説明

振動発生装置および電動歯ブラシ

【課題】意匠性を向上させることが可能な電動歯ブラシを得る。
【解決手段】電動歯ブラシ100は、一端11Aに開口11Hを有する透明の筒状部11および内表面12Sが筒状部11の他端11Bを塞ぐ底部12を含むアウターケース10と、筒状部11の内表面11Sに設けられた加飾部18と、アウターケース10内に配置される駆動ユニット20と、を備え、駆動ユニット20には、筒状部11の一端11A側の内表面11Sに対して固定される固定部24が設けられ、駆動ユニット20と筒状部11との間には、駆動ユニット20の略全周を取り囲むように隙間が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置および電動歯ブラシに関し、特に、駆動ユニットと振動部材とを備え、駆動ユニットによって振動部材が振動される振動発生装置および電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
振動発生装置は、駆動ユニットと振動部材とを備える。特開2009−136486号公報(特許文献1)は、振動発生装置の一例として、電動歯ブラシに関する発明を開示する。特許文献1に開示される電動歯ブラシは、駆動ユニットを内蔵するとともに、振動部材として、高速に振動するブラシを備える。
【0003】
特開2002−199923号公報(特許文献2)は、振動発生装置の他の一例として、ケースおよび装飾シートを備えた電動歯ブラシに関する発明を開示する。この発明のケースは、内ケースと、この内ケースに外嵌する透明または半透明の外ケースとから2重筒状に形成される。内外両ケースの間に装飾シートが装填される。特許文献2は、この発明によれば、ケースの美感および清潔感を長期間にわたって維持することができると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−136486号公報
【特許文献2】特開2002−199923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電動歯ブラシなどの振動発生装置にも意匠性の向上が要求されている。本発明は、意匠性を向上させることが可能な振動発生装置および電動歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく振動発生装置は、透明または半透明の部材から構成され且つ一端に開口を有する筒状部、および内表面が上記筒状部の他端を塞ぐように設けられた底部を含むケースと、上記筒状部の内表面に設けられた加飾部と、上記ケース内に配置される駆動ユニットと、上記筒状部の上記一端側に取り付けられる蓋部材と、上記蓋部材を挟んで上記ケースの反対側に配置され、上記駆動ユニットから振動が伝達される振動部材と、を備え、上記駆動ユニットには、上記筒状部の上記一端側の上記内表面に対して固定される第1固定部が設けられ、上記駆動ユニットと上記筒状部との間には、上記駆動ユニットの略全周を取り囲むように隙間が形成される。
【0007】
好ましくは、上記駆動ユニットには、上記底部の上記内表面に対して固定される第2固定部が設けられる。好ましくは、上記駆動ユニットの他端は、弾性体から構成される。
【0008】
好ましくは、上記底部の上記内表面は球面状に凹設され、上記弾性体は、上記底部の上記内表面の形状に対応する半球状に凸設される。好ましくは、上記筒状部および上記底部は一体成型されている。
【0009】
好ましくは、上記加飾部は、上記筒状部の上記内表面に塗装処理が施されることによって形成される。
【0010】
好ましくは、上記蓋部材は、上記駆動ユニットの上記第1固定部が上記筒状部の上記一端側の上記内表面に固定される部分を覆い隠すように設けられる。
【0011】
本発明に基づく電動歯ブラシは、本発明に基づく上記振動発生装置から構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、意匠性を向上させることが可能な振動発生装置および電動歯ブラシを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態における振動発生装置の一例としての電動歯ブラシの分解した状態(組み立てられる前の状態)を示す斜視図である。
【図2】実施の形態における振動発生装置の一例としての電動歯ブラシ(組み立てられた後の状態)を示す断面図である。
【図3】実施の形態における振動発生装置の一例としての電動歯ブラシの固定部(第1固定部)および他の固定部(第2個定部)を拡大して示す断面図である。
【図4】実施の形態における振動発生装置の一例としての電動歯ブラシに用いられる衛生保持部材(ステム部)の他の例を示す側面図である。
