説明

抽選装置

【課題】 抽選の状況に応じて最も効果的に発光手段を発光させて穴部自らのゲーム上の役割をプレイヤにアピールし抽選ゲームに熱中させることができる抽選装置を供する。
【解決手段】 複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段24,25と、複数の穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段23と、ボールの種類を識別するボール識別機構41と、記憶部に記憶された抽選装置に関する制御プログラムに基づいて制御を行う制御手段100と備え、制御手段100は、ボール識別機構41により識別されたボールの種類に応じて発光手段23が発光する色をプログラムに基づいて決定するステップと、テーブル上を転動するボールがいずれかの穴部に入ると、ボールが入った穴部に対応して設けられたボール検出手段24,25からの検出信号を受け取り、ボールが入った穴部に対応して設けられた発光手段23を前記決定した色で発光させるステップとを実行する抽選装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の抽選装置としては、従来ルーレット遊戯機やビンゴ遊戯機等がある。
従来のビンゴ遊戯機の例に、本出願人が先に出願したものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公平7−30044号公報
【0003】
同特許文献1は、回転円板に設けた複数のボールポケットのいずれかに入ったボールの位置を検出するようにしたターンテーブル装置および複数の色のボールを使用してゲームを行いうるようにしたビンゴ遊戯機である。
回転円板に設けた複数のボールポケットには、連続した番号がランダムに付されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、回転円板に設けたボールポケットは単なる円穴であり、各ボールポケットそれぞれがプレイヤに対して自らのゲーム上の役割をアピールすることはなく、プレイヤをゲームに熱中させるような演出に欠ける。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、テーブルに形成された穴部の近傍に発光手段を設け、抽選の状況に応じて最も効果的に発光手段を発光させて穴部自らのゲーム上の役割をプレイヤにアピールし抽選ゲームに熱中させることができる抽選装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段および効果】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段と、ボールの種類を識別するボール識別機構と、記憶部に記憶された前記抽選装置に関する制御プログラムに基づいて制御を行う制御手段と備え、前記制御手段は、前記ボール識別機構により識別されたボールの種類に応じて前記発光手段が発光する色を前記プログラムに基づいて決定するステップと、前記テーブル上を転動するボールがいずれかの穴部に入ると、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記ボール検出手段からの検出信号を受け取り、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記発光手段を前記決定した色で発光させるステップとを実行する抽選装置とした。
【0007】
テーブル上を転動するボールがいずれかの穴部に入ると、ボール検出手段がこれを検出し、穴部に入ったボールの種類に応じてプログラムにより決定された色でボールが入った穴部に対応して設けられた発光手段が発光するので、プレイヤへの演出効果が大きく、抽選の状況に応じて最も効果的に発光手段を発光させて穴部自らの抽選ゲーム上の役割をプレイヤにアピールしゲームに熱中させることができる。
【0008】
ここに記載するボールは、球形はもとより転動するものであれば、ラグビーボールのように紡錘形状をしていてもあるいはサイコロのように平面を組み合せた多面体のようなものでも含まれるものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、前記テーブルにボールを投入するボール投入機構と、前記テーブルの穴部に入ったボールを回収するボール回収機構と、前記ボール回収機構により回収されたボールの種類を識別するボール識別機構と、前記ボール識別手段により識別されたボールを種類別に振分けて待機させるボール選別機構と、前記ボール選別機構により種類別に待機されたボールを選択的に前記ボール投入機構に引き渡す投入ボール選択機構と、前記テーブルの穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、前記テーブルの穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段と、記憶部に記憶された前記抽選装置に関する制御プログラムに基づいて制御を行う制御手段と備え、前記制御手段は、前記ボール識別手段により識別されたボールの種類に応じて前記発光手段が発光する色を前記プログラムに基づいて決定するステップと、前記投入ボール選択機構を駆動して、前記決定した色に応じた種類のボールを、前記ボール選別機構により種類別に待機させられたボールの中から選択し、前記ボール投入機構に引き渡すステップと、前記ボール投入機構を駆動して、前記引き渡されたボールを前記テーブルに投入するステップと、前記テーブル上に投入されたボールが転動していずれかの穴部に入ると、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記ボール検出手段からの検出信号を受け取り、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記発光手段を前記決定した色で発光させるステップとを実行する抽選装置である。
【0010】
ボール識別手段により識別されたボールの種類に応じて発光手段が発光する色をプログラムに基づいて決定し、決定した色に応じた種類のボールを、ボール選別機構により種類別に待機させられたボールの中から選択し、ボール投入機構に引き渡し、引き渡されたボールをテーブルに投入し、テーブル上に投入されたボールが転動していずれかの穴部に入ると、ボールが入った穴部に対応して設けられた発光手段を前記ボールの種類に応じて決定した色で発光させる。
【0011】
したがって、プレイヤへの演出効果が大きく、抽選の状況に応じて最も効果的に発光手段を発光させて穴部自らの抽選ゲーム上の役割をプレイヤにアピールしゲームに熱中させることができる。
テーブルの穴部に入ったボールは、ボール回収機構により回収されて、ボール識別機構により種類を識別され、ボール選別機構により種類別に振分けて待機させられるので、ボールは循環して使用され、新しいボールを常に供給する必要はなく効率的である。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の抽選装置において、前記ボールは、ボールの種類を決定する識別情報が記録され電磁誘導を利用して信号の送受信が可能なICタグが内蔵され、前記ボール識別手段は、近傍に位置する前記ボールのICタグとの間で信号の送受信を行うアンテナと、該アンテナにより受信した識別情報からボールの種類を解読する解読手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
