振動ふるい装置及びその使用方法
【課題】運搬作業性及び組立作業性に優れた振動ふるい装置を提供する
【解決手段】本振動ふるい装置1は、ベース2と、ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構3aを有するふるい本体3と、ベースに着脱自在に取り付けられ、ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベア4と、を備え、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能とした。
【解決手段】本振動ふるい装置1は、ベース2と、ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構3aを有するふるい本体3と、ベースに着脱自在に取り付けられ、ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベア4と、を備え、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ふるい装置及びその使用方法に関し、さらに詳しくは、運搬作業性及び組立作業性に優れた振動ふるい装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建設工事、土木工事等の作業現場では、土砂、砕石等を含んだ大量の掘削残土が発生している。そして、発生した掘削残土を埋戻し材、基礎地盤材として再利用する際には、掘削残土に含まれる砕石、土砂等の大きさ(粒度)を振動ふるい装置を用いて選別している。この振動ふるい装置としては、トラック等で作業現場まで運搬されて設置されるタイプのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−183547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の振動ふるい装置では、種類にもよるが総重量が3トン近くある重量物であるため、4トン車等の大型トラックを用いて作業現場まで運搬する必要がある。また、作業現場において、大型クレーンを用いてトラックから降ろして設置(組立)する必要がある。このように、従来の振動ふるい装置では運搬作業及び組立作業が極めて煩雑なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、運搬作業性及び組立作業性に優れた振動ふるい装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベースと、前記ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構を有するふるい本体と、前記ベースに着脱自在に取り付けられ、前記ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベアと、を備え、前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記ベースは、直線状に延びる案内レールを有し、前記排出コンベアは、前記ベースに対して該排出コンベアを取り付ける際に前記案内レールに案内されるスライド部を有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記ベースは、前記ふるい本体が載置される載置台を有し、前記ふるい本体及び前記載置台のうちの一方には、上下方向に延びるピンが設けられ、他方には、前記ベースに対して該ふるい本体を取り付ける際に該ピンが挿入される孔部が設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項記載において、前記振動ふるい機構は、振動発生源と、該振動発生源により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部及び下側搬送部と、を有し、該下側搬送部は、金属メッシュと、該金属メッシュの表面側に配置される弾性板と、を有することを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動ふるい装置の使用方法であって、前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で所定の作業現場まで運搬する工程と、前記所定の作業現場において、前記ベースに対して前記ふるい本体及び前記排出コンベアを取り付けて前記振動ふるい装置を組み立てる工程と、組み立てられた前記振動ふるい装置で選別対象物を選別する工程と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の振動ふるい装置によると、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたので、2トン車等の小型トラックを用いて運搬したり、4トン車等の大型トラックを用いて嵩張らずに運搬したりすることができる。また、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて組み立てることができる。よって、運搬作業性及び組立作業性に優れる。
また、前記ベースが案内レールを有し、前記排出コンベアがスライド部を有する場合は、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、案内レールにスライド部を案内させつつベースに対して排出コンベアを取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
また、前記ベースが載置台を有し、前記ふるい本体及び前記載置台のうちの一方にピンが設けられ、他方に孔部が設けられている場合は、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、ピンを孔部に挿入案内させつつベースに対してふるい本体を取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
