば、ELISAおよびCLIAのようなイムノアッセイにおいて使用され得る。
【0014】
本発明は、液相においてHCV抗原の改良された安定性を提供する抗原希釈剤または緩衝液に関する。本明細書に使用されているように、「抗原希釈剤または緩衝液」とは、抗原が含まれる溶液をいう;それは、緩衝能力を有してもよいし、有さなくてもよい。特に、本発明は、Ortho 3.0 ELISAなどにおける、組換えHCV抗原に関して改良された安定性のための抗原希釈剤または緩衝液に関する。本発明は、例えば、抗原希釈剤または緩衝液に対して、ジチオスレイトール(DTT)のような還元剤を添加することによって達成された。
【0015】
本発明の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤または緩衝液は、還元剤を含む。本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤または緩衝液は、リン酸ナトリウム(pH6.5)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、DTT、ゼラチン、チオシアン酸アンモニウム、アジ化ナトリウムおよびSDSを含む。しかし、これらの個々の試薬は、本質的に同じ機能を果たす同様の試薬によって置換され得る。例えば、DTTは、さらなる還元剤(例えば、チオグリセロール、メルカプトエタノールなど)と置換され得る。リン酸ナトリウムは、ホウ酸ナトリウムおよび他の緩衝液によって置換され得る。ゼラチンは、BSAおよび他の非特異的結合のブロッキング剤で置換され得る。チオシアン酸ナトリウムは、チオシアン酸アンモニウムおよび他のカオトロピック剤と置換され得る。SDSは、多くの界面活性剤(例えば、Tween−20、および他の界面活性剤など)によって置換され得る。アジ化ナトリウムは、他の抗細菌剤によって置換され得る。さらに、EDTAは、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)および他のキレート剤によって置換され得る。当業者は、本発明の試薬の代わりとなり得る試薬に精通している。
【0016】
本発明の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約15mM〜約100mMのリン酸ナトリウム(pH6.5)を含む。さらに好ましくは、この希釈剤は、約20mM〜約75mMのリン酸ナトリウム(pH.6.5)を含む。最も好ましくは、この希釈剤は、24または25mMのリン酸ナトリウム(pH6.5)を含む。
【0017】
本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約1mM〜約10mMのEDTAを含む。より好ましくは、この希釈剤は、約3mM〜約7mMのEDTAを含む。最も好ましくは、この希釈剤は、5mM EDTAを含む。
【0018】
本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約1mM〜約200mMのDTTを含む。より好ましくは、この希釈剤は、約5mM〜約100mMのDTTを含む。最も好ましくは、この希釈剤は、10mMのDTTを含む。
【0019】
本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約0.05%〜約1%のゼラチンを含む。さらに好ましくは、この希釈剤は、約0.1%〜約0.5%のゼラチンを含む。最も好ましくは、この希釈剤は、0.2%のゼラチンを含む。
【0020】
本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約10mMから約500mMのチオシアン酸アンモニウムを含む。さらに好ましくは、この希釈剤は、約50mM〜約200mMのチオシアン酸アンモニウムを含む。最も好ましくは、この希釈剤は、100mMのチオシアン酸アンモニウムを含む。
【0021】
本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約0.01%〜約0.3%のアジ化ナトリウムを含む。より好ましくは、この希釈剤は、約0.05%〜約0.2%のアジ化ナトリウムを含む。最も好ましくは、この希釈剤は、0.09%のアジ化ナトリウムを含む。
【0022】
本発明の別の好ましい実施態様において、HCV抗原希釈剤は、約0.01%〜約0.5%のSDSを含む。より好ましくは、この希釈剤は、約0.05%〜約0.2%のSDSを含む。最も好ましくは、この希釈剤は、0.1%のSDSを含む。
【0023】
本発明の別の好ましい実施態様において、手動アッセイのためのHCV抗原希釈剤は、25mM リン酸ナトリウム(pH6.5)、5mM EDTA、10mM DTT、0.2% ゼラチン、100mM チオシアン酸アンモニウム、0.09% アジ化ナトリウムおよび0.1%SDSを含む。
【0024】
自動化されたアッセイに関しては、c33cのための好ましい抗原緩衝液は、50mM リン酸塩、5mM EDTA、100mM チオシアン酸アンモニウム、0.06% SDS、0.25% 魚ゼラチンおよび10mM DTTを含む。
