説明

押出成形機の金型交換設備

【課題】 押出成形機に対する金型の交換作業にかかる時間の短縮化を図る。
【解決手段】 保管手段2から供給箇所5に金型装着状態の支持体を搬送し、かつ、返却箇所6から金型装着状態の支持体を保管手段2に搬送する金型搬送手段7と、供給箇所5の支持体からダイキャリア供給手段8に金型を移載し、かつ、返却箇所6の支持体に金型を移載する金型移載手段と、供給箇所5から返却箇所6に支持体を搬送する支持体搬送手段10とが設けられ、供給箇所5と返却箇所6との間に、支持体を保管可能なバッファ箇所29が設けられ、支持体搬送手段10が、金型装着状態の支持体から金型が離脱されると、その金型が離脱された金型離脱状態の支持体を供給箇所5からバッファ箇所29に搬送し、かつ、金型装着状態の支持体が返却箇所6から搬送されると、バッファ箇所29に保管されている金型離脱状態の支持体を返却箇所6に搬送するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を保管する保管手段から押出成形機に対する供給箇所に前記金型が載置支持された金型装着状態の支持体を搬送し、かつ、前記押出成形機から返却される前記金型を受け取る返却箇所から金型装着状態の前記支持体を前記保管手段に搬送する金型搬送手段と、前記供給箇所に存在する金型装着状態の前記支持体から前記金型を離脱して前記押出成形機に備えられたダイキャリア供給手段に前記金型を移載し、かつ、前記返却箇所に前記金型が離脱した金型離脱状態で存在する前記支持体に前記押出成形機から返却される前記金型を移載する金型移載手段と、前記供給箇所から前記返却箇所に金型離脱状態の前記支持体を搬送する支持体搬送手段とが設けられている押出成形機の金型交換設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような押出成形機の金型交換設備は、押出成形機で使用される金型の交換が要求されると、金型搬送手段が次に使用する金型を載置支持した金型装着状態の支持体を供給箇所に搬送し、金型移載手段が支持体からダイキャリア供給手段に次に使用する金型を移載させて、ダイキャリア供給手段が押出成形機に対して次に使用する金型と現在使用されている金型とを交換するようにしているものである。
そして、現在使用されている金型が使用済みの金型となると、その使用済みの金型については、金型移載手段がダイキャリア供給手段から返却箇所に存在する金型離脱状態の支持体に移載し、金型搬送手段がその金型装着状態の支持体を保管手段に搬送するようにしている。
また、金型とその金型を載置支持する支持体については、一対一で対応するように構成されており、どの支持体にどの金型を載置支持するかが定められている。
【0003】
このような押出成形機の金型交換設備において、従来、ダイキャリア供給手段が、次に使用する金型と使用済みの金型とを保持した状態で押出成形機に対する金型の交換を行うように構成され、支持体搬送手段が、金型移載手段にて金型装着状態の支持体から金型が離脱されかつ金型搬送手段にて金型装着状態の支持体が返却箇所から搬送されると、金型が離脱された金型離脱状態の支持体を供給箇所から返却箇所に搬送するように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特許公報第2990672号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の押出成形機の金型交換設備では、ダイキャリア供給手段が次に使用する金型と使用済みの金型とを保持した状態で押出成形機に対する金型の交換を行うので、その時点では、供給箇所に次に使用する金型が離脱した金型離脱状態の支持体が存在し、かつ、返却箇所に使用済みの金型が離脱した金型離脱状態の支持体が存在することになる。
その後、金型移載手段が使用済みの金型を返却箇所に存在する金型離脱状態の支持体に移載したのち、金型搬送手段が使用済みの金型を載置支持した金型装着状態の支持体を返却箇所から搬送することによって、はじめて、支持体搬送手段が供給箇所から返却箇所に金型離脱状態の支持体を搬送することになる。
【0006】
しかしながら、例えば、押出成形機での金型の交換を行った直後などに、押出成形機で使用される金型の交換が要求されると、返却箇所に使用済みの金型が離脱した金型離脱状態の支持体が存在することにより、支持体搬送手段が供給箇所から返却箇所に金型離脱状態の支持体を搬送できず、供給箇所に次に使用する金型が離脱した金型離脱状態の支持体が存在することになる。
したがって、押出成形機での金型の交換を行った直後など、押出成形機で使用される金型の交換が短い間隔で要求されると、供給箇所に金型離脱状態の支持体が存在することになるので、押出成形機で使用される金型の交換が要求されてから、供給箇所に次に使用する金型を載置支持した金型装着状態の支持体を搬送できるまでに、供給箇所に存在する支持体が搬送されるまでの待ち時間が生じて、押出成形機に対する金型の交換作業にかかる時間が長くなる虞がある。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、押出成形機に対する金型の交換作業にかかる時間の短縮化を図ることができる押出成形機の金型交換設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明にかかる押出形成機の金型交換設備の第1特徴構成は、金型を保管する保管手段から押出成形機に対する供給箇所に前記金型が載置支持された金型装着状態の支持体を搬送し、かつ、前記押出成形機から返却される前記金型を受け取る返却箇所から金型装着状態の前記支持体を前記保管手段に搬送する金型搬送手段と、前記供給箇所に存在する金型装着状態の前記支持体から前記金型を離脱して前記押出成形機に備えられたダイキャリア供給手段に前記金型を移載し、かつ、前記返却箇所に前記金型が離脱した金型離脱状態で存在する前記支持体に前記押出成形機から返却される前記金型を移載する金型移載手段と、前記供給箇所から前記返却箇所に金型離脱状態の前記支持体を搬送する支持体搬送手段とが設けられている押出成形機の金型交換設備において、
