説明

押し廻し式の流体用開閉コック

【目的】流体の遮断機能に必須の構成部材の一部を利用して封印機構を形成し、弁本体の構成の簡略化、軽量化、小型化及び使用勝手の簡素化を図る。
【構成】流体開閉弁の弁体2と開閉ハンドル5の間に弁体2を反力受けとする伸長形のスプリング6を介装し、開閉ハンドル5の下部外周より突設した摺動案内突起と摺動案内突起を段違いにした副摺動部と、本体1の弁室と同心状態をもって交互に凹凸形成した円弧状のガイド部8と突起用走行凹所9とを、スプリング6の弾力に抗して接触できかつ回動できるように係合する。また開閉ハンドル5の表面よりガイドネジ10を螺入貫通し裏面より突出させて本体1側の突起用走行凹所9に挿入し、ガイド部8の両端で形成された回動範囲を規制するストッパ間のみを自由に回動できるようにする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案の流体開閉弁は、主に燃焼用ガスの末端消費者側に設置する通称元栓と称するコックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従前より燃焼ガスのメーターコックは、弁本体内の弁体に連なる把手型ハンドルは必要以上に大型であったが、その後改良され形状もわずかに小型に移行し、かつ、封印機構も付加されたものも出現したが、その構造も一段と複雑となり、いたずらに部品点数の増加傾向の嫌いがあった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来のメーターコックは、前記したように、その把手型ハンドルは掌で握り締めてもまだ余りある大きさで、ガスの通断を司どる目的を遂行させる機能のみを最優先し、構成の簡素化、製作上の作業性、取り付け作業の簡素化ならびに使用勝手、形状の美化等はすべて抹殺されてきた。
【0004】
この考案は、従前通り、ガス等の流体の通断作用の作用目的を最優先にすること自体に変化はないものの、前記した数々の抹殺事項を組み入れるとともに、主目的である流体の通断機能に必須構造部材の一部を利用した封印機構も付加し、弁本体としての構成の簡略化、軽量化、小型化、使用勝手の簡素化を奏することができるような構成を提供できるようにしたことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案は、上記の目的を達成させるための手段として、第1の考案は、本体の弁室内に封入した弁体の回動操作により、該弁体外周に開口する弁路と、前記弁室に開口する入・出用のポート4とを合致・非合致にすることより流体の開閉を司る流体開閉弁において、弁体と該弁体の軸心方向のスプライン方式によって接続された開閉ハンドルの間に、弁体を反力受けとする伸長形のスプリングを介装するとともに、該開閉ハンドルの下部外周より突設した摺動案内突起と該摺動案内突起を段違いにした副摺動部とを、前記本体の弁室と同心状態をもって交互に凹凸形成した円弧状のガイド部と突起用走行凹所とを、前記スプリングの弾力に抗して接触でき、かつ、回動できるように係合し、また、これとはべつに前記開閉ハンドルの表面より、該開閉ハンドルの中心以外の任意箇所で、軸心と平行してガイドネジを螺入貫通し裏面より突出させて本体側の前記突起用走行凹所に挿入し、ガイド部の両端で形成された回動範囲を規制するストッパー間のみを自由に回動できるように設けて成るものである。
【0006】
第2の考案は、鋼板を素材として、中心に正縁以外のスプライン孔を穿設し、該スプライン孔を中心として、本体側に設けた突起用走行凹所9の円弧を形成する半径よりも小で、かつ、ガイド部の縁辺を形成する半径よりも大なる半径の縁線を外周とする摺動案内突起と副摺動部とを区画し、かつ、これらが少なくとも素材とした鋼板の板厚寸法程度の段差を表裏方向に設けて回動走行盤を形成し、これを開閉ハンドルの裏面に固着して成るものである。
【0007】
第3の考案は、本体側に設けた突起用走行凹所内を回動するガイドネジが開閉ハンドルとの螺動深度によって先端が当接できる段部を突起用走行凹所の凹設範囲内の本体側に設けて成るものである。
