説明

指輪

【課題】ボール又は回転外輪を回転させることで脳の血行を促進し、リラックス効果を生じさせると共に、ボールが転がるときの美的変化を楽しむことのできる指輪を提供する。
【解決手段】内輪13は人の指に装着される。ボール7A、7B、7Cは、張出部17a、17b、張出部19及び張出部21により抑止され、外部に飛び出ることがない。回転リング15A、15Bはこの内輪13に対し回動自在である。
ボール7A、7B、7Cは、径方向に見て固定用外輪11A、固定用外輪11B、回転リング15A、15Bの高さよりも所定高さ分突出している。このため、指等でボール7A、7B、7Cを自由に転がすことができ、また周方向にも移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は指輪に係わり、特にボール又は回転外輪を回転させることで脳の血行を促進し、リラックス効果を生じさせると共に、ボールが転がるときの美的変化を楽しむことのできる指輪に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボールが回転する構造を有する指輪として特許文献1に記載された指輪が知られている。この指輪では、外輪と内輪との間にボールを介在させたボールベアリング構造を有している。そして、この特許文献1に記載された指輪では、指輪の側部の内輪と外輪の間から回動するボールを見ることができるようになっている。
【特許文献1】特開2002−330804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された指輪では、回動するボール自体に手を触れることはできない。また、ボールの回動する面白さや美的変化を指輪の側部からではなく、指輪の外周面から全周に渡り直接覗ければその面白さや美しさも倍増する。
【0004】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、ボール又は回転外輪を回転させることで脳の血行を促進し、リラックス効果を生じさせると共に、ボールが転がるときの美的変化を楽しむことのできる指輪を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明(請求項1)の指輪は、指に装着される内輪と、該内輪の両端部にそれぞれ内周側を固着され外周側端部に軸方向に延びる張出部を有する固定用外輪と、該固定用外輪と前記内輪間に周状に収納された複数のボールとを備えて構成した。
【0006】
ボールは張出部を有する固定用外輪と内輪間に収納されているので外部に落下しない。ボールが周方向に回動することで、ボールが転がるときの美的変化を楽しむことができる。ボールを周状に隙間無く配設すれば、美的効果は非常に高い。組み立て作業も簡単である。
【0007】
また、本発明(請求項2)の指輪は、前記ボールは軸方向に複数段積みされ、それぞれの段の間に前記内輪回りに回動自在で、かつ外周側端部に軸方向に延びる張出部を有する回転リングを備えて構成した。
【0008】
ボールは張出部を有する固定用外輪と張出部を有する回転リングと内輪間にそれぞれ収納されているので外部に落下しない。回転リングはボールの段数に応じて少なくとも一つ配設される。ボールが複数段積み重ねられることで、ボールが転がるときの美的変化を一層強調できる。
【0009】
更に、本発明(請求項3)の指輪は、前記ボールは、前記固定用外輪の外周より所定長分突設されたことを特徴とする。
【0010】
このことにより、指等でボールに触れることができる。このため、ボールを回転させることで脳の血行を促進し、リラックス効果を生じさせることができる。
【0011】
更に、本発明(請求項4)の指輪は、前記ボールは、前記回転リングの外周より所定長分突設されたことを特徴とする。
【0012】
このことにより、指等でボールや回転リングに触れることができる。このため、ボールや回転リングを回転させることで脳の血行を促進し、リラックス効果を生じさせることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、張出部を有する固定用外輪と内輪間に複数のボールを収納したことで、ボールは外部に落下しない。そして、ボールが周方向に回動することで、ボールが転がるときの美的変化を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態である指輪の全体斜視外観図を図1に、また図1中のA−A矢視断面図を図2に示す。更に、図3には、指輪の分解斜視構成図を示し、また、図4には、図3の縦断面図を示す。
【0015】
図1〜図4において、指輪10の内輪13は筒状に形成されている。そして、この内輪13の外周囲には、下から順にボール7A、7B、7Cがそれぞれ隙間無く環状に配設され、各ボール7同士の間が隣接されている。ボール7A、7B、7Cは例えばサファイヤクリスタルにて形成される。
また、ボール7Aとボール7Bの間、及びボール7Bとボール7Cの間には、それぞれ回動自在の回転リング15A、15Bが通されている。
【0016】
回転リング15A、15Bの縦断面図は、図2及び図4に示すように、内輪13側が角形である一方で、外周側端部にはT字状に図中軸方向上下に向けて突設された張出部17a、17bを有している。この張出部17a、17bは、周状に形成されている。
【0017】
そして、ボール7Aの下端には固定用外輪11Aが嵌め込まれ、内輪13との間で溶接固定されている。一方、ボール7Cの上端には固定用外輪11Bが嵌め込まれ、内輪13との間で溶接固定されている。固定用外輪11Aの縦断面図は、図2及び図4に示すように、内輪13側が角形である一方で、外周側端部にはL字状に図中軸方向上側に向けて突設された張出部19を有している。同様に、固定用外輪11Bの縦断面図も、内輪13側が角形である一方で、外周側端部にはL字状に図中軸方向下側に向けて突設された張出部21を有している。張出部19及び張出部21は、周状に形成されている。ボール7A、7B、7Cは、径方向に見て固定用外輪11A、固定用外輪11B、回転リング15A、15Bの高さよりも所定高さ分突出するようになっている。
