説明

指詰め防止装置

【課題】 遮断カバーとは別個にバネ等の付勢手段を設ける必要がなく、扉体の非開閉動作時に遮断カバーを巻き取ってコンパクト化でき、簡単に屈曲することなく指と一緒に戸尻隙間に挟み込まれ難い遮断カバーを備える指詰め防止装置を提供すること。
【解決手段】 扉体が枠体に蝶番を介して回転自在に連結される開き戸型ドアに関し、その扉体と枠体との戸尻側に生じる戸尻隙間への指の入り込みを遮断するため、回転自在な巻取軸に横方向一端部が固定端として固定され、その巻取軸の外周にロール状に巻き付けられ、横方向他端部が引出端として扉体又は枠体の他方に固定可能とされ、戸尻隙間を覆い又は塞ぐ遮断カバーとを備え、その遮断カバーは、弾性復元性を有する硬質可撓性シートを巻いて所定ロール状に癖付けした渦巻きバネであって、引き出されて展開した状態において自己の弾性復元性によって巻取力を発揮して初期のロール状に回復可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉体が枠体に蝶番を介して回転自在に連結される開き戸型ドアについて、その扉体の戸尻側端部と枠体の戸尻側縦枠との間に生じる戸尻隙間への指の入り込みを遮断して指の挟み込みを防止する指詰め防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、開き戸型ドアに関しては、その戸尻側で扉体と枠体(の縦枠)との間にできる隙間に、人が指先を挟み込んで怪我などをすることがあった。なかでも、幼児や高齢者がうっかり指先を挟み込むことが多く、特に、幼児等の子どもは、大人に比べても指が小さくて弱いため、このような事故が発生し易く、かつ、重大な事故となることがあった。
【0003】
そこで、従来より、このような危険な事故を少しでも低減し、怪我等の負傷を軽減するため、ドアの戸尻側に扉体と枠体の縦枠との間にできる隙間を覆って指先の挟み込みを防止するカバー装置が、種々提案されている。例えば、このようなカバー装置の一種として、下記する特許文献1及び2に記載される装置が提案されている。
【0004】
特許文献1には、ドア回転軸部分の挟み込み防止カバーが記載されている。この防止カバーは、「巻バネ剛性を持つ薄肉の半円筒形のカバーを用いることにより、扉のどの位置においても常に、そのバネ剛性により、カバーしえいる部分に力を加えてカバーすることができる」ものである。
【0005】
また、この防止カバーは、「ドアの閉じた状態での円筒形の一部が、大きく変形することになるので、装置の剛性を低くしなければならない」ものであり、「常に一定の張力を扉表面にかけたまま、カバーできる」ものでもある。このため、当該防止カバーの素材は「軽くかつ薄い上にある程度の巻バネ剛性」を持っている。
【0006】
特許文献2には、扉ヒンジ部のガードが記載されており、なかでも、請求項8及び第8図に記載されるものは「屈曲性に富む部材の一方の端を扉(1)側に付け、他方の端をばね等によって巻き込み及び引出し可能にして、柱・壁等(2)側に付ける」ものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−189994号公報
【特許文献2】実開昭63−42781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の防止カバーでは、半円筒状のカバーが常時そのままの形状で扉と壁との隙間を覆うように存在しているため、扉を開閉させない時でも防止カバー全体が広がり出たままの状態となる。このため、防止カバーの存在が雑然とした印象を与え、ドア周辺の美観が損なわれてしまう。
【0009】
また、防止カバーが扉及び壁から常に半円筒状に飛び出したままの状態であることから、その周辺を人が通り過ぎる時や、その周辺に家具などを設置する時に大変に邪魔となってしまう。
【0010】
そのうえ、防止カバーが常時広がったままでいるため、子どもは殊更、大人でも不注意で防止カバーにぶつかったりして、それを破損したり故障させる危険性があった。特に、この防止カバーは、薄肉状でバネ剛性も弱いのものであることから余計に破損し易い状況にあった。
【0011】
また、特許文献2に記載のガードは、屈曲性に富む部材をばね等によって巻き取る構造であることから、屈曲性に富む部材とばね等とを別々に装備する必要がある。このため、その構造が複雑となることが想定され、その分、製造コストが嵩むことが考えられる。
【0012】
もっとも、ばね等の機構を簡単かつ安価なものとすることもできるが、それでは、耐久性が低下する恐れがあり、製品の品質低下を招いてしまうという問題点がある。
【0013】
また、このガードに用いられる屈曲性に富む部材は、ばね等の力により巻き取られやすい柔軟な素材であるため、それを強く指先で押すと簡単に折れ曲ってしまう。このため、例えば、指先が屈曲性に富む部材ごと扉(1)と柱・壁(2)等との間に巻き込まれて挟まれることも考えられる。