【0025】
表1は、好ましいHCV緩衝液を示す。
【0026】
【表1】

【0027】
本発明のHCV抗原希釈剤または緩衝液は、周知の媒体調製技術によって調製され得る。本発明のHCV抗原希釈剤の調製の好ましい実施態様は、表2に示される。
【0028】
【表2】

【0029】
本発明のHCV抗原希釈剤または緩衝液は、手動および自動化されたアッセイにおいて使用され得る。本発明の抗原希釈剤または緩衝液は、多くのHCV抗原(c33c、MEFA−6、c22p、c100p、NS−5およびc200を含むが、これらに限定されない)で使用され得る。これらのHCV抗原は、当該分野で慣用的に使用される組換え手順によって調製され得る。
【0030】
HCVc33c(NS3)およびc100(NS4)領域配列は、免疫優性コアからのエピトープを含み、そしてChienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、10011−10015に記載されるように調製された。c200抗原は、c33cおよびc100抗原からなる融合タンパク質である。c22(119アミノ酸)およびNS5(942アミノ酸)抗原は、c100−3(363アミノ酸)抗原の生成について以前記載された方法を使用して、ヒトスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)とのC末端融合物として、酵母S.cerevisiae内の内部抗原として発現された。Kuoら、Science、1989、244、362−364(これは、本明細書中でその全体が参考として援用される);およびCousenら、Gene、1987、61、265−275(これは、本明細書中で全体が参考として援用される)。c33c抗原(363アミノ酸)は、5−1−1抗原の合成について記載された方法によってE.coli中で内部SOD融合ポリペプチドとして発現された。Chooら、Science、1989、244、359−362(これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。組換えHCV抗原は、Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1989、89、10011−10015に記載されるように精製された。本発明において、全HCV抗原は、SOD融合タンパク質として調製された。しかし、他の適切な融合タンパク質は、融合パートナーを認識する適切な抗体の利用可能性に依存して作製され得る。
【0031】
MEFA−6は、C型肝炎ポリタンパク質のコア、エンベロープ、NS3、NS4およびNS5領域からのエピトープを含み、これらは、HCV株1、2、および3からの等価な抗原決定基を含む。HCVエピトープについてコードする様々なDNAセグメントは、PCR増幅によって、または合成オリゴヌクレオチドによって構築された。以下の表3は、MEFA−6カセットにおける各エピトープのアミノ酸セグメント、様々なエピトープの線状配置およびコピー数を記載する。MEFA−6カセットは、本明細書中でその全体が参考として援用される1997年5月23日に出願された出願、PCT US97/08950に記載されるように調製された。
【0032】
表3に示したように、MEFA−6抗原は、以下を含む:コアおよびNS5領域からの多コピーのHCVエピトープ;NS4 5−1−1領域からの異なった血清型エピトープ;c100のC末端領域、E1およびE2領域、ならびにHCV NS3(c33c)領域からの単一コピーの主要な線状エピトープ。MEFA−6についての一般的構造式は、hSOD−−E1−E2−c33c−5−1−1(タイプ1)−5−1−1(タイプ3)−5−1−1(タイプ2)−c100−NS5(2コピー)−コア(2コピー)である。この抗原は、酵母において大変高い発現レベルを有し、高度に均一になるまで精製され、そして下記のイムノアッセイにおいて高い感度および高い選択性を示す。MEFA−6は、1997年5月20日に出願された出願第08/859,524号(その全体が参考として本明細書中で援用される)に記載されるように調製された。
【0033】
【表3】

【0034】
検出可能なマーカーとしては、発色団、抗体、抗原、酵素、切断産物が検出可能な酵素反応性化合物、ローダミンまたはローダミン誘導体、ビオチン、ストレプトアビジン、蛍光化合物、化学発光化合物、これらのマーカーの誘導体および/または組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。本実施例では、化学発光化合物であるジメチルアクリジニウムエステル(DMAE、Ciba Corning Diagnostics Corp.)が使用された。任意のマーカーでの標識化がMEFA−6または他のエピトープの最適な検出および抗原性を得るための条件下で行われる。DMAEが、アッセイにおいて検出マーカーである場合、生じるHCV r−Ag−DMAE結合物は、トレーサーであり、DMAEは、NaOH/H22と反応させたときに、発光によって検出可能である。
【0035】
