説明

押釦スイッチ用部材の製造方法

【課題】 外観がより良好な押釦スイッチ用部材を安定的に提供すること。
【解決手段】
光硬化性樹脂から主になる1若しくは2以上のキートップ11と、その裏面側に固着される弾性シート20とを有する押釦スイッチ用部材2の製造方法であって、キートップ11の形状に合わせた下型40aに、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lを充填する充填ステップS101と、弾性シート20と支持シート22とを積層した積層体21を、弾性シート20側を光硬化性樹脂組成物Lと接するように配置する積層体配置ステップS102と、光硬化性樹脂組成物Lを硬化させる硬化ステップS103と、硬化ステップS103により硬化した硬化体を離型する離型ステップS104と、を有すると共に、支持シート22は、弾性シート20よりも弾性率が大きいものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押釦スイッチ用部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(PDA)などの電子機器には、ユーザが操作するための押釦スイッチ用部材が配置される場合がある。押釦スイッチ用部材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなるフィルム上に、厚さが0.1〜1.0mmのポリカーボネート等からなるキートップを配置したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。かかる押釦スイッチ用部材では、キートップを押し込むと、PETシートが屈曲変形し、キートップの下方に配置されたスイッチを入力することができる。
【0003】
近年、上記の電子機器の薄型化および小型化に伴い、押釦スイッチ用部材のさらなる薄型化および小型化が強く求められている。そこで、薄型の成形品を形成するのに適する光硬化性樹脂によりキートップ等の構成部材を形成し、PETシートよりも屈曲変形しやすい弾性シートをキートップの裏面側に配置する例も知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−311777号公報
【特許文献2】特開2009−009735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような押釦スイッチ用部材では、良好な外観の押釦スイッチ用部材を安定的に生産するのが難しいという問題がある。これは、充填した光硬化性樹脂部分に所定の張力を加えながら弾性シートを配置するため、その張力を解放すると、弾性シートが縮む場合があるためである。また、その弾性シートへ加える張力により、弾性シートが元の寸法よりも伸びてしまう場合もある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであって、外観がより良好な押釦スイッチ用部材を安定的に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の押釦スイッチ用部材の製造方法の実施の形態は、光硬化性樹脂から主になる1若しくは2以上のキートップと、その裏面側に固着される弾性シートとを有する押釦スイッチ用部材の製造方法であって、キートップの形状に合わせた下型に、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物を充填する充填ステップと、弾性シートと支持シートとを積層した積層体を、弾性シート側を光硬化性樹脂組成物と接するように配置する積層体配置ステップと、光硬化性樹脂組成物を硬化させる硬化ステップと、硬化ステップにより硬化した硬化体を離型する離型ステップと、を有すると共に、支持シートは、弾性シートよりも弾性率が大きいものである。
【0008】
また、離型ステップの前に支持シートを剥離する剥離ステップを有し得る。
【0009】
また、支持シートおよび弾性シートは、透光性であるのが好ましい場合もある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外観がより良好な押釦スイッチ用部材を安定的に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法により製造された押釦スイッチ用部材を備える携帯端末の正面図である。
【図2】図1に示す携帯端末に組み込まれる押釦スイッチ用部材の斜視図である。
【図3】図2に示す押釦スイッチ用部材を図2のA−A線で切断した場合の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造の概略的な流れを示すフローチャートである。
【図5】図4の各工程において操作面側を紙面下側に向けた状態を示す図であって、図3と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法、およびその製造方法により製造される押釦スイッチ用部材の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
1.押釦スイッチ用部材の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の製造方法により製造される押釦スイッチ用部材2を備える電子機器の一例である携帯端末1の正面図である。図2は、図1に示す携帯端末1に組み込まれる押釦スイッチ用部材2の斜視図である。図3は、図2に示す押釦スイッチ用部材2のA−A線断面図である。以後、操作面側(図3の紙面上側)を表面側、操作面と逆側を裏面側という。また、表裏方向の距離を厚さという。
【0014】
