説明

挿入器ガイド

挿入器を解放可能に固定するのに適し、挿入器が貫通して伸びる挿管チューブ(21)を前進させることにより挿入器が挿入器ガイド(19)から取り出されるように形作られた開放溝を有する挿管装置(21)用の挿入器ガイド(19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿管処置を支援するための挿入器ガイド、及び挿入器ガイドを含む咽頭鏡のような挿管装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブを口又は鼻から咽頭を経て気管内に通す気管内挿管は、麻酔の投与を可能にしたり肺に空気を送ったりするため、一般的な医療行為において確実な気道を提供するのに重要な処置である。生理緊張の低下により気道がつぶれがちになる昏睡状態の患者の治療、又は例えば自律的な呼吸が減少し又はなくなる全身麻酔におけるような種々の理由のため、気管内挿管を行うことが必要になるかもしれない。これらの場合の多くにおいて、挿管チューブは、医師又は医療補助者によって、緊急状態にある意識不明の患者に挿入されることが必要となる。この処置は、患者の歯とのどの柔らかい組織を傷つけるおそれがあるので、さらに複雑になる。従って、患者を傷つけずに出来るだけ迅速に挿管を確実に実施するために、気管内チューブの挿入時には、かなりの技量が必要とされる。
【0003】
気管内挿管は従来、咽頭鏡を使用して患者の舌を抑え喉頭蓋を移動させる直接咽頭鏡検査法によって行われる。これは、挿管をより容易に行うことができるような明瞭な通路とともに、口腔から咽頭及び気管への入り口の直接的な視覚化を可能にする。
【0004】
従来の咽頭鏡は、ハンドルから延び、曲げたり真っ直ぐにしたりできる細長い硬いブレードを備え、この咽頭鏡は典型的には、関心のある部位を照らす光源を含む。使用時に、咽頭鏡のブレードを口腔から咽頭部位内に挿入し、舌と喉頭蓋を移動させる。咽頭鏡が適所に達すると、気管内チューブは鼻又は口腔を通じて咽頭鏡ブレードに沿って挿入され、移動された喉頭蓋を通過する。ブレード上に又はブレード内に置かれ、或いは光ファイバ束を通してブレード上の又はブレード内の箇所に接続されたビデオカメラを利用するビデオ咽頭鏡は、患者の気管内への挿管チューブのガイド時に一層の支援を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
挿管処置の視覚化が改良されたが、挿管チューブを気管内に導く手順は、依然として比較的煩雑である。現行の挿管処置に関する主な課題は、チューブを配置することの困難さである。より煩雑な挿管チューブに先立って挿入器を挿入することができため、このような処置を支援するための挿入器のような種々の付属物が、当該技術分野において知られている。しかしながら、挿入器が気管内にではなく、間違って食道内に置かれて問題を引き起こす例が依然として多い。
【0006】
挿入器は、患者の咽頭内に挿入される、典型的には小さな周縁を有する堅いガイドである。挿入器が適所に達すると、より大きな挿管チューブが、挿入器上を気管内に挿入される。次いで、挿入器は、外側の挿管チューブを適所に残したまま、摺動して気管から取り出される。挿入器が多少の可撓性及び/又は適応性を有しているので、挿入器は、咽頭の一部のみを視認できるとき又は喉頭蓋のみを見ることができるとき、特に有用な付属物である。使用時に、挿入器の外径と外側の挿管チューブの内径との差は、これらの直径間により大きな差が存在すると外側の挿管チューブが挿入器を気道から引きずり出すことがあるので、かなり小さくあるべきである。普通に使用される挿入器の例として、エッシュマン気管チューブ挿入器(ゴム弾性ブジー)がある。これは、長さ60cmであり、遠位端にJ(クーデ式)アングルをもつ15仏規格の可撓性装置である。このブジーは、気管内に通すことができ、その可撓性及び適応性の性質のため、患者を比較的傷つけないものと考えられる。クーデ式(曲げ)先端は、気管軟骨輪を感知して、ブジーが食道に入らないようにするのに使用することもできる。