ポリペプチド、抗体または合成ペプチド抗原は、DMAEに共有結合した反応性部分とアミノ酸側鎖(例えば、リジンε側鎖またはシステインチオール)との反応によってDMAEで標識された(1995年10月19日に公開された、Ciba Corning Diagnostis CorpのWO 95/27702(これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)を参照のこと。例えば、本明細書中で記載されたHCV抗原は、Ciba Corningから得られたNSP−DMAE−NHS(2’,6’−ジメチル−4’−(N−サクシンイミジルオキシカルボニル)フェニル−10−(3’−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキシレート)とリジン側鎖のアミノ基との反応によって標識された。アミノ酸側鎖のチオールは、DMAE−ED−MCCまたはNSP−DMAE−PEG−BrAc(Ciba Corning)を使用して標識され得る。標識手順は、一般にWO 95/27702に記載された通りであり、各抗原について最適な検出および抗原性を提供するために必要に応じて条件は変化する。
【実施例】
【0036】
(実施例)
(実施例1:手動アッセイ)
マジックライトアナライザーシステムII(Magic Lite Analyzer System II;MLA II)を手動アッセイのために使用する。体積、濃度、時間および温度のようなパラメーターが手引きのために提供されるが、しかるべく調整され得る。簡潔には、試験サンプルの10μlのアリコートを、対応するチューブに添加した。試験サンプルは、好ましくは、おそらく抗HCV抗体を含む生物学的液体(例えば、血漿または血清)ならびに適切なコントロールである。各チューブに100μlの抗原希釈剤または緩衝液を加え、37℃で6分間インキュベートする。各チューブに約60μg/アッセイの最終濃度でラット抗ヒトIgG抗体(PMP/抗ヒトIgG)と結合体化した常磁性粒子(PMP)を含む100μlの固相緩衝液を加える。しかし、他の抗ヒトIgG抗体が適切である。好ましくは、常磁性粒子は、直径が約10μmより小さい。PMP/抗ヒトIgG粒子をTris緩衝液(pH8.0)、150mM NaCl、2.75% BSA、0.1% カゼイン、0.1% Tween−20、0.1% 酵母抽出物、0.25% E.coli抽出物、0.005% SOD、0.09% NaN3および1mM EDTAを含む希釈剤で希釈し得る。続いて、DMAEと結合体化した組換えHCV抗原(HCV抗原/SOD融合タンパク質)(例えば、MEFA−6−DMAE、c33c−DMAEおよびc200−DMAE)を約0.1μg/アッセイ〜約1μg/アッセイの濃度で50μlの容量のリガンド試薬(LR)希釈剤中に加える。好ましくは、アッセイ当たりに約25×106光ユニット当量(相対光ユニット、RLU)が存在するようなリガンド試薬量を各サンプルに加える。このおおよその量の光ユニット当量は、単一のリガンドの添加、または多くのリガンドについて好ましい。LR希釈剤は、Tris緩衝液(pH8.0)、150mM NaCl、1.0% BSA、0.1% Tween−20、0.09% NaN3および1mM EDTAを含む。完全な混合を保証するために、このチューブを1回当たり5〜10秒間づつ6回ボルテックスミキサーで攪拌する。サンプルチューブを18分間、37℃でインキュベートする。サンプルチューブを磁石上に3分間(PMP粒子を沈降させるのに十分な時間)置く。このサンプルをPMP粒子を保持するために磁石を使用してデカントする。PMP粒子を1mlのPBSでボルテックスして2回洗浄する。洗浄溶液は、PBS、0.1% Tween−20、0.09% NaN3および1mM EDTAである。混合、インキュベート、沈降およびデカントを行なう工程は、少なくとも1回繰り返され得る。各チューブに100μlの水を加え、PMP粒子を再懸濁する。次いで、チューブをMLA−II機器に配置し、そして発光を2秒間測定する。
【0037】
(実施例2:自動化アッセイ)
上記の手動抗HCVアッセイをACS:Centaur装置を使用して、自動化使用に適応させた。以下の手順を使用する。簡潔には、ACS:Centaurシステムは、以下の工程を自動的に行う:1)10μlのサンプルをキュベットに分配する;2)100μlの補助希釈緩衝液、100μlのLite試薬/固相、50μlの抗原試薬2(例えば、MEFA−6)、50μlの抗原試薬1(例えば、c33c)を分配し、そして37℃で18分間混合物をインキュベートする;3)混合物から固相を分離し、非結合試薬を吸引する;4)洗浄試薬1でキュベットを洗浄する;5)各300μlの酸性試薬および塩基性試薬を分配し、化学発光反応を開始する;そして6)システム作動指示またはオンラインヘルプシステムに記載されるように、選択されたオプションに従って結果を報告する。固相/Lite試薬希釈緩衝液は、50mM Tris、0.5M KCl、1mM EDTA、3.75% BSA、0.003% 酵母、0.05g/L E.coli、0.5% Tween−20、2mg/L アンホテリシン B、24mg/L 硫酸ゲンタマイシン、30μg/試験固相および45×106試験Lite試薬(抗SOD*DMAE抗体)を含む。補助の希釈緩衝液は、50mM Tris、0.5M KCl、1mM EDTA、3.75% BSA、0.003% 酵母、0.05g/L E.coli、0.5% Tween−20、2mg/L アンホテリシン B、24mg/L 硫酸ゲンタマイシン、0.05g/L 腹水 IgG1および0.1g/L 腹水 IgG2A(ブロッキング抗体)を含む。洗浄試薬は、PBS/Tween−20を含む。酸性試薬は、0.5% H22/0.1N HNO3を含む。塩基性試薬は、界面活性剤とともに0.25N未満のNaOHを含む。