前記供給箇所と前記返却箇所との間に、前記支持体を保管可能なバッファ箇所が設けられ、前記支持体搬送手段が、前記金型移載手段にて金型装着状態の前記支持体から前記金型が離脱されると、その金型が離脱された金型離脱状態の前記支持体を前記供給箇所から前記バッファ箇所に搬送し、かつ、前記金型搬送手段にて金型装着状態の前記支持体が前記返却箇所から搬送されると、前記バッファ箇所に保管されている金型離脱状態の前記支持体を前記返却箇所に搬送するように構成されている点にある。
【0009】
すなわち、支持体搬送手段は、返却箇所に支持体が存在していても、供給箇所で支持体から金型が離脱するだけで、その支持体を供給箇所からバッファ箇所に搬送することができるので、押出成形機での金型の交換を行った直後でも、供給箇所には支持体が存在しないようにすることができることになる。
したがって、押出成形機での金型の交換を行った直後など、押出成形機で使用される金型の交換が短い間隔で要求されても、その要求に伴って供給箇所に次に使用する金型を載置支持した金型装着状態の支持体を搬送することができることになる。
【0010】
また、支持体搬送手段は、金型搬送手段にて金型装着状態の支持体が返却箇所から搬送されるたびに、バッファ箇所に保管されている金型離脱状態の支持体を返却箇所に順次搬送することができるので、金型移載手段が、支持体搬送手段にて順次返却箇所に搬送される金型離脱状態の支持体に押出成形機から返却される使用済みの金型を移載したのち、金型搬送手段が金型装着状態の支持体を返却箇所から搬送できることになる。
【0011】
以上のことから、押出成形機で使用される金型の交換が短い間隔で要求されたときでも、その要求に伴って次に使用する金型を載置支持した金型装着状態の支持体を供給箇所に搬送できながら、金型の交換作業を行うことができることとなって、押出成形機に対する金型の交換作業にかかる時間の短縮化を図ることができる押出成形機の金型交換設備を提供できるに至った。
【0012】
本発明にかかる押出成形機の金型交換設備の第2特徴構成は、前記金型が、ダイス、ボルスタ、および、サブボルスタから構成され、前記金型搬送手段および前記支持体搬送手段が、前記支持体として、前記ダイスを載置支持するダイス用支持体、前記ボルスタを載置支持するボルスタ用支持体、および、前記サブボルスタを載置支持するサブボルスタ用支持体を搬送するように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、金型搬送手段が、金型装着状態のダイス用支持体、金型装着状態のボルスタ用支持体、および、金型装着状態のサブボルスタ用支持体を、保管手段から供給箇所におよび返却箇所から保管手段に搬送し、支持体搬送手段が、金型離脱状態のダイス用支持体、金型装着状態のボルスタ用支持体、および、金型装着状態のサブボルスタ用支持体を、供給箇所からバッファ箇所およびバッファ箇所から返却箇所に搬送することになる。
したがって、ダイスおよびボルスタだけでなく、サブボルスタについても、金型搬送手段による金型装着状態の支持体の搬送および支持体搬送手段による金型離脱状態の支持体の搬送により、押出成形機に対する交換作業を行うことができることとなって、有用な押出成形機の金型交換設備を提供できることになる。
【0014】
本発明にかかる押出成形機の金型交換設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記金型搬送手段は、前記サブボルスタ用支持体について、前記返却箇所から前記供給箇所にバイパス搬送可能に構成されている点にある。
【0015】
すなわち、搬送手段が、サブボルスタ用支持体を返却箇所から供給箇所にバイパス搬送するので、使用済みのサブボルスタを載置支持したサブボルスタ用支持体を、保管手段まで搬送することなく、そのまま供給箇所に搬送することができることになる。
そして、サブボルスタについては、交換することなく、使用済みのサブボルスタを使い回しすることがあるので、使用済みのサブボルスタをそのまま供給箇所に搬送することにより、搬送時間の短縮化を図ることができ、より一層押出成形機に対する金型の交換作業にかかる時間の短縮化を図ることができることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明にかかる押出成形機の金型交換設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。
この押出成形機の金型交換設備は、金型1としての、ダイス1a、ボルスタ1b、および、サブボルスタ1cを交換する設備であり、図1および図2に示すように、金型1を保管する保管手段2、金型1を加熱する加熱手段B、金型1が載置支持された金型装着状態の支持体3を保管手段2から押出成形機4に対する供給箇所5におよび押出成形機4から返却される金型1を受け取る返却箇所6から保管手段2に搬送する金型搬送手段7、供給箇所5に存在する金型装着状態の支持体3から金型1を離脱して押出成形機4に備えられたダイキャリア供給手段8に金型1を移載し、かつ、返却箇所6に金型1が離脱した金型離脱状態で存在する支持体3に押出成形機4から返却される金型1を移載する金型移載手段としての金型移載装置9、供給箇所5から返却箇所6に金型離脱状態の支持体3を搬送する支持体搬送手段としての支持体搬送台車10などを設けて構成されている。
ちなみに、図1は、押出成形機の金型交換設備の一部を省略した概略平面図を示し、図2は、押出成形機の金型交換設備の要部を示す側面図である。
【0017】
