振動溶着パレット
【課題】溶着不良やずれの発生が抑制され且つ外周壁半部同士の接合強度が強く、外観がよい。
【解決手段】筒状桁半部2に外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り半部9とを備える。外周壁半部8の肉厚を仕切り半部9の肉厚よりも厚く形成する。外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させる。外周壁半部8の先端部同士を振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10を形成する。振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12を設けてある。
【解決手段】筒状桁半部2に外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り半部9とを備える。外周壁半部8の肉厚を仕切り半部9の肉厚よりも厚く形成する。外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させる。外周壁半部8の先端部同士を振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10を形成する。振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12を設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット上半体とパレット下半体とを振動溶着により一体化して形成した振動溶着パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上デッキ部の下面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体と、下デッキ部の上面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体とをそれぞれ熱溶着装置の上下に対向する一対の支持具に支持し、パレット上半体とパレット下半体とを離して、両者の間に熱板を入れ、その後、パレット上半体、パレット下半体の筒状桁半部の先端部を熱板に当接して筒状桁半部の先端部を加熱溶融させ、その後、両支持具を離れる方向に移動してパレット上半体、パレット下半体を熱板から離し、次に熱板を抜いて、その後、両支持具を近づく方向に移動して加熱溶融した筒状桁半部の先端部同士を熱溶着して一体化し、これにより上デッキ部と下デッキ部とを一体に連設する桁部を形成するパレットが、特許文献1等により知られている。
【0003】
ところが、上記の従来例にあっては、筒状桁半部の先端を熱板により溶融加熱する工程に時間がかかるという問題があり、生産性が悪く、また、溶着の安定性がないという問題がある。
【0004】
一方、デッキ部に別体の桁部を固着するに当って、振動溶着により固着することが特許文献2により知られている。
【0005】
そこで、本発明者は、本発明に至る過程で、特許文献2で示された振動溶着による固着の技術を特許文献1に示されたようなパレット上半体の筒状桁半部の先端部と、パレット下半体の筒状桁半部の先端部との固着に適用することを考えた。
【0006】
筒状桁半部の先端同士を固着して形成される筒状桁部においてその外周を構成する外周壁はフォークが衝突する部分であるため、筒状桁部内を仕切る仕切り壁よりも強度が強く変形し難く設定してある。したがって、振動溶着の際に、振動が作用しても、振動により変形しにくく、このため筒状桁半部の外周を構成する外周壁半部の先端同士は例え振動方向と交差する方向であってもずれることなく溶着することが可能であるが、外周壁半部に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部は外周壁半部よりも強度が弱く変形しやすいので、振動溶着の際に振動が作用すると、振動方向と交差する方向の仕切り壁半部は振動方向に変形し、仕切り壁半部の先端部同士が振動方向にずれて溶着され、仕切り壁半部の先端部同士が振動方向にずれて溶着されると、このずれの応力が外周壁半部の先端部同士の振動溶着に影響を与え、外周壁半部の先端部同士の振動溶着部分にずれが生じ、溶着の安定性がないといった問題が発生することが判明した。
【0007】
このように外周壁半部の先端部同士の振動溶着部分にずれが生じたり、溶着の安定性がなくなると、フォークが衝突する部分であるため最も強度が必要な外周壁半部同士の接合強度が低下し、また、バリ取りの妨げになり、更にこの部分は形成されるパレットの外面に露出する部分であるため外観が悪くなったり、ずれた部分の隙間から雨水が入り込むことで商品価値が低下してしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2003−312663号公報
【特許文献2】特表平9−500346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、外周壁半部同士の溶着が安定し、外周壁半部同士の接合強度が強く、外観のよい振動溶着パレットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る振動溶着パレットは、上デッキ部1の下面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体3と、下デッキ部4の上面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体5とが、パレット上半体3の筒状桁半部2とパレット下半体5の筒状桁半部2との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部2により上デッキ部1と下デッキ部4とを一体に連設する筒状桁部6を形成した振動溶着パレット7であって、筒状桁半部2が外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り半部9とを備え、外周壁半部8の肉厚が仕切り半部9の肉厚よりも厚く形成され、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、外周壁半部8の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10が形成され、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、筒状桁部6の外周壁10は外部に露出してフォークが衝突する部分であるが、肉厚の厚い外周壁半部8の先端部同士が振動溶着されることで外周壁10の強度が強く、フォークが衝突しても破損することがない。しかも、肉厚の厚い外周壁半部8の先端部同士が振動溶着で一体化してあるので、外周壁半部8の振動溶着における振動方向と交差する辺が振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるというようなことが生じず、位置ずれなく外周壁半部8同士の先端部同士が振動溶着により一体化され、溶着不良や位置ずれのない外観に優れた強度の強い外周壁10とすることができる。また、仕切り壁半部9はフォークが直接衝突しないので、軽量化及び材料節減のために外周壁半部8よりも肉厚を薄くしてあり、振動方向と交差する仕切り壁半部9においては、振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるおそれがあるが、上記のように、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあるので、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士が溶着されず、したがって、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士がずれて溶着されることによる外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に及ぼす影響が全くなく、結果的に、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生がない。
【0011】
