説明

拡散板支持部材、バックライト装置、及び表示装置

【課題】光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置を提供する。
【解決手段】拡散板15を支持する拡散板支持部材22において、冷陰極管(光源)20を収容する筐体12に固定される基部22aと、先端部分が拡散板15に接触する支柱部22bとを設ける。さらに、基部22aに遮光性を付与し、かつ、上記先端部分を透明な材料を使用して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散板を支持する拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば液晶表示装置は、在来のブラウン管に比べて薄型、軽量などの特長を有するフラットパネルディスプレイとして、液晶テレビ、モニター、携帯電話などに幅広く利用されている。このような液晶表示装置には、光を発光するバックライト装置と、バックライト装置に設けられた光源からの光に対しシャッターの役割を果たすことで所望画像を表示する液晶パネルとが含まれている。
【0003】
また、上記バックライト装置では、液晶パネルに対する光源の配置の仕方によって直下型とエッジライト型とに大別されるが、20インチ以上の液晶パネルを備えた液晶表示装置では、エッジライト型よりも高輝度・大型化を図り易い直下型のバックライト装置が一般的に使用されている。すなわち、直下型のバックライト装置は、液晶パネルの背後(非表示面)側に、複数の線状光源を配置して構成されており、液晶パネルのすぐ裏側に線状光源を配置できるため、多数の線状光源を使用することが可能となり、高輝度が得やすく高輝度・大型化に適している。また、直下型のバックライト装置は、装置内部が中空構造であるため、大型化しても軽量であることからも、高輝度・大型化に適している。
【0004】
また、上記のような直下型のバックライト装置では、通常、上記線状光源としての冷陰極管の上方に拡散板を設置することにより、上記液晶パネルに対向配置される発光面に冷陰極管の影(ランプイメージ)が現れるのを防ぎつつ、当該発光面から液晶パネルに照射される平面状の面状光を均一輝度としている。また、直下型のバックライト装置では、合成樹脂またはガラス材からなる上記拡散板の自重による撓みの発生などを防ぐために、拡散板支持部材によって拡散板を支持することが提案されている。
【0005】
具体的には、例えば下記特許文献1、2に記載されているように、透明材料または白色等の非透明材料からなる拡散板支持部材が、冷陰極管を収容する筐体に係止されており、拡散板支持部材の先端部分を拡散板に接触させることにより、拡散板支持部材は、拡散板を支持するようになっている。
【特許文献1】特開2004−327449号
【特許文献2】特開2004−186080号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような拡散板支持部材では、拡散板を適切に支持するために、上記筐体に精度よく位置決めして、固定することが求められている。また、筐体の内部では、冷陰極管(線状光源)が発生する熱によって温度が上昇したり、拡散板支持部材の筐体との固定面が重力の作用方向と平行に配置されたりするために、接着剤や両面テープだけを用いて、拡散板支持部材を筐体の内側表面に貼り付けて固定することは困難である。それゆえ、従来の拡散板支持部材では、筐体に形成された貫通孔に、上記先端部分とは反対側の下端部分を挿通させた状態で、当該筐体に固定することが一般的に行われている。
【0007】
ところが、上記のような従来の拡散板支持部材では、冷陰極管の光利用効率を低下させたり、液晶パネルの表示面での表示品位を低下させたりするという問題点があった。
【0008】
詳細にいえば、透明材料からなる従来の拡散板支持部材では、その内部に入射した冷陰極管の光が上記下端部分を経て筐体の外部に漏れ出てしまう。この結果、冷陰極管の光利用効率を低下させることがあった。
【0009】
一方、非透明材料からなる従来の拡散板支持部材では、当該拡散板支持部材が拡散板に入射される冷陰極管の光を遮ってしまい、冷陰極管の光利用効率を低下させる。さらに、上記発光面において、拡散板と拡散板支持部材の先端部分との接触箇所の直上部分では、液晶パネル側に出射される光量がその周りの部分の光量に比べて低下し、黒ムラとして現れる。このため、液晶パネルの表示面において、輝度ムラが発生することがあり、当該表示面での表示品位の低下を招くことがあった。
【0010】
上記の課題を鑑み、本発明は、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる拡散板支持部材は、光源からの光を拡散する拡散板を支持する拡散板支持部材であって、