前記保管手段2は、金型1としてのダイス1aを保管するダイス用保管棚2a、金型1としてのボルスタ1bを保管するボルスタ用保管棚2b、金型1としてのサブボルスタ1cを保管するサブボルスタ用保管棚2cから構成されている。
そして、ダイス用保管棚2a、ボルスタ用保管棚2b、および、サブボルスタ用保管棚2cのいずれもが、収納部を縦横に複数並べた棚から構成され、金型1を載置支持した金型装着状態の支持体3ごと各収納部に収納するように構成されている。
【0018】
前記ダイス用保管棚2a、ボルスタ用保管棚2b、および、サブボルスタ用保管棚2cは、その左右方向がほぼ平行となるように並べて配置されている。
そして、ダイス用保管棚2aは、収納部が対向する状態でその間に間隔を隔てて一対配置され、ボルスタ用保管棚2bとサブボルスタ用保管棚2cとは、その間に加熱手段Bを配置する状態で間隔を隔てて配置されている。
前記加熱手段Bは、加熱炉15の複数をダイス用保管棚2aなどの棚の左右方向に並べて構成され、1つの加熱炉15にて2つの金型1を加熱可能に構成されている。
【0019】
前記支持体3は、図3および図4に示すように、ダイス1aを載置支持するダイス用支持体3a、ボルスタ1bを載置支持するボルスタ用支持体3b、サブボルスタ1cを載置支持するサブボルスタ用支持体3cから構成されている。
そして、それらいずれの支持体も、金型1を載置支持するパレットにて構成され、平面視4角形状のフレーム11に前後一対の金型接触部12が横設され、その金型接触部12には、金型固定用のピン13を挿着するための孔14が複数備えられている。
また、支持体3上に積載する金型1のサイズに応じて、所定箇所の孔14に4本のピン13を挿着することにより、金型1を4本のピン13に内接するように金型接触部12上に積載して、金型1を所定積載姿勢に保持するように構成されている。
前記金型1とその金型1を載置支持する支持体3については、一対一で対応するように構成されており、どの支持体3にどの金型1を載置支持するかが定められている。
【0020】
前記金型搬送手段7は、図1に示すように、スタッカークレーン、走行台車、ランニングフォーク装置などの複数の搬送装置を組み合わせて構成され、中継箇所などにおいて搬送装置の間で金型1を載置支持した金型装着状態の支持体3を受け渡しながら、保管手段2から供給箇所5におよび返却箇所6から保管手段2に搬送するように構成されている。
【0021】
説明を加えると、供給箇所5に対向する位置には、バイパス用中継箇所16が配設され、そのバイパス用中継箇所16の側脇には、供給用中継箇所17が配設され、返却箇所6に対向する位置には、返却用中継箇所18が配設されており、加熱炉15、供給用中継箇所17、バイパス用中継箇所16、返却用中継箇所18が一列に並ぶように配置されている。
また、ダイス用保管棚2aの左右方向の一端部には、返却用中継箇所18に対向する状態でダイス返却用中継箇所19が配設されている。
【0022】
前記供給用中継箇所17、バイパス用中継箇所16、返却用中継箇所18の夫々には、金型装着状態の支持体3を載置支持する支持部が設けられ、それら支持部との間で、スタッカークレーン、走行台車、ランニングフォーク装置が金型装着状態の支持体3を移載するように構成されている。
【0023】
前記供給用中継箇所17およびバイパス用中継箇所16では、支持部が金型装着状態のボルスタ用支持体3bと金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cとの2つの支持体3を載置支持するように構成され、返却用中継箇所18では、支持部が金型装着状態のダイス用支持体3aと金型装着状態のボルスタ用支持体3bと金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cとの3つの支持体3を載置支持するように構成されている。
【0024】
そして、一対のダイス用保管棚2aの間には、ダイス用保管棚2aの収納部からダイス用保管棚2aの一部に配設されたダイス搬送台車20に金型装着状態のダイス用支持体3aを移載可能でかつダイス返却用中継箇所19からダイス保管棚2aの収納部に金型装着状態のダイス用支持体3aを移載可能な第1スタッカークレーン21が設けられている。
前記ボルスタ用保管棚2bと加熱炉15との間には、ダイス搬送台車20から加熱炉15に金型装着状態のダイス用支持体3aを移載可能でかつボルスタ用保管棚2bの収納部から供給用中継箇所17に金型装着状態のボルスタ用支持体3bを移載可能な第2スタッカークレーン22が設けられている。
【0025】
前記加熱炉15とサブボルスタ用保管棚2cとの間には、加熱炉15から供給箇所5に金型装着状態のダイス用支持体3aを移載可能でかつ供給用中継箇所17またはバイパス用中継箇所16から供給箇所5に金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cを移載可能な第3スタッカークレーン23が設けられている。
【0026】
前記第1、第2および第3スタッカークレーン21,22,23は、移載可能な支持体3の個数が異なるだけで、その他は同様の構成をしており、棚の左右方向に走行自在な走行台車に対して昇降自在な昇降台に出退自在なフォーク装置21a,22a,23aを備えて構成されている。
そして、第1スタッカークレーン21のフォーク装置21aは、金型装着状態の支持体3の1つを移載可能に構成され、第2および第3スタッカークレーン22,23のフォーク装置22a,23aは、金型装着状態の支持体3の2つを同時に移載可能に構成されている。
【0027】
前記返却箇所6と返却用中継箇所18との間には、返却箇所6から返却用中継箇所18に金型装着状態のダイス用支持体3a、金型装着状態のボルスタ用支持体3b、および、金型装着状態のサブボルスタ支持体3cを移載可能な第1ランニングフォーク装置24が設けられている。