また、前記振動ふるい機構が、振動発生源と、上側ふるい部及び下側搬送部と、を有し、該下側搬送部が、金属メッシュと、弾性板と、を有する場合は、振動発生源により振動される上側ふるい部により選別対象物が選別され且つ選別後の比較的大きな選別対象物が搬送される。一方、振動発生源により振動される下側搬送部により選別後の比較的小さな選別対象物が搬送される。これにより、既存の2段式振動ふるい機構を利用できるとともに、下側搬送部において、弾性板の撓みにより極めて大きく振動されるため選別対象物の固着が抑制される。さらに、金属メッシュを介して弾性板を下方から押圧することで弾性板に固着した選別対象物を容易に剥離させることができる。
本発明の振動ふるい装置の使用方法によると、ベース、ふるい本体及び排出コンベアが分離した状態で所定の作業現場まで運搬され、所定の作業現場において、ベースに対してふるい本体及び排出コンベアを取り付けて振動ふるい装置が組み立てられ、組み立てられた振動ふるい装置で選別対象物が選別される。このように、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたので、2トン車等の小型トラックを用いて運搬したり、4トン車等の大型トラックを用いて嵩張らずに運搬したりすることができる。また、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて組み立てることができる。よって、運搬作業性及び組立作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例に係る振動ふるい装置の平面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII矢視図である。
【図4】実施例に係る振動ふるい機構の要部縦断面図であり、(a)は下側搬送部が金属メッシュ及び弾性板からなる形態を示し、(b)は弾性板の平面図を示し、(c)は下側搬送部が金属板からなる他の形態を示す。
【図5】上記振動ふるい装置の分離状態を説明するための説明図である。
【図6】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図7】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図8】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図9】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図10】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図11】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図12】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.振動ふるい装置
本実施形態1.に係る振動ふるい装置は、ベース(2)と、ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構(3a)を有するふるい本体(3)と、ベースに着脱自在に取り付けられ、ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベア(4)と、を備え、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたことを特徴とする(例えば、図5等参照)。
【0011】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記ベースは、直線状に延びる案内レール(8)を有し、排出コンベアは、ベースに対して排出コンベアを取り付ける際に案内レールに案内されるスライド部(15)を有する形態(例えば、図10等参照)を挙げることができる。
【0012】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記ベースは、ふるい本体が載置される載置台(6)を有し、ふるい本体及び載置台のうちの一方には、上下方向に延びるピン(14)が設けられ、他方には、ベースに対してふるい本体を取り付ける際にピンが挿入される孔部(9)が設けられている形態(例えば、図11等参照)を挙げることができる。
【0013】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記振動ふるい機構は、上側ふるい部(12)と、上側ふるい部に対向して配置される下側搬送部(13)と、を有し、上記ベースは、上側ふるい部で選別されて上側ふるい部の排出口から排出される選別対象物を外部に案内するガイド部(7)を有する形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。これにより、ベースに対してガイド部を別部品として後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性を更に高めることができる。
【0014】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記振動ふるい機構は、上側ふるい部(12)と、上側ふるい部に対向して配置される下側搬送部(13)と、を有し、上記排出コンベアは、上側ふるい部で選別されて下側搬送部の排出口から排出される選別対象物を排出コンベアに案内するガイド部(16)を有する形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。これにより、排出コンベアに対してガイド部を後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性に更に高めることができる。
【0015】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記振動ふるい機構は、振動発生源(11)と、振動発生源により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部(12)及び下側搬送部(13)と、を有し、下側搬送部は、金属メッシュ(13a)と、金属メッシュの表面側に配置される弾性板(13b)と、を有する形態(例えば、図4(a)等参照)を挙げることができる。この弾性板には、搬送方向に沿う方向等に延びるスリットが形成されていることが好ましい(例えば、図4(b)等参照)。弾性板の可撓性を高めて選別対象物の固着をより確実に抑制できるためである。
