説明

抜差方式の支柱

【課題】本発明は、地中に埋設する埋設管と、該支柱を適切に立設することができ、安全で且つその構成が簡易で、砂等が流入することなく作業性に優れた抜差方式の支柱を提供することを課題とする。
【解決手段】屋外の球技用等に利用し、地面に埋設し孔の形成された埋設管と、該埋設管の孔に挿入することで地面に立設する柱本体から構成された抜差方式の支柱であって、前記埋設管の上端側に上方に広がったテーパー部を設け、柱本体の下端側をテーパー部に沿って孔に挿入すべく半球状に形成されていることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外のフィールドに立設する支柱で、例えば、ラグビーゴール、バレーボール支柱、テニス支柱、防球用ネットの支柱に利用する屋外用の支柱に関し、地中に埋設する埋設管と、柱本体から構成された抜差方式の支柱に関する。
【技術の背景】
【0002】
屋外のフィールドに立設する抜差方式の支柱は、フィールドを多目的に使用することを目的とし、ラグビーゴール、バレーボール支柱、テニス支柱及び防球用ネットを取り付ける支柱がある。
【0003】
ラグビーゴールは、地中に埋設した2本の埋設管と、各埋設管に設けられた孔に下端部分を挿入しスットパーで固定することで地面に立設する略H字状の柱本体から構成され、バレーボール支柱は、地中に埋設する埋設管と、該埋設管に設けられた孔に下端部分を挿入しスットパーで固定することで地面に立設する柱本体から構成され、屋外のフィールドの外周に沿って設ける防球ネット用のフェンス支柱は、地中に埋設した複数の埋設管と、該埋設管に設けられた孔に下端部分を挿入し棒状のストッパーで固定することで立設する柱本体から構成されている。
【0004】
上記支柱の埋設管の孔には砂や小石が流れ込み抜けなくなるトラブルが発生するために、リブ構造のアルミ管を利用することで、砂づまりのトラブルを解消している。
【発明の開示】

