拇指関節のリハビリ用具
【課題】 神経障害や脳梗塞などで手指の運動能力を欠損した患者の拇指関節のリハビリ用具を提供することを目的とする。
【解決手段】 各々独立した弾性材からなる複数の袋体群と、前記袋体群を載置する保持部と、該保持部と一体に設けられた使用者の掌を保持または支持する載置部とにより構成され、前記袋体群を前記保持部に連環状に載置し、使用者が前記連環状の袋体群の中心部に拇指を挿入し前記載置部にて使用者の掌を保持または支持した状態で、前記袋体群に選択的に気体もしくは流体を注入・排気をすることにより挿入された拇指を任意の方向に受動的な動きを作り出すことにより、拇指の関節を任意の方向に受動的な動きを作り出すことを特徴とする。
【解決手段】 各々独立した弾性材からなる複数の袋体群と、前記袋体群を載置する保持部と、該保持部と一体に設けられた使用者の掌を保持または支持する載置部とにより構成され、前記袋体群を前記保持部に連環状に載置し、使用者が前記連環状の袋体群の中心部に拇指を挿入し前記載置部にて使用者の掌を保持または支持した状態で、前記袋体群に選択的に気体もしくは流体を注入・排気をすることにより挿入された拇指を任意の方向に受動的な動きを作り出すことにより、拇指の関節を任意の方向に受動的な動きを作り出すことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受動的に屈曲運動を行う拇指関節のリハビリ用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来手指、手首、肘などの関節の開閉屈伸を目的としたトレーニングに用いる方法としてはスプリングの作用や錘などを利用した形態の用具や、空気袋を使用したものが知られている。(特許文献1)(特許文献2)(特許文献3)
【先行技術文献】
【0003】
このように、本発明に関連する公知技術文献として、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3がある。
【特許文献1】特公平4−14028号公報
【特許文献2】特開2003−235915号公報
【特許文献3】特開2006−294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では負荷量が一定であり、リハビリ患者の治癒度に応じてその負荷量を可変する事が出来ず、また構造部品に対して強度が要求され、小型軽量で取り扱いの簡便な物ではない
【0005】
特許文献2、特許文献3の方法では拇指以外の4指の一方向のみのリハビリ動作に対しては有効で有ったが、リハビリ運動として特に重要で全方向に複雑な可動を要求される拇指の関節に対するリハビリ機器としては不十分な物である。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は気体または流体を注入する袋を用いた機器で特別な機構を用いることなく、複雑な拇指関節のリハビリ運動を使用者が一人で簡便に行える訓練機を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に関わる発明は、各々独立した弾性材からなる複数の袋体群と、前記袋体群を載置する保持部と、該保持部と一体に設けられた使用者の掌を保持または指示する載置部とにより構成され、前記袋体群を前記保持部に連環状に載置し、使用者が前記連環状の袋体群の中心部に拇指を挿入し前記載置部にて使用者の掌を保持または支持した状態で、前記袋体群に選択的に気体もしくは流体を注入・排気をすることにより挿入された拇指を任意の方向に受動的な動きを作り出すことにより、拇指の関節を任意の方向に受動的な動きを作り出すことを特徴とした拇指関節のリハビリ用具である。
【0008】
請求項2に係る発明は、支持部が使用者の掌または手首または下腕部を貫挿して固定可能な固定部を有することを特徴とした請求項1に記載の拇指関節のリハビリ用具である。
【0009】
