説明

振動ヘアブラシ

髪の毛のほぐしを改善するための振動ヘアブラシであって、ベース及びブラシ毛支持パッドを有するヘッドを備え、パッドが、パッド内で振動運動を発生させるためのモータ及び振動アクチュエータを備え、ヘアブラシの全体的な長手軸を略横切るピボット軸まわりに枢動するように、ベースに枢動可能に取り付けられている、振動ヘアブラシと、上記ブラシを使用したほぐし方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたほぐし性能を有する振動ヘアブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
Flowersらによる米国特許第3,517,235号明細書は、ブラッシング及びマッサージ作用を提供するように意図され、これにより、ユーザがブラシを用いて髪の毛を横方向に解かすのにともない、ねじれた髪の毛が効率的に解かれる反転駆動往復式ヘアブラシユニットを開示している。開示されたブラシは、一対のブラシ毛ユニットの反転往復運動を達成することによる作動における効率性の改善を提供することを目的としており、反転移動ユニットは、ブラッシング作動が行われるのにともない、ねじれた髪の毛を効率的に引き離すように意図される。あいにく、そのような往復作用は、同時往復ブラシ毛作用の剪毛作用に起因する髪の毛を損傷する傾向に起因して、ほぐし作動に有利であるようには認められない。
【0003】
米国特許第2,465,250号明細書は、水平に取り付けられたモータを備える振動ヘアブラシを開示している。モータによって発生された振動は、装置のブラシ毛支承部分でパルス状に変わる。したがって、ブラシ毛は、使用中に頭皮に向かう且つ頭皮から離れる方向に動作される。時間とともに、頭皮に対する叩き運動は、ユーザにとって不快になることがあり得、髪の毛の実際のほぐしの際に制限的な効果のみを与え、主にマッサージ目的を有するのみである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
髪の毛への損傷を最小化してほぐしの際の効率を改善するために選択された面内で作動し、作動中にユーザに快適である、巻毛又はねじれた髪の毛又は結えられた髪の毛の改善されたほぐし用の振動ヘアブラシの要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様において、髪の毛のほぐしを改善するための振動ヘアブラシであって、ベース及びブラシ毛支持パッドを有するヘッドを備え、パッドが、パッド内で振動運動を発生させるためのモータ及び振動アクチュエータを備え、ヘアブラシの全体的な長手軸を略横切るピボット軸まわりに枢動するように、ベースに枢動可能に取り付けられている、振動ヘアブラシが提供される。
【0006】
本発明に係るブラシにおけるパッドによって達成される揺動運動は、使用中に不快感を引き起こす使用中におけるユーザの頭皮に向かう且つ頭皮から離れる大幅な運動なしで、ほぐしを達成するのに十分なブラシ毛における前後運動をもたらす。したがって、ブラシは、使用中に効率的且つ快適である。
【0007】
ブラシの全体的な長手軸は、使用中におけるブラッシングの方向に対して垂直であり、一般にブラシの長軸に沿っている軸である。
【0008】
横断によって、ピボット軸が直交し且つブラシの全体的な長手軸と同一面内にあることを意味する。
【0009】
好ましくは、振動発生運動は、いくつかのブラシ毛に共通している。ほぐしがブラシ毛を振動することによって達成されるにもかかわらず、全てのブラシ毛が振動するのを必要とし、したがって、振動を介してほぐすのを達成する他に加え、いくつかが従来の方式で機能するように配設されることは想定されない。
【0010】
さらに好ましくは、ブラシ毛パッドは、ブラシ毛の共通運動のために全てのブラシ毛についての単一の支持部を備える。全てのブラシ毛についての単一の支持部を有することは、全てのブラシ毛が一斉に振動することから、ほぐしの改善を提供する。