【0016】
2.振動ふるい装置の使用方法
本実施形態2.に係る振動ふるい装置の使用方法は、上記実施形態1.の振動ふるい装置の使用方法であって、上記ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で所定の作業現場まで運搬する工程と、所定の作業現場において、ベースに対してふるい本体及び排出コンベアを取り付けて振動ふるい装置を組み立てる工程と、組み立てられた振動ふるい装置で選別対象物を選別する工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本実施形態2.に係る振動ふるい装置の使用方法としては、例えば、上記組み立て工程では、パワーショベル等の吊下げ機構により排出コンベアを吊下げ搬送することにより、排出コンベアのスライド部をベースの案内レールに案内させてベースに対して排出コンベアを取り付け、その後、パワーショベル等の吊下げ機構によりふるい本体を吊下げ搬送することにより、ふるい本体及び載置台のうちの一方のピンを他方の孔部に挿通させてベースに対してふるい本体を取り付ける形態を挙げることができる。これにより、組立作業性を更に高めることができる。
【実施例】
【0018】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0019】
(1)振動ふるい装置の構成
本実施形に係る振動ふるい装置1は、図1〜図3に示すように、ベース2と、ベース2に着脱自在に取り付けられ且つ選別対象物を選別する振動ふるい機構3aを有するふるい本体3と、ベース2に着脱自在に取り付けられ且つふるい本体3により選別された選別対象物を排出する排出コンベア4と、を備えている。これらベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4のそれぞれは、図5に示すように、分離した状態でトラックを用いて運搬可能とされている。
【0020】
上記ベース2は、図3に示すように、ふるい本体3が載置される載置台6と、上方に向かって立ち上がる壁状のガイド部7と、これら載置台6及びガイド部7の間に設けられ水平方向に直線状に延びる縦断面凹状の複数(図中2つ)の案内レール8と、を有している。上記ガイド部7は、振動ふるい機構3aの後述する上側ふるい部で選別されて排出口から排出される選別対象物を外部に案内する機能を有している。また、上記載置台6の上面側には、図12に示すように、上記ふるい本体3の下面側から下方に向かって延びる複数のピン14のそれぞれが挿入可能な複数の孔部9が形成されている。
【0021】
上記振動ふるい機構3aは、図4(a)に示すように、振動モータ11(図2参照;本発明に係る「振動発生源」として例示する。)と、振動モータ11(図2参照)により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部12及び下側搬送部13と、を有している。この上側ふるい部12は、金属メッシュ12aを有している。また、下側搬送部13は、金属メッシュ13aと、この金属メッシュ13aの表面側に配置されるゴム製の弾性板13bと、を有している。この弾性板13bには、図4(b)に示すように、選別対象物の搬送方向に沿って延びる複数(図中3つ)のスリット131が形成されている。なお、上記振動ふるい機構3aは、既製の上下2段式の振動ふるい機構(すなわち、上下2段の金属メッシュを備えるもの)を利用して構成されている。
【0022】
上記排出コンベア4は、図10に示すように、ベース2の案内レール8に案内される複数(図中2つ)の長尺状のスライド部15を有している。また、排出コンベア4の長手方向の一端側には、図3に示すように、振動ふるい機構3aの上側ふるい部12で選別されて下側搬送部13の排出口から排出される選別対象物を排出コンベア4に案内するガイド部16が設けられている。
【0023】
(2)振動ふるい装置の使用方法
次に、上記構成の振動ふるい装置1の使用方法について説明する。上記ベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4のそれぞれは、2トン車等の小型トラックを用いて分離された状態で所定の作業現場まで運搬される(図5参照)。次に、所定の作業現場において、ベース2が設置される(図6参照)。次いで、そのベース2に対してふるい本体3及び排出コンベア4を取り付けて振動ふるい装置1が組み立てられる。この組み立て工程では、パワーショベル等の吊下げ機構により排出コンベア4を吊下げ搬送することにより、排出コンベア4のスライド部15がベース2の案内レール8に案内され、ボルト等によりベース2に対して排出コンベア4が取り付けられる(図7〜図10参照)。その後、パワーショベル等の吊下げ機構によりふるい本体3を吊下げ搬送することにより、ふるい本体3のピン14が載置台6の孔部9に挿通され、ボルト等によりベース2に対してふるい本体3が取り付けられる(図11及び図12参照)。なお、振動ふるい装置1を分離する際には、上述と逆の手順が施される。
【0024】
その後、所定の作業現場では、組み立てられた振動ふるい装置1で選別対象物が選別される。このとき、振動ふるい機構3aにおいて、上側ふるい部12で選別された比較的大きな瓦礫等の選別対象物は、上側ふるい部12の排出口から排出されてガイド部7により第1堆積場所P1に堆積される。一方、上側ふるい部12で選別された比較的小さな土砂等の選別対象物は、下側搬送部13の排出口から排出されてガイド部16及び排出コンベア4により第2堆積場所P2に堆積される。
【0025】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の振動ふるい装置1によると、ベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4を分離した状態で運搬可能としたので、2トン車等の小型トラックを用いて運搬することができる。また、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて組み立てることができる。よって、運搬作業性及び組立作業性に優れる。