請求項3に係る発明は、袋体群が内部を複数の隔壁により分割され、各々独立した部屋を有した一体の弾性体により構成された袋体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拇指関節のリハビリ用具である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および請求項3に係る発明によれば、以下の作用効果が得られる。まず、袋体群または袋体の中心部に拇指を挿入し、袋体群または袋体の部屋の全てに均一に圧力の気体もしくは流体を注入する事により、挿入した拇指は袋体群または袋の膨張により全周から均一な圧力が加えられ保持部の中心部近傍に安定して保持される。
【0011】
その状態で挿入された拇指を挟んで対向する袋体群または袋体に対して気体または流体の増入または排出を行いその内部圧力を増圧または減圧することにより、拇指は圧力が相対的に強い袋体から低い袋体の方向に付勢されて保持部の中心部に対して相対的に移動することになる。
【0012】
掌は保持部に一体に設けられた載置部上に保持されているため、拇指は掌に対して相対的に移動されることになる。これによりこの拇指の動きに準じて拇指の全関節も同様に掌に対して動作を付与されることになる。
【0013】
複数の連環状の袋体群または袋体の部屋への気体または流体の注入/増入・排気/減出を順次選択的に行うことにより、拇指の全関節はその可動域の全方向に対して屈曲運動を行うことが可能となり神経障害や脳梗塞などで手指の自動的な運動能力を欠損した患者に対してリハビリ運動として非常に有効な訓練動作を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、機器本体は使用者の掌または手首または下腕部を貫挿して固定可能な固定部を有するので、本リハビリ機を使用者が装着することが可能であり、場所を選ばずにリハビリ患者に対して有効な訓練動作を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本実施に係る拇指関節のリハビリ用具の第一の実施例の斜視図である。
【図2】 本第一の実施例の使用時の斜視図である。
【図3】 本第一の実施例の部分断面図である。
【図4】 本第一の実施例の部分側面図である。
【図5】 図4の部分側面図の付圧部材(4)の部屋(4d)の気圧を増圧し、部屋(4b)を減圧した状態図である。
【図6】 部屋(4a)を増圧し、部屋(4c)を減圧した状態図である。
【図7】 部屋(4b)を増圧し、部屋(4d)を減圧した状態図である。
【図8】 部屋(4c)を増圧し、部屋(4a)を減圧した状態図である。
【図9】 本実施例に使用する袋体の斜視図である。
【図10】 本実施に係る拇指関節のリハビリ用具の他の第二の実施例の斜視図
【図11】 実第二の施例図10の使用時の斜視図である。
【発明を実施するための最形態】
【実施例】
【0016】
本拇指関節のリハビリ用具は、神経障害や脳梗塞などで手指の運動能力を欠損した患者の拇指を弾性材より構成された環状に配置された袋体群の中心部に挿入し、この袋体群に対して気体または流体を注入・排出することにより使用者の拇指関節の全可動域に対して優しく受動的な動作を付与ことを主目的にする、利便性の良い拇指関節のリハビリ用具の一種である。以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は本実施に係る拇指関節のリハビリ機器の一部の概要を示す第一の実施例の機器本体の斜視図で、図2はその機器に患者の右手を載置した状態の斜視図である。
【0018】
図3は図1の拇指の筒部(3)の断面図、図4は筒部(3)の拇指挿入部(6)の拇指挿入方向から見た図である。
【0019】
(1)は機構本体で、底部が机またはテーブルなどの平板上の机体上に載置して使用される拇指関節のリハビリ機で、拇指を挿入する挿入部(2)を有する略筒状の筒部(3)と、筒部(3)内に環状に配された4個の独立した袋状の部屋(4a)(4b)(4c)(4d)を有する付圧部材(4)と、前記4個の独立した部屋(4a)(4b)(4c)(4d)に気体を注入・排出する4個の独立した空気管(図示せず)と、前記4個の空気管に個々に連結する複数の送風手段(図示せず)と、前記空気管から分岐し前記複数の送風機と並列する排気用の複数の電磁弁(図示せず)と、送風手段と電磁弁を電気的にコントロールする制御部(図示せず)を有する。
【0020】
機器本体(1)にはさらに筒部(3)の近傍に使用者の掌(7)を安定した状態で載置する載置部(5)が一体に設けられ、使用者は挿入部(2)内に環状に配された付圧部材(4)の中心部の拇指挿入部(6)に対して拇指(8)を挿入した状態で掌を載置部(5)に安定的に載置することが可能となる。
