説明

振動自在孔板

【課題】固体物質を保管するとともに、固体物質を液体と組み合わせて溶液を形成する方法を提供すること。また、溶液が形成された場合、この溶液を噴霧装置に素早く移して溶液を投与することができるようにエアゾール化すること。
【解決手段】前面50と、後面48と、前面から後面へ延びる複数のテーパのついた孔46とを有し、主としてパラジウムから構成されたプレート本体を備えることを特徴とする振動自在の孔板である。溶液は、物質の分解速度が低下するように溶液の再構成後に直ちにエアゾール化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入薬剤治療の分野、特に、エアゾール化された(aerosolized)化学物質の吸入に関する。本発明の一の観点によれば、化学物質を乾燥状態で保管するカートリッジと、この物質に液体を導入して溶液を形成する液体ディスペンサとを有するポータブル吸入器が提供されている。溶液の形成直後に、吸入器は、溶液を患者に投与することができるように溶液をエアゾール化する。
【背景技術】
【0002】
液体薬剤の噴霧は、患者に数多くの薬剤を有効に配給する有望な方法となっている。特に、タンパク質、ペプチドその他の生体構成要素(biological entity)の肺配給に重要となっている。これらの多くは、容易に分解し、液体の形態に保持される場合には不活性となる。タンパク質とペプチドは、固体状態においては、より大きな安定性を発揮することがしばしばある。これは、主として、2つの要因による。第1の要因として、幾つかのタンパク質分解経路における反応体である水の濃度が減少する。Pharm. Res.、第6巻、第903−918頁(1989年)に掲載のエム・シー・マニング(M.C. Manning)、ケイ・パテル(K. Patel)及びアール・ティー・ボーチャート(R.T. Borchardt)の論文である「タンパク質薬剤の安定(Stability of Protein Pharmaceuticals)」を参照されたい。本明細書においては、この文献を引用してその説明に代える。第2の要因として、タンパク質及び他の賦形剤は固体状態において固定される。水は、ペプチドの変化及び開裂並びに脱アミド化を含む加水分解反応における反応体である。凍結乾燥または噴霧乾燥による水の濃度の低下により、この反応体の濃度、従って、分解経路の速度が低下する。
【0003】
配合物におけるペプチドまたはタンパク質及び他の分子の易動度は、固体即ち乾燥状態では低下する。Pharm. Res.、第12巻、第799−806頁(1995年)に掲載のビー・シー・ハンコック(B.C. Hancock)、エス・エル・シャンブリン(S.L. Shamblin)及びジー・ゾグラフィ(G. Zografi)の論文である「ガラス転移温度未満での非晶質薬剤固形物の分子易動度(Molecular Mobility of Amorphous Pharmaceutical Solids Below Their Glass Transition Temperatures)」を参照されたい。本明細書においては、この文献を引用してその説明に代える。ペプチドまたはタンパク質に関しては、これにより、分子間相互作用及び分子内の形態変化または構造変動の速度が低下する。分子間相互作用が最小化すると、タンパク質またはペプチドの凝集/沈降が低下するとともに、タンパク質またはペプチドに対する化学反応体の拡散速度が低下し、化学分解経路の速度が緩慢になる。分子内構造変化が低下すると、重要な反応基が化学的相互作用または分子間相互作用に利用することができる速度が低下する。この反応の速度は、水の濃度及びタンパク質の易動度が低下すると、小さくなることがある。
【0004】
固体または乾燥状態でタンパク質をつくる1つの方法として、液体を微細な粉末に変える方法がある。かかる粉末は、吸入配給に使用する場合には、密な粒度分布を有する1乃至5ミクロンの平均質量直径を有する小さな粒子からなる。しかしながら、このようなことが要件とされると、乾燥粉末の処理及びパッケージ形成に要するコストが増大する。発明の名称が「分散可能な微細粒子を処理する方法及び装置(Methods and System for Processing Dispersible Fine Powders)」の米国特許第5,654,007号及び発明の名称が「エアゾール化された薬剤を配給する方法及び装置(Methods and Devices for Delivering Aerosolized Medicaments)」の米国特許第5,458,135号を参照されたい。本明細書においては、これらの特許を引用して、その説明に代える。
【0005】
溶液を固体または乾燥した形態に変える一層簡単な方法として、凍結乾燥方法があるが、これは、溶液を、水のような液体で溶解することにより溶液を容易に再構成することができる固体物質に変えるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、固体物質を保管するとともに、固体物質を液体と組み合わせて溶液を形成する方法を提供することにある。本発明の別の目的は、溶液が形成された場合、この溶液を噴霧装置に素早く移して溶液を投与することができるようにエアゾール化することにある。このように、溶液は、物質の分解速度が低下するように溶液の再構成後に直ちにエアゾール化される
【0007】
溶液を噴霧するのに、種々の噴霧装置を利用することができる。例えば、噴霧装置の一例が、アイブリ(Ivri)に付与された米国特許第5,164,740号(「’740特許」)に記載されている。’740特許には、超音波変換器と該変換器に取着された孔板(aperture plate)とを備えた装置が記載されている。孔板は、小さな液滴を形成するのに使用されるテーパのついた孔を有している。変換器は、この板を比較的高い周波数で振動させることにより、液体が孔板の後面と接触状態に置かれ、かつ、板が振動されたときに、液滴が孔を介して噴射するようにしている。’740特許に記載の装置は、以前提案されていた構成のように流体室を孔板と接触状態に置くことを必要とせずに、小さな液滴を形成するように構成されている。そして、少量の液を孔板の後面に置くとともに、表面張力により後面に保持することができるようにしている。
【0008】
’740特許の変更例が米国特許第5,586,550号(「’550特許」)及び第5,758,637号(「’637特許」)に記載されている。本明細書においては、これらの特許を引用してその説明に代える。これら2つの引例には、高流動の液滴を狭いサイズ分布で形成するのに特に有効な液滴発生器が記載されている。’550特許に記載されているように、非平面の孔板を使用すると、より多くの孔が液滴を噴射することができるという利点が得られる。更にまた、液滴は、約1μm乃至約5μmの範囲で形成することができるので、装置は、薬剤を肺に配給するのに有効となる。
【0009】
従って、本発明の更に別の目的は、溶液(好ましくは、再構成されたばかりの溶液)のかかるエアゾール形成装置への移送を容易にして、溶液を吸入のために噴霧することができる装置及び方法を提供することにある。この場合、考慮されるべき重要な点は、適正な投与量の配給である。従って、本発明の更に別の目的は、適正な投与量が肺に配給することができるように適正な量の液体薬剤をエアゾール発生器に移送することを確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、固相物質、例えば、乾燥状態にある物質を液体と再構成させて溶液を形成するとともに、この溶液をその後の噴霧のためにエアゾール発生器に移送するシステム、装置及び方法が一例として提供されている。一の実施の形態においては、システムは、液体ディスペンサと、乾燥状態の物質を含むカートリッジと、エアゾール発生器とを備えている。使用の際には、カートリッジは、ディスペンサの出口に連結され、ディスペンサは液体を出口からカートリッジに分配される。次いで、液体は、物質を介して流れ、溶液としてカートリッジを出る。
【0011】
一の実施の形態の観点においては、カートリッジは、各使用後に交換されて、処分される。カートリッジの取り外し後、使用者は、液体ディスペンサを任意に操作し、その後のクリーニングサイクルに備えて液体をエアゾール発生器に配給することができる。別の実施の形態の観点においては、カートリッジの液体出口がエアゾール発生器に近接して配置され、液体をエアゾール発生器に分配して噴霧に容易に利用することができるようにしている。