【0038】
(実施例3:c33cを用いた手動アッセイ)
c33cHCV抗原を使用した手動アッセイを、実施例1において上記した方法論を使用してアッセイ当たり100ngのc33cで行った。抗原希釈剤は、25mM リン酸ナトリウム(pH6.5)、100mM チオシアン酸ナトリウム、5mM EDTA、0.1% Tween−20、0.2%魚ゼラチン、0.09%アジ化ナトリウムおよび10mM DTTを含んでいた。このアッセイを3×106RLU/10μl、30μg/アッセイのPMPで行った。アッセイを種々の時間および種々の温度下で行った。例えば、アッセイを4℃で0日目、4℃で3日目、37℃で1日目、37℃で2日目、37℃で3日目および37℃で6日目に行った。
【0039】
10μlのサンプル(例えば、ヒト抗HCV抗体を含む生物学的液体)を各サンプルチューブに加えた。サンプルは以下のものを含んでいた:ランダムな陰性コントロール(r1、r2およびr3)、陽性コントロール(Virotrol)、セロコンバージョンパネル(PHV905−5、PHV907−4およびPHV904−6)、HCV患者サンプル(FF25931)およびセロコンバージョンサンプル(6214−09および6212−04)。結果を表4に示す。感度を光学密度単位のアッセイ検出カットオフによって除したアッセイサンプルの光学密度(s/co)として報告する。すべての既知の陰性サンプルは、カットオフ値より下の相対光単位(RLU)を示したが、既知の陽性サンプルは、カットオフ値よりずっと上のRLUを示した。
【0040】
比較の目的で、いくつかのサンプル(表4を参照のこと)からのHCV抗体の検出をまた、Ortho 3.0および市販のストリップイムノブロットアッセイ(RIBA・ 3.0 Chiron Corporation)によって、どちらのアッセイがHCV抗体検出のための確認試験として臨床的に使用されるかについて行った。RIBA法に従って、組換えHCV抗原をゲル電気泳動で分離し、そして患者の血清と接触させた。分離した抗原との反応性を標識2次抗体を使用してイムノブロットアッセイによって実施する。アッセイの結果をプラス/マイナスのスケールで記録する。Ehelingら、Lancet、1991、337、912−913(これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。Ortho 3.0アッセイを製造者の指示に従って行った。c33c、c22p、c100pおよびNS−5をこれらの試験のためのHCV抗原として使用した。
【0041】
簡潔には、RIBA・3.0アッセイを以下のように行った。アッセイ開始の約30分前に、キットを冷蔵(2〜8℃)から取りだし、そしてキットの成分を室温(15〜30℃)に至らしめた。必要な数のストリップをシールしたホイルポーチから取り除き、そしてアッセイチューブ立て中でそれぞれのチューブの中に置いた。1mlの検体希釈剤をストリップ全体が液体で覆われるように各チューブに加えた。20μlの適切な検体またはコントロールを、対応するチューブに加えた。チューブにふたをし、反転して混合した。チューブを備えたラックをロッカーに置き、そしてゴムバンドまたはテープで固定した;ラックを室温(15〜30℃)で4〜4.5時間揺り動かした(16〜20サイクル/分で)。チューブは、ふたをはずし、そして液体を廃棄物容器へと完全に吸引した。1mlの検体希釈剤を各チューブに加えた。チューブはふたをし、ロッカー上のラックに置き、そして室温で30〜35分間揺り動かした。次いで、液体を吸引した。1mlの作業洗浄緩衝液を各チューブに加え、次いで、液体およびストリップを30mlの作業洗浄緩衝液を含む洗浄容器に注いだ(洗浄容器当たり最高20ストリップ)。洗浄容器を完全に作業洗浄緩衝液で満たし(総容量、60mL)、次いで、洗浄液をデカントした。ストリップを保持するため、洗浄容器をデカントしながらやさしく転がした。60mlの作業洗浄緩衝液を加え、旋回し、次いでストリップを保持しながら洗浄液をデカントした。ストリップ当たり1mlの結合物を各洗浄容器に加えた(洗浄容器当たり最低10ml)。洗浄容器をロータリシェイカー上で110±5rpm、9〜11分間、室温(15〜30℃)で回転した。作業基質を使用前1時間までに調製した。結合物インキュベーションの終了に際して、結合物をデカントし、ストリップを60mlの作業洗浄緩衝液を加え、そして旋回することにより洗浄した。洗浄液をデカントし、この工程をさらに2回繰り返した。最終洗浄液をデカントした。