説明

振動スクリーン

【課題】篩網変更時にも篩効率の低下を抑えることができる振動スクリーンを提供する。
【解決手段】スクリーンフレーム9の壁間に設けた複数個の支持ビーム16と、スクリーンフレーム9の壁間における上部に端部が装設され、鋼線を縦横に配置して方形状の開口を有する篩網10とを備える振動スクリーンにおいて、前記支持ビーム16に固定したフランジ20と、前記篩網10を構成する鋼線の下面に当接するクッションゴム21と、先端に前記クッションゴム21を有し、下端が前記フランジ20の側面に着脱可能に設けられる支持部材22と、前記支持部材22の下端を前記フランジ20の側面に固定する締結具23とを有する篩網支持手段19と、前記支持部材の下端の側面と前記フランジの側面との間に設けられる位置調整部材24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば土砂、砕石、木材チップ等の被選別物を粒の大きさ(粒度)に応じて選別する振動スクリーンに係り、更に詳しくは、篩目の開口寸法が異なる数種の篩網を交換、支持可能な振動スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
振動スクリーンにおける篩網としては、例えば、特許文献1に示されているように、一般的に鋼線を選別材料の流れ方向に対して縦横に交差させるように配置したものが使用され、所定のピッチで鋼線を縦横に配置することにより、方形状の開口部を設けて、この開口部の寸法よりも小さな材料だけを、篩網の下部に通過させるようになっている。
【0003】
この篩網は、その両端を振動スクリーンにおける側板にクランピングバーで支持され、その中間部の下面部は、篩網の下面側に設けた支持部材、及ぶ支持部材の先端に取り付けられたクッションゴムにより支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−307503号公報(図6、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した篩網を備える振動スクリーンにおいては、各々の選別材料を篩い処理することができ、また、篩い効率が高いものが要求されている。この要求を満たすために、篩網(スクリーン)を構成する鋼線のピッチを所定の開口寸法に合わせた篩網に適宜変更する必要がある。
【0006】
しかしながら、現状の振動スクリーンにおける篩網支持部材、及び篩網支持部材の先端に取り付けられるクッションゴムの配置は固定的であり、任意の位置に変更することができないのが現状である。
【0007】
このため、篩網を他の開口寸法を有する篩網に変更する場合、篩網を支持するクッションゴムが、篩網を構成する鋼線の真下に配置されず、鋼線と鋼線の間の開口部に配置される場合もある。この場合には、篩網の開口部をクッションゴムが塞ぐこととなり、篩効率が低下するという問題がある。
【0008】
また、篩網は、篩網支持部材、及び篩網支持部材の先端のクッションゴムの配置を考慮してメーカ側で予め提供しているが、篩網をユーザ側で用意して使用する場合がある。この場合にも、上述したように、篩網を支持するクッションゴムが、篩網を構成する鋼線の真下に配置されず、鋼線と鋼線の間の開口部に配置されて篩効率が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、篩網変更時にも篩効率の低下を抑えることができる振動スクリーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、振動可能に支持された枠型のスクリーンフレームと、前記スクリーンフレームの壁間に設けた複数個の支持ビームと、前記スクリーンフレームの側壁における上部に端部が装設され、鋼線を縦横に配置して方形状の開口を有する篩網とを備える振動スクリーンにおいて、前記支持ビームに固定したフランジと、前記篩網を構成する鋼線の下面に当接するクッションゴムと、先端に前記クッションゴムを有し、下端が前記フランジの側面に着脱可能に設けられる支持部材と、前記支持部材の下端を前記フランジの側面に固定する締結具とを有する篩網支持手段と、前記支持部材の下端の側面と前記フランジの側面との間に設けられる位置調整部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記支持部材の下端の側面と前記締結具との間に設けられる位置調整部材を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
更に、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記支持部材は、前記複数個の支持ビームの上部外周面に当接する凹み部と、前記締結具の挿入孔とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、開口部の大きさが異なる篩網に変更した場合にも、篩網支持手段の支持位置を可変にすることができるため、篩網支持部材を構成するクッションゴムによって、篩網の開口部が塞がれることがなく、篩効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を備えた自走式スクリーンの側面図である。
【図2】図1に示す自走式スクリーンに設けた本発明の振動スクリーンの一実施の形態をII−II矢視から見た横断面図である。
【図3】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を分解して示す斜視図である。
【図4】図2に示す本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第1の例を拡大して示す正面図である。
【図5】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第2の例を拡大して示す正面図である。
【図6】図5に示す本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第2の例に用いる位置調整部材の斜視図である。