【発明が解決しようとしている課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の屋外用の支柱の埋設管の孔の径は、柱本体の径より僅かに大きく形成されているだけなので、挿入時に支柱本体はいつも埋設管の孔に垂直状態で立設しなければならず、重機の利用と多くの作業者の労力を必要とする欠点があった。
【0006】
また、リブ構造のみでは確実な砂等の孔への流入を防止することができない欠点があり、柱本体を孔に挿入する場合は、流入した砂を排除する作業を必要とし、また、柱本体を挿入した状態でも砂が入る欠点があった。
【0007】
そこで、本発明は、柱本体を埋設管にスムーズに挿入することができ、抜差作業時の作業性に優れ、砂等の孔への流入を防止できる抜差方式の支柱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するため、請求項1に記載のように、屋外の球技用等に利用し、地中に埋設し孔の形成された埋設管と、該埋設管の孔に挿入することで地面に立設する柱本体から構成された抜差方式の支柱であって、前記埋設管の穴の上端側に上方に広がったテーパー部を設け、柱本体の下端側をテーパー部に沿って孔に挿入すべく半球状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載のように、柱本体には、テーパー部を閉塞するとともに孔への挿入を停止するストッパー部が設けられていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0010】
次に、本発明の抜差方式の支柱の作用効果について説明する。
【0011】
先ず、地面に孔を穿孔し埋設管を地中に埋設する。この際、該埋設管の孔の上端側には上方に広がったテーパー部が設けられているために、孔の径が挿入部分より広がって拡大できる。
【0012】
次に、柱本体の下端側を前記埋設管に挿入する。この際、柱本体の下端側は、半球状に形成されているために、柱本体の下端側は埋設管のテーパー部に沿って滑るように孔内に挿入され立設することができる。
【0013】
このため、従来のように埋設管の孔に対して柱本体を直立状態で立設し孔に挿入することなく斜め状態でもスムーズに挿入することができる。
【0014】
また、柱本体の下端の半球面とテーパー部との接地面積が少なく孔への挿入がスムーズに行える。
【0015】
また、柱本体にはストッパー部が設けられているために、該スットパー部で柱本体の埋設管の孔へ挿入を停止し地面に柱本体を立設することができる。
【0016】
さらに、上記柱本体のストッパー部で埋設管のテーパー部を閉塞することができるので、孔への砂等の流入を阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の抜差方式の支柱の一実施例について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は本発明の抜差方式の支柱の第1実施例を示す概略説明断面図であり、図2は図1の抜差方式の支柱埋を示す概略説明平面図であり、図3は本発明の抜差方式の支柱の第2実施例を示す概略説明断面図であり、図4は本発明の抜差方式の支柱の第3実施例を示す概略説明断面図であり、図5は本発明の抜差方式の支柱の第4実施例を示す概略説明断面図である。
【0019】
(第1実施例)
本発明の抜差方式の支柱1は、地中に埋設する円筒状の埋設管2と、該埋設管2の孔4に挿入することで地面に立設する柱本体3から構成されている。
【0020】
前記埋設管2の内部の孔4は、柱本体3の下端側を挿入する孔4が形成され、埋設した際孔4の上端側は上方に沿って埋設管2の径より広ろげたテーパー部5が形成されている。このため、孔4の径を挿入部分に比べて拡径した状態にできる。
【0021】
前記柱本体3はその下端部6を半球状に形成し、前記埋設管2のテーパー部5に沿って滑るように移動しながら孔4に挿入することができる。このため、柱本体3を孔4に垂直状態にすることなく、また、孔4と下端部6を適切に合わせることなく挿入できる。
【0022】
前記柱本体3の所望の位置に、埋設管2の孔4への挿入を停止する円弧状のストッパー部7が取り付けられている。該ストッパー部7は、下面側が逆テーパー状に形成され、上面側が水平状に形成され、埋設管2のテーパー部5を適切の閉塞することができる。
【0023】
本発明の抜差方式の支柱1は上記のように構成され、次に、上記抜差方式の支柱1をラグビーゴール用の支柱として使用する場合について説明する。
【0024】
屋外フィールドに2本の孔を穿孔し、埋設管2をそれぞれ地中に垂直状態に埋設して設置する。この際、埋設管2のテーパー部5まで完全に埋設する。
【0025】
次に、重機で持ち上げたラグビーゴール用のポストを構成する略H状の柱本体3の下端部6を埋設管2の上端側のテーパー部5の一部に位置し、ここを基点として柱本体3を立設しながら柱本体3の下端部6をテーパー部5に沿って孔4側へ移動し、該孔4内にストッパー部7まで柱本体3を挿入する。
【0026】
上記により、柱本体3を埋設管2の孔4に挿入し地面に立設し、ラグビーゴールを形成することができる。
【0027】
また、柱本体3を立設時に、埋設管2のテーパー部5はストッパー部7で閉塞しているために、使用時に砂等が埋設管2の孔4に流入することなく使用できる。
【0028】
このため、従来のように柱本体3を立設するのに、多くの労力を必要とせず、スムーズな作業を行なえる。
【0029】
また、柱本体3を埋設管2の孔4より抜く際も、孔4に砂等が流入していないので、スムーズに柱本体3を抜き取ることができる。
【0030】
(第2実施例)
上記第1実施例では、柱本体3に取り付けられたストッパー部7の上面側を水平に形成したが、該上面側をテーパー状に形成することで、柱本体3を埋設管2の孔4に挿入して立設した際の強度を確保することができる。
【0031】
(第3実施例)
上記第1実施例では、埋設管2のテーパー部5は、埋設管2の径より広げて形成したが、埋設管2の孔4の断面部分が厚くすることで、テーパー部5を埋設管2の径と同一状で形成することで、ストッパー部7の形状の幅狭に形成することができ、コストの低減を図ることができる。
【0032】
(第4実施例)
上記第3実施例では、テーパー部5と埋設管2の径を同一に形成することで、ストッパー部7を幅狭に形成したが、ストッパー部7が幅狭であるならば、柱本体3そのものをストッパー部7より拡径することで、より簡易に柱本体3を孔4に納入して立設することができる。
【0033】
このように、本発明の抜差方式の支柱1は、柱本体3の埋設管2への挿入が容易であり、またスムーズな作業性があり、砂等の流入を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の抜差方式の支柱の第1実施例を示す概略説明断面図
【図2】図1の抜差方式の支柱を示す概略説明平面図
【図3】本発明の抜差方式の支柱の第2実施例を示す概略説明断面図
【図4】本発明の抜差方式の支柱の第3実施例を示す概略説明断面図
【図5】本発明の抜差方式の支柱の第4実施例を示す概略説明断面図
【符号の説明】
【0035】
1−支柱、2−埋設管、3−柱本体、4−孔、5−テーパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外の球技用等に利用し、地中に埋設し孔の形成された埋設管と、該埋設管の孔に挿入することで地面に立設する柱本体から構成された抜差方式の支柱であって、前記埋設管の孔の上端側に上方に広がったテーパー部を設け、柱本体の下端側をテーパー部に沿って孔に挿入すべく半球状に形成したことを特徴とする抜差方式の支柱。
【請求項2】
前記柱本体には、テーパー部を閉塞するとともに孔への挿入を停止するストッパー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の抜差方式の支柱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17792(P2013−17792A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164814(P2011−164814)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(597176647)フルタ鉄塔建設株式会社 (9)