【0014】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するため、遮断カバーとは別個にバネ等の付勢手段を設ける必要がなく、扉体の非開閉動作時に遮断カバーを巻き取ってコンパクト化でき、簡単に屈曲することなく指と一緒に戸尻隙間に挟み込まれ難い遮断カバーを備える指詰め防止装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するために請求項1の指詰め防止装置は、扉体が枠体に蝶番を介して回転自在に連結される開き戸型ドアに関し、その扉体と枠体との戸尻側に生じる戸尻隙間への指の入り込みを遮断するため、扉体又は枠体の一方に固定可能に形成される支持フレームと、その支持フレームによって扉体及び枠体の縦方向に軸方向を向けて回転自在に支持されている巻取軸と、その巻取軸に横方向一端部が固定端として固定され、その巻取軸の外周にロール状に巻き付けられ、横方向他端部が引出端として扉体又は枠体の他方に固定可能とされ、戸尻隙間を覆い又は塞ぐ遮断カバーとを備えており、その遮断カバーは、弾性復元性を有する硬質可撓性シートを巻いて所定ロール状に癖付けした渦巻きバネであって、引き出されて展開した状態において自己の弾性復元性によって巻取力を発揮して初期のロール状に回復可能に形成されている。
【0016】
請求項2の指詰め防止装置は、請求項1の指詰め防止装置において、前記支持フレームは、前記巻取軸及び遮断カバーを内部に回転自在に収容する収容ケースと、その収容ケースの外周面に開口形成され、その収容ケース内から前記遮断カバーを出し入れさせるカバー出入口とを備えている。
【0017】
請求項3の指詰め防止ユニットは、支持フレームと、その支持フレームによって回転自在に支持されている巻取軸と、その巻取軸に横方向一端部が固定端として固定され、その巻取軸の外周にロール状に巻き付けられ、横方向他端部が引出端として扉体又は枠体の他方に固定可能とされ、戸尻隙間を覆い又は塞ぐ遮断カバーとを一体的にユニット化したものであって、その遮断カバーは、弾性復元性を有する硬質可撓性シートを巻いて所定ロール状に癖付けした渦巻きバネであって、引き出されて展開した状態において自己の弾性復元性によって巻取力を発揮して初期のロール状に回復可能に形成されている。
【0018】
本発明の指詰め防止装置又は指詰め防止ユニットによれば、巻取軸の軸方向が扉体及び枠体の縦方向に向けられた状態で、支持フレームが扉体又は枠体の一方に固定され、遮断カバーの引出端が扉体又は枠体の他方に固定される。
【0019】
開き戸型ドアを開く場合、扉体が蝶番を介して回転させられることによって扉体の開き角が拡大し、これに伴って扉体と枠体との間にある戸尻隙間も拡大する。また、この戸尻隙間の拡大と同時に、扉体又は枠体の片方に固定される遮断カバーの引出端が、そのもう片方に固定される支持フレームから相対的に離れるように移動させられる。
【0020】
この相対移動によって、遮断カバーの引出端には、当該遮断カバー自らの弾性復元性に基づく巻取力を越える引張力が作用する。この引張力の作用によって、遮断カバーの巻き付いた巻取軸が引出し方向へ回転されられて、遮断カバーが引き出され。すると、遮断カバーによって、戸尻隙間が覆われ又は塞がれ、この戸尻隙間への指の入り込みが遮断される。結果、指の戸尻隙間への挟み込みが防止される。
【0021】
これに対し、開き戸型ドアを閉じる場合には、扉体が蝶番を介して回転し閉じられると、扉体の開き角が縮小し、これに伴って扉体と枠体との間にある戸尻隙間が縮小する。すると、この戸尻隙間の縮小と同時に、扉体又は枠体の片方に固定される遮断カバーの引出端が、そのもう片方に固定される支持フレームへと接近する方向へ相対的に移動させられる。
【0022】
この相対移動の過程において、渦巻きバネである遮断カバー自体の弾性復元性に基づく巻取力が発揮される。この巻取力によって、巻取軸は巻取方向へ回転させて、引き出されていた遮断カバーが巻取軸の外周に巻き取られて、遮断カバーが初期のロール状へと回復する。
【0023】
特に、請求項2の指詰め防止装置によれば、巻取軸及びそれに巻き付けられた遮断カバーが収容ケース内に収容され、この収容ケース内で遮断カバーが引き出し又は巻き取りに伴って回転させられることによって、遮断カバーが収容ケースのカバー出入口を通じて出し入れされる。
【0024】
ここで、本発明の変形例によれば、上記した指詰め防止装置又は指詰め防止ユニットにおいて、前記遮断カバーは、当該遮断カバーに使用される硬質可撓性シートに比べて剛性の大きく形成され、その引出端全体に当該遮断カバーの縦方向に沿って連続延設され、扉体又は枠体の他方に固定される引出端固定部を備えていても良い。
【0025】