ボールに内蔵されたICタグが記録する識別情報を、アンテナが非接触で受信して解読手段がボールの種類を解読するので、ボールの色、大きさ、形、材質などの属性による種類を識別することができるのはもとより、全く同じ属性のボールでも自他を識別することもでき、種々の抽選ゲームに利用できる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の抽選装置において、前記ボール識別機構は、前記ボールが転動する傾斜した通路に沿って前記アンテナが設けられ、前記通路を転動する前記ボールを前記アンテナの近傍に一時停止させ、停止した前記ボールを回動可能なストッパと、前記ストッパを駆動するストッパ駆動手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
通路を転動するボールをストッパがアンテナの近傍に一時停止させて、アンテナによりボールに内蔵されたICタグが記録する識別情報を受信するが、アンテナに対するICタグの姿勢が適当でないと交信ができないことがあるが、ストッパの駆動で停止したボールを回動することでICタグの姿勢が変わり交信可能となり識別情報を受信できるようになる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の抽選装置において、前記ストッパは、前記ボールを遊嵌して移動可能な欠損部が一部に形成された回転円板であり、前記ストッパ駆動手段は、前記回転円板の回転軸を中心に回転可能に構成されたことを特徴とする
【0017】
回転円板の外周面で通路を転動するボールを受けてアンテナの近傍に一時停止させることができ、この状態で回転円板をいくらか回転させることで、外周面で接触するボールを回動させて内部のICタグの姿勢を変え、確実に識別情報を受信することができるようにすることができる。
なお、回転円板は、回転させて欠損部にボールを遊嵌して1個ずつ移動させることができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか記載の抽選装置において、前記ボールは、透明部材または半透明部材により形成され、内部中央に不透明部材が内蔵されており、前記ボール検出手段は、前記穴部を横切る赤外線により前記ボールが前記穴部に存在するか否かを検出する赤外線センサであり、前記穴部を横切る赤外線の方向が互いに異なる向きになるように前記赤外線センサを2つ以上配置したことを特徴とする。
【0019】
ボールは、内部中央に不透明部材が内蔵された透明部材または半透明部材により形成されているので、穴部に入ると同穴部に対応して設けられた発光手段が発光したときにボールを透過したり反射したりして輝き演出効果が大きい。
同ボールが穴部に入ったことを検出するボール検出手段は、ボールが透明部材または半透明部材であるので、光センサでは内部の不透明部材を検出することになり検出できない場合が起こり得るが、穴部を横切る赤外線の方向が互いに異なる向きになるように赤外線センサを2つ以上配置することで、確実にボールを検出することができる。
【0020】
請求項6記載の発明は、複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段と、前記ボール検出手段の検出結果に基づき抽選状況を監視する抽選状況監視手段と、特定の抽選状況に基づき発光させる発光手段を選定する発光手段選定手段と、特定の抽選状況に基づき発光させる色を決定する発光色決定手段と、前記抽選状況監視手段により見出された特定の抽選状況時に、該特定の抽選状況に基づき前記発光手段選定手段が選定した発光手段を前記発光色決定手段が決定した色で発光させる発光制御手段とを備えたことを特徴とする抽選装置とした。
【0021】
ボール検出手段の検出結果に基づく抽選状況のうち特に注意を喚起させたいような特定の抽選状況において、その特定の抽選状況に基づき発光手段選定手段が選定した発光手段を発光色決定手段が決定した色で発光させることで、抽選の状況に応じて最も効果的に発光手段を発光させて穴部自らのゲーム上の役割をプレイヤにアピールし抽選ゲームに熱中させることができる。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の抽選装置において、複数のプレイヤが同時に参加して抽選結果に基づいてゲームを行う複数の抽選ゲーム端末装置を備え、前記抽選状況監視手段は、前記ボール検出手段の検出結果に基づき前記抽選ゲーム端末装置ごとの抽選状況を監視し、前記発光色決定手段は、前記各抽選ゲーム端末装置にそれぞれ特有の色を予め設定しており、特定の抽選状況となった前記抽選ゲーム端末装置に特有の色を決定することを特徴とする。
【0023】
特定の抽選状況に基づき発光手段選定手段が選定した発光手段を、特定の抽選状況となった抽選ゲーム端末装置に特有の色で発光させるので、該抽選ゲーム端末でプレイしているプレイヤは、特定の抽選状況に自らがなっていることを発光した色で容易に知ることができ、益々ゲームに熱中することができる。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載の抽選装置において、前記特定の抽選状況は、特定の穴部にボールが入ると当選となる抽選状況であり、前記発光手段選定手段は、特定の抽選状況に基づく特定の穴部に対応する発光手段を選定することを特徴とする。
【0025】
特定の穴部にボールが入ると当選となる抽選状況で、その特定の穴部に対応する発光手段が選定されて発光するので、最も注目される穴部の発光手段が発光してプレイヤに位置を確認させ易くして、益々ゲームに熱中させることができる。
【0026】
請求項10記載の発明は、複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられ、文字,図形などの画像を表示する表示手段と、前記ボール検出手段の検出結果に基づき抽選状況を監視する抽選状況監視手段と、特定の抽選状況に基づき表示させる表示手段を選定する表示手段選定手段と、特定の抽選状況に基づき表示させる画像を決定する表示画像決定手段と、前記抽選状況監視手段により見出された特定の抽選状況時に、該特定の抽選状況に基づき前記表示手段選定手段が選定した表示手段に前記表示画像決定手段が決定した画像を表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする抽選装置である。
【0027】
ボール検出手段の検出結果に基づく抽選状況のうち特に注意を喚起させたいような特定の抽選状況において、その特定の抽選状況に基づき表示手段選定手段が選定した表示手段を表示画像決定手段が決定した画像で表示させることで、抽選の状況に応じて最も効果的に表示手段を画像表示させて穴部自らのゲーム上の役割をプレイヤに効果的な画像によりアピールし抽選ゲームに熱中させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図14に基づいて説明する。
本実施の形態に係る抽選装置10は、業務用メダルゲーム機としてのビンゴ遊戯機1に適用したものである。
【0029】
本ビンゴ遊戯機1の全体見取図を図1に示す。
中央に抽選作業を抽選装置10のターンテーブル機構11が設置され、その周囲にプレイヤが対向してプレイするところのサテライト80が8つ配設されている。