【0011】
好ましくは、モータは、ブラシ毛パッドの全体的な面に対して直交する方向に回転する駆動シャフトを備える。好ましくは、振動アクチュエータは、一般にブラシ毛パッドに対して平行な面内で回転しているオフセットおもりを備える。一般にブラシ毛パッドに対して平行な面内で回転しているオフセットおもりは、ユーザにとって不快感なく髪の毛をほぐすために最適な振動をもたらす。
【0012】
振動が発生される方法の物理学的現象は、以下の通りである:
その質量中心と一致しない軸まわりに回転している塊体について、振動力又は揺動力は、Fs=m*r*wによって記載される。ここで、「m」は回転している質量であり、「r」は質量中心から回転軸までの距離であり、「w」は角速度(回転速度)である。本発明において、角速度「w」は、最適なほぐし周波数を示す一組の実験的な結果によって予め定められる窓に相対的に限定される。
【0013】
実験及び数値モデルから得られる知識により、本発明者らは、ユーザの快適性及び包装の追加の制約を考慮して本発明者らが望む性能を実現するのに揺動力が必要であると究明した。ユーザの快適性に関して、本発明者らは、所定量を超える揺動力がユーザにとって望ましくないことを見出した。
【0014】
好ましくは、40Hzにおける揺動力は、3Nから5N、より好ましくは3.5Nから4.5N、最も好ましくは3.9Nから4.1Nである。最も好ましい揺動力は、約4.03ニュートンである。
【0015】
さらに、アイソレータアセンブリは、ブラシが直立に保持された場合にヘッドがそれ自体の重量で過剰に撓まず、ブラシヘッドが威圧的な外観又は柄ハウジングとの干渉問題を引き起こす過剰な動きをしないように、最小剛性からなることを必要とした。
【0016】
さらに、中心を外れたおもりはまた、アイソレータからあまり遠くに設置され得ず、又は、ブラシは、極端に丈が高い器具になる。
【0017】
おもりの寸法は、重量、さらにはバッテリ効率のために最適化された。好ましくは、おもりは、円筒である。シリンダは、最適な振動をもたらす。好ましくは、円筒は、10mmから20mm、より好ましくは13mmから18mm、最も好ましくは約16mmの直径を有する。円筒状のおもりの最終直径は、円筒が選択される電気モータの外径を超えないように、上端部に制限されるのが好ましい。これは、おもりがそれらの組み立て中にモータ供給業者によってモータに設置され得、容易にモータハウジングに入れられるようになった。
【0018】
したがって、円筒高さは、直径の後に決定される。好ましくは、円筒高さは、3mmから8mm、より好ましくは5mmから6mm、特に好ましくは約5.5mmである。
【0019】
好ましくは、モータ駆動シャフト(回転軸)から円筒の中心までの距離は、5mmから9mm、より好ましくは6mmから8mm、特に好ましくは約7mmである。
【0020】
好ましくは、作動角速度は、32Hzから47Hzである。これらの角速度は、消費者及び実験的試験によって究明されるような最高のほぐしを実現させる。
【0021】
好ましくは、オフセットおもりは、それに対して振動運動をもたらす偏心を引き起こすためにモータアセンブリのシャフトに取り付けられる。
【0022】
好ましくは、オフセットおもり及びモータアセンブリは、ブラシ毛パッドに固定されている。
【0023】
好ましくは、ベースプレートは、アイソレータによってブラシ毛支持パッドに取り付けられている。好ましくは、アイソレータは、アクチュエータの運動を、円形又は楕円形、より好ましくは楕円形のブラシ毛パッドの振動発生運動に変えるように構成される。好ましくは、アイソレータは、スチレンブタジエンブロック共重合体又はシリコーンエラストマー等の弾性材料から構成されている。あるいは、アイソレータは、バネ鋼鉄又はその他のそのような弾性材料であってもよい。
【0024】