前記光源を収容する筐体に固定される基部と、
前記基部から前記拡散板側に延ばされるとともに、先端部分が前記拡散板に接触又は近接する支柱部とを備え、
前記基部に遮光性を付与するとともに、前記先端部分を透明な材料を用いて構成したことを特徴とするものである。
【0012】
上記のように構成された拡散板支持部材では、基部に遮光性が付与されているので、光源の光が基部内に入射するのを防ぐことができ、当該光が基部を経て筐体の外部に漏れ出るのを防止することができる。また、支柱部の上記先端部分を透明な材料を用いて構成しているので、光源の光を遮ることなく、先端部分から拡散板に入射させることができ、拡散板との接触又は近接箇所で当該拡散板に入射される光量が部分的に低下するのを防ぐことができる。この結果、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる。
【0013】
また、上記拡散板支持部材において、前記基部の表面が、光反射率の高い色であることが好ましい。
【0014】
この場合、上記光源の光は基部の表面により反射されるので、当該基部の内部に光が入射されるのを防ぎつつ、拡散板側に反射させることが可能となり、光利用効率をさらに向上させることができる。
【0015】
また、上記拡散板支持部材において、前記基部には、2つの前記光源の間に設けられ、前記2つの各光源からの光を反射するリフレクタが用いられてもよい。
【0016】
この場合、リフレクタにより、上記2つの各光源の光利用効率をより高めつつ、拡散板支持部材は、拡散板を安定した状態で支持することができる。
【0017】
また、上記拡散板支持部材において、前記基部には、前記筐体の外部に突出した状態で、当該筐体に係止される係止部分が設けられてもよい。
【0018】
この場合、係止部分が筐体に直接的に固定されるので、拡散板支持部材を筐体に固定するための専用の固定部材の設置を省略することができる。
【0019】
また、上記拡散板支持部材において、前記支柱部には、透明な前記先端部分と、前記透明な先端部分と別体に構成されるとともに、表面が光反射率の高い色である下端部分とが設けられていることが好ましい。
【0020】
この場合、拡散板の種類や光源の光の強度などに応じて、透明な先端部分だけを変更することが可能となり、当該透明な先端部分を透過することによって生じる光の吸収ロスを容易に調整することができる。また、下端部分の表面により、光源の光を拡散板側に反射させることが可能となり、光利用効率をさらに向上させることができる。
【0021】
また、本発明のバックライト装置は、光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板とを備えたバックライト装置であって、
上記いずれかの拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とするものである。
【0022】
上記のように構成されたバックライト装置では、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防がれた拡散板支持部材が用いられているので、バックライト装置は均一な輝度の面状光を照射することが可能となり、輝度ムラの発生を抑えて表示品位が低下するのを確実に防ぐことができる。
【0023】
また、本発明の表示装置は、光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板と、前記光源からの光が前記拡散板を介して照射される表示部とを備えた表示装置であって、
上記いずれかの拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とするものである。
【0024】
上記のように構成された表示装置では、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防がれた拡散板支持部材が用いられているので、表示部に対して均一な輝度の面状光が入射されることとなり、輝度ムラが当該表示部の表示面上に生じるのを防いで表示面での表示品位が低下するのを確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる拡散板支持部材、及びこれを用いたバックライト装置、並びに表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の拡散板支持部材、バックライト装置、及び表示装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を直下型のバックライト装置を具備した液晶表示装置に適用した場合を例示して説明する。