また、返却用中継箇所18とダイス返却用中継箇所19との間には、返却用中継箇所18からダイス返却用中継箇所19に金型装着状態のダイス用支持体3aを移載可能な第2ランニングフォーク装置25が設けられている。
【0028】
前記第1および第2ランニングフォーク装置24,25は、移載可能な支持体3の個数が異なるだけで、その他は同様の構成をしているので、第1ランニングフォーク装置24のみ、側面図を示す図5および平面図を示す図6に基づいて説明を加える。
前記第1ランニングフォーク装置24は、図5に示すように、左右方向に出退可能なフォーク部26とそのフォーク部26を昇降させるためのリンク機構27などを備えて構成されている。
そして、フォーク部26を突出作動させのちフォーク部26を上昇させてフォーク部26にて金型装着状態の支持体3を載置支持し、フォーク部26を退入作動させることにより、返却箇所6や返却用中継箇所18に存在する金型装着状態の支持体3を掬い取り、フォーク部26にて金型装着状態の支持体3を載置支持した状態でフォーク部26を突出作動させのちフォーク部26を下降させて、返却用中継箇所18やダイス返却用中継箇所19に金型装着状態の支持体3を卸すように構成されている。
【0029】
前記第1ランニングフォーク装置24のフォーク部26は、図6に示すように、金型装着状態の支持体3の3つを載置支持可能で、それら3つの支持体を同時に移載可能に構成され、第2ランニングフォーク装置25のフォーク部26は、図示はしないが、金型装着状態の支持体3の1つを載置支持可能で、1つの支持体を移載可能に構成されている。
【0030】
前記返却用中継箇所18からバイパス用中継箇所16に、図1に示すように、金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のボルスタ用支持体3cを搬送可能なバイパス用走行台車28が設けられている。
このバイパス用走行台車28は、図示はしないが、金型装着状態の支持体3を載置支持する支持部を昇降自在に備えて、その支持部の昇降と返却用中継箇所18とバイパス用中継箇所16との間での往復移動により、返却用中継箇所18からバイパス用中継箇所16に金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のボルスタ用支持体3cを搬送するように構成されている。
【0031】
このようにして、金型搬送手段7は、第1、第2および第3スタッカークレーン21,22,23、ダイス搬送台車20、第1および第2ランニングフォーク装置24,25、バイパス用走行台車28から構成されている。
【0032】
そして、金型搬送手段7は、供給箇所5に供給する金型装着状態のダイス用支持体3aについては、図7の矢印で示すように、第1スタッカークレーン21、ダイス搬送台車20、第2スタッカークレーン22により、ダイス用保管棚2aから加熱炉15に搬送し、加熱炉15にてダイス1aを加熱したのち、第3スタッカークレーン23により、加熱炉15から供給箇所5に搬送するように構成されている。
また、金型搬送手段7は、返却箇所6に存在する金型装着状態のダイス用支持体3aについては、図7の矢印で示すように、第1ランニングフォーク装置24、第2ランニングフォーク装置25により、返却用中継箇所18で中継してダイス返却用中継箇所19に搬送したのち、第1スタッカークレーン21により、ダイス用保管棚2aの収納部に搬送するように構成されている。
【0033】
前記金型搬送手段7は、供給箇所5に供給する金型装着状態のボルスタ用支持体3bについては、図8の矢印で示すように、第2スタッカークレーン22により、ボルスタ用保管棚2bから供給用中継箇所17に搬送したのち、第3スタッカークレーン23により、供給用中継箇所17から供給箇所5に搬送するように構成されている。
そして、金型搬送手段7は、返却箇所5に存在する金型装着状態のボルスタ用支持体3bについては、図8の矢印で示すように、第1ランニングフォーク装置24およびバイパス用走行台車28により、返却用中継箇所18で中継してバイパス用中継箇所16に搬送したのち、第2スタッカークレーン22により、バイパス用中継箇所16からボルスタ用保管棚2bの収納部に搬送するように構成されている。
また、金型搬送手段7は、返却箇所5に存在する金型装着状態のボルスタ用支持体3bについては、図8の点線矢印で示すように、第3スタッカークレーン23にてバイパス用中継箇所16から供給箇所5に搬送することにより、返却箇所6から供給箇所5にバイパス搬送可能に構成されている。
【0034】
前記金型搬送手段7は、供給箇所5に供給する金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cについては、図9の矢印で示すように、第3スタッカークレーン23により、サブボルスタ用保管棚2cから供給用中継箇所17に搬送したのち、第3スタッカークレーン23により、供給用中継箇所17から供給箇所5に搬送するように構成されている。
そして、金型搬送手段7は、返却箇所5に存在する金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cについては、図9の矢印で示すように、第1ランニングフォーク装置24およびバイパス用走行台車28により、返却用中継箇所18で中継してバイパス用中継箇所16に搬送したのち、第3スタッカークレーン23により、バイパス用中継箇所16からサブボルスタ用保管棚2cの収納部に搬送するように構成されている。
また、金型搬送手段7は、返却箇所5に存在する金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cについては、図9の点線矢印で示すように、第3スタッカークレーン23にてバイパス用中継箇所16から供給箇所5に搬送することにより、返却箇所6から供給箇所5にバイパス搬送可能に構成されている。
【0035】
