説明

拡散板支持部材、バックライト装置、及び表示装置

【課題】拡散板との接触による接触音が発生するのを防ぐことができる拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置を提供する。
【解決手段】冷陰極管(光源)からの光を拡散する拡散板15を支持する拡散板支持部材において、冷陰極管を収容するケース(筐体)に固定される基部22aと、基部22aから拡散板15側に延ばされるとともに、先端部分22cが拡散板15に接触する支柱部22bとを備える。さらに、緩衝材を用いて、支柱部22bの先端部分22cを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散板を支持する拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば液晶表示装置は、在来のブラウン管に比べて薄型、軽量などの特長を有するフラットパネルディスプレイとして、液晶テレビ、モニター、携帯電話などに幅広く利用されている。このような液晶表示装置には、光を発光するバックライト装置と、バックライト装置に設けられた光源からの光に対しシャッターの役割を果たすことで所望画像を表示する液晶パネルとが含まれている。
【0003】
また、上記バックライト装置では、液晶パネルに対する光源の配置の仕方によって直下型とエッジライト型とに大別されるが、20インチ以上の液晶パネルを備えた液晶表示装置では、エッジライト型よりも高輝度・大型化を図り易い直下型のバックライト装置が一般的に使用されている。すなわち、直下型のバックライト装置は、液晶パネルの背後(非表示面)側に、複数の線状光源を配置して構成されており、液晶パネルのすぐ裏側に線状光源を配置できるため、多数の線状光源を使用することが可能となり、高輝度が得やすく高輝度・大型化に適している。また、直下型のバックライト装置は、装置内部が中空構造であるため、大型化しても軽量であることからも、高輝度・大型化に適している。
【0004】
また、上記のような直下型のバックライト装置では、通常、上記線状光源としての冷陰極管の上方に拡散板を設置することにより、上記液晶パネルに対向配置される発光面に冷陰極管の影(ランプイメージ)が現れるのを防ぎつつ、当該発光面から液晶パネルに照射される平面状の面状光を均一輝度としている。また、直下型のバックライト装置では、合成樹脂またはガラス材からなる上記拡散板の自重や反りなどによる撓みの発生などを防ぐために、拡散板支持部材によって拡散板を支持することが提案されている(例えば、下記特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開2004−327449号
【特許文献2】特開2004−186080号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような拡散板支持部材は、拡散板を適切に支持するために、冷陰極管を収容する筐体に係止されている。一方、拡散板は、前記筐体に対して、移動可能な状態で設置されている。つまり、上記のようなバックライト装置では、冷陰極管からの熱やこれに伴う筐体内部での温度上昇などに起因して、塑性変形が拡散板に発生することがある。このため、バックライト装置では、拡散板の四辺のうち、例えば一辺側のみ固定することにより、当該拡散板を移動可能に設けて、拡散板での上記塑性変形を許容するようになっている。
【0006】
ところが、上記のように拡散板が移動可能に設置されているため、従来の拡散板支持部材では、拡散板が移動(振動)したときに、拡散板と周期的に当接することによる振動音や拡散板支持部材上を拡散板が摺動することによる摺接音などの接触音が発生することがあった。特に、液晶表示装置のように、その液晶パネルに画像を表示するだけでなく、当該液晶パネルの近傍に設置したスピーカ等の音声発生装置から表示画像に付随した音声を発生する場合、拡散板は音声発生装置で生じた振動に応動して振動し、拡散板支持部材との間での上記接触音が大きくなることがあった。
【0007】
上記の課題を鑑み、本発明は、拡散板との接触による接触音が発生するのを防ぐことができる拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる拡散板支持部材は、光源からの光を拡散する拡散板を支持する拡散板支持部材であって、
前記拡散板に接触又は近接する部分に、緩衝材を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
上記のように構成された拡散板支持部材では、緩衝材が拡散板との接触又は近接する部分に設けられているので、拡散板が振動したときでも、緩衝材により、当該拡散板との接触による振動音や摺接音などの接触音が発生するのを防ぐことができる。