なお、8つのサテライト80は、互いに異なる色で彩色されている。
【0030】
中央のターンテーブル機構11は、25個のボールポケット13および1個の外れ穴14が形成され中央が僅かに下方へ凹んだ扁平円錐状の円板であるターンテーブル12が回転し、その中に投入されたボール2がターンテーブル12上を転動していずれかのボールポケット13または外れ穴14に入ることで抽選を行うもので、ターンテーブル12の上には透明板15が張設されている。
【0031】
各サテライト80は、操作卓81に表示手段である液晶ディスプレイ85が備え付けられている。
操作卓81には、さらに操作ボタン82のほかメダル投入口83,メダル払出口84が設けられている。
液晶ディスプレイ85には、5行5列の格子状の表の中に1〜25の数字がランダムに配設されたビンゴ表86およびゲーム上の必要な情報等が表示される。
【0032】
抽選装置10の全体の構成を図2に示す。
ターンテーブル機構11の下には、ボール回収機構31,ボール識別機構41,ボール選別機構51,投入ボール選択機構61,ボール投入機構71の各機構が構成されている。
【0033】
本抽選装置10で使用されるボール2は、赤,緑,黄の3色のいずれかの色を備えた半透明の樹脂製球体であり、図3に示すように内部に円板状のICタグ3が内蔵されている。
ICタグ3は、小型の記録媒体であり、ボールを識別する情報を記録することができ、本ボール2のICタグ3は、自らのボールの色を識別する情報を記録している。
【0034】
また、ICタグ3は、3つのコイルが互いに直交するように巻回されていて、後記するボール識別機構41に設けられるアンテナ48との間で電磁誘導現象を利用して無線による非接触な通信が行われる。
なおICタグ3の両面には反射シール4が貼れている。
【0035】
一方、ターンテーブル機構11は、図4の分解斜視図で示すように、ターンテーブル12の周囲に固定されたガイドサークル16が周設され、ターンテーブル12の下には固定円板17がターンテーブル12の下面に沿って設置される。
【0036】
ターンテーブル12は、下面を複数のローラ18により支持され、3つのアイドルローラ19と1つのドライブローラ20により周囲から外周面を押えられて位置決めされ、ドライブローラ20のモータ21による駆動により回転する。
このようにターンテーブル12を回転させるテーブル回転駆動機構が構成されている。
【0037】
ターンテーブル12の最低中心位置に外れ穴14が穿孔され、その周囲の3つの同心円上にボールポケット13が25個穿孔されている。
各ボールポケット13の近傍には、1〜25の数字が重複なくランダムに付されている。
【0038】
図5を参照して、ボールポケット13の円穴の内周縁に半透明の発光リング22が1周に亘って嵌め込まれており、発光リング22の内部4箇所にRGB1組のLED23が4組内蔵されていて、LED23を制御して発光リング22を多数の色の中から色を選んで発光させることができる。
【0039】
また、発光リング22の下方には、図6に示すように、1対の投光器24a,25aと受光器24b,25bからなる透過型の赤外線センサ24,25が2つ設けられている。
2つの赤外線センサ24,25は、透光器24a,25aから出射される赤外線が、互いに直角に交差するように、かつ交差位置がボールポケット13の中心からずれた位置になるように設定されていて、ボールポケット13に入った半透明のボール2を検出できるようにしている。
【0040】
このように、各ボールポケット13には、LED23を内蔵した発光リング22とボール2を検出する赤外線センサ24,25が設けられている。
【0041】
ターンテーブル12の下面に沿って設置される固定円板17は、ターンテーブル12と同じく扁平円錐状の円板であり、ボールポケット13が位置する3つの同心円と等しい同心円に帯状に突出したボール支持帯17,17,17が形成されている。
【0042】
したがって、ターンテーブル12のボールポケット13に入ったボール2は、ボール支持帯17,17,17のいずれかに支持されて、ボールポケット13内に保持されながら、ターンテーブル12の回転によりボールポケット13に押されてボール支持帯上を転動する。
このように有色半透明のボール2は、ボールポケット13内に保持されながら転動する。
【0043】
ボール2が、ボールポケット13内に保持されながら転動している状態で、ボールポケット13の近傍の発光リング22が内部のLED23の駆動で発光すると、有色半透明のボール2に侵入した光が、転動により姿勢を変動させるICタグ3の反射シール4で反射されてボール2自体がキラキラと光輝く。
【0044】
そして、このボールポケット13内に保持されながら転動する半透明のボール2を、赤外線センサ24,25が確実に検出する。
【0045】
すなわち、ボールポケット13内で転動する半透明のボール2は内部の円板状のICタグ3の姿勢を変動させ、2つの赤外線センサ24,25の互いに直交する赤外線のいずれかがICタグ3によって遮られて確実に半透明のボール2を検出できるようにしている。
【0046】
図4を参照して、固定円板17の中心には、ターンテーブル12の外れ穴14に対応して円穴26が穿孔され、外れ穴14に入ったボール2は、固定円板17の円穴26も貫通落下する。
そして、固定円板17の一部にボール支持帯17,17,17に亘る径方向に長尺の扇形に切り取られた扇形穴27が形成され、この扇形穴27を下方から嵌合して塞ぐ扇形のフラップ28が長尺端縁を軸支されて揺動自在に設けられ、ソレノイド29の駆動によりフラップ28を揺動して扇形穴27に嵌合して閉じたり、扇形穴27を開口したりすることができる。
【0047】
フラップ28が扇形穴27に嵌合して塞いだ状態であれば、ボールポケット13に入ってターンテーブル12により転動するボール2は、何周しても扇形穴27から落下することなく、転動を続けるが、フラップ28が下方へ揺動して扇形穴27を開口すると、ボールポケット13に入って転動するボール2は、扇形穴27に運ばれたところで扇形穴27から落下する。
扇形穴27が開口した状態で、ターンテーブル12が1回転すると、ボールポケット13に入っていたボール2は全て落下することになる。
【0048】
上記扇形穴27,フラップ28,ソレノイド29は、次段のボール回収機構31に属するものである。
この扇形穴27および中心の円穴26の下には、ボール回収機構31のボール受箱32が設置され、扇形穴27および円穴26から落下したボール2を受け、中心側から外周側に下方に傾斜した底板により落下したボール2は1個ずつ外周側に転がり、さらに連結通路33を介してボール識別機構41に案内される(図2参照)。
【0049】
ボール識別機構41は、図7および図8に図示するように、対向するフレーム42,42間に架設された上流側と下流側の回転軸43a,44aに一部円弧状に欠損部45a,46aが形成された回転円板45,46がそれぞれ嵌着され、回転軸43a,44aは回転円板45,46とともにそれぞれモータ43,44により回動される。
【0050】
回転円板45,46の下を、チャンネル状の案内路47が下流側へ傾斜して配設されており、回転円板45,46との間で案内路45をコイルが矩形環状に巻回するアンテナ48が設けられている。
【0051】