【図5】実施の形態における振動発生装置の一例としての電動歯ブラシに用いられる衛生保持部材(ステム部)の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態については、振動発生装置の一例として、モータの回転によって振動を発生させる電動歯ブラシに基づき説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0015】
図1〜図3を参照して、実施の形態における電動歯ブラシ100について説明する。図1は、電動歯ブラシ100の分解した状態(組み立てられる前の状態)を示す斜視図である。図2は、電動歯ブラシ100を示す断面図である。図3は、電動歯ブラシ100における固定部24,25(第1固定部)(詳細は後述する)および固定部26(第2固定部)(詳細は後述する)を拡大して示す断面図である。
【0016】
図1に示すように、電動歯ブラシ100は、アウターケース10(本発明におけるケースに相当する)、駆動ユニット20、蓋部材30、および衛生保持部材40(振動部材)を備える。
【0017】
(アウターケース10)
アウターケース10は、電動歯ブラシ100の使用者によって把持される。アウターケース10は、筒状部11および底部12を含み、全体として有底筒状に構成される。筒状部11は、透明または半透明の部材から構成される。筒状部11は、筒状部11の内部に設けられた加飾部18(詳細は後述する)を、筒状部11の外側から視認できる程度の透光性(透明性)を有する。筒状部11の外表面の所定の位置には、操作部17が設けられる。
【0018】
筒状部11の一端11Aには、開口11Hが形成される。筒状部11の一端11A側の外表面11ASには、Oリング13、凹部14,15、および凸部16が設けられる。Oリング13は、外表面11ASを取り囲むように環状に設けられる。Oリング13は、外表面11ASとこの外表面11ASに嵌め込まれる蓋部材30(詳細は後述する)の内表面との間に形成される隙間を液密状に塞ぐ。Oリング13によって、電動歯ブラシ100の防水性が向上する(図3参照)。
【0019】
凹部14は、駆動ユニット20(ミドルケース21)の外表面に設けられた固定部24(第1固定部)(図3参照、詳細は後述する)に係合する。凹部15は、駆動ユニット20(ミドルケース21)の外表面に設けられた固定部25(他の第1固定部)(図3参照、詳細は後述する)に係合する。凸部16は、蓋部材30の内表面に設けられた凹部26M(図3参照、詳細は後述する)に係合する。
【0020】
底部12は、内表面12Sを有し、筒状部11の他端11Bを塞ぐように設けられる。底部12も、透明または半透明の部材から構成されるとよい。筒状部11の内表面11Sと底部12の内表面12Sとは、互いに連続するように形成される。筒状部11および底部12は、一体成型されるとよい。当該一体成型によれば、電動歯ブラシ100としての意匠性が向上する。
【0021】
筒状部11および底部12が一体成型される場合、筒状部11および底部12は、たとえば、無着色のABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene共重合合成樹脂)を射出成型することによって作製される。筒状部11および底部12は、別部材として準備された後に、互いに一体化されてもよい。
【0022】
筒状部11の内表面11Sには、加飾部18が設けられる。加飾部18は、たとえば、着色されたポリカーボネート等のフィルム状のシートから構成される。この場合、当該シートは、筒状部11とは別部材として準備される。当該シートは、円筒状に湾曲された状態で筒状部11内に挿入される。当該シートは、筒状部11の内表面11Sと互いに密着するように内表面11S上に配置される。
【0023】
加飾部18が着色されたポリカーボネート等のフィルム状のシートから構成される場合、当該シートは、インサート成型によって筒状部11の内表面11S上に設けられてもよい。当該シートは、フィルムインサート成型によって筒状部11の内表面11S上に設けられてもよい。
【0024】
加飾部18は、筒状部11の内表面11Sに、スプレーなどによる塗装処理が施されることによって形成されてもよい。当該構成によれば、加飾部18がフィルム状のシートから構成される場合に比べて意匠性を向上させることが可能となる。加飾部18は、筒状部11の内表面11Sに加えて、底部12の内表面12Sに、スプレーなどによる塗装処理が施されることによって形成されてもよい。当該構成によれば、加飾部18がフィルム状のシートから構成される場合に比べて意匠性をさらに向上させることが可能となる。
【0025】
(駆動ユニット20)
図1および図2を参照して、駆動ユニット20は、一端20Aから他端20Bに向かって略棒状に構成される。矢印AR1(図1参照)に示すように、駆動ユニット20は、筒状部11の開口11Hを通してアウターケース10内に挿入および配置される。
【0026】