【0021】
この状態で、図5に示すように部屋(4d)の気圧を増圧し、同時に拇指(8)を挟んで対向する部屋(4b)の気圧を減圧すると、拇指挿入部(6)は部屋(4d)の圧力により部屋(4b)側に付圧されて移動することになる。
【0022】
部屋(4a)(4c)を部屋(4d)と部屋(4b)の中間気圧に制御することで更に拇指挿入部(6)の移動量は大きくすることができる。
【0023】
部屋(4a)(4b)(4c)(4d)の気圧の関係を相対的に上記の状態に保持しながら、制御部により送風部と電磁弁を制御して、4個の袋体を個別に膨張・収縮させることにより、拇指挿入部(6)を筒部(3)の中心から任意の方向に偏芯した動作をさせることができる。
【0024】
図6は部屋(4a)の気圧を増圧し、部屋(4c)の気圧を減圧した状態を示し、図7は部屋(4b)の気圧を増圧し、部屋(4d)の気圧を減圧した状態を示し、図8は部屋(4c)の気圧を増圧し、部屋(4a)の気圧を減圧した状態を示す。
【0025】
拇指挿入部(6)に挿入された拇指(8)は上述の制御により拇指挿入部(6)の任意の方向に偏芯した動作により同様に任意の方向に偏芯運動を付与されることになる。
【0026】
他方、掌(7)は筒部(3)の近傍に一体に設けられた載置部(5)に安定的に載置することにより、掌に(7)に対して拇指(8)は相対的に可動することになる。
【0027】
図9は付圧部材(4)、(4‘)の斜視図であり弾性部材よりなる2枚のシート(21)と(22)により構成され、外周(17)および中間位置(18)、(19)、(20)おいてウェルだーなどで溶着され、各々4個の機密性のある独立した部屋(4a),(4b),(4c),(4d)を構成している。部屋(4a)、(4b)、(4c),(4d)には各々気体の注入・排気用の空気管(図示せず)を具備している。
【0028】
図10および図11は本機器を使用者が装着可能な拇指関節のリハビリ用具を提供することを目的としたものである。
【0029】
図9中、拇指関節リハビリ用具(1‘)の筒部(3‘)と載置部(5’)は一体に成型され、筒部(3‘)内の挿入部(2’)内には環状に配された4個の袋体からなる付圧部材(4’)を有する。
【0030】
載置部(5‘)の上面(9)には掌(7)と手首(14)を保持固定する為の固定部材(10)、(11)が固定部(15)、(16)にて取り付けられ、固定部材(10)、(11)は一端に略四角上の金属製のフック(12)、(13)を有し、他端にはフック(12)、(13)で折り返され互いに噛合するマジックテープ(図示せず)とを具備している。
【0031】
図11に示すように、拇指関節リハビリ用具(1‘)の上面(9)上に掌(7)を載置して、固固定部材(10)、(11)により掌(7)を載置部(5‘)に固定し、拇指挿入部(6’)に拇指(8)挿入し、上述の制御方法と同様な制御を行い、付圧部材(4‘)を制御することにより、上述同様に掌(7)に対して拇指(8)を相対的に可動することが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1、1‘ 拇指関節のリハビリ用具本体
2 挿入部
3、3‘ 筒部
4、4‘ 付圧部材
4a、4b、4c、4d 空気袋
5、5‘ 掌の載置部
6、6‘ 拇指挿入部
9 掌を載置する上面
10、11 固定部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、受動的に屈曲運動を行う拇指関節のリハビリ用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来手指、手首、肘などの関節の開閉屈伸を目的としたトレーニングに用いる方法としてはスプリングの作用や錘などを利用した形態の用具や、空気袋を使用したものが知られている。(特許文献1)(特許文献2)(特許文献3)
【先行技術文献】
【0003】
このように、本発明に関連する公知技術文献として、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3がある。
【特許文献1】特公平4−14028号公報
【特許文献2】特開2003−235915号公報