また、上デッキ部1の下面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体3と、下デッキ部4の上面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体5とが、パレット上半体3の筒状桁半部2とパレット下半体5の筒状桁半部2との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部2により上デッキ部1と下デッキ部4とを一体に連設する筒状桁部6を形成した振動溶着パレット7であって、筒状桁半部2が外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部9とを備え、外周壁半部8の内面部に補強リブ14を設け、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、外周壁半部8の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10が形成され、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
このような構成とすることで、筒状桁部6の外周壁10は外部に露出してフォークが衝突する部分であるが、外周壁半部8の内面部に補強リブを設けてあることで、外周壁10の強度が強く、フォークが衝突しても破損することがない。しかも、補強リブ14で補強された外周壁半部8の先端部同士を振動溶着で一体化してあるので、外周壁半部8の振動溶着における振動方向と交差する辺が振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるというようなことが生じず、位置ずれなく外周壁半部8同士の先端部同士が振動溶着により一体化され、溶着不良や位置ずれのない外観に優れた強度の強い外周壁10とすることができる。また、仕切り壁半部9はフォークが直接衝突しないので、軽量化及び材料節減のために外周壁半部8のように補強リブ14により補強する必要がないので、振動方向と交差する仕切り壁半部9においては、振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるおそれがあるが、上記のように、上記のように、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあるので、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士が溶着されず、したがって、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士がずれて溶着されることによる外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に及ぼす影響が全くなく、結果的に、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生がない。
【0013】
また、外周壁半部8のパレット外周側で且つ振動方向と交差する部位を外周壁半部8の他の部位よりも高強度とし、外周壁半部8のパレット内周側で且つ振動方向と平行な部位を外周壁半部8の他の部位よりも強度が弱いことが好ましい。
【0014】
このような構成とすることで、振動溶着による溶着不良が発生しやすくまたフォークが衝突しやすい、外周壁半部8のパレット外周側で且つ振動方向と交差する部位は外周壁半部8の他の部位よりも高強度として溶着不良の発生を抑えると共にフォーク先端が突き当たっても破損しないようにし、一方、外周壁半部8のパレット内周側で且つ振動方向と平行な部位は溶着不良の発生がなく、フォーク先端の突き当てもあまりないので、外周壁半部8の他の部位よりも高強度にする必要が無く、このように強度が必要な箇所に必要な補強をおこなうことで、必要以上の重量が増えることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の振動溶着パレットは、上記のように構成したので、外周壁半部の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生が抑制され且つ接合強度が強く、外観のよい桁部を有する振動溶着パレットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0017】
本発明の振動溶着パレット7は合成樹脂製のパレット上半体3とパレット下半体5とを振動溶着により一体化することで形成したものである。
【0018】
図1乃至図10には本発明の振動溶着パレット7の一実施形態である4方差しの振動溶着パレット7が示してある。
【0019】
振動溶着パレット7は、パレット上半体3とパレット下半体5とを振動溶着により一体化して構成してある。
【0020】
パレット上半体3は、図3乃至図6に示すように、上デッキ部1は板状部1aの下面側にリブ部1bを一体に設けて構成してあり、この上部デッキ部1の下面から筒状桁半部2を一体に突設して構成してあり、本実施形態では4方差し用であるため上デッキ部1の下面の四隅部に4つの隅筒状桁半部2aを突設し、中央部に1つの中央筒状桁半部2bを突設し、4辺の各中間部に4つの中間筒状桁半部2cを突設してある。
【0021】
パレット下半体5は、図7乃至図10に示すように、下デッキ部4は板状部4aの上面側にリブ部4bを一体に設けて構成してあり、この下部デッキ部4の上面から筒状桁半部2を一体に突設して構成してあり、本実施形態では4方差し用であるため下デッキ部4の上面の四隅部に4つの隅筒状桁半部2aを突設し、中央部に1つの中央筒状桁半部2bを突設し、4辺の各中間部に4つの中間筒状桁半部2cを突設してある。
【0022】
また、パレット下半体5の隣合う筒状桁半部2同士は連設部15により一体に連設してあり、4つの連設部15に囲まれた部分が上下に開口する下面開口部16となっており、この下面開口部16は4つ設けてある。
【0023】
パレット上半体3とパレット下半体5を上下に突き合わせた際、パレット上半体3に突設した各筒状桁半部2と、パレット下半体5に突設した各筒状桁半部2は、ぴったりとつき合わせられるように、同じ位置、同じ大きさに形成してある。
【0024】
パレット上半体3及びパレット下半体5に突設した上記筒状桁半部2はいずれも筒状をした外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部9とを備えている。
【0025】
外周壁半部8はフォークが衝突する部分であるため、フォークの衝突により破損しないように仕切り壁半部9に比べて高強度に形成してある。外周壁半部8を仕切り壁半部9よりも高強度とするには、例えば、外周壁半部8の肉厚を仕切り壁半部9の肉厚より厚く形成することで高強度としたり、あるいは、外周壁半部8の内面部に補強リブ14を一体に形成することで高強度としたり、あるいは、外周壁半部8の肉厚を仕切り壁半部9の肉厚より厚く形成すると共に外周壁半部8の内面部に補強リブ14を一体に形成することで高強度としたりするものである。
【0026】
また、筒状の外周壁半部8の振動方向と交差する部位(振動方向と交差する壁部)は、振動方向と平行な部位(振動方向と平行な壁部)よりも、肉厚を厚くすることや補強リブの肉厚を厚くすること、補強リブの本数を多くすること、補強リブのピッチを狭くすること等により高強度にしている。
【0027】
更に、フォーク先端の突き当て強度も考慮して筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と平行な部位は、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と平行な部位よりも高強度とし、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と交差する部位は、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と交差する部位より高強度とした。更に、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と交差する部位は、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と平行な部位よりも高強度とすることがよい。また、筒状の外周壁半部8の各部位(各壁部)のうち、パレット内周側の振動方向と平行な部位は溶着不良の発生がなく、フォーク先端の突き当てもあまりないので、筒状の外周壁半部8の他の部位(他の壁部)よりも高強度にする必要がない。つまり、フォーク先端の突き当てに対する強度と振動溶着時における変形による溶着不良を考慮して、筒状の外周壁半部8の4辺の壁部のうち、パレット外周側の振動方向と交差する壁部が最も強度が強く、次に、パレット外周側の振動方向と平行な壁部(又はパレット内周側の振動方向と交差する壁部)が2番目に強い強度となり、パレット内周側の振動方向と交差する壁部(又はパレット外周側の振動方向と平行な壁部)が3番目に強い強度となり、パレット内周側の振動方向と平行な壁部が最も弱い強度となっている。