この本発明の変形例である指詰め防止装置によれば、引出端固定部が扉体又は枠体の他方に固定されることで、遮断カバーの引出端の縦方向全体が扉体又は枠体の他方に固定される。遮断カバーの引出端に、その引き出しに伴う引張力が直接に作用することが防止されるので、過度の引張力の作用によって遮断カバーが破れ裂けて破損するようなことを防止できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の指詰め防止装置又は指詰め防止ユニットによれば、遮断カバー自体が自己の弾性復元性によって巻取力を発揮する渦巻きバネであるので、遮断カバーを巻取軸の回りに巻き取るための力を、遮断カバー自らが発揮することができる。このため、遮断カバーを巻き取るバネ機構などの付勢手段を別途設ける必要がなく、その構造を簡素化できるという効果がある。
【0027】
また、バネ機構などの付勢手段が不要となる結果、装置全体を小型化することができ、なおかつ、扉体の閉塞時には、遮断カバーが巻取軸の回りにロール状に巻き取られるため、遮断カバーが広がったまま出っぱなしで常時放置されることもなく、ドア周辺を整理して美観を向上できるという効果がある。
【0028】
さらに、遮断カバーが巻取軸にロール状に巻き付けられた格好に巻き取られるため、遮断カバーが広がったまま、扉体や枠体のある壁面から常時飛び出しているようなことも解消されるので、ドアの周辺の人の通行や家具等の設置に支障を来すこともなく、人や物がぶつかって遮断カバーを破損させることも大幅に低減できるという効果がある。
【0029】
そのうえ、遮断カバーは、渦巻きバネとしての弾性復元性を備える硬質可撓性シートで形成されることから、たとえ強く指先で押しても屈曲し難く、かつ、当該遮断カバーの外側からその内側にある戸尻隙間へ指が向かって行ったとしても、その弾性復元性で指を外側へ押し返す力を発揮するので、遮断カバーごと指が戸尻隙間に挟み込まれることを防止できるという効果がある。
【0030】
そのうえ、遮断カバーは、ロール状に巻かれた所定形状に癖が付いているので、引き出されると、その弾性復元性によって遮断カバーの外面側が外向きに凸状に膨らみ彎曲する性質がある。
【0031】
そこで、例えば、この彎曲した遮断カバーの外面側を戸尻隙間の反配設側に向けた態勢で、支持フレーム及び遮断カバーの引出端を扉体及び枠体に固定すれば、遮断カバーの外面側から戸尻隙間へ向けて遮断カバーを指などで押す外力Fが作用しても、このような力に抗する弾性的な反発力F’を発生し、それを押し返すこともできる(図5(b)参照。)。
【0032】
特に、請求項2の指詰め防止装置によれば、遮断カバーの引き出し及び巻き取りは、遮断カバーが収容ケースの内部に収容された状態のままカバー出入口を通じて行われる。このため、回転する遮断カバーが剥き出しのまま放置され続けることがなく、遮断カバーに不注意に接触することによる故障や破損を解消できるという効果がある。
【0033】
特に、請求項3の指詰め防止ユニットによれば、支持フレーム、巻取軸及び遮断カバーが一体的な一つのユニットとなっているので、このユニットを開き戸型ドアに後付けすることで、既存の開き戸型ドアに指詰め防止機能を付加できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例である指詰め防止装置を備えた開き戸型ドアの正面図である。
【図2】図1に示した指詰め防止装置の内部構造を部分的に断面視した斜視図である。
【図3】図1に示した指詰め防止装置の上下両端部の内部構造を図示した拡大縦断面図であって、指詰め防止装置における縦方向中間部の図示を一部省略した図である。
【図4】図1のIV−IV線における縦断面図であって、縦方向における一部を中間省略した図である。
【図5】(a)は、扉体の閉塞状態における指詰め防止装置の横断面図であり、(b)は、扉体の開放状態における指詰め防止装置の横断面図である。
【図6】図5(b)に示した指詰め防止装置を部分的に拡大視した正面図であって、縦方向における一部を中間省略した図である。
【図7】(a)は、引張力の非作用状態における遮断カバーの模式図であり、(b)は、引張力の作用状態における遮断カバーの模式図である。
【図8】(a)は、扉体の閉塞状態における第1変形例の指詰め防止装置を図示した横断面図であり、(b)は、扉体の開放状態における第1変形例の指詰め防止装置を図示した横断面図である。
【図9】図8(b)に示した第1変形例の指詰め防止装置を部分的に拡大視した正面図であって、縦方向における一部を中間省略した図である。
【図10】扉体の閉塞状態における第2変形例の指詰め防止装置を図示した横断面図である。
【図11】指詰め防止装置の主要構成部品をユニット化した指詰め防止ユニットの斜視図であって、縦方向における一部を中間省略した図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である指詰め防止装置1を備えた開き戸型ドア70(以下単に「ドア70」という。)の正面図である。
【0036】
図1に示すように、ドア70は、扉体71と、枠体72とを備えている。扉体71は、その戸尻側(図1右側)にある端部(以下「戸尻側端部」ともいう。)71aの上下両側(図1上下両側)が蝶番73,73を介して枠体72の戸尻側にある縦枠(以下「戸尻側縦枠」ともいう。)72aに回転自在に連結され、この戸尻側縦枠72aに沿った鉛直軸回りで回転することで開閉自在となっている。