【0026】
また、本実施例では、ベース2が案内レール8を有し、排出コンベア4がスライド部15を有しているので、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、案内レール8にスライド部15を案内させつつベース2に対して排出コンベア4を取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
【0027】
また、本実施例では、ベース2が載置台6を有し、ふるい本体3にピン14が設けられ、載置台6に孔部9が設けられているので、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、ピン14を孔部9に挿入案内させつつベース2に対してふるい本体3を取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
【0028】
また、本実施例では、振動ふるい機構3aは、上側ふるい部12と、上側ふるい部12に対向して配置される下側搬送部13と、を有し、ベース2は、上側ふるい部12で選別されて上側ふるい部12の排出口から排出される選別対象物を外部に案内するガイド部7を有しているので、ベース2に対してガイド部7を別部品として後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性を更に高めることができる。
【0029】
また、本実施例では、振動ふるい機構3aは、上側ふるい部12と、上側ふるい部12に対向して配置される下側搬送部13と、を有し、排出コンベア4は、上側ふるい部12で選別されて下側搬送部13の排出口から排出される選別対象物を排出コンベア4に案内するガイド部16を有しているので、排出コンベア4に対してガイド部16を後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性に更に高めることができる。
【0030】
さらに、本実施例では、振動ふるい機構3aが、振動モータ11と、上側ふるい部12及び下側搬送部13と、を有し、下側搬送部13が、金属メッシュ13aと、弾性板13bと、を有しているので、振動モータ11により振動される上側ふるい部12により選別対象物が選別され且つ選別後の比較的大きな選別対象物が搬送される。一方、振動モータ11により振動される下側搬送部13により選別後の比較的小さな選別対象物が搬送される。これにより、既存の2段式振動ふるい機構を利用できるとともに、弾性板13bの撓みにより下側搬送部13が更に強く振動されるため選別対象物の固着が抑制される。さらに、金属メッシュ13aを介して弾性板13bを下方から押圧することで弾性板13bに固着した選別対象物を容易に剥離させることができる。特に、本実施例では、弾性板13bに搬送方向に沿う方向に延びるスリット131を形成したので、弾性板13bの可撓性を高めて選別対象物の固着をより確実に抑制できる。
【0031】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、下側搬送部13が金属メッシュ13a及び弾性板13bを備える振動ふるい機構3aを例示したが、これに限定されず、例えば、図4(c)に下側搬送部13’が金属板13a’を備える振動ふるい機構3a’としてもよい。
【0032】
さらに、上記実施例では、2トン車等の小型トラックを用いて分離状態のベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4を運搬するようにしたが、これに限定されず、例えば、4トン車等の大型トラックを用いて分離状態のベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4を嵩張らずに運搬するようにしてもよい。
【0033】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0034】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
選別対象物を選別する技術として広く利用される。特に、掘削残土を選別する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0036】
1;振動ふるい装置、2;ベース、3;ふるい本体、3a;振動ふるい機構、4;排出コンベア、6;載置台、8;案内レール、9;孔部、15;スライド部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ふるい装置及びその使用方法に関し、さらに詳しくは、運搬作業性及び組立作業性に優れた振動ふるい装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建設工事、土木工事等の作業現場では、土砂、砕石等を含んだ大量の掘削残土が発生している。そして、発生した掘削残土を埋戻し材、基礎地盤材として再利用する際には、掘削残土に含まれる砕石、土砂等の大きさ(粒度)を振動ふるい装置を用いて選別している。この振動ふるい装置としては、トラック等で作業現場まで運搬されて設置されるタイプのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−183547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の振動ふるい装置では、種類にもよるが総重量が3トン近くある重量物であるため、4トン車等の大型トラックを用いて作業現場まで運搬する必要がある。また、作業現場において、大型クレーンを用いてトラックから降ろして設置(組立)する必要がある。