ストリップ当たり1mlの作業基質を各洗浄容器に対して加えた(洗浄容器あたり最低10ml)。洗浄容器をロータリシェイカー上で110±5rpm、15〜20分間、室温(15〜30℃)で回転した。作業基質をデカントし、そしてストリップを60mlの蒸留水または脱イオン水を加え、旋回することによって洗浄した。洗浄液をデカントし、この工程をさらに1回繰り返した。ストラップを保持するため、洗浄容器をデカントしながらやさしく回転した。ピンセットを使用して、ストリップを吸収紙に移し、そして過剰な水をブロットした。ストリップを暗所、室温で少なくとも30分間風乾した。ストリップを3時間以内に判読した。検体における抗HCV反応性を各ストリップのヒトIgG(レベルIおよびレベルII)内部のコントロールバンドの強度と各抗原バンドの強度を比較することによって決定した。抗体の同定を抗原バンドの特定の位置によって規定した。抗原/ペプチドバンドの強度を以下のように内部IgGコントロールの強度に関して記録した:なし(−)、レベルI IgGコントロールバンドの強度より小さい(−/+)、レベルI IgGコントロールバンドの強度と等しい(1+)、レベルI IgGコントロールバンドの強度より大きく、そしてレベルII IgGコントロールバンドの強度より小さい(2+)、レベルII IgGコントロールバンドの強度と同等(3+)、およびレベルII IgGコントロールバンドの強度より大きい(4+)。
【0042】
(実施例4:c200を用いた手動アッセイ)
c200 HCV抗原を使用した手動アッセイを、様々な量の還元剤を用いて実施例1に記載されたように行った。安定化緩衝液は、還元剤の量を除いて実施例3と同じであった。このアッセイを3×106RLU/10μl、30μg/アッセイ PMPで行った。アッセイを種々の時間で、そして種々の量の還元剤下で行った。例えば、アッセイを20mM DTTを使用して37℃で1日後(バイアル1)行い、DTTなしで37℃で1日後(バイアルII)、そして20mM DTTを試験前に加えた場合、37℃で1日後(バイアルIII)行った。バイアルIIおよびIIIをまた、3日後に試験した。
【0043】
10μlのサンプル(例えば、ヒト抗HCV抗体を含む生物学的液体)を各サンプルチューブに加えた。サンプルは、以下を含んでいた:様々な希釈でのランダムな陰性コントロール(r1、r2、r3、r4およびr5)、セロコンバージョンパネル(PHV904−6およびPHV906−1)およびHCV患者サンプル(FF25931)。結果を表5に示す。s/nは、平均陰性値で除した感度である。
【0044】
(実施例5:MEFA−6およびc33cを使用した手動アッセイ)
MEFA−6およびc33cHCV抗原を使用した手動アッセイを、実施例1において上記された方法論を使用して、アッセイ当たり100ngのMEFA−6および85ngのc33cで行った。MEFA−6のための安定化緩衝液は、50mM ホウ酸ナトリウム(pH9.5)、5mM EDTA、0.05% Tween−20、0.5% BSA、および1% チオグリセロールを含んでいた。このpH9.5でMEFA−6は安定なので、還元剤は必要ない。c33cのための緩衝液は、25mM リン酸ナトリウム(pH6.5)、5mM EDTA、0.1% Tween−20、0.2%魚ゼラチン、100mM チオシアン酸ナトリウムおよび10mM DTTを含んでいた。アッセイを4.5×106RLU/10μlの抗SOD*DMAE、30μg/アッセイPMPで行った。アッセイを種々の時間で、そして種々の温度下で行った。例えば、アッセイを4℃で7日目に、そして37℃で7日目に行った。
【0045】
10μlのサンプル(例えば、ヒト抗HCV抗体を含む生物学的液体)を各サンプルチューブに加えた。サンプルは、ランダムな陰性コントロール(r1、r2、r3およびr4)、陽性コントロール(Virotrol)、セロコンバージョンパネル(PHV905−5、PHV909−1、PHV909−2およびPHV909−3)、セロコンバージョンサンプル(6212−02および6214−09)およびセロコンバージョンコントロールパネル(SC−0030A、SC−0030B、SC−0030C、SC−0030D、SC−0040A、SC−0040B、SC−0040C、SC−0040DおよびSC−0040E)を含んでいた。結果を表6に示す。感度を、光学密度単位のアッセイ検出カットオフによって除したアッセイサンプルの光学密度(s/co)として報告した。すべての既知の陰性サンプルは、カットオフ値より下の相対光単位(RLU)を示したが、既知の陽性サンプルは、カットオフ値よりずっと上のRLUを示した。
【0046】
比較の目的で、いくつかのサンプルからのHCV抗体の検出(表6を参照のこと)をまた、実施例3で記載されているように、Ortho 3.0およびRIBA・3.0によって行った。
【0047】
(実施例6:MEFA−6を用いた手動アッセイ)
MEFA−6 HCV抗原を使用した手動アッセイを、実施例1で上記された方法論を使用してアッセイ当たり100ngのMEFA−6を用いて行った。MEFA−6の緩衝液は、50mM ホウ酸ナトリウム(pH9.5)、5mM EDTA、0.05% Tween−20、0.5% BSAおよび1% チオグリセロールを含んでいた。アッセイを4.5×106RLU/10μlの抗SOD*DMAE、30μg/アッセイ PMPで行った。アッセイを4℃で7日目に行った。