【0037】
このドア70によれば、扉体71が開かれることによって、扉体71の戸尻側端部71aと枠体72の戸尻側縦枠72aとの間に、縦方向(鉛直方向(図1上下方向))に延びる戸尻隙間74が生じることとなる(図2参照。)。
【0038】
そこで、ドア70の戸尻側には、ドア70の縦方向に沿って戸尻隙間74を覆い又は塞いでそこに指が入り込むのを遮断するため、指詰め防止装置1が配設されている。
【0039】
この指詰め防止装置1は、その下端が扉体71の縦方向(高さ方向)下端(又はその近傍)にあるとともに、そこから鉛直上方へ延びて、その上端が扉体71の全高の約1/2〜3/4ほどの高さ位置まで達している。
【0040】
なお、本実施例の指詰め防止装置1の配設範囲は、必ずしも上記した「扉体71の縦方向下端から扉体71の焼く1/2〜3/4ほどの高さ位置まで」の範囲に限定されるものではなく、例えば、子供、大人(特に高齢者や身体の不自由な方)が手を挟み込む恐れのある高さの範囲に設けられれば良い。
【0041】
図2は、図1に示した指詰め防止装置1の内部構造を部分的に断面視した斜視図である。図2に示すように、指詰め防止装置1は、主に、支持フレーム2と、巻取軸3と、遮断カバー4とを備えており、支持フレーム2は、正四角柱状の中空体に形成されている。また、この支持フレーム2の内周部は、巻取軸3及び遮断カバー4を収容するための収容空間2aとなっている。
【0042】
この支持フレーム2は、その外周にある一面が両面粘着テープ5を介して扉体71の板面71bに当着固定され、扉体71の戸尻側端部71aに沿って縦方向(図2上下方向)へ延びている。
【0043】
なお、支持フレーム2の扉体71への固定手段は、必ずしも両面粘着テープ5などを用いた粘着による当着固定に限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いて接着したり、支持フレーム2を扉体71に溶接したり、扉体71内部に支持フレーム2を内蔵したり、支持フレーム2を支持フレーム2にビス止めするなど、各種の固定手段を用いることができる。
【0044】
遮断カバー4は、巻取軸3の外周にロール状に巻き付けられ、この状態で支持フレーム2の内周部にある収容空間2a内に収容されている。この遮断カバー4は、弾性復元性を有する硬質可撓性シート(硬質かつ可撓性のあるシート)を所定ロール状に巻いて癖付け(成形)した渦巻きバネの一種であり、引き出されて展開した状態となったとき、自己の弾性復元性による巻取力を発揮して、初期の所定ロール状に丸まって回復するようになっている。
【0045】
また、遮断カバー4は、例えば、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂製の硬質可撓性シートで形成され、0.2mm程度の厚みのものが用いられる。そして、このような遮断カバー4は、例えば、上記した硬質可撓性シートを加熱により軟化させ、所定ロール状に丸めて成形した後、冷却により再硬化させることによって、所定ロール状の渦巻きバネに成形される。
【0046】
さらに、遮断カバー4の横方向(図2左右方向)の一端部(図2左側)は、渦巻きの中心側の端部(以下「固定端4a」(図4、図7等参照。)という。)となって、巻取軸3の外周面に固着されている。そして、この遮断カバー4の横方向の他端部(図2右側)は、渦巻きの外周側の端部(以下「引出端4b」という。)となって、支持フレーム2の外部へと引き出されている。
【0047】
この遮断カバー4の引出端4bは、固定板6を介して枠体72の内面72bに固定されている。固定板6は、遮断カバー4の引出端4bをドア70の枠体72に強固に取り付けるため、遮断カバー4に比べて厚手で剛性が大きく形成されている。例えば、固定板6には、遮断カバー4に比べて剛性が大きなアルミ合金などの金属材料を使用することができる。
【0048】
また、固定板6は、縦方向(図2上下方向)に細長い板状に形成されており、遮断カバー4の引出端4bに沿って縦方向全体に固着されている(図1参照。)。なお、この固定板6を枠体72の内面72bに固定する固定手段としては、上記した支持フレーム2を扉体71に固定手段と同種の手段を用いることができる。
【0049】
図3は、図1に示した指詰め防止装置1の上下両端部の内部構造を図示した拡大縦断面図であって、指詰め防止装置1における縦方向中間部の図示を一部省略した図である。なお、図3では、指詰め防止措置1における縦方向中間部について、2点鎖線による簡略図示も行っている。
【0050】
図3に示すように、支持フレーム2は、上下両端が開放された正四角柱状の縦長筒状体である収容ケース7と、その収容ケース7の上下両端の開放部分を閉塞するとともに巻取軸3を回転自在に支持するための一対の支持キャップ8,8とを備えている。