【0007】
挿管チューブの挿入を誘導するために、咽頭鏡ブレード用にガイド手段を提供することが知られている。これらのガイド手段は典型的にはチューブガイド、例えば挿管チューブを収容するのに十分な直径を有し、咽頭鏡ブレードと一体に形成され又は咽頭鏡ブレードに取り付けられる1つ以上の溝、を備える。このようなガイド溝は典型的には、咽頭鏡ブレードの長さの大部分に沿って延びている。これは、間隔を隔てたチューブガイド用部材を使用して嵩を減少させるチューブガイドを提供する国際公開第2009/027669号パンフレット(エアクラフト・メディカル・リミテッド)によっても知られている。
【0008】
使用時に、挿管チューブは、チューブガイド内に挿入され、その長さに沿って気管内に誘導される。これは、挿管チューブが適所に達すると咽頭鏡とブジーを取り出すために、挿管チューブを導入するための簡単で効果的な手段であるが、挿入されたチューブから咽頭鏡ブレードを分離するために、挿入されたチューブに沿って咽頭鏡ブレードを口腔の方へ摺動させなければならない。これは、処置者がブレードを回収しつつ咽頭鏡と挿入されたチューブの両方を保持する必要があるので、ぎこちない方法であり、そして時間がかかるが、時間がかかることは、時間が命にかかわる重要性をもつ医療処置に一般に使用される技術にとっては著しい欠点となる。
【0009】
さらに、挿管チューブが比較的大きいので、いくつかのチューブガイドは非常に嵩張る。チューブの寸法はまた、使用者の視界を妨げ、咽頭鏡がビデオ画像を備えている場合でさえも挿入を困難にする。このことが、挿入を支援するために挿入器がしばしば使用される理由であるが、挿入器は典型的には適所に導かれない。
【0010】
本発明は、上述の1つ以上の制限を軽減する(チューブガイドのような)改良されたガイド手段を提供する。
【0011】
本明細書の全体を通して、ブレード部分という言葉は、咽頭鏡ブレードを包含するのみならず、体腔内に挿入される検鏡又は部品も包含する広範な意味で読み取るべきである。さらに、「ブジー」という言葉が明細書全体を通して使用されているが、これは適当な挿入器の単なる一例であり、この語が任意の適当な挿入器を含むものであることを理解すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、挿管装置(例えば、咽頭鏡)用のガイド手段(典型的には、挿入器ガイド)であって、このガイド手段は、ガイド手段が挿入器を解放可能に適所に固定するのに適した開放溝を画定する操作形態を有し、溝は、挿入器の配置方向のそれぞれ上流と下流に第1端と第2端とを有し、第1端は、挿管チューブにより挿入器がガイド手段(典型的には、挿入器ガイド)から取り出されるように、挿管チューブに接触するように形作られている装置が提供される。
【0013】
操作形態を考慮することによって、幾つかの実施形態において、ガイド手段が複数の形態を有してもよい可能性が含まれる。例えば、ガイド手段は、操作形態において開放溝を画定する1つ以上の部材がガイド手段の基部分に対して折り畳まれる扁平な形態を有してもよい。しかしながら、ガイド手段は、操作形態のみを有してもよい。
【0014】
かくして、疑義を回避するため、本発明は、第2の態様において、挿管装置(例えば、咽頭鏡)用のガイド手段(典型的には、挿入器ガイド)であって、ガイド手段が、挿入器を適所に解放可能に固定するのに適した開放溝であって、この溝が、挿入器の配置方向の上流と下流にそれぞれ第1端と第2端とを有し、第1端が、挿管チューブにより挿入器がガイド手段(典型的には、挿入器ガイド)から取り出されるように、挿管チューブに接触するような溝を含むガイド手段にまで及ぶ。
【0015】
挿管チューブは、使用時に挿入器のまわりに伸びて広がる(即ち、挿管チューブはボアを有し、挿入器はそのボアを貫通する)。挿管チューブは、挿入器が最初に開放溝に固定されるとき、挿入器のまわりに伸びて広がってもよい。しかしながら、挿管チューブは、挿入器が開放溝に固定された後に、任意選択的に挿入器が患者内の最終位置に導かれた後に、挿入器のまわりにぴたりと装着されてもよい。