【0010】
また、上記拡散板支持部材において、前記光源を収容する筐体に固定される基部と、
前記基部から前記拡散板側に延ばされるとともに、先端部分が前記拡散板に接触又は近接する支柱部とを備え、
前記支柱部の先端部分が、緩衝材を用いて構成されてもよい。
【0011】
この場合、緩衝材を用いて構成された上記先端部分により、拡散板との接触による上記接触音の発生を防ぐことができる。
【0012】
また、上記拡散板支持部材において、前記光源を収容する筐体に固定される基部と、
前記基部から前記拡散板側に延ばされる支柱部とを備え、
前記支柱部の先端部分が、緩衝材を用いた緩衝部材を介在させて前記拡散板と接触又は近接してもよい。
【0013】
この場合、支柱部の先端部分と前記拡散板との間に介在された緩衝部材により、拡散板との接触による上記接触音の発生を防ぐことができる。
【0014】
また、上記拡散板支持部材において、前記基部には、2つの前記光源の間に設けられ、前記2つの各光源からの光を反射するリフレクタが用いられてもよい。
【0015】
この場合、リフレクタにより、上記2つの各光源の光利用効率をより高めつつ、拡散板支持部材は、拡散板を安定した状態で支持することができる。
【0016】
また、上記拡散板支持部材において、前記基部には、前記筐体の外部に突出した状態で、当該筐体に係止される係止部分が設けられていることが好ましい。
【0017】
この場合、係止部分が筐体に直接的に固定されるので、拡散板支持部材を筐体に固定するための専用の固定部材の設置を省略することができる。
【0018】
また、上記拡散板支持部材において、前記基部の表面が、光反射率の高い色であることが好ましい。
【0019】
この場合、上記光源の光は基部の表面により拡散板側に反射させることが可能となり、光利用効率を向上させることができる。
【0020】
また、上記拡散板支持部材において、前記緩衝材が、透明な材質であってもよい。
【0021】
この場合、緩衝材が透明な材質により構成されるので、当該緩衝材は光源の光を遮ることなく拡散板に入射させることができ、光利用効率の低下が生じるのを防ぐことが可能となる。
【0022】
また、本発明のバックライト装置は、光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板とを備えたバックライト装置であって、
上記いずれかの拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とするものである。
【0023】
上記のように構成されたバックライト装置では、拡散板との接触による接触音の発生が防がれた拡散板支持部材が用いられているので、拡散板が振動したときでも、バックライト装置では上記接触音に起因する不快感がユーザに与えられるのを防止することができる。
【0024】
また、本発明の表示装置は、光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板と、前記光源からの光が前記拡散板を介して照射される表示部とを備えた表示装置であって、
上記いずれかの拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とするものである。
【0025】
上記のように構成された表示装置では、拡散板との接触による接触音の発生が防がれた拡散板支持部材が用いられているので、拡散板が振動したときでも、表示装置では上記接触音に起因する不快感がユーザに与えられるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、拡散板との接触による接触音が発生するのを防ぐことができる拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の拡散板支持部材、バックライト装置、及び表示装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を直下型のバックライト装置を具備した液晶表示装置に適用した場合を例示して説明する。
【0028】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。図1において、本実施形態の液晶表示装置1は、図の上側が視認側(表示面側)として設置される表示部としての液晶パネル2と、液晶パネル2の非表示面側(図の下側)に配置され、当該液晶パネル2を照明する照明光を発生する直下型のバックライト装置3とを備えている。
【0029】