【0048】
10μlのサンプル(例えば、ヒト抗HCV抗体を含む生物学的液体)を各サンプルチューブに加えた。サンプルは、ランダムな陰性コントロール(r1、r2およびr3)、陽性コントロール(Virotrol)およびセロコンバージョンコントロールパネル(SC−0030A、SC−0030B、SC−0030CおよびSC−0030D)を含んでいた。結果を表7に示す。感度を光学密度単位のアッセイ検出カットオフによって除したアッセイサンプルの光学密度(s/co)として報告した。すべての既知の陰性サンプルは、カットオフ値より下の相対光単位(RLU)を示したが、既知の陽性サンプルは、カットオフ値よりずっと上のRLUを示した。
【0049】
比較の目的で、いくつかのサンプルからのHCV抗体の検出(表7を参照のこと)をまた、上記のようにOrtho 3.0およびRIBA・3.0によって行った。前述の実施例は、本発明を例示することを意味し、そしていかなる方法でも本発明を制限するとは解釈されない。当業者は、本発明の精神および範囲内である改変を認識する。本明細書中で引用されたすべての参考文献は、ここでその全体が参考として援用される。
【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】


【0053】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0054】
本願発明の好ましい実施形態によれば、以下の抗原希釈剤または緩衝液などが提供される。
(項1) 還元剤を含む、抗原希釈剤または緩衝液。
(項2) 還元剤を含む、C型肝炎(HCV)抗原のための抗原希釈剤または緩衝液。
(項3) 前記還元剤がジチオスレイトール、チオグリセロールおよびメルカプトエタノールからなる群から選択される、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項4) 前記還元剤がジチオスレイトール(DTT)である、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項5) DTTの濃度が約1mMから約200mMである、上記項4に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項6) DTTの濃度が約5mMから約100mMである、上記項4に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項7) DTTの濃度が約10mMである、上記項4に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項8) さらに緩衝剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項9) 前記緩衝剤がリン酸ナトリウムまたはホウ酸ナトリウムからなる群から選択される、上記項8に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項10) 前記緩衝剤がリン酸ナトリウムである、上記項9に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項11) リン酸ナトリウム(pH6.5)の濃度が約15mMから約100mMである、上記項10に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項12) さらに界面活性剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項13) 前記界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびTween−20(登録商標)からなる群より選択される、上記項12に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項14) 前記界面活性剤がSDSである、上記項13に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項15) SDSの濃度が約0.01%から約0.5%である、上記項14に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項16) さらに抗細菌剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項17) 前記抗細菌剤がアジ化ナトリウムである、上記項16に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項18) 前記アジ化ナトリウムの濃度が約0.01%から約0.3%である、上記項17に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項19) さらにキレ−ト剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項20) 