【0027】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。図1において、本実施形態の液晶表示装置1は、図の上側が視認側(表示面側)として設置される表示部としての液晶パネル2と、液晶パネル2の非表示面側(図の下側)に配置され、当該液晶パネル2を照明する照明光を発生する直下型のバックライト装置3とを備えている。
【0028】
液晶パネル2は、液晶層4と、液晶層4を狭持する一対の透明基板5、6と、透明基板5、6の各外側表面上にそれぞれ設けられた偏光板7、8とを備えている。また、液晶パネル2には、当該液晶パネル2を駆動するためのドライバ9、及びフレキシブルプリント基板11を介してドライバ9に接続された駆動回路10が設けられており、液晶パネル2では、液晶層4を画素単位に駆動可能に構成されている。そして、液晶パネル2では、液晶層4によって偏光板7を介して入射された上記照明光の偏光状態が変調され、かつ、偏光板8を通過する光量が制御されることにより、所望画像が表示される。
【0029】
バックライト装置3には、図の上側(液晶パネル2側)が開口した有底状のケース12と、ケース12の液晶パネル2側に設置された枠状のフレーム13とが設けられている。また、ケース12及びフレーム13は、金属または合成樹脂によって構成されており、フレーム13の上方に液晶パネル2が設置された状態で、断面L字状のベゼル14にて狭持されることにより、バックライト装置3は液晶パネル2に組み付けられ、液晶表示装置1として一体化されている。
【0030】
また、バックライト装置3は、ケース12の開口部を覆うように設置された拡散板15と、拡散板15の上方で液晶パネル2側に設置された光学シート17と、ケース12の内面に設けられた反射シート19とを備えている。また、バックライト装置3には、光源保持具21により反射シート19の上方でケース12の内部に保持されるとともに、図1の左右方向で所定の間隔寸法をおいて配設された複数、例えば6本の線状光源としての冷陰極管20が設けられている。
【0031】
拡散板15は、例えば厚さ2mm程度の長方形状の合成樹脂またはガラス材を用いて構成されており、冷陰極管20からの光(反射シート19で反射された光を含む。)を拡散して、光学シート17側に出射する。また、拡散板15は、その四辺側がケース12の上側に設けられた枠状の表面上に載置されており、弾性変形可能な押圧部材16を介在させてケース12の当該表面とフレーム13の内面とで狭持された状態でバックライト装置3の内部に組み込まれている。さらに、拡散板15は、本発明の拡散板支持部材22により支持されており、冷陰極管20を収容する筐体としてのケース12の内側に撓むのが防がれている。
【0032】
また、拡散板15は、ケース12と押圧部材16との間で移動可能に保持されており、冷陰極管20の発熱やケース12の内部の温度上昇などの熱の影響により、当該拡散板15に伸縮(塑性)変形が生じたときでも、押圧部材16が弾性変形することにて当該塑性変形が吸収されて、冷陰極管20からの光の拡散性を極力低下しないようになっている。また、合成樹脂に比べて熱に強いガラス材の拡散板15を用いる場合の方が、上記熱の影響による反り、黄変、熱変形等が生じ難い点で好ましい。
【0033】
光学シート17には、例えば厚さ0.1〜0.5mm程度の合成樹脂フィルムにより構成された集光シートや拡散シートが含まれており、液晶パネル2への上記照明光の輝度を上昇させたり、液晶パネル2の表示面での表示品位を向上させたりするように構成されている。また、光学シート17には、液晶パネル2の表示面での視野角の改善などの表示性能の向上を行うためなどのプリズムシートや偏光シートなどの公知の光学シート材が必要に応じて適宜積層されるようになっている。そして、光学シート17は、拡散板15から出射された光を、所定の輝度(例えば、200cd/m2)以上で、かつ、均一な輝度を有する面状光に変換し照明光として液晶パネル2側に出射するように構成されている。
【0034】
また、光学シート17では、例えば液晶表示装置1の実使用時に上側となる、図1の左端辺側の中央部に、同図の左側に突出した突出部が形成されている。そして、光学シート17では、上記突出部だけが弾性材18を介在させてフレーム13の内面と押圧部材16とで狭持されており、当該光学シート17は、バックライト装置3の内部に伸縮可能な状態で組み込まれている。これにより、光学シート17では、冷陰極管20の発熱などの上記の熱の影響により、伸縮(塑性)変形が生じたときでも、上記突出部を基準とした自由な伸縮変形が可能となり、シワや撓みなどが当該光学シート17に発生するのが極力防がれるように構成されている。この結果、液晶表示装置1では、光学シート17の撓み等に起因して、輝度ムラなどの表示品位の低下が液晶パネル2の表示面に発生するのを極力防止できるようになっている。