液晶パネル2は、液晶層4と、液晶層4を狭持する一対の透明基板5、6と、透明基板5、6の各外側表面上にそれぞれ設けられた偏光板7、8とを備えている。また、液晶パネル2には、当該液晶パネル2を駆動するためのドライバ9、及びフレキシブルプリント基板11を介してドライバ9に接続された駆動回路10が設けられており、液晶パネル2では、液晶層4を画素単位に駆動可能に構成されている。そして、液晶パネル2では、液晶層4によって偏光板7を介して入射された上記照明光の偏光状態が変調され、かつ、偏光板8を通過する光量が制御されることにより、所望画像が表示される。
【0030】
バックライト装置3には、図の上側(液晶パネル2側)が開口した有底状のケース12と、ケース12の液晶パネル2側に設置された枠状のフレーム13とが設けられている。また、ケース12及びフレーム13は、金属または合成樹脂によって構成されており、フレーム13の上方に液晶パネル2が設置された状態で、断面L字状のベゼル14にて狭持されることにより、バックライト装置3は液晶パネル2に組み付けられ、液晶表示装置1として一体化されている。
【0031】
また、バックライト装置3は、ケース12の開口部を覆うように設置された拡散板15と、拡散板15の上方で液晶パネル2側に設置された光学シート17と、ケース12の内面に設けられた反射シート19とを備えている。また、バックライト装置3には、光源保持具21により反射シート19の上方でケース12の内部に保持されるとともに、図1の左右方向で所定の間隔寸法をおいて配設された複数、例えば6本の線状光源としての冷陰極管20が設けられている。
【0032】
拡散板15は、例えば厚さ2mm程度の長方形状の合成樹脂またはガラス材を用いて構成されており、冷陰極管20からの光(反射シート19で反射された光を含む。)を拡散して、光学シート17側に出射する。また、拡散板15は、その四辺側がケース12の上側に設けられた枠状の表面上に載置されており、弾性変形可能な押圧部材16を介在させてケース12の当該表面とフレーム13の内面とで狭持された状態でバックライト装置3の内部に組み込まれている。さらに、拡散板15は、本発明の拡散板支持部材22により支持されており、冷陰極管20を収容する筐体としてのケース12の内側に撓むのが防がれている。
【0033】
また、拡散板15は、ケース12と押圧部材16との間で移動可能に保持されており、冷陰極管20の発熱やケース12の内部の温度上昇などの熱の影響により、当該拡散板15に伸縮(塑性)変形が生じたときでも、押圧部材16が弾性変形することにて当該塑性変形が吸収されて、冷陰極管20からの光の拡散性を極力低下しないようになっている。また、合成樹脂に比べて熱に強いガラス材の拡散板15を用いる場合の方が、上記熱の影響による反り、黄変、熱変形等が生じ難い点で好ましい。
【0034】
光学シート17には、例えば厚さ0.1〜0.5mm程度の合成樹脂フィルムにより構成された集光シートや拡散シートが含まれており、液晶パネル2への上記照明光の輝度を上昇させたり、液晶パネル2の表示面での表示品位を向上させたりするように構成されている。また、光学シート17には、液晶パネル2の表示面での視野角の改善などの表示性能の向上を行うためなどのプリズムシートや偏光シートなどの公知の光学シート材が必要に応じて適宜積層されるようになっている。そして、光学シート17は、拡散板15から出射された光を、所定の輝度(例えば、250cd/m2)以上で、かつ、均一な輝度を有する面状光に変換し照明光として液晶パネル2側に出射するように構成されている。
【0035】
また、光学シート17では、例えば液晶表示装置1の実使用時に上側となる、図1の左端辺側の中央部に、同図の左側に突出した突出部が形成されている。そして、光学シート17では、上記突出部だけが弾性材18を介在させてフレーム13の内面と押圧部材16とで狭持されており、当該光学シート17は、バックライト装置3の内部に伸縮可能な状態で組み込まれている。これにより、光学シート17では、冷陰極管20の発熱などの上記の熱の影響により、伸縮(塑性)変形が生じたときでも、上記突出部を基準とした自由な伸縮変形が可能となり、シワや撓みなどが当該光学シート17に発生するのが極力防がれるように構成されている。この結果、液晶表示装置1では、光学シート17の撓み等に起因して、輝度ムラなどの表示品位の低下が液晶パネル2の表示面に発生するのを極力防止できるようになっている。
【0036】
反射シート19は、例えば0.1〜2.0mm程度の厚さの合成樹脂フィルムにより構成されており、冷陰極管20の光を拡散板15に向かって反射する反射板として機能するようになっている。また、反射シート19の冷陰極管20側の表面は、例えば白色に塗装されており、冷陰極管20から発光された光を拡散板15側に効率よく反射し当該光の利用効率及び拡散板15での輝度を高めている。なお、この説明以外に、アルミニウムや銀などの光反射率の高い金属薄膜にて、反射シート19を構成してもよい。