図8に示すように、上流側回転円板45は、連結通路33から転動してきたボール2を1個欠損部45aで嵌合し、アンテナ48へ1個ずつ送り出す。
アンテナ48に送り出されたボール2は、傾斜した案内路45を転がって矩形環状のアンテナ48内を潜ろうとしたところで下流側回転円板46の外周面に接して停止する。
【0052】
ここで、アンテナ48は、ボール2内のICタグ3との間で電磁誘導現象を利用したRFID(Radio Frequency IDentification)システムを構成する。
すなわち、停止したボール2内のICタグ3は任意の姿勢にあるが、ICタグ3に巻回されている互いに直交する3つのコイルのうちいずれかのコイルがアンテナ48と交信可能な適当な位置関係となって、ICタグ3は、まずアンテナ48から発信される起動信号をICタグ3が受信し、その信号のエネルギーにより起電力を発生して内部の制御回路を作動し、アンテナ48との交信を開始する。
【0053】
ICタグ3からはボールの識別情報(自らのボールの色を識別する情報)の信号が発信され、この信号をアンテナ48が受信し、コンピュータ100の解読手段が解読してボールを識別する。
すなわち、アンテナ48内にあるボール2の色が識別される。
【0054】
ICタグ3には互いに直交する3つのコイルが巻回され、通常いずれかのコイルとアンテナ48との間で交信ができるが、微妙な位置関係で交信できない場合がある。
そのようなときは、下流側回転円板46をいずれかの方向にいくらか回動して接しているボール2を接触摩擦を利用して停止位置で回動させることで、ICタグ3の姿勢を変える。
【0055】
すなわち、ICタグ3の姿勢を変えることで、アンテナ48に対する3つのコイルの位置関係が変化し、いずれかのコイルがアンテナ48との間で交信ができるようになる可能性が高くなり、略確実にボール2の識別ができる。
【0056】
こうして、色を識別されたボール2は、下流側回転円板46の回動により、その欠損部46aがアンテナ48内に停止したボール2に臨んだときに同ボール2が転動して、その欠損部46に嵌合し、さらに下流側に送られる。
【0057】
チャンネル状の案内路47の底板の下流端は、図7に示すように円弧状に切り欠かれていて、下流側回転円板46により送られてきたボール2は、この切欠き47aのところで落下してボール選別機構51に移動する。
【0058】
図9を参照して、ボール選別機構51は、ボール2を色ごとに振り分けるボール振分け装置52と、振り分けたボール2を色ごとに待機させておくボールストッカ55とからなる。
ボールストッカ55は、幅広の底板56と左右側板57,57によりチャンネル状をなして下流側に傾斜しており、傾斜した底板56を傾斜方向に指向した2枚の仕切板58,58により3本の通路を兼ねた長尺の赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cが形成されている。
【0059】
ボールストッカ55の上流端は、赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cの各入口が開口しており、下流端は赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cの各出口が集合し、左右側板57,57が漏斗状に狭くなって1つの引渡し口64を形成している。
【0060】
このボールストッカ55の上流側にボール振分け装置52があり、赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cの各入口の臨む位置で、かつ前記ボール識別機構41の案内路47の切欠き47aの下方に振分けシュート53がモータ54の駆動により旋回自在に設けられている。
【0061】
振分けシュート53は、U字形の側板と底板とからなり、U字形側板の円弧の中心を旋回中心としてU字形側板の開口を旋回させて、同開口を赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cの各入口に選択的に振り向けることができる。
【0062】
なお、本ボールストッカ55は、黄ボールストッカ55cの外側方にボール取出し通路59が設けられていて、振分けシュート53の開口をボール取出し通路59の入口に向けることができ、必要なときにボール2を外部に取り出すことができる。
【0063】
振分けシュート53の旋回中心が案内路47の切欠き47aの真下にあり、ボール識別機構41により色識別されたボール2が案内路47を転がって切欠き47aから落下すると、振分けシュート53がその旋回中心部分で受け、振分けシュート53は受け取ったボール2の識別された色に対応したボールストッカに開口を振り向け、同ボールストッカに該ボール2を入れる。
【0064】
すなわち、赤色のボール2は赤ボールストッカ55aに、緑色のボール2は緑ボールストッカ55bに、黄色のボール2は黄ボールストッカ55cに振分けられる。
【0065】
赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cの各出口近傍の底板56に長孔がそれぞれ形成され、各長孔から羽根車62a,62b,62cの羽根が出没するようになっており、各ボールストッカ55a,55b,55cに振分けられたボール2は、各羽根車62a,62b,62cに停止させられ、さらに振分けられて入ってきたボール2が順次積み重ねられていく。
【0066】
こうして、赤ボールストッカ55aには赤色のボール2が、緑ボールストッカ55bには緑色のボール2が、黄ボールストッカ55cには黄色のボール2が、それぞれ積み重ねられて待機状態とさせられる。
【0067】
この羽根車62a,62b,62cは、次段の投入ボール選択機構61に属し、それぞれモータ63a,63b,63cによって回転させられる。
羽根車62aは、図10に示すように円板の周囲を大きく円弧で3箇所等間隔に切欠いて3片の放射状に延びた羽根62a´を形成したもので、底板56に長孔から突出した羽根62a´がストッパとなって傾斜した底板56上のボール2の転がりを停止させて続くボール2も重なって待機させられる。
【0068】
モータ63aの駆動により羽根車62aが3分の1回転すると、ストッパとなっていた羽根62a´が長孔に没して該羽根62a´に接していたボール2が開放されて下流側に転動し、新たな羽根62a´が該ボール2の後ろから次ぎに続くボール2の前に突出してきて同ボール2のストッパとなる。
このように、赤ボールストッカ55a内に赤色のボール2を待機させている羽根車62bが、モータ63aの駆動で3分の1回転させられることで、赤色のボール2が1個送り出され、引渡し口64から次段のボール投入機構71に引き渡される。
【0069】
他の羽根車62b,62cも羽根車62aと同じ構造であり、モータ63b,63cにより、それぞれ独立に駆動される。
すなわち、モータ63bが駆動され羽根車62bが3分の1回転すると、緑色のボール2が1個送り出され、モータ63cが駆動され羽根車62cが3分の1回転すると、黄色のボール2が1個送り出され、ボール投入機構71に引き渡される。
【0070】
ボール投入機構71によりターンテーブル12に投入されるボール2の種類(色)が決まると、赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cのうち対応する色のボールストッカの羽根車がそのモータの駆動により3分の1回転して決められた色のボールを送り出し、引渡し口64から連結路65を経てボール投入機構71に引き渡され、ボール投入機構71によりターンテーブル12に投入される。