好ましくは、アイソレータは、プレートを備える。好ましくは、プレートは、ブラシの全体的な長手軸における中央部分の両側において、パッドに固定されたベース及び弾力がある端部に固定された中央部分を備える。好ましくは、中央部分は、アイソレータの全幅の20%から50%、より好ましくは25%から35%を含む。これは、モータからの振動を、頭皮を損傷することなく髪の毛のほぐしを達成するのに十分なパッドの揺動に最適に変換するのをもたらす。
【0025】
好ましくは、ピボット軸は、アイソレータの中央部分内で中央に配置されている。
【0026】
好ましくは、ブラシは、柄に電源を備える。電源は、電線によってモータに接続されている。好ましくは、電線は、ブラシの使用中に振動によって線が損傷するのを防止するために、柄からベースまで且つピボット軸に沿って両側において側面からパッド内に挿通されている。
【0027】
好ましくは、ヘアブラシは、柄軸方向にヘッド部から延在している柄を含む。さらに好ましくは、これは、一般にブラシ毛パッドに対して平行な面内にある。
【0028】
好ましくは、ブラシ毛パッドの振動発生運動は、柄軸方向においてより長い楕円軸を有する楕円運動である。
【0029】
好ましくは、アイソレータアセンブリは、柄軸方向に対して垂直方向における振動運動を妨げるように構成されている。好ましくは、アイソレータは、ブラシの柄に関してその近位端部及び遠位端部においてモータハウジングに固定され、好ましくは堅く固定されている。
【0030】
好ましくは、アイソレータは、コネクタを介してブラシの全体的な長手軸を横切る側面においてブラシヘッドに固定されている。好ましくは、コネクタは、アイソレータの残りよりも弾性的でない。そのような弾性の低減は、寸法の増加によって又は異なる材料の使用によって達成され得る。より好ましくは、コネクタは、アイソレータの全長の10%から70%によってアイソレータの側面に沿って延在している。より好ましくは、コネクタは、ブラシ毛パッドに対する取り付け点におけるアイソレータの平均深さの110%から300%の平均深さを有する。
【0031】
より好ましくは、アイソレータは、コネクタにおいてアイソレータの上下からの位置にクランプ締めされている。
【0032】
好ましくは、ベースは、コネクタに沿ってアイソレータをクランプ締めする2つの対向する係合部材から構成されている。そのような実施形態において、対向する係合部材のうちの少なくとも1つは、クランプ点においてコネクタの横断面に適合する凹部を有する。
【0033】
好ましくは、アイソレータアセンブリは、柄軸方向における第1の剛性と、柄軸方向に対して垂直な第2の剛性とを有し、第1の剛性は、第2の剛性より小さい。
【0034】
好ましくは、ブラシ毛は、ブラシ毛パッド運動に対応するブラシ毛運動のために一般にブラシ毛パッドに対して垂直方向にブラシ毛パッドから延在している。
【0035】
好ましくは、振動発生運動は、20から100Hz、より好ましくは30から65Hzの周波数範囲内にある。本発明に係るヘアブラシにおいて、この周波数範囲は、ユーザにとって不快感なく最高のほぐしを提供する。
【0036】
第2の態様において、本発明は、髪の毛をほぐすための方法であって、本発明の第1の態様に係るブラシを用いて髪の毛をブラッシングすることを備える、方法を提供する。
【0037】
本明細書において、用語「振動発生」は、周期的振動を含むものと理解されるべきであり、用語「ブラシ」は、代わりに櫛として記載される場合がある実施形態を含むように理解されるべきである。
【0038】
本発明の特定の実施形態は、ここで以下の限定されない図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】1つの実施形態の上面図である。
【図2】図1の実施形態の側面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図1の実施形態の分解図である。
【図5】上カバープレートが取り外された上面図である。
【図6】破断された側面図である。
【図7】ユーザの髪の毛をブラッシングすることによる使用時における実施形態を一般に示している斜視図である。