【0051】
これらの支持キャップ8,8は、その一部分が収容ケース7の上下両端部内にそれぞれ嵌合されており、この嵌合された部分がビス等のネジ止めによって収容ケース7にそれぞれ固定されている。また、これらの支持キャップ8,8同士の対向面には、収容ケース7の内方へ向けて突出した支持軸8a,8aがそれぞれ設けられている。
【0052】
巻取軸3は、その軸方向(図3上下方向)が扉体71及び枠体72の縦方向(図3上下方向)を向いた状態で配設されている。この巻取軸3は、その軸心部が軸方向に貫通した中空パイプであって、その直径が8〜15mm程度のものが用いられている。このように巻取軸3は、中空体としたことによる軽量化によって、巻取軸3自体の回転時の慣性力の低減が図られ、遮断カバー4の引き出し時及び巻き取り時に回転し易くなっている。
【0053】
また、この巻取軸3には、その上下両端部の内周部に円柱状の軸受9,9がそれぞれ内嵌固着されており、この各軸受9の中心部には、巻取軸3の軸心と同心状の遊挿孔9aが穿設されている。この各遊挿孔9aには、支持キャップ8の支持軸8aが遊挿されており、巻取軸3は、この一対の支持軸8a,8aによって収容ケース7内に回転自在に支持されている。
【0054】
さらに、各支持キャップ8における支持軸8aの突設面と巻取軸3の軸方向両側にある端面(軸受9の端面を含む。以下同じ。)との間には、支持軸8aの突出箇所を避けて、ドーナッツ板状の滑り板10が介装されている。この滑り板10は、その表面が巻取軸3の端面に比べて硬質の滑面状に形成されており、その表面上で巻取軸3の端面が摺動回転することで、巻取軸3の回転抵抗の軽減が図られている。例えば、滑り板10には焼入された平座金が用いられる。
【0055】
ただし、例えば、各支持キャップ8における支持軸8aの突設面と巻取軸3の軸方向両側の端面とが互いに硬質の滑面状であるなど、巻取軸3と支持キャップ8との接触面同士が滑り易い状態にあれば、必ずしも滑り板10を設けなくとも良い。
【0056】
図4は、図1のIV−IV線における縦断面図であって、縦方向(図4上下方向)における一部を中間省略した図である。図4に示すように、支持フレーム2には、その外周面に縦方向(鉛直方向)に細長い開口であるカバー出入口11が形成されている。このカバー出入口11は、遮断カバー4の引き出し及び巻き取りのために支持フレーム2に設けた開口であり、支持フレーム2内の収容空間2aと連通している。
【0057】
ここで、カバー出入口11は、収容ケース7にその上端から下端まで繋がった一筋のスリットを設け、このスリットの上下両端を上下の支持キャップ8,8により閉塞することで縦長矩形状の開口としたものである。
【0058】
図5及び図6は、扉体71の閉塞状態及び開放状態を示した図であり、特に、図5(a)は、扉体71の閉塞状態における指詰め防止装置1の横断面図であり、図5(b)は、扉体71の開放状態における指詰め防止装置1の横断面図であり、図6は、図5(b)に示した指詰め防止装置1を部分的に拡大視した正面図であって、縦方向(図6上下方向)における一部を中間省略した図である。
【0059】
図5(a)に示すように、ドア70の戸尻側は、扉体71が閉塞している場合、その扉体71の板面71bと枠体72の内面72bとが直角状のコーナーCとなっている。ここで、ドア70の戸尻側のコーナーCのうち、その片面をなす扉体71の板面71bには(支持フレーム2の)収容ケース7が固定され、もう片面をなす枠体72の内面72bには固定板6を介して遮断カバー4の引出端4bが固定される。
【0060】
収容ケース7の外周を取り囲む4枚の壁板7a〜7dのうち、1枚の壁板7aには、その一部を切り欠く格好でカバー出入口11が開口形成されている。このカバー出入口11を開口形成した壁板7aは、枠体72の内面72bに対して平行状にかつ近接して対面配置されている。
【0061】
このように収容ケース7を固定することで、カバー出入口11と枠体72の内面72bと距離を短くでき、遮断カバー4が扉体71の閉塞時に余分に引き出されず、ドア70周辺の美観が損なわれずに済む。また、扉体71の閉塞時において、枠体72の内面72bと支持フレーム2との間にカバー出入口11を隠蔽することができ、カバー出入口11へ異物が入り込んだり、或は、異物が詰込まれるなどして、装置が故障することを防止できる。
【0062】
ここで、カバー出入口11と収容ケース7に4枚ある壁板7a〜7dとの位置関係について、以下詳細に説明する。
【0063】
まず、収容ケース7は、その周囲に4枚の壁板7a〜7dがあり、そのうち、3枚の横幅が等長で、残る1枚の横幅が短くなっており、この短い第1の壁板7aから、図5中の反時計回り方向に、第2、第3及び第4の壁板7b〜7dが順番に連なっている。
【0064】
このとき、第1の短い壁板7aは枠体72の内面72bに対面し、第2の壁板7bは両面粘着テープ5を介して扉体71の板面71bに当着固定されている。また、第3の壁板7cは第1の短い壁板7aに対して、第4の壁板7dは扉体71の板面71bに当着固定される第2の壁板7bに対して、それぞれ間隔を隔てて平行状に対面している。