【0071】
ボール投入機構71は、連結路65から上方のターンテーブル機構11のガイドサークル16まで鉛直に延びるエレベータ装置72とガイドサークル16の内側にボール2を投入す投入シュート79からなる。
【0072】
図11に示すように、エレベータ装置72は、筒状ケース73内に、無端ベルト75が上下一対のプーリ74,74間に架渡されて設けられており、無端ベルト75の表面にはボールホルダ76が周方向に複数突設されている。
下側のプーリ74をモータ77により回転することにより無端ベルト75が回動し、下側のプーリ74の下方に送られてきたボール2をボールホルダ76が掬い上げて保持して上昇させる。
【0073】
そして、ボールホルダ76により上昇されるボール2は、最上昇位置のボールホルダ76が上側のプーリ74を廻り込む手前で投入片78に接して投入シュート79へ転がされ、所定の方向を向いて傾斜した投入シュート79を転がり落ちて、ガイドサークル16の内側の円周レーン16aに接線方向に接するように所定の速度で投入される。
【0074】
ガイドサークル16の円周レーン16aは、ターンテーブル12と同一の円錐面をなし、接線方向に投入されたボール2は、円周レーン16a上を円弧を描くように転動しつつ徐々に内側のターンテーブル12に近づき、ターンテーブル12に移り、今度はボール2とは逆方向に回転するターンテーブル12上を徐々に中心に近づきながら円弧を描くように旋回し、途中でいずれかのボールポケット13に入れば入賞であり、いずれのボールポケット13にも入らないときは、最終的に最下位置にある中心の外れ穴14に入ることになる。
【0075】
以上のビンゴ遊戯機1の制御系の概略ブロック図を図12に示す。
抽選装置10および8つのサテライト80の制御をコンピュータ100が、集中制御しており、CPU101がROM102に記憶されたプログラムに従ってRAM103を適宜利用して処理を行っている。
【0076】
CPU101は、入出力インタフェース104を介して抽選装置10におけるターンテーブル機構11,ボール回収機構31,ボール識別機構41,ボール選別機構51,投入ボール選択機構61,ボール投入機構71の赤外線センサ24,25およびアンテナ48からの検出信号を入力して処理し、モータ21,43,44,54,63,77、ソレノイド29、LED23などに駆動指示信号を出力する。
【0077】
また、8つのサテライト80は、それぞれ端末制御手段である端末機制御回路90を備え、コンピュータ100のCPU101と入出力インタフェース105を介して信号の入出力を行っている。
端末機制御回路90は、サテライト80の操作手段である操作ボタン82などのセンサの信号を入力し、メダル入力機構91、メダル払出機構92を駆動制御するとともに、画像処理手段93に画像指示信号を出力し、画像処理手段93により液晶ディスプレイ85にビンゴ表などの画像を表示させる。
【0078】
コンピュータ100は、抽選装置10と8つのサテライト80を集中管理しているので、抽選装置10の赤外線センサ24,25によるボールポケット13への入賞の入賞番号などは、サテライト80の液晶ディスプレイ85のビンゴ表86に反映させるとともに、この抽選状況を常に監視している。
【0079】
コンピュータ100は、各サテライト80の端末機制御回路90が当初作成したビンゴ表の情報(配列データ等)を受信して、全サテライト80のそれぞれのビンゴ表をRAM103に仮想的に構成させている。
なお、配列データとは、ビンゴ表に配列された各番号の位置を定めた位置情報である。
コンピュータ100は、ボールポケット13への入賞があるたびに赤外線センサ24,25からの検出信号を受け取り、入賞があったボールポケット13に予め定められた番号を判別し、判別した番号と全サテライトの各ビンゴ表の配列データ等に基づいて所定のアルゴリズムによってビンゴ表の抽選状況を判定する。
【0080】
すなわち、ビンゴ表における入賞番号の場所が一列に何個並んでいるかを算出することで抽選状況を監視している。
1列に5個並べば、ビンゴ(当選)であり、4個並んでいればビンゴが成立する1歩手前でリーチ状況にある。
【0081】
このコンピュータ100によるLED23の発光制御およびボール2の制御について図13のフローチャートに従って以下説明する。
各プレイヤがそれぞれサテライト80に向かい、メダルをメダル投入口83に投入して用意ができると、モータ21の駆動によりターンテーブル12が回転しゲームが開始する。
ゲームが開始すると(ステップ1)、投入ボールの色が初め緑色に指定される(ステップ2)。
【0082】
すると指定に従って投入ボール選択機構61における緑ボールストッカ55bに配置されたモータ56bを駆動して羽根車62bを3分の1回転し、緑ボールストッカ55bに待機している緑色のボール2を1個送り出すことで緑色のボール2が選択される(ステップ3)。
【0083】
選択された緑色のボール2は、ボール投入機構71に引き渡されるので、エレベータ装置72のモータ77の駆動により緑色のボール2はボールホルダ76により保持されて上昇し、投入片78により投入シュート79へ転がされ、投入シュート79によりターンテーブル12へ投入される(ステップ4)。
【0084】
投入された緑色のボール2は、ターンテーブル12上を転動して、いずれかのボールポケット13に入る(入賞)か、あるいは外れ穴14に入る(外れ)ことになるので、ステップ5では、ボールポケット13に投入された緑色のボール2が入ったか否か、すなわちボールの入賞があったか否かを赤外線センサ24,25により検出する。
【0085】
ターンテーブル12の各ボールポケット13に設けられた2つの赤外線センサ24,25により、ボール2がボールポケット13に入れば、これを確実に検出することができる。
ボールの入賞があればステップ6に進み、入賞がなく外れの場合はステップ2に戻り、再び投入ボールの色が緑色に指定され(ステップ2)、緑色ボールが選択され(ステップ3)、緑色ボールが投入され(ステップ4)、入賞検出があったか否かを判別する(ステップ5)。
【0086】
ステップ2,3,4,5は、ボールの入賞があるまで繰り返され、入賞があると、ステップ6に進み、入賞したボールポケット13の発光リング22の内部のLED23を緑色に発光させる。
すなわち緑色のボール2が入ったボールポケット13の内周縁の発光リング22を緑色に発光させ、緑色半透明のボール2がさらに緑に染まって緑色に輝く。
【0087】
そして、次ぎのステップ7において3つのボールが入賞したか否かが判別され、3つの緑色のボールが入賞するまでは、ステップ2に戻り、ステップ2,3,4,5,6,7を繰り返す。
【0088】
そして、3つの緑色のボールが入賞すると、ステップ8に進み、今度は投入ボールの色が黄色に指定される。
ステップ9では、指定に従ってモータ56cを駆動して羽根車62cを3分の1回転し、黄ボールストッカ55cに待機している黄色のボール2を1個送り出すことで黄色のボール2が選択される。
【0089】
選択された黄色のボール2は、ボール投入機構71によりターンテーブル12へ投入される(ステップ10)。
次のステップ11で、投入された黄色のボール2がボールポケット13に入って入賞したか否かを判別し、入賞しなかったときはステップ8に戻り、再び投入ボールの色が黄色に指定され(ステップ8)、黄色ボールが選択され(ステップ9)、黄色ボールが投入され(ステップ10)、入賞があったか否かを判別する(ステップ11)。