【0016】
有利には、気管内チューブを前進させると、ガイド手段の成形された第1端が挿管チューブを挿入器に接触させ、ガイド手段から解放するので、例えば、医療処置者が激しい横への急激な動きを与えて患者を傷つけることになり得る別の手段によって挿入器をガイド手段から取り去る必要がなくなる。
【0017】
好ましくは、ガイド手段は、開放溝を備え、この溝は、連続なものでも不連続なものでもよい。不連続な開放溝は、1つ以上の適切に配列された(例えば、整列した)部品(例えば、チューブガイド用部材)によって画定されてもよい。
【0018】
好ましくは、ガイド手段は、恒久的に開放している長手方向部分をもつ溝を備える。例えば、ガイド手段は、剛性壁によって画定された開放溝を備えてもよい。
【0019】
ガイド手段は、開放して挿入器を解放するように変形される長手方向部分をもつ溝を備える。例えば、ガイド手段は、壁によって構成される細長い溝を備えてもよく、これらの壁のうち1つ以上は、弾性変形可能である。
【0020】
ガイド手段は、変形可能な1つ以上の壁を備えてもよい。例えば、ガイド手段は、弾性変形可能な材料で形成してもよい(例えば、ガイド手段は、弾性的な壁によって画定されたチューブガイドを含み又はこのようなチューブガイドからなるものでもよい)。1つ以上の壁は、ヒンジ付きガイド用部材を含み又はこのような部材からなるものでもよい。ヒンジ付きガイド用部材は、弾性的に偏向していてもよい。
【0021】
この場合には、ガイド手段の材料を変形させることができ、ガイド手段により挿入器が適所に保持されるが、穏やかに圧力を加えると挿入器を取り囲む挿管チューブがガイド手段から引き離されるので、挿入器をガイド手段から解放することができる。ガイド手段が元の非変形状態にあるとき、ガイド手段の壁が挿入器を適所に保持する程に互いに十分接近するように、ガイド手段は弾性的に偏向していてもよく、挿入器が解放されると、ガイド手段を再使用することができるように、ガイド手段はこの位置に弾性的に復帰する。
【0022】
任意選択的に、ガイド手段は、剛性又は半剛性材料で形成される。
しかしながら、ヒンジ付きガイド用部材は、ガイド手段がチューブガイドを保持することができない扁平な形態と、ヒンジ付きガイド用部材及び少なくとも1つの他のガイド用部材(例えば、壁)が一緒になって挿入器を適所に解放可能に固定するように操作し得るガイド手段を形成する操作形態との間で操作され得てもよく、ガイド手段の第1端は、挿管チューブにより挿入器がガイド手段から取り出されるように、挿管チューブに接触するように形作られる。これにより、使用者が(使用前にガイド手段を操作形態にすることによって)ガイド手段を使用するか、或いは使用しないか(この場合には、ヒンジ付きガイド用部材を扁平な形態にしまい込んで嵩を最小にするのが好都合である)の選択を可能にしてもよい。
【0023】
ガイド手段の第1端は、挿管チューブを前進させてチューブ変形形成部と係合させる際に、ガイドで保持された挿入器が貫通する挿管チューブを変形させるように操作され得るチューブ変形形成部を備えてもよい。
【0024】
ガイド手段の第1端は、ゆるやかな傾斜を有してもよい。ガイド手段の第1端は、ガイド手段の長さに対して60°未満の角度、好ましくは45°未満又は30°未満の角度で延びた壁を備えてもよい。好ましくは、ガイド手段の第1端は、滑らかなテーパを有する。
【0025】
好ましくは、ガイド手段の内径は、挿管チューブの外径よりも小さい。
有利には、ガイド手段の内径が挿管チューブの外径よりも小さいので、挿管チューブは、ガイド手段内に入ることができない。かくして、挿管チューブを連続して前方に動かすことにより、ガイド手段の成形された第1端と接触すると、挿管チューブの進路がそらされる。
【0026】
ガイド手段は、適切な医療装置への取付手段を備えてもよい。