【図7】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第3の例を拡大して示す正面図である。
【図8】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第4の例を拡大して示す正面図である。
【図9】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第5の例を拡大して示す正面図である。
【図10】本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第6の例を拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の振動スクリーンの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至図4は、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を示すもので、図1本発明の振動スクリーンの一実施の形態を備えた自走式スクリーンの側面図、図2は図1に示す自走式スクリーンに設けた本発明の振動スクリーンの一実施の形態をII−II矢視から見た横断面図、図3は本発明の振動スクリーンの一実施の形態を分解して示す斜視図、図4は、図2に示す本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第1の例を拡大して示す正面図である。
【0016】
まず、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を備えた自走式スクリーンの全体構成を図1を用いて説明する。以下の説明において、図1中の左・右をそれぞれ自走式スクリーンにおける後・前とし、また図1中の紙面の直交方向をそれぞれ自走式スクリーンの右・左とする。
【0017】
図示した自走式スクリーンは、自力走行をするための走行体1と、この走行体1上に設けられた本体フレーム2と、この本体フレーム2上に搭載された支持架台3と、この支持架台3上に設けられた振動式の振動スクリーン(振動篩)4と、支持架台3の後端部に取り付けられたサイドコンベア5と、振動スクリーン4を通過した粒度の小さい選別物を搬送し排出する排出コンベア6と、本体フレーム2に搭載されたパワーユニット(動力装置)7とを備えている。
【0018】
走行体1は、左右一対のトラックフレーム1aと、このトラックフレーム1aの後端に設けた従動輪1bと、トラックフレーム1aの前端に設けた駆動輪1cと、この駆動輪1cに直結した駆動装置(走行用油圧モータ)1dと、従動輪1b及び駆動輪1cに掛け回した無限軌道式の履帯1eとで構成されている。
【0019】
本体フレーム2は、走行体1よりも前方に前端部が張り出すようにトラックフレーム1aの上部に配設されている。本体フレーム2の後端部は走行体1の後端部に前後位置がほぼ一致している。
【0020】
支持架台3は、本体フレーム2上に走行体1の後方に張り出すように配設されており、本体フレーム2上に固定されたボトムフレーム3aと、このボトムフレーム3a上に立設された複数のポスト3bと、ポスト3b上に略水平に設けたトップフレーム3cと、トップフレーム3c上に傾動可能に設けた傾動フレーム3dと、ボトムフレーム3aの後部に設けたリアフレーム3eとを備えている。
【0021】
振動スクリーン4は、投入される被選別物を粒度に応じて選別するもので、支持架台3の傾動フレーム3d上にばね8を介して振動可能に支持された枠型のスクリーンフレーム(枠体)9と、スクリーンフレーム9の内壁に端部が拘束された篩網(スクリーン)10と、スクリーンフレーム9を加振する加振装置(振動体)11とを備えており、前後方向中心位置はほぼ走行体1の後端の上方に位置している。
【0022】
図1ではばね8としてラバースプリングを用いているが、コイルバネ等の他の弾性体でも良い。このばね8は、スクリーンフレーム9の左右両側においてそれぞれ前後に配置され、スクリーンフレーム9は計4つのばね8で支持されている。振動スクリーン4は、駆動装置11を駆動してスクリーンフレーム9及びその内部の篩網10を一体的に揺さ振ることによって投入された被選別物のうち、篩網10の目の大きさよりも小さなものを通過させ、それより粒度の大きなものを選別する。
【0023】
このとき、振動スクリーン4を支持する傾動フレーム3dはピン12を介して前側部分でトップフレーム3cに対して傾動可能に支持されており、後側部分を支える支持部材13による支持高さを変えることによって傾斜角が変更可能な構成となっている。傾動フレーム3dの傾斜角を変えることで振動スクリーン4の傾斜角が変わり、被選別物の性状に応じて振動スクリーン4の選別能力を調整することができるように配慮されている。
【0024】
また、スクリーンフレーム9の上方には、被選別物の受け入れ性を向上させるホッパ14が設けられている。ホッパ14も振動スクリーン4と同じく傾動フレーム3d上に支持されている。さらに、振動スクリーン4の下部には、下方に向かって縮径するシュート15(図2参照)が排出コンベア6の上面(搬送面)に対向して設けられており、振動スクリーン4の篩網10を通過した所定粒度以下の選別物がシュート15を介して下方の排出コンベア6上に導かれる。
【0025】
パワーユニット7は、本体フレーム2上の前側に搭載されている。パワーユニット7の重心は走行体1よりも前方にあり、他の搭載機器と合わせた全体の重心が走行体1上に来るようにレイアウトされている。また特に図示していないが、パワーユニット7には、自走式スクリーンの駆動源であるエンジンや、このエンジンにより駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ、この油圧ポンプから各駆動装置に供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等が内蔵されている。
【0026】