前記供給箇所5と返却箇所6との間には、図1および図7〜図9に示すように、ダイス用支持体3a、ボルスタ用支持体3bおよびサブボルスタ用支持体3cを一つずつ保管可能なバッファ箇所29が設けられ、支持体搬送台車10が、供給箇所5からバッファ箇所29を経由する状態で返却箇所6に、金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ用支持体3cを搬送するように構成されている。
そして、支持体搬送台車10が、金型移載装置9にて金型装着状態の支持体3から金型1が離脱されると、その金型1が離脱された金型離脱状態の支持体3を供給箇所5からバッファ箇所6に搬送し、かつ、金型搬送手段7にて金型装着状態の支持体3が返却箇所6から搬送されると、バッファ箇所29に保管されている金型離脱状態の支持体3を返却箇所6に搬送するように構成されている。
【0036】
説明を加えると、支持体搬送台車10は、側面図である図10および正面図である図11に示すように、ダイス用支持体3a、ボルスタ用支持体3b、および、サブボルスタ用支持体3cの3つの支持体3を載置支持する載置部10aが前後一対の昇降機構10cにより昇降自在に備えられ、駆動モータ10dの作動により車輪10bを回動駆動させて供給箇所5と返却箇所6との間で往復移動するように構成されている。
【0037】
前記供給箇所5、バッファ箇所29、返却箇所6が一列になるように配置され、供給箇所5、返却箇所6、および、バッファ箇所29の夫々には、ダイス用支持体3aとボルスタ用支持体3bとサブボルスタ用支持体3cとを一組として、その一組の支持体3を載置支持するための左右一対の枠体30およびその左右一対の枠体30に前後一対備えられた受け部31が配設されている。
そして、支持体搬送台車10が、左右一対の枠体30の間において、バッファ箇所29を経由する状態で供給箇所5と返却箇所6との間で往復移動自在に設けられている。
【0038】
前記支持体搬送台車10は、その台車の移動により載置部10aを受け部31の下方に位置させた状態で、載置部10aを上昇させて、受け部31に載置支持されている支持体3を掬い取り、台車の移動により支持体3を載置支持した載置部10aを受け部31の上方に位置させた状態で、載置部10aを下降させて、受け部31に支持体3を卸すように構成されている。
【0039】
前記金型移載装置9は、図2および平面図である図12に示すように、基枠52に対して、供給箇所5と返却箇所6との並び方向に直交する方向に移動自在で供給箇所5と返却箇所6との並び方向に一連の長さを有する第1台車33と、その第1台車33に対して供給箇所5と返却箇所6との並び方向に移動自在な第2台車34とを備えて構成されている。
そして、第2台車34には、昇降自在でかつ金型1を把持自在な把持部35が備えられている。
【0040】
また、供給箇所5とダイキャリア供給手段8との間には、図1、図2および図12に示すように、供給箇所5に対向する位置にダイス1a、ボルスタ1b、サブボルスタ1cをセットするセット台36が設けられ、ダイキャリア供給手段8と返却箇所6との間には、返却箇所6に対向する位置にダイス1a、ボルスタ1b、サブボルスタ1cを分割する分割台37が設けられている。
【0041】
前記セット台36は、平面図である図13および側面図である図14に示すように、一対のレール38に沿って夫々移動自在なダイス受け枠39と、ボルスタ受け枠40と、サブボルスタ受け枠41とを備えて構成されている。
そして、図14の(イ)に示すように、ダイス受け枠39とボルスタ受け枠40とサブボルスタ受け枠41とが離間した状態で、ダイス受け枠39にダイス1aを供給し、ボルスタ受け枠40にボルスタ1bを供給し、サブボルスタ受け枠41にサブボルスタ1cを供給したのち、2つのシリンダ42により、図14の(ロ)に示すように、ダイス受け枠39とボルスタ受け枠40とサブボルスタ受け枠41とを接近移動させてセットするように構成されている。
【0042】
前記分割台37も、セット台36と同様に、平面図である図15および側面図である図16に示すように、一対のレール43に沿って夫々移動自在なダイス受け枠44と、ボルスタ受け枠45と、サブボルスタ受け枠46とを備えて構成されている。
そして、図16の(イ)に示すように、ダイス受け枠44とボルスタ受け枠45とサブボルスタ受け枠46とが接近した状態で、ダイス受け枠44にダイス1aを供給し、ボルスタ受け枠45にボルスタ1bを供給し、サブボルスタ受け枠46にサブボルスタ1cを供給したのち、2つのシリンダ47により、図16の(ロ)に示すように、ダイス受け枠44とボルスタ受け枠45とサブボルスタ受け枠46とを離間移動させて分割するように構成されている。
【0043】
前記金型移載装置9は、金型装着状態のダイス用支持体3a、金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cが供給箇所5に搬送されると、第1台車33および第2台車34を移動させて把持部35を供給箇所5の上方に位置させた状態で、把持部35の下降移動および把持作動により金型1を把持したのち、把持部35を上昇移動させることにより、支持体3から金型1を離脱させるように構成されている。
そして、金型移載装置9は、供給箇所5に搬送されたダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cをセット台36に供給してセットしたのち、ダイキャリア供給手段8に搬送するように構成されている。
【0044】
また、金型移載装置9は、押出成形機4から金型1が返却されると、ダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを分割台37に供給して分割したのち、第1台車33および第2台車34を移動させて把持部35を返却箇所6の上方に位置させた状態で、把持部35の下降移動および把持の解除作動によりダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを、それらの金型1が離脱した金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ用支持体3cに移載するように構成されている。