【0035】
反射シート19は、例えば0.1〜2.0mm程度の厚さの合成樹脂フィルムにより構成されており、冷陰極管20の光を拡散板15に向かって反射する反射板として機能するようになっている。また、反射シート19の冷陰極管20側の表面は、例えば白色に塗装されており、冷陰極管20から発光された光を拡散板15側に効率よく反射し当該光の利用効率及び拡散板15での輝度を高めている。なお、この説明以外に、アルミニウムや銀などの光反射率の高い金属薄膜にて、反射シート19を構成してもよい。
【0036】
各冷陰極管20には、直管状の蛍光ランプタイプのものが用いられており、その両端部に設けられた電極部(図示せず)がケース12の外側にて支持されている。また、各冷陰極管20には、直径3.0〜4.0mm程度の発光効率に優れた細管化されたものが使用されている。
【0037】
光源保持具21は、図2も参照して、冷陰極管20の長手方向(図2の左右方向)に沿って、例えば2個ずつ各冷陰極管20に装着されており、対応する冷陰極管20を支持するようになっている。これにより、冷陰極管20は、拡散板15及び反射シート19との各間の距離を所定距離に保持された状態でケース12の内部で支持される。また、光源保持具21には、例えば透明で可撓性を有するPC(ポリカーボネート)樹脂が用いられており、光源保持具21による部分的な輝度低下が生じるのを極力防ぎつつ、冷陰極管20を安定した状態で保持できるようになっている。
【0038】
図2に例示するように、バックライト装置3には、4個の拡散板支持部材22が設けられており、拡散板15をケース12の内部側から支持するように構成されている。また、これら4個の拡散板支持部材22は、拡散板15の中心に関して点対称な位置に配設されており、当該拡散板15をバランスよく支持できるようになっている。
【0039】
また、図3も参照して、各拡散板支持部材22には、ケース12に固定される平板状の基部22aと、この基部22aから拡散板15側に延ばされるとともに、先端部分が拡散板15に接触する略円錐状の支柱部22bとが設けられている。支柱部22bの先端部分は、図3に示すように、断面円弧状に形成されており、拡散板15の表面を傷付けることなく、当該拡散板15を支持できるようになっている。
【0040】
基部22aには、支柱部22bが延設された表面とは反対側の表面から突出するように設けられた略円柱状の係止部分22cが含まれている。そして、拡散板支持部材22では、係止部分22cが反射シート19及びケース12に形成された各貫通孔に挿通されて、ケース12の外部に突出した状態で、当該係止部分22cの円錐状に形成された先端がケース12の外側表面で係止されることにより、拡散板支持部材22はバックライト装置3に組み付けられている。
【0041】
尚、この説明以外に、ピンなどの固定部材を用いて、拡散板支持部材22をバックライト装置3に組み付けることもできる。但し、上記のように、係止部分22cを設けて拡散板支持部材22をバックライト装置3に組み付ける場合の方が、上記固定部材の設置を省略して、部品点数の増加を削減することができるとともに、拡散板支持部材22の組付作業を簡単化して、バックライト装置3及び液晶表示装置1のコストダウンを容易に図れる点で好ましい。
【0042】
また、基部22aの表面は光反射率の高い色が着色されており、当該基部22aには冷陰極管20の光に対する遮光性が付与されている。
【0043】
具体的には、各拡散板支持部材22は、透明な材料、例えばPC樹脂を使用して構成されており、射出成形法などによって全体が一体的に形成されている。そして、各拡散板支持部材22では、基部22aのケース12内部側に配置される表面だけに、白色、乳白色、あるいは銀色などの光反射率の高い色を着色することにより、支柱部22bの透明性を維持しつつ、基部22aだけに上記遮光性が付与されている。
【0044】