駆動ユニット20は、ミドルケース21、インナーケース21M、インナーケース21N(図2参照)、振動伝達部材22、モータ28(図2参照)、偏心錘28W(図2参照)、制御基板23、電源部27(図2参照)、給電用コイル29(図2参照)、および固定部26(第2固定部)を含む。
【0027】
インナーケース21Mは、駆動ユニット20を構成する基本的な構造部材であり、駆動ユニット20の上部側(一端20A側)から下部側(他端20B側)の全体にわたって設けられる(図1参照)。インナーケース21Mの上部とインナーケース21N(図2参照)とは、互いに組み合わされることによって円筒形状を呈する。
【0028】
インナーケース21Mの上部とインナーケース21Nとの組合せによって形成された円筒形状の部分は、ボルト21B(図3参照)の締結によって保持される。この円筒形状を呈する部分を外側から囲うように、円筒状のミドルケース21が取り付けられる(図1参照)。
【0029】
図2および図3を参照して、ミドルケース21の先端部21Kに覆い被さるように、円環状に形成されたゴム製のキャップ21L(図1も参照)が設けられる。ミドルケース21の外表面に、第1固定部としての固定部24および固定部25が設けられる。
【0030】
上述のとおり、駆動ユニット20がアウターケース10内に配置された状態では、固定部24はアウターケース10における凹部14に係合する。固定部25は、アウターケース10における凹部15に係合する。固定部24および凹部14同士の係合、ならびに固定部25および凹部15同士の係合によって、駆動ユニット20はアウターケース10(筒状部11の内表面11S)に対して固定される。
【0031】
ミドルケース21の上方から突出するように、振動伝達部材22が設けられる。インナーケース21Mおよびインナーケース21Nによって円筒状に形成された部分の内部に、モータ28および偏心錘28Wが設けられる。振動伝達部材22の下端は、モータ28に取り付けられた偏心錘28Wに対向するように配置される。
【0032】
振動伝達部材22の下端は、薄膜状に形成されたゴム等の弾性部材21Rを挟んで、インナーケース21Mおよびインナーケース21Nに連結される。偏心錘28Wの回転によって生じた振動は、インナーケース21M、インナーケース21N、および弾性部材21Rを通して、振動伝達部材22に伝達される。
【0033】
制御基板23は、駆動ユニット20の外形形状に沿いつつ、駆動ユニット20の長手方向に沿って延在するように設けられる。制御基板23の表面には、各種のスイッチが実装される。これらのスイッチは、アウターケース10に設けられた操作部17の位置に対応するように配置される。電源部27は、インナーケース21Mの内部に配置され、制御基板23およびモータ28に電気的に接続される。
【0034】
操作部17が操作されることによって、制御基板23は、電源部27に対してモータ28への電力の供給/停止を制御する。モータ28の駆動によって、偏心錘28Wが回転し、振動が発生する。上述のとおり、当該振動は、インナーケース21M、インナーケース21N、および弾性部材21Rを通して、振動伝達部材22に伝達される。
【0035】
振動伝達部材22に伝達された振動によって、振動伝達部材22に取り付けられた衛生保持部材40が振動し、電動歯ブラシ100は歯磨きなどに使用される。給電用コイル29は、電動歯ブラシ100が充電機(図示せず)上に載置された際に、電源部27を充電するために用いられる。
【0036】
電動歯ブラシ100においては、固定部26が、インナーケース21Mの下端に設けられた嵌合凸部21Tに取り付けられる。固定部26は、駆動ユニット20の他端20Bに位置する。固定部26は、アウターケース10における底部12の内表面12Sに対して固定される。駆動ユニット20の他端20Bに固定部26が設けられることによって、駆動ユニット20は筒状部11の内表面11Sに対してより安定した状態で固定されることができる。
【0037】
アウターケース10における凹部14および駆動ユニット20における固定部24、ならびにアウターケース10における凹部15および駆動ユニット20における固定部25が、互いに強固に固定される場合などには、固定部26が底部12の内表面12Sに固定されるという構成は、必要に応じて採用されるとよい。
【0038】
駆動ユニット20における固定部26が底部12の内表面12Sに固定される場合、固定部26はシリコンゴムなどの弾性体から構成されるとよい。駆動ユニット20のアウターケース10に対する防振(制振)効果を得ることができる。固定部26としては、インナーケース21Mと一体的に構成されてもよい。この場合、インナーケース21Mの下端(駆動ユニット20の他端20B)は、比較的柔らかい樹脂などから、インナーケース21Mの一部として構成されるとよい。
【0039】
駆動ユニット20における固定部26が底部12の内表面12Sに固定される場合、底部12の内表面12Sは球面状に凹設されるとよい。固定部26は、底部12の内表面12Sの形状に対応する半球状に凸設されるとよい。当該構成によれば、固定部26は、内表面12Sに対してより安定した状態で固定されることができる。