【0012】
液体ディスペンサ
一の実施の形態においては、液体ディスペンサは、キャニスタに取着された機械ポンプを備えている。液体ディスペンサは、吸入器のハウジングに内設され、機械ポンプが操作されるたびに所定容量の液体を配給するように構成されている。配給された液体は次に、ポンプからカートリッジへ直接流れて溶液を形成し、この溶液は次に、エアゾール発生器に導入される。
【0013】
一の特定の観点においては、液体は、生理的食塩水溶液または無菌の水であり、抗微生物添加剤を任意に含むことができる。上記したように、カートリッジの固体物質は、液体ディスペンサから液体が導入されたときに溶液に再構成される乾燥状態にある化学物質からなるのが好ましい。
【0014】
一の特に好ましい観点においては、機械ポンプは、キャニスタに接続されたピストンポンプからなる。ピストンポンプは、計量室を画成する円筒部材内を摺動自在となっているばね押しピストン部材からなる。ピストン部材が充填位置まで動かされると、計量ポンプはキャニスタからの液体で満たされる。解放されると、ピストン部材は分配位置まで移動して、既知容量の液体を計量室から分配する。このようにして、ポンプが作動されるたびに、単位容量の液体がピストンポンプから分配される。
【0015】
一の特に好ましい観点においては、ピストン部材が充填位置へ向けて移動すると、円筒部材の内部に真空が形成され、この真空は、通路がピストン部材と円筒部材との間に配設される位置にピストン部材が到達するまで徐々に増加する。この時点で、ピストン部材は充填位置に到達しており、キャニスタからの液体を真空により円筒体の計量室の中へ引き入れることができる。次いで、ピストン部材は解放され、ばねの力により分配位置へ戻される。ピストン部材の分配位置への復帰走行の際には、計量室内の液体は、ポンプの出口を介して排除される。
【0016】
別の特定の観点においては、ピストンポンプは、ポンプが作動されるたびに約10μl乃至約50μlの範囲の容量の液体を配給するように構成されている。別の観点においては、ピストンポンプは、使用者がピストンを充填位置まで完全に押し下げた場合にのみ、全単位容量を分配するように構成される。ピストン部材が一部だけ押し下げられた場合には、液体は分配されない。このようにして、
部分投与は阻止される。
【0017】
更に別の観点においては、液体ディスペンサは、ピストンポンプの死容量をなくすことにより、液体ディスペンサへの微生物の流入をなくすように作用するバルブを更に有する。バルブは、ピストン部材の先端の周囲に摺動自在に配置された環状のバルブシートを備えるのが好ましい。かくして、計量室内の液体は、環状のバルブシートをピストン部材上の先端方向へ動かすことにより、計量室の液体は、ピストン部材が分配位置へ向けて動かされたときにピストン部材と環状バルブシートとの間を流れることにより分配される。環状バルブシートはまた、円筒部材内を摺動自在となっており、円筒部材は単位容量の液体が計量室から分配された後に環状バルブシートのピストン部材に対する先端への動きを止めるストッパを画成する。更に、ばねがピストン部材の先端を環状バルブシートの先端部内へ付勢するときに、シールがピストン部材と環状バルブシートとの間に設けられ、微生物がピストンポンプへ流入するのを防止する。従って、環状のバルブシートをピストン部材及び円筒部材と組み合わせて使用することにより、ピストンポンプ内の液体の単位容量を分配することができるとともに、ピストンポンプへの微生物の流入を防止するシールを提供する。
【0018】
薬剤カートリッジ
本発明のカートリッジは、化学物質を乾燥状態で保管することができる。液体がカートリッジに導入されると、化学物質は液体に溶解して溶液を形成するが、この溶液の形成は、溶液のエアゾール化の直前に行われる。
【0019】
一の実施の形態においては、カートリッジは、入口開口と出口開口とを有するハウジングを備えている。ハウジングには、乾燥状態にある化学物質が配置されている。液体がハウジングを介して流れると、物質は溶解し、溶液として出口開口を介して流れる。化学物質は、タンパク質、ペプチド、低分子の化学構成要素(chemical entity)、遺伝物質、並びに、薬剤として使用される高分子及び低分子のような種々の化学物質のいずれかとすることができる。一の特定の物質は、インターフェロンアルファまたはアルファ1プロラスチンのような凍結乾燥された(lyophilized)タンパク質である。凍結乾燥された物質は、支持構造体内に保持されて、液体と接触する表面積を大きくすることにより、物質が溶解する速度を高めるのが好ましい。支持構造体は、液体と接触する物質の表面積が大きくなるように3次元マトリックスの凍結乾燥物質を保持するように構成するのが好ましい。一例として、支持構造体は、出口端部から出る溶液が均質となるように混合を高める多くの曲がりくねった流路を有する連続気泡の多孔質材料を含む。あるいは、支持構造体は、合成織物、金属スクリーン、中実のガラスまたはプラスチックビーズの積み重ね体などから構成することができる。
【0020】
本発明のエアゾール形成装置に関して使用する場合には、液体ディスペンサの作動により、液体は、支持構造体を介して入口開口に導入されて物質を溶解し、次いで、出口開口を出て溶液としてエアゾール発生器に配給される。次に、エアゾール発生器を操作して、溶液をエアゾール化する。かくして、物質は、使用に供されるまで固体状態で保管される。上記したように、液体ディスペンサからの液体の流れは、ピストン部材の復帰ストロークの際に、即ち、ピストン部材が配給位置へ走行する際に形成される。復帰ストロークはばねにより制御されるので、このストロークは使用者に依存しない。かくして、流量は、液体ディスペンサが作動されるたびに同じとなるので、溶液を一貫してかつ繰り返し再構成する方法を提供することができる。
【0021】
一の特定の観点においては、カートリッジは、入口開口に結合機構を備え、カートリッジを液体ディスペンサに結合する。このように、カートリッジは、各使用後に取り外して廃棄することができるように、液体ディスペンサから取り外し自在であるように構成されている。更に別の観点においては、カートリッジには液体状態にある化学物質が充填される。次に、物質は凍結乾燥され、カートリッジに入れられたまま固体状態に変換される。
【0022】
エアゾール発生器
一の実施の形態においては、カートリッジからの溶液をエアゾール化するのに使用されるエアゾール発生器は、上記した米国特許第5,586,550号及び第5,758,637号に記載の態様と同様に構成される。簡単に説明すると、エアゾール発生器は、前面と、後面と、これら両面間を延びる複数の孔とを有する振動自在の部材即ち振動部材(vibratable member)を備えている。孔は、上記した米国特許第5,164,740号に記載のようにテーパを形成するのが好ましい。一の特定の観点においては、振動部材は、好ましくは、半球状であり、テーパのついた孔は凹面から凸面へ延びるのが好ましい。使用に際しては、カートリッジからの溶液は、大きな開口を有する振動部材の後面に供給される。振動部材が振動されると、孔は前面の小さな開口から、溶液を、エアゾール化された噴霧体として放出する。次に、使用者即ち患者は、エアゾール化された噴霧体を単に吸引して化学物質を患者の肺に供給する。
【0023】
別の実施の形態
本発明によればまた、溶液をエアゾール化する方法と装置が一例として提供されている。一の実施の形態においては、装置は、第1の室と、第2の室と、第1の室と第2の室との間に配設された可動の分割体(divider)とを備えている。出口開口がカートリッジに設けられ、第2の室と連通している。液体が第1の室に配置され、乾燥状態にある物質が第2の室にある。装置は更に、カートリッジ内を並進し(translatable)、液体を第1の室から第2の室へ移送して溶液を形成するピストンを有している。エアゾール発生器が更に設けられており、該発生器は出口開口付近に配置され、溶液をカートリッジから受けるとともにエアゾール化された溶液を形成する。このようにして、物質は、エアゾール化に供されるまで、他の実施の形態と同様に乾燥状態に保持することができる。溶液を形成するために、ピストンは、カートリッジ内を動かされ、液体を第1の室から第2の室へ付勢する。ピストンを更に並進させると、直前に形成された溶液は第2の室からエアゾール発生器へ付勢され、溶液は発生器においてエアゾール化される。