【0090】
ステップ8,9,10,11は、ボールの入賞があるまで繰り返され、入賞があると、ステップ12に進み、入賞したボールポケット13の発光リング22の内部のLED23を黄色に発光させる。
したがって、黄色のボール2が入ったボールポケット13の内周縁の発光リング22が黄色に発光して、黄色半透明のボール2がさらに黄に染まって黄色に輝く。
【0091】
1つの黄色のボールが入賞すると、次のステップ13に進み、投入ボールの色が赤色に指定される。
そしてステップ14では、指定に従ってモータ56aを駆動して羽根車62aを3分の1回転し、赤ボールストッカ55aに待機している赤色のボール2を1個送り出すことで赤色のボール2が選択される。
【0092】
選択された赤色のボール2は、ボール投入機構71によりターンテーブル12へ投入される(ステップ15)。
次のステップ16で、投入された赤色のボール2がボールポケット13に入って入賞したか否かを判別し、入賞しなかったときはステップ13に戻り、再び投入ボールの色が赤色に指定され(ステップ13)、赤色ボールが選択され(ステップ14)、赤色ボールが投入され(ステップ15)、入賞があったか否かを判別する(ステップ16)。
【0093】
ステップ13,14,15,16は、ボールの入賞があるまで繰り返され、入賞があると、ステップ17に進み、入賞したボールポケット13の発光リング22の内部のLED23を赤色に発光させる。
したがって、赤色のボール2が入ったボールポケット13の内周縁の発光リング22が赤色に発光して、赤色半透明のボール2がさらに赤に染まって赤色に輝く。
【0094】
こうして、3つの緑色のボール2と1つの黄色のボール2と1つの赤色のボール2が、それぞれいずれかのボールポケット13に入って入賞すると、入賞した5つのボールポケット13に対応する5つの番号が決定し、サテライト80ごとに決められ液晶ディスプレイ85に表示されたビンゴ表86によっては5つの入賞番号が一列に並んでビンゴが成立する(当選する)可能性がある。
あるサテライト80で、ビンゴが成立すると、別途同サテライト80のメダル払出口84にメダルの払い出しがあるか、クレジットに蓄積される。
【0095】
5つのボール2の入賞があった後は、ステップ18においてターンテーブル機構11の入賞したボール2をボールポケット13内に保持していた固定円板17のフラップ28をソレノイド29の駆動で開く。
フラップ28が開くことで、ターンテーブル12が1回転すると、ボールポケット13に入っていたボール2は扇形穴27から全てボール受箱32に落下して回収され、連結通路33を介してボール識別機構41に案内される。
【0096】
そしてステップ19で、ボール識別機構41のRFIDシステムにより回収されたボール2を1個ずつ識別する。
アンテナ48とボール2内のICタグ3の互いに直交する3つのコイルとの間で交信が良好であると、ICタグ3の識別情報の読取りが成功するが、交信が良好でないと識別情報の読取りに失敗する。
【0097】
この識別情報の読取りに成功したか否かをステップ20で判断し、失敗したときは、ステップ21に飛んで、ボール識別機構41の下流側回転円板46をいくらか回動して接しているボール2を停止位置で回動させICタグ3の姿勢を変え、ステップ19に戻り、再びボールの識別が行われる。
【0098】
こうして、ボールの識別が確実になされ、識別情報(ここではボールの色情報)の読取りに成功すると、ステップ22に進み、ボール選別機構51の振分けシュート53により色ごとにボール2を、赤ボールストッカ55a,緑ボールストッカ55b,黄ボールストッカ55cに振分け待機させる。
【0099】
次のステップ23では回収したボール2が全て選別されたか否かを判断して、まだ選別されていない回収ボールがあるときは、ステップ19に戻り、ボール2の識別および選別を繰返し、全て選別し終わると、ステップ24に進み、ターンテーブル機構11のフラップ28を閉じて次回のゲームに備え、ステップ25に進む。
ステップ25では、ゲームオーバか否かを判断して、ゲームオーバでなければ、ステップ2に戻り、次回のゲームに入り、ゲームオーバであればゲームを終了する。
【0100】
以上のように、本ビンゴ遊戯機1の抽選装置10は、3色に色別された半透明のボール2が、ボールポケット13に入ると、入ったボールの色と同じ色でボールの周囲が発光して輝き、プレイヤへの演出効果が大きく、抽選の状況に応じて最も効果的に発光リング22を発光させてボールポケット13自らのビンゴゲーム上の役割をプレイヤにアピールしゲームに熱中させることができる。
なお、投入ボールの順番は、緑色,黄色,赤色の順に限定されるものではない。
【0101】
本ビンゴ遊戯機1は、コンピュータ100が上記とはまた別のボールポケット13の内周縁に設けられた発光リング22(LED23)のリーチ発光制御を行っており、その制御手順を図14のフローチャートに示し説明する。
【0102】
まず、ステップ31でボールの入賞を検出したか、すなわちボールがボールポケット13に入ったか否かを判別し、入賞していなければステップ34に飛び、入賞していればステップ32に進み、その入賞番号(ボールが入ったボールポケットに対応して付された1〜25のうちのいずれかの番号)を読取る。
【0103】
次のステップ33では、読取った入賞番号に基づいて各サテライト80のビンゴ表86を更新する。
コンピュータ100は、全てのサテライト80の抽選状況(各サテライト80のビンゴ表86の進行状態)を監視しており、リーチ状況(いずれかのサテライト80のビンゴ表86がある番号が入賞するとビンゴが成立する状況)にあるか否かをステップ34で判別している。
すなわち、リーチ状況では、ビンゴを成立させる入賞番号(ビンゴ番号と称する)に対応する特定のボールポケット13にボール2が入るとビンゴが成立する。
【0104】
ステップ34でリーチ状況にあると判別され、ステップ35に進むと、ビンゴ番号に対応するボールポケット13の発光リング22の内部のLED23が選定されて、当該LED23を発光させる。
このとき、リーチ状況を作ったサテライト80に特有の色が決定され、当該色にLED23を発光させる。
【0105】
サテライト80に特有の色とは、サテライトごとに決められた色で、サテライト80を容易に特定できる色が好ましい。
本ビンゴ遊戯機1は、ターンテーブル機構11の周りの8つのサテライト80が、互いに異なる色で彩色されているので、各サテライト80の特有の色は、その彩色された色としている。
【0106】
実際には、各サテライト80にそれぞれ対応させてその彩色された色情報をROM102が予め記憶しており、抽選状況を監視するコンピュータ100が、あるサテライト80についてリーチ状況を見出すと、リーチ状況を作った該サテライト80に対応する色情報をROM102から選択して当該色にLED23を発光させる。
【0107】
したがって、本ビンゴ遊戯機1は、リーチ状況では、ターンテーブル12のビンゴ番号に対応するボールポケット13の発光リング22が、リーチ状況にあるサテライト80の色に発光する。
【0108】
よって、プレイヤは、ボール2の入っていないボールポケット13が発光することで、いずれかのサテライト80がリーチ状況にあること、発光しているボールポケット13にボール2が入るとビンゴが成立することを知ることができる。