以上のように構成された本実施形態では、拡散板支持部材22の基部22aに遮光性が付与されているので、冷陰極管(線状光源)20の光が基部22a内に入射するのを防ぐことができる。この結果、冷陰極管20の光が、基部22aを経てケース(筐体)12の外部に漏れ出るのを防止することができ、ケース12の外部への漏れ光による光利用効率の低下を防ぐことができる。また、本実施形態では、基部22aの上記表面に光反射率の高い色を着色することにより、基部22aに遮光性を付与しているので、当該基部22aの内部に冷陰極管20の光が入射されるのを防ぎつつ、この光を拡散板15側に反射させることができ、光利用効率をさらに向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態では、拡散板15に接触する先端部分を含む支柱部22bを透明な材料を使用して構成しているので、冷陰極管20の光を遮ることなく、当該先端部分から拡散板15に入射させることができる。この結果、拡散板15との接触箇所で当該拡散板15に入射される光量が部分的に低下するのを防ぐことができ、上記従来例と異なり、バックライト装置3の発光面において、拡散板15と拡散板支持部材22の先端部分との接触箇所の直上部分に、黒ムラが現れるのを防止することができる。従って、本実施形態では、従来例と異なり、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる。つまり、バックライト装置3では、均一な輝度を有する面状光を照射することが可能となり、液晶表示装置1では、液晶パネル2の表示面上に黒ムラなどの輝度ムラが生じるのを防止して、液晶表示装置1の表示品位が低下するのを防ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように拡散板支持部材22による発光面での黒ムラの発生を防ぐことができるので、光学シート17に含まれる光学シート材の設置枚数の削減を簡単に図ることができ、表示品位に優れ、かつ、コスト安価なバックライト装置3及び液晶表示装置1を容易に構成することができる。
【0047】
尚、上記の説明以外に、光源保持具21を一体的に構成した拡散板支持部材22を使用することもできる。つまり、拡散板支持部材22の基部22aと、基部22aに近接して配置される光源保持具21とを冷陰極管20の下側で一体的に連結することにより、光源保持具21と拡散板支持部材22とを一体化したものを用いることができる。このような一体化したものを用いた場合には、光源保持具21と拡散板支持部材22とをバックライト装置3に同時に組み付けることができ、バックライト装置3及び液晶表示装置1の組立工数を削減してコスト安価に構成できる点で好ましい。
【0048】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、拡散板支持部材の基部に、二つの冷陰極管の間に設けられ、当該二つの各冷陰極管からの光を反射するリフレクタを用いた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0049】
つまり、図4に示すように、本実施形態では、5個のリフレクタ23が隣接する2本の冷陰極管20の各間に配設されている。各リフレクタ23は、例えば白色の着色剤が混入されたPC樹脂を用いて構成されており、全体が射出成形法などにて一体的に形成されて高い光反射率が付与されている。
【0050】
また、図5も参照して、5個の各リフレクタ23は、ケース12の内部に配置される冷陰極管20の有効発光部分とほぼ同じ長さを有する長尺の反射部材であり、これらリフレクタ23は、反射シート19上で、冷陰極管20の長手方向に沿って互いに平行に設けられている。さらに、5個のリフレクタ23のうち、2個の各リフレクタ23には、2個の拡散板支持部材24が取り付けられており、当該2個のリフレクタ23は、対応する2個の拡散板支持部材24の基部として共用されるようになっている。
【0051】
具体的には、図6も参照して、リフレクタ23は、反射シート19と上記2本の冷陰極管20との間に設置されて、対応する冷陰極管20の光を拡散板15側にそれぞれ反射する反射面23a、23bと、反射面23a、23bの下方に設けられ、反射シート19上に立設された側壁部23cとを備えている。そして、リフレクタ23では、反射シート19よりも冷陰極管20に近接して配置された反射面23a、23bにより、冷陰極管20の光を拡散板15側に向かって反射するように構成されており、拡散板15に入射される光量を効率よく増加させて、冷陰極管20の光利用効率をより高めるようになっている。
【0052】
また、リフレクタ23では、図6(b)に例示するように、2つの係止部分23dが側壁部23cの下端部分から下側に向かって突出するように設けられており、係止部分23dにてバックライト装置3に組み付けられるようになっている。また、拡散板支持部材24の基部を兼用したリフレクタ23では、拡散板支持部材24を着脱可能に取り付けるための取付穴が形成されている。
【0053】