【0024】
一の特定の観点においては、分割体は、分割体とカートリッジとの間にシールが形成されるホーム位置(home position)を有している。かくして、液体は、ピストンが並進されるまで、第1の室内に保持される。好ましくは、カートリッジは、第1の室と第2の室との間の少なくとも一部に配置されている少なくとも1つの溝を有する。かくして、ピストンが第1の室の内で動かされると、(実質上非圧縮性の)液体は、分割体を第2の室へ向けて動かすことにより、液体は分割体の周りを通って第2の室へ導かれる。溝は、ピストンが分割体を第2の室内へ動かしたときに、カートリッジと分割体との間にシールが形成されて溶液を第2の室から出口開口へ付勢するように、第2の室で終端するのが好ましい。
【0025】
液体を第1の室へ引き戻すことにより混合を容易にするのが望ましい場合がある。これは、第1の室を介してピストンを引き戻し、第1の室に真空を形成することにより行うことができる。溶液を分配するために、ピストンは上記したように第1の室及び第2の室を介して後方へ並進される。
【0026】
一の特定の観点においては、フィルタが出口開口を介して配置され、大きな粒子が室を出てエアゾール発生器を閉塞するのを防止している。別の観点においては、装置は、ピストンを並進させるモータを備えている。かくして、エアゾール化された溶液は、モータを作動させるだけで、患者に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明によれば、乾燥状態にある固体物質を水のような液体と再構成して溶液を形成するとともに、この溶液をその後の噴霧のためにエアゾール発生器に移送するシステム、装置及び方法が一例として提供されている。一の実施の形態においては、システムは、液体ディスペンサと、乾燥状態にある物質を含むカートリッジと、エアゾール発生器とを備えている。使用の際には、カートリッジはディスペンサの出口に連結される。次いで、使用者は、液体ディスペンサを作動させることにより、液体はディスペンサから分配されてカートリッジに入る。液体がカートリッジを介して流れるにつれて、乾燥物質は液体に溶解し、溶液としてカートリッジを出る。好ましくは、カートリッジは各使用後に取り替えて処分される。好ましい実施の形態においては、カートリッジの出口端部は、エアゾール発生器に配置された溶液が噴霧に容易に利用することができるように、エアゾール発生器付近に配置される。
【0028】
変更例においては、2工程からなる方法が、溶液を再構成しかつ溶液をエアゾール発生器に配給するのに使用される。先ず、単位容量の半分のような、単位容量の液体の一部が、液体ディスペンサが操作されるときにカートリッジに供給される。次いで、使用者は、約10秒のような所定の時間待機し、再び液体ディスペンサを操作して十分な液体をカートリッジに配給し、単位容量の溶液をカートリッジからエアゾール発生器に付勢する。かくして、より多くの物質が液体に溶解することを許容する時間が提供される。
【0029】
本発明の別の観点においては、比較的小容量の液体を容器から直接計量しかつ計量された容量を噴霧器に配給するシステム及び方法が一例として提供されている。このシステムと方法は、典型的には、約10μl乃至約100μlの範囲の比較的小容量の液体を配給するように構成されている。約10μl乃至50μlの範囲の容量を配給する場合には、本発明は、以下において詳細に説明するように、キャニスタに連結されたピストンポンプを使用するのが好ましい。約50μl乃至約100μlの範囲の容量に関しては、イタリア国、ミラノに所在するSomova S.p.A.から商業的に入手することができる計量投与S4ポンプのような薬剤ポンプを使用するのが好ましい。所望により、かかる薬剤ポンプは、エアゾール発生器に直接配給することができる薬剤を含むことができる。一例として、薬剤は、喘息治療用のコリカ(colica)ステロイドの懸濁体からなることができる。
【0030】
本発明の液体ディスペンサの別の特徴は、このディスペンサが汚染を防止しあるいは汚染の可能性を実質上低下させるように構成されていることにある。かくして、液体ディスペンサにより配給される各投与は、噴霧器に供給される場合に汚染されることがない。図1について説明すると、液体を噴霧する装置10の一例が説明されている。装置10は、装置10の種々の構成要素を保持するように構成されたハウジングを備えている。ハウジング12は、軽量であるとともにポケットサイズに構成されるのが好ましく、典型的には、プラスチック材料から成形される。ハウジング12は、2つの分離自在の部分に分割されている。第1の部分14は、エレクトロニクス区画室を含み、第2の部分16はキャニスタ18,エアゾール発生器22及び噴霧された液体が患者に分配されるマウスピース20を保持する液体保持区画室を含む。第2の部分は、ノブ23を摺動させることにより第1の部分14から分離することができるようにするのが好都合である。所望の場合には、液体保持要素を有する第2の部分は、第1の部分14からの分離後に配置することができる。第2の部分16は、キャニスタ18とともに配置することができ、あるいはキャニスタ18は別に配置することができる。
【0031】
装置10は更に、患者がマウスピース22から吸入を行ったときに患者が形成する吸入流を検出する吸入流センサ24を有する。吸入を検出すると、センサ24は電気信号を電子回路(図示せず)に送り、電子回路は電圧を送ってエアゾール発生器22の圧電部材26を振動させることにより、液体をエアゾール化する。センサ24は、可撓性フォイルと光電センサとを備えるのが好ましい。可撓性フォイルは、患者がマウスピース20から吸入を行ったときに生ずる吸入空気流に応答して撓む。光センサは、可撓性フォイルのたわみを検出することにより、信号が発生されて圧電部材26を振動させることができるように構成されている。
【0032】
次に図2について説明すると、吸入流センサ24が概略線図として示されている。フローセンサ24は、延長部30を有する可撓性フォイル28を備えている。吸入流センサ24は更に、発光ダイオード(LED)34と、LED34が光線38をトランジスタ36に連続して送るようにLED34と並置された光感トランジスタ36とを有する光センサ32を備えている。患者が吸入を行うと、吸入空気流により、可撓性フォイル28は撓み、延長部30が光線38と交差するまで延長部30を動かすとともに、トランジスタ36により検出される光遮断が行われる。トランジスタ36は、次いで、信号を送り、エアゾール発生器の起動をトリガしてエアゾールを発生させる。
【0033】
吸入流センサ24をこのように構成することにより、エアゾール発生器22は、患者により生ずる吸入空気流の検出に応答したときにだけ作動される。かくして、患者は、一回の吸入または複数回の吸入により一回分の投与量を投与することができる。好ましくは、吸入流センサ24は、1分当たり少なくとも15リットルの吸入流速でトリガされる。しかしながら、センサ24はより低流速またはより高流速でトリガするように構成することができるのは当然である。作動位置の調整は、フォイル28を構成するのに異なる材料を選択しあるいはフォイル28の厚さを変えて、フォイル28の曲げ剛性(flexible stiffness)を変えることにより行うことができる。
【0034】
あるいは、吸入流センサは、圧電フィルム素子から構成することができる。圧電フィルム素子は、撓むと電気信号を発生する。電気信号の大きさは、撓みの大きさに比例する。かくして、圧電フィルム素子が発生する電気信号は、吸入流の大きさを検出するのに使用することができる。このようにして、エアゾール発生器の出力は、吸入空気流に比例して調整することができる。エアゾール発生器からのこのような比例した出力は、粒子の凝集を防止しかつ吸入流によるエアゾールの形成を制御することができるという点で特に有利である。エアゾールの出力の制御は、エアゾール発生器のオンオフを逐次行うことにより調整することができる。デューティサイクルとして一般に定義されるオンの時間とオフの時間との比は、正味の流れに影響を及ぼす。このような特性を有する圧電フィルム素子は、例えば、ペンシルバニア州、バリー・フォージ(Valley Forge)に所在するエイティーオウ・オートケム・センサーズ・インコーポレイテッド(ATO Autochem Sensors, Inc.)から商業的に入手することができる。