好ましくは、医療装置は、へら状の装置である。本明細書で、へら状の装置とは、体腔内に挿入することができる幅広の平らな端部のような部品を有する任意の医療装置を意味する。医療装置は典型的には、咽頭鏡のような挿管装置である。この場合には、挿管チューブは典型的には、気管内チューブである。咽頭鏡は、(ビデオカメラ又は光を受け入れて光ファイバを通してビデオカメラまで導くレンズのような)画像装置を備えるビデオ咽頭鏡であってもよく、ガイド手段は、挿入器の位置決め及びブレード部分の遠位の挿管チューブの前進を使用時に観察することができるように、画像装置の側方に配列してもよい。
【0027】
好ましくは、取付手段は、(典型的には、ブレード部分上の協働する形成部に取り付けることによって)適切な医療装置のブレード部分への装着が可能になる合致形成部(例えば、溝)を備えている。より好ましくは、ガイド手段は、咽頭鏡ブレードへの取付手段を備えている。
【0028】
任意選択的に、ガイド手段は、医療装置と一体に形成してもよい。医療装置は典型的には挿管装置であり、ガイド手段は、咽頭鏡のブレード部分と一体に形成してもよい。ブレード部分は、咽頭鏡本体と一体に形成してもよく、咽頭鏡本体から取り外し可能に形成してもよい。
【0029】
有利には、装置が原位置の医療装置からの挿入器の分離を促進するので、チューブが体腔内の適所に達すると、装置を取り出すために装置をチューブに沿って入口個所の方へ摺動して戻す必要はない。
【0030】
第3の態様では、本発明は、挿管装置のブレード部分(例えば、咽頭鏡ブレード)と本発明の第1又は第2の態様によるガイド手段にまで及ぶ。ガイド手段は、ブレード部分に取り外し可能に取り付けることができてもよい。ガイド手段は、ブレード部分と一体でもよい。
【0031】
第4の態様では、本発明は、挿管装置(典型的には、咽頭鏡)と本発明の第3の態様によるブレード部分にまで及ぶ。ブレード部分は、挿管装置に取り外し可能に取り付けることができてもよい(例えば、ブレード部分は、使い捨ての咽頭鏡ブレードでもよく、挿管装置は、再使用可能な咽頭鏡(例えば、ビデオ咽頭鏡本体)でもよい)。ブレード部分は、挿管装置と一体でもよい。
【0032】
本発明は、第5の態様では、本発明の第1又は第2の態様によるガイド手段、又は本発明の第3の態様によるブレード部分、又は本発明の第4の態様による挿管装置と、(適用可能な場合は操作形態において)ガイド手段を貫通する程十分小さな直径を有する挿入器と、ガイド手段を貫通しない程十分大きな直径を有する挿管チューブ(例えば、気管内チューブ)とを備えるキットにまで及ぶ。
【0033】
第6の態様では、本発明は、挿入器が挿管チューブ及びガイド手段を貫通した状態で、本発明の第4の態様による挿管装置を患者に導入し、次いで、ガイド手段により挿入器がガイド手段から取り出されるように、挿管チューブをガイド手段の方へ前進させるステップを含む、患者に挿管する方法にまで及ぶ。典型的には、挿管装置は、その後取り出される。挿管装置は咽頭鏡でもよく、挿管チューブは気管内チューブでもよく、この方法は、ガイド手段により挿入器がガイド手段から取り出されるように、気管内チューブを前進させる前に挿入器を患者の気管内に挿入するステップを含んでもよい。
【0034】
次に添付図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例示として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、ブレードの側部に取り付けられた、本発明の実施形態による挿入器ガイドを備える咽頭鏡ブレードの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による挿入器ガイドの使用時の略図である。
【図3】図3は、適切な医療装置のブレード部分に取り出し可能に取り付けることができる挿入器ガイドの側方斜視図である。
【図4】図4は、医療装置のブレード部分に取り付けられた挿入器ガイドの好ましい実施形態の後方斜視図である。
【図5】図5A及び図5Bは、それぞれ扁平の形態と操作形態における本発明のさらなる実施形態による挿入器ガイドの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