【図8】楕円面の参照図である。
【図9】実施形態を作動させる方法のフローチャートである。
【図10】好ましいアイソレータの側面図である。
【図11】斜視図における同じアイソレータの図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
振動ヘアブラシの本実施形態は、髪の毛をほぐす間に、より少ない労力で且つより少ないユーザの髪の毛への損傷で髪の毛をより良好にほぐすという要求の解決策を提供する。有意義な体験が、従来のシステムよりも髪の毛のほぐしをより楽しむために、より手間がかからないブラッシング動作の結果として、ユーザに効率的に提供される。髪の毛は、ブラシでほぐす間に「抜き取られる」又は損傷が与えられることがなく、本振動ほぐしブラシを用いたより低い周波数及びより優しいほぐし動作の結果として、より小さい引っ張りで優しくほぐされる。ブラシは、特有の振動運動の結果としてのそれ自体のもつれを解き、これにより、所望のほぐしを実現しようと努力してユーザが髪の毛を大幅に引っ張らなければならないのを回避する。また、手の疲労は、使用中に大幅に低減される。
【0041】
図1、図2及び図3を参照すると、本実施形態は、柄部Aと、ブラシヘッド部Bとを備えることがわかる。本明細書において、用語「ブラシ」は、代わりに櫛と記載されることがある実施形態を含むことが理解されるべきである。柄部は、ユーザの手に保持される間、使いやすいように人間工学的に構成されている。柄Aの長手軸は、一般に、図1の線C−Cに沿っている。ブラシヘッド部Bは、通常はヘッド部の底壁12から延在、いわばユーザの髪の毛に係合して延在する複数のブラシ毛10を備える。図示された実施形態は、実施形態の1つの種類としていくぶん球面状に構成された底壁12を示しているが、平面又はチューブ状等の他の底壁の構造が他の実施形態として含まれ得ることが意図される。ブラシ毛の堅さは、比較的堅いものから柔らかいものまで変えることができるものの、比較的堅いものであるのが好ましく、ブラシ毛は、通常、ブラシ毛パッドに取り付けられた場合に、約100N/mよりも大きい片持ち梁の剛性を有する。
【0042】
本明細書においてより詳細に記載されるように、ヘッド部Bは、振動するように意図され、そのような振動運動は、振動が柄及びユーザの手に移されるのを弱めるように柄部Aから分離されている。誤解を避けるために、用語「振動発生運動」は、周期的振動又は往復運動を含むことが理解されるべきである。したがって、上壁14を備えるブラシヘッドの上側ハウジングは、柄部Aを叩いて接触することなく領域16において振動運動に対応するように、柄から間隔をあけて配置されている。
【0043】
図4、図5及び図6を参照すると、本ブラシは、モータシャフト24に対するオフセット又は釣り合いおもりを備えるアクチュエータ22を作動させるモータ20を含み、その結果、モータがシャフトを回転させるのにともない、おもり22は、モータ及びおもりのアセンブリの振動発生運動を引き起こすシャフトに対する偏心を引き起こす。そのような運動は、一般に、基本的に図1の線C−C及び線D−Dによって画定される面に対して平行なアクチュエータ面内で円形の運動量を有する。本明細書において、用語「ブラシ」は、代わりに櫛と記載されることがある実施形態を含むことが理解されるべきである。
【0044】
本実施形態の態様は、モータ及びおもりの循環振動運動を運動の特定面内におけるブラシ毛パッドの楕円形運動のような曲線パターンに変えることを含む。アイソレータ弾性部材40は、モータ20に添着され、また、ブラシ毛パッドアセンブリ10、12、14にも添着されており、その結果、モータによって引き起こされる振動運動は、ブラシ毛10に移され得る。モータ20は、モータ20の受け入れと、所望の振動運動を引き起こすオフセットおもり22の回転運動とを可能とするように寸法決めされているブラシ毛パッドのヘッド部の空洞42内に受け入れられている。