【0035】
図1について再び説明すると、第1の部分14にある電子回路(図示せず)は、エアゾール発生器22の液体の存在を検出するとともに、液体の全てがエアゾール化されたことを示す信号を使用者に送る電気素子を有している。このようにして、使用者は、所定量の薬剤を受けるのに更なる吸入が必要であるかどうかを知る。感知回路は、圧電素子部材26の電圧を検出する電圧感知回路(図示せず)を備えるのが好ましい。圧電部材26の電圧は、エアゾール発生器22の孔板40(図3参照)と表面張力接触する液体の量と比例するので、液体が残っているかどうかは、電圧に基づいて定めることができる。例えば、エアゾール化が開始すると、電圧は高くなる。エアゾール化の最後には、電圧は下がるので、エアゾールか工程が終了に近づいたことがわかる。好ましくは、感知回路は、液体の約95%がエアゾール化されたときにトリガされるように構成される。感知回路は、トリガされると、発光ダイオード(LED)42をオンして所定の投与量が配給されたことを示す。
【0036】
図3について説明すると、エアゾール発生器22の構成が詳細に示されている。上記したように、エアゾール発生器22は、振動することができる孔板40と、環状の圧電部材26とを有している。エアゾール発生器22は更に、圧電部材26と孔板40が図示のように取着されているカップ状の部材44を備えている。カップ状部材44は、孔板40が配置されている円形の孔を有している。ワイヤ(図示せず)により、圧電部材26は部分14(図1参照)内の電気回路に接続され、電気回路は、圧電部材26を振動させるように作用する。
【0037】
カップ状部材44は、アルミニウムのような低制動金属から構成するのが好ましい。孔板40は、孔板40の後面48がキャニスタ18(図1参照)から液体を受けるように配置されるように孔46に配置される。図示はしていないが、孔板40は、後面48から前面50へかけてテーパが形成されている複数のテーパ孔を有している。本発明に関して使用することができる孔板には、例えば、上記した’740特許、’550特許及び’637特許に記載されている孔板がある。
【0038】
孔板40は、金属電鋳処理によりつくることができる材料から構成するのが好ましい。例えば、孔板40は、パラジウム、あるいはパラジウム−コバルトまたはパラジウム−ニッケルのようなパラジウム合金から電鋳により形成することができる。孔板40はまた、耐食性を高めるように金を電気メッキすることができ、あるいは中実の金または金合金から構成することもできる。あるいは、孔板40は、ニッケル、ニッケル−金合金またはニッケルとニッケル−金合金との組み合わせから構成するとともに、ニッケル−金合金が孔板の外面を覆うように配設することができる。ニッケル−金合金は、金の電気メッキ処理を使用し、次いで行われる、Thin Solid Film、第109巻(1983年)、第1−10頁に掲載のヴァン・デン・ベルト(Van Den BelT)、ティージーエム(TGM)の「ラザーフォード・ファクト散乱分光測定により測定されたニッケルにおける白金及び金の拡散(The diffusion of platinum and gold in nickel measured by Rutherford Fact Scattering Spectrometry)」に広く記載されているような高温での拡散により形成することができる。本明細書においては、この文献を引用してその説明に代える。孔板を構成するのに使用することができる一の特定の材料は、約80%のパラジウムと約20%のニッケルからなるが、Plating and Surface Finishing、1996年8月号に掲載のジェイ・エイ・アビス(J.A. Abys)等の「パラジウム−ニッケル合金電着体のアニーリング挙動(Annealing Behavior of Palladium-Nickel Alloy Electro Deposits)」に広く記載されている他のパラジウム−ニッケル合金から構成することもできる。本明細書においては、この文献を引用してその説明に代える。ニッケルが米国特許第4,108,740号に記載されているような高温で熱処理することができるように、少量のマンガンを、電鋳処理の際にニッケルに導入することができる。金−ニッケル合金は、ニッケル成分、特に電鋳されたニッケル成分を、メッキ巣(plating porosity)により引き起こされる腐食から保護するうえで特に有効である。拡散処理は、例えば、インクジェット孔板、他の噴霧ノズルプレートなどのような、ニッケル成分、特に、ニッケル電鋳成分の防食を必要とする他の用途に有効とすることができる。
【0039】
あるいは、孔板の耐食性は、ニッケルからなる第1の電鋳層と金からなる第2の電鋳層との2つの層を有する複合電鋳構造の孔板を構成することにより高めることができる。この複合体における金の厚さは、好ましくは少なくとも2ミクロンであり、より好ましくは少なくとも5ミクロンである。あるいは、第2の層は、パラジウムまたは他の耐食性金属から電鋳させることができる。孔板の外面は、ポリミキシンのようなバクテリアの成長を妨げる材料または銀でコーティングすることができる。所望の場合には、湿潤性を高める別のコーティングを孔板に被着することができる。
【0040】
一の実施の形態においては、孔板は、化学結合成分を介して固体表面と共有結合を形成する試薬を孔板にコーティングすることにより、腐食性液体から保護される。かかる試薬は多くの場合、酸性の薬剤液と生体適合性を有するので好ましい。この試薬は、光反応性とすることができ、即ち、露光されたときに活性化させることができ、あるいは水分または他のエネルギ手段に曝されたときに活性化させることができる。更に、試薬は、種々の表面特性を有することができ、例えば、疎水性、親水性、導電性または非導電性とすることができる。更にまた、2つ以上の試薬を互いの上面に形成することができる。孔板に含ませることができるコーティングのタイプが、米国特許第4,979,959号、第4,722,906号、第4,826,759号、第4,973,493号、第5,002,582号、第5,073,484号、第5,217,492号、第5,258,041号、第5,263,992号、第5,414,075号、第5,512,329号、第5,714,360号、第5,512,474号、第5,563,056号、第5,637,460号、第5,654,460号、第5,654,162号、第5,707,818号、第5,714,551号及び第5,744,515号に記載されている。本明細書においては、これらの特許を引用してその説明に代える。
【0041】
カップ状部材44は、液体が圧電部材26及びカップ状部材44と接触するのを防止するハウジング52内に配置される。カップ状部材44は、2つの弾性リング54及び56によりハウジング52内に吊下される。リング54は、ハウジング52とカップ状部材44の周辺との間に位置決めされる。リング56は、圧電部材26の内周とシールド部材58との間に配置される。かかる配置により、カップ状部材44の振動を抑圧することなく液体が圧電部材26と接触するのを防止する密封シールが提供される。
【0042】
図1について更に説明すると、エアゾール発生器22は、圧電部材26が振動されると、液滴がマウスピース20を介して噴出されて患者による吸入に使用されるように、マウスピース20と軸線方向に整合されている。上記したように、第2の部分16内には、エアゾール発生器22により噴霧されるべき液体薬剤を保持するキャニスタ18が配置されている。キャニスタ18は、単位容量の液体をノズル62を介してエアゾール発生器22へ分配するように構成された機械ポンプ60に一体的に取着されている。ポンプ60は、キャニスタ18を下方へ押すノブ64を押圧して、以下に詳細に説明するようにポンプ作用を発生させることにより作動される。ノブ64を押圧すると、更に、第2の部分16内の電気マイクロスイッチ66に圧力が加えられる。マイクロスイッチ66がこのように作動されると、マイクロスイッチは、信号を第1の部分14内の電気回路に送り、発光ダイオード(LED)(図示せず)が明滅して、装置が使用に供される状態にあることが示される。患者が吸入を開始すると、吸入が感知されてエアゾール発生器が作動される。