【0065】
そして、これら4枚の壁板7a〜7dは、第1の短い壁板7aの一端が第2の壁板7bの一端に、第2の壁板7bの他端が第3の壁板7cの一端に、第3の壁板7cの他端が第4の壁板7dの一端に、それぞれ直角状に連設されている。これに対し、第4の壁板7dの他端と第1の短い壁板7aの他端とは互いに連設されずに、その間に所定横幅のスリットが設けられ、このスリットがカバー出入口11となっている。
【0066】
このようにカバー出入口11は、収容ケース7における第1の短い壁板7aと第4の壁板7dとの境目に設けられており、この結果、扉体71の板面71bに当着固定された第2の壁板7bから最も遠く離れた箇所に開口形成されるものとなっている。
【0067】
この結果、ドア70の閉塞状態において(支持フレーム2の)収容ケース7と枠体72の内面72bとの対向面間に隙間があっても、この隙間の入り口にあたる最も手前側(反扉体71配設側)から遮断カバー4を引き出して、図6に示すように当該隙間を塞ぐことができ、そこへ入り込もうとする指や物を遮断できる。
【0068】
次に、図5及び図6を参照して、ドア70の開閉動作に伴う指詰め防止装置1の動作について説明する。
【0069】
第一に、ドア70が閉塞状態(図5(a)参照。)から開放状態(図5(b)参照。)へ変化する場合は、図5(a)に示すように閉塞状態にある扉体71が蝶番73を介して開放方向(図5(a)の時計回り方向)に回転させられることで、扉体71の開き角が拡大し、この拡大に伴って扉体71と枠体72との戸尻隙間74が拡大する。
【0070】
このとき、扉体71の戸尻側端部71aも枠体72の戸尻側縦枠72aの内面72bから遠ざかるように離れて行くため、支持フレーム2が遮断カバー4の引出端4bから引き離される。そして、この引き離そうとする力が、遮断カバー4自体の弾性復元性に基づき発揮される巻取力に抗して、遮断カバー4を引っ張り出す引張力となって作用する。
【0071】
この引張力の作用によって、巻取軸3にロール状に巻き付いている遮断カバー4は徐々にカバー出入口11を通じて支持フレーム2の収容空間2aから引き出されるとともに、この遮断カバー4の引き出しに伴って支持フレーム2内では巻取軸3が引出方向(図5中の反時計回り方向)へ回転させられる。
【0072】
すると、図5(b)及び図6に示すように遮断カバー4が引き出されて、戸尻隙間74(図5(b)中の2点鎖線で囲まれた範囲)がこの遮断カバー4によって覆われて、遮断カバー4の手前側(図6の紙面手前側)からその裏側(図6の紙面奥側)にある戸尻隙間74へと通じる道筋が遮断される。この結果、遮断カバー4によって、戸尻隙間74への指の入り込みも遮断されて、指が戸尻隙間74に挟み込まれることも防止される。
【0073】
第二に、ドア70が開放状態(図5(b)参照。)から閉塞状態(図5(a)参照。)へ変化する場合は、図5(b)に示すように、開放状態にある扉体71が蝶番73を介して閉塞方向(図5(b)の反時計回り方向)に回転させられることで、扉体71の開き角が縮小し、この縮小に伴って扉体71と枠体72の戸尻隙間74も縮小する。
【0074】
このとき、扉体71の戸尻側端部71aは枠体72の戸尻側縦枠72aの内面72bに近づくように接近して行くため、それに伴って遮断カバー4に作用していた引張力も減少し、その結果、遮断カバー4自体の弾性復元力に基づき発揮される巻取力によって、遮断カバー4自体が巻取軸3の外周に巻き取られる。
【0075】
そして、この巻取力の作用によって、巻取軸3が巻取方向(図5中の時計回り方向)へ回転され、カバー出入口11から引き出されていた遮断カバー4が巻取軸3の外周に徐々に巻き取られて、遮断カバー4が初期のロール状態(図5(a)参照。)へと丸まって回復して行く。
【0076】
また、渦巻きバネである遮断カバー4は、図5(a)に示すように初期状態において小径のロール状に丸められたものが、その弾性復元性に逆らって、図5(b)に示すように支持フレーム2から引き出されて展開させられる。この結果、遮断カバー4は、カバー出入口11から引き出された部分が直線状とはならず、元の小径ロール状に戻ろうとする応力を受けて、図5(b)に示すように弧状に彎曲する。
【0077】
しかも、このように遮断カバー4を彎曲させる弾性復元力が遮断カバー4をその外面4c側へ向けて付勢する付勢力f1を発生させ、この付勢力f1が、遮断カバー4の外面4c側を、カバー出入口11における上記第4の壁板7dの端部(図5(b)中のP点及びその周辺部)に押し当て、そこに隙間ができ難くする。
【0078】
しかも、図5(b)は、扉体71が最も開放された時の状態を示しているが、この状態において、遮断カバー4は、まだ巻取軸3の外周に数周分巻き付いたままとなっている。つまり、遮断カバー4は、その引き出し方向(横方向)の全長が、引き出し時に想定される最大の引き出し長さに比べて、充分な余裕をもった長さとなっている。