排出コンベア6は、振動スクリーン4を通過した篩網10の目の大きさよりも粒度の小さな選別物を搬送し機体前方に排出する。サイドコンベア5は、振動スクリーン4の篩網10を通過せず篩網10の後方から排出された粒度の大きな選別物を機体の側方(本例では左側)に搬送し排出するもので、搬送手段としての基本構成は排出コンベア6と同様である。このサイドコンベア5は、トレーラ等により自走式スクリーンを輸送する際に一般道路の輸送制限幅に収まるように前方に回動させたあと機体側部に沿って起立させた姿勢で収納することができるようになっている。
【0027】
次に、前述した振動スクリーン4の詳細な構成を、図2乃至図4を用いて説明する。なお、図2乃至図4において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であり、図3中の符号Bは、ボルト、ナット等の締結具を示す。
振動スクリーン4の本体をなすスクリーンフレーム9の短手方向両側(図2の左右両側)の側壁9a,9aは、図3に示すように、上段側の支持ビーム16及び下段側の支持ビーム17で連結されている。これらスクリーンフレーム9の内側に掛け渡された両支持ビーム16,17とも、例えば断面円状の鋼管材により形成されている。両支持ビーム16,17の両端はボルト或いは溶接等の固定手段によってスクリーンフレーム9の側壁9aの内面に固定されている。上段側の支持ビーム16は、スクリーンフレーム9の長手方向(本例では前後方向)に間隔を持って複数(この例では4個)配置されている。また、下段側の支持ビーム17は、スクリーンフレーム9の長手方向(本例では前後方向)に間隔を持って複数(この例では2個)配置されている。これによって、スクリーンフレーム9に作業中の加振に耐え得る十分な剛性が与えられている。
【0028】
また、スクリーンフレーム9の左右側壁9a内における上段側の支持ビーム16上には、篩網10が装設されている。篩網10は、図3に示すように、スクリーンフレーム9の長手方向の鋼線10aとスクリーンフレーム9の短手方向の鋼線10bとを交差させて方形状の開口部10cを有しているとともに、その短手方向の両端部(本例では左右両端部)が上方に折り返された折り返し部10dを有している。この折り返し部10dは、篩網拘束部18によってスクリーンフレーム9の左右両側壁9aの内壁に拘束され保持されている。
【0029】
篩網10の下側と上段側の支持ビーム16の上側との間には、篩網支持手段19が装設されている。篩網支持手段19は、投入された被選別物の篩網中央部への集中を抑制し篩面の短手方向に被選別物を分散させる目的で、篩網10を上に凸形状となるように支持するものであり、各支持ビーム16の上面側に間隔を持って溶接Wによって固定した複数個(この例では3個)のフランジ20と、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接するクッションゴム21と、クッションゴム21を先端に設け、下端がフランジ20の側面に選択的に着脱可能に設けられる複数個(この例では3個)の支持部材22と、支持部材22の下部とフランジ20の側面とを着脱可能に締結するボルト23aとナット23bとからなる締結具23とを備えている。
【0030】
フランジ20は、図3に示すようにスクリーンフレーム9の長手方向の端部に締結具23挿入孔20aを有している。また、支持部材22は、スクリーンフレーム9の長手方向に沿う板状体22aと、この板状体22aの下面側に形成され、支持ビーム16の上面側に当接する円弧状の切り欠き部22bと、前述したフランジ20における締結具23挿入孔20aに一致する締結具23の挿入孔22cとを有している。
【0031】
クッションゴム21の上端には、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接する平面部21aを備えている。このクッションゴム21の平面部21aのスクリーンフレーム9の短手方向の寸法は、篩網10の開口部10cを塞がない程度の寸法に設定しているが、篩網支持手段19の支持ビーム16への設置位置と、篩網10の装着時における鋼線10aのピッチとの取り合いにより、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接しない場合がある。このように、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接しないと、篩網10の開口部10cを塞ぐことになり、篩効率を低下させる。
【0032】
この不具合を改善するために、上記の構成により、支持部材22はフランジ20の一方側又は他方側の側面に選択的に取り付け可能として、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aの位置を変更可能としている。
【0033】
次に、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を備えた自走式スクリーンの動作及び作用効果を説明する。
例えば、図示しないホイールローダや油圧ショベル等の投入重機或いはコンベア等によって被選別物が投入されると、被選別物はホッパ14にガイドされて振動スクリーン4の篩網10上に落下して篩い分けられる。この篩い選別の結果、振動する振動スクリーン4を通過した所定粒度以下の選別物がシュート15を介して排出コンベア6上に導かれ、この排出コンベア6によって前方に搬送され機体前方に排出される。一方、篩網10を通過せず篩網10上に残留する所定粒度以上の選別物は、篩網10上を振動に伴って篩網10の下り傾斜方向(本実施の形態では後方)に移動してサイドコンベア5上に落下し、サイドコンベア5によって搬送され機体側方(本実施の形態では左側)に排出される。
【0034】
上述した被選別物の篩選別処理において、例えば、予め装設した篩網10で篩処理できる粒度よりも大きい粒度の選別物を篩処理したい場合がある。この場合、篩網10を開口部の大きいものに交換するが、その際、図4の2点鎖線で示すように、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接しないことがある。