このように、従来の振動ふるい装置では運搬作業及び組立作業が極めて煩雑なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、運搬作業性及び組立作業性に優れた振動ふるい装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベースと、前記ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構を有するふるい本体と、前記ベースに着脱自在に取り付けられ、前記ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベアと、を備え、前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記ベースは、直線状に延びる案内レールを有し、前記排出コンベアは、前記ベースに対して該排出コンベアを取り付ける際に前記案内レールに案内されるスライド部を有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記ベースは、前記ふるい本体が載置される載置台を有し、前記ふるい本体及び前記載置台のうちの一方には、上下方向に延びるピンが設けられ、他方には、前記ベースに対して該ふるい本体を取り付ける際に該ピンが挿入される孔部が設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項記載において、前記振動ふるい機構は、振動発生源と、該振動発生源により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部及び下側搬送部と、を有し、該下側搬送部は、金属メッシュと、該金属メッシュの表面側に配置される弾性板と、を有することを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動ふるい装置の使用方法であって、前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で所定の作業現場まで運搬する工程と、前記所定の作業現場において、前記ベースに対して前記ふるい本体及び前記排出コンベアを取り付けて前記振動ふるい装置を組み立てる工程と、組み立てられた前記振動ふるい装置で選別対象物を選別する工程と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の振動ふるい装置によると、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたので、2トン車等の小型トラックを用いて運搬したり、4トン車等の大型トラックを用いて嵩張らずに運搬したりすることができる。また、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて組み立てることができる。よって、運搬作業性及び組立作業性に優れる。
また、前記ベースが案内レールを有し、前記排出コンベアがスライド部を有する場合は、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、案内レールにスライド部を案内させつつベースに対して排出コンベアを取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
また、前記ベースが載置台を有し、前記ふるい本体及び前記載置台のうちの一方にピンが設けられ、他方に孔部が設けられている場合は、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、ピンを孔部に挿入案内させつつベースに対してふるい本体を取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
また、前記振動ふるい機構が、振動発生源と、上側ふるい部及び下側搬送部と、を有し、該下側搬送部が、金属メッシュと、弾性板と、を有する場合は、振動発生源により振動される上側ふるい部により選別対象物が選別され且つ選別後の比較的大きな選別対象物が搬送される。一方、振動発生源により振動される下側搬送部により選別後の比較的小さな選別対象物が搬送される。これにより、既存の2段式振動ふるい機構を利用できるとともに、下側搬送部において、弾性板の撓みにより極めて大きく振動されるため選別対象物の固着が抑制される。さらに、金属メッシュを介して弾性板を下方から押圧することで弾性板に固着した選別対象物を容易に剥離させることができる。
本発明の振動ふるい装置の使用方法によると、ベース、ふるい本体及び排出コンベアが分離した状態で所定の作業現場まで運搬され、所定の作業現場において、ベースに対してふるい本体及び排出コンベアを取り付けて振動ふるい装置が組み立てられ、組み立てられた振動ふるい装置で選別対象物が選別される。このように、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたので、2トン車等の小型トラックを用いて運搬したり、4トン車等の大型トラックを用いて嵩張らずに運搬したりすることができる。また、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて組み立てることができる。よって、運搬作業性及び組立作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例に係る振動ふるい装置の平面図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のIII矢視図である。
【図4】実施例に係る振動ふるい機構の要部縦断面図であり、(a)は下側搬送部が金属メッシュ及び弾性板からなる形態を示し、(b)は弾性板の平面図を示し、(c)は下側搬送部が金属板からなる他の形態を示す。
【図5】上記振動ふるい装置の分離状態を説明するための説明図である。
【図6】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図7】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図8】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図9】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図10】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図11】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【図12】上記振動ふるい装置の使用方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.振動ふるい装置
