説明

抗芽球薬の希釈および調合の装置および方法

抗芽球薬の希釈および調合の装置(1)および方法において、装置は、制御手段(4)に接続された薬剤調合装置(3)、薬剤調合装置(3)は、通常生理溶液かつ/またグルコース溶液である溶媒が入った第一中央槽(8)、様々な寸法および形状の薬瓶の寸法および形状を受容するのに適する筺体が備わる位置決めかつ施錠手段(14)から構成され、第一容積型ポンプ(9)は、溶媒を投薬方法で中央槽(8)から瓶(11)、および続いて瓶(11)から半完成薬の追加的な槽(22)に移送し、追加的槽(22)の希釈溶液はその後、患者に点滴をするための既定量に調合された薬の容器(31)に移送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗芽球薬つまり抗腫瘍効果のある薬剤の、希釈および調合のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、抗腫瘍化薬は、抗腫瘍治療を投与するすべての腫瘍専門医局に常設されなければならないA.D.U.(抗芽球薬装置)およびA.D.U.H.(抗芽球薬装置および取扱)と呼ばれる設備内で、専門家によって希釈および調合される。
【0003】
事実、抗芽球薬の取り扱いには、処置者の一部に接触、吸着または処置者に対し毒性および発癌性の影響を有しうる、これらの薬剤による他の形での汚染があるため、特殊な予防措置が必要とされる。たとえこれらの弊害が実際には科学的に証明されないとしても、少なくともこれらの薬剤を安全で正しく取り扱うためのガイドラインに従う必要はある。
【0004】
さらに、抗芽球薬は製造者によって無菌状態で供給されるので、そのような状態は取り扱いおよび管理のすべての段階において、公的な薬局方の優れた実施ガイドに従って保守されなければならない。
【0005】
抗芽球薬の希釈および調合を担当する処方者は、医師から患者一人一人にそれぞれに合わせるべき治療計画を受け取る。個別治療は、化学療法プロトコルの標準投与量および患者の体表に注意を払わなければならない。
【0006】
化学療法プロトコルは一般的に、複数の抗芽球薬によって構成され(多剤併用化学療法)、それらの薬剤はそれぞれ一つの瓶に再構成され、および他の瓶とは決して混合されない。
【0007】
冷凍凍結または液体の薬剤と、溶媒(通常、生理溶液またはグルコース溶液)との希釈は、個人用保護具(PPE)が提供される専門看護士の責任のもとで、および、図1に示されるように二重大気放出フィルターを有する垂直層流フードのある安全なブースが提供された処置室内で、行わなければならない。
【0008】
垂直層流フードのある安全な室内の持続管理は徹底されなければならず、処置者によって汚染除去が規則的に行われる。
【0009】
処置室には、個人用保護具(PPE)および、表皮または目の急性暴露による緊急事態の場合に使用される安全手段が保管される。
【0010】
治療中に個人用保護具(PPE)を身に着けた処置者はまた、他の人と接触すること、飲食をすることができず、一連の予防措置に厳しく従わなければならない。
【0011】
提供される不織布のつなぎの術着、および非タルク手袋の個人用保護具(PPE)は、すべて使い捨てである。ちなみに薬剤が吸着しうるタルク手袋は、手および器具に痕跡を残す。
【0012】
個人用保護具(PPE)は二重にして使用され、および薬剤に触れた後30分ごとに交換されなければならない。処置者はまた、マスク、キャップおよび履物を着用しなければならない。マスクは処置者への薬剤の吸着を防ぐことはないが、キャップおよび履物同様、無菌調合のため義務付けられる。
【0013】
正確な量の薬剤を溶液の容器に注入するために、注射器および、例えばルアーロック型適合などの特別に適合する点滴チューブが、注射針が外れるのを防ぐために使用される。
【0014】
治療瓶はそれぞれ、対象となる患者の名前、薬剤の名前、および薬の含有量がラベル表示される。治療として、前投薬計画および化学療法プロトコルは薬以上に常に必要であり、指示された投与順序通りに種々の薬瓶に番号をつけるのが賢明である。さらに、薬の容器は薬剤の劣化を防ぐため、光に曝されないよう保護されなければならない。
【0015】
薬剤が要求された順序および投与量で調合されると、例として、静脈に挿入されるカニューラ針、またはトンネル形状になった中心動脈カテーテル(CVCと略される)、または門脈カテーテルなど、患者への点滴に適した手段を有するボトルを接続することにより、薬剤は患者の静脈に投与されることが可能である。
【0016】
調合瓶および器具は運搬、包装、および保存のために、ガラスではなくプラスチックが使用される。
【0017】
また、治療を受ける患者の生物学的物質に接触しうる他の処置者(専門看護士、補助部門の職員)も個人用保護具(PPE)を着用しなければならず、および6ヶ月ごとの健康診断を受ける。
【0018】
前述の所見から、抗芽球薬の希釈および調合はかなり長い、困難な、そして過失や汚染の可能性を免れないことは明らかである。
【0019】
従って、抗芽球薬かつ/また化学療法薬の希釈および調合を促進するため、装置が提案されてきた。
【0020】
ドイツ特許DE−43 14 090 C2では、膀胱癌の血管内化学療法などのための、カテーテルを通して投与される、固体で供給される薬剤の溶液の調合用のキット、好ましくは使い捨てキットが提示される。
【0021】
キットは、固形薬の希釈のために溶液が保存される容器、希釈された薬剤のためのレセプタクル、および、作動流路と、調合された溶液が通過してカテーテルおよび同様のものに供給されることができる接続を有する、容器とレセプタクルの間の接続要素から構成される。
【0022】
キットは容器、レセプタクル、および薬剤と溶液が流路バルブの作動後に混合されるよう互いに直結される接続要素から構成される。
【0023】
さらに、容器から、および溶液の調合後のレセプタクルから、接続要素が分かれることができるようプリセット切断点が提供される。続いて、レセプタクルおよび接続要素は、患者に薬剤を投与するのに使われるカテーテルに、切断点で接続されることが可能である。