【0008】
第4の考案は、ガイドネジの下端よりネジ部の径より小径のピンを前記ネジ部と同心にして設け、かつ、ネジ部の雄ネジが螺合する雌ネジをブッシュにおける操作孔の下端開口部より、ある設定した距離間に設け、開閉ハンドルにおける設定位置に前記ブッシュの埋設用孔の底部に前記ガイドネジのネジ部の径より小径で、かつ、前記ピンが自在に挿抜できる径のピン挿通孔を開閉ハンドルの裏面に貫通穿設し、ピンの下端より突出させてガイドネジを螺合したブッシュを開閉ハンドルに係合固着し、かつ、前記ピンをピン挿通孔より開閉ハンドルの裏面に突出させてガイド作用を兼ねた封印機構を設けて成るものである。
【0009】
【作用】
円柱状の弁体には、その直径方向に弁路を貫通穿設してあり、この弁体を封入する本体の弁室には流体の入・出用のポートが開口し、前記弁体に対し、外部からの回動操作により前記ポートと弁路開口部との合致・非合致により流体の通・断作用が奏される。
【0010】
本体の上面に設ける開閉ハンドルの主部は、その下部に位置させた弁体とがスプライン方式により接続されているから、弁体が閉止状態にあるとき、該弁体と前記開閉ハンドルとの間に介装した伸長形のスプリングにより、開閉ハンドル側に設けた摺動案内突起が、本体側に設けた突起用走行凹所の端部にあり、そして上方向へわずかに揚上し、該揚上状態時には突起用走行凹所とガイド部との境界を形成するストッパーに当接して、そのままの状態では回動できないようにしてある。
【0011】
この開閉弁を開弁させる操作は、前記の開閉ハンドルをスプリングの弾力に抗して本体側に押し込み、前記の摺動案内突起と突起用走行凹所端部のストッパーとの係合を断つと同時に該摺動案内突起を本体側のガイド溝に挿入できる位置となるようにしてあるので、本体に対し、開閉ハンドルは本体における開弁方向への回動を可能状態にできる。
【0012】
そして開閉ハンドルの回動範囲は、前記本体側に設けた両端のストッパーで区画された突起用走行凹所の凹設範囲内を設定することができる。
【0013】
このようにして設けた前記の突起用走行凹所内に開閉ハンドルの裏面より本体側に突出させたガイドネジを遊嵌させて案内役とし、前記の両ストッパー間を自在に回動できるようにしたものである。
【0014】
突起用走行凹所内に遊嵌させた案内役のガイドネジは、必要に応じて開閉ハンドルの回動中心以外で、かつ、該開閉ハンドル表裏方向に回動操作により進退できる螺合係合する形態を採り、該ガイドネジ下端位置を任意に選択できるようにしてある。
【0015】
封印機構にあっては、開閉弁の閉止状態を維持し、開弁操作を不能にすることを目的とするもので、開閉ハンドルに螺合したガイドネジを回動操作することにより、開閉ハンドルの表裏方向に進退できる構成にしてあり、閉弁時において、ガイドネジをネジ込むことにより、本体側に当接して本体と開閉ハンドルとの間隙を一定に保って、押し込み操作を阻止し、これによって、前記摺動案内突起がストッパーから逸脱できない状態にして回動操作の不能を維持するようにしてある。
【0016】
このガイドネジの回動操作に用いる治具は特殊の形状を備えたもので、通常一般的に使用する工具での回動操作は行なえないようにし、関係部外者の操作ができないように構成してある。
【0017】
前記のカイドネジを案内役のほかに、封印用との併用を目的とする場合に、開閉ハンドル裏面において、該ガイドネジ下端位置の高低差をもってその作用種を選択するようにしたもので、これら高・低の高さ位置規制も限定できることによって、封印機構として構成するので、特殊工具によるガイドネジを開閉ハンドルに対し螺動深度を勘あるいは感覚のみに頼らず、回動による操作を上限ならびに下限位置で停止するようにし、この上・下限位置以上の回動ができないようにしてある。
【0018】
即ち、前記ガイドネジと開閉ハンドルとの間にブッシュを介装することによって上記の目的を達成させることができる。
【0019】
ブッシュの上下面を貫通する操作孔は、該ブッシュ下面の開口部より、ある設定高さまでガイドネジの雄ネジが螺合できる雌ネジが設けられ、また、該ガイドネジの下端には、ガイドネジの雄ネジ径よりも小径のピンが同心をもって突設してあり、このピンを有するガイドネジを前記ブッシュ内周の雌ネジの開口部より回動限度まで螺合しておく。