本実施形態1.に係る振動ふるい装置は、ベース(2)と、ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構(3a)を有するふるい本体(3)と、ベースに着脱自在に取り付けられ、ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベア(4)と、を備え、ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたことを特徴とする(例えば、図5等参照)。
【0011】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記ベースは、直線状に延びる案内レール(8)を有し、排出コンベアは、ベースに対して排出コンベアを取り付ける際に案内レールに案内されるスライド部(15)を有する形態(例えば、図10等参照)を挙げることができる。
【0012】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記ベースは、ふるい本体が載置される載置台(6)を有し、ふるい本体及び載置台のうちの一方には、上下方向に延びるピン(14)が設けられ、他方には、ベースに対してふるい本体を取り付ける際にピンが挿入される孔部(9)が設けられている形態(例えば、図11等参照)を挙げることができる。
【0013】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記振動ふるい機構は、上側ふるい部(12)と、上側ふるい部に対向して配置される下側搬送部(13)と、を有し、上記ベースは、上側ふるい部で選別されて上側ふるい部の排出口から排出される選別対象物を外部に案内するガイド部(7)を有する形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。これにより、ベースに対してガイド部を別部品として後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性を更に高めることができる。
【0014】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記振動ふるい機構は、上側ふるい部(12)と、上側ふるい部に対向して配置される下側搬送部(13)と、を有し、上記排出コンベアは、上側ふるい部で選別されて下側搬送部の排出口から排出される選別対象物を排出コンベアに案内するガイド部(16)を有する形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。これにより、排出コンベアに対してガイド部を後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性に更に高めることができる。
【0015】
本実施形態1.に係る振動ふるい装置としては、例えば、上記振動ふるい機構は、振動発生源(11)と、振動発生源により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部(12)及び下側搬送部(13)と、を有し、下側搬送部は、金属メッシュ(13a)と、金属メッシュの表面側に配置される弾性板(13b)と、を有する形態(例えば、図4(a)等参照)を挙げることができる。この弾性板には、搬送方向に沿う方向等に延びるスリットが形成されていることが好ましい(例えば、図4(b)等参照)。弾性板の可撓性を高めて選別対象物の固着をより確実に抑制できるためである。
【0016】
2.振動ふるい装置の使用方法
本実施形態2.に係る振動ふるい装置の使用方法は、上記実施形態1.の振動ふるい装置の使用方法であって、上記ベース、ふるい本体及び排出コンベアを分離した状態で所定の作業現場まで運搬する工程と、所定の作業現場において、ベースに対してふるい本体及び排出コンベアを取り付けて振動ふるい装置を組み立てる工程と、組み立てられた振動ふるい装置で選別対象物を選別する工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本実施形態2.に係る振動ふるい装置の使用方法としては、例えば、上記組み立て工程では、パワーショベル等の吊下げ機構により排出コンベアを吊下げ搬送することにより、排出コンベアのスライド部をベースの案内レールに案内させてベースに対して排出コンベアを取り付け、その後、パワーショベル等の吊下げ機構によりふるい本体を吊下げ搬送することにより、ふるい本体及び載置台のうちの一方のピンを他方の孔部に挿通させてベースに対してふるい本体を取り付ける形態を挙げることができる。これにより、組立作業性を更に高めることができる。
【実施例】
【0018】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0019】
(1)振動ふるい装置の構成
本実施形に係る振動ふるい装置1は、図1〜図3に示すように、ベース2と、ベース2に着脱自在に取り付けられ且つ選別対象物を選別する振動ふるい機構3aを有するふるい本体3と、ベース2に着脱自在に取り付けられ且つふるい本体3により選別された選別対象物を排出する排出コンベア4と、を備えている。これらベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4のそれぞれは、図5に示すように、分離した状態でトラックを用いて運搬可能とされている。
【0020】
上記ベース2は、図3に示すように、ふるい本体3が載置される載置台6と、上方に向かって立ち上がる壁状のガイド部7と、これら載置台6及びガイド部7の間に設けられ水平方向に直線状に延びる縦断面凹状の複数(図中2つ)の案内レール8と、を有している。上記ガイド部7は、振動ふるい機構3aの後述する上側ふるい部で選別されて排出口から排出される選別対象物を外部に案内する機能を有している。また、上記載置台6の上面側には、図12に示すように、上記ふるい本体3の下面側から下方に向かって延びる複数のピン14のそれぞれが挿入可能な複数の孔部9が形成されている。
【0021】