【0024】
容器および接続要素は、プリセット切断点の範囲内のプリセット分離線を有する、透明または半透明であることが好ましい外被によって完全に覆われることが可能である。
【0025】
DE−43 14 090 C2に開示されたキットは、主に注射器型の容器および希釈薬用のレセプタクルに基づくため、用途が制限される。患者への一回使用ごとに毎回セットされなければならず、および患者それぞれに合わせた方法で希釈された薬が提供されることはできない。さらに、普通に提供される包装の薬剤を使用することはできない。
【0026】
特許出願EP−1 563 819は、例として抗芽球薬などの点滴薬の調合における医療事故が回避されることが可能な、患者および医療従事者に安全なシステムから構成される、点滴用ドリップブレンダー混合装置を提示する。
【0027】
点滴用混合装置は、少なくとも患者の体表、または血漿中濃度到達時間の曲線(AUC)下の範囲、または患者の体重に関連する設定データを入力する装置から構成される。
【0028】
装置はさらに、液状薬または希釈薬剤のデータ入力に基づいた既定の量が供給される液体の計算装置、液状薬および希釈溶液のための流路が備わった混合チューブを挿入する導入装置、薬剤が通過する通路、および誘導装置に挿入されるよう希釈された溶液が混合チューブに入る通路にそれぞれ接触する、液体の供給装置から構成される。したがって、液状薬または溶液は、計算装置によってあらかじめ決められた必要量に従って運搬される。
【0029】
EP−1 563 819に開示された装置はかなり複雑で、患者の身体パラメーターに基づいた患者に投与される薬剤の量を決める計算装置は、投与される薬剤の量の正確な計算が常に保証できない。さらに、調合される薬量を制御するための流量計は、安全性および正確な測定が常に確実ではない。
【0030】
薬剤に接触する構成材を混合および交換することは困難であり、市販されているような通常の薬剤の包装の使用は不可能である。
【特許文献1】ドイツ特許DE−43 14 090 C2
【特許文献2】特許出願EP−1 563 819 A1
【発明の開示】
【0031】
したがって、本発明の一つの目的は、抗芽球薬の希釈および調合のための既知の装置および方法を改良することである。
【0032】
本発明の他の目的は、単純に作ることのできる抗芽球薬の希釈および調合のための方法および装置を提示することである。
【0033】
本発明の他の目的は、薬剤と接触する構成材が容易に交換かつ/また殺菌できる抗芽球薬の希釈および調合のための方法および装置を提示することである。
【0034】
本発明のまた他の目的は、薬剤の希釈および調合の計算が正確で精緻で、および反復可能な結果を提供する方法および装置を提示することである。
【0035】
本発明の第一の態様では、溶媒が入った第一中央槽、例として蠕動ポンプなどの第一容積型ポンプ、少なくとも一つの薬瓶のための排出装置が備わる、少なくとも一つの薬剤調合装置から構成され、第一容積型ポンプは、中央槽から前記少なくとも一つの薬瓶に溶媒を投与方法で移送するのに適しており、排出装置は、様々な寸法や形状の瓶を受容するのに適する筺体を有する位置決めかつ施錠手段から構成されることを特徴とする、抗芽球薬の希釈および調合のための装置が提供される。
【0036】
本発明の第二の態様では、溶媒がある第一中央槽、例として蠕動ポンプなどの第一容積型ポンプ、少なくとも一つの薬瓶のための排出装置が備わる、少なくとも一つの薬剤調合装置、第一容積型ポンプは中央槽から前記少なくとも一つの薬瓶に溶媒を投与方法で移送するのに適しており、前記容積型ポンプによって瓶の後に充填される半完成薬の追加的な槽から構成され、第一装置または薬瓶に合わせた先端手段から構成される交換可能な主要キット、様々な部分に連結する半完成薬用の追加的槽から構成されることを特徴とする、抗芽球薬の希釈および調合用の装置が提供される。第二槽からは、第二容積型ポンプを通して正確な量の希釈薬を移すことが可能である。
【0037】
本発明の第一および第二の態様により、抗腫瘍治療がより単純な管理でできるようになる。市販の様々な形状および寸法の薬瓶を直接使用する治療のための希釈された薬剤の溶液が得られる。従って、専門職員でなくとも短期の初期訓練後、治療を施すことが可能である。
【0038】
さらに、抗芽球薬に接触するすべての構成材は、容易に交換かつ/また殺菌することができる。
【0039】
概念的に、本発明は、通常生理溶液またはグルコース溶液である溶媒の入った第一中央槽、例として蠕動ポンプなどの第一容積型ポンプ、少なくとも一つの薬瓶のための排出装置、半完成薬、つまり希釈された薬剤を集積する追加的な槽が備わる、少なくとも一つの抗芽球薬の希釈および調合のための装置から構成される装置を提供する。
【0040】
排出装置は、通常ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)であるプラスチックのキャップに穴を開けることができる先端システムのある薬瓶に適合する。
【0041】
第一容積型ポンプは、排出装置を使用して、中央槽から少なくとも一つの薬瓶に溶媒を投与方法で移送するのに使用される。
【0042】
薬瓶は、様々な寸法および様々な形状の瓶を受容することが可能な筺体を有することを特徴とする位置決めかつ施錠装置に留まる。
【0043】
入口通路および出口通路が備わる排出装置によって、薬剤で希釈された溶液を含有する追加的槽が充填されることが可能である。この槽は半完成薬の槽と呼ばれる。入口通路はさらに、両方に逆止めバルブが備わる二つの入口を有する。
【0044】
第二容積型ポンプを通して、適切な投与量の希釈薬が半完成薬の槽から腫瘍薬の最終的な希釈、つまり調合を含む容器に移送される。この容器は点滴用に用意される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