【0045】
前記ダイキャリア供給手段8は、図17および図18に示すように、押出成形機4のオフライン上においてビレットの押出方向に沿う方向に移動自在な保持部材48を備えて構成され、その保持部材48が、2つのダイキャリア49を位置決め保持でき、かつ、夫々のダイキャリア49をエアシリンダ50により金型移載装置9との間で移載する移載箇所P3と退避箇所P4とに移動できるように構成されている。
そして、移載箇所P3にある空席状態のダイキャリア49に対して、金型移載装置9が、セット台36にてセットしたダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを移載するように構成されている。
【0046】
また、ビレットの押出方向と交差する方向に移動自在な係止部材51が設けられ、この係止部材51をオフライン側に移動させた状態で、保持部材48を駆動してダイキャリア49を移載箇所P3と退避箇所P4とに移動させることにより、ダイキャリア49と係止部材51とを係合及び係合離脱自在に構成されている。
そして、係止部材51にダイキャリア49を係止させた状態で係止部材51を移動させることにより、ダイキャリア49をオフライン上である移載箇所P3とオンライン上とに移動するように構成されている。
【0047】
前記ダイキャリア供給手段8は、予め移載箇所P3にある空席状態のダイキャリア49に対して次に使用するダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを移載し、そのダイキャリア49を一方の退避位置P4に退避させておくように構成されている。
そして、ダイキャリア供給手段8は、金型1を交換するときには、まず、使用済みのダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを積載した在席状態のダイキャリア49をオンライン上から移載位置P3に移動させるように構成されている。
次に、ダイキャリア供給手段8は、在席状態のダイキャリア49を他方の退避位置P4に移動させた状態で、次に使用するダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを積載したダイキャリア49を一方の退避位置P4から移載位置P3に移動させて、そのダイキャリア49をオンライン上に移動させて押出成形機4に使用するように構成されている。
また、ダイキャリア供給手段8は、使用済みのダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを積載したダイキャリア49を再度移載位置P3に移動させて、金型移載装置9が、使用済みのダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを移載するように構成されている。
【0048】
図19に示すように、金型搬送手段7、ダイキャリア供給手段8、金型移載装置9、および、支持体搬送台車10の作動を制御する管理装置Hが設けられ、その管理装置Hが、使用される金型1の交換の要求として、押出成形機4にて新しいダイス1aを使用する要求があると、金型搬送手段7、ダイキャリア供給手段8、金型移載装置9、および、支持体搬送台車10の作動を制御して、押出成形機4に対して、使用するダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを交換するように構成されている。
【0049】
以下、押出成形機4に対して、ダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを交換する際の動作について、図20および図21に基づいて説明を加える。
ちなみに、図20および図21において、斜線を示した支持体3a,3b,3cについては、金型1が載置支持された金型装着状態の支持体を示しており、白抜きしている支持体3a,3b,3cについては、金型1が離脱された金型離脱状態の支持体を示している。
【0050】
前記管理装置Hは、予め使用するダイス1aを載置支持した金型装着状態のダイス用支持体3aを加熱炉15に搬送して、その使用するダイス1aを加熱すべく、金型搬送手段7を作動させるように構成されている。
そして、管理装置Hは、図20の(イ)に示すように、押出成形機4にて新しいダイス1aを使用する要求がある前などに、次に使用するボルスタ1bを載置支持した金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび次に使用するサブボルスタ1cを載置支持した金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cを供給箇所5に搬送すべく、金型搬送手段7を作動させるように構成されている。
また、管理装置Hは、押出成形機4にて使用されているダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cが離脱された金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ3cを返却箇所6に搬送すべく、支持体搬送台車10を作動させるように構成されている。
【0051】
そして、管理装置Hは、図20の(イ)に示す状態において、押出成形機4にて新しいダイス1aを使用する要求があると、図20の(ロ)に示すように、そのダイス1aを載置支持した金型装着状態のダイス用支持体3aを加熱炉15から供給箇所5に搬送すべく、金型搬送手段7を作動させるように構成されている。