【0079】
例えば、扉体71の最大開放時に想定される最大の引き出し長さが概ね15cm程度であるならば、遮断カバー4の横方向の全長は、その約2倍程度の概ね25〜30cmとすることができる。
【0080】
図7(a)は、引張力の非作用状態における遮断カバー4の模式図であり、図7(b)は、引張力の作用状態における遮断カバー4の模式図である。上記したように、遮断カバー4は、巻取軸3の外周にロール状に巻き付けられているが、引張力の非作用状態において、この遮断カバー4は巻取軸3の外周に決して緊密に巻き付いている訳ではない。
【0081】
図7(a)に示すように、引張力の非作用状態において、遮断カバー4は、巻取軸3の半径方向に積層した硬質可撓性シートの間に僅かな隙間が存在した弛みのある巻物の形態となっている。このため、図7(b)に示すように、遮断カバー4の引張端に引張力が作用すると、積層状態の硬質可撓性シート間の隙間が縮まって巻取軸3に緊密に巻き付いた状態へと変化する。
【0082】
そして、図7(b)に示した状態へ遮断カバー4が変化することは、その硬質可撓性シート内部に元の弛みのある状態へ回復しようとする弾性復元力を発生させることとなり、このように発生した弾性復元力も、遮断カバー4を巻き取り方向に付勢する力の一部となる。
【0083】
以上説明したように、指詰め防止装置1は、遮断カバー4が渦巻きバネとなって巻取力を発揮するので、遮断カバー4の巻取力を発生させるバネ機構を収容ケース7内に配設する必要もなく、その構造が簡素化される。その結果、装置全体として、故障頻度の低減化、組立作業の容易化、コンパクト化、及び、軽量化が図られる。
【0084】
また、図5(a)に示すように、遮断カバー4は、ドア70の閉塞時に支持フレーム2内に収容されてドア70の周辺に広がり出たまま常時放置されることもないので、ドア70の周辺がすっきりと整理され、人の通行や家具等の設置に支障を来すこともなく、人や物が遮断カバー4に不注意でぶつかったりして破損させる頻度も大幅に低減できる。
【0085】
ここで、遮断カバー4は、ロール状に巻かれた所定形状に癖が付いているため、引き出された場合にその弾性復元性によって、図5(b)に示すように、遮断カバー4の外面4c側が外向きに凸状に膨らみ彎曲する性質があり、この膨らんだ彎曲を押し潰そうとする外力Fに対して押し返す反発力F’を発揮する。
【0086】
このため、図5(b)に示すように、引き出された遮断カバー4の外面4c側が戸尻隙間74の反配設側(図5(b)の紙面中の主に左側)を向くように、支持フレーム2及び遮断カバー4の固定板6を扉体71及び枠体72に固定することで、遮断カバー4は、遮断カバー4の外面4c側に人の手が触れた時に反発力F’を発揮して、その手を戸尻隙間74から遠ざける方向へ押し返すように機能することができる。
【0087】
しかも、この反発力F’を発揮する機能に加えて、遮断カバー4は硬質シートで形成されているので、折り曲がり難くできており、たとえ遮断カバー4が手で押し潰されるようなことがあっても、指が遮断カバー4を巻き込んだまま戸尻隙間74へ入り込んでしまうような事態を低減できる。
【0088】
また、硬質シート製の渦巻きバネである遮断カバー4は、それに触れることで反発力F’を発揮するので、仮に、目の不自由な方が遮断カバー4を触れた際に、その反発力F’を介して遮断カバー4の存在を感知させることもできる。
【0089】
図8及び図9は、上記した指詰め防止装置1について、カバー出入口に関する変形例を示した図である。ここで、図8(a)は、扉体71の閉塞状態における第1変形例の指詰め防止装置20を図示した横断面図であり、図8(b)は、扉体71の開放状態における第1変形例の指詰め防止装置20を図示した横断面図であり、図9は、図8(b)に示した第1変形例の指詰め防止装置20を部分的に拡大視した正面図であって、縦方向(図9上下方向)における一部を中間省略した図である。
【0090】
なお、図8及び図9では、上記した図1〜7と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0091】
図8(a)に示すように、この第1変形例の指詰め防止装置20は、支持フレーム2の収容ケース7の周囲に4枚ある壁板7a〜7dのうち、上記した第1の短い壁板7aをなくし、収容ケース7の外周四面のうち一面全体を、カバー出入口11としたものである。このため、収容ケース7は、上記した第2から第4の壁板7b〜7dによって横断面視コ字形状に形成されている。
【0092】
このように、第1変形例の指詰め防止装置20によれば、カバー出入口11が外周面の一面全体が開口してしまっているが、図8(a)に示すようにドア70の閉塞時にあっては、カバー出入口11が枠体72の内面72bに近接して対面するため、カバー出入口11へ異物が入り込んだり、或は、異物が詰込まれるなどして、装置が故障することを防止できる。