詳細には、図7に示すように、拡散板支持部材24は、透明な材料、例えばPC樹脂を使用して構成されており、射出成形法などによって全体が一体的に形成されている。また、拡散板支持部材24は、断面矩形状の基部24aと、この基部24aから拡散板15側に延ばされるとともに、先端部分が拡散板15に接触する略円錐状の支柱部24bとを備えており、上記先端部分が例えば断面円弧状に形成されることで拡散板15の表面を傷付けることなく、支持できるようになっている。
【0054】
基部24aには、ボルト24cがインサート成形などによって一体的に設けられている。そして、拡散板支持部材24では、ボルト24cが例えばインサート成形によってリフレクタ23の上記取付穴内に予め埋設されたナット23eに螺着されている。これにより、拡散板支持部材24では、基部24aと支柱部24bの根元部分とが反射面23a、23bの間に埋め込まれた状態で、リフレクタ23に着脱可能に取り付けられて、当該リフレクタ23を基部としてケース12に固定されている。
【0055】
すなわち、リフレクタ23では、係止部分23dが反射シート19及びケース12に形成された各貫通孔に挿通されて、ケース12の外部に突出した状態で、当該係止部分23dの円錐状に形成された先端がケース12の外側表面で係止されることにより、リフレクタ23は、拡散板支持部材24を装着した状態で、バックライト装置3に組み付けられている。また、拡散板支持部材24では、白色のリフレクタ23を介してケース12に組み付けられているので、上記第1の実施形態のものと異なり、基部24aの表面に遮光性を付与するための着色を施す必要はない。
【0056】
以上のように、本実施形態では、拡散板支持部材24の支柱部24bを透明な材料を使用して構成しているので、上記第1の実施形態と同様に、バックライト装置3の発光面での黒ムラの発生を防止することができ、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる。また、本実施形態では、上記リフレクタ23を拡散板支持部材24の基部として用いているので、第1の実施形態と異なり、リフレクタ23の反射面23a、23bにより、上記2つの各冷陰極管20の光利用効率をより高めつつ、拡散板支持部材24によって拡散板15をより安定した状態で支持することが可能となる。
【0057】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態にかかる拡散板支持部材を説明する拡大断面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、透明な先端部分と、透明な先端部分と別体に構成されるとともに、表面が光反射率の高い色である下端部分とを、支柱部に設けた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0058】
すなわち、図8に示すように、本実施形態では、拡散板支持部材25は、ケース12に固定される断面矩形状の基部25aと、この基部25aから拡散板15側に延ばされるとともに、先端部分が拡散板15に接触する略円錐状の支柱部25bとを備えている。また、拡散板支持部材25には、略円柱状の係止部分25cが基部25aの支柱部25bが延設された表面とは反対側の表面から突出するように設けられている。そして、拡散板支持部材25では、係止部分25cが反射シート19及びケース12に形成された各貫通孔に挿通されて、ケース12の外部に突出した状態で、当該係止部分25cの円錐状に形成された先端がケース12の外側表面で係止されることにより、拡散板支持部材25はバックライト装置3に組み付けられている。
【0059】
また、拡散板支持部材25は、透明な材料、例えばPC樹脂を用いて構成されており、基部25aの少なくともケース12の内部側の表面には、白色等の光反射率の高い色が着色されている。これにより、拡散板支持部材25では、第1の実施形態のものと同様に、基部25aの表面にて冷陰極管20の光を拡散板15側に反射させて光利用効率を向上させつつ、当該基部25aの内部への光の入射を防いで係止部分25cを介してケース12の外部側に漏れ出る漏れ光の発生を防止することができる。
【0060】
一方、支柱部25bは、基部25aと一体的に形成された下端部分25b1と、この下端部分25b1と別体に構成された透明な先端部分25b2とを備えている。下端部分25b1の表面には、白色等の光反射率の高い色が着色されており、冷陰極管20の光を拡散板15側に反射するようになっている。また、先端部分25b2は、下端部分25b1に取付・取外し可能に構成されたものであり、先端部分25b2では、PC樹脂素材の透明性が維持されている。また、先端部分25b2は、図8に例示するように、拡散板15との接触部分が断面円弧状に形成されており、拡散板15の表面を傷付けることなく、支持できるようになっている。