次に装置および本発明の目的の方法の詳細な説明に入る。
【0046】
図2に示されるように、抗芽球薬の希釈および調合のための装置は1によって全体を表され、および、独立し、かつ装置3を物理的に誘導する、制御ハードウェア7に接続された電子インターフェース5に通して制御手段4によって調整される、複数の薬剤調合装置3を含む外被2から構成される。
【0047】
薬剤調合装置3は、高速型コネクタを使用してコントローラ7に電子的に接続される。
【0048】
薬剤調合装置3は、一つの種類の薬剤を一度に個別に処理し、かつ処理セッションに必要な数の調合を生成することが可能である
【0049】
様々な種類の薬剤調合装置3があることにより、装置1は同時に複数の、それぞれに異なる種類の薬剤に精製された調合を製造することが可能である。
【0050】
外被2の内部の全ての構成材は、汚染を避けるため垂直層流フード6の吸引を受ける。装置1内部の全ての処理範囲は発生蒸気が継続的に吸引されるが、これらの蒸気はいずれにせよ最低限に抑えられる。
【0051】
垂直層流フード6の中では、大気はHEPA型防水フィルター、すなわち、殺菌(滅菌)環境を確保し、上から下に垂直に、つまり部分的に排出される場所および部分的に再循環される場所から作業範囲に移動する高性能な一般的なフィルターを通して濾過される。
【0052】
垂直層流は、外部環境に対する防護壁を作りおよび同時に区域の汚染を防ぐ、殺菌された外吸気を生成する。
【0053】
また、装置1の内部の温度を一定に保つのに適する、空調手段も提供されることが可能である。
【0054】
制御手段4は例として、パソコン、パームトップなど、いずれのプログラマブル素子で実現されることが可能である。そのデータは一つかそれ以上の指示されたコンピュータプログラムによって管理される。
【0055】
コンピュータプログラムを通して、患者の医療記録、使用プロトコルタイプ、薬剤の順序および投与量、投与周期、など、治療の調合に必要な全てのデータは記録される。
【0056】
必要なときは、投与量の変更も可能である。(通常は投与量の削減)
【0057】
一般的に、少なくとも二つの型のプログラムがあり、第一は装置の機械、水圧、空気圧、および電気的部分を物理的に管理し、第二は調合の製品に関するデータおよび機能を管理するものである。特に後者は、以下のことをしなければならない。
・治療計画(プロトコルおよび支持療法)の患者の医療記録を管理。この方法で治療スケジュールの作成は促進される。従って、個別に投与量を計算することによって自動的に、および変更が必要(通常は投与量の削減)であると腫瘍医が見なす場合は手動で適用することにより、患者に合わせることが可能でなければならない。
・患者の医療記録を、体表などの情報を自動的に有し、および計算かつ/また転写のエラーを自動的に除去する方法で管理。
・治療要求のデータから開始して、一人の患者の治療スケジュールを作成。このステップでは、適用により、その患者に適合する基本プロトコルに患者を関連づけられることが可能になる。
この状況では、支持治療が加えられること、および治療の投与量の比率および数字の変更が可能である。
・個別の患者の治療スケジュールの情報を修正。この適用により、比率または投与量に直接作用するように投与量が修正されること、医療記録、投薬タイプ、および投薬時間などが修正されることが可能になる。すべての修正は個別の薬剤、一回の調合、選択された日付に、またはプロトコル全体に施されることができる。
・治療の状態を一覧。
・腫瘍専門医による記録を入力。
・投与職員のために記録を入力、かつ/また、投与職員によって投与ステップ中に入力された記録を一覧。
・異なる基準による研究、分析の目的で、個別治療プロトコルの統計を蓄積
・予測消費量で消費量および経費の統計を蓄積
・最も一般的なデータフォーマット、Text、Excel、xmlにデータをエクスポート
・全ての必要な印刷出力を実行。特に、調合とともに看護士へ渡される、一日または数日の治療スケジュールおよび詳細な投与など。このシートは患者の治療を要約し、回数および注意(記録)を強調する。
【0058】
すべての操作は、部局長によって決定される、異なるレベルの安全性およびアクセスを有する。
【0059】
調合装置3は図3、4、5および6に詳細が示される。
【0060】
図3および4によると、調合装置3は、例として生理溶液かつ/またグルコース溶液の溶媒の入った第一中央槽8、中央槽8から抗芽球薬の瓶11に自動的に挿入される排出装置10へ溶液の移送に適合する、例として蠕動ポンプなどの第一容積型ポンプ9から構成される。
【0061】
薬瓶11は、冷蔵ゾーンをから構成されることもできるマガジン手段(図示せず)の内部にある。
【0062】
薬瓶11は、駆動装置13および瓶11の位置決めかつ施錠手段14から構成される、積載手段12を使用して移送される。
【0063】
駆動装置13は工業分野で可能な多くの方法の一つによって作られる。例としてコンベヤーベルトの手段などである。
【0064】
市販の薬は様々な包装および形状で流通されるので、位置決めかつ施錠手段14は瓶11のネックに適合するための筺体を有する。この筺体は様々な形状の瓶を受容できるよう、順応性のあるものでなければならない。
【0065】
現在市販されている様々な包装の分析により、瓶11のネックは8mmから18mmまでの様々な直径を有することになる。
【0066】
位置決めかつ施錠手段14の筺体により、ヘッドが下向きになるよう瓶が配置されることが可能であり、および、様々な大きさの異なる形状に内容物を収容するのに十分に優れている。
【0067】
筺体はそれぞれ、駆動装置13に位置する。
【0068】
薬剤の認識により、ある薬剤が他のものに代わって使用されるのを防ぐような、重要な安全面が保証される。またこの理由のため、専用のコンピュータプログラムは使用可能な薬剤のデータベースが利用できるように提供されなくてはならず、またすべての構成および寸法特性を記録する。
【0069】