中心を外れたおもりによって生み出される振動は、堅固な接続によってブラシヘッドに堅固に接続されているモータ及びおもりアセンブリによってブラシヘッド14に伝達される。アイソレータ40は、丸い突出物の嵌合切り欠き52内におけるアイソレータのリング突出物50の密接な受け入れと、ブラシヘッド14と上側モータキャップ56との間において丸い突出物を挟持することによる切り欠き52内における丸い突出物のクランプ締めとにより、ヘッドをほとんど独立して運動させることによって存在するようにこの運動を可能とする。上壁14及び切り欠き52は、最終的にブラシ毛10を支持する堅いプラスチック片に添着されている。アイソレータ40の特定の構造は、丸い突出物が切り欠き52内に密接に受け入れられ、且つ、ウェビング60が固定キャップ56のキャップ切り欠き64の密接な嵌合受け入れのためにスロット62を含むようなものである。さらに、弾性突出物50の端部及びウェビング60はまた、柄部切り欠き70内に受け入れられ、その結果、アイソレータ40は、ヘッド部の振動運動を柄部Aから離れて効率的に分離させる。図5及び図6を参照してわかるように、したがって、キャップ56を含む振動アクチュエータ及びモータアセンブリが柄部の内壁80から間隔をあけて配置されることから、ヘッド部アセンブリは、柄部A内で浮くことができる。柄切り欠き70内に受け入れられる弾性リングの一部を除き、リングは、柄の上側半分78が柄の下側半分76に固定された場合に、切り欠き70内に添着される。図4及び図5において示される他の項目は、(装置はコード付きであることもできるが)バッテリ室90と、モータ用の電線経路92と、オンオフスイッチ94と、スイッチパッド96とを含む。柄78内の装飾カバー98は、モータキャップ56を被覆する。
【0045】
図示された実施形態においては、アイソレータ40は弾性材料であるものの、代わりに、金属バネ、プラスチックガスケット、又は、他の弾性部材からなるアセンブリ等、同様の結果を生み出すことができる任意のバネ構造を含むこともできる。
【0046】
弾性アイソレータ40の他の態様は、偏心おもり22の円形振動運動を、一般にブラシ毛パッドに対して平行な面内における楕円運動に変えるように構成されるということである。より詳細には、アイソレータ40は、軸CC(図1)の方向に沿って支持されないが、軸方向(図1の線D−D)に対して垂直な線に沿って支持されることがわかる。したがって、弾性体は、柄軸方向における第1の剛性と、柄軸方向に対して垂直な第2の剛性とを有し、第1の剛性は、第2の剛性より小さい。そのような取り付けアセンブリの効果は、モータ及びおもりの振動運動が線D−Dに沿うよりも線C−Cに沿った方向に大きくなるということである(図1及び図8を参照)。ユーザの髪の毛(図7を参照)がほとんど線D−Dと揃えられた場合(図1及び図8を参照)、ブラシ毛10の振動運動は、髪の毛が伸びている方向に沿うよりも、すなわち、上記方向に対して平行であるよりも、上記方向に対して垂直であるより大きい範囲を有するように効率的に振動することになる。これは、髪の毛をほぐす過程において、より少ない労力で且つより少ない髪の毛への損傷で髪の毛をより良好にほぐすために、その伸びている方向に髪の毛を別々に僅かに引っ張ることによって、そしてさらには、髪の毛をより僅かに押して引っ張ることによって髪の毛を分離するブラシ毛により、ねじれた又は結えられた髪の毛のもつれを解く傾向がある。関連する利点は、ブラシ毛と髪の毛との間の摩擦、特に静止摩擦が低減されるということである。
【0047】
図6を参照すると、本実施形態の他の態様は、ユーザにとって不快な感覚をもたらすように観察される頭皮におけるブラシ毛の振動を回避するために、ヘッド部Bの振動運動が、通常はユーザの頭皮に対して垂直な曲面にあるというものである。図6の斜視図において、モータシャフトの回転により、どのようにして偏心がモータ20に、したがって、アイソレータの支持部材40にも与えられるのかについて、偏心おもり22は、明らかにみられる。しかしながら、おもり22の回転が、単に、ヘッド部Bの上側半分と下側半分とのシェル12、14の間の係合線82によって一般に画定されるアクチュエータ面内にあることから、結果として生じるブラシ毛10の楕円運動は、一般にアクチュエータ面に対して平行な面内にある。