図1に示すように、携帯端末1は、押釦スイッチ用部材2を備える。また、図2に示すように、押釦スイッチ用部材2は、表面側から、キーシート10および弾性シート20を配置して構成されている。
【0015】
キーシート10の表面側には、複数のキートップ11が、キーシート10を貫通しない溝12を介して配置されている。各キートップ11は、溝12の底部にある薄肉部13にて連接されて、1枚のキーシート10を構成する。キートップ11の厚さは、10〜1000μmの範囲となっている。また、薄肉部13の厚さは、5〜50μmの範囲となっている。キートップ11の厚さを100μm以上とすることにより、キートップ11に十分な剛性を持たせることができる。また、キートップ11の厚さを500μm以下とすることにより、押釦スイッチ用部材2の薄型化およびそれに伴う携帯端末1の薄型化を達成できる。すなわち、キーシート10の形成しやすさと携帯端末1の薄型化の要求の両立を図るためには、キーシート10の厚さを上記範囲にするのが好ましい。
【0016】
キーシート10の構成材料である光硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂あるいは、電子線硬化樹脂等を好適に用いることができる。その中でも、紫外線硬化性樹脂を好適に用いることができる。紫外線硬化性樹脂の一例として、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、脂肪族系等からなるウレタン系アクリレートまたはウレタン系メタアクリレート等のアクリレート系樹脂が挙げられる。本実施の形態では、キーシート10は、後述するように、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物に、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等を用いて紫外線(UV)を一定量照射し、当該未硬化状態の光硬化性樹脂組成物を硬化させることによって形成される。また、光硬化性樹脂組成物を硬化させる際には、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系およびチオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。なお、光重合開始剤の選定は、照射する紫外線の波長領域および各種アクリレート系またはメタアクリレート系の樹脂に基づいて行うのが好ましい。光硬化性樹脂組成物と光重合開始剤の組み合わせとしては、薄いキーシート10の製造であっても形状対応性と柔軟性に優れ、高い耐光性、接着性、耐薬品性および靭性を併せ持つウレタン系アクリレート樹脂と1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの組み合わせが、より好ましい。光硬化性樹脂組成物を用いてキーシート10を製造することにより、加熱や冷却の工程を経ずに、かつ短時間でキーシート10を製造できる。さらに、射出成形と異なり、極めて薄い成形体でも製造することができる。また、キーシート10の表面にハードコートを行わなくても、十分な硬度をもったキーシート10を製造できる。
【0017】
弾性シート20は、キーシート10が表面側から押圧された場合に、その下方に設けられたスイッチ部材(不図示)等を押し込むことができるように、柔軟な樹脂若しくはエラストマーから成るフィルムを用いることができる。たとえば、ウレタン系フィルム、オレフィン系フィルム、スチレン系フィルム、ポリエステル系フィルム、塩化ビニル系フィルム、シリコーン系フィルムあるいはゴム系フィルム等の柔軟性および伸縮性の高いフィルムが用いられる。それらの中でも、耐久性が高いウレタン系エラストマー、シリコーンゴムあるいはそれらの複合品から成る弾性シート20がより好ましい。弾性シート20の厚さとしては、例えば、10〜200μmとすることができる。弾性シート20の厚さが10〜200μmの場合には、キートップ11の押し込みを、弾性シート20下方のスイッチ(不図示)に伝達しやすい。
【0018】
また、弾性シート20は、キーシート10の構成部材である光硬化性樹脂を硬化させるために用いられる光を透過できるような部材であるのが好ましい。たとえば、光重合開始剤の感光領域の紫外線を50%以上透過できるような部材から構成されているのが好ましい。
【0019】
上述のような構成部材から押釦スイッチ用部材2を構成することにより、射出成形と異なり、極めて薄い押釦スイッチ用部材2を成形できる。さらに、十分な硬度をもったキートップ11を有することから、よりクリック感に優れた押釦スイッチ用部材2を製造できる。また、光硬化性樹脂組成物を用いてキーシート10を製造することにより、加熱や冷却の工程を経ずに、短時間でキーシート10を製造できる。
【0020】
2.押釦スイッチ用部材の製造方法
次に、本実施の形態に係る押釦スイッチ用部材2の製造方法について説明する。図4は、押釦スイッチ用部材2の製造の概略的な流れを示すフローチャートである。図5は、各工程における押釦スイッチ用部材2の状態を示す断面図であって、図3と同様の断面において、押釦スイッチ用部材2の表面側を下に向けた図である。
【0021】
まず、図5の(A)に示すように、下型40aを用意し、その下型40a内に、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lを充填する(ステップS101:充填ステップ)。より具体的には、下型40a内の型枠42の外縁であって積層体21を被せていく川上側に、ディスペンサー等(不図示)を用いて未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lを供給する。
【0022】