【0028】
二方差しにおいても、フォーク先端の突き当て強度も考慮して、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と平行な部位(振動方向と平行な壁部)は、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と平行な部位(振動方向と平行な壁部)よりも高強度にすることがよい。また、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と平行な部位は、溶着不良の発生がなく、フォーク先端の突き当てもあまりないので、筒状の外周壁半部8の他の部位(他の壁部)よりも高強度にする必要がない。このことにより、強度が必要な箇所に必要な補強を行うことによって、必要以上の重量が増えることを抑制することができる。
【0029】
なお、仕切り壁半部9を外周壁半部8と同じ厚みとしたり、補強リブ14を一体に形成したりすることも考えられるが、仕切り壁半部9を肉厚にしたり、補強リブ14を一体に形成したりする分、形成される振動溶着パレット7の重量が重くなり、また、原料が増えてコストアップとなるので、好ましくない。
【0030】
上記のパレット上半体3とパレット下半体5は振動溶着により一体化されて振動溶着パレット7を形成するのであるが、振動溶着に当っては、図11に示すように、パレット上半体3を第1治具17に支持し、パレット下半体5を第2治具18に支持し、第1治具17又は第2治具18の一方を図11(a)の矢印イのように移動してパレット上半体3の筒状桁半部2の先端部とパレット下半体5の筒状桁半部2の先端部を強い押付け力を加えて突き合わせた状態で、図11(b)のように第1治具17又は第2治具18の他方(これが振動装置に接続してある)によりパレット上半体3又はパレット下半体5のいずれかに該パレット半体3の一辺に平行な方向の振動を付与することで、筒状桁半部2を上記振動方向(矢印ロで示す)に振動させ、筒状桁半部2の先端部同士の突き合わせ部分が摩擦熱により溶融して両筒状桁半部2の先端部同士を溶着一体化し、筒状桁部6を形成するようになっている。
【0031】
ここで、本発明においては、厚肉としたり補強リブ14を設けることで外周壁半部8に比べて強度が劣る仕切り壁半部9同士を振動溶着するに当って、振動溶着の振動方向と交差する方向の仕切り壁半部9aの先端部同士が全長にわたって振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けられることに特徴がある。
【0032】
すなわち、パレット上半体3側における上記振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部よりも外周壁半部8の先端部を突出させてあり(言い換えれば、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部を全長にわたって外周壁半部8の先端部よりも引き込ませて引き込み先端部19としてあり)、パレット下半体5側における上記振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部よりも外周壁半部8の先端部を突出させてある(言い換えれば、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部を全長にわたって外周壁半部8の先端部よりも引き込ませてあって引き込み先端部19としてある)。
【0033】
なお、本実施形態においては振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部は全長が外周壁半部8の先端部と同じレベルとなっている。
【0034】
したがって、図11(b)の矢印ロ方向に振動を与えると、パレット上半体3の筒状桁半部2の外周壁半部8の先端部と、パレット下半体5の筒状桁半部2の外周壁半部8の先端部とが全周にわたって振動溶着され、また、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部同士が全長にわたって振動溶着されるが、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部は全長にわたって引き込ませた引き込み先端部19としてあるので、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの引き込み先端部19同士は振動溶着時に全長にわたって互いに接触せず、両者の間に全長にわたって両者の間に、強度も考慮して仕切り壁半部9aの半分又は三分の一ぐらいの小間隙12が形成されて振動溶着により一体化されることがない。
【0035】
この小間隙12は少なくとも外周壁半部8の先端部同士を振動溶着する際に振動溶着の影響を受けない程度の隙間巾以上確保するものとする。
【0036】
両仕切り壁半部9aの先端部間に該先端部の全長にわたって形成される上記小間隙12を振動溶着パレット7に必要な曲げ強度を確保するためにごく僅かな隙間にした場合は、パレットが変形した時に両仕切り壁半部9aの先端部が部分的に接近して当接し、それ以上の変形を防止することができる。
【0037】
また、後述の二方差しの振動溶着パレット7の場合には、全ての仕切り壁に小間隙12を形成しても、補強リブに小間隙を形成してもよい。
【0038】
なお、上記例ではパレット上半体3側の振動方向と交差する仕切り壁半部9aの先端部の全長を筒状桁半部2より後退させて引き込み先端部19とすると共に、パレット下半体5側の振動方向と交差する仕切り壁半部9a先端部の全長を筒状桁半部2より後退させて引き込み先端部19とし、両先端部間に小間隙12を形成した例を示したが、パレット上半体3側の振動方向と交差する仕切り壁半部9aの先端部又はパレット下半体5側の振動方向と交差する仕切り壁半部9aの先端部のいずれか一方の全長を筒状桁半部2より後退させて引き込み先端部19とすると共に、いずれか他方の全長を筒状桁半部2と同じ突出長さ(同じレベル)とし、両先端部間に小間隙12を形成するようにしてもよい。
【0039】
ここで、外周壁半部8は仕切り壁半部9に比べて高強度であるので、振動が作用しても外周壁半部8の振動溶着における振動方向ロと交差する辺が振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向ロにずれて振動溶着されるというようなことが生じず、位置ずれなく外周壁半部8同士の先端部同士が振動溶着により一体化され、溶着不良や位置ずれのない外観に優れた強度の強い外周壁10とすることができる。
【0040】
また、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部同士は、先端部の長手方向が振動方向ロと平行な方向であるため、仕切り壁半部9bが外周壁半部8に比べて強度が劣るといえども撓んで変形することがなく、対向する仕切り壁半部9bの先端部同士が位置ずれすることなく振動溶着することになる。
【0041】
また、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部である引き込み先端部19同士は、上記のように先端部の全長にわたって振動溶着することなく、両者の間に小間隙12が形成されるので、振動方向と交差する仕切り壁半部9の引き込み先端部19同士がずれて溶着されることによる外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に及ぼす影響が全くなく、結果的に、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生がない。
【0042】
更に、図4の振動溶着パレット7の隅筒状桁半部2aの隅部の斜めの仕切り壁半部9aの先端部や補強リブ14の先端部も全長にわたって引き込ませることによって、溶着不良やずれの発生がない。
【0043】
したがって、外周壁半部8内に仕切り壁半部9を設けたものにおいて、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生が抑制されることになる。
【0044】
なお、本発明において、筒状桁半部2及び仕切り壁半部9は、上デッキ部1の下面と下デッキ部4の上面との間の位置であれば、どの位置で(例えば、中間・三分の一の部分)上下に分けてもよい。
【0045】