【特許文献3】特開2006−294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では負荷量が一定であり、リハビリ患者の治癒度に応じてその負荷量を可変する事が出来ず、また構造部品に対して強度が要求され、小型軽量で取り扱いの簡便な物ではない
【0005】
特許文献2、特許文献3の方法では拇指以外の4指の一方向のみのリハビリ動作に対しては有効で有ったが、リハビリ運動として特に重要で全方向に複雑な可動を要求される拇指の関節に対するリハビリ機器としては不十分な物である。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は気体または流体を注入する袋を用いた機器で特別な機構を用いることなく、複雑な拇指関節のリハビリ運動を使用者が一人で簡便に行える訓練機を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に関わる発明は、各々独立した弾性材からなる複数の袋体群と、前記袋体群を載置する保持部と、該保持部と一体に設けられた使用者の掌を保持または指示する載置部とにより構成され、前記袋体群を前記保持部に連環状に載置し、使用者が前記連環状の袋体群の中心部に拇指を挿入し前記載置部にて使用者の掌を保持または支持した状態で、前記袋体群に選択的に気体もしくは流体を注入・排気をすることにより挿入された拇指を任意の方向に受動的な動きを作り出すことにより、拇指の関節を任意の方向に受動的な動きを作り出すことを特徴とした拇指関節のリハビリ用具である。
【0008】
請求項2に係る発明は、支持部が使用者の掌または手首または下腕部を貫挿して固定可能な固定部を有することを特徴とした請求項1に記載の拇指関節のリハビリ用具である。
【0009】
請求項3に係る発明は、袋体群が内部を複数の隔壁により分割され、各々独立した部屋を有した一体の弾性体により構成された袋体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拇指関節のリハビリ用具である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および請求項3に係る発明によれば、以下の作用効果が得られる。まず、袋体群または袋体の中心部に拇指を挿入し、袋体群または袋体の部屋の全てに均一に圧力の気体もしくは流体を注入する事により、挿入した拇指は袋体群または袋の膨張により全周から均一な圧力が加えられ保持部の中心部近傍に安定して保持される。
【0011】
その状態で挿入された拇指を挟んで対向する袋体群または袋体に対して気体または流体の増入または排出を行いその内部圧力を増圧または減圧することにより、拇指は圧力が相対的に強い袋体から低い袋体の方向に付勢されて保持部の中心部に対して相対的に移動することになる。
【0012】
掌は保持部に一体に設けられた載置部上に保持されているため、拇指は掌に対して相対的に移動されることになる。これによりこの拇指の動きに準じて拇指の全関節も同様に掌に対して動作を付与されることになる。
【0013】
複数の連環状の袋体群または袋体の部屋への気体または流体の注入/増入・排気/減出を順次選択的に行うことにより、拇指の全関節はその可動域の全方向に対して屈曲運動を行うことが可能となり神経障害や脳梗塞などで手指の自動的な運動能力を欠損した患者に対してリハビリ運動として非常に有効な訓練動作を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、機器本体は使用者の掌または手首または下腕部を貫挿して固定可能な固定部を有するので、本リハビリ機を使用者が装着することが可能であり、場所を選ばずにリハビリ患者に対して有効な訓練動作を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本実施に係る拇指関節のリハビリ用具の第一の実施例の斜視図である。
【図2】 本第一の実施例の使用時の斜視図である。
【図3】 本第一の実施例の部分断面図である。
【図4】 本第一の実施例の部分側面図である。
【図5】 図4の部分側面図の付圧部材(4)の部屋(4d)の気圧を増圧し、部屋(4b)を減圧した状態図である。
【図6】 部屋(4a)を増圧し、部屋(4c)を減圧した状態図である。