【0043】
図3に示すように、ポンプ60は、単位容量の液体68(仮想線で図示)を孔板40の後面48に配給する。配給された液体68は、患者の吸入が感知されるまで、固/液面相互作用と表面張力とにより孔板40に付着する。この時点で、圧電部材26が作動されて前面50から液滴を噴射し、液滴は患者により吸入される。単位容量の液体を提供することにより、正確な投与量の液体薬剤が噴霧され、患者の肺に送られる。図1のキャニスタ18は、分配された液体を孔板に直接配給する構成として図示されているが、ポンプ60は以下において一層詳細に説明するように、乾燥状態の化学物質を含むカートリッジを受けるように構成することもできる。
【0044】
次に、図4−10について説明すると、装置10の孔板40(図1及び3参照)のような孔板に単位容量の液体の薬剤を配給する方法を説明するために、キャニスタ138とピストンポンプ140が概略示されている。キャニスタ138は、キャップ146が周囲に配置されている開放端部144を有するハウジング142を備えている。開放端部144に対向して、液体がハウジング142から逃げるのを防止するシールを提供するワッシャ148が配置されている。ワッシャの頂部には、円筒部材150が配置されている。キャップ146は、円筒部材150とワッシャ148をハウジング142に固定保持している。円筒状部材150は、液体がキャニスタ138から入ることができる円筒状の開口151を有している。円筒部材150は、ワッシャ148と協働して、圧縮ばね154が周囲に配置されている保持部材152を固定して位置決めする機能を行う。
【0045】
ピストンポンプ140は、ピストン部材156と、円筒部材150と、バルブシート158と、圧縮ばね154とを備えている。ピストン部材156は、基端部156Aと、先端部156Bとを有していて、基端部156Aはピストン作用を行い、先端部はバルブ作用を行う。
【0046】
ピストンポンプ140は、バルブシート158がキャニスタ138へ向けて押し下げられ、次いで解放されるたびに、単位容量の液体がテーパのついた開口161を介してバルブシート158に分配されるように構成されている。バルブシート158は、バルブシートを内方へ動かすように押圧されて、バルブシート158を先端部156Bと係合させることによりテーパのついた開口161を閉じるように動作を行うバルブシートショルダ158Aを有している。
【0047】
図5に示すように、ピストン部材156が円筒部材150の中へ更に押し下げられると、ばね154は押し下げられ、計量室168が基端部156Aと円筒部材150との間に形成され始める。基端部156Aと先端部156Bは、それぞれ、円筒部材150及びバルブシート158とともに密封シールを提供する軟質の弾性材料から構成するのが好ましい。基端部156Aと円筒部材150との間のシールにより、ピストン部材156を押し下げる真空が計量室168内に形成される。
【0048】
ピストン部材156が円筒部材150の中へ更に動かされる(図6参照)と、ばね154は更に圧縮され、基端部156Aが円筒開口151を通過することにより、ギャップが基端部156Aと円筒部材150との間に画成される。基端部156Aが円筒部材150の縁部を通ると、キャニスタ138からの液体が、計量室168内に形成された真空により円筒部材150に引き入れられる。図6においては、ピストン部材156は充填位置にある。
【0049】
内方への走行の終了時に、使用者がバルブシート158の圧力を解放することにより、ばね154は開始位置へ向けてピストン部材を押し戻すことができる。図7に示すように、ピストン部材156が開始位置へ復帰走行を行うと、基端部156Aは、再び円筒部材150と係合し、2つの面間にシールを形成して、計量室168内の液体がキャニスタ138へ逆流するのを防止する。
【0050】
計量室168内の液体は概ね非圧縮性であるので、ばね154がピストン部材
156を押すと、計量室168内の液体はバルブシート158を付勢してピスト
ン部材156上を先端部へ向けて摺動させる。これにより、計量室168内の液
体は、図8に示すように、バルブシート158のテーパのついた開口161を介
して計量室から逃げることができる。
【0051】
図7−9に示すように、計量室からの液体は、基端部156Aが長さLを走行するとテーパのついた開口161から分配される。基端部156Aは、長さLを動くと、円筒部材150と接触する。かくして、計量室168の液体は、この長さの移動の際にテーパのついた開口161から押し出される。長さLを移動した後は、基端部156Aは円筒部材150とのシール関係から離脱し、液体がテーパ開口161から更に分配されることはない。従って、分配される液体の量は、長さLにおける円筒部材の直径に比例する。かくして、ピストンポンプ140は、ピストン部材156が開始位置から充填位置まで走行し、次いで開始位置へ戻るたびに既知容量の液体を分配するように構成されている。ピストン部材156は、基端部156Aと円筒部材150との間にギャップを形成するように充填位置まで完全に押し下げられなければならないので、容量の一部を分配することができないようにする方法が提供されている。
【0052】
図9に示すように、バルブシート158は、円筒部材150のストッパ172と係合して、円筒部材150に対するバルブシート158の先端方向への動きを停止させるショルダ170を有している。この状態においては、ピストンポンプ140は、図4に最初に示すような開始位置に対応する最終分配位置にある。この位置においては、ばね154は、ピストン部材156の先端部156Bをテーパ開口161に付勢し、シールを提供するとともに、汚染物がピストン140に入るのを防止する。
【0053】
バルブシート158には、バクテリアの増殖を抑制する材料をコーティングするのが好ましい。かかるコーティングには、例えば、ポリミキシン、ポリエチリニミン、銀などのような正の電荷を有するコーティングが含まれる。
【0054】
本発明によれば、化学物質を固体または乾燥状態で保管し、次いで、化学物質をキャニスタからの液体で溶解して溶液を形成する好都合な方法が提供されている。このようにして、分解を受けやすい化学物質を乾燥状態で保管することができるので、製品の保存時間を延ばすことができる。乾燥状態にあるこのような化学物質を保管するカートリッジ180の実施の形態が図10に示されている。図示を簡潔にするために、カートリッジ180は、ピストンポンプ140とキャニスタ138に関して記載されており、装置10のようなエアゾール形成装置に結合して、薬剤を上記したようにエアゾール化することができる。カートリッジ180は、入口開口184と出口開口186とを有する円筒容器182を備えている。入口開口182は、図示のようにピストンポンプ140に結合されるようなサイズに形成されている。容器182内には、第1のフィルタ188と第2のフィルタ190が配設されている。フィルタ188は、入口開口184付近に配置され、第2のフィルタ190は出口開口186の付近に配置されている。乾燥状態にある化学物質192が、フィルタ188と190との間に配置されている。化学物質192は、支持構造体の内部に保持されて、化学物質が溶解する速度を高めるのが好ましい。
【0055】
支持構造体は、化学物質が溶解する速度を大きくするように配設される種々の材料から構成することができる。例えば、支持構造体は、ジョージア州、ファーバーン(Farburn)に所在するポレックス・テクノロジーズ(Porex Technologies)から商業的に入手することができるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような連続気泡(open cell)材料からなることができる。好ましくは、かかる連続気泡材料は、約7μm乃至約500μmの範囲、より好ましくは約250μmの孔サイズを有する。あるいは、ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ナイロン6(N6)、ポリエーテルスルホン(PES)、エチル酢酸ビニル(EVA)などをはじめとする他の種々のプラスチック材料を、連続気泡マトリックスを構成するのに使用することができる。あるいは、支持構造体は、合成織物、金属スクリーン、中実のガラスまたはプラスチックビーズなどから構成することができる。