上記のようにして、外周壁半部8の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10が形成されると共に、両仕切り壁半部9により外周壁10内を上下に仕切る仕切り壁11が形成されて、この一体化された筒状桁部6を介して上デッキ部1と下デッキ部4とが一体化された振動溶着パレット7が形成されることになる。
【0046】
上記の振動溶着パレット7は図1、図2に示すように、隣合う筒状桁部6間がフォーク挿入用空所13となっており、該フォーク挿入用空所13は振動溶着パレット7の前後、左右の4側面に開口していて4方向差しのパレットを構成することになる。
【0047】
添付図面に示す実施形態では、振動方向ロと交差する方向の仕切り壁半部9(仕切り壁11)が、連設部15の延長線上に形成してあることで、上下の仕切り壁半部9を振動溶着することにより構成される外周壁10内を仕切る仕切り壁11が外周壁10を介して連設部15と連続することになって、下面に手動フォークリフトの車輪が入る下面開口部16を設けた振動溶着パレット7の強度を強くすることができる。更に、仕切り壁半部9と連設部15のリブとを一直線上に連結することによって、より強度を強くすることができる。
【0048】
図12乃至図19には本発明の他の実施形態が示してある。上記実施形態では振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部を外周壁半部8の先端部と同じレベルとし、該振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部同士を全長にわたって振動溶着した例を示したが、本実施形態においては、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部も全長にわたって外周壁半部8の先端部よりも引き込ませて後退させて引き込み先端部19とし、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着の際に、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部である引き込み先端部19同士と同様に、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部の引き込み先端部19同士も全長にわたって振動溶着することなく小間隙12を介して対向するように形成した実施形態が示してある。
【0049】
この実施形態では、第1治具17、第2治具18にそれぞれパレット上半体3、パレット下半体5を支持して振動を加えることで、パレット上半体3とパレット下半体5を振動溶着により一体化して振動溶着パレット7を形成するに当って、第1治具17、第2治具18へのパレット上半体3、パレット下半体5のセット方向が90°異なって振動を加える方向が上記実施形態の場合と90°異なる方向から加えられても、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9の引き込み先端部19同士が必ず全長にわたって上記と同様に振動溶着されないようにできて、前述のように外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に影響を与えない。この構成は、振動溶着パレット7が正方形や筒状桁部6が正方形の時のように、方向性がない時によい。
【0050】
また、振動方向は、振動溶着パレット7の形状に関係なく筒状桁部6によって決まるものであり、振動方向と平行な壁が溶着しやすいことから、筒状桁部6の長辺側の壁を振動方向と平行に位置させて該長辺側の壁を振動方向と平行に振動させる。特に、長方形の二方差しの振動溶着パレット7は、振動溶着パレット7の短辺側に平行な筒状桁部6を形成し、この筒状桁部6の長辺側の壁を振動方向と平行に振動させる。
【0051】
また、上記各実施形態においては、4方差しの振動溶着パレット7の例で示したが、本実施形態は2方差しのパレットであってもよい。
【0052】
また、振動溶着の振動方向ロと交差する方向の仕切り壁半部9としては、図20(a)のように両端部が外周壁10の対向する又は隣接する壁部間に一体に連設した平板状のものや、あるいは図20(b)のように両端部が外周壁10の対向する又は隣接する壁部間に一体に連設したU板状のものの場合がある。そして、図20(b)のようにU板状のものの場合は、U板状の側片の先端部の引き込み先端部19同士の間に全長にわたって小間隙12が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の振動溶着パレットを示し、(a)は平面図であり、(b)は下面図であり、(c)は正面図であり、(d)は側面図である。
【図2】(a)は同上の断面図であり、(b)は要部拡大断面図である。
【図3】同上の振動溶着パレットの一構成部材であるパレット上半体を示す上下逆にした斜視図である。
【図4】同上の図3のA部分の拡大斜視図である。
【図5】同上の図3のB部分の拡大斜視図である。
【図6】同上の図3のC部分の拡大斜視図である。
【図7】同上の振動溶着パレットの他の構成部材であるパレット下半体を示す斜視図である。
【図8】同上の図7のD部分の拡大斜視図である。
【図9】同上の図7のE部分の拡大斜視図である。
【図10】同上の図7のF部分の拡大斜視図である。
【図11】(a)は同上の振動溶着前の正面図であり、(b)は振動溶着時の正面図である。
【図12】本発明の振動溶着パレットの他の実施形態の一構成部材であるパレット上半体を示す上下逆にした斜視図である。
【図13】同上の図12のG部分の拡大斜視図である。
【図14】同上の図12のH部分の拡大斜視図である。
【図15】同上の図12のI部分の拡大斜視図である。
【図16】同上の振動溶着パレットの他の実施形態の他の構成部材であるパレット下半体を示す斜視図である。
【図17】同上の図16のJ部分の拡大斜視図である。
【図18】同上の図16のK部分の拡大斜視図である。
【図19】同上の図16のL部分の拡大斜視図である。
【図20】(a)(b)は同上の仕切り壁の各例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 上デッキ部
2 筒状桁半部
3 パレット上半体
4 下デッキ部
5 パレット下半体
6 筒状桁部
7 振動溶着パレット
8 外周壁半部
9 仕切り壁半部
10 外周壁
11 仕切り壁
12 小間隙
14 補強リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット上半体とパレット下半体とを振動溶着により一体化して形成した振動溶着パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上デッキ部の下面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体と、下デッキ部の上面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体とをそれぞれ熱溶着装置の上下に対向する一対の支持具に支持し、パレット上半体とパレット下半体とを離して、両者の間に熱板を入れ、その後、パレット上半体、パレット下半体の筒状桁半部の先端部を熱板に当接して筒状桁半部の先端部を加熱溶融させ、その後、両支持具を離れる方向に移動してパレット上半体、パレット下半体を熱板から離し、次に熱板を抜いて、その後、両支持具を近づく方向に移動して加熱溶融した筒状桁半部の先端部同士を熱溶着して一体化し、これにより上デッキ部と下デッキ部とを一体に連設する桁部を形成するパレットが、特許文献1等により知られている。
【0003】
ところが、上記の従来例にあっては、筒状桁半部の先端を熱板により溶融加熱する工程に時間がかかるという問題があり、生産性が悪く、また、溶着の安定性がないという問題がある。
【0004】
一方、デッキ部に別体の桁部を固着するに当って、振動溶着により固着することが特許文献2により知られている。
【0005】
そこで、本発明者は、本発明に至る過程で、特許文献2で示された振動溶着による固着の技術を特許文献1に示されたようなパレット上半体の筒状桁半部の先端部と、パレット下半体の筒状桁半部の先端部との固着に適用することを考えた。
【0006】