積載ステップ中、および駆動装置13上での瓶の移動中の両方で無差別に起きるこの認識は、
薬剤の認識バーコードおよびそれに従った薬剤の関連情報もまた認識する、認識手段16を通して生じる。
【0070】
認識手段16は、CCDリーダー、カメラ、またはRFID(無線ICタグ)のような、他の利用可能な認識技術を通して実現されることが可能である。
【0071】
瓶11は、相対して配置される二つのV字型フォークによって形成される施錠装置(図示せず)によって、ネックを固定される。
【0072】
瓶11は、先端手段15を有する排出装置10の上方に運ばれる。前記先端手段15はその後瓶11の内部に挿入され、続いて、溶媒の流路に従って瓶の中の薬剤が完全に空にされると取り外される。
【0073】
図7および8により良く示されるように、排出装置10はプラスチックで作られる先端17からなる先端手段15から構成される。先端17の材料は、瓶11の蓋に穴をあけるのに十分な硬さのものでなければならない。通常、ABS(アクリロニトル・ブタジエン・スチレン)で作られることが考えられる。先端17は、例として任意の金属またはプラスチック材料など、様々な材料で作られることが可能である。先端17の材料は、形状が変化したり薬剤と反応を起こしたりせずに薬剤および他の溶液と接触する状態になるのに、適合性および互換性のあるものでなければならない
【0074】
薬瓶11を充填および空にするため、先端17は順に、第一入口導管18、第二出口導管19、溶媒のための単動逆止めバルブ20a、濾過空気のための単動逆止めバルブ20bから構成され、両方のバルブは瓶11への入り口に、および単動逆止めバルブ21は瓶11からの出口に構成される。バルブ20aおよび20bを通して、様々な液体、つまり、バルブ20aの一部からの溶媒、およびバルブ20bの一部からの濾過空気などが、瓶の内部に流入する。
【0075】
バルブ20a、20b、および21は、続いて詳細が開示されるクイックフィット適合28を用いて作られることが可能である。
【0076】
第一導管18は溶媒を含有する中央槽8に接続される。
【0077】
溶媒は、第一容積型ポンプ9を用いて、適切な圧力バルブによって瓶11の内部に注入される。瓶11が充填されると、半完成薬の槽22に接続された第二出口導管19の内部へ、薬剤と混合された溶媒の流入が始まる。
【0078】
適切な量の溶媒を供給することにより、瓶11は薬剤が完全に排出され、最終的には溶媒のみで満たされたものが残る(わずかな誤差範囲で)。
【0079】
瓶11には、空気分配手段49も備わることが可能である。前記手段49は、圧縮機または蠕動ポンプ46など容積型ポンプ、フィルター47、および単動逆止めバルブ20bから構成される。
【0080】
続いて空気分配手段49は、濾過空気を、フィルター47から単動逆止めバルブ20bを通って排出装置10の通路18に運ぶ。これによって、瓶11は、残っている溶媒までも空にそしてきれいにされることが可能になる。この操作は図3の実施例で選択的に考慮されることが可能である。
【0081】
この時点で瓶11は、適合する廃棄容器の中に放出され、そして新しい瓶が排出装置10の上に設置される。
【0082】
抗芽球薬は一度開封すると非常に腐敗しやすいため、直ちに廃棄または使用されなければならない(通常24時間〜48時間以内)。
【0083】
薬剤は基本的に二つの異なる状態で流通される。様々な濃度の液状、および凍結乾燥状態、つまり粉末である。
【0084】
希釈および調合手段に適合された工程での結果は、薬剤の物理的状態から独立したものになる。
【0085】
薬剤が凍結乾燥状態ならば、瓶内部の溶媒の通路は使用前に可溶化されたもののために提供される。
【0086】
この工程は、溶液が1mlしかない、水圧回路(例として直径1/8インチ、3,175mmのパイプ、1mlは約直径3cmに相当する)を通過する流入に適さない量の瓶を作る場合にもよく適用される。損失は容認され得ない。従って希釈工程は、その確実な移送を続行する前の必須のステップである。
【0087】
結果として、半完成薬22は既知の比率で希釈された薬剤で充填される。
【0088】
様々な調合が一つの瓶から、患者それぞれに一つずつ作られるように、必要な調合を全て生成するため、複数の瓶が同じ処理セッション(通常は連日セッション)の中で必要になり得る。
【0089】
この理由のため、半完成薬22の槽の内部に、処理セッションで使用されるすべての調合を作るために必要な利用できる希釈薬が入っているよう、薬瓶の充填および排出は何度も繰り返されなければならない。
【0090】
半完成薬22の槽は図9により詳細に示される。
【0091】
半完成薬22の槽は、不透明なプラスチックで、および底部24に向かって先細りとなる非対称形の外被23から構成される。
【0092】
槽22の排出中損失を最小限にするために、薬剤の沈滞部分を避けることができるよう、この形は全ての希釈薬を底部24に集める。
【0093】
槽22の上部には、排出装置10の第二出口導管に接続された19入口導管25、および槽を通気できる開/閉バルブ26a(図4)が備わる、粒子および微生物を濾過する疎水フィルター26がある。底部24には、クイックフィット適合手段28に連結する目的のシート手段28aが備わる出口導管27がある。
【0094】
前記クイックフィット適合手段28は、接続および非接続間の液体の損失を防ぐための、特別な型である。
【0095】
導管27は、槽22からの出口にある単動逆止めバルブ29を通過することにより、調合された薬を含む瓶31に接続される。
【0096】
単動逆止めバルブ29の機能は、単動バルブ手段からも構成される、クイックフィット適合手段28に組み込まれることが可能である。
【0097】
希釈された抗芽球薬はこのように、半完成薬22の槽から調合薬の容器31に移送される。
【0098】
これは、図3および図4の図表とそれぞれ対応する図5および図6によって開示されるものに従って、二つの方法が生じうる。
【0099】