次に、図5の(B)に示すように、次に、凹部41内における未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lの表面に、積層体21を配置する(ステップS102:積層体配置ステップ)。積層体21は、弾性シート20と支持シート22とが積層された部材である。
【0023】
ステップS102では、まず、弾性シート20が光硬化性樹脂組成物Lと接するように積層体21が配置される。また、積層体21を介して未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lの上からローラ43を当て、当該ローラ43を矢印方向(図5の紙面右方向)に移動する。積層体21は、弾性シート20が下になるように配置される。したがって、弾性シート20は、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lを下型40aの型枠42内に充填しながら、ローラ43で光硬化性樹脂組成物L上に配置される。ローラ43を移動すると、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lは、ローラ43の進行方向に向かって型枠42内を順に満たしていき、同時に、型枠42内の気泡もローラ43の進行方向に向かって移動して外部に排出される。ローラ43を積層体21の支持シート22側から押し当てながら移動することにより、弾性シート20が伸びるのを防ぎ、かつ、弾性シート20と光硬化性樹脂組成物Lとの間に気泡が混入するのを防ぐことができる。ローラ43は、所定数の型枠42への積層体21の貼付が完了する位置で停止する。
【0024】
支持シート22は、たとえば、ポリエステル系、アクリル系、ポリカーボネート系、ABS系、ポリプロピレン系、塩化ビニル系あるいはそれらのアロイ配合物等の樹脂フィルム、紙等から構成される。また、JIS K7113に基づく測定方法等で測定された支持シート22の弾性率は、JIS K7311等に基づく測定方法で測定された弾性シート20の弾性率よりも大きい。したがって、ローラ43から積層体21に圧力を加えて移動した場合、支持シート22が伸びにくいため、その裏側の弾性シート20が伸びるのを防ぐことができる。また、上型40b側から光硬化性樹脂組成物Lに光を照射する場合には、支持シート22および弾性シート20は、透明であるのが好ましい。さらに、支持シート22および弾性シート20は、光吸収材等が含まれないのが好ましい。たとえば、支持シート22としては、透明色のPETあるいはポリカーボネート等から主になる支持シート22が挙げられる。
【0025】
さらに、支持シート22は、弾性シート20が支持シート22から容易に剥離できるように、メラミン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂あるいはワックス等から主に構成される剥離層(不図示)を有しているのが好ましい。また、支持シート22は、弾性シート20と貼り付けられる側に接着層(不図示)を有していてもよい。また、支持シート22の弾性シート20に貼り付けられる側の面の摩擦係数が弾性シート20よりも小さい場合には、光硬化性樹脂組成物Lと固着された弾性シート20の外面は、平滑になるため、光沢感のある表面となる。一方、紙等の表面が粗い部材から構成される支持シート22を用いた場合には、弾性シート20の外面は、粗くなるため、いわゆるシボ調となる。
【0026】
次に、図5の(C)に示すように、上型40bを下型40aの方向へ10秒〜5分間加圧しながら、未硬化状態の光硬化性樹脂組成物Lに向けて紫外線を照射することで、光硬化性樹脂組成物Lを硬化する(ステップS103:硬化ステップ)。光硬化性樹脂組成物Lの硬化は、メタルハライドランプ等のランプ50により、光硬化性樹脂組成物Lに紫外線を照射することで開始する。光硬化性樹脂組成物Lの硬化によりキーシート10が形成されると共に、弾性シート20がキーシート10に固着される。なお、ステップS103における加圧は、光硬化性樹脂組成物Lに向けて紫外線を照射するよりも前あるいは同時に開始するのが好ましい。さらに、紫外線の照射終了後も、硬化反応が終了するまで加圧を続けるのが好ましい。加圧力により、硬化中の光硬化性樹脂組成物Lが硬化収縮により下型40aから離れるのを防ぐことができるからである。そのため、硬化収縮率が5〜10%の光硬化性樹脂組成物Lを用いて、比較的厚みの大きいキートップ11を成型した場合でも、キートップ11部分にヒケが生じにくい。
【0027】
次に、成型した押釦スイッチ用部材2から支持シート22を剥離する(ステップS104:剥離ステップ)。最後に、押釦スイッチ用部材2を下型40aから離型する(ステップS105:離型ステップ)。押釦スイッチ用部材2のキートップ11部分と型枠42との間は、真空に近い密閉状態にある。したがって、押釦スイッチ用部材2を離型する際には、押釦スイッチ用部材2の一端側を把持し持ち上げることで、キートップ11部分を一つずつ型枠42の面から離す。この際、弾性シート20が成す内角θ(図5の(E)参照)を小さくするほど、押釦スイッチ用部材2を離型しやすくなる。
【0028】
上述のような製造方法により押釦スイッチ用部材2を成型することで、外観がより良好な押釦スイッチ用部材2を安定的に得ることができる。ステップS102では、弾性シート20を支持シート22と共に貼り付けるため、ローラ43等により積層体21に圧力を加えて移動しても、支持シート22が弾性シート20の伸びを防ぐことができる。また、積層体21に圧力を加えるのを止めた場合に、弾性シート20が歪むのを防ぐことができる。くわえて、支持シート22が弾性シート20の伸びを防ぐことができるため、弾性シート20が伸びたまま元の寸法に復帰しないという状況が生じにくい。
【0029】