【0061】
さらに、拡散板支持部材25では、拡散板15の種類や冷陰極管20の光の強度などに応じて、支柱部25b全体の長さ寸法に対する、透明な先端部分25b2の長さ寸法(図8にHにて図示)を適宜変更可能に構成されている。
【0062】
以上のように、本実施形態では、支柱部25の先端部分25b2を透明な材料を用いて構成しているので、上記第1の実施形態と同様に、バックライト装置3の発光面での黒ムラの発生を防止することができ、光利用効率の低下を抑制しつつ、表示品位が低下するのを防ぐことができる。また、本実施形態では、支柱部25bの下端部分25b1の表面により、冷陰極管20の光を拡散板15側に反射することができるので、冷陰極管20の光利用効率をさらに向上させることができる。
【0063】
さらに、本実施形態では、透明な先端部分25b2の上記長さ寸法を変更可能に構成されているので、第1の実施形態のものと異なり、液晶表示装置1の仕様変更などに応じて、拡散板15と反射シート19との間の離間距離(つまり、拡散板支持部材25の長さ寸法)が変更されたときでも、当該透明な先端部分25b2を透過することによって生じる光の吸収ロスを容易に調整することができる。この結果、本実施形態では、拡散板支持部材25の先端部分25b2を透過して拡散板15に入射される光量をより細かく調整することができ、上記黒ムラの発生をさらに容易に防ぐことができる。
【0064】
尚、上記の説明では、拡散板支持部材25において、支柱部25bの先端部分25b2を除く、下端部分25b1及び基部25a(係止部分25cを含む。)を一体的に形成した場合について説明したが、本実施形態の拡散板支持部材25は、これに限定されるものではなく、例えば白色の着色剤が混入された白色のPC樹脂により、下端部分25b1と基部25aとを互いに組付・組外し可能な別部材で構成することもできる。
【0065】
また、上記の説明以外に、先端部分25b2を透明で緩衝性を有する樹脂(例えば、ウレタン樹脂)を用いて構成することもできる。このように構成した場合には、拡散板支持部材25に対し、拡散板15が移動(振動)したときでも、当該先端部分25b2によって拡散板15との間での振動音や摺接音などの接触音が発生するのを防ぐことができる。この結果、前記接触音に起因する不快感がユーザに与えられるのを極力防止できる液晶表示装置1を容易に構成することが可能となる。
【0066】
また、上記の説明以外に、第2の実施形態に示したリフレクタ23に対して、本実施形態の拡散板支持部材25を着脱可能に構成することにより、本実施形態と第2の実施形態とを組み合わせたものを用いることもできる。
【0067】
尚、上記の各実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0068】
例えば、上記の説明では、本発明を直下型のバックライト装置を具備した液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光源の光を利用して、画像、文字などの情報を表示する非発光型の表示部を備えた投写型表示装置(リアプロジェクションを含む。)などの各種表示装置に適用することができる。
【0069】
また、上記の説明以外に、本発明は、レントゲン写真に光を照射するシャウカステンあるいは写真ネガ等に光を照射して視認をし易くするためのライトボックスや、看板や駅構内の壁面などに設置される広告等をライトアップする発光装置のバックライト装置として好適に用いることができる。
【0070】
また、上記の説明では、PC樹脂により構成された4つの拡散板支持部材をケース(筐体)に設けた場合について説明したが、本発明の拡散板支持部材はこれに限定されるものではなく、拡散板の大きさや重量、材質などに応じて、拡散板支持部材の素材、形状、設置数等を適宜変更することができる。
【0071】
また、上記の説明では、支柱部の先端部分が拡散板に接触した構成について説明したが、本発明は支柱部の先端部分が拡散板に接触又は近接するものであればよく、拡散板に反りなどが生じたときに、拡散板支持部材が当該拡散板に接触する構成でもよい。これにより、本発明では、先端部分と拡散板とが接触していない近接しているときでも、その近接箇所の直上部分に黒ムラが現れるのを防止することができる。
【0072】