前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である、上記項19に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項21) EDTAの濃度が約1mMから約10mMである、上記項20に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項22) さらに非特異的結合のブロッキング剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項23) 前記非特異的結合のブロッキング剤がゼラチンおよびウシ血清アルブミンからなる群から選択される、上記項22に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項24) 前記非特異的結合のブロッキング剤がゼラチンである、上記項23に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項25) ゼラチンの濃度が0.05%から約1.0%である、上記項24に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項26) さらにカオトロピック剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項27) 前記カオトロピック剤がチオシアン酸ナトリウムおよびチオシアン酸アンモニウムからなる群から選択される、上記項26に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項28) 前記カオトロピック剤がチオシアン酸アンモニウムである、上記項27に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項29) 前記チオシアン酸アンモニウムの濃度が約10mMから約500mMである、上記項28に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項30) さらに緩衝剤、キレート剤、非特異的結合のブロッキング剤、カオトロピック剤、抗細菌剤および界面活性剤を含む、上記項1または2に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項31) 前記緩衝剤がリン酸ナトリウムであり、前記キレート剤がEDTAであり、前記非特異的結合のブロッキング剤がゼラチンであり、前記カオトロピック剤がチオシアン酸ナトリウムであり、前記抗細菌剤がアジ化ナトリウムであり、そして前記界面活性剤がSDSである、上記項30に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項32) 25mM リン酸ナトリウム(pH6.5)、5mM EDTA、10mM DTT、0.2% ゼラチン、100mM チオシアン酸アンモニウム、0.09% アジ化ナトリウムおよび0.1% SDSを含む、上記項31に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項33) 50mM リン酸ナトリウム、5mM EDTA、100mM チオシアン酸アンモニウム、0.06% SDS、0.25% 魚ゼラチンおよび10mM DTTを含む、上記項31に記載の抗原希釈剤または緩衝液。
(項34) HCV抗体の検出のための改良されたイムノアッセイキットであって、この改良は、還元剤を含むHCV抗原のための抗原希釈剤または緩衝液を含む、改良されたイムノアッセイキット。
(項35) 前記還元剤がジチオスレイトール、チオグリセロールおよびメルカプトエタノールからなる群から選択される、上記項34に記載の改良されたイムノアッセイキット。
(項36) 前記還元剤がジチオスレイトールである、上記項34に記載の改良されたイムノアッセイキット。
(項37) C型肝炎ウイルス抗原に対して指向された抗体の検出のための改良されたアッセイであって、この改良は、上記項1に記載の抗原希釈剤または緩衝液を含む、改良されたアッセイ。
(項38) 少なくとも1個の抗原、および還元剤を含む抗原希釈剤または緩衝液を含む、組成物。
(項39) 少なくとも1個のHCV抗原、および還元剤を含む抗原希釈剤または緩衝液を含む、組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明


【公開番号】特開2009−180750(P2009−180750A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123636(P2009−123636)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【分割の表示】特願2000−513148(P2000−513148)の分割
【原出願日】平成10年9月22日(1998.9.22)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)