図3および5に図示される形では、容積型ポンプ30は槽22と調合薬の容器31の間に挿入され、容積型ポンプ30は槽22から半完成薬を直接取り除き、そして容器31に投与量で送る。図4および6に図示される追加的な形では、圧縮機または容積型ポンプ46は、単動逆止めバルブ20cを通って槽22内部に空気を入れ、空気は槽22の内容物を導管27の外側に押し出す。
【0100】
追加的な形では、圧縮機または容積型ポンプ46は、排出方法でバルブ20bまたはバルブ20cに空気を送るよう、分流器48に接続される。
【0101】
圧縮機および容積型ポンプ9、30、および46の実施例の一例は、蠕動ポンプによって提供される。
【0102】
蠕動ポンプの主な利点は、以下のように要約されることができる。乾燥操作の場合の難点がないこと、使用されるほとんどの化学製品に対する配管の抵抗力があること、シールの失敗がないこと、様々なスピードおよび異なるパイプの直径を使用すること、二つの異なる方向での操作が可能であること、液体が機械部分に接触しないため清潔さが促進されること、メンテナンスが必要な部分のみこの場合は使い捨て型(使用および廃棄)で配管されること、消毒かつ/また滅菌手段を用いてポンプの内部の殺菌および清浄が可能なこと、である。
【0103】
図3に図示される形では、容積型ポンプ9および30はその構造上の特徴のため、正確な液体の投与量が提供されることが可能であり、そして分配された液体の量を確認するための追加的な装置は必要ないことが、注目されるべきである。
【0104】
それでもなお、液体が通る流路の開始および終了を表示するため、流入センサー15aを接続パイプの外側に適用することは必要である。
【0105】
制御手段4は、調合薬の容器31に導入されるべき薬剤の量を自動的に計算し、薬剤が前もって既に希釈された半完成薬の槽22からそれを取り除く。
【0106】
図4に図示される追加的な形では、第一中央槽8半完成薬の槽22、および調合薬の容器31の下に、電子装置43、44、および45を用いて作られた重量検出手段42が設置される。
【0107】
電子装置43、44、および45はそれぞれ、センサーおよび、計量操作中に受ける変形を検出および送信することができる信号を、デジタル読み取りによってビットの点で適切な解像度で読み取られる電子パルスの形で送信するための、送信手段から構成される。例として、ロードセルのような装置である。
【0108】
半完成薬の槽22から容器31への移送は、バルブ26aの自動的な閉鎖操作、および、導管27から出る圧力の違いを通して、フィルター37から槽22内部へ濾過空気を押し出し、容器31を充填することにより生じる。制御手段4は重量の差を計測することにより、調合薬の容器31に導入されるべき薬剤の量を自動的に計算することが可能である。
【0109】
この場合、流入センサー15aは余分となりうるが、追加的な制御装置が代わりとなることができる。安全性の理由のため、エラーの場合工程を直ちに阻止することのできる、半完成薬の槽22の圧力を保護するための検出手段が提供されることは必要である。
【0110】
図10に示される詳細によると、容器31は不透明プラスチックおよびクイックフィット適合28が備わる入口導管33が上部に構成された外被32、および容器31を通気し、粒子や微生物を濾過できる疏水フィルター34から構成される。
【0111】
容器31の入口導管33は、第二容積型ポンプ30からの出口導管に接続される。
【0112】
調合薬の処理ステップの最後に、調合装置3は、患者に投与する準備が整った薬剤の容器の抽出が可能であることを処理者に指示する、音響かつ/また視覚信号を発する。
【0113】
図3に示される実施例では、半完成薬の調合ステップおよび薬剤を容器31に移送するステップはまた、平行して行われることも可能である。
【0114】
図11に詳細が示されるクイックフィット適合28は、図中Fで示される方向に液体を通過させることが可能であり、および、例として槽22で得られるシートのような適合するシート手段28aの中に、施錠リング38を用いて挿入される目的の、外被35から構成される。
【0115】
外被35の内部には、クイックフィット適合を通って液体を通過させるのに適した開口37が備わるピストン36がある。ピストン36は、通常シート40上でスプリング41を用いて閉じられたままであるシーリングヘッド39を有する。
【0116】
薬剤に接触する状態になるすべての構成材(コネクター、バルブ、パイプ、および容器)は、他のいずれの型の薬剤とともに使用されることはできない。および、調合後、交換および廃棄または洗浄殺菌されなければならない。
【0117】
上記の構成材の交換または殺菌を促進するために、図5および6に示される三つの使い捨て可能な装置またはキットが使用される。第一キットは主要キット、第二キットは化学キット、および第三キットは溶媒キットと呼ばれる。
【0118】
第一装置または主要キットは、薬瓶11に適合される排出装置10、半完成薬の槽22、および様々な部分に接続するすべてのプラスチック要素から構成される。
【0119】
排出装置10は半完成薬の槽22と統合され、そして工業的に組み立てられる。
【0120】
キットは装置3の適切な部分の内部に、適合する自動施錠接続部(図示せず)上に引っ掛けられ、および、特定のガイドの内部と蠕動ポンプの回路の内部に柔軟性チューブを挿入して取り付けられる。
【0121】
半完成薬の槽22は積載および除荷ステップの両方を受けるので、そのため、例として0.22ミクロン(μm)の防水フィルターなど、槽22を抽気させることができる疎水フィルターが備わる、通気バルブ26から構成されなければならない。図4に示される実施例では、バルブ26は開/閉シールが備わらなければならない。
【0122】
第二装置または化学キットは、調合薬のための容器31から構成される。
【0123】
容器31は光に対し不透明なプラスチック(例:ポリエチレン)で作られ、例として平行に配管されるような型などいずれの形であることが可能で、および、例として0.22ミクロン(μm)の防水フィルターなど、容器31を抽気させることができる疎水フィルター34が備わる通気バルブを具備するキャップから構成される。