【0037】
各冷陰極管20には、直管状の蛍光ランプタイプのものが用いられており、その両端部に設けられた電極部(図示せず)がケース12の外側にて支持されている。また、各冷陰極管20には、直径3.0〜4.0mm程度の発光効率に優れた細管化されたものが使用されている。
【0038】
光源保持具21は、図2も参照して、冷陰極管20の長手方向(図2の左右方向)に沿って、例えば2個ずつ各冷陰極管20に装着されており、対応する冷陰極管20を支持するようになっている。これにより、冷陰極管20は、拡散板15及び反射シート19との各間の距離を所定距離に保持された状態でケース12の内部で支持される。また、光源保持具21には、例えば透明で可撓性を有するPC(ポリカーボネート)樹脂が用いられており、光源保持具21による部分的な輝度低下が生じるのを極力防ぎつつ、冷陰極管20を安定した状態で保持できるようになっている。
【0039】
図2に例示するように、バックライト装置3には、4個の拡散板支持部材22が設けられており、拡散板15をケース12の内部側から支持するように構成されている。また、これら4個の拡散板支持部材22は、拡散板15の中心に関して点対称な位置に配設されており、当該拡散板15をバランスよく支持できるようになっている。
【0040】
また、図3も参照して、各拡散板支持部材22には、ケース12に固定される平板状の基部22aと、この基部22aから拡散板15側に延ばされるとともに、先端部分22cが拡散板15に接触する略円錐状の支柱部22bとが設けられている。支柱部22bの先端部分22cは、図3に示すように、断面円弧状に形成されており、拡散板15の表面を傷付けることなく、当該拡散板15を支持できるようになっている。
【0041】
基部22aには、支柱部22bが延設された表面とは反対側の表面から突出するように設けられた略円柱状の係止部分22dが含まれている。そして、拡散板支持部材22では、係止部分22dが反射シート19及びケース12に形成された各貫通孔に挿通されて、ケース12の外部に突出した状態で、当該係止部分22dの円錐状に形成された先端がケース12の外側表面で係止されることにより、拡散板支持部材22はバックライト装置3に組み付けられている。
【0042】
また、各拡散板支持部材22では、先端部分22cは支柱部22bと別体に構成されており、当該支柱部22bに対し取付・取外し可能になっている。
【0043】
具体的には、各拡散板支持部材22では、基部22a(係止部分22dを含む。)及び支柱部22bは透明な材料、例えばPC樹脂を使用して構成されており、これらの基部22a及び支柱部22bは射出成形法などによって一体的に形成されている。また、基部22aのケース12内部側に配置される表面には、白色、乳白色、あるいは銀色などの光反射率の高い色が着色されている。これにより、拡散板支持部材22では、基部22aによって冷陰極管20の光を拡散板15側に反射させることができ、光利用効率を向上させることができる。また、冷陰極管20の光が基部22aの内部に入射されるのを防ぐことができることから、当該光が基部22aから係止部分22dを経てケース12の外部に漏れ出る漏れ光の発生も防止することが可能となり、漏れ光に起因して光利用効率が低下するのを防ぐことができる。
【0044】
また、支柱部22bでは、上記PC樹脂の透明性が維持されており、冷陰極管20の光が入射されるとともに、拡散板15側に出射可能に構成されている。
【0045】
一方、先端部分22cは、透明で緩衝性をもつ材料、例えばウレタン樹脂を用いて構成されており、図3に示すように、先端部分22cの下端側が支柱部22bの上端部に設けられた取付穴に対し圧入されることで、先端部分22cは支柱部22bに取付・取外し可能になっている。また、この先端部分22cは透明な材料により構成されているので、冷陰極管20の光を遮ることなく、拡散板15に入射させることが可能になっており、冷陰極管20から直接的に入射された光や支柱部22bの内部を経て入射された光を拡散板15の内部に入射させられるようになっている。これにより、拡散板支持部材22では、拡散板15との接触箇所で当該拡散板15に入射される光量が部分的に低下するのを防ぐことができ、上記発光面において、拡散板15と拡散板支持部材22の先端部分との接触箇所の直上部分に、黒ムラなどの輝度ムラが現れるのを防止することができる。
【0046】