【0056】
化学物質192は、例えば、化学物質が液体状態にあるときに、容器182に充填し、物質がカートリッジにある状態で物質を凍結乾燥して乾燥状態にすることにより、容器182に充填することができる。このようにした化学物質によるカートリッジの充填は、精確にかつ繰り返して制御することができる。しかしながら、化学物質は、固体状態にあるときにカートリッジ180に配置することができるのは当然である。
【0057】
凍結乾燥は、種々の物理的及び化学的分解工程の速度を低減させる傾向があるので、処理の一例となる。物質がタンパク質またはペプチドからなる場合には、凍結乾燥サイクル(及び得られる水分含量)と生成物の配合が生成物の形成の際に最適となり、凍結、乾燥の前及び長期間に亘る保管の際にタンパク質を安定化させることができる。BioPharm、第3巻、第18−26頁(1990年)に掲載のエム・ジェイ・ピカル(M.J. Pikal)の「タンパク質の凍結乾燥(Freeze Drying of Proteins)」と題する論文、Biotech. Bioeng.、第37巻、第177−184頁(1991年)に掲載のダブリュ・アール・リユ(W.R. Liu)、アール・ランガ(R. Langer)及びエイ・エム・クリバノフ(A.M. Klibanov)の「固体状態にある凍結乾燥タンパク質の水分誘起凝集(Moisture Induced Aggregation of Lyophilized Proteins in the Solid State)」と題する論文、BioPharm、第3巻、第26−30頁(1990年)に掲載のエム・ジェイ・ピカルの「タンパク質の凍結乾燥II(Freeze drying of Proteins. II)」と題する論文、Biophys. J. 、第65巻、第661−671頁(1993年)に掲載のエス・ジェイ・プレストレルスキー(S.J. Prestrelski)、エヌ・テデッシ(N. Tedeschi)、エス・アラカワ(S. Arakawa)及びジェイ・エフ・カーペンター(J.F. Carpenter)の「タンパク質の脱水誘起形態転移及び安定剤によるその抑制(Dehydration Induced Confornational Transitions in Proteins and Their Inhibition by Stabilizers)」と題する論文、Arch. Biochem. Biphys.、第303巻、第456−464頁(1993年)に掲載のジェイ・エフ・カーペンター 、エス・ジェイ・プレストレルスキー及びティー・アラカワ(T. Arakawa)の「応力を使用した凍結乾燥タンパク質の凍結及び乾燥誘起編成の分離−特異安定化タンパク質(Separation of Freezing and Drying Induced Denaturation of Lyophikized Proteins Using Stress-Specific Stabilization)」と題する論文を参照されたい。本明細書においては、これらの文献を引用してその説明に代える。配合物pHの調整及び/または糖、多糖類ポリオール、アミノ酸、メチルアミン、ある種の塩、その他の添加剤をはじめとする種々の添加剤の添加は、凍結乾燥に対してタンパク質を安定にすることが示されている。
【0058】
本発明を限定するものではないが、一例として説明すると、カートリッジに、約0.5mmの直径を有する小さなガラスビーズを装填した。カートリッジに10mg/mlの濃度のリゾチーム溶液を充填した。安定性を高めるために、溶液をある形態の糖及び緩衝溶液と混合した。緩衝溶液はクエン酸ナトリウムであり、糖はマンニトールであった。ツイン20界面活性剤(twin 20 surfactant)も溶液に加えた。次に、カートリッジにおいて溶液の凍結乾燥を行った。
【0059】
凍結乾燥物質は、J. Pharmsei. TechnologyであるJournal of Pharmaceutical Science Technology、第48巻、第30−37頁(1994年)に記載の界面活性剤のような溶解高進剤を任意に含むことができる。本明細書においては、この文献を引用してその説明に代える。乾燥状態にある化学物質を破壊反応から保護し易くするために、種々の糖類を、Bichem. J. 第242巻、第1−10頁(1987年)に掲載のクロウエ(Crowe)等の「糖類による乾燥リン脂質2層及びタンパク質の安定化(Stabilization of Dry Phospholipid Bilayer and Proteins by Sugars)」と題する論文及びBiochemica. et Biophysica Act、第923巻、第109−115頁(1987年)に掲載のカーペンター(Carpenter)等の「乾燥凍結−乾燥糖類を用いたホスホフルクトキナーゼの安定化(Stabilization of Phosphofructokinase with Sugas Drying Freeze-Drying)」と題する論文に記載のように加えることができる。本明細書においては、これらの論文を引用してその説明に変える。
【0060】
使用に際しては、カートリッジ180は、ピストンポンプ140に連結され、ピストンポンプ140は上記したように操作されて既知の容量の液体をカートリッジ180に分配する。この供給された液体は、化学物質を介して流れ、化学物質192は液体に溶解して溶液194として出口開口186から流出する。出口開口186は、エアゾール発生器198の孔板196から離隔して配置されているので、溶液198は図示のように孔板196に被着される。エアゾール発生器198は更に、カップ状の部材200と圧電部材202を含み、上記したエアゾール発生器22と同様の動作を行う。従って、エアゾール発生器が操作されると、溶液194は図示のように液滴として孔板196から噴出される。
【0061】
本発明の一の重要な特徴は、カートリッジ180が各使用後に廃棄することができるように、ピストンポンプ140から取り外し自在となっている構成にある。図11に示すように、カートリッジ180が取り外された後は、使用者は、所望により、ピストンポンプ140を作動させて所定容量の液体204を再び孔板96に直接配給することができる。次に、エアゾール発生器を作動させ、超音波クリーナと同様に、振動により残留溶液を孔板196から除去することができる。キャニスタ138内に保持されて溶液を形成するとともに、孔板196を清浄にすることができる液体には、無菌水、水とエタノールまたは他の消毒剤との混合物などがある。
【0062】
本発明によれば、化学物質を乾燥状態で保管し、この化学物質を投与直前に液体で再構成して溶液を形成するポータブルエアゾール形成装置が提供されている。本発明によれば更に、溶液をエアゾール化するとともにエアゾール発生器を清浄にする技術が提供されている。更にまた、本明細書に記載のエアゾール形成装置を使用して、液体薬剤をピストンポンプから直接孔板に導いてエアゾール化するように、カートリッジに保管されていない液体薬剤をエアゾール化することができる。
【0063】
装置10は、所望により、清浄にすることが必要とされる場合に使用者に警告を与えるように構成することができる。かかる特徴は、キャニスタ18から受ける投与量をエアゾール化するのに必要な所定時間を含むようにプログラム化されたプロセッサを第2の部分14に設けることにより、最も良好に達成することができる。投与量の全体がエアゾール化される前にこの所定の時間が過ぎた場合には、孔板の孔が閉塞されて孔を清浄にするためのクリーニングが必要であると考えることができる。このような場合には、プロセッサは、クリーニングが必要であることを示す信号をLEDに送る。
【0064】
液体の全てが所定の時間にエアゾール化されたかどうかを確かめるために、プロセッサは、エアゾール発生器が作動された時間の長さを記録する。エアゾール発生器が所定の時間作動されたときには、電圧感知回路が作動して、上記のようにして液体が孔板に残っているかどうかを検出する。
【0065】