【0124】
これもまた、調合薬を積載および除荷する両方のステップを受ける。
【0125】
容器31は、主要キットの適合する部分と、続いて、例として静脈内投与に使用される点滴チューブである、接続されなければならない柔軟性パイプの両方に容易に接続することが可能な、クイックフィット適合28が備わる。
【0126】
容器31の正面には、薬剤調合の最後で、薬剤の名前、その投与量、患者の名前、および製造かつ/また投与日時など、調合の識別に必要なデータの表示に使用される、記入または印刷可能な表面が提示される。
【0127】
第三装置または溶媒キットは、溶剤(通常、生理溶液またはグルコース溶液)を含有する中央槽8から構成される。
【0128】
抗芽球薬の希釈および調合の方法は、基本的に以下のステップから構成される。
・化学療法プロトコルシート、薬剤に関連するデータ、患者に関連するデータなどを制御手段4にインプットする。
・中央槽8が空の場合、手動で積載かつ/また交換する。(溶媒キット)
・前の薬剤移送ステップのいずれかで使用された、主要装置またはキットを取り外す。
・新規の薬剤移送ステップで使用される、新しい主要装置またはキットを格納する。
・積載手段12を使用して少なくとも一つの薬瓶11を手動または自動で積載する。
・中央槽8からの溶液を薬瓶11に、およびその後半完成薬の槽22に投与方法で移送する。
・半完成薬の槽22から取り除くことにより、希釈された薬剤を投与方法で移送、および調合終了薬の容器31に送る。
・調合薬、つまり最終製品の容器31を取り外し、患者への静脈投与の準備が整う。
・瓶および容器11、22、31を廃棄するために取り外す。
【0129】
本発明による装置および方法により、抗芽球薬の希釈および調合のための既知の装置および方法が改良されることが可能になる。
【0130】
特に、本装置および方法では、以下のことが可能である。
・患者の化学療法プロトコルシート(CPS)はコンピュータ化された方法で管理される。
・市販の包装の型のすべてのデータを含む、プロトコルの薬剤のデータベースが管理される。
・溶液に入った薬剤の瓶を製造するための投与量を自動的に計算する。
・調合の製造のために必要な異なる型の薬剤を自動的に選択する。
・異なる形状の薬の入った瓶を自動的に受容する。
・異なる物質または液状(粘度に関わらず)、および粉末(可溶化される)の薬剤を無差別に処理する。
・臨界量、例えば1ml以下の量を有する薬剤を処理する。
・人間が抗芽球薬を直接取り扱うことなく、完全に安全に、個人に合わせた投与量を製造する。
・現状の手作業による処理ではなく、正しい状態で、複数の調合を同時に行う。
・薬剤の名前、その投与量、患者の名前、および製造/投与日時のような、基本的な識別データを調合容器の適切な空間に印刷する。
・使用される薬剤および製造される瓶の、両方の型を制御および試験するための一連の自動工程を提示する。
・残留を最小化するため、薬瓶の形状の選択を最適化する。
・容易に交換かつ/また、洗浄/殺菌が可能な、かつ/また使い捨て型の、抗芽球薬に接触する構成材を有する。
・短期の初期トレーニング後の専門でない職員によって、容易に取り扱われることができる。
・特別廃棄物の自動的廃棄のため容器を放出する。
・選択的に、装置内部の温度を一定に保つ。
・内部パーツは洗浄および維持が容易である。
・薬剤を保管する冷蔵ゾーンを、選択的に有する。
・電子および指示された管理ソフトウェアによって全体的に制御されるシステムを有する。
・処理者によって容易にアップデートできるソフトウェアシステムを有する。
・反復可能な結果を提供する。
【0131】
本発明による装置は様々な形状の市販の薬瓶を受容することが可能である。どこにでも容易に設置されることができるよう寸法および重量が小さく、使用される薬剤および製造される瓶の両方を制御および試験するための一連の自動工程を有し、特別廃棄物の自動的廃棄のため容器を放出することができる。構造的な特徴のため、内部パーツは洗浄および維持を容易に行うことができる。本発明による装置は、複数の薬剤の調合を同時に正しい状態で行うことが可能である。事実、制御手段4は患者の化学療法プロトコルシート、プロトコルで許可された薬剤のデータベースを管理することが可能であり、それらに関連する市販の包装のすべてのデータを保存することができる。本発明による装置は、溶液に入った薬剤の瓶を製造するための投与量を自動的に計算する。様々な型の薬剤の必要性が要求され、および完全に安全な患者それぞれに合わせた調合が可能であり、それゆえ、人間が直接に抗芽球薬を取り扱うのを避ける。
【図面の簡単な説明】
【0132】
本発明は、制限されない例の形による実施例を例証する、添付の図面を参照することにより、より理解および実行されることが可能である。
【0133】
【図1】抗腫瘍役の希釈および調合に現在使用されるクラスII垂直層流フードを有するブースを示す。
【図2】本発明による装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の装置の一部を示した図である。
【図4】本発明の追加的実施例の装置の一部を示した図である。
【図5】図3の装置を図式的に示したブロック図である。
【図6】図4の装置を図式的に示したブロック図である。
【図7】本発明による装置の主要構成材を示した図である。
【図8】本発明による装置の主要構成材を示した図である。
【図9】本発明による装置の主要構成材を示した図である。
【図10】本発明による装置の主要構成材を示した図である。
【図11】本発明による装置の主要構成材を示した図である。
【符号の説明】
【0134】
1.全体図
2.外被
3.薬剤調剤装置
4.制御手段
5.電子インターフェース
6.垂直層流フード
7.コントローラ(制御ハードウェア)
8.第一中央槽
9.容積型ポンプ
10.排出装置
11.薬瓶
12.積載手段