筒状桁半部の先端同士を固着して形成される筒状桁部においてその外周を構成する外周壁はフォークが衝突する部分であるため、筒状桁部内を仕切る仕切り壁よりも強度が強く変形し難く設定してある。したがって、振動溶着の際に、振動が作用しても、振動により変形しにくく、このため筒状桁半部の外周を構成する外周壁半部の先端同士は例え振動方向と交差する方向であってもずれることなく溶着することが可能であるが、外周壁半部に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部は外周壁半部よりも強度が弱く変形しやすいので、振動溶着の際に振動が作用すると、振動方向と交差する方向の仕切り壁半部は振動方向に変形し、仕切り壁半部の先端部同士が振動方向にずれて溶着され、仕切り壁半部の先端部同士が振動方向にずれて溶着されると、このずれの応力が外周壁半部の先端部同士の振動溶着に影響を与え、外周壁半部の先端部同士の振動溶着部分にずれが生じ、溶着の安定性がないといった問題が発生することが判明した。
【0007】
このように外周壁半部の先端部同士の振動溶着部分にずれが生じたり、溶着の安定性がなくなると、フォークが衝突する部分であるため最も強度が必要な外周壁半部同士の接合強度が低下し、また、バリ取りの妨げになり、更にこの部分は形成されるパレットの外面に露出する部分であるため外観が悪くなったり、ずれた部分の隙間から雨水が入り込むことで商品価値が低下してしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2003−312663号公報
【特許文献2】特表平9−500346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、外周壁半部同士の溶着が安定し、外周壁半部同士の接合強度が強く、外観のよい振動溶着パレットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る振動溶着パレットは、上デッキ部1の下面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体3と、下デッキ部4の上面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体5とが、パレット上半体3の筒状桁半部2とパレット下半体5の筒状桁半部2との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部2により上デッキ部1と下デッキ部4とを一体に連設する筒状桁部6を形成した振動溶着パレット7であって、筒状桁半部2が外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り半部9とを備え、外周壁半部8の肉厚が仕切り半部9の肉厚よりも厚く形成され、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、外周壁半部8の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10が形成され、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、筒状桁部6の外周壁10は外部に露出してフォークが衝突する部分であるが、肉厚の厚い外周壁半部8の先端部同士が振動溶着されることで外周壁10の強度が強く、フォークが衝突しても破損することがない。しかも、肉厚の厚い外周壁半部8の先端部同士が振動溶着で一体化してあるので、外周壁半部8の振動溶着における振動方向と交差する辺が振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるというようなことが生じず、位置ずれなく外周壁半部8同士の先端部同士が振動溶着により一体化され、溶着不良や位置ずれのない外観に優れた強度の強い外周壁10とすることができる。また、仕切り壁半部9はフォークが直接衝突しないので、軽量化及び材料節減のために外周壁半部8よりも肉厚を薄くしてあり、振動方向と交差する仕切り壁半部9においては、振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるおそれがあるが、上記のように、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあるので、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士が溶着されず、したがって、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士がずれて溶着されることによる外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に及ぼす影響が全くなく、結果的に、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生がない。
【0011】
また、上デッキ部1の下面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体3と、下デッキ部4の上面から筒状桁半部2を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体5とが、パレット上半体3の筒状桁半部2とパレット下半体5の筒状桁半部2との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部2により上デッキ部1と下デッキ部4とを一体に連設する筒状桁部6を形成した振動溶着パレット7であって、筒状桁半部2が外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部9とを備え、外周壁半部8の内面部に補強リブ14を設け、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、外周壁半部8の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10が形成され、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
このような構成とすることで、筒状桁部6の外周壁10は外部に露出してフォークが衝突する部分であるが、外周壁半部8の内面部に補強リブを設けてあることで、外周壁10の強度が強く、フォークが衝突しても破損することがない。しかも、補強リブ14で補強された外周壁半部8の先端部同士を振動溶着で一体化してあるので、外周壁半部8の振動溶着における振動方向と交差する辺が振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるというようなことが生じず、位置ずれなく外周壁半部8同士の先端部同士が振動溶着により一体化され、溶着不良や位置ずれのない外観に優れた強度の強い外周壁10とすることができる。また、仕切り壁半部9はフォークが直接衝突しないので、軽量化及び材料節減のために外周壁半部8のように補強リブ14により補強する必要がないので、振動方向と交差する仕切り壁半部9においては、振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向にずれて振動溶着されるおそれがあるが、上記のように、上記のように、外周壁半部8の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り半部9の先端部よりも突出させ、振動方向と交差する仕切り半部9の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けてあるので、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士が溶着されず、したがって、振動方向と交差する仕切り壁半部9の先端部同士がずれて溶着されることによる外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に及ぼす影響が全くなく、結果的に、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生がない。
【0013】
また、外周壁半部8のパレット外周側で且つ振動方向と交差する部位を外周壁半部8の他の部位よりも高強度とし、外周壁半部8のパレット内周側で且つ振動方向と平行な部位を外周壁半部8の他の部位よりも強度が弱いことが好ましい。
【0014】