以上のように構成された本実施形態では、拡散板支持部材22がケース(筐体)に固定される基部22aと、基部22aから拡散板15側に延ばされた支柱部22bとを備えている。また、支柱部22bの拡散板15に接触する先端部分22cには、緩衝材が用いられている。従って、本実施形態では、上記従来例と異なり、拡散板支持部材22の拡散板15との接触部分に緩衝材が設けられるので、拡散板15が振動したときでも、先端部分(緩衝材)22cにより、その拡散板15の振動を緩衝することが可能となる。この結果、拡散板15と拡散板支持部材22との間の接触による振動音や摺接音などの接触音が発生するのを防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記接触音の発生が防ぐことができるので、バックライト装置3及び液晶表示装置1では、拡散板15が振動したときでも、当該接触音に起因する不快感がユーザに与えられるのを防止することが可能となる。
【0048】
尚、上記の説明以外に、光源保持具21を一体的に構成した拡散板支持部材22を使用することもできる。つまり、拡散板支持部材22の基部22aと、基部22aに近接して配置される光源保持具21とを冷陰極管20の下側で一体的に連結することにより、光源保持具21と拡散板支持部材22とを一体化したものを用いることができる。このような一体化したものを用いた場合には、光源保持具21と拡散板支持部材22とをバックライト装置3に同時に組み付けることができ、バックライト装置3及び液晶表示装置1の組立工数を削減してコスト安価に構成できる点で好ましい。
【0049】
また、上記の説明以外に、ピンなどの固定部材を用いて、拡散板支持部材22をバックライト装置3に組み付けることもできる。但し、上記のように、係止部分22dを設けて拡散板支持部材22をバックライト装置3に組み付ける場合の方が、上記固定部材の設置を省略して、部品点数の増加を削減することができるとともに、拡散板支持部材22の組付作業を簡単化して、バックライト装置3及び液晶表示装置1のコストダウンを容易に図れる点で好ましい。
【0050】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、拡散板支持部材において、支柱部の先端部分が、緩衝材を用いた緩衝部材を介在させて拡散板と接触している点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0051】
つまり、図4に示すように、本実施形態では、緩衝部材25が拡散板支持部材24の先端部分(上端)側に設けられており、当該拡散板支持部材24と拡散板15との間に配置されている。また、本実施形態では、5個のリフレクタ23が隣接する2本の冷陰極管20の各間に配設されている。各リフレクタ23は、例えば白色の着色剤が混入されたPC樹脂を用いて構成されており、全体が射出成形法などにて一体的に形成されて高い光反射率が付与されている。
【0052】
また、図5も参照して、5個の各リフレクタ23は、ケース12の内部に配置される冷陰極管20の有効発光部分とほぼ同じ長さを有する長尺の反射部材であり、これらリフレクタ23は、反射シート19上で、冷陰極管20の長手方向に沿って互いに平行に設けられている。さらに、5個のリフレクタ23のうち、2個の各リフレクタ23には、2個の拡散板支持部材24が取り付けられており、当該2個のリフレクタ23は、対応する2個の拡散板支持部材24の基部として共用されるようになっている。
【0053】
具体的には、図6も参照して、リフレクタ23は、反射シート19と上記2本の冷陰極管20との間に設置されて、対応する冷陰極管20の光を拡散板15側にそれぞれ反射する反射面23a、23bと、反射面23a、23bの下方に設けられ、反射シート19上に立設された側壁部23cとを備えている。そして、リフレクタ23では、反射シート19よりも冷陰極管20に近接して配置された反射面23a、23bにより、冷陰極管20の光を拡散板15側に向かって反射するように構成されており、拡散板15に入射される光量を効率よく増加させて、冷陰極管20の光利用効率をより高めるようになっている。
【0054】
また、リフレクタ23では、図6(b)に例示するように、2つの係止部分23dが側壁部23cの下端部分から下側に向かって突出するように設けられており、係止部分23dにてバックライト装置3に組み付けられるようになっている。また、拡散板支持部材24の基部を兼用したリフレクタ23では、拡散板支持部材24を着脱可能に取り付けるための取付穴が形成されている。
【0055】
詳細には、図7に示すように、拡散板支持部材24は、透明な材料、例えばPC樹脂を使用して構成されており、射出成形法などによって全体が一体的に形成されている。また、拡散板支持部材24は、断面矩形状の基部24aと、この基部24aから拡散板15側に延ばされた略円錐状の支柱部24bとを備えており、拡散板支持部材24は、支柱部24bに入射された冷陰極管20の光を拡散板15側に出射可能に構成されている。さらに、拡散板支持部材24では、支柱部24bの先端部分が緩衝部材25を介在させて、拡散板15に接触した状態で、当該拡散板15を支持するようになっている。