次に、図12について説明すると、溶液を噴霧する装置300の別の実施の形態が示されている。装置300は、図1の実施の形態と同様に、2つの部分に分割されたハウジング302を有している。第1の部分304は、種々のエレクトロニクスを含んでおり、第2の部分306は液体保持区画室を有している。エアゾール発生器308は、図1のエアゾール発生器と同様に構成されている、第2の部分306に配置され、溶液がマウスピースを介して行われる吸入に利用される場合に、溶液をエアゾール化する。エアゾール発生器308は、溶液を細くし、これをエアゾール化されるまでエアゾール発生器308と接触状態に保持するリップ312を有するのが好都合である。エアゾール発生器308の上方には、薬剤カートリッジが配設されている。以下においてより詳細に説明するように、カートリッジ314は、エアゾール化のためにエアゾール発生器308へ配給される溶液をつくるのに使用される。
【0066】
カートリッジ314には、親ネジ316が連結されている。そして、親ネジ316は、マイクロ−コアレスDCモータ318に連結されている。モータ318が作動されると、モータはシャフト320を回転させる。この回転運動は、親ネジ316により直線運動に変換され、以下においてより詳細に説明するようにピストン322を並進させる。モータ318は、第1の部分に保持されている適宜のエレクトロニクスにより作動される。更に、電池のような電源も第1の部分304に保持され、電力をモータ318に供給する。エアゾール発生器308は、図1の装置に関して上記した態様と実質上同じ態様で作動される。
【0067】
次に、図13について説明すると、カートリッジの構造が詳細に記載されている。ピストン322は、親ネジ316のコネクタ326と連携するドッキングノブ(docking knob)324とコネクタ326は、結合と解放を容易に行うことができるように構成されている。典型的には、モータ318と親ネジ316はハウジング302に固着連結され(図12参照)、カートリッジ314はハウジング302から取り外し自在に構成されている。かくして、新しい薬剤カートリッジが必要とされるたびに、装置300への挿入と親ネジ316との結合を容易に行うことができる。
【0068】
親ネジ316は、モータ318がシャフト320を時計回り方向へ回転させると、下方へ動かされるように構成されている。あるいは、モータ318が逆転されると、親ネジ316は上方へ動かされる。かくして、ピストン322はカートリッジ314内を前後に並進される。モータ318は、ピストン322を、以下において詳細に説明するようにカートリッジ314内で所定の位置へ動かすことができるように較正されるのが好ましい。
【0069】
カートリッジ314は、第1の室328と第2の室330とを有する。図示を簡潔にするため図示していないが、第1の室328には、液体が充填され、第2の室330は乾燥状態にある物質を含む。かかる物質は、凍結乾燥された薬剤であるのが好ましいが、図1の実施の形態と同様に他の物質を使用することもできる。第1の室328と第2の室330とを分離しているのは、分割体332である。図13に示すように、分割体332は、図13に示すように、分割体332とカートリッジ314との間にシールを形成するホーム位置にあり、液体は、分割体332が以下に説明するようにホーム位置から動かされるまで、第1の室328内に保持される。
【0070】
カートリッジ314は、エアゾール発生器308に著しく近接して配置された出口開口333を有している。溶液がカートリッジ314内に形成されると、出口開口333を介してエアゾール発生器308に分配され、エアゾール化されて患者に配給される。出口開口にはフィルタ334が配置され、大きな薬剤粒子がエアゾール発生器308に流れ出てエアゾール発生器において孔を閉塞することがないようにしている。
【0071】
図14−17について説明すると、エアゾール発生器308に配給される溶液を形成するカートリッジの動作が示されている。カートリッジ314は、米国特許第4,226,236号に記載の薬剤カートリッジと同様の態様で構成されている。本明細書においては、この特許を引用してその説明に代える。カートリッジ314は、図14に示すように、分割体332が液体を第1の室328内に保持するホーム位置にある。カートリッジ314がホーム位置にあるときには、カートリッジを装置300に挿入して親ねじ316と結合することができる(図13参照)。患者に対してエアゾール化された溶液を配給する用意ができているときには、モータ318(図13参照)が作動され、親ねじ316は図15に示すようにカートリッジ314内でピストン322を並進させる。ピストン322がカートリッジ314内で並進されると、ピストンは第1の室328を介して動き始める。液体は実質上非圧縮性であるので、分割体332を第2の室330の方向へ動かす。カートリッジ314の壁内には、1つ以上の溝336が形成され、この溝は、分割体がホーム位置から離れて動くにつれて第1の室328と連通する。かくして、第1の室328内の液体は、矢印で示すように室330内に付勢される。液体が分割体332の周囲を流れることが可能になると、分割体に作用する圧力が解除され、分割体は実質上図15に示すように位置する。液体が第2の室330に入ると、凍結乾燥された薬剤は液体に溶解し、溶液を形成する。
【0072】
図16に示すように、ピストン322は、分割体332と係合するまで並進を行う。この時点で、第2の室330内に形成されたばかりの溶液を混合することを所望することができる。これは、図15に示す位置へ向けてピストン322を後方へ並進させることにより行うことができる。これにより、真空が第1の室328に形成され、溶液を第2の室330から第1の室328に引き入れる。溶液が溝336を通るときに、溶液は撹拌され、混合される。ピストン322は、次に、図16に示す位置へ後方に並進して、液体を第2の室330へ後方へ動かすことができる。この動作は、十分な混合が行われるまで、必要な回数繰り返すことができる。
【0073】
適宜混合が行われてから、溶液は、エアゾール発生器への分配に供することができる。そのために、ピストン332は、図17に示すように第2の室330を介して動かされる。次いで、分割体332は、フィルタ34に対して押圧され、第2の室330を完全に閉じ、液体の全てを出口開口333から追い出す。
【0074】
カートリッジ314の一の特に有利な点は、精確な容量の薬剤をエアゾール発生器308に分配して、患者が適正な投与量を受けることができることを確保することにある。更に、薬剤を乾燥状態に保持することにより、保存寿命を上記のように長くすることができる。
【0075】
溶液の分配後に、カートリッジ314を取り外して別の取り替え用の薬剤カートリッジと交換することができる。所望の場合には、クリーニング溶液を含むクリーニングカートリッジを装置300に挿入することができる。このクリーニング溶液は、モータ318の操作によりエアゾール発生器308に分配される。次に、エアゾール発生器308を作動させて、その孔をクリーニング溶液で清浄にすることができる。
【0076】
次に、図18について説明すると、液体を噴霧する別の装置400が示されている。装置400は、キャニスタ18の代わりに連続供給カートリッジ402が配設されている構成を除き、装置10と実質上同じ態様で構成されている。カートリッジ402は、エアゾール発生器22が作動されるたびに十分な液体が常に利用することができるように、所望により液体をエアゾール発生器22に連続して供給するように構成されている。カートリッジ402はまた、過剰の液体が供給されることがないようにしている。即ち、カートリッジ402は、同時に係属する米国特許出願第08/471,311号に記載されているカートリッジと同様に構成されている。本明細書においては、この出願を引用してその説明に代える。
【0077】
図19−21図に示すように、カートリッジ402は、液体溜め404と、液体を液体溜め404からエアゾール発生器22の孔板へ供給するように孔板に隣接して配置されているフェース406とを備えている。毛管通路408が溜め404とフェース406との間を延びるように配設され、毛管作用によりフェース406に液体を供給するようにしている。溜め404に形成される真空に打ち勝つように、通気溝410が通路408と連通している。かくして、空気は溜め404に入って真空を減じることができるとともに、追加の液体を溜め404から移送することができる。
【0078】