このような構成とすることで、振動溶着による溶着不良が発生しやすくまたフォークが衝突しやすい、外周壁半部8のパレット外周側で且つ振動方向と交差する部位は外周壁半部8の他の部位よりも高強度として溶着不良の発生を抑えると共にフォーク先端が突き当たっても破損しないようにし、一方、外周壁半部8のパレット内周側で且つ振動方向と平行な部位は溶着不良の発生がなく、フォーク先端の突き当てもあまりないので、外周壁半部8の他の部位よりも高強度にする必要が無く、このように強度が必要な箇所に必要な補強をおこなうことで、必要以上の重量が増えることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の振動溶着パレットは、上記のように構成したので、外周壁半部の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生が抑制され且つ接合強度が強く、外観のよい桁部を有する振動溶着パレットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0017】
本発明の振動溶着パレット7は合成樹脂製のパレット上半体3とパレット下半体5とを振動溶着により一体化することで形成したものである。
【0018】
図1乃至図10には本発明の振動溶着パレット7の一実施形態である4方差しの振動溶着パレット7が示してある。
【0019】
振動溶着パレット7は、パレット上半体3とパレット下半体5とを振動溶着により一体化して構成してある。
【0020】
パレット上半体3は、図3乃至図6に示すように、上デッキ部1は板状部1aの下面側にリブ部1bを一体に設けて構成してあり、この上部デッキ部1の下面から筒状桁半部2を一体に突設して構成してあり、本実施形態では4方差し用であるため上デッキ部1の下面の四隅部に4つの隅筒状桁半部2aを突設し、中央部に1つの中央筒状桁半部2bを突設し、4辺の各中間部に4つの中間筒状桁半部2cを突設してある。
【0021】
パレット下半体5は、図7乃至図10に示すように、下デッキ部4は板状部4aの上面側にリブ部4bを一体に設けて構成してあり、この下部デッキ部4の上面から筒状桁半部2を一体に突設して構成してあり、本実施形態では4方差し用であるため下デッキ部4の上面の四隅部に4つの隅筒状桁半部2aを突設し、中央部に1つの中央筒状桁半部2bを突設し、4辺の各中間部に4つの中間筒状桁半部2cを突設してある。
【0022】
また、パレット下半体5の隣合う筒状桁半部2同士は連設部15により一体に連設してあり、4つの連設部15に囲まれた部分が上下に開口する下面開口部16となっており、この下面開口部16は4つ設けてある。
【0023】
パレット上半体3とパレット下半体5を上下に突き合わせた際、パレット上半体3に突設した各筒状桁半部2と、パレット下半体5に突設した各筒状桁半部2は、ぴったりとつき合わせられるように、同じ位置、同じ大きさに形成してある。
【0024】
パレット上半体3及びパレット下半体5に突設した上記筒状桁半部2はいずれも筒状をした外周壁半部8と外周壁半部8に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部9とを備えている。
【0025】
外周壁半部8はフォークが衝突する部分であるため、フォークの衝突により破損しないように仕切り壁半部9に比べて高強度に形成してある。外周壁半部8を仕切り壁半部9よりも高強度とするには、例えば、外周壁半部8の肉厚を仕切り壁半部9の肉厚より厚く形成することで高強度としたり、あるいは、外周壁半部8の内面部に補強リブ14を一体に形成することで高強度としたり、あるいは、外周壁半部8の肉厚を仕切り壁半部9の肉厚より厚く形成すると共に外周壁半部8の内面部に補強リブ14を一体に形成することで高強度としたりするものである。
【0026】
また、筒状の外周壁半部8の振動方向と交差する部位(振動方向と交差する壁部)は、振動方向と平行な部位(振動方向と平行な壁部)よりも、肉厚を厚くすることや補強リブの肉厚を厚くすること、補強リブの本数を多くすること、補強リブのピッチを狭くすること等により高強度にしている。
【0027】
更に、フォーク先端の突き当て強度も考慮して筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と平行な部位は、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と平行な部位よりも高強度とし、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と交差する部位は、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と交差する部位より高強度とした。更に、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と交差する部位は、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と平行な部位よりも高強度とすることがよい。また、筒状の外周壁半部8の各部位(各壁部)のうち、パレット内周側の振動方向と平行な部位は溶着不良の発生がなく、フォーク先端の突き当てもあまりないので、筒状の外周壁半部8の他の部位(他の壁部)よりも高強度にする必要がない。つまり、フォーク先端の突き当てに対する強度と振動溶着時における変形による溶着不良を考慮して、筒状の外周壁半部8の4辺の壁部のうち、パレット外周側の振動方向と交差する壁部が最も強度が強く、次に、パレット外周側の振動方向と平行な壁部(又はパレット内周側の振動方向と交差する壁部)が2番目に強い強度となり、パレット内周側の振動方向と交差する壁部(又はパレット外周側の振動方向と平行な壁部)が3番目に強い強度となり、パレット内周側の振動方向と平行な壁部が最も弱い強度となっている。
【0028】
二方差しにおいても、フォーク先端の突き当て強度も考慮して、筒状の外周壁半部8のパレット外周側の振動方向と平行な部位(振動方向と平行な壁部)は、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と平行な部位(振動方向と平行な壁部)よりも高強度にすることがよい。また、筒状の外周壁半部8のパレット内周側の振動方向と平行な部位は、溶着不良の発生がなく、フォーク先端の突き当てもあまりないので、筒状の外周壁半部8の他の部位(他の壁部)よりも高強度にする必要がない。このことにより、強度が必要な箇所に必要な補強を行うことによって、必要以上の重量が増えることを抑制することができる。
【0029】
なお、仕切り壁半部9を外周壁半部8と同じ厚みとしたり、補強リブ14を一体に形成したりすることも考えられるが、仕切り壁半部9を肉厚にしたり、補強リブ14を一体に形成したりする分、形成される振動溶着パレット7の重量が重くなり、また、原料が増えてコストアップとなるので、好ましくない。
【0030】
上記のパレット上半体3とパレット下半体5は振動溶着により一体化されて振動溶着パレット7を形成するのであるが、振動溶着に当っては、図11に示すように、パレット上半体3を第1治具17に支持し、パレット下半体5を第2治具18に支持し、第1治具17又は第2治具18の一方を図11(a)の矢印イのように移動してパレット上半体3の筒状桁半部2の先端部とパレット下半体5の筒状桁半部2の先端部を強い押付け力を加えて突き合わせた状態で、図11(b)のように第1治具17又は第2治具18の他方(これが振動装置に接続してある)によりパレット上半体3又はパレット下半体5のいずれかに該パレット半体3の一辺に平行な方向の振動を付与することで、筒状桁半部2を上記振動方向(矢印ロで示す)に振動させ、筒状桁半部2の先端部同士の突き合わせ部分が摩擦熱により溶融して両筒状桁半部2の先端部同士を溶着一体化し、筒状桁部6を形成するようになっている。
【0031】
ここで、本発明においては、厚肉としたり補強リブ14を設けることで外周壁半部8に比べて強度が劣る仕切り壁半部9同士を振動溶着するに当って、振動溶着の振動方向と交差する方向の仕切り壁半部9aの先端部同士が全長にわたって振動溶着されないように両者の間に小間隙12が設けられることに特徴がある。
【0032】
すなわち、パレット上半体3側における上記振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部よりも外周壁半部8の先端部を突出させてあり(言い換えれば、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部を全長にわたって外周壁半部8の先端部よりも引き込ませて引き込み先端部19としてあり)、パレット下半体5側における上記振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部よりも外周壁半部8の先端部を突出させてある(言い換えれば、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部を全長にわたって外周壁半部8の先端部よりも引き込ませてあって引き込み先端部19としてある)。