13.駆動装置
14.位置決めかつ施錠手段
15.先端手段
15a.流入センサー
16.認識手段
17.先端
18.第一入口導管
19.第二出口導管
20.単動逆止めバルブ
20a.単動逆止めバルブ
20b.単動逆止めバルブ
20c.単動逆止めバルブ
21.単動逆止めバルブ
22.半完成薬(槽)
23.外被
24.底部
25.入口導管
26.疎水フィルター
26a.バルブ
27.出口導管
28.クイックフィット適合
29.単動逆止めバルブ
30.容積型ポンプ
31.調合薬容器
32.外被
33.入口導管
34.疎水フィルター
35.外被
36.ピストン
37.フィルター
38.施錠リング
39.シーリングヘッド
40.シート
41.スプリング
42.重量検出手段
43.電子装置
44.電子装置
45.電子装置
46.蠕動ポンプ
47.フィルター
48.分流器
49.空気分配手段
F.矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒の入った第一中央槽(8)、例として蠕動ポンプである第一容積型ポンプ(9)、少なくとも一つの薬瓶(11)のための排出装置(10)が備わる、少なくとも(一つの)薬剤調合装置(3)から構成され、第一容積型ポンプ(9)は中央槽(8)から前記少なくとも一つの薬瓶(11)に溶剤を投与方法で移送するのに適しており、排出装置(10)は様々な寸法および形状の瓶(11)を受容するのに適する筺体を有する、位置決めかつ施錠手段(14)から構成されることを特徴とする、抗芽球薬の希釈および調合のための装置(1)。
【請求項2】
前記様々な寸法および形状の瓶(11)は、市販の抗芽球薬の瓶の寸法および形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの薬瓶(11)の後に、前記第一容積型ポンプ(9)によって充填される、半完成薬のための追加的な槽(22)から構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
排出装置(10)は、薬瓶(11)に適合される先端手段(15)からなる第一装置または交換可能な主要キット、半完成薬の槽(22)、および様々な部分(8、9、11、15、22)を接続するパイプから構成される、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
溶媒のある第一中央槽(8)、例として蠕動ポンプである第一容積型ポンプ(9)、少なくとも一つの薬瓶(11)のための排出装置(10)が備わる、少なくとも一つの薬剤調合装置(3)、第一容積型ポンプ(9)は中央槽(8)から前記少なくとも一つの薬瓶(11)に溶剤を投与方法で移送するのに適しており、瓶(11)の後に前記第一容積型ポンプ(9)によって充填される半完成薬の追加的な槽(22)から構成され、薬瓶(11)に適合される先端手段(15)からなる第一装置または交換可能な主要キット、半完成薬の槽(22)、および様々な部分(8、9、11、15、22)を接続するパイプから構成されることを特徴とする、抗芽球薬の希釈および調合のための装置(1)。
【請求項6】
排出装置(10)は、様々な寸法および形状の瓶(11)を受容するのに適合する筺体が備わる位置決めかつ施錠手段(14)から構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
患者のために調合された薬剤の容器(31)から構成される、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
半完成薬の追加的な槽(22)によって希釈された薬剤を、調合薬の容器(31)に投与方法で移送する、例として蠕動ポンプである第二容積型ポンプ(30)から構成される、請求項3から7のいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
薬瓶(11)に圧縮空気を搬送するのに適する空気分配手段(49)から構成される、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記空気分配手段(49)は圧縮機または容積型ポンプ(46)である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記空気分配手段(49)は、薬瓶(11)に運ばれる空気を濾過するのに適するフィルター(47)から構成される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記空気分配手段(49)は、薬瓶(11)に空気が流入できるよう適する単動逆止めバルブ(20b)から構成される、請求項9から11のいずれか一つに記載の装置。
【請求項13】
空気分配手段(49)から入ってくる気流を、排他的および代替的方法で薬瓶(11)または半完成薬の槽(22)に転換するのに適する分流器(48)から構成される、請求項1から7のいずれか一つに付加されるものとして、請求項9から12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
前記半完成薬の槽(22)に空気を循環させるのに適する単動逆止めバルブ(20c)が備わる、半完成薬の槽(22)のための空気供給導管から構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも一つの中央槽(8)、または半完成薬の槽(22)、または調合薬の容器(31)の内容物の重量を検出するのに適する重量検出手段(42)から構成される、請求項13から15のいずれか一つに記載の装置。
【請求項16】
前記重量検出手段(42)は、第一中央槽(8)、半完成薬の槽(22)、および調合薬の容器(31)に適用される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記重量検出手段(42)は、センサー、および計量操作中に受ける変形を検出および送信することが可能な信号を送信するための送信手段から構成される、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記前記重量検出手段(42)は、ロードセルから構成される、請求項15から17のいずれか一つに記載の装置。