まず図1を参照すると、図1は、(挿管装置の一例である)咽頭鏡のブレード部分12を示しており、(ガイド手段として機能する)挿入器ガイド19がブレード部分12に取り付けられている。挿入器ガイド19は、連続した溝を含み、この溝は、挿入器又はブジー(図示せず)の穏やかな解放を容易にするように開放した細長い長手方向部分を有する。挿入器ガイド19は、弾性的に変形可能であり、溝に力が及ぼされていない非変形位置では、開放部分は、ブジーを適所に保持するように、ブジーの外径よりも僅かに狭い。溝の内径は、使用されている挿管チューブ(図示せず)の外径よりも小さい。挿入器ガイド19の第1端22は、穏やかにテーパしており、これにより、挿管チューブの先縁が挿入器ガイド19のテーパした第1端22と接触するとき、挿管チューブをブレード部分12から離すようにそらせ、ブジーを挿入器ガイド19から徐々にゆっくりと動かす。図示された実施形態では、挿入器ガイド19は、ブレード部分12の湾曲部24の相当付近に位置決めされており、咽頭内への最も良好な接近路を通ってブジー20を導くように角度が付けられている。
【0037】
挿入器ガイドの使用時の概略的な描写が図2に例示されている。使用に先立ち、ブジー20は、挿入器ガイド19内に挟まれる。使用時に、咽頭鏡(図示せず)のブレード部分(図示せず)は、口腔から咽頭領域内に挿入され、患者の舌と喉頭蓋を移動させる。次いで、ブジー20は、患者の気管内の適所に誘導されるように、挿入器ガイド19内を徐々に前方にゆっくりと進められる。ブジー20が適所に達すると(図2(i))、挿管チューブ23は、のど内をブジー20に沿って導かれ(図2(ii))、ついには挿入器ガイド19の成形された第1端22と接触する(図2(iii))。挿管チューブ21の先縁と挿入器ガイド19のテーパした第1端22との接触により、挿管チューブ21が上方に誘導される。これにより、挿管チューブ21がブジー20に接触し、ブジーを上方に押しやる(図2(iv))。挿入器ガイド19の壁が僅かに変形し得るので、上方に移動されるブジー20の力により、挿入器ガイド19がブジー20を解放する。
【0038】
次に図3を参照すると、図3は、他の挿管装置の咽頭鏡のブレード部分に取り外し可能に取り付けることができる他の挿入器ガイド119を示している。この挿入器ガイドは、全体として119で示されており、ブジー(図示せず)を適所で一度解放させるように開放した長手方向部分をもつ溝を形成している。挿入器ガイド119は、適切な医療装置のブレード部分の表面に取り外し可能に取り付けることができるように、クリップ部分25を備えている。
【0039】
図4は、咽頭鏡のブレード部分12に取り付けられる挿入器ガイド219を図示している。この挿入器ガイドは全体として219で示されており、好ましい実施形態である。この実施形態は一般的に、挿入器ガイド219が適切な医療装置のブレード部分12に恒久的に又は取り外し可能に取り付けられるときブジー(図示せず)を受け入れるのに適した溝がブレード部分12の表面に形成され点を除いて、図1の実施形態と同じように作動する。この実施形態には、比較的安価で、製造が容易であるという利点がある。
【0040】
図5A及び図5Bは、扁平の形態(図5A)と操作形態(図5B)を有する挿入器ガイド220の横断面である。挿入器ガイドは、第1壁222と、ヒンジ226を中心として旋回するフラップ224とを備え、フラップ224は、扁平の形態においては目立たないが、第2壁として機能し、第1壁と対面し、操作形態において開放溝を画定する。チューブガイドは、ビデオカメラを保持する溝228の側方に配置される。
【0041】
本発明が従来技術と比較して多数の利点及び多数の潜在的な使用法を有することが分かる。上述の例は咽頭鏡に関するものであるが、この概念は他の医療装置及び獣医科の装置まで及び得るが、依然として本発明の範囲内にとどまることが分かる。
【0042】