【0093】
また、図8(b)に示すようにドア70が開放されて遮断カバー4が引き出されたとしても、図9に示すように、カバー出入口11は、遮断カバー4よって覆われて背後に隠されるので、そこへ指が入り込むこともない。
【0094】
図10は、上記した指詰め防止装置1について、支持フレーム及び固定板の被固定箇所に関する変形例を示した図であって、扉体71の閉塞状態における第2変形例の指詰め防止装置30を図示した横断面図である。
【0095】
なお、この図10では、上記した図1〜7と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0096】
図10に示すように、この第2変形例の指詰め防止装置30は、支持フレーム2を枠体72の戸尻側の内面72bに固定し、遮断カバー4の引出端4bを扉体71の戸尻側の板面71bに固定したものであり、支持フレーム2は、そのカバー出入口11の形成面が扉体71の板面71bと向かい合わせに近接対向させて配置されている。
【0097】
図11は、上記した指詰め防止装置1,30の主要構成部品をユニット化した指詰め防止ユニット40の斜視図であって、縦方向(図11上下方向)における一部を中間省略した図である。なお、図示は省略するが、指詰め防止ユニット40は、上記した巻取軸3、軸受9,9、支持キャップ8,8の支持軸8a,8a、滑り板10,10を備えている。
【0098】
図11に示すように、指詰め防止ユニット40は、上記した支持フレーム2と、遮断カバー4と、固定板6とを備えている。支持フレーム2は、収容ケース7と、一対の支持キャップ8,8と、カバー出入口11とを備えている。この指詰め防止ユニット40をドア70の戸尻部に固定することで、上記した指詰め防止装置1又は30として機能させることができる。
【0099】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【符号の説明】
【0100】
1,20,30 指詰め防止装置
2 支持フレーム
3 巻取軸
4 遮断カバー
4a 固定端
4b 引出端
4c 外面
5 両面粘着テープ
6 固定板
7 収容ケース
7a〜7d 壁板
8,8 支持キャップ
8a,8a 支持軸
9,9 軸受
9a,9a 遊挿孔
10,10 滑り板
11 カバー出入口
40 指詰め防止ユニット
70 ドア
71 扉体
71a 戸尻側端部
71b 板面
72 枠体
72a 戸尻側縦枠
72b 内面
73 蝶番
74 戸尻隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉体が枠体に蝶番を介して回転自在に連結される開き戸型ドアに関し、その扉体と枠体との戸尻側に生じる戸尻隙間への指の入り込みを遮断するため、
扉体又は枠体の一方に固定可能に形成される支持フレームと、
その支持フレームによって扉体及び枠体の縦方向に軸方向を向けて回転自在に支持されている巻取軸と、
その巻取軸に横方向一端部が固定端として固定され、その巻取軸の外周にロール状に巻き付けられ、横方向他端部が引出端として扉体又は枠体の他方に固定可能とされ、戸尻隙間を覆い又は塞ぐ遮断カバーとを備えている指詰め防止装置において、
その遮断カバーは、弾性復元性を有する硬質可撓性シートを巻いて所定ロール状に癖付けした渦巻きバネであって、引き出されて展開した状態において自己の弾性復元性によって巻取力を発揮して初期のロール状に回復可能に形成されていることを特徴とする指詰め防止装置。
【請求項2】
前記支持フレームは、前記巻取軸及び遮断カバーを内部に回転自在に収容する収容ケースと、その収容ケースの外周面に開口形成され、その収容ケース内から前記遮断カバーを出し入れさせるカバー出入口とを備えていることを特徴とする請求項1記載の指詰め防止装置。
【請求項3】
支持フレームと、
その支持フレームによって回転自在に支持されている巻取軸と、
その巻取軸に横方向一端部が固定端として固定され、その巻取軸の外周にロール状に巻き付けられ、横方向他端部が引出端として扉体又は枠体の他方に固定可能とされ、戸尻隙間を覆い又は塞ぐ遮断カバーとを一体的にユニット化した指詰め防止ユニットであって、
その遮断カバーは、弾性復元性を有する硬質可撓性シートを巻いて所定ロール状に癖付けした渦巻きバネであって、引き出されて展開した状態において自己の弾性復元性によって巻取力を発揮して初期のロール状に回復可能に形成されていることを特徴とする指詰め防止ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−251389(P2012−251389A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126226(P2011−126226)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(591027178)新興建材株式会社 (3)