【0056】
基部24aには、ボルト24cがインサート成形などによって一体的に設けられている。そして、拡散板支持部材24では、ボルト24cが例えばインサート成形によってリフレクタ23の上記取付穴内に予め埋設されたナット23eに螺着されている。これにより、拡散板支持部材24では、基部24aと支柱部24bの根元部分とが反射面23a、23bの間に埋め込まれた状態で、リフレクタ23に着脱可能に取り付けられて、当該リフレクタ23を基部としてケース12に固定されている。
【0057】
すなわち、リフレクタ23では、係止部分23dが反射シート19及びケース12に形成された各貫通孔に挿通されて、ケース12の外部に突出した状態で、当該係止部分23dの円錐状に形成された先端がケース12の外側表面で係止されることにより、リフレクタ23は、拡散板支持部材24及び緩衝部材25を装着した状態で、バックライト装置3に組み付けられている。
【0058】
緩衝部材25は、透明で緩衝性をもつ材料、例えばウレタン樹脂を用いて構成されたものであり、図7に例示するように、拡散板支持部材24の支柱部24bの先端部分に被せられるよう略円筒状に形成されている。また、緩衝部材25は、厚さ0.5〜3.0mm程度のものが使用されており、さらには、拡散板15の表面に接触する上側部分が断面半円状に形成されており、拡散板15の表面を傷付けることなく、支柱部24bの先端部分との間に介在されるようになっている。
【0059】
以上のように本実施形態では、緩衝部材25が拡散板15と拡散板支持部材24の支柱部24bの先端部分との間に介在されているので、拡散板15が振動したときでも、緩衝部材(緩衝材)25により、その拡散板15の振動を緩衝することが可能となる。この結果、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、拡散板15と拡散板支持部材22との間の接触による振動音や摺接音などの接触音が発生するのを防ぐことができる。さらに、本実施形態では、接触音に起因する不快感がユーザに与えられるのを防止したバックライト装置3及び液晶表示装置1を容易に構成することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記リフレクタ23を拡散板支持部材24の基部として用いているので、第1の実施形態と異なり、リフレクタ23の反射面23a、23bにより、上記2つの各冷陰極管20の光利用効率をより高めつつ、拡散板支持部材24によって拡散板15をより安定した状態で支持することが可能となる。
【0061】
尚、上記の説明以外に、本実施形態に示したリフレクタ23に対して、第1の実施形態に示した拡散板支持部材22を着脱可能に設けることにより、本実施形態と第1の実施形態とを組み合わせたものを用いることもできる。
【0062】
尚、上記の各実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0063】
例えば、上記の説明では、本発明を直下型のバックライト装置を具備した液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光源の光を利用して、画像、文字などの情報を表示する非発光型の表示部を備えた投写型表示装置(リアプロジェクションを含む。)などの各種表示装置に適用することができる。
【0064】
また、上記の説明以外に、本発明は、レントゲン写真に光を照射するシャウカステンあるいは写真ネガ等に光を照射して視認をし易くするためのライトボックスや、看板や駅構内の壁面などに設置される広告等をライトアップする発光装置のバックライト装置として好適に用いることができる。
【0065】
また、上記の説明では、拡散板に接触する緩衝材に透明なウレタン樹脂を用いた場合について説明したが、本発明の拡散板支持部材は、拡散板に接触又は近接する部分に、緩衝材を設けたものであればよい。つまり、拡散板に反りなどが生じたときに、拡散板支持部材が当該拡散板に接触する構成でもよい。
【0066】
また、緩衝材の他の具体例としては、シリコンゴムなどがある。但し、上記のような透明なウレタン樹脂を用いる場合の方が、緩衝材が透明な材質により構成されるので、当該緩衝材は光源の光を遮ることなく拡散板に入射させることができ、光利用効率の低下が生じるのを防ぐことが可能となる点で好ましい。さらには、拡散板への入射光において、緩衝材による部分的な光量低下の発生を防ぐことができることから、拡散板の出光面での輝度ムラの発生を防ぐことができ、輝度ムラに起因する表示品位の低下も防止することができる点でも好ましい。また、ウレタン樹脂やシリコンゴム等のような耐熱性に優れた緩衝材を使用することにより、光源からの熱の悪影響を受けることなく上記接触音の発生を防ぐことが可能となる点でも好ましい。