【請求項19】
少なくとも一つの薬剤調合装置(3)を含む外被(2)から構成される、請求項1から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
外被(2)は、外被(2)内のすべての構成材が垂直層流フード(6)の吸引を受けるよう、層流フード(6)が備わる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも一つの薬剤調合装置(3)を制御および管理するための制御手段(4)から構成される、請求項1から20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
制御手段(4)は、例としてパソコン、パームトップなどのプログラマブル素子(7)によって実現される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
内部に薬瓶(11)があるマガジン手段から構成される、請求項1から22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
マガジン手段は冷蔵ゾーンから構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
薬瓶のコードの識別および薬剤の情報の識別を、識別および認識するための認識手段(16)から構成される、請求項1から24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
先端手段(16)は、第一入口導管(18)、第二出口導管(19)から順に成る先端(17)から構成される、請求項4から25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
先端手段(15)は、瓶(11)への入口の単動逆止めバルブ(20)、および瓶(11)からの出口の単動逆止めバルブ(20)から構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
薬剤調合装置(3)は、瓶(11)を移送するための牽引装置(13)から構成される、請求項1から27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
牽引装置(13)はコンベヤーベルトから構成される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
槽(22)は、光に不透明な、および非対称の、底面(24)に向かって先細りの型を有するプラスチック材料の外被(23)から構成される、請求項3から29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
槽(22)はその上部に、入口導管(25)、および槽を通気し粒子や微生物を濾過できる疎水フィルター(26)が構成される、前記請求項3から30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
調合薬の容器(31)からなる、第二装置または交換可能な化学キットから構成される、請求項7から31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
溶媒が充填された中央槽(8)からなる、第三装置または交換可能なキット容器から構成される、請求項1から32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
抗芽球薬を希釈および調剤する方法において、
化学療法プロトコルシート、薬剤に関連するデータ、患者に関連するデータなどを、制御手段(4)を用いて入力、
中央溶媒槽(8)が空の場合に積載かつ/また交換、
前の薬剤調合ステップで使用された可能性のある装置または主要構成材キットを取り外し、
新規の薬剤調合ステップで使用される新しい主要キットを格納、
積載手段(12)を通して少なくとも一つの薬瓶(11)を積載、
から構成される、請求項1から33のいずれかに記載の装置(1)による方法。
【請求項35】
溶媒を中央槽(8)から薬瓶(11)に、およびそして半完成薬の追加的槽(22)の中に、投与方法で移送することから構成される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
半完成薬の追加的槽(22)から取り出すことにより、希釈された薬剤を投与方法で移送し、および、調合済みの薬剤の容器(31)に搬送することから構成される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
調合された薬、つまり最終的な製品の容器(31)は取り外され、患者への静脈投与の準備が整うことから構成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
瓶および容器(11、22、37)は廃棄のために取り外されることから構成される、請求項37に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−530363(P2009−530363A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500942(P2009−500942)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002134
【国際公開番号】WO2007/110684
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508285570)バイオダクト エス.アール.エル (1)
【Fターム(参考)】