【0052】
次に、管理装置Hは、供給箇所5に金型装着状態のダイス用支持体3a、金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cが搬送されると、図21の(ハ)に示すように、それらの支持体3a,3b,3cからダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを離脱させて、セット台36にてセットしたのち、ダイキャリア供給手段8の移載箇所P3に存在する空席状態のダイキャリア49に移載すべく、金型移載装置9を作動させるように構成されている。
また、管理装置Hは、供給箇所5に存在する金型装着状態のダイス用支持体3a、金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cから、ダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cが離脱されると、その金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ用支持体3cをバッファ箇所29に搬送すべく、支持体搬送台車10を作動させるように構成されている。
【0053】
そして、管理装置Hは、押出成形機4に対して、使用済みのダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cと、次に使用するダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cとを交換すべく、ダイキャリア供給手段8を作動させるように構成されている。
【0054】
その後、管理装置Hは、図21の(ニ)に示すように、ダイキャリア供給手段8の移載箇所P3に存在する使用済みのダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを積載した在席状態のダイキャリア49から使用済みのダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cを離脱させて、分割台37にて分割したのち、返却箇所6に存在する金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ用支持体3cに移載すべく、金型移載装置9を作動させるように構成されている。
【0055】
そして、管理装置Hは、返却箇所6に存在する金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ用支持体3cにダイス1a、ボルスタ1bおよびサブボルスタ1cが移載されると、金型装着状態のダイス用支持体3a、金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cをダイス用保管棚2a、ボルスタ用保管棚2bおよびサブボルスタ用保管棚2cに搬送すべく、金型搬送手段7を作動させるように構成されている。
また、管理装置Hは、使用済みのボルスタ1bおよびサブボルスタ1cについて、次も使用する場合には、金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cを、返却箇所6からそのまま供給箇所5にバイパス搬送すべく、金型搬送手段7を作動させるように構成されている。
【0056】
そして、管理装置Hは、返却箇所6から支持体3が搬送されると、バッファ箇所29に保管されている金型離脱状態のダイス用支持体3a、金型離脱状態のボルスタ用支持体3bおよび金型離脱状態のサブボルスタ用支持体3cを返却箇所6に搬送すべく、支持体搬送台車10を作動させ、かつ、次に使用するボルスタ1bを載置支持した金型装着状態のボルスタ用支持体3bおよび次に使用するサブボルスタ1cを載置支持した金型装着状態のサブボルスタ用支持体3cを供給箇所5に搬送すべく、金型搬送手段7を作動させることにより、図20の(イ)に示す状態に戻すように構成されている。
【0057】
このようにして、管理装置Hは、押出成形機4にて新しいダイス1aを使用する要求があるたびに、上述の動作を繰り返し行うように構成されており、例えば、図21の(ハ)に示すように、ダイキャリア供給手段8にて押出成形機4での金型1の交換を行った直後などに、押出成形機4にて新しいダイス1aを使用する要求があっても、供給箇所5に支持体3が存在しない状態を作り出し、その要求に伴って、供給箇所5に次に使用する金型1を載置支持した装着状態の支持体3を搬送できるように構成されている。
【0058】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ボルスタ用保管棚2bとは別に、サブボルスタ用保管棚2cを設けているが、ボルスタ用保管棚2bに、ボルスタ1bを載置支持したボルスタ用支持体3bだけでなく、サブボルスタ1cを載置支持したサブボルスタ用支持体3cをも保管するように構成して実施することも可能である。
【0059】
(2)上記実施形態では、金型搬送手段7が、ダイス1aのみ加熱炉15にて加熱したのち、そのダイス1aを載置支持した金型装着状態のダイス用支持体3aを供給箇所5に搬送するようにしているが、金型搬送手段7が、ダイス1aとボルスタ1bとを加熱炉15にて加熱したのち、そのダイス1aを載置支持した金型装着状態のダイス用支持体3aとボルスタ1bを載置支持した金型装着状態のボルスタ用支持体3bとを供給箇所5に搬送するように構成して実施することも可能である。
【0060】
(3)上記実施形態では、押出成形機4に対して交換する金型1を、ダイス1a、ボルスタ1b、サブボルスタ1cとし、金型搬送手段7および支持体搬送台車10が、ダイス用支持体3a、ボルスタ用支持体3b、および、サブボルスタ用支持体3cを搬送するようにしているが、例えば、サブボルスタ1cについては、天井クレーン装置などにより押出成形機4に対して供給し、押出成形機4に対して交換する金型1を、ダイス1aおよびボルスタ1bとし、金型搬送手段7および支持体搬送台車10が、ダイス用支持体3aおよびボルスタ用支持体3bを搬送するように構成して実施することが可能である。