【0035】
そこで、篩網支持手段19における支持部材22を、図4の実線で示すように、支持ビーム16の上面側に固定したフランジ20の他方側の側面(図4の左側の側面)に配置変更することにより、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aを、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接させることができ、篩網10における開口部10bが、クッションゴム21によって塞がれてしまうということを防ぐことができ、篩効率を改善することができる。
【0036】
以上、述べたように、本発明の一実施の形態によれば、開口部10bが異なる篩網10に変更した場合、また、ユーザ側で用意した篩網10に変更した場合にも、篩網支持手段19の支持位置を可変にすることができるため、篩網支持手段19のクッションゴム21の平面部21aによって、篩網10の開口部10cが塞がれることを防止することができる。その結果、篩効率が向上する。
【0037】
図5及び図6は、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第2の例を示すもので、図5は本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第2の例を拡大して示す正面図、図6は本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段に用いられる位置調整部材(スペーサ)の斜視図である。これらの図において、図4に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0038】
この実施の形態は、支持ビーム16の上面に固定したフランジ20の右側面と篩網支持手段19における支持部材22の下部左側面との間に、位置調整部材(スペーサ)24を装着して、篩網支持手段19のフランジ20への取付位置を変更して、篩網支持手段19のクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接するようにしたものである。
【0039】
上述した位置調整部材24は、図6に示すように、板状の部材本体24aと、部材本体24aの下面に設けられ、支持ビーム16の上外周面に当接する円弧状の切り欠き部24bと、部材本体24aの長手方向の両側部に下側から設けられ、締結具23に挿入される溝24cとを備えている。
【0040】
この実施の形態によれば、前述した実施の形態と同様に、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接せず、位置ずれを生じた場合、支持ビーム16の上面に固定したフランジ20の右側面と篩網支持手段19における支持部材22の下部左側面との間に、位置調整部材(スペーサ)24を装着して、篩網支持手段19のフランジ20への取付位置を変更して、篩網支持手段19のクッションゴム21の平面部21aを、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接させることができる。
【0041】
その結果、篩網支持手段19のクッションゴム21の平面部21aによって、篩網10の開口部10cが塞がれることを防止することができ、篩効率が向上する。
【0042】
図7は、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第3の例を拡大して示す正面図である。この図において、図4乃至図6に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0043】
この実施の形態は、支持ビーム16の上面に固定したフランジ20の左側面と篩網支持手段19における支持部材22の下部右側面との間に、位置調整部材(スペーサ)24を装着して、篩網支持手段19のフランジ20への取付位置を変更して、篩網支持手段19のクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接するようにしたものである。
【0044】
この実施の形態においても、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0045】
図8は、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第4の例を拡大して示す正面図である。この図において、図4乃至図6に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0046】
この実施の形態は、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの短手方向(図8の左右方向)のピッチが、図4に示す篩網10のものより小さい、所謂、開口部が小さい篩網10を使用した場合のものであるが、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aが、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接しない場合、前述した図4に示す篩網支持手段の第1の例と同様に、篩網支持手段19における支持部材22を、支持ビーム16の上面側に固定したフランジ20の他方側の側面(この例では、図8の右側の側面)に配置変更することにより、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aを、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接させることができ、篩網10における開口部10cが、クッションゴム21によって塞がれてしまうということを防ぐことができ、篩効率を改善することができる。
【0047】