【0033】
なお、本実施形態においては振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部は全長が外周壁半部8の先端部と同じレベルとなっている。
【0034】
したがって、図11(b)の矢印ロ方向に振動を与えると、パレット上半体3の筒状桁半部2の外周壁半部8の先端部と、パレット下半体5の筒状桁半部2の外周壁半部8の先端部とが全周にわたって振動溶着され、また、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部同士が全長にわたって振動溶着されるが、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部は全長にわたって引き込ませた引き込み先端部19としてあるので、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの引き込み先端部19同士は振動溶着時に全長にわたって互いに接触せず、両者の間に全長にわたって両者の間に、強度も考慮して仕切り壁半部9aの半分又は三分の一ぐらいの小間隙12が形成されて振動溶着により一体化されることがない。
【0035】
この小間隙12は少なくとも外周壁半部8の先端部同士を振動溶着する際に振動溶着の影響を受けない程度の隙間巾以上確保するものとする。
【0036】
両仕切り壁半部9aの先端部間に該先端部の全長にわたって形成される上記小間隙12を振動溶着パレット7に必要な曲げ強度を確保するためにごく僅かな隙間にした場合は、パレットが変形した時に両仕切り壁半部9aの先端部が部分的に接近して当接し、それ以上の変形を防止することができる。
【0037】
また、後述の二方差しの振動溶着パレット7の場合には、全ての仕切り壁に小間隙12を形成しても、補強リブに小間隙を形成してもよい。
【0038】
なお、上記例ではパレット上半体3側の振動方向と交差する仕切り壁半部9aの先端部の全長を筒状桁半部2より後退させて引き込み先端部19とすると共に、パレット下半体5側の振動方向と交差する仕切り壁半部9a先端部の全長を筒状桁半部2より後退させて引き込み先端部19とし、両先端部間に小間隙12を形成した例を示したが、パレット上半体3側の振動方向と交差する仕切り壁半部9aの先端部又はパレット下半体5側の振動方向と交差する仕切り壁半部9aの先端部のいずれか一方の全長を筒状桁半部2より後退させて引き込み先端部19とすると共に、いずれか他方の全長を筒状桁半部2と同じ突出長さ(同じレベル)とし、両先端部間に小間隙12を形成するようにしてもよい。
【0039】
ここで、外周壁半部8は仕切り壁半部9に比べて高強度であるので、振動が作用しても外周壁半部8の振動溶着における振動方向ロと交差する辺が振動溶着時における振動で変形して外周壁半部同士8の先端部同士が振動方向ロにずれて振動溶着されるというようなことが生じず、位置ずれなく外周壁半部8同士の先端部同士が振動溶着により一体化され、溶着不良や位置ずれのない外観に優れた強度の強い外周壁10とすることができる。
【0040】
また、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部同士は、先端部の長手方向が振動方向ロと平行な方向であるため、仕切り壁半部9bが外周壁半部8に比べて強度が劣るといえども撓んで変形することがなく、対向する仕切り壁半部9bの先端部同士が位置ずれすることなく振動溶着することになる。
【0041】
また、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部である引き込み先端部19同士は、上記のように先端部の全長にわたって振動溶着することなく、両者の間に小間隙12が形成されるので、振動方向と交差する仕切り壁半部9の引き込み先端部19同士がずれて溶着されることによる外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に及ぼす影響が全くなく、結果的に、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生がない。
【0042】
更に、図4の振動溶着パレット7の隅筒状桁半部2aの隅部の斜めの仕切り壁半部9aの先端部や補強リブ14の先端部も全長にわたって引き込ませることによって、溶着不良やずれの発生がない。
【0043】
したがって、外周壁半部8内に仕切り壁半部9を設けたものにおいて、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分における溶着不良やずれの発生が抑制されることになる。
【0044】
なお、本発明において、筒状桁半部2及び仕切り壁半部9は、上デッキ部1の下面と下デッキ部4の上面との間の位置であれば、どの位置で(例えば、中間・三分の一の部分)上下に分けてもよい。
【0045】
上記のようにして、外周壁半部8の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部6の外周壁10が形成されると共に、両仕切り壁半部9により外周壁10内を上下に仕切る仕切り壁11が形成されて、この一体化された筒状桁部6を介して上デッキ部1と下デッキ部4とが一体化された振動溶着パレット7が形成されることになる。
【0046】
上記の振動溶着パレット7は図1、図2に示すように、隣合う筒状桁部6間がフォーク挿入用空所13となっており、該フォーク挿入用空所13は振動溶着パレット7の前後、左右の4側面に開口していて4方向差しのパレットを構成することになる。
【0047】
添付図面に示す実施形態では、振動方向ロと交差する方向の仕切り壁半部9(仕切り壁11)が、連設部15の延長線上に形成してあることで、上下の仕切り壁半部9を振動溶着することにより構成される外周壁10内を仕切る仕切り壁11が外周壁10を介して連設部15と連続することになって、下面に手動フォークリフトの車輪が入る下面開口部16を設けた振動溶着パレット7の強度を強くすることができる。更に、仕切り壁半部9と連設部15のリブとを一直線上に連結することによって、より強度を強くすることができる。
【0048】
図12乃至図19には本発明の他の実施形態が示してある。上記実施形態では振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部を外周壁半部8の先端部と同じレベルとし、該振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部同士を全長にわたって振動溶着した例を示したが、本実施形態においては、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部も全長にわたって外周壁半部8の先端部よりも引き込ませて後退させて引き込み先端部19とし、外周壁半部8の先端部同士の振動溶着の際に、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9aの先端部である引き込み先端部19同士と同様に、振動方向ロと平行な仕切り壁半部9bの先端部の引き込み先端部19同士も全長にわたって振動溶着することなく小間隙12を介して対向するように形成した実施形態が示してある。
【0049】
この実施形態では、第1治具17、第2治具18にそれぞれパレット上半体3、パレット下半体5を支持して振動を加えることで、パレット上半体3とパレット下半体5を振動溶着により一体化して振動溶着パレット7を形成するに当って、第1治具17、第2治具18へのパレット上半体3、パレット下半体5のセット方向が90°異なって振動を加える方向が上記実施形態の場合と90°異なる方向から加えられても、振動方向ロと交差する仕切り壁半部9の引き込み先端部19同士が必ず全長にわたって上記と同様に振動溶着されないようにできて、前述のように外周壁半部8の先端部同士の振動溶着部分に影響を与えない。この構成は、振動溶着パレット7が正方形や筒状桁部6が正方形の時のように、方向性がない時によい。
【0050】
また、振動方向は、振動溶着パレット7の形状に関係なく筒状桁部6によって決まるものであり、振動方向と平行な壁が溶着しやすいことから、筒状桁部6の長辺側の壁を振動方向と平行に位置させて該長辺側の壁を振動方向と平行に振動させる。特に、長方形の二方差しの振動溶着パレット7は、振動溶着パレット7の短辺側に平行な筒状桁部6を形成し、この筒状桁部6の長辺側の壁を振動方向と平行に振動させる。
【0051】
また、上記各実施形態においては、4方差しの振動溶着パレット7の例で示したが、本実施形態は2方差しのパレットであってもよい。