さらに、その発光している色によってどのサテライト80がリーチ状況にあるかを知ることができる。
【0109】
リーチ状況にあるサテライト80でプレイしているプレイヤにとっては、自らのサテライト80の色で発光するボールポケット13を見て、ビンゴが成立するボールポケット13の場所を確認し、ボール2が同ボールポケット13に入るか否かを注目してプレイすることになり、益々熱中することができる。
【0110】
こうして、リーチ状況にあるときは、ステップ35で特定のボールポケット13を発光させて、ステップ36に進み、ビンゴが成立したか否かを判別する。
なお、ステップ34でリーチ状況にないと判別されたときは、ステップ36に飛び、ビンゴが成立したか否かを判別する。
【0111】
ビンゴが成立していないときは、ステップ31に戻り、ビンゴが成立すればステップ37に飛んで、全てのボールポケット13を点滅発光させて終了する。
【0112】
以上の実施の形態では、ターンテーブル12の25個のボールポケット13には、それぞれ近傍に1〜25の番号がランダムに付されていたが、図15に図示するように、発光リング121を内周縁に備えるボールポケット120の近傍に液晶表示部122を設け、番号だけでなく文字や図形などの画像を表示できるようにしてもよい。
【0113】
その場合、コンピュータ100は、表示画像生成手段と画像制御手段とを備え、同画像制御手段が、同表示画像生成手段により生成された表示画像を液晶表示部122に表示する。
なお、同表示画像生成手段により生成された表示画像は、予め記憶手段(ROM)に格納された複数の画像データから選択してもよいし、所定のアルゴリズムによって生成してもよい。
【0114】
通常は、番号を表示しているが、リーチ状況となったときは、図15に示すように液晶表示部122に「ビンゴ」と文字が表示されるように制御することができる。
なお、液晶表示のほか微小LEDを多数マトリクス状に配列したLEDドットマトリクス表示としてもよい。
また、前記発光リング22およびLED23の代わりにLEDドットマトリクス表示を、ボールポケットの内周縁に設けてもよい。
【0115】
また、本実施の形態のボール識別機構41は、RFIDシステムを用い、ボール2に内臓されるICタグ3がボールの色情報を記録しているので、ボールの色のみを識別していたが、その他ボールの特徴(例えばボールの大小など)を記録させておくことで、種々の識別が可能である。
【0116】
さらには、ボールの特徴ではなくボールの外見に関係なく、単に自己のボールを他のボールとを区別することもできる。
【0117】
このようにボールを識別できるので、抽選に使用するボールの中にラッキーボールを混ぜておき、ラッキーボールと識別されたボールがターンテーブルに投入され、いずれかのボールポケット120に入ったとき、ラッキーボールが入ったボールポケット120に対応する番号とともにその前後の番号も入賞したものとして処理し、そのとき入賞番号に対応するボールポケット120の液晶表示部122に「ボーナス」などの表示を行うように制御してもよい。
【0118】
本実施の形態では、コンピュータ100は、全サテライト80のそれぞれの仮想ビンゴ表をRAM103に構成して抽選状況を集中的に監視していたが、各サテライト80の端末機制御回路90が、ビンゴ表の情報(配列データ等)を生成するとともに、ボールポケット13への入賞があるたびに、コンピュータ100から入賞したボールポケット13に定められた番号情報を受け取り、その番号情報とサテライトのビンゴ表の配列データ等に基づいて所定のアルゴリズムによってビンゴ表の抽選状況を判定するようにしてもよい。
【0119】
サテライト80の端末機制御回路90が、ビンゴ表の抽選状況がリーチ状況であると判定した場合、ビンゴ表におけるリーチ状況を構成した列の未だ入賞していない場所に割り振られた番号(ビンゴ番号)を配列データに基づいて決定し、同ビンゴ番号をコンピュータ100に送信する。
ビンゴ番号を受信したコンピュータ100は、そのビンゴ番号を送信したサテライト80に決められた色をROM102に格納された色情報に基づいて特定し、ターンテーブル12のビンゴ番号に対応するボールポケット13の発光リング22をリーチ状況にあるサテライト80に特有の色に発光させる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の一実施の形態に係るビンゴ遊戯機の全体見取図である。
【図2】抽選装置の全体の構成図である。
【図3】ボールの構造を示す斜視図である。
【図4】ターンテーブル機構の分解斜視図である。
【図5】発光リングの構造を示す平面図である。
【図6】赤外線センサの構成を示す説明図である。
【図7】ボール識別機構の斜視図である。
【図8】同一部省略した側面図である。
【図9】ボールストッカおよびその周辺のボール選別機構および投入ボール選択機構の平面図である。
【図10】投入ボール選択機構の一部省略した側面図である。
【図11】ボール投入機構の構造を示す断面図である。
【図12】本ビンゴ遊戯機の制御系の概略ブロック図である。
【図13】発光制御およびボールの制御の制御手順を示すフローチャートである。
【図14】リーチ発光制御の制御手順を示すフローチャートである。
【図15】別の実施の形態のターンテーブルの一部ボールポケットおよびその周辺の平面図である。
【符号の説明】
【0121】
1…ビンゴ遊戯機、2…ボール、3…ICタグ、4…反射シール、
10…抽選装置、
11…ターンテーブル機構、12…ターンテーブル、13…ボールポケット、14…外れ穴、
15…透明板、16…ガイドサークル、17…固定円板、18…ローラ、19…アイドルローラ、20…ドライブローラ、21…モータ、22…発光リング、23…LED、24,25…赤外線センサ、26…円穴、27…扇形穴、28…フラップ、29…ソレノイド、
31…ボール回収機構、32…ボール受箱、33…連結通路、
41…ボール識別機構、42…フレーム、43,44…モータ、45,46…回転円板、47…案内路、48…アンテナ、
51…ボール選別機構、52…ボール振分け装置、53…振分けシュート、54…モータ、55…ボールストッカ、56…底板、57…側板、58…仕切板、
61…投入ボール選択機構、62a…羽根車、63a…モータ、64…引渡し口、65…連結路、
71…ボール投入機構、72…エレベータ装置、73…筒状ケース、74…プーリ、75…無端ベルト、76…ボールホルダ、77…モータ、78…投入片、79…投入シュート、
80…サテライト、81…操作卓、82…操作ボタン、83…メダル投入口、84…メダル払出口、85…液晶ディスプレイ、86…ビンゴ表、90…端末機制御回路、91…メダル入力機構、92…メダル払出機構、93…画像処理手段、
100…コンピュータ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104,105…入出力インタフェース、
120…ボールポケット、121…発光リング、122…液晶表示部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、
前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、
前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段と、