別の実施の形態においては、薬剤カートリッジをピストンポンプに結合して、配合物をエアゾール発生器に供給するのに使用される配給システムを形成することができる。例えば、図22に示すように、分配システム430は、カートリッジ432とピストンポンプ434とを備えている。カートリッジ432は、図14のカートリッジにならってパターン化され、第1の室436と第2の室438とを有している。室436には、液体(図示せず)が収容され、第2の室438には乾燥物質440が収容されている。分割体442がこれらの室を分離している。使用の際には、プランジャ444は室436を介して動かされ、分割体442を前方へ付勢するとともに液体を室438に入れて溶液を形成する。
【0079】
ピストンポンプ434は、図4のポンプ138と同様に構成することができる。ポンプ434は、所定容量の溶液を室438から分配するように操作される。ポンプ434は、所定容量の溶液が噴霧に利用されるようにエアゾール発生器に近接して配置することができる。かくして、直接物質から形成された溶液の既知容量を、簡単かつ好都合な態様で提供することができる。
【0080】
本発明を詳細に説明したが、変更と修正を行うことができるものである。例えば、液体を孔板に配給する構成について例示したが、本発明の方法及び装置を、既知量の液体を他のタイプの噴霧装置に配給するように構成することができる。従って、本発明の範囲と構成は、上記説明に限定されるものではない。範囲と内容は、特許請求の範囲により定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る液体をエアゾール化するエアゾール発生器を備えた装置を例示する一部切欠図である。
【図2】本発明に係るエアゾール形成装置から患者が吸入を開始する時期を検出する吸入流センサを示す概略線図である。
【図3】図1のエアゾール形成装置のエアゾール発生器を示す横断側面図である。
【図4】所定容量の液体をエアゾール発生器に配給するように図1の装置に使用される容器とピストンポンプを示す横断側面図であり、液体を計量しかつ容器からエアゾール発生器へ液体を移送するときのピストンポンプの一の状態を示す。
【図5】所定容量の液体をエアゾール発生器に配給するように図1の装置に使用される容器とピストンポンプを示す横断側面図であり、液体を計量しかつ容器からエアゾール発生器へ液体を移送するときのピストンポンプの別の状態を示す。
【図6】所定容量の液体をエアゾール発生器に配給するように図1の装置に使用される容器とピストンポンプを示す横断側面図であり、液体を計量しかつ容器からエアゾール発生器へ液体を移送するときのピストンポンプの別の状態を示す。
【図7】所定容量の液体をエアゾール発生器に配給するように図1の装置に使用される容器とピストンポンプを示す横断側面図であり、液体を計量しかつ容器からエアゾール発生器へ液体を移送するときのピストンポンプの更に別の状態を示す。
【図8】所定容量の液体をエアゾール発生器に配給するように図1の装置に使用される容器とピストンポンプを示す横断側面図であり、液体を計量しかつ容器からエアゾール発生器へ液体を移送するときのピストンポンプの更に別の状態を示す。
【図9】所定容量の液体をエアゾール発生器に配給するように図1の装置に使用される容器とピストンポンプを示す横断側面図であり、液体を計量しかつ容器からエアゾール発生器へ液体を移送するときのピストンポンプの更に別の状態を示す。
【図10】本発明に係る、固体状態にある物質を保持する取り外し自在のカートリッジを有するエアゾール形成システムを示す概略図である。
【図11】本発明に係る、エアゾール発生器のクリーニングのためにカートリッジが取り外されている図10のエアゾール形成システムを示す図である。
【図12】本発明に係る、溶液をエアゾール化する別の装置を示す横断側面図である。
【図13】図12の装置のエアゾール発生器と2室薬剤カートリッジを示す図である。
【図14】本発明に従ってエアゾール発生器に溶液を分配する一の作動状態にある図13の薬剤カートリッジを示す図である。
【図15】本発明に従ってエアゾール発生器に溶液を分配する別の作動状態にある図13の薬剤カートリッジを示す図である。
【図16】本発明に従ってエアゾール発生器に溶液を分配する更に別の作動状態にある図13の薬剤カートリッジを示す図である。
【図17】本発明に従ってエアゾール発生器に溶液を分配する更に別の作動状態にある図13の薬剤カートリッジを示す図である。
【図18】本発明に従ってエアゾール発生器に薬剤を配給する別のカートリッジを備えた図1の装置を示す図である。
【図19】図18のカートリッジとエアゾール発生器を示す図である。
【図20】図19のカートリッジの横断面図である。
【図21】図19のカートリッジのより詳細な図である。
【図22】本発明に係る、薬剤カートリッジとピストンポンプとを有する分配システムの横断側面図である。
【符号の説明】
【0082】
10 液体噴霧装置
12 ハウジング
14 第1の部分
16 第2の部分
18 キャニスタ
20 マウスピース
22 エアゾール発生器
24 吸入流センサ
26 圧電部材
28 可撓性フォイル
32 光センサ
34 LED
36 光感トランジスタ
38 光線
40 孔板
44 カップ状部材
46 円形孔
48 後面
50 前面
52 ハウジング
54 弾性リング
56 弾性リング
58 シールド部材
60 機械ポンプ
62 ノズル
66 マイクロスイッチ
68 液体
138 キャニスタ
140 ピストンポンプ
142 ハウジング
144 開放端部
150 円筒部材
151 円筒孔
152 保持部材
154 圧縮ばね
156 ピストン部材
156A 基端部
156B 先端部
158 バルブシート
161 テーパ付き開口
168 計量室
170 ショルダ
172 ストッパ
180 カートリッジ
182 円筒容器
184 入口開口
186 出口開口
188 第1のフィルタ
190 第2のフィルタ
192 化学物質
194 溶液
196 孔板
198 エアゾール発生器
200 カップ状部材
202 圧電部材
204 液体
300 液体噴霧装置
302 ハウジング
304 第1の部分
306 第2の部分
308 エアゾール発生器
310 マウスピース
314 カートリッジ
316 親ネジ
318 モータ
320 シャフト
322 ピストン
326 コネクタ
328 第1の室
330 第2の室
332 分割体
333 出口開口
334 フィルタ
400 液体噴霧装置
402 連続供給カートリッジ
404 液体溜め
406 フェース
408 毛管通路
410 通気溝
430 分配システム
432 カートリッジ
434 ピストンポンプ
436 第1の室
438 第2の室
440 乾燥物質
442 分割体
444 プランジャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と、後面と、前面から後面へ延びる複数のテーパのついた孔とを有し、主としてパラジウムから構成されたプレート本体を備えることを特徴とする振動自在の孔板。
【請求項2】
プレート本体はパラジウム−ニッケルから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の孔板。
【請求項3】
プレート本体は約80%のパラジウムと約20%のニッケルとから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の孔板。
【請求項4】
プレート本体はパラジウム−コバルトから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の孔板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−289903(P2008−289903A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179570(P2008−179570)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【分割の表示】特願2000−553019(P2000−553019)の分割
【原出願日】平成11年6月10日(1999.6.10)
【出願人】(594103677)エアロジェン,インコーポレイテッド (6)