また、上記の説明では、拡散板支持部材の基部の表面に白色等の光反射率の高い色を着色することにより、当該基部に遮光性を付与した構成について説明したが、本発明の拡散板支持部材の基部は、光源の光が内部に入射されるのを防ぐことが可能な遮光性が付与されたものであれば何等限定されない。具体的には、例えば拡散板支持部材の基部を白色の着色剤が添加・混入されて、基部全体が白色に構成されているものを使用することができる。また、光反射率の高いアルミニウム等の金属を用いて基部を構成したり、光透過性に優れたセラミック材などを用いて支柱部を構成したりすることもできる。また、黒色などの光吸収率の高い色を基部の表面に着色(塗布)することにより、当該基部に上記遮光性を与えるものでもよい。但し、上記各実施形態のように、基部に光反射性を付与する場合の方が、光源の光利用効率をさらに高めることができる点で好ましい。
【0073】
また、上記の説明では、線状光源としての冷陰極管を使用した場合について説明したが、本発明の光源はこれに限定されるものではなく、熱陰極管、あるいは水銀レスランプであるキセノン管等の他の線状光源を用いることもできる。また、例えば全体形状がU字状に形成された非直管状のU字ランプ(擬似U字管を含む。)を使用することもできる。さらに、発光ダイオード(LED)などの点状光源や複数の点状光源を直線上に配列することで線状光源化された光源や有機EL(OLED)などの平面状光源も使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。
【図2】図1に示した表示装置の要部構成を説明する平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる表示装置を説明する概略断面図である。
【図5】図4に示した表示装置の要部構成を説明する平面図である。
【図6】(a)は図5に示した拡散板支持部材及びリフレクタの拡大平面図であり、(b)は上記拡散板支持部材及びリフレクタの拡大側面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態にかかる拡散板支持部材を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 液晶表示装置
2 液晶パネル(表示部)
3 バックライト装置
12 ケース(筐体)
15 拡散板
20 冷陰極管(光源)
22、24、25 拡散板支持部材
22a、24a、25a 基部
22b、24b、25b 支柱部
25b1 下端部分
25b2 先端部分
22c、25c 係止部分
23 リフレクタ(基部)
23d 係止部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を拡散する拡散板を支持する拡散板支持部材であって、
前記光源を収容する筐体に固定される基部と、
前記基部から前記拡散板側に延ばされるとともに、先端部分が前記拡散板に接触又は近接する支柱部とを備え、
前記基部に遮光性を付与するとともに、前記先端部分を透明な材料を用いて構成したことを特徴とする拡散板支持部材。
【請求項2】
前記基部の表面が、光反射率の高い色である請求項1に記載の拡散板支持部材。
【請求項3】
前記基部には、2つの前記光源の間に設けられ、前記2つの各光源からの光を反射するリフレクタが用いられている請求項1または2に記載の拡散板支持部材。
【請求項4】
前記基部には、前記筐体の外部に突出した状態で、当該筐体に係止される係止部分が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡散板支持部材。
【請求項5】
前記支柱部には、透明な前記先端部分と、前記透明な先端部分と別体に構成されるとともに、表面が光反射率の高い色である下端部分とが設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の拡散板支持部材。
【請求項6】
光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板とを備えたバックライト装置であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とするバックライト装置。
【請求項7】
光源と、前記光源からの光を拡散する拡散板と、前記光源からの光が前記拡散板を介して照射される表示部とを備えた表示装置であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の拡散板支持部材を用いて、前記拡散板を支持することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−157451(P2007−157451A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349741(P2005−349741)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】