【0020】
前記ブッシュにピンを螺合して形成した封印機構を開閉ハンドル表面より凹設したブッシュ係合孔に螺入し、ブッシュ底面より突出したピンをブッシュ係合孔の底部に開閉ハンドル裏面に貫通する小径のピン挿通孔に係合し、かつ、挿入して封印機構を開閉ハンドルと合体するものである。
【0021】
開閉ハンドルの裏面に臨むピンの下端を該開閉ハンドル裏面より最大値突出させるために特殊工具をもってガイドネジに回動を与えて螺合深度を増大すれば、該ガイドネジとピンとの段差部がピン挿通孔の内端に当接して、それ以上の回動操作ができないようにしてある。
【0022】
ガイドピンに連なるピンの下端が最大突出する時点あるいはそれより僅か直前位置で本体側に当接させれば開閉ハンドルと本体との接合関係が生じ、開閉ハンドルの本体側への押し込み操作を不能にする。
【0023】
また、ピンの下端部と本体側との接触を断ち、設定した上限位置まで上昇させれば、該ピンは案内役として突起用走行凹所の両ストッパー間を自由に走行できるようにすると同時に開閉ハンドル自体を本体側に自由に押し込むことができるようにするものである。
【0024】
以上のように、この考案は、特に前記封印機構として設けたガイドネジをもって案内役と併用する封印作用と、また封印を不要とするとき、回動操作における可動範囲の規制体として用いることにあるものである。
【0025】
【考案の実施例】
次ぎに、この考案の実施例を図面とともに説明すれば、本体1の弁室内に封入した弁体2の回動操作により、該弁体2外周に開口する弁路3と、前記弁室に開口する入・出用のポート4とを合致・非合致にすることより流体の開閉を司る流体開閉弁において、弁体2と該弁体2の軸心方向のスプライン方式によって接続された開閉ハンドル5の間に、弁体2を反力受けとする伸長形のスプリング6を介装するとともに、該開閉ハンドル5の下部外周より突設した摺動案内突起7と該摺動案内突起7を段違いにした副摺動部17とを、前記本体1の弁室と同心状態をもって交互に凹凸形成した円弧状のガイド部8と突起用走行凹所9とを、前記スプリング6の弾力に抗して接触でき、かつ、回動できるように係合し、また、これとはべつに前記開閉ハンドル5の表面より、該開閉ハンドル5の中心以外の任意箇所で、軸心と平行してガイドネジ10を螺入貫通し裏面より突出させて本体1側の前記突起用走行凹所9に挿入し、ガイド部8の両端で形成された回動範囲を規制するストッパー11間のみを自由に回動できるように設けて成るものである。
【0026】
上記のようにこの考案の開閉弁は、その主部材を本体1、弁体2、開閉ハンドル5、伸長形のスプリング6との大略4部材からなり、開閉ハンドル5には封印機構14が装備できるようにしてある。
【0027】
また、開閉ハンドル5には実質的に、回動走行盤15が設けられ、この回動走行盤15に前記した摺動案内突起7を設けるもので、これら回動走行盤15は工作上に便するためのものであって、開閉ハンドル5の裏面に固着するものであるから、前記摺動案内突起7は開閉ハンドル5の一部と考えて差しつかえない。
【0028】
回動走行盤15の外周には、約8分の1周程度を幅寸法とする摺動案内突起7を直径方向の2箇所に、スリットをもって区画した位置に回動走行盤15を構成する板厚寸法と同程度寸法の段部を介して隆起形成する。
【0029】
また、前記の摺動案内突起7の一方端に隣接して設ける副摺動部17は該摺動案内突起7と同等半径で、かつ、約6分の1外周程度をもって回動走行盤15の外周より増半径をもって形成する。
【0030】
この副摺動部17は後述する本体1に対し開閉ハンドル5を一定高さ位置で回動させる作用とともに、これら本体1、開閉ハンドル5とを合体しておくためのもので、本体1と開閉ハンドル5とがどのような回動位置関係にあってもこれら副摺動部17とともに摺動案内突起7のいずれか一方かあるいは双方が本体1側のガイド部8に常時係合できるように形成してある。
【0031】