【図7】 部屋(4b)を増圧し、部屋(4d)を減圧した状態図である。
【図8】 部屋(4c)を増圧し、部屋(4a)を減圧した状態図である。
【図9】 本実施例に使用する袋体の斜視図である。
【図10】 本実施に係る拇指関節のリハビリ用具の他の第二の実施例の斜視図
【図11】 実第二の施例図10の使用時の斜視図である。
【発明を実施するための最形態】
【実施例】
【0016】
本拇指関節のリハビリ用具は、神経障害や脳梗塞などで手指の運動能力を欠損した患者の拇指を弾性材より構成された環状に配置された袋体群の中心部に挿入し、この袋体群に対して気体または流体を注入・排出することにより使用者の拇指関節の全可動域に対して優しく受動的な動作を付与ことを主目的にする、利便性の良い拇指関節のリハビリ用具の一種である。以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は本実施に係る拇指関節のリハビリ機器の一部の概要を示す第一の実施例の機器本体の斜視図で、図2はその機器に患者の右手を載置した状態の斜視図である。
【0018】
図3は図1の拇指の筒部(3)の断面図、図4は筒部(3)の拇指挿入部(6)の拇指挿入方向から見た図である。
【0019】
(1)は機構本体で、底部が机またはテーブルなどの平板上の机体上に載置して使用される拇指関節のリハビリ機で、拇指を挿入する挿入部(2)を有する略筒状の筒部(3)と、筒部(3)内に環状に配された4個の独立した袋状の部屋(4a)(4b)(4c)(4d)を有する付圧部材(4)と、前記4個の独立した部屋(4a)(4b)(4c)(4d)に気体を注入・排出する4個の独立した空気管(図示せず)と、前記4個の空気管に個々に連結する複数の送風手段(図示せず)と、前記空気管から分岐し前記複数の送風機と並列する排気用の複数の電磁弁(図示せず)と、送風手段と電磁弁を電気的にコントロールする制御部(図示せず)を有する。
【0020】
機器本体(1)にはさらに筒部(3)の近傍に使用者の掌(7)を安定した状態で載置する載置部(5)が一体に設けられ、使用者は挿入部(2)内に環状に配された付圧部材(4)の中心部の拇指挿入部(6)に対して拇指(8)を挿入した状態で掌を載置部(5)に安定的に載置することが可能となる。
【0021】
この状態で、図5に示すように部屋(4d)の気圧を増圧し、同時に拇指(8)を挟んで対向する部屋(4b)の気圧を減圧すると、拇指挿入部(6)は部屋(4d)の圧力により部屋(4b)側に付圧されて移動することになる。
【0022】
部屋(4a)(4c)を部屋(4d)と部屋(4b)の中間気圧に制御することで更に拇指挿入部(6)の移動量は大きくすることができる。
【0023】
部屋(4a)(4b)(4c)(4d)の気圧の関係を相対的に上記の状態に保持しながら、制御部により送風部と電磁弁を制御して、4個の袋体を個別に膨張・収縮させることにより、拇指挿入部(6)を筒部(3)の中心から任意の方向に偏芯した動作をさせることができる。
【0024】
図6は部屋(4a)の気圧を増圧し、部屋(4c)の気圧を減圧した状態を示し、図7は部屋(4b)の気圧を増圧し、部屋(4d)の気圧を減圧した状態を示し、図8は部屋(4c)の気圧を増圧し、部屋(4a)の気圧を減圧した状態を示す。
【0025】
拇指挿入部(6)に挿入された拇指(8)は上述の制御により拇指挿入部(6)の任意の方向に偏芯した動作により同様に任意の方向に偏芯運動を付与されることになる。
【0026】
他方、掌(7)は筒部(3)の近傍に一体に設けられた載置部(5)に安定的に載置することにより、掌に(7)に対して拇指(8)は相対的に可動することになる。
【0027】
図9は付圧部材(4)、(4‘)の斜視図であり弾性部材よりなる2枚のシート(21)と(22)により構成され、外周(17)および中間位置(18)、(19)、(20)おいてウェルだーなどで溶着され、各々4個の機密性のある独立した部屋(4a),(4b),(4c),(4d)を構成している。部屋(4a)、(4b)、(4c),(4d)には各々気体の注入・排気用の空気管(図示せず)を具備している。
【0028】
図10および図11は本機器を使用者が装着可能な拇指関節のリハビリ用具を提供することを目的としたものである。
【0029】