さらに、上述のような製造方法により押釦スイッチ用部材2を成型することで、キーシート10部分の外観がより良好な押釦スイッチ用部材2を安定的に得ることができる。離型する前に、支持シート22を剥離しているからである。支持シート22を剥離しない状態で押釦スイッチ用部材2の一端側を把持し、小さい内角θで押釦スイッチ用部材2を離型した場合には、内側に位置する支持シート22により、最も外側に位置するキーシート10のうち、大きく曲げられた部分(図5の(E)においてBで示す領域)に局所的な延伸力が働く。一方、支持シート22を剥離してから離型すると、内側に支持シート22が存在しないため、キーシート10へ働く延伸力が小さくなる。そのため、支持シート22を剥離してから離型することで、大きく曲げられた部分(Bで示す領域)に加わる延伸力が小さくなる。この結果、キーシート10の中でも最も薄い部分である薄肉部13等に亀裂や変形等が生じるのを防ぐことができる。
【0030】
3.その他の実施の形態
以上、本発明の押釦スイッチ用部材の製造方法、およびその方法により製造された押釦スイッチ用部材2を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
【0031】
たとえば、弾性シート20の裏面には、押圧子(不図示)を形成しても良い。押圧子の下方には、スイッチ(不図示)が配置されるので、キートップ11の押し下げによって押圧子が当該スイッチを押し込むのが容易となる。押圧子は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの如何なる種類の樹脂で構成されても良く、特に、薄い凸部を加熱あるいは冷却することなく、紫外線等の光の照射のみで形成可能な光硬化性樹脂にて構成するのが好ましい。
【0032】
また、上述の実施の形態では、複数のキートップ11の間にキーシート10を貫通しない溝12が形成され、各キートップ11は、溝12の底部にある薄肉部13にて連接されているが、このような形態に限らない。キーシート10は、連接したキートップ11を有していてもよいし、別個独立の複数のキートップ11を有していてもよい。たとえば、複数のキートップ11は、薄肉部13にて連接されず、それぞれ離間していてもよい。たとえば、押釦スイッチ用部材2を下型40aから取り出した後、薄肉部13をレーザカット等により切断することで、薄肉部13を除去し、複数のキートップ11を別個独立させてもよい。
【0033】
また、ステップS103では、上型40bを下型40aの方向へ加圧する際に、上型40bと積層体21との間に弾性体を介在させてもよい。また、弾性体としては、圧縮気体を用いてもよい。
【0034】
また、上述の実施の形態では、支持シート22は、弾性シート20と貼り付けられる側に接着層を有するものとしているが、このような形態に限らない。たとえば、接着層は、弾性シート20側に設けられていてもよい。同様に、支持シート22に剥離層が設けられなくてもよい。
【0035】
また、上述の実施の形態では、ローラ43を移動させることで、積層体21に圧力を加えながら光硬化性樹脂組成物Lに弾性シート20を貼り付けたが、たとえば、ローラ43を使用せずに、スキージ等別の部材を用いて、積層体21を光硬化性樹脂組成物Lに配置してもよい。
【0036】
また、上述の実施の形態では、離型ステップの前に支持シートを剥離する剥離ステップを有しているが、このような形態に限らない。支持シート22を十分に薄くし、支持シート22を貼り付けたまま押釦スイッチ用部材2を下型40aから離型してもキーシート10に延伸力が働かない場合には、剥離ステップを離型ステップの後に行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、たとえば、各種電子機器の押釦スイッチ等に用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
2 押釦スイッチ用部材
10 キーシート
11 キートップ
20 弾性シート(積層体の一部)
21 積層体
32 支持シート(積層体の一部)
40a 下型
40b 上型



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化性樹脂から主になる1若しくは2以上のキートップと、その裏面側に固着される弾性シートとを有する押釦スイッチ用部材の製造方法であって、
上記キートップの形状に合わせた下型に、未硬化状態の上記光硬化性樹脂組成物を充填する充填ステップと、
上記弾性シートと支持シートとを積層した積層体を、上記弾性シート側を上記光硬化性樹脂組成物と接するように配置する積層体配置ステップと、
上記光硬化性樹脂組成物を硬化させる硬化ステップと、
上記硬化ステップにより硬化した硬化体を離型する離型ステップと、を有すると共に、
上記支持シートは、上記弾性シートよりも弾性率が大きいことを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の押釦スイッチ用部材の製造方法であって、
前記離型ステップの前に上記支持シートを剥離する剥離ステップを有することを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の押釦スイッチ用部材の製造方法であって、
前記支持シートおよび前記弾性シートは、透光性であることを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−64380(P2012−64380A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206448(P2010−206448)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】