ボールの種類を識別するボール識別機構と、
記憶部に記憶された前記抽選装置に関する制御プログラムに基づいて制御を行う制御手段と備え、
前記制御手段は、
前記ボール識別機構により識別されたボールの種類に応じて前記発光手段が発光する色を前記プログラムに基づいて決定するステップと、
前記テーブル上を転動するボールがいずれかの穴部に入ると、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記ボール検出手段からの検出信号を受け取り、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記発光手段を前記決定した色で発光させるステップとを実行することを特徴とする抽選装置。
【請求項2】
複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、
前記テーブルにボールを投入するボール投入機構と、
前記テーブルの穴部に入ったボールを回収するボール回収機構と、
前記ボール回収機構により回収されたボールの種類を識別するボール識別機構と、
前記ボール識別手段により識別されたボールを種類別に振分けて待機させるボール選別機構と、
前記ボール選別機構により種類別に待機されたボールを選択的に前記ボール投入機構に引き渡す投入ボール選択機構と、
前記テーブルの穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、
前記テーブルの穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段と、
記憶部に記憶された前記抽選装置に関する制御プログラムに基づいて制御を行う制御手段と備え、
前記制御手段は、
前記ボール識別手段により識別されたボールの種類に応じて前記発光手段が発光する色を前記プログラムに基づいて決定するステップと、
前記投入ボール選択機構を駆動して、前記決定した色に応じた種類のボールを、前記ボール選別機構により種類別に待機させられたボールの中から選択し、前記ボール投入機構に引き渡すステップと、
前記ボール投入機構を駆動して、前記引き渡されたボールを前記テーブルに投入するステップと、
前記テーブル上に投入されたボールが転動していずれかの穴部に入ると、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記ボール検出手段からの検出信号を受け取り、ボールが入った前記穴部に対応して設けられた前記発光手段を前記決定した色で発光させるステップとを実行することを特徴とする抽選装置。
【請求項3】
前記ボールは、
ボールの種類を決定する識別情報が記録され電磁誘導を利用して信号の送受信が可能なICタグが内蔵され、
前記ボール識別手段は、
近傍に位置する前記ボールのICタグとの間で信号の送受信を行うアンテナと、
該アンテナにより受信した識別情報からボールの種類を解読する解読手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の抽選装置。
【請求項4】
前記ボール識別機構は、
前記ボールが転動する傾斜した通路に沿って前記アンテナが設けられ、
前記通路を転動する前記ボールを前記アンテナの近傍に一時停止させ、停止した前記ボールを回動可能なストッパと、
前記ストッパを駆動するストッパ駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の抽選装置。
【請求項5】
前記ストッパは、
前記ボールを遊嵌して移動可能な欠損部が一部に形成された回転円板であり、
前記ストッパ駆動手段は、
前記回転円板の回転軸を中心に回転可能に構成されたことを特徴とする請求項4記載の抽選装置。
【請求項6】
前記ボールは、
透明部材または半透明部材により形成され、
内部中央に不透明部材が内蔵されており、
前記ボール検出手段は、
前記穴部を横切る赤外線により前記ボールが前記穴部に存在するか否かを検出する赤外線センサであり、
前記穴部を横切る赤外線の方向が互いに異なる向きになるように前記赤外線センサを2つ以上配置したことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか記載の抽選装置。
【請求項7】
複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、
前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、
前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられた発光手段と、
前記ボール検出手段の検出結果に基づき抽選状況を監視する抽選状況監視手段と、
特定の抽選状況に基づき発光させる発光手段を選定する発光手段選定手段と、
特定の抽選状況に基づき発光させる色を決定する発光色決定手段と、
前記抽選状況監視手段により見出された特定の抽選状況時に、該特定の抽選状況に基づき前記発光手段選定手段が選定した発光手段を前記発光色決定手段が決定した色で発光させる発光制御手段と、
を備えたことを特徴とする抽選装置。
【請求項8】
複数のプレイヤが同時に参加して抽選結果に基づいてゲームを行う複数の抽選ゲーム端末装置を備え、
前記抽選状況監視手段は、
前記ボール検出手段の検出結果に基づき前記抽選ゲーム端末装置ごとの抽選状況を監視し、
前記発光色決定手段は、
前記各抽選ゲーム端末装置にそれぞれ特有の色を予め設定しており、
特定の抽選状況となった前記抽選ゲーム端末装置に対応する予め設定しておいた特有の色を決定することを特徴とする請求項7記載の抽選装置。
【請求項9】
前記特定の抽選状況は、
特定の穴部にボールが入ると当選となる抽選状況であり、
前記発光手段選定手段は、
特定の抽選状況に基づく特定の穴部に対応する発光手段を選定することを特徴とする請求項7または請求項8記載の抽選装置。
【請求項10】
複数の穴部が形成されたテーブルの上を転動するボールがいずれかの穴部に入ることにより抽選を行う抽選装置において、
前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられボールが入ったことを検出するボール検出手段と、
前記複数の穴部のそれぞれに対応して設けられ、文字,図形などの画像を表示する表示手段と、
前記ボール検出手段の検出結果に基づき抽選状況を監視する抽選状況監視手段と、
特定の抽選状況に基づき表示させる表示手段を選定する表示手段選定手段と、
特定の抽選状況に基づき表示させる画像を決定する表示画像決定手段と、
前記抽選状況監視手段により見出された特定の抽選状況時に、該特定の抽選状況に基づき前記表示手段選定手段が選定した表示手段に前記表示画像決定手段が決定した画像を表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする抽選装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−68161(P2006−68161A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253448(P2004−253448)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)