更に、この回動走行盤15の中央には正円以外のスプライン孔18が穿たれ、後述する弁体2上面に形成したスプライン軸19を挿入し、かつ、回動時に係止できるようにしてある。
【0032】
前記の回動走行盤15をビス16で固定する開閉ハンドル5は、その表面に、該開閉ハンドル5と前記スプライン構成で連動する弁体2における弁路3の流体流動方向を示唆する表示を突条20によって形成し、回動操作の指掛部と開閉弁全体のデザインとを兼ねて隆設してある。
【0033】
この突条20の一端部に封印機構14を埋設するものである。
【0034】
封印機構14は、開閉ハンドル5に螺合による埋設固定するブッシュ22と、該ブッシュ22に螺合するガイドネジ10とからなり、このガイドネジ10は大径のネジ部10aを上部に有し、下部には前記ネジ部10aよりも小径で、かつ、設定長さのピン10bを同心にして設け、かつ、ネジ部10aの上面には治具係合部10cを凹設し、この治具係合部10cに係合して操作する治具は、一般工具の既製品にはない特殊形状のものとする。
【0035】
また、ブッシュ22の縦方向中心位置に上下面を貫通する操作孔24には、その下端開口部より設定高さ位置まで雌ネジ25を刻設し、螺合するガイドネジ10の螺動上昇上限位置を設定しておき、この雌ネジ25に対しブッシュ22の下端開口部よりガイドネジ10を螺合し一体にして封印機構14を形成するものである。
【0036】
このようにして開閉ハンドル5に装着された封印機構14は、ブッシュ22における雌ネジ25に螺合したガイドネジ10を前記した特殊工具をもって設定最上限位置まで上昇螺動しておくものである。
【0037】
開閉ハンドル5の表面に開口する封印機構用の係合孔は、その内周に設けた雌ネジと封印機構を形成するブッシュ22の外周に設けた雄ネジとが螺合できるようにしてあり、該係合孔の底部には雌ネジと同心位置に前記ガイドネジ10のピン10bが自由に摺動または小許の間隙を介して通行できるピン挿通孔28を開閉ハンドル5の裏面に貫通するように穿設しておくものである。
【0038】
前記のように、ガイドネジ10をブッシュ22に螺合して形成した封印機構14を開閉ハンドル5の封印機構係合孔に螺合するとともに、開閉ハンドル5の裏面に突出したピン10bが本体1側の突起用係合凹所9内を自由な走行を可能にさせるとともに、該突起用係合凹所9を形成する両端部のストッパー11、11に当接して、それ以上の回動を阻止する回動範囲規制体とし、また、ガイドネジ10を下降方向に全回動操作すればネジ部10aとピン10bとの異径段差がブッシュ22を螺合したピン挿通孔28の開口段部に当接し、それ以上の下降を阻止され、かつ、阻止された時点で、降下したピン10bの最下端部が本体1側の段部21に当接し、開閉ハンドル5の押し込み操作を阻止し、これによって該開閉ハンドル5の回動操作ができないよう本体1側に固着して不動を維持することができるように構成するものである。
【0039】
本体1の弁室には、流体流入用と流出用とのポート4が開口され、該両ポート4に合致する弁路3を直径方向に穿設した弁体2の上面にスプライン軸19を凸設し、また、伸長形のスプリング6の下端部を係止させるスプリング係止部26を設ける。
【0040】
本体1の上端には前記の弁室が開口され、この開閉弁における前記ポート4と、前記弁体2における弁路3の開口部位置関係によって本体1に対し弁体2の回動角度が決定される。今、仮に、ポート4ならびに弁路3が弁室ならびに弁体2の直径方向とした場合には、弁体2とともに開閉ハンドル5の開閉操作角度範囲は90度を最大角度とするもので、この考案の場合、開閉操作角度を90度として以下説明する。
【0041】
本体1における弁室の円形開口部には、段部21をもって弁室径より大径の前記摺動案内突起7および副摺動部17が走行できるようにし、この段部21の上面より摺動案内突起7ならびに副摺動部17を形成した回動走行盤15の板厚の2倍程度の寸法を高さ寸法を介してガイド部8を約4分の1周を対角状に、かつ、中心を指向して突設し、ガイド部8の両外端部が前記ストッパー11、11となり、該ストッパー11、11間が前記の突起用走行凹所9となるように構成するものである。