上記振動ふるい機構3aは、図4(a)に示すように、振動モータ11(図2参照;本発明に係る「振動発生源」として例示する。)と、振動モータ11(図2参照)により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部12及び下側搬送部13と、を有している。この上側ふるい部12は、金属メッシュ12aを有している。また、下側搬送部13は、金属メッシュ13aと、この金属メッシュ13aの表面側に配置されるゴム製の弾性板13bと、を有している。この弾性板13bには、図4(b)に示すように、選別対象物の搬送方向に沿って延びる複数(図中3つ)のスリット131が形成されている。なお、上記振動ふるい機構3aは、既製の上下2段式の振動ふるい機構(すなわち、上下2段の金属メッシュを備えるもの)を利用して構成されている。
【0022】
上記排出コンベア4は、図10に示すように、ベース2の案内レール8に案内される複数(図中2つ)の長尺状のスライド部15を有している。また、排出コンベア4の長手方向の一端側には、図3に示すように、振動ふるい機構3aの上側ふるい部12で選別されて下側搬送部13の排出口から排出される選別対象物を排出コンベア4に案内するガイド部16が設けられている。
【0023】
(2)振動ふるい装置の使用方法
次に、上記構成の振動ふるい装置1の使用方法について説明する。上記ベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4のそれぞれは、2トン車等の小型トラックを用いて分離された状態で所定の作業現場まで運搬される(図5参照)。次に、所定の作業現場において、ベース2が設置される(図6参照)。次いで、そのベース2に対してふるい本体3及び排出コンベア4を取り付けて振動ふるい装置1が組み立てられる。この組み立て工程では、パワーショベル等の吊下げ機構により排出コンベア4を吊下げ搬送することにより、排出コンベア4のスライド部15がベース2の案内レール8に案内され、ボルト等によりベース2に対して排出コンベア4が取り付けられる(図7〜図10参照)。その後、パワーショベル等の吊下げ機構によりふるい本体3を吊下げ搬送することにより、ふるい本体3のピン14が載置台6の孔部9に挿通され、ボルト等によりベース2に対してふるい本体3が取り付けられる(図11及び図12参照)。なお、振動ふるい装置1を分離する際には、上述と逆の手順が施される。
【0024】
その後、所定の作業現場では、組み立てられた振動ふるい装置1で選別対象物が選別される。このとき、振動ふるい機構3aにおいて、上側ふるい部12で選別された比較的大きな瓦礫等の選別対象物は、上側ふるい部12の排出口から排出されてガイド部7により第1堆積場所P1に堆積される。一方、上側ふるい部12で選別された比較的小さな土砂等の選別対象物は、下側搬送部13の排出口から排出されてガイド部16及び排出コンベア4により第2堆積場所P2に堆積される。
【0025】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の振動ふるい装置1によると、ベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4を分離した状態で運搬可能としたので、2トン車等の小型トラックを用いて運搬することができる。また、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて組み立てることができる。よって、運搬作業性及び組立作業性に優れる。
【0026】
また、本実施例では、ベース2が案内レール8を有し、排出コンベア4がスライド部15を有しているので、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、案内レール8にスライド部15を案内させつつベース2に対して排出コンベア4を取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
【0027】
また、本実施例では、ベース2が載置台6を有し、ふるい本体3にピン14が設けられ、載置台6に孔部9が設けられているので、パワーショベル等の比較的小型の吊下げ機構を用いて、ピン14を孔部9に挿入案内させつつベース2に対してふるい本体3を取り付けることができる。よって、組立作業性を更に高めることができる。
【0028】
また、本実施例では、振動ふるい機構3aは、上側ふるい部12と、上側ふるい部12に対向して配置される下側搬送部13と、を有し、ベース2は、上側ふるい部12で選別されて上側ふるい部12の排出口から排出される選別対象物を外部に案内するガイド部7を有しているので、ベース2に対してガイド部7を別部品として後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性を更に高めることができる。
【0029】
また、本実施例では、振動ふるい機構3aは、上側ふるい部12と、上側ふるい部12に対向して配置される下側搬送部13と、を有し、排出コンベア4は、上側ふるい部12で選別されて下側搬送部13の排出口から排出される選別対象物を排出コンベア4に案内するガイド部16を有しているので、排出コンベア4に対してガイド部16を後付けするものに比べて、運搬作業性及び組立作業性に更に高めることができる。
【0030】
さらに、本実施例では、振動ふるい機構3aが、振動モータ11と、上側ふるい部12及び下側搬送部13と、を有し、下側搬送部13が、金属メッシュ13aと、弾性板13bと、を有しているので、振動モータ11により振動される上側ふるい部12により選別対象物が選別され且つ選別後の比較的大きな選別対象物が搬送される。一方、振動モータ11により振動される下側搬送部13により選別後の比較的小さな選別対象物が搬送される。これにより、既存の2段式振動ふるい機構を利用できるとともに、弾性板13bの撓みにより下側搬送部13が更に強く振動されるため選別対象物の固着が抑制される。さらに、金属メッシュ13aを介して弾性板13bを下方から押圧することで弾性板13bに固着した選別対象物を容易に剥離させることができる。特に、本実施例では、弾性板13bに搬送方向に沿う方向に延びるスリット131を形成したので、弾性板13bの可撓性を高めて選別対象物の固着をより確実に抑制できる。