図9中、拇指関節リハビリ用具(1‘)の筒部(3‘)と載置部(5’)は一体に成型され、筒部(3‘)内の挿入部(2’)内には環状に配された4個の袋体からなる付圧部材(4’)を有する。
【0030】
載置部(5‘)の上面(9)には掌(7)と手首(14)を保持固定する為の固定部材(10)、(11)が固定部(15)、(16)にて取り付けられ、固定部材(10)、(11)は一端に略四角上の金属製のフック(12)、(13)を有し、他端にはフック(12)、(13)で折り返され互いに噛合するマジックテープ(図示せず)とを具備している。
【0031】
図11に示すように、拇指関節リハビリ用具(1‘)の上面(9)上に掌(7)を載置して、固固定部材(10)、(11)により掌(7)を載置部(5‘)に固定し、拇指挿入部(6’)に拇指(8)挿入し、上述の制御方法と同様な制御を行い、付圧部材(4‘)を制御することにより、上述同様に掌(7)に対して拇指(8)を相対的に可動することが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1、1‘ 拇指関節のリハビリ用具本体
2 挿入部
3、3‘ 筒部
4、4‘ 付圧部材
4a、4b、4c、4d 空気袋
5、5‘ 掌の載置部
6、6‘ 拇指挿入部
9 掌を載置する上面
10、11 固定部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々独立した弾性材からなる複数の袋体群と、前記袋体群を載置する保持部と、該保持部と一体に設けられた使用者の掌を保持または支持する載置部とにより構成され、前記袋体群を前記保持部に連環状に載置し、使用者が前記連環状の袋体群の中心部に拇指を挿入し前記載置部にて使用者の掌を保持または支持した状態で、前記袋体群に選択的に気体もしくは流体を注入・排気をすることにより挿入された拇指を任意の方向に受動的な動きを作り出すことにより、拇指の関節を任意の方向に受動的な動きを作り出すことを特徴とした拇指関節のリハビリ用具。
【請求項2】
載置部が使用者の掌または手首または下腕部を貫挿して固定可能な固定部を有することを特徴とした請求項1に記載の拇指関節のリハビリ用具。
【請求項3】
袋体群が内部を複数の隔壁により分割され、各々独立した部屋を有した一体の弾性体により構成された袋体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拇指関節のリハビリ用具。
【請求項1】
各々独立した弾性材からなる複数の袋体群と、前記袋体群を載置する保持部と、該保持部と一体に設けられた使用者の掌を保持または支持する載置部とにより構成され、前記袋体群を前記保持部に連環状に載置し、使用者が前記連環状の袋体群の中心部に拇指を挿入し前記載置部にて使用者の掌を保持または支持した状態で、前記袋体群に選択的に気体もしくは流体を注入・排気をすることにより挿入された拇指を任意の方向に受動的な動きを作り出すことにより、拇指の関節を任意の方向に受動的な動きを作り出すことを特徴とした拇指関節のリハビリ用具。
【請求項2】
載置部が使用者の掌または手首または下腕部を貫挿して固定可能な固定部を有することを特徴とした請求項1に記載の拇指関節のリハビリ用具。
【請求項3】
袋体群が内部を複数の隔壁により分割され、各々独立した部屋を有した一体の弾性体により構成された袋体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拇指関節のリハビリ用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−284452(P2010−284452A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154308(P2009−154308)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(507398349)株式会社リアルデザイン (7)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(507398349)株式会社リアルデザイン (7)
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