【0061】
(4)上記実施形態では、金型搬送手段7が、ボルスタ用支持体3bおよびサブボルスタ用支持体3cについて、返却箇所6から供給箇所5にバイパス搬送可能に構成されているが、例えば、金型搬送手段7が、サブボルスタ用支持体3cのみについて、返却箇所6から供給箇所5にバイパス搬送可能に構成して実施することも可能である。
また、金型搬送手段7は、ボルスタ用支持体3bおよびサブボルスタ用支持体3cについて、返却箇所6から供給箇所5にバイパス搬送せずに、常時、返却箇所6から保管手段2に搬送するように構成して実施することも可能である。
【0062】
(5)上記実施形態では、金型搬送手段7、ダイキャリア供給手段8、金型移載装置9、および、支持体搬送台車10の作動を制御する管理装置Hを設けて、管理装置Hにて各装置の作動を管理するように構成しているが、例えば、金型搬送手段7、ダイキャリア供給手段8、金型移載装置9、および、支持体搬送台車10の間で制御情報を通信自在に構成して、その通信される制御情報に基づいて、各装置が作動するように構成して実施することも可能である。
【0063】
(6)上記実施形態では、バッファ箇所29が、1つの支持体3を保管可能に構成されているが、例えば、バッファ箇所29に複数の支持体3を保管可能な保管棚などを設けて、その棚に複数の支持体3を保管するように構成して実施することが可能である。
すなわち、バッファ箇所29は支持体3を保管可能なものであればよく、その保管する支持体3の数についても適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】押出成形機の金型交換設備の一部省略平面図
【図2】押出成形機の金型交換設備の要部側面図
【図3】支持体の斜視図
【図4】支持体の側面図
【図5】ランニングフォーク装置の側面図
【図6】ランニングフォーク装置の平面図
【図7】ダイス用支持体の搬送経路を示す図
【図8】ボルスタ用支持体の搬送経路を示す図
【図9】サブボルスタ用支持体の搬送経路を示す図
【図10】支持体搬送台車の側面図
【図11】支持体搬送台車の正面図
【図12】押出成形機の金型交換設備の要部平面図
【図13】セット台の平面図
【図14】セット台の側面図
【図15】分割台の平面図
【図16】分割台の側面図
【図17】ダイキャリア供給手段の一部切欠き要部側面図
【図18】ダイキャリア供給手段の要部正面図
【図19】押出成形機の金型交換設備の制御ブロック図
【図20】金型の搬送状態を示す平面図
【図21】金型の搬送状態を示す平面図
【符号の説明】
【0065】
1a 金型としてのダイス
1b 金型としてのボルスタ
1c 金型としてのサブボルスタ
2 保管手段
3a 支持体としてのダイス用支持体
3b 支持体としてのボルスタ用支持体
3c 支持体としてのサブボルスタ用支持体
4 押出成形機
5 供給箇所
6 返却箇所
7 金型搬送手段
8 ダイキャリア供給手段
9 金型移載手段
10 支持体搬送手段
29 バッファ箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を保管する保管手段から押出成形機に対する供給箇所に前記金型が載置支持された金型装着状態の支持体を搬送し、かつ、前記押出成形機から返却される前記金型を受け取る返却箇所から金型装着状態の前記支持体を前記保管手段に搬送する金型搬送手段と、
前記供給箇所に存在する金型装着状態の前記支持体から前記金型を離脱して前記押出成形機に備えられたダイキャリア供給手段に前記金型を移載し、かつ、前記返却箇所に前記金型が離脱した金型離脱状態で存在する前記支持体に前記押出成形機から返却される前記金型を移載する金型移載手段と、
前記供給箇所から前記返却箇所に金型離脱状態の前記支持体を搬送する支持体搬送手段とが設けられている押出成形機の金型交換設備であって、
前記供給箇所と前記返却箇所との間に、前記支持体を保管可能なバッファ箇所が設けられ、
前記支持体搬送手段が、前記金型移載手段にて金型装着状態の前記支持体から前記金型が離脱されると、その金型が離脱された金型離脱状態の前記支持体を前記供給箇所から前記バッファ箇所に搬送し、かつ、前記金型搬送手段にて金型装着状態の前記支持体が前記返却箇所から搬送されると、前記バッファ箇所に保管されている金型離脱状態の前記支持体を前記返却箇所に搬送するように構成されている押出成形機の金型交換設備。
【請求項2】
前記金型が、ダイス、ボルスタ、および、サブボルスタから構成され、
前記金型搬送手段および前記支持体搬送手段が、前記支持体として、前記ダイスを載置支持するダイス用支持体、前記ボルスタを載置支持するボルスタ用支持体、および、前記サブボルスタを載置支持するサブボルスタ用支持体を搬送するように構成されている請求項1に記載の押出成形機の金型交換設備。
【請求項3】
前記金型搬送手段は、前記サブボルスタ用支持体について、前記返却箇所から前記供給箇所にバイパス搬送可能に構成されている請求項2に記載の押出成形機の金型交換設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−167751(P2006−167751A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362757(P2004−362757)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(504095379)STプロダクツ株式会社 (7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)