【0042】
以上のように形成した本体1の弁室に前記弁体2を挿入し、該弁体2の上面中央に凹没形成したスプリング係止部26に伸長形のスプリング6の一端を係合する。
【0043】
なお、前記ガイド部8下方の段部21の有無は任意である。
【0044】
以上のように、裏面に回動走行盤15をビス16で固着した開閉ハンドル5において、とりあえず封印機構14を抜去しておくか、あるいは封印機構14を具備させない場合は、開閉ハンドル5に直接螺合するガイドネジ10を、該開閉ハンドル5より抜去しておき、この開閉ハンドル5を前記の本体1上に重ね合わせ、かつ、弁体2の上面に突出形成したスプライン軸19を回動走行盤15のスプライン孔18に合致させて前記スプリング6とともに挿通して、開閉ハンドル5と本体1との芯合わせを調整しつつ、スプリング6の弾力に抗してこれらを接合し、然る後に開閉ハンドル5を回動し、前記の回動走行盤15における副摺動部17をガイド部8に係合させて、更に回動して摺動案内突起7を前記ガイド部8のストッパー11に当接させ、開閉弁を完全閉止状態にして、本体1と開閉ハンドル5とを仮合体するものである。
【0045】
前記の、とりあえず抜去した封印機構14においては、ガイドネジ10に対し、特殊工具をもって回動操作し、下部のピン10bをブッシュ22より設定された最大距離を突出させた調整済の封印機構14を構成しておき、これを前記した本体1と仮合体した開閉ハンドル5における封印機構係合孔に螺合結合させれば開閉ハンドル5裏面におけるピン挿通孔28の開口部より突出したピン10bの下端面が本体1の段部21に接面して、封印された開閉弁が構成される。
【0046】
また、前記のように、封印機構14を具備させない場合は、ガイドピン10を開閉ハンドル5の裏面より設定寸法を突出させ、仮合体させた本体1の突起用走行凹所9内に挿入するものである。
【0047】
このようにした開閉弁における前記封印機構14に対し、関係部外者には判明し難いようにキャップ23を被着して成るものである。
【0048】
なお図中、符号27はガイド部8と段部21とによって形成された案内溝を示すものである。
【0049】
【考案の効果】
この考案の封印機構付き押し廻しコックは、その操作部である開閉ハンドルを弁本体の直上位置で、しかも、該弁本体と同径にして、従前の把手型ハンドルを排除して小型化し、操作方法も摘み式として外形を美麗にしているとともに、軽快に操作できる効果を有するものである。
【0050】
開閉ハンドルに設ける摺動案内突起ならびに副摺動部を、開閉ハンドルに難易度の高い切削工程によらず、別部材の板材より容易に形成し、これを開閉ハンドルの裏面に固着することができるので、その製造過程を簡素化する効果がある。
【0051】
このコックに設けたガイドネジが、本来の開閉弁の回動操作における回動範囲の規制ならびに回動運動のガイドとして作用できる以外時に封印作用を奏することもできるように構成したので、これら兼用した作用を期待できることにより、これら専用の部材を割愛できるので、従って、部品点数を減少させることができ、軽量化ならびに構成上の簡素化、組立て工数の削減、ひいては、製造元価の引下げ等の効果あるものである。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】 流体開閉弁の平面図、
【図2】 流体開閉弁の正面図、
【図3】 図1のA−A線断面図、
【図4】 開弁状態時の本体と回動走行盤との関係を示す平面図、
【図5】 閉弁状態時の本体と回動走行盤との関係を示す平面図、
【図6】 封印機構の拡大平面図、
【図7】 図6のB−B線断面図、
【図8】 開弁時の封印機構と本体との関係を示す拡大断面図、
【図9】 閉弁時の封印機構と本体との関係を示す拡大断面図、
【図10】 封印時の封印機構と本体との関係を示す拡大断面図、
【図11】 回動走行盤の平面図、
【図12】 回動走行盤の正面図。
【0053】
【符号の説明】
1 本体、
2 弁体、
3 弁路、
4 ポート、
5 開閉ハンドル、
6 スプリング、