【0040】
図2および図3に示すように、駆動ユニット20がアウターケース10に対して固定された状態においては、駆動ユニット20と筒状部11の内表面11Sとの間には、隙間Sが形成される。電動歯ブラシ100における隙間Sは、駆動ユニット20の略全周を取り囲むように形成される。電動歯ブラシ100においては、駆動ユニット20が、凹部14,15および固定部24,25同士による固定(ならびに必要に応じて固定部25および底部12同士による固定)によって、アウターケース10に対して固定される。筒状部11の内表面11S(特に、意匠面を構成する部分)には、駆動ユニット20を固定するためのリブなどが設けられていない。
【0041】
換言すると、駆動ユニット20がアウターケース10に接触している部分は、凹部14,15および固定部24,25同士の係合部分と、操作部17および制御基板23同士の接触部分と(必要に応じて固定部26および底部12同士の接触部分と)であって、駆動ユニット20の表面の略全体がアウターケース10(筒状部11の内表面11S)に接触していない。隙間Sは、凹部14,15および固定部24,25同士の係合部分から、固定部26まで略全体にわたって連通する円筒状の空間を形成している。
【0042】
(蓋部材30・衛生保持部材40)
図1および図3に示すように、蓋部材30は、アウターケース10内に駆動ユニット20が配置された状態で、アウターケース10(筒状部11)の一端11Aに取り付けられる(図1中の矢印AR2参照)。蓋部材30は、一端31(図1参照)から他端32(図1参照)に向かって徐々に直径が大きくなる円環状に形成される。蓋部材30の内表面には、アウターケース10の凸部16に係合する環状の凹部26M(図3参照)が設けられる。
【0043】
蓋部材30は、筒状部11の一端11A側における外表面11AS(図1参照)、および、駆動ユニット20(ミドルケース21)の一端20A側に設けられたキャップ21Lを、筒径方向の外側から覆うように取り付けられる。この際、筒状部11の凹部14,15が、蓋部材30によって覆い隠されるように構成されるとよい。当該構成によれば、駆動ユニット20の固定部24,25および筒状部11の凹部14,15は、非意匠面に位置することとなり、外部から視認されなくなる。電動歯ブラシ100としての意匠性をより一層向上させることが可能となる。
【0044】
振動部材としての衛生保持部材40は、口内の衛生を保持するためのブラシ部41およびステム部42を含む。ブラシ部41は、たとえばナイロン(毛状)などから構成される。ステム部42は、たとえばポリカーボネートなどから構成される。意匠上の観点からは、ステム部42の下部側が不透明の部材から構成され、ステム部42の上部側が透明の部材から構成されてもよい。
【0045】
図4および図5を参照して、ステム部42の下部側が不透明の部材から構成され、ステム部42の上部側が透明の部材から構成される点について、他の例としては、ステム部42の外側を構成する外装部42Aが透明の部材から構成され、ステム部42の内側下部を構成する内装部42Bが加飾された不透明の部材から構成されてもよい。外装部42Aを通して、内装部42B(加飾された内装部42Bの色)を視認することができる。当該構成によっても、ステム部42における意匠性の向上が図れる。
【0046】
図1および図3を再び参照して、ステム部42の内部には、振動伝達部材22の表面形状に対応する凹部43が設けられる。凹部43に振動伝達部材22が挿入されることによって、衛生保持部材40が駆動ユニット20に対して固定される(図1中の矢印AR3参照)。
【0047】
衛生保持部材40が駆動ユニット20に対して固定された状態では、衛生保持部材40は蓋部材30を挟んでアウターケース10の反対側に位置する。衛生保持部材40としては、マッサージ用のシリコン片などであってもよい。電動歯ブラシ100においては、上述のとおり、操作部17が操作されることによって、電源のON/OFFが切り替えられる。電源ON時には、衛生保持部材40(特に、ブラシ部41)が振動し、電動歯ブラシ100は歯磨きなどに使用されることが可能となる。実施の形態における電動歯ブラシ100としては、以上のように構成される。
【0048】
(作用・効果)
駆動ユニット20がアウターケース10に対して固定された状態においては、駆動ユニット20と筒状部11の内表面11Sとの間には、隙間Sが形成される。駆動ユニット20は、凹部14,15および固定部24,25同士による固定(ならびに必要に応じて固定部25および底部12同士による固定)によって、アウターケース10に対して固定される。
【0049】