【0067】
また、上記の説明では、PC樹脂を用いた4つの拡散板支持部材をケース(筐体)に設けた場合について説明したが、本発明の拡散板支持部材はこれに限定されるものではなく、拡散板の大きさや重量、材質などに応じて、拡散板支持部材の素材、形状、設置数等を適宜変更することができる。また、例えば白色の着色剤が混入された白色のPC樹脂あるいは光反射率の高いアルミニウム等の金属を用いて基部を構成したり、光透過性に優れたセラミック材などを用いて支柱部を構成したりすることもできる。
【0068】
また、上記の説明では、線状光源としての冷陰極管を使用した場合について説明したが、本発明の光源はこれに限定されるものではなく、熱陰極管、あるいは水銀レスランプであるキセノン管等の他の線状光源を用いることもできる。また、例えば全体形状がU字状に形成された非直管状のU字ランプ(擬似U字管を含む。)を使用することもできる。さらに、発光ダイオード(LED)などの点状光源や複数の点状光源を直線上に配列することで線状光源化された光源や有機EL(OLED)などの平面状光源も使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。
【図2】図1に示した表示装置の要部構成を説明する平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。
【図5】図4に示した表示装置の要部構成を説明する平面図である。
【図6】(a)は図5に示した拡散板支持部材及びリフレクタの拡大平面図であり、(b)は上記拡散板支持部材及びリフレクタの拡大側面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 液晶表示装置
2 液晶パネル(表示部)
3 バックライト装置
12 ケース(筐体)
15 拡散板
20 冷陰極管(光源)
22、24 拡散板支持部材
22a、24a 基部
22b、24b 支柱部
22c 先端部分(緩衝材)
22d 係止部分
25 緩衝部材
23 リフレクタ(基部)
23d 係止部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を拡散する拡散板を支持する拡散板支持部材であって、
前記拡散板に接触又は近接する部分に、緩衝材を設けたことを特徴とする拡散板支持部材。
【請求項2】
前記光源を収容する筐体に固定される基部と、
前記基部から前記拡散板側に延ばされるとともに、先端部分が前記拡散板に接触又は近接する支柱部とを備え、
前記支柱部の先端部分が、緩衝材を用いて構成されている請求項1に記載の拡散板支持部材。
【請求項3】
前記光源を収容する筐体に固定される基部と、
前記基部から前記拡散板側に延ばされる支柱部とを備え、
前記支柱部の先端部分が、緩衝材を用いた緩衝部材を介在させて前記拡散板と接触又は近接する請求項1に記載の拡散板支持部材。
【請求項4】
前記基部には、2つの前記光源の間に設けられ、前記2つの各光源からの光を反射するリフレクタが用いられている請求項2〜3のいずれか1項に記載の拡散板支持部材。
【請求項5】
前記基部には、前記筐体の外部に突出した状態で、当該筐体に係止される係止部分が設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の拡散板支持部材。
【請求項6】
前記基部の表面が、光反射率の高い色である請求項2〜5のいずれか1項に記載の拡散板支持部材。
【請求項7】
前記緩衝材が、透明な材質である請求項1〜6のいずれか1項に記載の拡散板支持部材。
【請求項8】
光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板とを備えたバックライト装置であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とするバックライト装置。
【請求項9】
光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板と、前記光源からの光が前記拡散板を介して照射される表示部とを備えた表示装置であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−157450(P2007−157450A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349740(P2005−349740)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】