7 摺動案内突起、
8 ガイド部、
9 突起用走行凹所、
10 ガイドネジ、
10a ネジ部、
10b ピン、
10c 治具係合部、
11 ストッパー、
14 封印機構、
15 回動走行盤、
16 ビス、
17 副摺動部、
18 スプライン孔、
19 スプライン軸、
20 突条、
21 段部、
22 ブッシュ、
23 キャップ、
24 操作孔、
25 雌ネジ、
26 スプリング係止部、
27 案内溝、
28 ピン挿通孔。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 本体1の弁室内に封入した弁体2の回動操作により、該弁体2外周に開口する弁路3と、前記弁室に開口する入・出用のポート4とを合致・非合致にすることより流体の開閉を司る流体開閉弁において、弁体2と該弁体2の軸心方向のスプライン方式によって接続された開閉ハンドル5の間に、弁体2を反力受けとする伸長形のスプリング6を介装するとともに、該開閉ハンドル5の下部外周より突設した摺動案内突起7と該摺動案内突起7を段違いにした副摺動部17とを、前記本体1の弁室と同心状態をもって交互に凹凸形成した円弧状のガイド部8と突起用走行凹所9とを、前記スプリング6の弾力に抗して接触でき、かつ、回動できるように係合し、また、これとはべつに前記開閉ハンドル5の表面より、該開閉ハンドル5の中心以外の任意箇所で、軸心と平行してガイドネジ10を螺入貫通し裏面より突出させて本体1側の前記突起用走行凹所9に挿入し、ガイド部8の両端で形成された回動範囲を規制するストッパー11間のみを自由に回動できるように設けて成ることを特徴とする押し廻し式の流体用開閉コック。
【請求項2】 鋼板を素材として、中心に正円以外のスプライン孔18を穿設し、該スプライン孔18を中心として、本体1側に設けた突起用走行凹所9の円弧を形成する半径よりも小で、かつ、ガイド部8の縁辺を形成する半径よりも大なる半径の縁線を外周とする摺動案内突起7と副摺動部17とを区画し、かつ、これらが少なくとも素材とした鋼板の板厚寸法程度の段差を表裏方向に設けて回動走行盤15を形成し、これを開閉ハンドル5の裏面に固着して成ることを特徴とする請求項1記載の押し廻し式の流体用開閉コック。
【請求項3】 本体1側に設けた突起用走行凹所9内を回動するガイドネジ10が開閉ハンドル5との螺動深度によって先端が当接できる段部21を突起用走行凹所9の凹設範囲内の本体1側に設けて成ることを特徴とする請求項1記載の押し廻し式の流体用開閉コック。
【請求項4】 ガイドネジ10の下端よりネジ部10aの径より小径のピン10bを前記ネジ部10aと同心にして設け、かつ、ネジ部10aの雄ネジが螺合する雌ネジ25をブッシュ22における操作孔24の下端開口部より、ある設定した距離間に設け、開閉ハンドル5における設定位置に前記ブッシュ22の埋設用孔の底部に前記ガイドネジ10のネジ部10aの径より小径で、かつ、前記ピン10bが自在に挿抜できる径のピン挿通孔28を開閉ハンドル5の裏面に貫通穿設し、ピン10bの下端より突出させてガイドネジ10を螺合したブッシュ22を開閉ハンドル5に係合固着し、かつ、前記ピン10bをピン挿通孔28より開閉ハンドル5の裏面に突出させてガイド作用を兼ねた封印機構14を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の押し廻し式の流体用開閉コック。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【公開番号】実開平6−53866
【公開日】平成6年(1994)7月22日
【考案の名称】押し廻し式の流体用開閉コック
【国際特許分類】
【出願番号】実願平4−93286
【出願日】平成4年(1992)12月25日
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【出願人】(000106298)サンコー瓦斯精機株式会社 (39)
【出願人】(000167325)光陽産業株式会社 (69)
【出願人】(000114156)ミツワガス機器株式会社 (3)