筒状部11の内表面11S(特に、意匠面を構成する部分)に、駆動ユニット20を固定するためのリブなどは設けられていない。電動歯ブラシ100における隙間Sは、駆動ユニット20の略全周を取り囲むように形成される。隙間Sは、凹部14,15および固定部24,25同士の係合部分から、固定部26までの略全体にわたって連通する円筒状の空間として形成される。電動歯ブラシ100によれば、筒状部11の内表面11Sに設けられた加飾部18の外観がリブなどによって阻害されない。加飾部18は、透明または半透明の部材から構成された筒状部11を通して高い意匠性を発揮することが可能となる。
【0050】
アウターケース10において、筒状部11および底部12が一体成型される場合、底部12がいわゆる透明の樹脂溜まりを形成する。電動歯ブラシ100は、さらに高い意匠性を発揮することが可能となる。また、電動歯ブラシ100においては、加飾部18がアウターケース10の内側に設けられる。電動歯ブラシ100が、洗面所などにおいて、歯磨き粉、うがい薬、または化粧品などの近くに載置された場合であっても、加飾部18は劣化することがなく、高い意匠性を長期間にわたって発揮することができる。
【0051】
以上、本発明に基づいた実施の形態として、振動発生装置について電動歯ブラシを一例に説明したが、今回開示された形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。たとえば、本発明に基づく振動発生装置は、電動歯ブラシに限られず、バイブレータ機能付きの頭皮用ブラシ、髭剃り、歯科用電動施術器具、または電動工具などにも適用されることが可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
10 アウターケース(ケース)、11 筒状部、11A,20A,31 一端、11AS 外表面、11B,20B,32 他端、11H 開口、11S,12S 内表面、12 底部、13 リング、14,15,26M,43 凹部、16 凸部、17 操作部、18 加飾部、20 駆動ユニット、21 ミドルケース,21M,21N インナーケース、21B ボルト、21K 先端部、21L キャップ、21R 弾性部材、21T 嵌合凸部、22 振動伝達部材、23 制御基板、24,25,26 固定部、27 電源部、28 モータ、28W 偏心錘、29 給電用コイル、30 蓋部材、40 衛生保持部材、41 ブラシ部、42 ステム部、100 電動歯ブラシ、AR1,AR2,AR3 矢印、S 隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明または半透明の部材から構成され且つ一端に開口を有する筒状部、および内表面が前記筒状部の他端を塞ぐように設けられた底部を含むケースと、
前記筒状部の内表面に設けられた加飾部と、
前記ケース内に配置される駆動ユニットと、
前記筒状部の前記一端側に取り付けられる蓋部材と、
前記蓋部材を挟んで前記ケースの反対側に配置され、前記駆動ユニットから振動が伝達される振動部材と、を備え、
前記駆動ユニットには、前記筒状部の前記一端側の内表面に対して固定される第1固定部が設けられ、
前記駆動ユニットと前記筒状部との間には、前記駆動ユニットの略全周を取り囲むように隙間が形成される、
振動発生装置。
【請求項2】
前記駆動ユニットには、前記底部の内表面に対して固定される第2固定部が設けられる、
請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記駆動ユニットの他端は、弾性体から構成される、
請求項1または2に記載の振動発生装置。
【請求項4】
前記底部の内表面は球面状に凹設され、
前記弾性体は、前記底部の内表面の形状に対応する半球状に凸設される、
請求項3に記載の振動発生装置。
【請求項5】
前記筒状部および前記底部は一体成型されている、
請求項1から4のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項6】
前記加飾部は、前記筒状部の内表面に塗装処理が施されることによって形成される、
請求項1から5のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項7】
前記蓋部材は、前記駆動ユニットの前記第1固定部が前記筒状部の前記一端側の内表面に固定される部分を覆い隠すように設けられる、
請求項1から6のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の振動発生装置から構成される、
電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−183219(P2012−183219A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48802(P2011−48802)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】