【0048】
本実施形態の他の態様は、振動運動が、一般に大抵の従来の振動ブラシよりも低い周波数範囲で作動するように意図されるというものである。経験的証拠は、高効率のほぐしが、20から100Hzの間、好ましくは30から65Hzの間の周波数範囲で作動するブラシ毛の振動によって起こることができ、最も効率的な髪の毛のほぐしに関しては、髪の毛を介してブラシを引っ張るのを必要とするユーザの労力の観点で、42Hz又は62Hzのいずれか一方であるということを究明している。したがって、髪の毛をほぐす改善された方法は、20Hzから100Hzの周波数範囲で作動する振動ブラシ毛を有し、且つ、一般にユーザの頭皮に対して平行に位置する面内で、又は、長髪の場合(図7)には髪の毛がユーザの頭皮から伸びているときユーザの髪の毛が伸びている面内で曲線方向に作動するように配設されたブラシを用いて髪の毛をブラッシングすることを備える。ブラッシングは、ユーザの垂れ下がった又は伸びている髪の毛の方向に対して垂直方向における第1の長軸運動と、ユーザの垂れ下がった又は伸びている髪の毛の方向に対して平行な第2の短軸運動とを有する楕円形パターンにおけるブラシ毛作動を含む。
【0049】
図7から図9を参照すると、髪の毛のほぐしを改善するための本実施形態のブラシを作動させる方法は、120において、ブラシ毛パッド面82(図6)に対して平行な所望の楕円面内でブラシ毛を振動するようにブラシをオンにする。次いで、ブラシは、122において、ユーザの髪の毛に関連する位置に揃えられ、その結果、髪の毛が伸びている方向は、一般に、ブラシヘッドの軸方向D−Dと揃えられる。すなわち、楕円の主軸は、髪の毛の方向に対して垂直である。したがって、髪の毛が伸びている方向に沿った髪の毛のブラッシングは、もつれを引き伸ばすためのユーザの労力がより少なく且つユーザの手に対する疲労を最小化して、髪の毛をほぐす際の効率をより良好にするほぐし効果を提供する。
【0050】
図7において示されるような通常は垂れ下がらない髪の毛、すなわち、ユーザの頭皮からかなり外側に伸びることがある強い縮毛に関して、同様の原理が、頭皮から落ちる代わりに頭皮から外側に髪の毛が伸びる方向を引き起こすために、ユーザの髪の毛のブラッシングが髪の毛の長さに沿って引っ張る又は髪の毛をむしり取ることを除いて適用される。本発明は、特に、そのような髪の毛、長い髪の毛(すなわち、顎の長さを超える)、及び、乾燥した又は傷んだ髪の毛に有益である。
【0051】
図10は、アイソレータ(40)の運動がブラシ毛支持パッド(14)の運動をもたらすように、ヘアブラシのヘッド内部に固定された場合に、ブラシ毛支持パッド(14)に取り付けられるアイソレータ(40)を示している。パッド内部のモータ(図示しない)は、頭皮を害することなく髪の毛をほぐすのに十分な揺動(矢印C)を達成するように端部(B)の十分な運動(矢印B’)をもたらすコネクタ(60)に沿って固定されることから、アイソレータの振動をもたらす。頭皮の不快感がE方向への運動によって達成される一方で、髪の毛のほぐしは、D方向への運動によって達成される。
【0052】
図11は、本発明において好ましいアイソレータを示している。アイソレータは、中央部分Aと、弾力がある端部Bとを有する。中央部分が点(124)においてベースに取り付けられている一方で、端部は、点(123)においてパッド(図示しない)に取り付けられている。したがって、モータが振動を引き起こす場合に、弾力がある端部は揺動することができる一方で、中央部分は固定されて揺動しない。
【0053】
本実施形態はまた、人毛のブラッシングに関して記載されたが、本ブラシはまた、動物やペットの毛、さらには髪の毛ではない他の材料からなるもつれた髪の毛等、他のもののもつれを解くために使用され得る。
【0054】