【0018】
かかる構成において、内輪13は人の指に装着される。ボール7A、7B、7Cは、張出部17a、17b、張出部19及び張出部21により抑止され、外部に飛び出ることがない。回転リング15A、15Bはこの内輪13に対し回動自在である。ボール7A、7B、7Cは、径方向に見て固定用外輪11A、固定用外輪11B、回転リング15A、15Bの高さよりも所定高さ分突出している。このため、指等でボール7A、7B、7Cを自由に転がすことができ、またこのボール7A、7B、7Cを周方向にも移動可能である。
【0019】
ボール7A、7B、7Cが転がることで、ボール7A、7B、7Cの透過光や反射光によりボール7A、7B、7Cが美しく輝いて見える。ボール7A、7B、7Cや回転リング15A、15Bを転がすことで指輪10を装着した人に対し脳の血行を促進し、リラックス効果を生じさせると共に、ボールが転がるときの楽しさ及びリラックス感を与えることができる。
【0020】
なお、本実施形態では、ボール7A、7B、7Cを軸方向に3段にて構成したが、1段若しくは2段等とすることも可能である。1段とした場合には、回転リング15は不要であり、また、2段とした場合には回転リング15は一つのみ必要となる。しかしながら、これらの場合であっても、上記とほぼ同様の効果を得ることができる。
【実施例】
【0021】
次に、本発明の実施例について説明する。図5には、指輪10のリングサイズに対する内輪13の内側直径(ID)、外側直径(OD)、固定用外輪11A、11Bの内側直径(ID)、外側直径(OD)及び、回転リング15A、15Bの内側直径(ID)、外側直径(OD)を示す。
【0022】
なお、これらの寸法の定義を図6の簡略断面図に示す。各指輪のリングサイズに対し、使用したボール7の直径は全て2.0mmである。そして、内輪13の板厚は0.4mmで、内輪13の外側直径(OD)と固定用外輪11A、11Bの外側直径(OD)の差、及び、内輪13の外側直径(OD)と回転リング15A、15Bの外側直径(OD)の差は、共に3.6mmである。
【0023】
回転リング15A、15Bは、内輪13の外周囲を円滑に回動自在とするため内輪13との間に、片側0.05mmのクリアランスが設けられている。固定用外輪11A、11Bは、内輪13の端部からボール7A、7B、7Cと回転リング15A、15Bとを配設した後に両端部から嵌め込む。その後、ボール7A、7B、7Cと回転リング15A、15Bとが、内輪13回りに回動自在となるように位置関係を調整しつつ最終的に内輪13と固定用外輪11A、11B間を溶接で固定する。
【0024】
張出部17a、17b、張出部19及び張出部21の設定方法については、ボール7A、7B、7Cとの間に摩擦が生じないようにすることが望ましい。このため、張出部17a、17b、張出部19及び張出部21に必要な軸方向に向けた張出の高さと内輪13側の角形部分からの張出の傾斜角等が調整されるのが望ましい。また、張出部17a、17b、張出部19及び張出部21に必要な軸方向に向けた張出の高さは、ボール7A、7B、7Cが外部に脱落しないように調整されるのが望ましい。更に、ボール7A、7B、7Cの高さは、固定用外輪11A、11Bの外側直径(OD)及び回転リング15A、15Bの外側直径(OD)より0.2mm突出されているので、指等でボール7A、7B、7Cに触れることができる。また、この程度の比較的低い突設なので、回転リング15A、15Bを回動させることもできる。
【0025】
以上により、ボール7A、7B、7Cや回転リング15A、15Bを指等で転がすことができ、この際には指等のつぼ刺激により脳の血行が促進され、リラックス効果を生じさせると共に、ボールが転がるときの美的変化を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態である指輪の全体斜視外観図
【図2】図1中のA−A矢視断面図
【図3】指輪の分解斜視構成図
【図4】図3の指輪の縦断面図
【図5】指輪の寸法表
【図6】指輪の縦簡略断面図
【符号の説明】
【0027】
7、7A、7B、7C ボール
10 指輪
11A、11B 固定用外輪
13 内輪
15A、15B 回転リング
17a、17b 張出部
19 張出部
21 張出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指に装着される内輪と、
該内輪の両端部にそれぞれ内周側を固着され外周側端部に軸方向に延びる張出部を有する固定用外輪と、
該固定用外輪と前記内輪間に周状に収納された複数のボールとを備えたことを特徴とする指輪。
【請求項2】
前記ボールは軸方向に複数段積みされ、
それぞれの段の間に前記内輪回りに回動自在で、かつ外周側端部に軸方向に延びる張出部を有する回転リングを備えたことを特徴とする請求項1記載の指輪。
【請求項3】
前記ボールは、前記固定用外輪の外周より所定長分突設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の指輪。
【請求項4】
前記ボールは、前記回転リングの外周より所定長分突設されたことを特徴とする請求項2記載の指輪。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−190206(P2007−190206A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11560(P2006−11560)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(504014901)有限会社ソラ (10)
【Fターム(参考)】