図9は、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第5の例を拡大して示す正面図である。この図において、図4乃至図8に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0048】
この実施の形態は、図8に示す本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第5の例において、支持部材22の一方側の側面(図9の右側面)と締結具23のナット23bとの間に、位置調整部材(スペーサ)24を設けたものである。
【0049】
この実施の形態によれば、図8に示す実施の形態と同様な効果を得ることができる。また、位置調整部材(スペーサ)24を締結具23に常に取り付けているため、支持部材22をフランジ20に隣接する位置に配置する場合でも、締結具23におけるボルト23aを図8のように短いものを用いることなく、図5や図7の実施の形態同様、長いボルト23aを用いることができる。そのため、図8の実施の形態と比較して、長さの異なるボルト23aに変更する必要が無く、位置調整作業も良好になる。
【0050】
図10は、本発明の振動スクリーンの一実施の形態を構成する篩網支持手段の第6の例を拡大して示す正面図である。この図において、図4乃至図9に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0051】
この実施の形態は、開口部10cが小さい篩網10を使用する場合において、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aの短手方向(図9の左右方向)の寸法が、汎用的に使用する図4に示す開口部10cに対応して設定されているため、クッションゴム21の平面部21aが、図8に示すように、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aにおける左右の2つの開口部10cを部分的に塞いでしまうことを改善したものである。
【0052】
具体的には、支持ビーム16の上面に固定したフランジ20の左側面と篩網支持手段19における支持部材22の下部右側面との間に、位置調整部材(スペーサ)24を装着して、篩網支持手段19のフランジ20への取付位置を変更して、篩網支持手段19のクッションゴム21の平面部21aの右側部を、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接させ、クッションゴム21の平面部21aは、1つの開口部10cを塞ぐようにしたものである。
【0053】
この実施の形態によれば、図8示す例と同様に、篩網支持手段19におけるクッションゴム21の平面部21aを、篩網10を構成する長手方向の鋼線10aの下面に当接させることができるとともに、篩網10における1つの開口部10cのみを塞ぐので、図9示す例に比べて篩効率を更に改善することができる。
【0054】
なお、上述した実施の形態において、位置調整部材24を用いる場合、位置調整部材24の板厚の寸法は、大小さまざまな寸法の種類のものを準備することによって、いかなる開口寸法の篩網10に対しても、適切に篩網支持部材19のクッションゴム21の配置を変更することが可能となるが、一般的に、土木工事などで使用されることが多い篩網10の開口寸法は40mm程度であるので、この開口寸法40mmを基本として、60mm程度までの開口寸法を想定した場合には、位置調整部材24の板厚寸法としては20mm程度のものを準備すれば、どのような開口寸法の篩網に対しても、概ね篩網10の開口部10cを塞ぐことなく篩網10を支持することが可能となる。
【0055】
なお、上述の実施の形態において、フランジ20の下面側は支持ビーム16に溶接Wによって固定させるので、篩網支持手段19における支持部材22、及び位置調整部材24の下側角部に、溶接W部との当たりを避けるための面取り部を設けることが望ましい。
【0056】
また、上述の実施の形態は、上段側の支持ビーム16上に篩網10を設けた場合について説明したが、下段側の支持ビーム17上に篩網10を設けた場合にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 走行体
2 本体フレーム
3 支持架台
4 振動スクリーン(振動篩)
5 サイドコンベア
6 排出コンベア
7 パワーユニット(動力装置)
9 スクリーンフレーム
10 篩網
16 支持ビーム
19 篩網支持手段
20 フランジ
21 クッションゴム
22 支持部材
23 締結具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動可能に支持された枠型のスクリーンフレームと、前記スクリーンフレームの壁間に設けた複数個の支持ビームと、前記スクリーンフレームの側壁における上部に端部が装設され、鋼線を縦横に配置して方形状の開口を有する篩網とを備える振動スクリーンにおいて、
前記支持ビームに固定したフランジと、
前記篩網を構成する鋼線の下面に当接するクッションゴムと、
先端に前記クッションゴムを有し、下端が前記フランジの側面に着脱可能に設けられる支持部材と、前記支持部材の下端を前記フランジの側面に固定する締結具とを有する篩網支持手段と、
前記支持部材の下端の側面と前記フランジの側面との間に設けられる位置調整部材とを備えた
ことを特徴とする振動スクリーン。
【請求項2】
請求項1に記載の振動スクリーンにおいて、
前記支持部材の下端の側面と前記締結具との間に設けられる位置調整部材を更に備えたことを特徴とする振動スクリーン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の振動スクリーンにおいて、
前記支持部材は、前記複数個の支持ビームの上部外周面に当接する凹み部と、前記締結具の挿入孔とを備えたことを特徴とする振動スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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