上述の実施形態が単に例示として記載されており、何ら限定的な意味で記載されておらず、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱することなしに種々の変形及び修正が可能であることは、当業者であれば認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿管装置用のガイド手段であって、前記ガイド手段が挿入器を適所に解放可能に固定するのに適した開放溝を画定する操作形態を有し、前記溝が、前記挿入器の配置方向の上流と下流にそれぞれに第1端と第2端とを有し、前記第1端が、前記挿管チューブにより前記挿入器が前記ガイド手段から取り出されるように、挿管チューブに接触するように形作られている、ガイド手段。
【請求項2】
前記操作形態において前記開放溝を画定する1つ以上の部材が前記ガイド手段の基部分に向けて折り畳まれる扁平な形態も有する請求項1に記載のガイド手段。
【請求項3】
開放溝を備える請求項1又は2に記載のガイド手段。
【請求項4】
前記ガイド手段が、壁によって画定される細長い溝を備え、これらの溝の1つ以上が変形可能である請求項1〜3のいずれか一項に記載のガイド手段。
【請求項5】
1つ以上の壁が弾性変形可能である請求項4に記載のガイド手段。
【請求項6】
1つ以上の壁がヒンジ付きガイド用部材を備える又はこのような部材からなる請求項4又は5に記載のガイド手段。
【請求項7】
前記ガイド手段の前記第1端が、前記挿管チューブが前進しチューブ変形形成部と係合する際に、前記ガイドで保持された挿入器が貫通して伸びる挿管チューブを変形させるように作動するチューブ変形形成部を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガイド手段。
【請求項8】
前記ガイド手段の前記第1端が、前記ガイド手段の前記長さに対して60°未満の角度で延びる壁を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載のガイド手段。
【請求項9】
前記ガイド手段の前記第1端が滑らかなテーパを有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のガイド手段。
【請求項10】
適切な医療装置への取付手段を備える請求項1〜9のいずれか一項に記載のガイド手段。
【請求項11】
挿管装置のブレード部分及び前記ブレード部分に取り外し可能に取り付けられる又は前記ブレード部分と一体に形成される請求項1〜10のいずれか一項に記載のガイド手段。
【請求項12】
挿管装置及び前記挿管装置に取り外し可能に取り付けられる又は前記挿管装置と一体に形成される請求項11に記載のブレード部分。
【請求項13】
咽頭鏡である請求項12に記載の挿管装置。
【請求項14】
請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の器具と、前記ガイド手段を貫通しない程大きな直径を有する挿管チューブとを備えるキット。
【請求項15】
挿入器が挿管チューブとガイド手段を貫通する状態で、請求項12に記載の挿管装置を患者に導入し、次いで、前記ガイド手段により前記挿入器が前記ガイド手段から取り出されるように、挿管チューブを前記ガイド手段の方へ前進させるステップを備える、患者に挿管する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate


【公表番号】特表2012−519524(P2012−519524A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552523(P2011−552523)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050378
【国際公開番号】WO2010/100497
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(505403278)エアクラフト メディカル リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】AIRCRAFT MEDICAL LIMITED