例示的な実施形態が、好ましい実施形態に関して記載された。明らかに、変形例及び代替例が、人によっては先の詳細な説明を読んで理解することによって起こるはずである。例示的な実施形態は、それらが添付された特許請求の範囲又はその均等の範囲内で生じる限り、全てのそのような変形例及び代替例を含むように解釈されるのが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
髪の毛のほぐしを改善するための振動ヘアブラシであって、ベース及びブラシ毛支持パッドを有するヘッドを備え、パッドが、パッド内で振動運動を発生させるためのモータ及び振動アクチュエータを備え、ヘアブラシの全体的な長手軸を略横切るピボット軸まわりに枢動するように、ベースに枢動可能に取り付けられている、振動ヘアブラシ。
【請求項2】
パッドがピボット軸まわりに揺動するように、アクチュエータがパッドの振動発生運動を発生させるために配設されている、請求項1に記載のブラシ。
【請求項3】
ブラシ毛パッドが、ブラシ毛の共通運動のために全てのブラシ毛についての単一の支持部を備える、請求項1又は2に記載のヘアブラシ。
【請求項4】
振動アクチュエータが、一般にブラシ毛パッドに対して平行な面内で回転しているオフセットおもりを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のヘアブラシ。
【請求項5】
オフセットおもりが、それに対して振動発生運動をもたらす偏心を引き起こすためにモータアセンブリのシャフトに取り付けられる、請求項4に記載のヘアブラシ。
【請求項6】
オフセットおもり及びモータアセンブリが、ブラシ毛パッドに固定されている、請求項5に記載のヘアブラシ。
【請求項7】
ブラシ毛パッドが、アクチュエータの運動を、楕円形のブラシ毛パッドの振動発生運動に変えるように構成されたアイソレータアセンブリによってベースプレートに接続されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のヘアブラシ。
【請求項8】
柄が一般にブラシ毛パッドに対して平行な面内である柄軸方向にヘッド部から延在している、請求項1から7のいずれか一項に記載のヘアブラシ。
【請求項9】
ブラシ毛パッドの振動発生運動が、柄軸方向においてより長い楕円軸を有する楕円運動である、請求項8に記載のヘアブラシ。
【請求項10】
アイソレータアセンブリが、柄軸方向に対して垂直方向における振動運動を妨げるように構成されている、請求項8又は9に記載のヘアブラシ。
【請求項11】
アイソレータアセンブリが、柄軸方向における第1の剛性と、柄軸方向に対して垂直な第2の剛性とを有し、第1の剛性が、第2の剛性より小さい、請求項8から10のいずれか一項に記載のヘアブラシ。
【請求項12】
ブラシ毛が、一般にブラシ毛パッドに対して垂直方向にブラシ毛パッドから延在している、請求項1から11のいずれか一項に記載のヘアブラシ。
【請求項13】
振動運動が、20から100Hzの周波数範囲内にある、請求項1から12のいずれか一項に記載のヘアブラシ。
【請求項14】
周波数が30から65Hzの周波数範囲内にある、請求項13に記載のヘアブラシ。
【請求項15】
髪の毛をほぐすための方法であって、請求項1から14のいずれか一項に記載のブラシを用いて髪の毛をブラッシングすることを備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−519943(P2010−519943A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551154(P2009−551154)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051176
【国際公開番号】WO2008/107243
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】