【0052】
また、振動溶着の振動方向ロと交差する方向の仕切り壁半部9としては、図20(a)のように両端部が外周壁10の対向する又は隣接する壁部間に一体に連設した平板状のものや、あるいは図20(b)のように両端部が外周壁10の対向する又は隣接する壁部間に一体に連設したU板状のものの場合がある。そして、図20(b)のようにU板状のものの場合は、U板状の側片の先端部の引き込み先端部19同士の間に全長にわたって小間隙12が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の振動溶着パレットを示し、(a)は平面図であり、(b)は下面図であり、(c)は正面図であり、(d)は側面図である。
【図2】(a)は同上の断面図であり、(b)は要部拡大断面図である。
【図3】同上の振動溶着パレットの一構成部材であるパレット上半体を示す上下逆にした斜視図である。
【図4】同上の図3のA部分の拡大斜視図である。
【図5】同上の図3のB部分の拡大斜視図である。
【図6】同上の図3のC部分の拡大斜視図である。
【図7】同上の振動溶着パレットの他の構成部材であるパレット下半体を示す斜視図である。
【図8】同上の図7のD部分の拡大斜視図である。
【図9】同上の図7のE部分の拡大斜視図である。
【図10】同上の図7のF部分の拡大斜視図である。
【図11】(a)は同上の振動溶着前の正面図であり、(b)は振動溶着時の正面図である。
【図12】本発明の振動溶着パレットの他の実施形態の一構成部材であるパレット上半体を示す上下逆にした斜視図である。
【図13】同上の図12のG部分の拡大斜視図である。
【図14】同上の図12のH部分の拡大斜視図である。
【図15】同上の図12のI部分の拡大斜視図である。
【図16】同上の振動溶着パレットの他の実施形態の他の構成部材であるパレット下半体を示す斜視図である。
【図17】同上の図16のJ部分の拡大斜視図である。
【図18】同上の図16のK部分の拡大斜視図である。
【図19】同上の図16のL部分の拡大斜視図である。
【図20】(a)(b)は同上の仕切り壁の各例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 上デッキ部
2 筒状桁半部
3 パレット上半体
4 下デッキ部
5 パレット下半体
6 筒状桁部
7 振動溶着パレット
8 外周壁半部
9 仕切り壁半部
10 外周壁
11 仕切り壁
12 小間隙
14 補強リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上デッキ部の下面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体と、下デッキ部の上面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体とが、パレット上半体の筒状桁半部とパレット下半体の筒状桁半部との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部により上デッキ部と下デッキ部とを一体に連設する筒状桁部を形成した振動溶着パレットであって、筒状桁半部が外周壁半部と外周壁半部に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部とを備え、外周壁半部の肉厚が仕切り壁半部の肉厚よりも厚く形成され、外周壁半部の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り壁半部の先端部よりも突出させ、外周壁半部の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部の外周壁が形成され、振動方向と交差する仕切り壁半部の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙が設けてあることを特徴とする振動溶着パレット。
【請求項2】
上デッキ部の下面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体と、下デッキ部の上面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体とが、パレット上半体の筒状桁半部とパレット下半体の筒状桁半部との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部により上デッキ部と下デッキ部とを一体に連設する筒状桁部を形成した振動溶着パレットであって、筒状桁半部が外周壁半部と外周壁半部に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部とを備え、外周壁半部の内面部に補強リブを設け、外周壁半部の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部の外周壁が形成され、振動方向と交差する仕切り壁半部の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙が設けてあることを特徴とする振動溶着パレット。
【請求項3】
外周壁半部のパレット外周側で且つ振動方向と交差する部位を外周壁半部の他の部位よりも高強度とし、外周壁半部のパレット内周側で且つ振動方向と平行な部位を外周壁半部の他の部位よりも強度が弱いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の振動溶着パレット。
【請求項1】
上デッキ部の下面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体と、下デッキ部の上面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体とが、パレット上半体の筒状桁半部とパレット下半体の筒状桁半部との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部により上デッキ部と下デッキ部とを一体に連設する筒状桁部を形成した振動溶着パレットであって、筒状桁半部が外周壁半部と外周壁半部に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部とを備え、外周壁半部の肉厚が仕切り壁半部の肉厚よりも厚く形成され、外周壁半部の先端部を振動溶着における振動方向と交差する仕切り壁半部の先端部よりも突出させ、外周壁半部の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部の外周壁が形成され、振動方向と交差する仕切り壁半部の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙が設けてあることを特徴とする振動溶着パレット。
【請求項2】
上デッキ部の下面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット上半体と、下デッキ部の上面から筒状桁半部を一体に突設した合成樹脂製のパレット下半体とが、パレット上半体の筒状桁半部とパレット下半体の筒状桁半部との各先端同士を振動溶着することで一体化されて両筒状桁半部により上デッキ部と下デッキ部とを一体に連設する筒状桁部を形成した振動溶着パレットであって、筒状桁半部が外周壁半部と外周壁半部に囲まれた部分を仕切る仕切り壁半部とを備え、外周壁半部の内面部に補強リブを設け、外周壁半部の先端部同士が振動溶着により一体化されて筒状桁部の外周壁が形成され、振動方向と交差する仕切り壁半部の先端部同士が振動溶着されないように両者の間に小間隙が設けてあることを特徴とする振動溶着パレット。
【請求項3】
外周壁半部のパレット外周側で且つ振動方向と交差する部位を外周壁半部の他の部位よりも高強度とし、外周壁半部のパレット内周側で且つ振動方向と平行な部位を外周壁半部の他の部位よりも強度が弱いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の振動溶着パレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−154912(P2009−154912A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334444(P2007−334444)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
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