【0031】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、下側搬送部13が金属メッシュ13a及び弾性板13bを備える振動ふるい機構3aを例示したが、これに限定されず、例えば、図4(c)に下側搬送部13’が金属板13a’を備える振動ふるい機構3a’としてもよい。
【0032】
さらに、上記実施例では、2トン車等の小型トラックを用いて分離状態のベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4を運搬するようにしたが、これに限定されず、例えば、4トン車等の大型トラックを用いて分離状態のベース2、ふるい本体3及び排出コンベア4を嵩張らずに運搬するようにしてもよい。
【0033】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0034】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
選別対象物を選別する技術として広く利用される。特に、掘削残土を選別する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0036】
1;振動ふるい装置、2;ベース、3;ふるい本体、3a;振動ふるい機構、4;排出コンベア、6;載置台、8;案内レール、9;孔部、15;スライド部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構を有するふるい本体と、
前記ベースに着脱自在に取り付けられ、前記ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベアと、を備え、
前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたことを特徴とする振動ふるい装置。
【請求項2】
前記ベースは、直線状に延びる案内レールを有し、前記排出コンベアは、前記ベースに対して該排出コンベアを取り付ける際に前記案内レールに案内されるスライド部を有する請求項1記載の振動ふるい装置。
【請求項3】
前記ベースは、前記ふるい本体が載置される載置台を有し、前記ふるい本体及び前記載置台のうちの一方には、上下方向に延びるピンが設けられ、他方には、前記ベースに対して該ふるい本体を取り付ける際に該ピンが挿入される孔部が設けられている請求項1又は2に記載の振動ふるい装置。
【請求項4】
前記振動ふるい機構は、振動発生源と、該振動発生源により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部及び下側搬送部と、を有し、該下側搬送部は、金属メッシュと、該金属メッシュの表面側に配置される弾性板と、を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の振動ふるい装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動ふるい装置の使用方法であって、
前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で所定の作業現場まで運搬する工程と、
前記所定の作業現場において、前記ベースに対して前記ふるい本体及び前記排出コンベアを取り付けて前記振動ふるい装置を組み立てる工程と、
組み立てられた前記振動ふるい装置で選別対象物を選別する工程と、を備えることを特徴とする振動ふるい装置の使用方法。
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに着脱自在に取り付けられ、選別対象物を選別する振動ふるい機構を有するふるい本体と、
前記ベースに着脱自在に取り付けられ、前記ふるい本体により選別された選別対象物を排出する排出コンベアと、を備え、
前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で運搬可能としたことを特徴とする振動ふるい装置。
【請求項2】
前記ベースは、直線状に延びる案内レールを有し、前記排出コンベアは、前記ベースに対して該排出コンベアを取り付ける際に前記案内レールに案内されるスライド部を有する請求項1記載の振動ふるい装置。
【請求項3】
前記ベースは、前記ふるい本体が載置される載置台を有し、前記ふるい本体及び前記載置台のうちの一方には、上下方向に延びるピンが設けられ、他方には、前記ベースに対して該ふるい本体を取り付ける際に該ピンが挿入される孔部が設けられている請求項1又は2に記載の振動ふるい装置。
【請求項4】
前記振動ふるい機構は、振動発生源と、該振動発生源により振動され且つ互いに対向して配置される上側ふるい部及び下側搬送部と、を有し、該下側搬送部は、金属メッシュと、該金属メッシュの表面側に配置される弾性板と、を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の振動ふるい装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動ふるい装置の使用方法であって、
前記ベース、前記ふるい本体及び前記排出コンベアを分離した状態で所定の作業現場まで運搬する工程と、
前記所定の作業現場において、前記ベースに対して前記ふるい本体及び前記排出コンベアを取り付けて前記振動ふるい装置を組み立てる工程と、
組み立てられた前記振動ふるい装置で選別対象物を選別する工程と、を備えることを特徴とする振動ふるい装置の使用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−187486(P2012−187486A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52189(P2011−52189)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(503274797)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(503274797)
【Fターム(参考)】
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